JP3020741U - 流動性内容物供給装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧式のバッグ・イン・ボックスを用いた流
動性内容物供給装置と同様に正確で安定した一定量の流
動性内容物を供給でき、しかも、加圧手段を使い捨てに
することのない流動性内容物供給装置を提供する。 【構成】 剛性のある外箱体１と、該外箱体に固定さ
れ、加圧用媒体の注入口２１を備え、上記外箱体の内壁
側に加圧室を構成する加圧手段２（加圧用袋２Ａ）と、
該外箱体内に収納され、流動性内容物を収容し、且つ該
流動性内容物の注出口３１を備えた、内容物貯蔵用袋３
と、上記注出口に接続される内容物供給管４と、上記注
入口に接続される加圧用媒体注入管６と、を具備する流
動性内容物供給装置。上記加圧手段により上記内容物貯
蔵用袋を一定に加圧し、上記内容物供給管の開閉により
流動性内容物の供給・非供給を切替える。上記内容物供
給用袋は単独で交換可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、流動性内容物供給装置に関し、更に詳しくは、供給時の流動性内容 物の量・圧力の脈動、飛び散り（ｓｐｌａｓｈ）がなく、正確で安定した一定量 の流動性内容物を供給でき、更に、運用の際に使い捨てにする部分が少なくてす む流動性内容物供給装置に関する。本考案は、飲料等の自動販売機等に利用され る。

【０００２】

【従来の技術】

流動性内容物供給装置へ備えつけるための、輸送、貯蔵、廃棄が容易な使い捨 ての流動性内容物貯蔵手段として、内容物供給管と内容物供給管に接続する内容 物注出口とを備えた柔軟性のある流動性内容物貯蔵用袋を、段ボール等の一定の 剛性をもった箱体に入れたバッグ・イン・ボックスが知られている。 バッグ・イン・ボックスを用いた流動性内容物供給装置では、流動性内容物供 給手段として、容積ポンプを使用するもの、バッグ・イン・ボックス内の内容物 貯蔵用袋へ加圧を行うものが知られている。

【０００３】 容積形ポンプで流動性内容物を供給する場合、流動性内容物の供給量・圧力に 脈動をともない、間欠的に内容物の飛び散り（ｓｐｌａｓｈ）がおこる。また、 その脈動のために、正確で安定した一定量の流動性内容物を供給することが困難 である。 加圧による流動性内容物供給方式では、気密性のある箱又は加圧用袋への加圧 用媒体注入・停止時に、加圧用媒体の圧力の上昇・下降にどうしても時間がかか るため、これも正確で安定した一定量の流動性内容物を供給することが困難であ る。

【０００４】 本考案の出願人は、上記のような問題点を解決するため、実願平７−７３２号 において、飲料の自動販売機等の、何回にも分けて流動性内容物を供給し、その 際、供給した流動性内容物の定量性、再現性が要求される流動性内容物供給装置 において、正確で安定した一定量の流動性内容物を、簡易に、かつ衛生的に供給 できるバッグ・イン・ボックス及び流動性内容物供給装置を提案している。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のバッグ・イン・ボックス及び流動性内容物供給装置においては 、衛生上の理由から使い捨てにしなければならない内容物貯蔵用袋だけでなく、 使い捨てにする必要がない加圧用袋までも使い捨てにしなければならず、運用コ ストが高く、又、資源の有効利用が図られていなかった。

