JP3017593U - 二重使用防止用磁気カード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 会員カード等の読取り装置を用いて代金割引
や景品引換の用に供することができ、商品管理等を行う
コンピュータによって互換枚数の計算や互換金額の計算
等を遂行できると共に、回収したカードの再使用を防止
することのできる磁気カードを提供することにある。 【構成】 本考案の磁気カードは金額割引や景品引換用
等の１回限りの使用を目的として顧客に渡される。慣用
の読取り装置に通して磁気カードの磁気層のデータを読
み取らせ、次いで、被覆層の剥取部分を剥ぎ取って隠し
番号を読み取り、キー入力する。キー入力された隠し番
号は磁気層のデータと照合され、その隠し番号に応じた
金額割引や景品引換が行われる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気カードに関し、特に、代金割引用や景品引換用として１回だけ使 用するための二重使用防止用磁気カードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ガソリンスタンドやスーパーマーケット等において、顧客の来店率を向上させ るために、顧客の購入金額に応じて割引券や景品引換券を送付したり、販促用と して割引券や景品引換券を配布する等のプレミアム付き商法が行われている。

【０００３】 このようなプレミアム付き商法は消費者にとって興味を呼び起こされ易く、売 上向上に多大な効果を発揮している。一方、販売する側にとっては、互換枚数の 計算や互換金額の計算等の後処理を通常の作業とは別に手作業によって行わなけ ればならず、余分な手数を要するものであった。それに加え、回収した券が再使 用されることのないよう管理、処理しなければならず、継続的にプレミアム付き 商法を行うことは困難であった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、現在普及されているクレジットカードや会員カード等の読取り装置 を用いて代金割引や景品引換の用に供することができ、商品管理や金銭管理等を 行うコンピュータによって互換枚数の計算や互換金額の計算等の後処理を遂行で きると共に、回収したカードの再使用防止のために１回しか使用できない磁気カ ードを提供し、それにより、プレミアム付き商法を継続的に行うことを可能にし ようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案による二重使用防止用磁気カードは、所定の寸法形状を有する基材層と 、該基材層の一面上に積層される被覆層と、該被覆層の基材層に接面する側に対 向する側の面の所定位置に付着されるテープ状の磁気層とから構成される。前記 基材層の被覆層に接面する側の面の前記磁気層の配設位置に対応する位置には隠 し番号が表示されており、前記被覆層の隠し番号に対応する部分を含む剥取部分 は前記基材層から剥取り可能に設けられている。

【０００６】 本考案による二重使用防止用磁気カードは、前記剥取部分の外周縁が磁気層を 横断するように配設し、前記被覆層に剥取部分の外周縁に沿った型抜き線を形成 し、前記基材層の被覆層に接面する側の面の前記剥取部分に対応する部分に基材 層と被覆層の間の接着性を適当に減じるための透明なコーティングを施し、そし て前記隠し番号を該コーティングによって被覆させることもできる。また、本考 案による二重使用防止用磁気カードは、前記型抜き線が磁気層内に延びることの ないよう形成し、前記コーティングを剥取部分の外周縁が磁気層を横断する部分 に施さないようにも構成できる。更に、本考案による二重使用防止用磁気カード は、前記隠し番号を暗号化して光学的に表示するためのバーコード、ＯＣＲタグ またはその他の適当な光学的表示手段を前記基材層または被覆層の外表面に付し 、前記磁気層に該隠し番号に対応したデータを記録することもできる。

【０００７】 更に、本考案による二重使用防止用磁気カードは、前記基材層および被覆層を はがきと同様な寸法形状に形成することもでき、また、該基材層および被覆層の 長手方向中間部位に短手方向に延びる折曲げ線を形成し、前記磁気層を該折曲げ 線から所定間隔だけ離間した位置に設けることもできる。

【０００８】

【作用】

本考案の磁気カードは、購入金額の割引用や景品の引換用等の１回限り使用を 目的として顧客に渡される。顧客が本磁気カードを持参すると、店員は、クレジ ットカードや会員カード等と同様に、慣用の読取り装置に磁気カードを通すこと によって磁気層に記録されたデータを読み取らせる。次いで、磁気カードの被覆 層の剥取部分を剥ぎ取り、そこに表示された隠し番号をキー入力すると、磁気層 のデータとキー入力された隠し番号とが照合され、その隠し番号に応じた購入金 額の割引や景品の引換が行われる。

