JP3020925B2 - 2ステップ3dラドン逆変換処理方法 - Google Patents

2ステップ3dラドン逆変換処理方法

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JP3020925B2 JP10276130A JP27613098A JP3020925B2 JP 3020925 B2 JP3020925 B2 JP 3020925B2 JP 10276130 A JP10276130 A JP 10276130A JP 27613098 A JP27613098 A JP 27613098A JP 3020925 B2 JP3020925 B2 JP 3020925B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2ステップ3Dラ
ドン逆変換処理方法に関する。
【0002】本発明は一般的には、ラドン逆変換処理に
関し、とりわけ、ラドンデータが、独立したローカルラ
ドン原点を有するφ平面サンプル格子の中にサンプリン
グされる2ステップラドン逆変換処理に関する。本発明
は特に、3次元(3D)画像再構成を行うCTイメージ
ング装置での使用に有益である。
【0003】
【従来の技術】最近、コーンビームジオメトリを使用す
るシステムが、コーンビームX線ソース及び2D領域検
出器を含む3D CTイメージング装置のために開発さ
れた。イメージングする被検体がスキャンされ、有利に
は360゜の角度領域にわたりかつこの領域の長さに沿
ってスキャンされ、このスキャンは、領域検出器の位置
がソースに対して固定され、ソースと被検体との間の相
対的な回転運動及び並進運動がスキャンすなわち放射エ
ネルギーによる被検体の照射を実現する。3DCTのた
めのコーンビームアプローチにより、医療用途と工業用
途との双方での3Dが、従来の3D CT装置(すなわ
ち平行ビーム又は扇状ビームを使用して得られるスライ
ス積重ねアプローチ)に比して改善された速度と、改善
された線量利用で達成されることが可能となる。
【0004】スキャンパスに沿ってのコーンビームソー
スと複数のソース位置との間の相対的運動(すなわち観
察像)により検出器は、コーンビーム投影された測定デ
ータ(以下において測定データと呼称される)の相応す
る複数の集合を収集し、測定データのそれぞれの集合
は、それぞれのソース位置において被検体により惹起さ
れたX線減弱を表す。収集の後に測定データは、被検体
の3D画像を再構成するために処理される。平行ビーム
又は扇状ビームを供給するX線ソースを使用する場合の
画像再構成ために必要とされる処理に比して、コーンビ
ームソースを使用する場合の収集測定データの処理はコ
ンピュータ計算の面で大幅により複雑である。その理由
は、平行ビーム又は扇状ビームを使用する場合には測定
データは既に直接に被検体の横断面の2Dラドン変換を
表すことにある。しかしこれは、コーンビームソースを
使用する場合には当てはまらない。コーンビームソース
を使用して収集測定データを処理することは次のことを
含む。
【0005】1) 測定データをラドン導関数に変化す
る。これは、”コーンビームX線投影データを面積分に
変換し、比較的の3D CT画像を再構成するための方
法及び装置”との題名の1993年10月26日発行の
米国特許第5257183号明細書に説明されている技
法を使用して達成される。
【0006】2) 例えば前述の米国特許第52571
83号明細書に詳細に説明されている技法等の公知の技
法を使用してラドンデータの3Dラドン逆変換を行っ
て、画像データの再構成を行い、これにより、ディスプ
レイに適用された場合には被検体の3D CT画像の観
察像が得られる。
【0007】コーンビーム測定データを使用して画像を
正確に再構成するための理論は例えば前述の米国明細書
等から公知であるが、しかしこの処理の実際の実施は非
常に困難であることが分かった。処理する測定データの
量が非常に大きく、スキャンパスのジオメトリにより主
