JP3017592B2

JP3017592B2 - 燃料噴射装置

Info

Publication number: JP3017592B2
Application number: JP4050461A
Authority: JP
Inventors: 純二郎牛尾; 武岸田; 孝次穂波; 公一吉田; 亮治西山; 範久福冨; 竹治吉田; 和義山本; 学宮木
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1992-03-09
Filing date: 1992-03-09
Publication date: 2000-03-13
Anticipated expiration: 2015-03-13
Also published as: JPH05248326A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射装置に関し、更
に詳細には例えば自動車用エンジンに燃料を噴射供給す
る燃料噴射装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、燃料噴射弁本体の先端面に形成さ
れた１つの燃料噴射開口からの燃料噴射流を多方向に分
流する方式の燃料噴射装置は、例えば実開平１−６１４
６１号公報に開示されている如く構成されていた。すな
わち、当該公報に開示された燃料噴射装置は図９に示さ
れるように燃料噴射弁本体１の先端部に、該噴射弁本体
１の燃料噴孔２からの燃料を２ホール３を通して噴出さ
せるアダプタ４を取付けて構成されていた。

【０００３】このアダプタ４における２ホール３の上流
側分岐部には集合部５が形成され、この集合部５におい
て２つのホール３の間であって燃料噴射弁本体１の燃料
噴孔２に対面する位置には燃料衝突平面部６か形成され
ている。これにより、燃料噴孔２から噴射された液状で
且つ柱状の燃料の集合部５内において燃料衝突平面部６
に直角に衝突して微粒化される。

【０００４】アダプタ４にはアシストエアを集合部５へ
導入する空気通路７が形成されている。その結果、空気
通路７から集合部５へ導入されたアシストエアは微粒化
された燃料と混合して各ホール３に流れ込み、インテー
クポートに噴出される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来の燃料噴射装置では、インテークポートに連通す
る各ホール３の上流側分岐部に形成された集合部５内に
おいて燃料噴射弁本体１の燃料噴孔２から噴出した柱状
燃料流を対向する燃料衝突平面部に衝突させて微粒化
し、ここで微粒化された燃料を各ホール３に分配してい
るため、各ホール３への燃料の流量比がまったく不安定
である、という問題があった。

【０００６】また、従来の燃料噴射装置では、アシスト
エアを集合部５に導入しているが、アシストエアは空気
通路７から集合部５に出ると空気流速が低下するため集
合部５での充分な混合が行なえず、しかもアシストエア
の導入による燃料の更なる微粒化もあまり期待できな
い、といった問題があった。

【０００７】本発明の目的は、かかる従来の問題点を解
決するためになされたもので、多方向噴射型の燃料噴射
装置において、燃料噴射弁本体の燃料噴射開口から噴出
する燃料を微粒化し、この噴霧燃料流量の各方向への安
定化を図ると共に少量の空気量で効率的な燃料の微粒化
を図ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の燃料噴射装置
は、先端面に１つの燃料噴射開口を有する燃料噴射弁本
体と、該燃料噴射弁本体の先端面に配置され、燃料噴射
開口から出る燃料の噴射方向および流量を制御する複数
のオリフィスホールを形成したプレートと、該プレート
に当接して配置され、複数のオリフィスホールの少なく
とも１つのオリフィスホールに対応する逆テーパー形状
の噴孔を形成したアダプタとを含み、該アダプタの噴孔
にアシストエアを供給して該各噴孔内でオリフィスホー
ルから噴射された燃料とアシストエアを衝突混合させる
ようにしたものである。

【０００９】また、本発明の燃料噴射装置は、先端面に
１つの燃料噴射開口を有する燃料噴射弁本体と、該燃料
噴射弁本体の先端面に配置され、燃料噴射開口から出る
燃料の噴射方向および流量を制御する複数のオリフィス
ホールを形成したプレートと、該プレートに当接して配
置され、複数のオリフィスホールの少なくとも１つのオ
リフィスホールに対応する逆テーパー形状の噴孔を形成
したアダプタとを含み、オリフィスホールから噴射され
た燃料がアダプタの噴孔の内壁面に衝突する向きにオリ
フィスホールを形成しているものである。