【０００６】 本考案は、上記のような問題点を解決するものであり、飲料の自動販売機等の 、何回にも分けて流動性内容物を供給し、その際、供給した流動性内容物の定量 性、再現性が要求される流動性内容物供給装置において、正確で安定した一定量 の流動性内容物を、簡易に、かつ衛生的に供給でき、更に、加圧用袋を使い捨て にすることがなく、低コストで運用でき、資源の有効利用を図ることができる流 動性内容物供給装置を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本第１考案の流動性内容物供給装置は、供給管用外開口部１ａ及び加圧管用外 開口部１ｂを備え、且つ剛性のある外箱体１と、該外箱体１に固定され、加圧用 媒体の注入口２１を備え、上記外箱体１の内壁側に加圧室を構成し、且つ該加圧 室内に加圧用媒体を注入して該加圧室が膨張することにより該外箱体１内の収容 物を加圧可能な加圧手段２と、該外箱体１内に収納され、流動性内容物を収容し 、且つ該流動性内容物の注出口３１を備えた、柔軟性のある内容物貯蔵用袋３と 、上記外箱体１の上記供給管用外開口部１ａを通って上記内容物貯蔵用袋３の注 出口３１に接続される内容物供給管４と、上記外箱体１の上記加圧管用外開口部 １ｂを通って上記加圧手段２の注入口２１に接続される加圧用媒体注入管６と、 を具備するものである。

【０００８】 本第２考案の流動性内容物供給装置は、第１考案の流動性内容物供給装置であ って、上記加圧手段２は、柔軟性がある加圧用袋２Ａからなり、上記外箱体１の 内壁に固定されているものである。 本第３考案の流動性内容物供給装置は、第１考案の流動性内容物供給装置であ って、上記外箱体１の内壁に柔軟性のある区画壁膜２Ｂが接合され、該外箱体１ と該区画壁膜２Ｂとの間に区画形成される加圧室を備えるものである。 本第４考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第３考案のいずれかの流動性 内容物供給装置であって、上記加圧手段２は、加圧用媒体が注入される前の状態 では、折り畳まれていることを特徴とする。 本第５考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第３考案のいずれかの流動性 内容物供給装置であって、上記加圧手段２は、伸縮自在の素材でできており、加 圧用媒体が注入される前の状態では、加圧室の容積が小さいことを特徴とする。

【０００９】 本第６考案の流動性内容物供給装置は、第１考案の流動性内容物供給装置であ って、上記加圧手段２は、上記外箱体１の内壁に、少なくとも上記内容物貯蔵用 袋３の圧縮方向に伸縮する蛇腹部２Ｃ１を備える区画壁体２Ｃが接合され、該外 箱体と該区画壁体との間に区画形成される加圧室を備えるものである。 本第７考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第５考案のいずれかの流動性 内容物供給装置であって、上記外箱体１に収容される上記内容物貯蔵用袋３が二 以上のものである。

【００１０】 本第８考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第７考案のいずれかの流動性 内容物供給装置であって、上記外箱体１は、前面に扉１１を具備し、上部に該扉 １１による開口から該外箱体１の奥に向かうレール１５と、上記流動性内容物貯 蔵用袋３を保持して該レール１５に沿って移動する貯蔵用袋固定部１４とを具備 することを特徴とする。 本第９考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第８考案のいずれかの流動性 内容物供給装置であって、上記加圧用袋２に上記加圧用媒体を供給する加圧源Ｐ と、上記内容物供給管４を変形させて上記内容物貯蔵用袋３からの上記流動性内 容物の供給を許容したり止めたりする開閉手段５と、を備えることを特徴とする 。 本第１０考案の流動性内容物供給装置は、第１乃至第９考案のいずれかの流動 性内容物供給装置であって、上記内容物供給管４は柔軟性があるゴム状素材から なるものであり、上記開閉手段５による上記流動性内容物の供給・非供給状態の 切替えは、該内容物供給管４のピンチ及びその解除によって行う。

【００１１】

【作用】

本第１考案の流動性内容物供給装置は、剛性のある外箱体１と、加圧室が膨張 することで外箱体内の収容物を加圧可能な加圧手段２と、該外箱体１内に収納さ れる内容物貯蔵用袋３と、を備えているため、上記加圧室内に加圧用媒体が注入 されることにより、容積ポンプを用いる場合のような脈動を伴うことなく、上記 内容物貯蔵用袋内の上記流動性内容物を供給することができる。