【０００９】 隠し番号を見るために剥取部分を剥ぎ取ると、隠し番号が磁気層の配設位置に 対応する位置に表示されているため、磁気層が必ず破断されることになる。その ため、剥ぎ取った剥取部分を元に戻した磁気カードを読取り装置に通しても、磁 気層のデータが破壊されており、読取り不能となって再使用を防止する。

【００１０】 基材層のコーティングは剥取部分の剥取りを容易にすると共に、剥取部分を剥 ぎ取るときに隠し番号の部分が破かれたり、擦過されたりして読み難くなるのを 防止する。型抜き線はコーティングによる接着性の低減化と相俟って剥取部分の 剥取り作業を簡単にし、顧客の待ち時間を最少限に抑える。

【００１１】 磁気層内に型抜き線がなく、剥取部分の外周縁が磁気層を横断する部分にコー ティングがないと、剥取部分を剥ぎ取るとき、磁気層の位置で不定形な破断が行 われ、剥ぎ取った剥取部分を元に戻して再使用するのをより確実に防止する。そ の一方で、剥取部分が不用意に剥ぎ取られて磁気層を破壊したり、隠し番号が露 呈してしまうのを回避する。

【００１２】 磁気層へのデータの記録は、カード形状が形成された後の最終段階で行われる ため、隠し番号は隠された状態となる。そのため、基材層または被覆層の外表面 に付した光学的表示手段によって表示された隠し番号を光学的読取り装置によっ て読み取り、その隠し番号に応じたデータを磁気層に記録させることになる。こ の光学的表示手段が暗号化した隠し番号を表示していることは、それを直接読み 取ることによって隠し番号が解ってしまうのを防止するためである。

【００１３】 基材層および被覆層をはがき大の大きさに形成することによって郵送が可能に なる。基材層および被覆層は折曲げ線に沿って折り曲げられる。この折り曲げら れた基材層および被覆層によって所要のカードの厚さを得る。

【００１４】

【実施例】

本考案の実施例による二重使用防止用磁気カードは、図１および図２に示すよ うに、周知のクレジットカードや会員カード等と同様な寸法形状を有する基材層 １と、基材層１の一面上に積層される被覆層２と、被覆層２の基材層１に接面す る側に対向する側の面の、周知のクレジットカードや会員カード等におけるのと 同様な所定の位置に付着されるテープ状の磁気層３とから構成される。

【００１５】 基材層１の被覆層２に接面する側の面の、磁気層３の配設位置に対応する位置 には隠し番号４が表示されている。被覆層２の隠し番号４に対応する部分を含む 剥取部分５は基材層１から剥ぎ取ることができるように形成されている。

【００１６】 剥取部分５の外周縁は磁気層３を横断するように配設されおり、被覆層２には 剥取部分５の外周縁に沿った型抜き線６が形成されている。基材層１の被覆層２ に接面する側の面の剥取部分５に対応する部分には、図２および図３に示すよう に、透明なコーティング７が施されており、基材層１と被覆層２との間の接着性 を適当に減衰している。隠し番号４はコーティング７によって被覆されて表示さ れるのが好ましい。

【００１７】 型抜き線６は実質的に被覆層２のみを切断する形で設けられるが、磁気層３を 切断することのないように形成される。また、コーティング７は剥取部分５の外 周縁、すなわち型抜き線６の延長線が磁気層３を横断する交差部分８には施され ておらず、剥取部分５を剥ぎ取るとき、図４に例示するように、磁気層３は交差 部分８において不定形に破断される。

【００１８】 基材層１または被覆層２（図示の場合、被覆層２）の外表面には、被覆層２に よって隠されている隠し番号４を光学的に表示するためのバーコード、ＯＣＲタ グまたはその他の適当な光学的表示手段（図示の場合、バーコード９）が、宣伝 用の文字や図柄等の所要の印刷（図示なし）と共に表示される。バーコード９は それを直接読み取ることによって隠し番号が解ってしまうのを防止するために、 暗号化された形で隠し番号を表示する。

