JP3021345U - 塗布用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 エアゾール容器の内部に内袋を有し、該エア
ゾール容器の上部に塗布部を有する塗布用容器におい
て、内袋に頭髪化粧料を収容し、エアゾール容器と内袋
の間に噴射剤を充填したことを特徴とする塗布用容器。 【効果】 液状、ジェル状あるいは粘稠な頭髪化粧料
を、容易に均一に毛髪に塗布することができ、しかも周
囲に飛び散って汚染する恐れもない塗布用容器を提供す
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エアゾール容器に塗布部を取付け、容器内の内袋内に充填された整 髪料や染毛料等の頭髪化粧料を、容器から塗布部に供給する塗布用容器に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エアゾールフォーム状の頭髪化粧料の塗布用容器として、例えば図５に 示すように、エアゾール缶に櫛を取り付けたものがあった。一方、液状、ジェル 状あるいは粘稠な頭髪化粧料の塗布用容器としては、図６に示すように、容器本 体を手で押圧して櫛部へ頭髪化粧料を供給するものがあった。しかし、ほとんど はこのような塗布用容器を使用しないで、手やハケなどを用いて毛髪に塗布され ていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、この操作は面倒であり、特に染毛料の場合、周囲に飛び散り汚染する 恐れがあり、また毛髪に均一に塗布するには、ある程度の熟練が必要であった。 また、図６に示すものは容器本体を手で押圧する操作が必要で、力を入れすぎる と頭髪化粧料が飛散するなど、適量を櫛部へ供給することは困難であり、また最 後まで確実に櫛部へ頭髪化粧料を供給することも困難であった。また、図５は泡 状の頭髪化粧料には適しているが、液状、ジェル状あるいは粘稠な頭髪化粧料の 塗布用容器としては、使用できなかった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案者は、エアゾール容器の内部に内袋を設け、その内袋の中に液状 、ジェル状あるいは粘稠な頭髪化粧料を収容し、エアゾール容器と内袋の間に噴 射剤を充填し、かつエアゾール容器の上部に塗布部を有することにより、容易に 毛髪に塗布することができ、しかも周囲に飛び散って汚染する恐れもない塗布用 容器を提供するものである。

【０００５】 エアゾール容器本体内の内袋は、弾性変形可能な材質、例えばポリエチレン、 ポリプロピレン、ビニール、ナイロン等の合成樹脂製であり、マウンテインキャ ップに固着される。該内袋内には、酸性染料および／または顔料、または過酸化 水素、酸化染料、金属塩あるいは植物性染料からなる液状、ジェル状あるいは粘 稠な染毛料または整髪料などの頭髪化粧料が充填されている。ここで言う粘稠な 頭髪化粧料とは、ゲル状、クリーム状、ペースト状などを含む。また、エアゾー ル容器と内袋の間には噴射剤が充填されている。噴射剤としては、窒素ガス、Ｌ ＰＧ、ジメチルエーテルなどが挙げられるが、窒素ガスは内袋を透過しないので 、内容物の変質の恐れがなく特に好ましい。

【０００６】 塗布部は長手方向に沿って設けた吐出用長孔を跨いで列設された複数の主櫛歯 と、前記主櫛歯の配列の少なくとも片側に列設された複数の副櫛歯を備える。前 記複数の副櫛歯は、前記複数の主櫛歯よりも密に列設されている。また、前記副 櫛歯の高さは前記主櫛歯よりも低く設定されている。また、均等部を設け、吐出 用長孔の容器側に向かう基端側通路の抵抗を、前記吐出用長孔の先端側に向かう 先端側通路の抵抗よりも大きく設定することにより、塗布部全体に頭髪化粧料が 均一に供給されるように設定した。

【０００７】

【作用】

液状あるいはジェル状等の頭髪化粧料が内袋に、噴射剤が内袋とエアゾール容 器の間に内蔵されたエアゾール容器を片手で持ち、押下部を人差し指で押す。肩 カバーは押下部を押し下げることにより、下方向に移動し、導出部がノズルを押 し下げる。バルブにより内袋内の頭髪化粧料が噴射剤の圧力により押し出され、 ノズルを通り、導出部へ排出され、肩カバー空洞、支持体空洞、櫛部空洞を通り 、吐出用長孔から排出される。

