JP3021407B2 - シールドトンネル覆工体 - Google Patents
シールドトンネル覆工体Info
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Description
をトンネルの周方向に組み立てて構築されるシールドト
ンネル覆工体に係り、特にセグメントが鉄筋コンクリー
トからなり、周方向にプレストレスが導入されるシール
ドトンネル覆工体に関する。
場生産されたセグメントを坑内で組み立てることによっ
て構築される。組み立てられた覆工体は、トンネルの周
囲の地盤から作用する土圧および水圧に耐え得るように
充分な強度を有している必要があり、特にセグメントの
継手部において過度の変形が生じないものとしなければ
ならない。このような覆工体を構成するセグメントは、
鉄筋コンクリートからなるものが従来から広く用いられ
ている。このようなセグメントの継手部は、例えば、鋼
材の継手ボックスが固着されており、接合される二つの
セグメントの継手ボックスをボルト接合によって相互に
緊結する構造となっている。そして、周方向に連結され
たセグメントはトンネルの軸線方向に順次配列されて連
結されるが、周方向の継手部が設けられる位置が、軸線
方向に配列された各組のセグメント毎に異なるようにな
っていて、軸線方向にも、例えば鋼材の継手ボックスを
ボルト接合によって相互に緊結したり、ホゾによってせ
ん断力を伝えるようになっている。これにより、周方向
にほぼ均一な強度を有するものとされる。
のセグメントに設けることによってセグメントの製造に
多くの費用が必要となる。また、このような継手構造で
は組立時の変形が大きく、組み立て精度が低いという欠
点がある。一方、継手構造を簡易なものとすると継手部
の曲げ変形が大きくなるとともに、軟弱地盤中のシール
ドトンネルのように周方向の軸力に比べて、曲げモーメ
ントが卓越するような条件では、覆工体に過度の応力が
生じてしまう。
工体の周方向にプレストレスを導入するものがある。こ
のような覆工体のセグメントには、周方向にダクトが設
けられており、周方向に組み立てが完了した後、上記ダ
クトにPC緊張材を挿通し、緊張力が導入される。上記
プレストレスを導入するためのPC緊張材は、覆工体の
断面内において、セグメントの内側から一定の深さに配
置される場合、又は中心から偏心量が変化するように配
置される場合があり、覆工体の各部に適切なプレストレ
スを導入するようになっている。
工体では、セグメントは端面を突き合わせるように接合
されており、曲げモーメントが作用したときにも接合面
やセグメント部材の全域に圧縮応力が作用するようにプ
レストレスが導入される。つまり、いわゆるフルプレス
トレス状態となっており、このように接合されたセグメ
ントは一体となり、軸線方向に隣接するセグメントと緊
結しなくても、周方向に連続した部材として挙動する。
ようなプレストレスが導入される覆工体には、次のよう
な課題がある。周方向に連結されたセグメントの継手の
位置が軸線方向に隣り合うセグメントと異なっているた
め、周方向の多くの位置に分散しており、これらすべて
の継手位置で端面に引張応力が生じないようにプレスト
レスを導入すると、必要なプレストレス量、つまり、P
C緊張材に導入しなければならない緊張力が大きくな
り、緊張材量が増大して工事費が多く必要となってしま
う。
ると、これによるプレストレスは周方向の軸力として作
用するので、荷重により大きな曲げモーメントが作用す
る位置では、セグメントのコンクリートに大きな圧縮応
力度が作用する。この圧縮応力度を許容値以下とするた
めにはセグメントの厚さを大きくすることが必要とな
り、覆工体全体の断面の増加、及びシールドトンネルの
掘削断面の増加を招き、費用が増大することとなる。
決するためになされたものであり、その目的は、シール
ドトンネル覆工体において、周方向のプレストレス量を
低減して、過大な圧縮応力の発生及び工事費の増加を回
避するとともに、セグメントの継手部においても充分な