に定められるタイミングに相応して迅速に収集されるだ
けでなく、収集データを処理するのに必要な計算が非常
に複雑である。例えば200×200×200=8.1
ボクセルで被検体を再構成する場合には良好な品
質のために、ラドンサンプルすなわち32.10
ンプルの整数倍(例えば4倍)で被検体の3Dラドン変
換を得ることが必要であり、次いでラドン逆変換を行
う。被検体再構成の最もコンピュータ計算の面で大きい
コストの部分は、ラドン導関数データの計算である(前
述のステップ1)。前述の特許明細書に説明され、”当
該のヘリカル及び円形スキャン領域のCT”との題名の
1995年10月31日発行の特許第5463666号
明細書に詳細に説明されているように所与のラドンサン
プル点でラドンデータの値を計算するために通常は、い
くつかのソース位置から収集された測定データを処理す
る必要があり、それぞれのソース位置からの測定データ
は、データ組合せによりそのサンプル点の最終値への寄
与を実行する。このようにして約100.10 線積
分導関数を計算する必要がある。それぞれの線積分導関
数は200.10 の単一の線積分の計算を必要とす
る、何故ならば2つの僅かな間隔をおいた線積分の間の
差を使用して、単一線積分導関数を計算するからであ
る。しかし、これらの線積分導関数計算を行うことが可
能となる前に、それぞれのラドンサンプルに対して、い
ずれのソース位置が、処理されなければならない測定デ
ータを提供するかをコンピュータ計算し測定データにお
ける、積分を行わなければならない線領域を求めなけれ
ばならない。この線積分を行う線領域を求めるには高度
に非線形の計算が必要であり、従ってコンピュータ計算
的にコストが大きい。寄与するソース位置をコンピュー
タ計算するために、ソーススキャンパスとラドン積分面
とを交差させなければならなず、これは前述の特許第5
463666号明細書に説明されている。スパイラルス
キャンパスを使用する場合にはこれは、コンピュータ計
算的に大きいコストの超越方程式の解を必要とする。更
に、測定データにおける、積分を行う線領域を求めるこ
とに加えて、データ組合せの目的及び当該領域のマスキ
ングのためにこれらの線の適切な終点を計算しなければ
ならない。これらの前述の計算の複雑性により測定デー
タの処理は非常に困難となり、これにより効率的な画像
再構成が阻止される。
【0008】”正確なコーンビーム再構成アルゴリズム
のランタイム処理を小規模にするための予計算ヒットリ
スト”との題名の本明細書と同時に出願された米国特許
出願第08/940924号は、被検体の画像を再構成
するために測定データを収集及び処理するためのコーン
ビームイメージング装置を作動する前に、収集測定デー
タを処理するために必要な情報が予計算され格納される
方法及び装置が開示されている。次いで、予計算された
情報は、被検体の画像を再構成するために収集測定デー
タを処理するためにコーンビーム装置をイメージング作
動する間に使用される。予計算された画像再構成情報
は、いわゆる”ヒットリスト”の中に格納される。一般
的にヒットリストは、例えばソース/検出器スキャンパ
スのピッチ及びその他のパラメータ、被検体の寸法、検
出器分解能、及びスキャンパス及びラドン空間の所望の
サンプリング等のイメージング装置の動作の間に既に前
もって定められているイメージング装置のジオメトリ的
パラメータにより主に定められている処理情報を含む。
ヒットリストは、ラドン空間の中の点とこれらの点に寄
与するソース位置との間の対応、それぞれのソース位置
で収集された測定データの中の計算されなければならな
い線積分を定めるパラメータ、画像再構成処理に使用さ
れるその他の情報を含む。
【0009】ヒットリスト情報の計算はコンピュータ計
算的にコストが大きいが、しかしいずれにせよヒットリ
ストの中の情報は、イメージング装置のイメージング動
作の間に収集測定データのそれぞれの集合を処理するた
めに計算しなければならないので、ヒットリスト情報の
予計算により測定データのランタイム(画像)処理の速