【０００８】 基端側通路を経由する頭髪化粧料はスリットの開口面積が狭いため、先端側通 路を経由する場合と比べて大きな抵抗を受ける。一方、基端側通路はエアゾール 容器の開口から吐出用長孔に達するまでの距離が先端側通路よりも短いため、本 来、吐出用長孔に到達しやすい。この両者の兼ね合いにより、吐出用長孔の塗布 部先端側と基端側に吐出する頭髪化粧料の吐出量はほぼ等量になる。また、副櫛 歯の高さが主櫛歯の高さよりも低いため、副櫛歯の高さをエアゾール容器を吐出 する際の目安とすれば、塗布部に適量の頭髪化粧料を吐出することができる。

【０００９】 吐出用長孔から吐出した頭髪化粧料は、主櫛歯の底辺、即ち吐出用長孔を跨い でいる部分により流動状態を規制される。このとき、粘性があまり高くない液状 やジェル状などの頭髪化粧料は、主櫛歯により流動状態が充分規制されないため 主櫛歯の配列された領域の両側へと移動する。ここで、主櫛歯の配列された両側 には副櫛歯が列設されているため、頭髪化粧料は副櫛歯により流動状態が規制さ れ、塗布部から垂れ落ちることがない。また、副櫛歯同士の間隔が主櫛歯同士の 間隔よりも狭い。即ち、副櫛歯は主櫛歯よりも密に列設されているため、塗布部 からの頭髪化粧料の垂れ落ちを一層効果的に防止しうる。従って、頭髪化粧料に より周囲が汚染されることなく頭髪化粧料を保持できる。

【００１０】 この状態で主櫛歯及び副櫛歯により頭髪化粧料を毛髪に塗布する。このとき、 頭髪化粧料は主櫛歯の底辺により主櫛歯の先端方向への移動を抑制されているた め、頭髪化粧料が頭皮に付着する恐れがない。また、副櫛歯の存在により、毛髪 を梳く際の抵抗が適度に発生するため、頭髪化粧料を頭髪全体に均一に塗布する ことができる。

【００１１】 以上の効果は、特に頭髪化粧料として染毛剤を用いる場合には、一層有効であ る。

【００１２】

【実施例】 本考案を添付図面にそって詳細に説明するに、図１は本考案の塗布 用容器の断面図である。図２は支持体の説明図であり、図２（ａ）は正面図、図 ２（ｂ）は右側面図、図２（ｃ）は図２（ａ）のＡ−Ａ断面図である。図３は塗 布部の説明図であり、図３（ａ）は正面図、図３（ｂ）は図３（ａ）のＢ−Ｂ断 面図、図３（ｃ）は背面図である。図４は塗布部の説明図であり、図４（ａ）は 左側面図、図４（ｂ）は図３（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。

【００１３】 エアゾール容器２の内部に内袋３を設け、内袋３の内部には頭髪化粧料を充填 する。また内袋３とエアゾール容器２の間に噴射剤として窒素ガスをガス充填栓 ２０より充填する。エアゾール容器２の上部には塗布部８が設けられる。連結部 ５はエアゾール缶２の上部と嵌着部１４により嵌合する。そして肩カバー７が上 下動作可能に連結部５に挿入される。肩カバー７は押下部１０を押し下げること により、下方向に移動し、導出部２０がノズル４を押し下げる。バルブ３により 内袋３内の頭髪化粧料が噴射剤の圧力により押し出され、ノズル４を通り、導出 部２０へ排出され、肩カバー空洞１１、支持体空洞１２、櫛部空洞１５を通り、 吐出用長孔３６から排出される。なお、支持体空洞１２から櫛部空洞１５へ移動 する際に、均等部１３を設けることにより櫛歯全体に均一に供給することが出来 る。そして、主櫛歯４１とそれよりも細い副櫛歯４２で毛髪を梳くことにより、 毛髪化粧料を均一に毛髪に塗布することが出来る。特に染毛料の場合は、均一に 塗布できないとむら染めになるため、本考案の櫛構造は有用である。なお、肩カ バー７の上下動作がスムースになるように内部連結部１９をガイドとして設け、 移動空間として連結部空洞９を設けた。

【００１４】 塗布部８は、長手方向に沿って吐出用長孔３６が設けられた櫛立設面３４と、 この櫛立設面３４の一方の側に設けた箱状体３８と、櫛立設面３４の他方の側に 設けた主櫛歯４１及び副櫛歯４２とから構成される。箱状体３８の略中央にはそ れぞれ切欠３８ａが仕切り板３２と嵌合し、また、箱状体３８が支持体６の枠部 ２６内に収容されると共に箱状体３８の周囲に設けた溝３８ｂと枠部２６の周囲 に設けた突縁部２６ａとが嵌合する。