強度を得ること、及びセグメント組立時の自重による変
形を小さくし、高い組み立て精度を得ることである。
めに、請求項1に記載の発明は、 複数の鉄筋コンクリ
ートからなるセグメントを周方向に組み立て、その周方
向にプレストレスを導入して一体化するシールドトンネ
ル覆工体において、 前記セグメントの接合部は、前記
シールドトンネルの中心線の直上部付近及び中心の直下
付近で土圧又は水圧による曲げモーメントが最大となる
位置を避けて設けられ、 前記プレストレスは、 前記
セグメントの組立直後における接合部には、隣り合うセ
グメントの突き合わされた端面の全域に圧縮応力が作用
するように、 土圧又は水圧による曲げモーメント作用
時のセグメント接合部は、コンクリートの圧縮応力と前
記プレストレスを導入するための緊張材の引張力との偶
力で曲げモーメントに対抗するように、 前記土圧又は
水圧による曲げモーメント作用時のセグメント断面は、
コンクリートの圧縮応力とコンクリート中に埋設された
引張補強材の引張力とで曲げモーメントに対抗するよう
に、前記プレストレスが導入されていることを特徴とす
るシールドトンネル覆工体。
ントの組立時には、セグメントのトンネル軸線方向の前
端は何にも接続されず、後方のセグメントによってのみ
支持される状態となるので、周方向の接合部の継手剛性
が低いと、自重による変形が生じる。このため、組み立
て精度が低くなり、変形が蓄積されて、シールド機の後
部にあるスキンプレートに接触して組立できなくなった
り、シールド機を推進できなくなったりする。しかし、
請求項1に記載のシールドトンネル覆工体では、組立時
において、周方向の接合部の端面の全域に圧縮応力が作
用する、いわゆるフルプレストレス状態となるようにプ
レストレスが導入されることによって、接合部で隣り合
うセグメントは一体となり、連続した部材として挙動し
て、接合部における剛性の低下や大きな変形を生じな
い。
工体に作用する荷重は、一般に外部からの土圧又は水圧
が支配的となり、これらによって覆工体に生じる断面力
の分布は、シールドトンネル供用中においては、ほとん
ど変動しない。このため、セグメントの接合部を、上記
土圧又は水圧による曲げモーメントの値が最大となる位
置を避けるように設けることによって接合部に生じる曲
げモーメントの値を小さくすることができる。そして、
この接合部では、図11に示すように、セグメントの端
面に生じるコンクリートの圧縮応力PとPC緊張材の引
張力Tとの偶力で曲げモーメントに対抗するようになっ
ているので、少ないプレストレス量で、充分な強度を有
している。したがって、セグメントを周方向に接合する
位置をシールドトンネルの軸線方向の位置によって順次
変える必要がなく、周方向に接合する作業を同じパター
ンで行なうことができる。また、軸線方向の接合面でせ
ん断力を伝達するボルトボックス継手やホゾなどの接合
継手を設ける必要がない。
る位置は、セグメントの中間部分となり、周方向に配置
した鉄筋で曲げモーメントに対抗することができる。し
たがって、この部分でも、少ないプレストレス量でも剛
性の低下や大きな変形を生じることがなく、充分な強度
を維持して、土圧又は水圧に抵抗することが可能とな
る。
載のシールドトンネル覆工体において、前記セグメント
は円形に組み立てられるものであり、その中心の直上及
び直下から円周方向両側に中心角が約20゜の範囲を避
けて、前記セグメントの接合部が設けられるものとす
る。
ものでは、その中心の直上および直下で、土圧・水圧に
よる曲げモーメントが最大となる。そして、この位置か
ら約20゜の範囲で曲げモーメントの値が大きくなって
おり、この範囲を避けると、合成応力度は小さくなる。
したがって、上記範囲を避けて接合部を設けることによ
り、少ないプレストレス量で、突き合わされた接合端面
の強度を充分に得ることができる。
載のシールドトンネル覆工体において、 前記セグメン
トはほぼ円形に組み立てられるものであり、その中心の
直上から中心角が約20゜の位置と、この位置からさら
に下方へ中心角が約50゜の位置との間に、周方向にセ
