JP3019912U - 調理用の蓋付き容器およびそれに使用する調理用の蓋 - Google Patents

調理用の蓋付き容器およびそれに使用する調理用の蓋

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富子 伊賀
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富子 伊賀
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、不所望な煮こぼれを防止すること
ができる調理用の蓋付き容器およびそれに仕様する調理
用の蓋自体を提供することを目的としている。 【構成】 容器の開口を閉塞する蓋体が,帽子状に形成
した筒状部と,筒状部の下方にもうけた容器の蓋受部に
当接する当接部と,帽子状の筒状部の上方にもうけた開
口とをもつようにして調理用の蓋を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、食物を煮て調理する鍋などの容器に蓋を着脱自在に設けるようにし た調理用の蓋付き容器およびそれに使用する調理用の蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来一般に用いられている調理用の蓋付き容器は図5に示すように、上部に開 口1Aを有する容器1と、この容器1の開口1Aを閉塞するようにした蓋10とよ りなっている。
【0003】 そしてその容器1は、底部1Bと、円筒状の筒状部1Cと、この筒状部1Cの 上部開口1Aの外周に延出した平板リング状の蓋受部1Dとが形成されている。 一方、蓋10の外周部には前記容器1の開口1Aに遊合するようにした断面V字 状の折り曲げ部10Aと、この折り曲げ部10Aより外周方向に延出され、前記容器 1の蓋受部1Dに当接される平板リング状の当接10Bが形成されている。
【0004】 さらに、蓋10の中央部にはこの蓋10を手による持ち上げが便利なように把手10 Cが装着されていると共に、図示のように蓋10の把手10Cと折り曲げ部10Aの中 間部には小孔10Dが穿設されている。
【0005】 しかして、前記蓋10の外周に形成した断面V字状の折り曲げ部10Aの外径寸法 は、容器1の開口1Aに遊合するように、この開口1Aの内径寸法より少し小さ い寸法となっているので、蓋10は容器1の開口1Aに対して開閉自在となってい る。
【0006】 そこで、この容器1の中に例えば味噌汁などの液体Wを入れてガスコンロ(図 示せず)などの火力により加熱すると,その液体Wは沸騰状態となる。そして、 その液体Wの蒸気は始めは蓋10の小孔10Dより外部に噴出しているが、その後そ の蒸気圧により蓋10を押し上げて外部に噴出する。したがって、調理者は蓋10を 取りはずし容器1の中を見ることなしに液体Wが沸騰状態になっていることを知 ることができる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、このように容器1の中にある液体Wが沸騰状態になった後で、 ガスコンロの火力が強力な場合においては、液体Wが泡状態となって、蓋10を押 し上げて外部に流出するという、いわゆる煮こぼれが発生し、ガスコンロの上面 を汚損するという不所望な欠点があった。
【0008】 本考案の目的は上記のように、ガスコンロの火力が強力な場合においても、不 所望な煮こぼれを防止することができる調理用の蓋付き容器およびそれに使用す る調理用の蓋自体を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための請求項1の本考案は、上部に開口を有する容器と、 前記容器の開口を閉塞するようにした蓋体とよりなる調理用の蓋付き容器におい て、前記容器は上部開口の外周に延出した平板リング上の蓋受部を形成し、前記 蓋体は帽子状に形成した筒状部の下方外周に前記容器の蓋受部に当接する当接部 を形成すると共に、その帽子状の上部に前記容器の開口より小径の開口を穿設し た第1の蓋よりなることを特徴とする調理用の蓋付き容器とした。