度が大幅に増加され、これにより画像再構成アルゴリズ
ムの実施の効率が大幅に改善される。しかし前述の米国
特許出願第08/940924号に詳細に説明されてい
るようにヒットリスト情報は、当該の被検体領域を定め
るラドン空間の中の多数の点のそれぞれの点に対して必
要とされるので、ヒットリストのサイズは実際には非常
に大きい。例えば前述のようにに約100×10
線積分導関数計算が必要とされる。ヒットリストの中に
格納されている画像再構成処理情報が、それぞれのラド
ン点を求める処理を表すのに24バイトを有する場合に
は2.4ギガバイトのメモリが必要とされる。
【0010】”ローカルラドン原点の使用によりスパイ
ラルコーンビームCTにおけるヒットリストサイズを低
減する方法”との題名で本出願と同時に出願された米国
特許出願第08/940489号に開示されている方法
及び装置では対称性が再構成処理の中に誘導され、これ
により、ヒットリストの中に格納され、ラドン空間を仕
切る垂直に配向されている同軸のφ平面の集合の中の部
分集合のφ平面で計算された再構成処理情報が、ラドン
空間を仕切るφ平面の集合の内の前記部分集合に所属し
ないφ平面のためのラドンデータを計算するために再使
用される。誘導された対称性は、ラドン空間の中の点と
ソース位置との間の対応を確立し、これにより、φ平面
のうちのただ1つのφ平面で計算された再構成情報の再
使用が可能となる。前記発明ではこれは、φ平面のうち
の順次のφ平面のそれぞれのφ平面に、独立したローカ
ルラドン原点を確立することにより達成される。順次の
φ平面のそれぞれのφ平面のラドン原点は、スパイラル
スキャンパスの投影が、順次のφ平面のうちの直接に前
のφ平面の中のこの投影の位置から出発して経験する大
きさのz軸でのシフトに相応する大きさだけシフトされ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
独立したラドン原点を有するラドンデータ処理方法に関
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は本発明によ
り、ラドン空間を仕切る垂直に配向されている同軸のφ
平面の集合におけるラドンデータを処理するための2つ
の2Dラドン逆変換を含み、それぞれの前記φ平面を前
記逆変換処理の間にサンプリングして、それぞれの前記
φ平面独自の独立したローカルラドン原点を得ることに
より解決される。
【0013】本発明の原理では、2ステップラドン逆変
換処理が、ラドン空間を仕切る垂直に配向されている同
軸のφ平面の集合におけるラドンデータを処理するため
に設けられ、それぞれの前記φ平面を前記逆変換処理の
間にサンプリングして、それぞれのφ平面独自の独立し
たローカルラドン原点を得る。グローバル座標系に対す
るローカルラドン原点のいずれのシフトも、3Dラドン
逆変換処理の間に補償される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の更なる原理では、ラドン
データ生成器が、ラドン空間を仕切る垂直に配向されて
いる同軸のφ平面の集合にラドンデータを生成し、それ
ぞれの前記φ平面をサンプリングして、それぞれの前記
φ平面自身の独立したローカルラドン原点を得、2ステ
ップ3Dラドン逆変換プロセッサが、それぞれの前記φ
平面を独立して処理する。グローバル座標系に対するロ
ーカルラドン原点のいずれのシフトも、3Dラドン逆変
換処理の間に補償される。
【0015】本発明の1つの形態では、原点のシフトの
補償をラドン逆変換処理の第1のステップの間に行い、
この補償を、ラドンデータをφ平面から、前記ローカル
ラドン原点からシフトされていないすなわち相応してオ
フセットされているφ平面サンプル格子(z,r′)に
逆投影することにより行う。このようにしてサンプル格
子(z,r′)はすでにグローバル格子にアライメント
されている。ラドン原点のオフセットは、ラドン逆変換
のこの^第1のステップを定める座標変数の中に相応の
オフセットを導入することにより考慮される。