【００１２】 本第２考案の流動性内容物供給装置は、上記加圧手段２は加圧用袋２Ａからな り、上記外箱体１の内壁に固定されているので、内容物貯蔵用袋３のみを交換す ることで、供給する内容物の補充をすることができる。又、上記加圧用袋は、上 記外箱体から独立しているので、上記加圧用袋が劣化した場合には、該加圧用袋 のみを交換することができる。

【００１３】 本第３考案の流動性内容物供給装置は、上記外箱体１の内壁に区画壁膜２Ｂが 接合され、該外箱体と該区画壁膜との間に区画形成される加圧室を備えるため、 該加圧室が膨張する際に、該外箱体の内壁と該区画壁膜とが摩擦する部分が少な く、膨張が円滑に行われ、その結果、上記加圧手段２の寿命を長くすることがで きる。

【００１４】 本第４考案の流動性内容物供給装置は、上記加圧手段２は、加圧用媒体が注入 される前の状態では、折り畳まれているため、伸縮する素材を用いることなく加 圧用媒体が注入される前の状態での加圧室の体積を小さくすることができ、且つ 加圧用媒体が注入された場合に膨張が円滑に行われる。 本第５考案の流動性内容物供給装置は、上記加圧手段２は、伸縮自在の素材で できているため、伸縮しない素材で構成されている場合に比べて、加圧用媒体が 注入される前の状態での体積をより小さくすることができる。

【００１５】 本第６考案の流動性内容物供給装置は、上記外箱体１の内壁に区画壁体２Ｃが 接合され、該外箱体と該区画壁体との間に区画形成される加圧室を備えており、 内容物貯蔵用袋３は、該外箱体の内壁と、該区画壁体に挟み込まれるため、柔軟 性のある素材で構成された加圧手段２の場合に比べて、該内容物貯蔵用内に残留 する内容物を少なくすることができる。

【００１６】 本第７考案の流動性内容物供給装置は、上記外箱体１に収容される上記内容物 貯蔵用袋３は二以上であるため、複数種類の内容物を同時に供給することができ る。 本第８考案の流動性内容物供給装置は、上記外箱体に、レール１５と、貯蔵用 袋固定部１４とを具備するため、該貯蔵用袋固定部に上記内容物貯蔵用袋を固定 し、上記レールに沿って該貯蔵用袋固定部ごと該外箱体の内部に挿入することが できる。

【００１７】 本第９考案の流動性内容物供給装置は、加圧源Ｐと、開閉手段５と、を備える ため、上記加圧室内に加圧用媒体を注入し、容積ポンプを用いる場合のような脈 動を伴うことなく、上記内容物貯蔵用袋３内の流動性内容物を定量的に供給する ことができる。 本第１０考案の流動性内容物供給装置は、上記内容物供給管４は柔軟性がある ゴム状素材からなるため、上記開閉手段による上記流動性内容物の供給・非供給 状態の切替えを、該内容物供給管のピンチ及びその解除によって行うことができ 、その結果、流動性内容物に接触することなく、流動性内容物の供給・非供給状 態の切替えを素早く行うことができる。

【００１８】

【考案の実施の形態】

以下、実施例により本考案を具体的に説明する。 （１）本考案の流動性内容物供給装置を応用した飲料自動販売機の構成 本実施例は、図１に示すように、本考案の流動性内容物供給装置を飲料自動販 売機に応用したものである。飲料自動販売機は、外箱体１と、これに収容される 内容物貯蔵用袋３と、加圧用袋２Ａと、内容物供給管４と、開閉装置５と、加圧 用媒体注入管６と、タイマー７と、冷水タンク８と、加圧源Ｐと、スイッチＳＷ と、を備えている。