グメントを連結する最終組み立てセグメントが配置さ
れ、残りの部分は、周長がほぼ等しい四つのセグメント
で構成されるものとする。
ることにより、円周方向の接合部は、円形トンネルの中
心の直上および直下、並びに中心を通る水平線上の近く
で、土圧・水圧による曲げモーメントが大きくなる範囲
を避けて配置されることになり、より少ないプレストレ
スで、充分な強度を得ることができる。また、最終組み
立てセグメントは両側に隣り合うセグメントと端面がぴ
ったりと突き合うように位置を調整しながら建て込まな
ければならないが、上記のような構成とすることによっ
て最終組み立てセグメントが軽量となり、セグメントが
閉合するように組み立てる作業が効率化される。さら
に、最終組み立てセグメントを中心より上部に設けるこ
とによって、他のセグメントは下部から順次配置してい
くことができ作業性が良好となる。
載のシールドトンネル覆工体において、前記セグメント
はほぼ円形に組み立てられるものであり、その中心の直
上から中心角が約20゜の位置と、この位置からさらに
下方へ50゜の位置との間に、周方向にセグメントを連
結する最終組み立てセグメントが配置され、 この最終
組み立てセグメントを180゜回転した位置にほぼ同じ
周長の対称位置セグメントが配置され、 これらのセグ
メントの間には、周長がほぼ等しい四つのセグメントが
配置され、 これら6つのセグメントによって周方向に
閉合されるものとする。
請求項3に記載の覆工体と同様に、最終組み立てセグメ
ントを軽量にし、覆工体の中心より上部に配置すること
によって組み立て作業の効率化を図るとともに、その他
のセグメントの中心角を小さくすることができ、トンネ
ル断面が大きくなっても個々のセグメントの重量が大き
くならず、作業性が悪くなるのを回避することができ
る。
のシールドトンネル覆工体において、 前記セグメント
はほぼ円形に組み立てられるものであり、その中心の直
上と中心の直下とに中心角が約50゜〜60゜のセグメ
ントが配置され、 これらのセグメント間には、周長が
ほぼ等しい6つのセグメントが配置され、これら8つの
セグメントによって周方向に閉合されるものである。
曲げモーメントが最大となる中心の直上およびこの位置
に次いで大きな曲げモーメントが発生する中心の直下で
は、やや大きなセグメントを用いることになり、セグメ
ントの接合部に生じる曲げモーメントを小さく抑えるこ
とができる。また、これらのセグメント間に配置される
他のセグメントは中心角が小さく、軽量となって作業性
が良好となるとともに、側部の曲げモーメントが極値と
なる部分を避けて接合部を設けることができる。
態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1、請求項
2又は請求項3に記載の発明の一実施形態であるシール
ドトンネル覆工体を示す断面図である。このシールドト
ンネル覆工体は、円形の断面を有しており、周方向に5
分割されたセグメント1a,1b,1c,1d,1eで
構成されている。これらのセグメントには円周方向にダ
クト2が設けられており、これに挿通されるPC鋼材を
緊張することにより、円周方向にプレストレスが導入さ
れる。
80°の4つのセグメント1a,1b,1c,1dと中
心角が約40°のセグメント1e一つとで円形に閉合さ
れるものであり、シールドトンネルの軸線方向の長さが
1mとなっており、これらを軸線に沿って多数を建て込
むことによって覆工体が構成される。これらのセグメン
ト1は、図2に示すように、周方向に埋め込まれたダク
ト2が端面で開口しており、セグメント1を接合したと
きにこれらのダクト2が連通するようになっている。
最終組み立てセグメントとなっており、図4に示すよう
に、トンネルの軸線方向の両端縁で周方向の寸法が異な
っている。この最終組み立てセグメント1eは、他のセ
グメント(中心角が約80°のセグメント)1a,1
b,1c,1dを建て込んだ後、切羽側から軸線方向に
移動させてくさびを打ち込むように両側で隣接するセグ