【００１０】更に、本発明の燃料噴射装置は、先端面に
１つの燃料噴射開口を有する燃料噴射弁本体と、該燃料
噴射弁本体の先端面に配置され、燃料噴射開口から出る
燃料の噴射方向および流量を制御する複数のオリフィス
ホールを形成したプレートと、該プレートに当接して配
置され、複数のオリフィスホールの少なくとも１つのオ
リフィスホールに連通する逆テーパー形状の噴孔を備え
たアセンブリと、該アセンブリの噴孔にアシストエアを
導入するアシストエア通路とを含み、各噴孔がアシスト
エア通路との連接部より下流側で噴孔内を流れるアシス
トエアに渦流を発生させるべく噴孔の内径を下流方向で
不連続的に拡大する段差部を備えているものである。

【００１１】

【作用】本発明の燃料噴射装置によると、燃料噴射弁本
体から出る燃料は、先端面の燃料噴射開口部でプレート
の各オリフィスに直ちに分流されるため、各オリフィス
ホールごとの噴射燃料流量の安定化が得られる。各オリ
フィスホールによって噴射方向および流量が制御された
燃料は、それぞれオリフィスホールからアダプタあるい
はアセンブリの噴孔へ入り、この噴孔内において微粒化
が図られる。

【００１２】ここで、噴孔にアシストエアを導入し、該
噴孔内でオリフィスホールから噴射する燃料とアシスト
エアとを衝突混合させるようにしているので、アシスト
エアがその流速の大きな低下もなくオリフィスホールか
ら高速で噴射された燃料流に衝突する。そこで、燃料は
アシストエアによる燃料への剪断作用により微粒化され
る。また、燃料がアシストエアにより若干偏向されて噴
孔内面に衝突することにより微粒化される。さらに、噴
孔内面に形成された燃料の薄膜がアシストエアにより剪
断されることにより微粒化される。

【００１３】また、オリフィスホールから噴射された燃
料がアダプタの噴孔の内壁面に衝突する向きに該オリフ
ィスホールを形成しているので、オリフィスホールから
噴射された燃料が噴孔の内壁面に高速で衝突し、微粒化
される。また、噴孔がアシストエア通路との連接部より
下流側で噴孔内を流れるアシストエアに渦流を発生させ
るべく噴孔の内径を下流方向で不連続的に拡大する段差
部を設けているので、アシストエアにより微粒化され、
かつ、混合された霧化混合気が段差部で渦流を発生し、
このエネルギーにより燃料が更に微粒化される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の燃料噴射装置を図に示される
実施例について更に詳細に説明する。図１には本発明の
第１の実施例に係る燃料噴射装置１０が示されている。
この燃料噴射装置１０は、先端面１１ａに１つの燃料噴
射開口１１ｂを形成したバルブシート１１の内部に軸方
向に可動なニードルバルブ１２を設けてなる燃料噴射弁
本体１３を備え、ニードルバルブ１２を上昇によってバ
ルブシート１１先端面の燃料噴射開口１１ｂをバルブシ
ート１１内の燃料供給通路に連通させ、これにより燃料
噴射開口１１ｂから燃料を噴射する。

【００１５】この燃料噴射弁本体１３におけるバルブシ
ート１１先端面１１ａにはプレート１４が取付けられて
いる。このプレート１４には燃料噴射開口１１ｂに対応
する領域内に２つのオリフィスホール１５が形成されて
いる。このオリフィスホール１５は本実施例では２つで
あるが必要に応じて多数形成することができる。これら
のオリフィスホール１５は燃料噴射開口１１ｂの中心軸
線を中心とする円周上に周方向に等間隔で形成されてい
る。