【００１５】 主櫛歯４１は櫛立設面３４に設けた吐出用長孔３６を跨ぐようにして列設され ている。主櫛歯４１の形状は図４に示すように先端にやや丸みをもたせた三角形 であり、三角形の底辺４１ｂが吐出用長孔３６を跨いでいる。なお、櫛立設面３ ４にて塗布部先端８ａ側及び基端８ｂ側にはやや大きな主櫛４１ａがそれぞれ立 設され、この主櫛歯４１が配列された領域の両側には、主櫛歯４１よりも背の低 い副櫛歯４２が列設されている。

【００１６】 本実施例では副櫛歯４２同士の中心間距離Ｄ２は主櫛歯４１同士の中心間距離 Ｄ１の略半分に設定され、また、副櫛歯４２の厚さＴ２は主櫛歯４１の厚さＴ１ の略半分に設定され、更に副櫛歯４２同士の間隔△２は主櫛歯４１同士の間隔△ １の略半分に設定されている。更にまた、主櫛歯４１は副櫛歯４２よりも高く設 定され、その差は５〜１０ｍｍ程度、本実施例では７ｍｍである。主櫛歯４１及 び副櫛歯４２の高低差が上記の範囲を外れると、副櫛歯４２の高さを基準として 頭髪化粧料を吐出しても適量でないことがある。

【００１７】 ここで、エアゾール容器２から吐出用長孔３６にかけて頭髪化粧料が通過する 通路の内、吐出用長孔３６の基端８ｂ側に向かう基端側通路４６は、スリット３ ０の塗布部基端８ｂ側を経て形成される。一方、先端側通路４４は、スリット３ ０の塗布部先端８ａ側を経て形成される。スリット３０は塗布部基端８ｂ側が一 部閉塞されているため、基端側通路４６の抵抗は先端側通路４４よりも大きい。

【００１８】 次にこの塗布用容器の使用方法及び効果について図１に基づいて説明する。液 状あるいはジェル状等の頭髪化粧料が内袋３に、噴射剤が内袋３とエアゾール容 器２の間に内蔵されたエアゾール容器２を片手で持ち、押下部１０を人差し指で 押す。肩カバー７は押下部１０を押し下げることにより、下方向に移動し、導出 部２０がノズル４を押し下げる。バルブ３により内袋３内の頭髪化粧料が噴射剤 の圧力により押し出され、ノズル４を通り、導出部２０へ排出され、肩カバー空 洞１１、支持体空洞１２、スリット３０、櫛部空洞１５を通り、吐出用長孔１６ から排出される。

【００１９】 基端側通路４６を経由する頭髪化粧料はスリット３０の開口面積が狭いため、 先端側通路４４を経由する場合と比べて大きな抵抗を受ける。一方、基端側通路 ４６は支持体空洞１２から吐出用長孔３６に達するまでの距離が先端側通路４４ よりも短いため、本来、吐出用長孔３６に到達しやすい。この両者の兼ね合いに より、吐出用長孔３６の塗布部先端８ａ側と基端８ｂ側に吐出する頭髪化粧料の 吐出量はほぼ等量になる。また、副櫛歯４２の高さが主櫛歯４１の高さよりも低 いため、副櫛歯４２の高さをエアゾール容器２を吐出する際の目安とすれば、塗 布部８に適量の頭髪化粧料を吐出することができる。

【００２０】 吐出用長孔３６から吐出した頭髪化粧料は、主櫛歯４１の底辺４１ｂ即ち吐出 用長孔３６を跨いでいる部分により流動状態を規制される。このとき、粘性があ まり高くない頭髪化粧料は、主櫛歯４１により流動状態が充分規制されないため 主櫛歯４１の配列された領域の両側へと移動する。ここで、主櫛歯４１の配列さ れた両側には副櫛歯４２が列設されているため、頭髪化粧料は副櫛歯４２により 流動状態が規制され、塗布部８から垂れ落ちることがない。本実施例では、副櫛 歯４２同士の間隔△２が主櫛歯４１同士の間隔△１よりも狭い。即ち、副櫛歯４ ２は主櫛歯４１よりも密に列設されているため、塗布部８からの頭髪化粧料の垂 れ落ちを一層効果的に防止しうる。従って、頭髪化粧料により周囲が汚染される ことなく頭髪化粧料を保持できる。