【0016】本発明の代替的な形態では、第1のステッ
プで、ローカルラドン原点に沿ってシフトされているφ
平面サンプル格子(z,r′)への逆投影を行い、次い
で逆投影の結果を相応する値だけグローバル原点へ向か
ってシフトして、前記ローカルラドン原点の前のシフト
を補償し、次いで初めて、2ステップ逆変換処理の第2
のステップすなわちz平面での2Dラドン逆変換を行う
ことにより行う。逆投影の結果のシフトを、グローバル
座標系にアライメントされている新格子に逆投影結果を
補間することにより達成する。
【0017】本発明が特に有益である1つの環境は、前
述の米国特許出願第08/940489号の配置の中に
ある。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の原理により動作する3D
CTコーンビームイメージング装置を示す。本発明によ
り画像再構成処理の実施に関して後に特に説明される場
合以外は図示のイメージング装置は、前述の米国特許第
5257183号明細書及び米国特許第5446776
号明細書に説明されているものとほぼ同一に構成され動
作する。
【0019】簡潔に述べると図1においてコンピュータ
制御マニピュレータ6は、適切にプログラミングされた
コンピュータ8からの制御信号に応答し、これにより
(例えばX線等の)コーンビームエネルギーのソース1
0と2次元アレイ検出器12とは、被検体16の特定の
軸線15を中心とするヘリカルスキャンパスとして示さ
れている特定のソーススキャンパスに沿って離散的で順
次に現れる複数のスキャンパスで共働してスキャンす
る。ソースと検出器との共働により検出器12は完全な
コーンビーム測定データを収集し、次いでこの測定デー
タは被検体16の画像の再構成のために使用される。ソ
ース10はX線ソースとして示されているが、しかしそ
の他のタイプのイメージングエネルギー例えば中性子、
陽電子等も使用可能である。
【0020】コンピュータ6、マニピュレータ8、ソー
ス10及び検出器12は共働して、被検体のスキャンを
行い、このスキャンは、例えば前述の米国546366
6特許第号明細書に詳細に説明されているようような当
業者には自明の方法で行われ、従ってコーンビームイメ
ージング装置の動作のこの部分の更なる詳細の解説は不
要である。
【0021】X線エネルギーがイメージング装置の視野
を通過した後に、検出器12の中の素子に入射する検出
されたX線エネルギーに相応する測定信号はデータ収集
システム(DAS)17に供給され、データ収集システ
ム17は、図1の前述の部分と同様に、収集された測定
信号に相応する測定データをディジタル化、前処理及び
格納するためのこの技術の当業者には自明の方法で動作
する。
【0022】DAS17からのコーンビーム測定データ
はバッファメモリ及び画像再構成プロセッサ18に供給
され、プロセッサ18は、プロセッサ18の中のブロッ
クにより概略的に示されている画像再構成のために種々
のデータ変換を行うようにプログラミングされているコ
ンピュータであることもある。有利には球座標系(r,
Θ,φ)が、ラドン逆変換処理を容易にするために使用
される。これは通常は、前述の米国特許第525718
3号明細書に説明されている技術を使用して達成され
る。しかし後に詳細に説明されるように画像再構成処理
のこの部分の速度及び効率の、前述の米国特許第525
7183号明細書に説明されている技術に対する改善
が、予計算された画像再構成処理情報の”相対的”ヒッ
トリスト(Hr)の使用により達成され、このヒットリ
ストはデータベース21に格納され、被検体の画像を再
構成するために収集測定データを処理するための装置の
ランタイム(イメージング)動作の間に使用される。
【0023】ブロック22でラドン導関数データは、例
えば前述の米国特許第5446776号明細書の図5を
用いて詳細に説明されている技術等を用いて等間隔の球
座標格子点でラドンデータに変換される。簡単に説明す
ると、この明細書に説明されているようにブロック20