【００１６】このプレート１４の下側には図２および図
３に示されるようなアダプタ１６が該プレート１４に密
着して配置されている。このアダプタ１６の中央部付近
にはプレート１４の各オリフィスホール１５に対応して
第１の噴孔１７ａが形成されている。この第１の噴孔１
７ａはプレート１４に当接する側（入口側）の開口径よ
りも反対側（出口側）の開口径の方が小さい逆テーパー
形状に形成されているが、いずれの側の開口径もプレー
ト１４のオリフィスホール１５の内径よりも大きい。そ
して、このオリフィスホール１５はアダプタ１６の第１
の噴孔１７ａにおける入口側開口部のほぼ中心に位置し
ている。

【００１７】アダプタ１６には図２および図３から明ら
かなようにその上面側（プレート１４への当接側）に端
部から第１の噴孔１７ａに至る溝部１８が形成され、該
溝部１８は第１の噴孔１７ａとその一側部で連通してい
る。この溝部１８は噴孔１７ａからアダプタ１６端部へ
至るに従ってその容積を増すように溝幅および深さを漸
増させている。この溝部１８は、アダプタ１６が図１に
示されるようにプレート１４の下面に密着配置された時
該プレート１４によって上部が閉鎖されてアシストエア
通路となるものである。

【００１８】このような先端面にプレート１４およびア
ダプタ１６を配置した燃料噴射弁本体１３は、キャップ
部１９内に嵌合装着され、該キャップ部１９の底部１９
ａに形成された第２の噴孔１７ｂはアダプタ１６の第１
の噴孔１７ａと連続的に連通する。但し、キャップ部１
９の第２の噴孔２０は軸方向外方へ向ってその内径を漸
増する円錐形状に形成されていることから、アダプタ１
６の第１の噴孔１７ａとキャップ部１９の第２の噴孔１
７ｂとを１つの噴孔１７とみれば、該噴孔１７はアダプ
タ１６とキャップ部１９の底部１９ａとの当接部でその
径が絞られたものとみることができる。

【００１９】キャップ部１９の底部１９ａに位置するア
ダプタ１６の両端にはキャップ部１９の内壁面と燃料噴
射弁本体１３のバルブシート１１外壁とで区画された空
間部２０が形成され、該空間部２０はそれぞれキャップ
部１９の壁部に形成されたアシストエア導入穴２１を介
してアシストエア供給源（図示せず）に連通している。
従って、アシストエア供給源からのアシストエアは、導
入穴２１を介して空間部２０へ入り、この空間部２０か
らアダプタ１６のアシストエア通路１８へ入ってアダプ
タ１６の第１の噴孔１７ａ上流端−側部から該噴孔１７
ａに吹き出る。従って、このアシストエアの吹出口はプ
レート１４のオリフィスホール１５出口部近傍に位置す
ることとなる。

【００２０】このようなアシストエアの第１の噴孔１７
ａへ至る導入路において、キャップ部１９の導入穴２１
の断面積をＡ、アダプタ１６の端部側での断面積（符号
１８ａで示される位置での断面積）をＢ、および第１の
噴孔１７ａへの吹出口近傍（符号１８ｂで示される位
置）での断面積をＣとすると、Ａ＞Ｂ＞Ｃとなるように
設計されている。これにより、第１の噴孔１７ａの吹出
口でアシストエアの最大流速を得ることができる。

【００２１】次に、本実施例の燃料噴射装置１０におけ
る動作について説明する。ニードルバルブ１２が上昇す
ると、バルブシート１１の弁部１１ｃが開き、燃料がバ
ルブシート１１の先端部噴射開口１１ｂへ流れ、該噴射
開口１１ｂでプレート１４の各オリフィスホール１５に
直ちに分流され、燃料の噴射方向および流量が制御され
る。このようにして各オリフィスホール１５に均等に分
流された燃料は、それぞれのオリフィスホール１５から
アダプタ１６の第１の噴孔１７ａへ噴射される。