【００１９】 基材層１および被覆層２は周知の複合ラベルを作成するのと同様にして作成さ れ、次いで、磁気層３が被覆層２上に付着され、その後、磁気層３には、使用時 にキー入力される隠し番号４との照合を行うために、隠し番号４に対応したデー タがその他の所要のデータと共に記録される。バーコード９は、光学的読取装置 （図示なし）でバーコード９を読み取ることにより被覆層２によって隠されてい る隠し番号４を読み取り、その磁気カードの隠し番号４に対応したデータを磁気 層３に記録させるように使用される。

【００２０】 上述の如く構成された本考案の磁気カードは、購入金額の割引用や景品の引換 用等の１回限り使用を目的として顧客に渡される。顧客が本磁気カードを持参す ると、店員は、クレジットカードや会員カード等と同様に、慣用の読取り装置に 磁気カードを通し、磁気層３に記録されたデータを読み取らせる。次いで、被覆 層２の剥取部分５を剥ぎ取り、そこに表示された隠し番号４をキー入力する。キ ー入力された隠し番号４は磁気層３に記録されたデータと照合され、その磁気カ ードが正当なものであることを確認された後、その隠し番号に応じた購入金額の 割引や景品の引換等が行われる。

【００２１】 被覆層２の剥取部分５を剥ぎ取って隠し番号４を見るとき、隠し番号４を磁気 層３の配設位置に対応する位置に表示しているため、磁気層３は必ず破断される 。そのため、二重使用の目的のために、剥ぎ取った剥取部分５を元の位置に戻し 、その磁気カードを読取り装置に通したとしても、磁気層３が不連続となって読 取り不能となる。一方、剥取部分５の剥離を行うとき、コーティング７によって 剥取部分５の接着力が弱められており、その剥取り作業を容易にする。

【００２２】 磁気層３内に延びる型抜き線６を形成せず、更に、型抜き線６の延長線が磁気 層３を横断する交差部分８にコーティング７を配設させないことにより、剥取部 分５を剥ぎ取るとき、磁気層３は交差部分８において不定形に破断される。その 一方で、剥取部分５が不用意に持ち上げられたり、剥ぎ取られたりして磁気層３ を傷つけたり、隠し番号４が露呈してしまうのを防止する。

【００２３】 上述の説明において本考案の磁気カードは周知のクレジットカードや会員カー ド等の形体を有するように図示および説明されたが、例えば購入額に応じた割引 券や景品引換券等として顧客へ郵送するために、図５に例示するように、基材層 １および被覆層２をはがき大の大きさにも形成できる。

【００２４】 図５に示す本考案のはがき状の磁気カードの厚みが薄い場合や軟質の部材を使 用する場合、慣用の読取り装置に読み取らせるのが困難となる。そのため、図６ に示すように、基材層１および被覆層２の長手方向中間部位に短手方向に延びる 折曲げ線１０を設け、磁気層３を周知のクレジットカードや会員カード等の磁気 層と同様に折曲げ線１０から所定の間隔だけ離間した位置に設けることにより、 本磁気カードを２枚重ねに折り重ねて用いられる。

【００２５】

【考案の効果】

本考案によれば、慣用の読取り装置に磁気カードを通すことによって磁気層３ に記録されたデータを読み取らせ、次いで、磁気カードの被覆層２の剥取部分５ を剥ぎ取り、そこに表示された隠し番号４をキー入力することによって磁気層３ のデータとキー入力された隠し番号４とが照合され、その隠し番号に応じた購入 金額の割引や景品の引換等を行うため、自動的にコンピュータによって互換枚数 の計算や互換金額の計算等の後処理を遂行でき、顧客の購入金額に応じて割引券 や景品引換券を送付したり、販促用として割引券や景品引換券を配布する等のプ レミアム付き商法を継続的に実施できるものである。

【００２６】 また、隠し番号４を見るために剥取部分５を剥ぎ取ると、磁気層３が必ず破断 されるため、剥ぎ取った剥取部分５を元に戻して磁気カードを読取り装置に通し ても、磁気層３のデータが破壊されており、読取り不能となって再使用されるの を防止することができ、不正使用を確実に排除できるものである。

【００２７】 更に、基材層の透明なコーティング７によって剥取部分５の接着性を低減化し て剥取部分５の剥取りを容易にすると共に、剥取部分を剥ぎ取るときに隠し番号 ４の部分が破かれたり、擦過されたりして読み難くなるのを防止でき、また、型 抜き線６を備えていることにより、剥取部分５の剥取り作業を簡単にし、顧客の 待ち時間を最少限に抑えることができるものである。