からのラドン導関数データ、最も近い隣法又は補間法を
用いて等間隔の球座標格子点でラドン導関数に変換さ
れ、次いで加算されて、等間隔の球座標格子点でのラド
ンデータを形成する。データベース21に格納されてい
る再構成処理情報のヒットリストも有利には、(ブロッ
ク21からブロック22への破線により示されているよ
うに)補間処理のために使用される重み付け情報等の再
構成処理のこの部分の間に、予計算された情報を提供
し、これにより再構成処理のこの部分の速度及び効率を
更に改善する。
【0024】ブロック24でラドンデータは、本発明の
3Dラドン逆変換処理にかけられる。図2はこのような
2ステップラドン逆変換処理の1つの例を概略的に示
す。ブロック24の2ステップ3Dラドン逆変換処理
は、後述の本発明による変更以外は公知であり、例えば
前述の米国特許第5257183号明細書等に説明され
ている。簡単に述べると、球座標系(r,Θ,φ)によ
り定められるラドン空間200の中でサンプリングされ
たブロック22からのラドンデータで開始し、複数の垂
直に向いている同軸のφ平面の2つのφ平面202及び
203はこれらの平面上の極座標格子座標により示され
ている。後述されるようにそれぞれのφ平面のサンプル
格子の原点は互いに独立している。
【0025】第1の再構成ステップで2Dラドン逆変換
が、例えばフィルタ補正逆投影法等のプロシージャを用
いてそれぞれのφ平面の中のラドンデータに対して行わ
れる。これにより相応前記のφ平面は、直交座標系
(r′,z)の中でサンプリングされた対応する観察角
での被検体の例えば204等の2D投影画像を含む。第
1の2D逆変換の後に被検体全体に関する情報が円柱座
標系206(r′,φ,z)の中に含まれている。第2
の再構成ステップでz軸に平行な水平平面(zスライ
ス)208が円柱座標系206(r′,φ,z)の中で
定められ、被検体の3D画像を表すデータが被検体空間
210の中にスライス毎に形成される。より詳細に述べ
ると、それぞれのzスライス208に対して例えばフィ
ルタ補正逆投影法等の2D CTセンサ構成プロシージ
ャが、zスライスの平面の中の2D投影画像の値に対し
て実行され、これによりそれぞれのzスライスに対して
被検体の2D画像212を計算する。最終結果は、直交
座標系(x,y,z)の中でサンプリングされた3D被
検体の空間的分布を表す画像データである。
【0026】これにより形成される画像データがブロッ
ク26で格納され、次いで再構成プロセッサ18からデ
ィスプレイ28に供給され、ディスプレイ28は公知よ
うに動作することもあり、これにより被検体16の3D
CT観察像が得られる。
【0027】本発明による3Dラドン逆変換処理の変更
以外は図1のブロックのより詳細な説明は前述の明細書
に記載されている。
【0028】前述のように、そして米国特許出願第08
/940924号に詳細に説明されているように、被検
体の画像を再構成するために測定データを収集及び処理
するためのコーンビームイメージング装置を作動する前
に、収集測定データを処理するために必要な情報が予計
算され、データベース21に格納される。次いで、予計
算された情報、被検体の画像を再構成するために収集測
定データを処理するためのコーンビーム装置がイメージ
ング作動される間に使用される。予計算された画像再構
成情報は”ヒットリスト”と呼称されることもある。通
常はヒットリストは、例えばソース/検出器スキャンパ
スのピッチ及びその他のパラメータ、被検体の寸法、検
出器分解能、及びスキャンパス及びラドン空間の所望の
サンプリング等のイメージング装置の動作の間に前もっ
て定められるイメージング装置の幾何学的パラメータに
より主に定められる処理情報を含む。ヒットリストは、
ラドン空間の中の点とラドン空間に寄与するソース位置
との間の対応を示す情報、それぞれのその都度位置で収
集された線積分を定められるパラメータ、及び画像再構
成処理のために使用されるその他の情報を含む。
【0029】ヒットリスト情報の予計算により測定デー
タのランタイム(画像)問い又はの速度が大幅に高めら