【0010】 また、前記目的を達成するための請求項2の本考案は、請求項1に記載の調理 用の蓋付き容器において、前記第1の蓋は帽子状に形成した筒状部の中間に、前 記容器の開口より小径の容器の開口外周に形成した平板リング状の蓋受部に当接 する小径当接部を形成したことを特徴とする調理用の蓋付き容器とした。
【0011】 更に請求項3および4の本考案は、それら調理用蓋付き容器に使用する蓋自体 とした。
【0012】
【作 用】
以上のように構成した本考案の調理用の蓋付き容器においては、容器内の味噌 汁等の液体が沸騰状態になった後で、ガスコンロ等の火力が強力である場合にお いても、その液体から発生した蒸気は、第1の蓋の上部に穿設した開口より噴出 するのみである。そこで、液体が泡状態となって容器の開口面以上に上昇するこ とがあっても、容器の蓋受部と第1の蓋の当設部との隙間から外部に流出するこ となく、いわゆる従来のような煮こぼれを防止できる。
【0013】 即ち、泡状態にあることから泡の径が隙間よりも大であることや、泡状態のま まで第1の蓋の内面に沿って上昇する流体速度によって隙間の部分の圧力が多少 減少することなどのために、煮こぼれは防止される。
【0014】 また更に、第1の蓋には帽子状に形成した筒上部の中間に、前記容器の開口よ りも小径の容器の開口外周に形成した平板リング状の蓋受部に当接する小径当接 部を形成することにより、この蓋体を大小二つの容器に利用できる。
【0015】
【実施例】
図1は本考案第1実施例による調理用の蓋付き容器を示す。この図において、 容器1は前記従来のものと同一形状であり、符号1A乃至1Dも従来のものと同 一部分を示しているから、その説明を省略するが、蓋体2は第1の蓋3と、必要 に応じてもうけられる第2の蓋4とで構成されている。なお、煮ものを行ってい る場合には、第2の蓋4は用いなくてもよい。
【0016】 そして、その第1の蓋3は帽子状に形成されているが、その筒状部3Aは上方 に向うにつれて内径が小さくなるように絞られており、かつ当該筒状部3Aの下 方外周には、前記容器1の蓋受部1Dに当接するように平板リング状にした当接 部3Bと、この当接部3Bの外周には、容器1の筒状部1Cに対向するように、 斜め下方に延出したスカート部3Cとが形成されている。
【0017】 また、その第1の蓋3の帽子状に形成された上方の中央部には、容器1の開口 1Aより小径の開口3Dが穿設されていると共に、この第1の蓋3の開口3Dは 第2の蓋4で閉塞可能に構成されている。そして、この第2の蓋4の外周部には 第1の蓋3の開口3Dに遊合した断面V字状の折り曲げ部4Aが形成され、その 中央部にはこの第2の蓋4の手による持ち上げが便利なように把手4Bが装着さ れている。
【0018】 つぎに、この容器1の中に例えば味噌汁などの液体Wを入れてガスコンロ(図 示せず)などの火力により加熱することにより、その液体Wが沸騰状態となった 場合においては、液体Wより発生した蒸気は破線矢印Yで示すように上昇し、そ の蒸気圧により第2の蓋4を押し上げて外部に噴出する。そこで、調理者は第2 の蓋4または第1の蓋3を取りはずして、容器1の中を見ることなく、液体Wが 沸騰状態にあることを知ることができる。
【0019】 そして、このような容器1の中にある液体Wが沸騰状態になった後で、ガスコ ンロの火力が強力である場合においても、その液体Wから発生した蒸気は第1の 蓋3の開口3Dより第2の蓋4を押し上げて噴出するのみである。
【0020】 そこで、液体Wが泡状態となって容器1の開口1Aの面以上に上昇しても、容 器1の蓋受部1Dと第1の蓋体3の当接部3Bとの間から外部に流出することな く、いわゆる従来のような煮こぼれは発生しない。勿論、第2の蓋4を予め取り はずして使用してもよい。
【0021】 図2及び図3は、本考案第2実施例を示すもので、図2に示す容器1と、蓋体 2’の第2の蓋4は、前記図1の実施例と同一のものであるが、第1の蓋3’の 筒状部3’Aの中間部に図2に示す容器1より小径の図3に示す容器1’の蓋受 部1’Dに当接される小径当接部3’Eが形成されている。
【0022】 そこで、この蓋体2’は図2に示すように大径の容器1に用いることができる と共に、図3に示すように小径の容器1’に用いることができる。そして両者共 に図1の第1実施例と同様に、煮こぼれを防止できる。