メント1a,1dと当接され、5つのセグメントを円形
に閉合するものである。この最終組み立てセグメント1
eは、円周方向の一方の端面がこの覆工体の中心直上か
ら中心角が約30°の位置となり、もう一方の端面が中
心を通る水平線上の位置から上方に約20°の位置とな
るように建て込まれる。
き、ダクトは円周方向に連通し、その端部は最下部にも
あるセグメント1bに埋設した定着金具3に接続されて
いる。この定着金具3は鋳鉄からなり、図5に示すよう
に、PC鋼材が挿通される二つの円筒部が斜めに交叉す
るように一体化された形状を有するものである。そし
て、両側から貫通孔3a,3bにPC鋼材7の両端部が
挿通され、緊張力が導入された状態でくさび4により定
着するようになっている。また、この定着金具3が埋設
されたセグメント1bには、図1又は図3に示すよう
に、定着金具3の前面が露出するように切り欠き5が設
けられており、この切り欠き5からPC鋼材を上記ダク
ト内に挿入するとともに、図1に示すように、この切り
欠き5にジャッキ6を装着してPC鋼材に緊張力を導入
することができるようになっている。
セグメントの厚さ方向で偏心するように配置されてお
り、円周方向の各位置において偏心量が異なっている。
中心の直上では、厚さが150mmのセグメントの中心
線から内側に20mm偏心しており、中心を通る水平線
上の位置ではセグメントの中心線から外側に20mm偏
心している。また、セグメントの接合部で大きな曲げモ
ーメントが生じる位置、つまり中心の直上から30゜の
位置及び70゜の位置では、それぞれ内側に7mm、外
側に11mm偏心するように配置されている。このよう
な偏心量は、その周方向の分布が図6に示す土圧による
曲げモーメントの分布とほぼ同じ形状となっており、こ
のため、各位置でのプレストレスは、PC緊張材の緊張
力による軸力と、PC緊張材の偏心モーメントとによっ
て次式で示される。
する断面力は、外周面の土圧または水圧によるものがほ
とんどであり、土圧による曲げモーメントおよび軸力の
周方向の分布は、それぞれ図6、図7および表1に示す
ようなものとなる。このような分布は覆工体の周囲の地
質条件によって多少は異なるが、分布形状はほとんど変
るものではなく、中心の直上及び中心を通る水平線上の
位置で曲げモーメントの値がほぼ極値となる。
トの接合部が、曲げモーメントが最大となる中心直上の
位置を避けて設けられているので、接合部に生じる圧縮
応力を許容される範囲内に抑えるようにプレストレスを
導入しても、PC緊張材の必要緊張力は比較的小さいも
のとなる。
よび軸力に対して、接合部に生じる圧縮応力度をいわゆ
る許容応力度以下とするために必要なPC緊張力は、表
2に示すように、軸線方向1m当たりに12.3tf
(コンクリートの規準強度450kgf/cm2 、許容
圧縮応力度150kgf/cm2 )となり、0゜(中心
の直上)の位置でフルプレストレス状態にするのに必要
な緊張力70tf(表3に示す)に比べてかなり小さな
値となる。また、プレストレスを与えない場合にと比較
すると、高価なボルト継手などの継手部材を省略できる
ことに加えて、必要とする鉄筋量が2/3程度に減少す
る。
実施形態としては、覆工体を中心角が60゜の6つのセ
グメントに均等分割する場合、及び中心角が45゜の8
つのセグメントに均等分割する場合が考えられる。この
ような場合には、図8(a)、(b)に示すように、中
心直上に一つのセグメントの中心が位置するように配置
する。
生じる最大の曲げモーメントは、90゜の位置、即ち、
中心を通る水平線上の位置に生じる。この位置の接合部
で、曲げモーメントおよび軸力に対して、接合端面に生
じる圧縮応力度をいわゆる許容応力度以下とするために
必要なPC緊張力は、表4に示すように、コンクリート
の規準強度450kgf/cm2 、許容圧縮応力度15
0kgf/cm2 のときで、22.1tfとなる。
曲げモーメントが生じる接合部は、中心直上にあるセグ
メントの両側接合部となり、この接合端面でコンクリー
トの圧縮応力度を許容応力度以下とするために必要なP