れ、ひいては、画像再構成アルゴリズムを実施する効率
が大幅に改善される。しかし前述の米国特許出願第08
/940924号に説明されているようにヒットリスト
が、当該の被検体領域を定められるラドン空間の中の多
数の点のそれぞれの点のためのデータを定められるため
に必要とされるので、ヒットリストのサイズは実際には
非常に大きい。
【0030】本発明による新規の3Dラドン逆変換処理
の前に読者は図3〜5を参照してバックグラウンド情報
を得られたい。
【0031】図3は、スキャンパス302に沿ってのソ
ース位置Sn1,Sn2及びSn3を求める方法を示
し、ソース位置Sn1,Sn2及びSn3は、所与のラ
ドンサンプル点に寄与するために処理される測定データ
を収集する。当業者には自明のように所与の点(r,
Θ,φ)における3Dラドン変換データは、被検体のX
線減弱係数の面積分により一義的に定められ、ベクトル
(r,Θ,φ)により定められる積分面は図示されてい
ない。積分面に位置するソース位置で検出器により収集
された測定データは特定のラドン値に寄与する。図3a
は3Dの中のこの状況を示す。図示の例としての積分面
304はスパイラルスキャンパスに位置Sn1,Sn2
及びSn3で交差する。交差線は、破線305により示
されている楕円に位置し、楕円は、スパイラルをz軸方
向で積分面304に投影することにより生成される。ソ
ース交差を計算するためには双方のスキャンパス302
及び積分面304を(ラドン点のφ座標により定められ
る)φ平面の中に投影するだけでよく、これは図3bに
示されている。次いで、正弦関数306すなわちスパイ
ラル302の投影と線308すなわち平面304の投影
との交差の2D問題を解くだけで、点Sn1,Sn2及
びSn3 の位置を求めることができる。最後に、これ
らの位置を、スキャンパス302のジオメトリに関する
知識を基礎にして戻し変換する。このプロシージャはソ
ース位置情報が、本発明による被検体の画像の再構成の
ために必要とされるすべてのラドン点のために形成され
るまで繰返される。
【0032】図4は、ラドン空間の中の順次のφ平面
(0゜,30゜及び60゜)のうちの選択されたφ平面
に類似に配置されているラドンサンプル点、すなわち同
一のr及びΘ座標を有するラドンサンプル点に寄与する
ソース位置を求める方法を示す。図4により示されてい
るようにφ平面からφ平面に、r及びΘを一定に維持し
つつ移動するとスパイラルの投影はz軸に沿ってシフト
し、これにより新しい交差が得られ、これらの交差は前
の交差に高度に非線形に関連している。これらの結果を
ヒットリストに格納する場合にそれぞれのφ平面のラド
ンサンプル点のための別個で一義的なエントリが必要と
される。より詳細な説明は前述の米国特許出願第08/
940489号(図3〜10)又は前述の米国特許出願
第08/940924号を参照されたい。
【0033】前述の米国特許第08/940489号に
記載の技法により、1つのφ平面におけるラドンサンプ
ル点のために計算されたヒットリストエントリを、すべ
てのその他のφ平面における同様に配置されているラド
ンサンプル点のために再使用できる。この技法の視覚的
説明が図5に示されている。図5に示されているように
φ平面(φ平面0゜,30゜及び60゜のみが示されて
いる)のうちの順次のφ平面のそれぞれのφ平面におけ
るラドン原点は、スパイラルパス302の投影が順次の
φ平面の間に経験するz軸シフトの量に相応する量(Δ
z)だけシフトされる。図4に示されているΔZは、Δ
zと、0゜と30゜との間のφ平面の数との積に相応す
る。
【0034】順次のφ平面における原点シフトによりス
パイラルの投影と積分面との間の交差はそれぞれのφ平
面のローカル座標系の中で同一である。従って相対的な
意味での同一のソース位置がφ平面とは独立して所与の
r,Θラドン位置に寄与し、所与のφ平面のために意図
されているヒットリストの中の再構成情報を、順次のφ
平面の任意のφ平面の中のラドンデータを求めるために