【0023】 図4は本考案第3実施例を示すもので、蓋体5は第1の蓋6と、第2の蓋7と からなり、その第1の蓋6の筒状部6Aの下方外周には、容器1の開口1Aに遊 合するようにした断面V字状の折り曲げ部6Bが形成されていると共に、この折 り曲げ部6Bより外周方向に延出された容器1の蓋受部1Dに当接された当接部 6Cが形成されている点と、第2の蓋7は第1の蓋6の開口6Dの外周を覆うよ うにした外周折り曲げ部7Aが形成されている点とが、前記第2実施例と異って いるが、容器1の形状と、第1の蓋6の筒状部6Aの中間部に小径の容器1’( 図3参照)の蓋受部1’Dの小径当接部6Eを形成した点、及び第2の蓋7の中 央に把手7Bを装着した点は、前記第2の実施例と同じであると共に、前述の煮 こぼれを防止できることが同じであることは説明されるまでもなく明らかである 。
【0024】 言うまでもなく、本考案は、容器1として既存の容器をそのまま利用して、当 該既存の容器例えば鍋に上記調理用の蓋を乗せるようにしてもよい。
【0025】
【考案の効果】
本考案による調理用の蓋付き容器あるいはそれに使用する調理用の蓋によれば 、容器内の味噌汁等の液体あるいはそばなどをゆでる液体が沸騰状態になった後 で、ガスコンロ等の火力が強力である場合においても、その液体から発生した蒸 気は第1の蓋上部に穿設した開口より第2の蓋を押し上げて噴出するのみである 。そこで、その沸騰により液体が泡状となって容器の開口面以上に上昇すること があっても、容器の蓋受部と第1の蓋の当接部との間から外部に流出することが ない。したがって、従来のような煮こぼれは防止できる。そこで、沸騰した液体 の煮こぼれによって、ガスコンロ等を汚損するという欠点は防止できる。
【0026】 また更に、第1の蓋には帽子状に形成した筒状部の中間に、前記容器の開口よ り小径の容器の開口外周に形成した平板リング状の蓋受部に当接する小径当接部 を形成することにより、この蓋体を大小二つの容器に利用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案第1実施例の断面図である。
【図2】本考案第2実施例の断面図である。
【図3】本考案第2実施例の断面図で、図2の容器より
小径の容器を用いた場合を示す。
【図4】本考案第3実施例の断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1、1’──────容器 1A、1’A─────開口 1B、1’B─────底部 1C、1’C─────筒状部 1D、1’D─────蓋受部 2、2’、5─────蓋体 3、3’、6────第1の蓋 3A、3’A、6A────筒状部 3B、3’B、6B────当接部 3D、3’D、6D────開口 3E、3’E、6E────小径当接部 4、7────第2の蓋 4B、7B────把手

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に開口を有する容器と、前記容器の
    開口を閉鎖するようにした蓋体とよりなる調理用の蓋付
    き容器において、前記容器は上部開口の外周に延出した
    平板リング状の蓋受部を形成し、前記蓋体は、帽子状に
    形成した筒状部の下方外周に前記容器の蓋受部に当接す
    る当接部を形成すると共にその帽子状の上部に前記容器
    の開口より小径の開口を穿設した第1の蓋を有すること
    を特徴とする調理用の蓋付き容器。
  2. 【請求項2】 鍋状の容器の開口を閉鎖するようにした
    蓋体よりなる調理用の蓋において、前記容器の上部開口
    の外周に延出した平板リング状の蓋受部に載置可能に形
    成される前記蓋体は、帽子状に形成した筒状部の下方外
    周に前記容器の蓋受部に当接する当接部を形成すると共
    にその帽子状の上部に開口を穿設した第1の蓋を有する
    ことを特徴とする調理用の蓋。
JP1995006421U 1995-06-27 1995-06-27 調理用の蓋付き容器およびそれに使用する調理用の蓋 Expired - Lifetime JP3019912U (ja)

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