【００２２】他方、アシストエアはキャップ部１９の導
入穴２１から空間部２０へ入り、アダプタ１６のアシス
トエア通路１８を通ってプレート１４のオリフィスホー
ル１５出口部近傍の第１の噴孔１７ａ一側部にあけられ
た吹出口から吹き出される。その際、前述したように第
１の噴孔１７ａに吹き出すエア流が最大流速になるよう
に設定されており、これにより高速のアシストエアはオ
リフィスホール１５から第１の噴孔１７ａへ噴射された
燃料と激しく衝突混合し、以って燃料を微粒化する。す
なわち、このアシストエアは、アシストエアが直接燃料
に衝突し、アシストエアの剪断力により燃料を微粒化す
る、アシストエアの第１の噴孔１７ａへの吹き出しによ
り燃料流が若干偏向して噴孔１７ａの内壁に衝突し、こ
の衝突によって微粒化する、および燃料が第１の噴孔１
７ａの内壁に付着して薄膜を形成し、この薄膜にアシス
トエアが衝突してこれを剪断し、微粒化するものであ
る。そして、十分に霧化された燃料は同時にアシストエ
アと混合される。この意味では第１の噴孔１７ａは混合
部とみることができる。

【００２３】このように第１の噴孔１７ａでアシストエ
アと混合し、効率的に微粒化された燃料はキャップ部１
９の第２の噴孔１７ｂを通過してインテークポート等に
噴射される。これにより、プレート１４の各オリフィス
ホール１５で精度よく流量および噴射方向を制御された
燃料は、それぞれが通過する第１の噴孔１７ａでアシス
トエアと衝突して微粒化混合されてインテークポートに
噴射されるため、各噴孔１７から噴射される霧化燃料の
流量比を自由に設定でき、且つその設定状態を安定して
保つことができると共に、微粒化効率も向上させること
ができる。

【００２４】次に、図４は本発明の第２の実施例に係る
燃料噴射装置３０を示している。この実施例に係る燃料
噴射装置３０を示す図４において、図１に示される第１
の実施例と同一部分又は相当する部分には同一の参照符
号を付してその説明を省略する。第２の実施例に係る燃
料噴射装置３０では、プレート１４の各オリフィスホー
ル１５から噴射された燃料がアダプタ１６の噴孔１７ａ
における内壁３１に積極的に衝突するように構成されて
いる。

【００２５】すなわち、燃料噴射弁本体１３の先端面に
おける燃料噴射開口１１ｂの中心軸線を挾んで相反する
径方向線上に形成されたプレート１４の２つのオリフィ
スホール１５は前記中心軸線に平行即ち図４でみて垂直
方向に形成されている。他方、アダプタ１６に形成さ
れ、各オリフィスホール１５に対応する噴孔１７ａは第
１の実施例と同様に出口側の径を小さくされて絞られ、
その結果、この噴孔１７ａは逆円錐形状を呈し、その内
壁面は斜め上方に向いた傾斜面とされている。

【００２６】その際、特に２つの噴孔１７ａ間における
アダプタ１６中央部側に位置する傾斜面の内壁３１は、
オリフィスホール１５の中心軸線２２と交差する位置に
ある。なお、噴孔１７ａへのアシストエア吹出口は第１
の実施例と同様に形成されており、従って、このアシス
トエア吹出口はオリフィスホール１５からの燃料が衝突
する噴孔１７ａの傾斜内壁面３１とは対向する側の上流
部に存することとなる。また、この第２の実施例では、
第１の実施例で第２の噴孔１７ｂを形成しているキャッ
プ部１９の底部１９ａは設けられておらず、キャップ部
１９の下部にはアダプタ１６を支持するためのフランジ
部１９ｂが形成されているのみである。従って、アダプ
タ１６の噴孔１７ａは直接インテークポートに開口して
いる。