【００２８】 更に、磁気層３内に型抜き線６を形成しておらず、また、剥取部分５の外周縁 が磁気層３を横断する交差部分８にコーティング７が配設されていないことによ り、剥取部分５を剥ぎ取るときに磁気層３の位置で不定形な破断が確実に行われ るため、剥ぎ取った剥取部分を元に戻して磁気カードを再使用するのをより確実 に防止できると同時に、剥取部分が不用意に開けられたり剥ぎ取られたりして磁 気層３を破壊してしまうのを防止でき、かつ、隠し番号を確実に隠蔽できるもの である。

【００２９】 更にまた、光学的表示手段（バーコード９）によって基材層または被覆層の外 表面に隠し番号４を暗号化して光学的に表示してあることにより、その磁気カー ドの隠し番号に応じたデータを確実に磁気層に記録させることができると共に、 光学的表示手段から隠し番号４が解ってしまうのを防止できるものである。

【００３０】 加えて、折曲げ線１０に沿って折り曲げて使用するため、周知の磁気カードの 厚さの半分程度の厚さで基材層および被覆層を適用でき、基材層および被覆層を 郵送が可能なはがき大の大きさに形成することによって磁気カードの応用範囲を 広げることができるものである。

【００３１】 また、本考案おける磁気カードは、上述の説明から明らかなように、クレジッ トカードや会員カードなどのような周知のカード形体やはがきの形体を有するも のに限定されるものではなく、１回限りの使用を目的とする磁気層を備えたもの であればどのような形状のものにも形成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例による磁気カードを各部に分解
した状態で示す図である。

【図２】図１に示す磁気カードを一体化した状態を示す
図である。

【図３】図２の線III−IIIに沿った拡大断面図である。

【図４】図２に示す磁気カードの剥取部分を剥がした状
態を示す図である。

【図５】本考案の実施例による磁気カードの変形例を示
す図である。

【図６】図５に示す変形例の別の形体を示す図である。

【番号の説明】

１ 基材層 ２ 被覆層 ３ 磁気層 ４ 隠し番号 ５ 剥取部分 ６ 型抜き線 ７ コーティング ８ 交差部分 ９ バーコード（光学的表示手段） １０ 折曲げ線

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の寸法形状を有する基材層と、該基
   材層の一面上に積層される被覆層と、該被覆層の基材層
   に接面する側に対向する側の面の所定位置に付着される
   テープ状の磁気層とから構成され、前記基材層の被覆層
   に接面する側の面の前記磁気層の配設位置に対応する位
   置には隠し番号が表示されており、前記被覆層の隠し番
   号に対応する部分を含む剥取部分は前記基材層から剥取
   り可能に設けられていることを特徴とする二重使用防止
   用磁気カード。
2. 【請求項２】 前記剥取部分の外周縁は磁気層を横断す
   るように配設され、前記被覆層には剥取部分の外周縁に
   沿った型抜き線が形成され、前記基材層の被覆層に接面
   する側の面の前記剥取部分に対応する部分には基材層と
   被覆層の間の接着性を適当に減じるための透明なコーテ
   ィングが施されており、前記隠し番号は該コーティング
   によって被覆されていることを特徴とする請求項１記載
   の磁気カード。
3. 【請求項３】 前記型抜き線は磁気層内に延びることの
   ないよう形成され、前記コーティングは剥取部分の外周
   縁が磁気層を横断する交差部分には施されていないこと
   を特徴とする請求項２記載の磁気カード。
4. 【請求項４】 前記隠し番号を暗号化して光学的に表示
   するためのバーコード、ＯＣＲタグまたはその他の適当
   な光学的表示手段が前記基材層または被覆層の外表面に
   付されており、前記磁気層には該隠し番号に対応したデ
   ータが記録されていることを特徴とする請求項１、２ま
   たは３記載の磁気カード。
5. 【請求項５】 前記基材層および被覆層ははがきと同様
   な寸法形状を有し、かつ、その長手方向中間部位に短手
   方向に延びる折曲げ線を有し、前記磁気層は該折曲げ線
   から所定間隔だけ離間した位置に設けられることを特徴
   とする請求項１、２、３または４記載の磁気カード。