【００１９】 外箱体１は、図９に示すように、上記内容物貯蔵用袋３を収容するものであり 、大きさが、縦、横、奥行きそれぞれ約２００ｍｍ、約１２０ｍｍ、約３００ｍ ｍであり、ステンレス鋼板でできている。該外箱体１は、図９に示すように、そ の内壁に、上記内容物貯蔵用袋３を加圧するための加圧用袋２Ａを備えている。 該外箱体１は、図２及び９に示すように、扉１１を具備し、その扉１１に、上 記加圧用袋２Ａの注入口２１に接続される上記加圧用媒体注入管６を挿通するた めの加圧管用外開口部１ｂを具備する。又、底部１２には、上記内容物貯蔵用袋 ３に接続される上記内容物供給管４を挿通するための供給管用外開口部１ａを具 備する。 更に、該外箱体１は、天井部１３に上記内容物貯蔵用袋３を内部に簡便に収容 するための貯蔵用袋固定部１４と、レール１５とを備えている。

【００２０】 貯蔵用袋固定部１４は、図２，６及び７に示すように、クリップ１４１と、ク リップガイド１４２と、からなる。 クリップ１４１は、その一端近辺に蝶番１４１ａを備えており、蝶番１４１ａ を閉じたときは略円柱状になる。 クリップガイド１４２は、図７に示すように、クリップ１４１が閉じた状態で 回動可能なようにクリップ１４１を両端で支えており、図２，５，６及び９に示 すように、外箱体１の天井部１３に敷設されたレール１５に沿って、クリップ１ ４１とともに外箱体１の内部から外部へとスライドする。

【００２１】 上記加圧用袋２Ａは、伸縮自在のゴム等の素材でできており、図３及び９に示 すように、上記内容物貯蔵用袋３を挟み込むような、縦、横それぞれ約２００ｍ ｍ、約３００ｍｍの二つの袋部及び加圧用媒体である圧縮空気の注入口２１を備 え、圧縮空気を注入されることで外箱体１内で内容物貯蔵用袋３を加圧する。加 圧用袋２Ａは、内容物貯蔵用袋３を圧する圧力に比べて十分に小さい圧力で膨ら ますことができるものである。圧縮空気が注入され、最大容積になった状態では 、上記加圧用袋２Ａは上記外箱体１を満たす。 加圧用媒体注入管６は、図３及び９に示すように、上記注入口２１に接続され る。

【００２２】 内容物貯蔵用袋３は、ポリエチレン製で、縦、横それぞれ約２００ｍｍ、約３ ００ｍｍであり、図４に示すように、流動性内容物を収容し、該流動性内容物の 注出口３１と、貯蔵用袋保持部３２とを備えている。流動性内容物貯蔵用袋３は 、図９に示すように、外箱体１内部にあって、上部を貯蔵用袋固定部１４に固定 されている。 即ち、図５，６及び７に示すように、クリップ１４１が、その２本の足の間に 内容物貯蔵用袋３の貯蔵用袋保持部３２を挟み、その後、クリップガイドに対し て４５０度（１回転と４分の１）回動することで貯蔵用袋保持部３２を巻き込み 、図５に示すように、クリップ１４１の足が貯蔵用袋保持部３２を挟み込んだ状 態で固定される。以上のようにして、貯蔵用袋固定部１４は流動性内容物貯蔵用 袋３を保持する。

【００２３】 内容物供給管４は、柔軟性のある熱可塑性エラストマーでできている。この熱 可塑性エラストマーとしては、水添ＳＢＳブロックコポリマーを用い、その性状 はゴムの軟らかさと感触を持つものである。尚、他にオレフィン系、ウレタン系 、ポリエステル系の種々のものを用いることもできる。該内容物供給管４は、内 径約６ｍｍ、外径約８ｍｍであり、流体絞り４１を備えており、図４に示すよう に、上記注出口３１に接続される。