【００２７】このように構成された第２の実施例におけ
る燃料噴射装置３０によると、プレート１４の各オリフ
ィスホール１５から噴射された燃料はアダプタ１６の噴
孔１７ａにおける衝突部即ち傾斜内壁面３１に衝突し、
これによって微粒化されると共に第１の実施例と同様に
内壁面３１に薄い液膜状の流れを形成する。他方、アシ
ストエア吹出口から吹き出された高速のアシストエアは
第１の実施例と同様に燃料に衝突して微粒化すると共に
対向する傾斜内壁面３１の薄液膜にも最大空気流速の状
態で衝突し、これに対して剪断力を与えて微粒化する。
これらの働きによって燃料の各噴孔１７ａ内における微
粒化効果が高められ、微粒化効率を著しく高めることが
できる。

【００２８】なお、アダプタ１６の噴孔１７ａから噴射
される霧化混合気の噴射方向は図４に示されるように傾
斜内壁面３１の角度θにより決めることができる。ま
た、この第２の実施例ではプレート１４のオリフィスホ
ール１５からの燃料をアダプタ１６の噴孔１７ａにおけ
る衝突部即ち傾斜内壁面３１に衝突させることと該噴孔
１７ａにアシストエアを最大空気流速で吹き込んで衝突
させることによって微粒化を達成させるようにしたもの
であったが、勿論アシストエアを導入せずに、傾斜内壁
面３１との衝突だけによっても所望の微粒化レベルを得
ることができることは言うまでもない。

【００２９】また、前述の第２の実施例における衝突部
である傾斜内壁面３１の形状として、図５ないし図７に
示されるようなものでもよい。図５に示される傾斜内壁
面３１は下流側端部を更に絞り込むように中心部に張り
出して２段テーパー状に形成したものである。図６に示
される傾斜内壁面３１はストレートタイプのもので、上
流端から下流端まで真っすぐな傾斜面で形成されたもの
である。図７に示される傾斜内壁面３１は下流側の端部
が湾曲して噴孔中心部へ張り出して形成されたものであ
る。

【００３０】次に、図８に示される第３の実施例に係る
本発明の燃料噴射装置４０について説明する。この実施
例に示す図８についても図１に示される第１の実施例と
同一又は相当する部分については同一の参照符号を付し
てその説明を省略する。第３の実施例に係る燃料噴射装
置４０では、キャップ部１９の底部１９ａに形成された
第２の噴孔１７ｂの上流側開口径がアダプタ１６の第１
の噴孔１７ａの下流側開口径よりも大きく形成されてい
る。従って、２つの噴孔１７ａ，１７ｂを１つの噴孔１
７としてみた時、その内径が下流方向へ不連続的に拡大
する段差部４１が形成されていることになる。

【００３１】噴孔１７にこのような段差部４１を設ける
ことにより、アシストエアにより微粒化され且つ混合さ
れた霧化混合気は、この段差部４１の下側即ち内径拡大
部４２で渦流を発生し、このエネルギーで燃料は更に微
粒化が促進される。これにより、噴孔１７を通過する燃
料は、アシストエアによる剪断作用での微粒化、アシス
トエアによる燃料流の若干の偏向によって噴孔内壁に衝
突することでの微粒化、および噴孔１７内壁に付着する
薄膜燃料のアシストエアによる微粒化などと相俟って噴
孔１７での渦流による微粒化により燃料は極めて微細な
粒子の霧状となってインテークポートに噴射されること
となる。