再使用できる。しかしφ平面データのラドン原点のシフ
トが考慮されなければならない。
【0035】本発明の原理により図1のブロック24の
2ステップラドン逆変換処理を変更して、ラドン変換デ
ータ、すなわちその他のφ平面のそれぞれのφ平面のロ
ーカルラドン原点を含むφ平面のそれぞれのφ平面にお
けるサンプル格子を確立できる。ラドン空間φ平面のロ
ーカルラドン原点の、グローバル座標系に対するシフト
は、ラドン逆変換処理の間に補償できる。
【0036】より詳細には、補償は図2のラドン逆変換
処理の第1のステップの間に行うことができ、この補償
は、ラドンデータを(φ平面から)、ローカルラドン原
点からシフトされていないすなわち相応してオフセット
されているサンプル格子(z,r′)に逆投影すること
により行う。このオフセットは図2のφ平面202と2
03との間の空間の中のΔZとして示され、ΔZ=φ平
面202と203との間のz軸方向での原点の全シフト
である。従ってラドン原点のz軸オフセットは、相応す
るz軸デルタを、ラドン逆変換処理のこのステップの間
に座標変数の中に導入することにより考慮される。
【0037】代替的に本発明の別の1つの形態では、ロ
ーカルラドン原点に沿ってシフトされているz,r′サ
ンプル格子に逆投影し、次いで、逆変換処理の第2のス
テップ(z平面の中の2Dラドン逆変換)を行う前にこ
の投影の結果を、相応する値だけグローバル原点へ向か
ってシフトして、ローカルラドン原点の先行のシフトを
補償する。逆投影結果のこのシフトは、これらの逆投影
結果を、グローバル座標系にアライメントされている新
サンプル格子に補間することにより完成される。
【0038】このようにして、ラドン空間を仕切る垂直
に配向されている同軸のφ平面の集合におけるラドンデ
ータを処理するための新規の方法及び装置が図示され説
明され、これらのφ平面は、それぞれのφ平面がそれぞ
れの別個のローカルラドン原点を有するように適合調整
できる。しかし本発明の多数の変化、変更、変形及びそ
の他の使用及び用途が、本発明の有利な実施の形態を開
示する本明細書及びその添付図面を考慮することにより
当業者には自明となる。例えばz軸シフトは、例として
の実施の形態に示されているが、任意のラドン原点シフ
ト例えばΔr,ΔΘが可能であり、補償できる。更に、
逆投影による逆変換が示されたが、しかし別のタイプの
逆変換例えばFFT技法を使用する逆変換も可能であ
る。本明細書に記載の本発明の一般的教示から逸脱しな
いすべてのこのような変化、変更、変形及びその他の使
用及び用途は、前述の説明に観照して解釈される請求の
範囲のみにより制限されるこの特許の範囲内であると見
なされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーンビームイメージング装置を使用する被検
体のイメージング装置を示し、イメージング装置が本発
明の原理により収集測定データを処理するための再構成
処理情報の予計算されたヒットリストを使用するブロッ
ク回路図及び簡単化された斜視図である。
【図2】被検体の画像を再構成するための画像データを
形成するための本発明による独立したローカルラドン原
点を有する3Dラドンデータの3D逆変換処理を示す線
図である。
【図3】所与のラドンサンプル点に寄与するソース位置
を求める方法を示す線図である。
【図4】ラドン空間の中の順次のφ平面のうちの選択さ
れた1つのφ平面に類似に配置されているラドンサンプ
ル点に寄与するソース位置を求める方法を示す線図であ
る。
【図5】図4の順次のφ平面のためのローカルラドン原
点を使用する方法を示し、この使用により、図4の求め
る方法の中に対称性を導入し、これにより、予計算され
た画像再構成処理情報の再使用が可能となる線図であ
る。
【符号の説明】