【００２４】 開閉装置５は、図１０，１１及び１２に示すように、チューブ押さえ５１と、 スプリング５２と、ソレノイド５３と、本体ベース５５と、ピンチ扉５４と、止 め具５６とからなる。 チューブ押さえ５１は、柔軟性を持った内容物供給管４を押さえつけ、変形さ せる。スプリング５２は、該チューブ押さえ５１を内容物供給管４に押しつけて いる。ソレノイド５３は、電流ＯＮでスプリング５２の力に抗してチューブ押さ え５１を引き戻す。本体ベース５５は、内容物供給管４を固定し、チューブ押さ え５１のガイドとなる。ピンチ扉５４は、本体ベース５５とともに内容物供給管 ４を固定し、チューブ押さえ５１とともに内容物供給管４を挟んで変形させる。 止め具５６は、ピンチ扉５４を本体ベース５５に係止する。 本体ベース５５に内容物供給管４を固定する際には、図１２に示すように、一 旦ピンチ扉５４を開け、内容物供給管４を本体ベースの溝５５１にはめ、再びピ ンチ扉５４を閉めて固定する。

【００２５】 冷水タンク８は、図１に示すように、上記内容物供給管４と同様の構成・機能 を持つ冷水供給管８１が接続され、又、水道に接続されている。冷水供給管８１ には、内容物供給管４と同様に、開閉装置５が設置され、タイマー７も同様に開 閉装置５に接続される。

【００２６】 （２）本飲料自動販売機の動作 図１に示す加圧源Ｐ（圧縮空気を用いる）により、各貯蔵用袋収納箱１内の加 圧用袋２Ａには、常に一定の圧力が加えられている。その結果、加圧用袋２Ａの 膨張によって外箱体１内の内容物貯蔵用袋３に圧力が加えられ、内部の流動性内 容物は注出口３１に接続された内容物供給管４から外部に出ようとする。しかし 、定常状態では、内容物供給管４は開閉装置５によって閉状態にされており、流 動性内容物が内容物供給管４から出ることはない。 スイッチＳＷで供給する飲料の種類が決定されると、決定された飲料の内容物 供給管４のタイマー７と、冷水タンク８の冷水供給管８１のタイマー７に、スイ ッチＳＷから信号が送られる。それぞれのタイマーは受け取った信号にしたがっ て開閉装置５に信号を送り、一定時間だけ内容物供給管４及び冷水供給管８１を 開状態にして、一定量の流動性内容物及び冷水をコップＣに供給する。

【００２７】 流動性内容物貯蔵用袋３を交換する場合には、加圧用袋内の圧縮空気を抜き、 外箱体１の扉１１を開けて、図５に示すように、該貯蔵用袋固定部１４をレール １５に沿って引出し、流動性内容物貯蔵用袋３を取り出して、クリップ１４１を 回転させ、図６に示すように、足を開いて貯蔵用袋固定部１４から取り外し、新 たな流動性内容物貯蔵用袋３を、貯蔵用袋保持部３２をクリップ１４１に挟み込 んで前述のようにして固定し、該貯蔵用袋固定部１４をレール１５に沿って外箱 体１内部へ挿入する。その際、同時に加圧用媒体注入管６及び内容物供給管４の 付け替えも行う。

【００２８】 （３）本実施例の効果 本実施例の飲料自動販売機においては、内容物貯蔵用袋３をポリエチレン製と しているため、内容物貯蔵用袋３の製造が容易であり、安価に作成することがで きる。 内容物供給管４は柔軟性のある熱可塑性エラストマーでできているため、内容 物供給管外部からのピンチによる変形及びその解除によって、内容物の供給・非 供給の切替えができる。 加圧用袋２Ａは、伸縮自在のゴム等の素材でできているため、圧縮空気を抜く だけで体積を小さくでき、内容物貯蔵用袋３の交換の際に邪魔にならない。又、 内容物貯蔵用袋３を圧する圧力に比べて十分小さい圧力で膨らますことができる ので、加圧用袋２Ａに一定圧力で圧縮空気を供給することで、内容物貯蔵用袋３ を一定圧で圧することができる。