【００３２】なお、前述の第３の実施例において、噴孔
１７内での段差部４１は、アダプタ１６とキャップ部１
９の底部１９ａとからなるアセンブリにおけるそれぞれ
の噴孔１７ａ，１７ｂの連接部開口径を変更することで
形成するようにしたが、このアセンブリを一体的に形成
し、これに設けられた噴孔１７に段差部４１を形成して
もよい。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の燃料噴射
装置によれば、先端面に１つの燃料噴射開口を有する燃
料噴射弁本体と、該燃料噴射弁本体の先端面に配置さ
れ、燃料噴射開口から出る燃料の噴射方向および流量を
制御する複数のオリフィスホールを形成したプレート
と、該プレートに当接して配置され、複数のオリフィス
ホールの少なくとも１つのオリフィスホールに対応する
逆テーパー形状の噴孔を形成したアダプタとを含み、該
アダプタの噴孔にアシストエアを供給して該各噴孔内で
オリフィスホールから噴射された燃料とアシストエアを
衝突混合させるようにしている。そこで、燃料噴射弁本
体の先端部における１つの燃料噴射開口から噴射される
燃料が当該先端部に配置したプレートのオリフィスホー
ルによって多方向に分流されるので、各方向への燃料配
分と供にその方向付けをも各オリフィスホールの方向、
大きさを設定することにより自由にでき、しかも、それ
ぞれの方向へ分流された燃料は分流後にアシストエアに
より微粒化されるので、最終的に各噴孔から噴射される
燃料の配分量は精確に所望の状態を保つことができる。

【００３４】また、本発明の燃料噴射装置では、先端面
に１つの燃料噴射開口を有する燃料噴射弁本体と、該燃
料噴射弁本体の先端面に配置され、燃料噴射開口から出
る燃料の噴射方向および流量を制御する複数のオリフィ
スホールを形成したプレートと、該プレートに当接して
配置され、複数のオリフィスホールの少なくとも１つの
オリフィスホールに対応する逆テーパー形状の噴孔を形
成したアダプタとを含み、オリフィスホールから噴射さ
れた燃料がアダプタの噴孔の内壁面に衝突する向きにオ
リフィスホールを形成している。そこで、燃料噴射弁本
体の先端部における１つの燃料噴射開口から噴射される
燃料が当該先端部に配置したプレートのオリフィスホー
ルによって多方向に分流されるので、各方向への燃料配
分と供にその方向付けをも各オリフィスホールの方向、
大きさを設定することにより自由にでき、しかも、それ
ぞれの方向へ分流された燃料は分流後に各噴孔の内壁に
衝突して微粒化されるので、アシストエアを用いない場
合でも十分な燃料の微粒化を得ることができる。更に、
本発明の燃料噴射装置では、先端面に１つの燃料噴射開
口を有する燃料噴射弁本体と、該燃料噴射弁本体の先端
面に配置され、燃料噴射開口から出る燃料の噴射方向お
よび流量を制御する複数のオリフィスホールを形成した
プレートと、該プレートに当接して配置され、複数のオ
リフィスホールの少なくとも１つのオリフィスホールに
連通する逆テーパー形状の噴孔を備えたアセンブリと、
該アセンブリの噴孔にアシストエアを導入するアシスト
エア通路とを含み、各噴孔がアシストエア通路との連接
部より下流側で噴孔内を流れるアシストエアに渦流を発
生させるべく噴孔の内径を下流方向で不連続的に拡大す
る段差部を備えている。そこで、燃料噴射弁本体の先端
部における１つの燃料噴射開口から噴射される燃料が当
該先端部に配置したプレートのオリフィスホールによっ
て多方向に分流されるので、各方向への燃料配分と供に
その方向付けをも各オリフィスホールの方向、大きさを
設定することにより自由にでき、しかも、それぞれの方
向へ分流された燃料は分流後にアシストエアにより微粒
化され、そして段差部によりアシストエアと微粒化され
た燃料との混合気流に渦流が発生されるので、そのエネ
ルギーにより燃料の微粒化が一層促進され、極めて微細
な粒子の霧状とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る燃料噴射装置の主
要部を中心軸線より半部分について示す断面図である。