8 コンピュータ 10 コーンビームエネルギーのソース 12 2次元アレイ検出器 14 スパイラルスキャンパス 15 被検体16の中心軸線 16 被検体 17 データ収集システム 18 バッファメモリ及び画像再構成プロセッサ 21 データベース 28 ディスプレイ 202 φ平面 203 φ平面 204 2D投影画像 206 円柱座標系 208 zスライス 210 被検体空間 212 2D画像 302 スキャンパス 304 積分面 305 楕円を示す破線 306 正弦関数 Sn1,Sn2及びSn3 ソース位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スプン サマラセケラ アメリカ合衆国 ニュージャージー プ リンストン ブラックストーン ドライ ヴ 24 (72)発明者 クウォーク タム アメリカ合衆国 ニュージャージー エ ディソン サーガモア アヴェニュー 24 (56)参考文献 特開 平7−14030(JP,A) 特開 平10−146331(JP,A) 特開 平6−28454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 6/03

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラドン空間を仕切る垂直に配向されてい
    る同軸のφ平面の集合におけるラドンデータを処理する
    ための2つの2Dラドン逆変換を含み、それぞれの前記
    φ平面を前記逆変換処理の間にサンプリングして、それ
    ぞれの前記φ平面独自の独立したローカルラドン原点を
    得ることを特徴とする2ステップ3Dラドン逆変換処理
    方法。
  2. 【請求項2】 2ステップラドン逆変換処理が、グロー
    バル座標系に対するローカルラドン原点のシフトを補償
    する処理ステップを含むことを特徴とする請求項に記
    載の2ステップ3Dラドン逆変換処理方法。
  3. 【請求項3】 ラドン空間を仕切る垂直に配向されてい
    る同軸のφ平面の集合にラドンデータを生成し、それぞ
    れの前記φ平面をサンプリングして、それぞれの前記φ
    平面自身の独立したローカルラドン原点を得、2ステッ
    プ3Dラドン逆変換処理を行って、それぞれの前記φ平
    面を互いに独立して処理することを特徴とする2ステッ
    プ3Dラドン逆変換処理方法。
  4. 【請求項4】 2ステップラドン逆変換方法が第1のス
    テップを含み、前記第1のステップはグローバル座標系
    に対するローカルラドン原点のシフトを補償し、この補
    償を、ラドンデータをφ平面から、前記ローカルラドン
    原点からシフトされていないすなわち相応してオフセッ
    トされているφ平面サンプル格子(z,r′)に逆投影
    することにより行うことを特徴とする請求項3に記載の
    2ステップ3Dラドン逆変換処理方法。
  5. 【請求項5】 第1のステップの逆投影が、前記逆投影
    を定める座標変数の中に相応するオフセットを導入する
    ことを含むことを特徴とする請求項4に記載の2ステッ
    プ3Dラドン逆変換処理方法。
  6. 【請求項6】 2ステップラドン逆変換処理が第1のス
    テップを含み、前記第1のステップはグローバル座標系
    に対するローカルラドン原点のシフトを補償し、この補
    償を、まず初めに、ローカルラドン原点に沿ってシフト
    されているφ平面サンプル格子(z,r′)への逆投影
    を行い、次いで逆投影の結果を相応する値だけグローバ
    ル原点へ向かってシフトして、前記ローカルラドン原点
    の前のシフトを補償し、次いで初めて、2ステップ逆変
    換処理の第2のステップを行うことにより行うことを特
    徴とする請求項3に記載の2ステップ3Dラドン逆変換
    処理方法。
  7. 【請求項7】 逆投影の結果のシフトを、グローバル座
    標系にアライメントされている新格子に前記結果を補間
    することにより達成することを特徴とする請求項6に記
    載の2ステップ3Dラドン逆変換処理方法。
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