【００２９】 貯蔵用袋収用箱１は、貯蔵用袋固定部１４とレール１５とを備えているため、 内容物貯蔵用袋３の交換の際に、内容物貯蔵用袋３を貯蔵用袋固定部１４につり 下げて交換でき、剛性がなく、保持が困難な内容物貯蔵用袋３の交換を容易に行 うことができる。貯蔵用袋固定部１４は、クリップ１４１とクリップガイド１４ ２とからなるため、簡易な構造で内容物貯蔵用袋３を保持することができる。 本実施例の飲料自動販売機においては、上記内容物供給管４のピンチ及び解除 をバネとソレノイドを用いて行っているため、ピンチ及び解除を素早く行うこと ができる。

【００３０】 尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途 に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。 本実施例では、断面形状が略コの字形の加圧用袋の例を示したが、図１３に示 すように、内容物貯蔵用袋を収容した後、扉１１の内側で加圧用袋が閉じるよう な、略Ｃ字形の断面形状を持つ加圧用袋とすることもできる。

【００３１】 本実施例では、加圧手段として加圧用袋２Ａを用いたが、加圧用袋２Ａの代わ りに図１４に示すような区画壁膜２Ｂ、又は図１６に示すような区画壁体２Ｃを 用いてもよい。 区画壁膜２Ｂは、柔軟性のある素材で構成されており、図１４に示すように、 外箱体１の内壁に取り付けられ、加圧室を構成し、その加圧室に加圧用媒体が注 入されると、加圧室は図１５に示すように膨張し、流動性内容物貯蔵用袋３を加 圧する。 区画壁体２Ｃは、蛇腹部２Ｃ１を備えており、図１６に示すように、外箱体１ の内壁に取り付けられ、外箱体１の内壁とともに加圧室を構成している。加圧室 に加圧用媒体が注入されることで蛇腹部２Ｃ１が伸び、図１７に示すように流動 性内容物貯蔵用袋３に向かって進行し、流動性内容物貯蔵用袋３を加圧する。

【００３２】 加圧手段として上記の区画壁膜２Ｂ及び区画壁体２Ｃを用いる場合には、供給 管用外開口部１ａ、貯蔵用袋固定部１４等の外箱体１の構成部分を、それぞれの 加圧手段に合わせた適宜のものとすることができる。 又、加圧用袋、区画壁膜といった加圧手段は伸縮しない素材で構成され、加圧 用媒体が注入される前は折り畳まれていてもよいし、伸縮自在の素材で構成して もよい。区画壁体の蛇腹部２Ｃ１は、蛇腹に代わって伸縮自在の素材で構成され るものとしてもよい。

【００３３】 本実施例では、一つの収納箱につき内容物貯蔵用袋３が一つである流動性内容 物供給装置の例を示したが、一つの収納箱に複数の内容物貯蔵用袋を備える流動 性内容物供給装置についても、同様に、飲料自動販売機への応用が可能である。 また、一つの収納箱に複数の内容物貯蔵用袋３を備える流動性内容物供給装置の 場合には、複数の内容物貯蔵用袋３を両側から挟み込むだけでなく、挿置する複 数の内容物貯蔵用袋間にも袋部を持つような加圧用袋を用いることもできる。図 ３においては、内容物貯蔵用袋３を加圧する加圧用袋２Ａの断面形状は略コの字 形であるが、上記のような場合、例えば二つの内容物貯蔵用袋３を加圧する場合 には、加圧用袋２Ａの断面形状は略Ｅ字形となる。 複数の内容物貯蔵用袋を備えたバッグ・イン・ボックスを用いた飲料自動販売 機は、供給する飲料が、チョコマーブル等の、一種類の飲料につき、複数種類の 原料液を供給する必要があるものであり、かつ、それら原料液の比重が異なる場 合等に特に有効である。