【図２】図１に示される燃料噴射装置におけるアダプタ
を示す斜視図である。

【図３】図２に示されるアダプタの平面図である。

【図４】本発明の第２の実施例に係る燃料噴射装置の主
要部を図１と同様に示す断面図である。

【図５】図４に示される本発明の第２の実施例に係る燃
料噴射装置におけるアダプタの衝突部である傾斜内壁面
の他の形状を示す部分的な断面図である。

【図６】図５と同様なアダプタの衝突部である傾斜内壁
面の更に他の形状を示す部分的な断面図である。

【図７】図５と同様なアダプタの衝突部である傾斜内壁
面の更に別の形状を示す部分的な断面図である。

【図８】本発明の第３の実施例に係る燃料噴射装置の主
要部を図１と同様に示す断面図である。

【図９】従来の燃料噴射装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１０燃料噴射装置１１バルブシート１１ａ先端面１１ｂ燃料噴射開口１２ニードルバルブ１３燃料噴射弁本体１４プレート１５オリフィスホール１６アダプタ１７噴孔１７ａ第１の噴孔１７ｂ第２の噴孔１８アシストエア通路１９キャップ部３０燃料噴射装置３１第１の噴孔内の衝突部４０燃料噴射装置４１段差部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者穂波孝次神奈川県小田原市高田313番地日本インジェクタ株式会社内 (72)発明者吉田公一神奈川県小田原市高田313番地日本インジェクタ株式会社内 (72)発明者西山亮治兵庫県尼崎市塚口本町８丁目１番１号三菱電機株式会社産業システム研究所内 (72)発明者福冨範久兵庫県姫路市千代田町840番地三菱電機株式会社姫路製作所内 (72)発明者吉田竹治兵庫県姫路市千代田町840番地三菱電機株式会社姫路製作所内 (72)発明者山本和義兵庫県姫路市千代田町840番地三菱電機株式会社姫路製作所内 (72)発明者宮木学兵庫県姫路市定元町６番地三菱電機エンジニアリング株式会社姫路事業所内 (56)参考文献特開平２−5753（ＪＰ，Ａ) 実開平１−61461（ＪＰ，Ｕ) 実開平１−176753（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F02M 69/04 F02M 69/00 F02M 61/18

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】先端面に１つの燃料噴射開口を有する燃
料噴射弁本体と、該燃料噴射弁本体の前記先端面に配置
され、前記燃料噴射開口から出る燃料の噴射方向および
流量を制御する複数のオリフィスホールを形成したプレ
ートと、該プレートに当接して配置され、前記複数のオ
リフィスホールの少なくとも１つのオリフィスホールに
対応する逆テーパー形状の噴孔を形成したアダプタとを
含み、該アダプタの前記噴孔にアシストエアを供給して
該各噴孔内で前記オリフィスホールから噴射された燃料
とアシストエアを衝突混合させることを特徴とする燃料
噴射装置。
【請求項２】先端面に１つの燃料噴射開口を有する燃
料噴射弁本体と、該燃料噴射弁本体の前記先端面に配置
され、前記燃料噴射開口から出る燃料の噴射方向および
流量を制御する複数のオリフィスホールを形成したプレ
ートと、該プレートに当接して配置され、前記複数のオ
リフィスホールの少なくとも１つのオリフィスホールに
対応する逆テーパー形状の噴孔を形成したアダプタとを
含み、前記オリフィスホールから噴射された燃料が前記
アダプタの前記噴孔の内壁面に衝突する向きに該オリフ
ィスホールを形成したことを特徴とする燃料噴射装置。
【請求項３】先端面に１つの燃料噴射開口を有する燃
料噴射弁本体と、該燃料噴射弁本体の前記先端面に配置
され、前記燃料噴射開口から出る燃料の噴射方向および
流量を制御する複数のオリフィスホールを形成したプレ
ートと、該プレートに当接して配置され、前記複数のオ
リフィスホールの少なくとも１つのオリフィスホールに
連通する逆テーパー形状の噴孔を備えたアセンブリと、
該アセンブリの前記噴孔にアシストエアを導入するアシ
ストエア通路とを含み、前記各噴孔が前記アシストエア
通路との連接部より下流側で前記噴孔内を流れるアシス
トエアに渦流を発生させるべく前記噴孔の内径を下流方
向で不連続的に拡大する段差部を備えることを特徴とす
る燃料噴射装置。