C緊張力は、表5に示すように、上記均等6分割の場合
とほぼ同じで22.1tfとなる。
位置でフルプレストレス状態にするのに必要な緊張力7
0tfに比べてかなり小さな値となり、プレストレスを
与えない場合にと比較しても、高価なボルト継手などの
継手部材を省略できることに加えて、必要とする鉄筋量
を2/3程度に低減することができる。また、鉄筋に生
じる応力度を小さく抑えられるため、コンクリートに有
害なひび割れが発生しない。
で、コンクリートの圧縮応力とプレストレスの偶力で、
曲げモーメントに対抗するように緊張力を導入すると、
曲げモーメントが最大となる位置ではコンクリートに大
きな引張応力が生じる。しかし、セグメント本体には、
鉄筋が配置されており、鉄筋が曲げモーメントに抵抗す
る。表3は、鉄筋コンクリートとしての最少鉄筋量程度
を配した計算結果を示しており、中心直上での最大モー
メントに対しても、少ない鉄筋量でコンクリートの圧縮
応力を許容値以下に抑えることが可能なことを示す。ま
た、鉄筋に生じる引張応力度も許容値内に抑えられるた
め、セグメントのコンクリートに生じるひび割れは小さ
く、セグメントの剛性もほとんど低下しない。
工体では、周方向にセグメントを組み立てるときの接合
部の位置を軸線方向に変える必要がないので、大きな曲
げモーメントが生じる位置を避けて接合部を設けること
ができ、上記実施形態の他、セグメントの分割を適切に
決定することができる。例えば、図9に示す覆工体のよ
うに、中心角が小さい二つのセグメントと、中心角がや
や大きい4つのセグメントとで全周が閉合されるものと
することができる。このシールドトンネル覆工体は、請
求項4に記載の発明の一実施形態であり、中心角が小さ
いセグメントを最終組み立てセグメントとすることによ
り、建て込み作業を効率よく行なうことができる。
として、図10に示す覆工体のように、中心角のやや大
きい2つのセグメントと、これより中心角が小さい6つ
のセグメントで閉合されるものを採用することもでき
る。このシールドトンネル覆工体では、トンネルの断面
が大きくなった場合にも、それぞれのセグメントの重量
を過大とならないように抑えるとともに、中心直上又は
中心直下の曲げモーメントが大きくなる範囲を避けて接
合部を設けることができる。また、請求項1に記載のシ
ールドトンネル覆工体は、断面の形状が円形に限定され
るものではなく、楕円や長円であってもよい。
シールドトンネル覆工体では、鉄筋コンクリートからな
るセグメントの接合位置を適切に限定された範囲に設け
るとともに、周方向のプレストレスをセグメントの接合
位置で、セグメントの組立時にはフルプレストレス状態
とし、土圧・水圧による曲げモーメント作用時には、コ
ンクリートの圧縮応力とPC鋼材の引張力との偶力で抵
抗するように導入する。これにより、プレストレスが大
きく低減された値であっても、接合部で充分な強度を有
し、セグメントには少ない鉄筋量で、組立精度の良い覆
工体が得られる。
に、コンクリートの圧縮応力とPC鋼材の引張力との偶
力で曲げモーメントに対抗する構造では、土圧による曲
げモーメント作用時は覆工体の剛性が低下し、剛性が一
様な覆工体、例えば周方向のあらゆる位置でフルプレス
トレス状態となるようにプレストレスを導入した覆工体
と比較して変形が増加する。しかしながら、リングとし
ての構造上の強度を充分に有しているので、トンネル軸
線方向に前後のリングと連結する必要がない。また、一
般に土圧の発生は、シールドトンネルの掘削の進行に遅
れて発生するので、既に組み立てられたセグメントの変
形が蓄積されることがなく、プレストレスがフルプレス
トレス状態より大きく低減された値であっても、自重に
よる変形を防止して、組み立て精度を向上させることが
できる。
周方向に作用する圧縮応力の最大値が過大となるのを抑
制することができ、セグメントの部材厚を小さくするこ
とができる。したがって上記必要なPC緊張材量および
コンクリート量が低減されるとともに、シールドトンネ
ルの掘削断面が低減され、経済性が向上する。