【００３４】 内容物貯蔵用袋３には伸縮自在の素材を用いることも可能である。また、加圧 用袋２Ａにはポリエチレン等の素材を用いることもでき、その場合には、内容物 貯蔵用袋３の交換の際に、加圧用袋から空気を押し出し、内容物貯蔵用袋３を挿 入する際の邪魔にならないように、畳むようにしなければならない。 クリップ１４１は、実施例に示したようなものに限られず、図８に示すような 構造その他目的を達成できるものであれば、どのようなものでもよい。 供給する流動性内容物は、液体の飲料に限定されず、ジェリー状又はペースト 状等の飲料又はその他の用途物にも応用可能である。

【００３５】

【考案の効果】

本考案の流動性内容物供給装置は、常に内容物貯蔵用袋を一定圧に加圧するこ とで流動性内容物を供給するので、流動性内容物の供給時に、量・圧力の脈動な く内容物を供給することができ、かつ、内容物の供給状態・非供給状態の切替え を供給管外部からのピンチ及びその解除により敏速に行うことができる。よって 、正確で安定した一定量の流動性内容物を供給することができる。

【００３６】 本他考案の流動性内容物供給装置は、流動性内容物を補充、交換する際に、流 動性内容物貯蔵用袋のみを交換するので、加圧用袋ごと使い捨てにするバッグ・ イン・ボックスの場合と異なり、運用の際のコストを抑えることができ、資源の 有効利用を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る流動性内容物供給装置を飲料自動
販売機に応用した例を示す説明図である。

【図２】貯蔵用袋固定部及びレールを備える外箱体の説
明図である。

【図３】内容物貯蔵用袋を挟み込むような二つの袋部を
備える加圧用袋の説明図である。

【図４】貯蔵用袋保持部を備えた内容物貯蔵用袋の説明
図である。

【図５】内容物貯蔵用袋を保持した貯蔵用袋固定部を、
外箱体から引き出した状態を示す説明図である。

【図６】内容物貯蔵用袋を、貯蔵用袋固定部から取り外
した状態、又は貯蔵用袋固定部に取り付ける直前の状態
を示す説明図である。

【図７】クリップの足を開いた状態のクリップ及びクリ
ップガイドを側面から見た説明図である。

【図８】別の態様のクリップにおいて、内容物貯蔵用袋
を貯蔵用袋固定部から取り外した状態、又は貯蔵用袋固
定部に取り付ける直前の状態を示す説明図である。

【図９】貯蔵用袋固定部及びレールを備える外箱体の内
部に、加圧用袋を装備し、流動性内容物貯蔵用袋を収容
した状態を示す説明図である。

【図１０】開閉装置の斜視図である。

【図１１】開閉装置のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図１２】開閉装置のＢ−Ｂ矢視断面図である。

【図１３】内容物貯蔵用袋を囲い込むような袋部を備え
る態様の加圧用袋の説明図である。

【図１４】加圧手段として区画壁膜を備えた外箱体の説
明図である。

【図１５】加圧手段として区画壁膜を備えた外箱体にお
いて、加圧室に加圧用媒体を注入した状態を示す断面図
である。

【図１６】加圧手段として区画壁体を備えた外箱体の説
明図である。

【図１７】加圧手段として区画壁体を備えた外箱体にお
いて、加圧室に加圧用媒体を注入した状態を示す断面図
である。

【符号の説明】

１；外箱体、１ａ；供給管用外開口部、１ｂ；加圧管用
外開口部、１１；扉、１２；底部、１３；天井部、１
４；貯蔵用袋固定部、１４１；クリップ、１４１ａ；蝶
番、１４２；クリップイガイド、１５；レール、２Ａ；
加圧用袋、２Ｂ；区画壁膜、２Ｃ；区画壁体、２Ｃ１；
蛇腹部、２１；注入口、３；内容物貯蔵用袋、３１；注
出口、３２；貯蔵用袋保持部、４；内容物供給管、４
１；流体絞り、５；開閉装置、５１；チューブ押さえ、
５２；スプリング、５３；ソレノイド、５４；ピンチ
扉、５５；本体ベース、５５１；溝、５６；止め具、
６；加圧用媒体注入管、７；タイマー、８；冷水タン
ク、８１；冷水供給管、Ｐ；加圧源、Ｃ；コップ、Ｓ
Ｗ；スイッチ。