【００２１】 この状態で主櫛歯４１及び副櫛歯４２により頭髪化粧料を毛髪に塗布する。こ のとき、頭髪化粧料は主櫛歯４１の底辺４１ｂにより主櫛歯４１の先端方向への 移動を抑制されているため、頭髪化粧料が頭皮に付着する恐れがない。また、副 櫛歯４２の存在により、毛髪を梳く際の抵抗が適度に発生するため、頭髪化粧料 を頭髪全体に均一に塗布することができる。

【００２２】 以上の効果は、特に頭髪化粧料として染毛剤を用いる場合には、一層有効であ る。

【００２３】

【考案の効果】 液状、ジェル状あるいは粘稠な頭髪化粧料を、容易に均一に毛髪に塗布するこ とができ、しかも周囲に飛び散って汚染する恐れもない塗布用容器を提供するこ とができる。

【００２４】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す断面図。

【図２】 支持体の説明図であり、図２（ａ）は正面
図、図２（ｂ）は右側面図、図２（ｃ）は図２（ａ）の
Ａ−Ａ断面図である。

【図３】 塗布部の説明図であり、図３（ａ）は正面
図、図３（ｂ）は図３（ａ）のＢ−Ｂ断面図、図３
（ｃ）は背面図である。

【図４】 塗布部の説明図であり、図４（ａ）は左側面
図、図４（ｂ）は図３（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。

【符号の説明】

１ 塗布用容器 ２ エアゾール容器 ５ 連結部 ６ 支持体 ７ 肩カバー ８ 塗布部 ９ 連結部空洞 １０ 押下部 １１ 肩カバー空洞 １２ 支持体空洞 １３ 均等部 １５ 櫛部空洞 ３０ スリット ３２ 仕切り板 ３６ 吐出用長孔 ４１ 主櫛歯 ４２ 副櫛歯 ４４ 先端側通路 ４６ 基端側通路

【手続補正書】

【提出日】平成７年６月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す断面図。

【図２】 支持体の説明図であり、図２（ａ）は正面
図、図２（ｂ）は右側面図、図２（ｃ）は図２（ａ）の
Ａ−Ａ断面図である。

【図３】 塗布部の説明図であり、図３（ａ）は正面
図、図３（ｂ）は図３（ａ）のＢ−Ｂ断面図、図３
（ｃ）は背面図である。

【図４】 塗布部の説明図であり、図４（ａ）は左側面
図、図４（ｂ）は図３（ａ）のＣ−Ｃ断面図である。

【図５】 従来の塗布用具である。

【図６】 従来の塗布用具である。

【符号の説明】 １ 塗布用容器 ２ エアゾール容器 ５ 連結部 ６ 支持体 ７ 肩カバー ８ 塗布部 ９ 連結部空洞 １０ 押下部 １１ 肩カバー空洞 １２ 支持体空洞 １３ 均等部 １５ 櫛部空洞 ３０ スリット ３２ 仕切り板 ３６ 吐出用長孔 ４１ 主櫛歯 ４２ 副櫛歯 ４４ 先端側通路 ４６ 基端側通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ４５Ｄ 24/22 Ｄ Ａ４６Ｂ 11/04 7361−3Ｋ Ｂ６５Ｄ 83/00

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 エアゾール容器の内部に内袋を有し、該
   エアゾール容器の上部に塗布部を有する塗布用容器にお
   いて、内袋に頭髪化粧料を収容し、エアゾール容器と内
   袋の間に噴射剤を充填したことを特徴とする塗布用容
   器。
2. 【請求項２】 頭髪化粧料が液状、ジェル状あるいは粘
   稠な染毛料であることを特徴とする請求項１記載の塗布
   用容器。
3. 【請求項３】 噴射剤が窒素ガスであることを特徴とす
   る請求項１〜２記載の塗布用容器。
4. 【請求項４】 塗布部の長手方向に沿って設けた吐出用
   長孔を跨いで列設された複数の主櫛歯と、前記主櫛歯の
   配列の少なくとも片側に列設された複数の副櫛歯を備
   え、該副櫛歯は、主櫛歯よりも密に列設され、かつ副櫛
   歯の高さは主櫛歯よりも低く設定されることを特徴とす
   る請求項１〜３記載の塗布用容器。
5. 【請求項５】 エアゾール容器から塗布部の長手方向に
   沿って設けた吐出用長孔の間に均等部を設け、吐出用長
   孔の容器側に向かう基端側通路の抵抗を、前記吐出用長
   孔の先端側に向かう先端側通路の抵抗よりも大きく設定
   したことを特徴とする請求項１〜４記載の塗布用容器。