記載のシールドトンネル覆工体においては、土圧による
曲げモーメントが大きくなる部分を避けてセグメントの
継手が設けられているため、極めて小さなプレストレス
力で土圧による曲げモーメントに抵抗でき、かつ、変形
を抑制することができる。さらに、最終組み立てセグメ
ントの形状を小さくすることができるので、組立作業の
施工性が向上する。
施形態であるシールドトンネル覆工体を示す断面図であ
る。
るセグメントの平面図及び接合端面の形状を示す図であ
る。
略平面図である。
る最終組み立てセグメントの形状および建て込み方法を
示す図である。
るPC鋼材の定着金具の正面図及び断面図である。
曲げモーメントの分布の一例を示す図である。
周方向の軸力の分布の一例を示す図である。
形態であるシールドトンネル覆工体の、セグメントの配
置を示す概略図である。
ルドトンネル覆工体の、セグメントの配置を示す概略図
である。
ールドトンネル覆工体の、セグメントの配置を示す概略
図である。
る図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の鉄筋コンクリートからなるセグメ
ントを周方向に組み立て、その周方向にプレストレスを
導入して一体化するシールドトンネル覆工体において、 前記セグメントの接合部は、前記シールドトンネルの中
心線の直上部付近及び中心の直下付近で土圧又は水圧に
よる曲げモーメントが最大となる位置を避けて設けら
れ、 前記プレストレスは、 前記セグメントの組立直後における接合部には、隣り合
うセグメントの突き合わされた端面の全域に圧縮応力が
作用するように、 土圧又は水圧による曲げモーメント作用時のセグメント
接合部は、コンクリートの圧縮応力と前記プレストレス
を導入するための緊張材の引張力との偶力で曲げモーメ
ントに対抗するように、 前記土圧又は水圧による曲げモーメント作用時のセグメ
ント断面は、コンクリートの圧縮応力とコンクリート中
に埋設された引張補強材の引張力とで曲げモーメントに
対抗するように、前記プレストレスが導入されているこ
とを特徴とするシールドトンネル覆工体。 - 【請求項2】請求項1に記載のシールドトンネル覆工体
において、 前記セグメントは円形に組み立てられるものであり、そ
の中心の直上及び直下から中心角が20゜以下の範囲を
避けて前記セグメントの接合部が設けられていることを
特徴とするシールドトンネル覆工体。 - 【請求項3】 請求項1に記載のシールドトンネル覆
工体において、 前記セグメントは円形に組み立てられるものであり、そ
の中心の直上から中心角が約20°の位置と、この位置
からさらに下方へ中心角が約50°の位置との間に、周
方向にセグメントを閉合連結する最終組み立てセグメン
トが配置され、残りの部分は、周長がほぼ等しい四つの
セグメントで構成されていることを特徴とするシールド
トンネル覆工体。 - 【請求項4】 請求項1に記載のシールドトンネル覆
工体において、 前記セグメントは円形に組み立てられるものであり、そ
の中心の直上から中心角が約20°の位置と、この位置
からさらに下方へ中心角が約50°の位置との間に、周
方向にセグメントを閉合連結する最終組み立てセグメン
トが配置され、 この最終組み立てセグメントを180°回転した位置に
ほぼ同じ周長の対称位置セグメントが配置され、 これらのセグメント間には、周長がほぼ等しい4つのセ
グメントが配置され、 これら6つのセグメントによって周方向に閉合されるも
のであることを特徴とするシールドトンネル覆工体。 - 【請求項5】 請求項1に記載のシールドトンネル覆
工体において、 前記セグメントは円形に組み立てられるものであり、そ
の中心の直上と中心の直下とに、中心角が約50°〜6
0°のセグメントが配置され、 これらのセグメント間には、周長がほぼ等しい6つのセ
グメントが配置され、 これら8つのセグメントによって周方向に閉合されるも
のであることを特徴とするシールドトンネル覆工体。
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