Claims (10)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 供給管用外開口部１ａ及び加圧管用外開
   口部１ｂを備え、且つ剛性のある外箱体１と、該外箱体
   に固定され、加圧用媒体の注入口２１を備え、上記外箱
   体の内壁側に加圧室を構成し、且つ該加圧室内に加圧用
   媒体を注入して該加圧室が膨張することにより該外箱体
   内の収容物を加圧可能な加圧手段２と、該外箱体内に収
   納され、流動性内容物を収容し、且つ該流動性内容物の
   注出口３１を備えた、柔軟性のある内容物貯蔵用袋３
   と、上記外箱体の上記供給管用外開口部を通って上記内
   容物貯蔵用袋の注出口に接続される内容物供給管４と、
   上記外箱体の上記加圧管用外開口部を通って上記加圧手
   段の上記注入口に接続される加圧用媒体注入管６と、を
   具備し、上記加圧室内に加圧用媒体が注入されることに
   より、上記内容物貯蔵用袋内の上記流動性内容物を供給
   できることを特徴とする流動性内容物供給装置。
2. 【請求項２】 上記加圧手段２は、柔軟性がある加圧用
   袋２Ａからなり、該加圧用袋は上記外箱体１の内壁に固
   定されている請求項１記載の流動性内容物供給装置。
3. 【請求項３】 上記加圧手段２として、上記外箱体１の
   内壁に柔軟性のある区画壁膜２Ｂが接合され、該外箱体
   と該区画壁膜との間に区画形成される加圧室を備える請
   求項１記載の流動性内容物供給装置。
4. 【請求項４】 上記加圧手段２は、加圧用媒体が注入さ
   れる前の状態では、折り畳まれていることを特徴とする
   請求項１乃至３のいずれかに記載の流動性内容物供給装
   置。
5. 【請求項５】 上記加圧手段２は、伸縮自在の素材でで
   きており、加圧用媒体が注入される前の状態では、加圧
   室の容積が小さいことを特徴とする請求項１乃至３のい
   ずれかに記載の流動性内容物供給装置。
6. 【請求項６】 上記加圧手段２は、上記外箱体１の内壁
   に、少なくとも上記内容物貯蔵用袋の圧縮方向に伸縮す
   る蛇腹部２Ｃ１を備える区画壁体２Ｃが接合され、該外
   箱体と該区画壁体との間に区画形成される加圧室を備え
   る請求項１記載の流動性内容物供給装置。
7. 【請求項７】 上記外箱体１に収容される上記内容物貯
   蔵用袋３は二以上である請求項１乃至６のいずれかに記
   載の流動性内容物供給装置。
8. 【請求項８】 上記外箱体１は、前面に扉１１を具備
   し、上部に該扉による開口から該外箱体の奥に向かうレ
   ール１５と、上記流動性内容物貯蔵用袋３を保持して該
   レールに沿って移動する貯蔵用袋固定部１４とを具備す
   ることを特徴とする請求項１乃至７のいずれかに記載の
   流動性内容物供給装置。
9. 【請求項９】 上記加圧用袋に上記加圧用媒体を供給す
   る加圧源Ｐと、上記内容物供給管を変形させて上記内容
   物貯蔵用袋からの上記流動性内容物の供給を許容したり
   止めたりする開閉手段５と、を備えることを特徴とする
   請求項１乃至８のいずれかに記載の流動性内容物供給装
   置。
10. 【請求項１０】 上記内容物供給管４は柔軟性があるゴ
    ム状素材からなり、上記開閉手段５による上記流動性内
    容物の供給・非供給状態の切替えは、該内容物供給管の
    ピンチ及びその解除によって行う請求項９記載の流動性
    内容物供給装置。