JP3017070B2 - 光の屈折率変化が生じる位置を測定する装置 - Google Patents

光の屈折率変化が生じる位置を測定する装置

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JP3017070B2
JP3017070B2 JP8008358A JP835896A JP3017070B2 JP 3017070 B2 JP3017070 B2 JP 3017070B2 JP 8008358 A JP8008358 A JP 8008358A JP 835896 A JP835896 A JP 835896A JP 3017070 B2 JP3017070 B2 JP 3017070B2
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▲寛▼ 下田平
史江 多賀
啓吾 飯塚
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株式会社エイ・ティ・アール光電波通信研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光を用いて互いに
屈折率が異なる物質の境界位置、すなわち光の屈折率変
化が生じる位置を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば光ファイバケーブルの欠陥
位置の測定など、測定対象物の物体においてレーザ光の
屈折率変化が生じる位置を、周波数変調されたレーザ光
を物体に照射して測定する方法として、光周波数領域の
反射光測定(OpticalFrequency Do
main Reflectometry)の方法(以
下、OFDRの方法という。)が提案されている。この
OFDRの方法は、例えば、従来技術文献1である米国
物理学会アプライド・フィジックス・レター(Appl
ied Physics Letter)39巻、69
3−695頁、1981年に記載されている。図2に、
OFDRの方法を用いた第1の従来例の装置を示す。
【0003】図2において、高周波発振器6は、例えば
PLL回路を備えて構成され、所定の初期周波数から所
定の周波数変化量のステップでステップ状に変化するよ
うに周波数変調される高周波信号を発生してレーザ発振
器1に出力するとともに、上記高周波信号の周波数のデ
ータを演算回路8に出力する。レーザ発振器1はレーザ
ダイオードを備え、所定の逆バイアスの直流電圧に高周
波発振器6から入力される高周波信号が重畳された逆バ
イアス電圧がレーザダイオードに印加され、これによっ
て、レーザ発振器1は、当該高周波信号に従って初期周
波数f0から周波数変化量Δfのステップでステップ状
に変化するように周波数変調され次の数1によって表さ
れる周波数fnを有しかつ所定のレベルを有するレーザ
光を部分反射鏡2に出力する。
【0004】
【数1】 fn=f0+nΔf,(n=0,1,…,N−1)
【0005】部分反射鏡2は、入射するレーザ光を通過
させ集光レンズ3を介して測定対象物の物体4に照射光
として照射するとともに、入射するレーザ光の一部を分
岐し、分岐したレーザ光を反射鏡5に出力する。物体4
に照射されたレーザ光は、当該物体4においてレーザ光
の屈折率変化が生じる各位置で反射及び散乱し、それら
の反射光と散乱光が再び集光レンズ3と部分反射鏡2と
を介して、信号光として受光素子7に入射する。反射鏡
5に入射したレーザ光は、反射鏡5によって入射方向と
逆の方向で反射した後、再び部分反射鏡2を介して、参
照光として受光素子7に入射する。
【0006】受光素子7は、例えばフォトダイオードを
備え、非線形の入出力特性を有し、入射する参照光と信
号光とを混合して直流成分の信号(以下、直流信号とい
う。)に変換して演算回路8に出力する。これに応答し
て、演算回路8は、A/D変換回路を備え、入力された
直流信号を直流信号のデータH’(fn)にA/D変換
するとともに、予め測定された高周波信号の周波数とレ
ーザ光の周波数との関係のデータに基づいて、上記高周
波発振器6から入力される高周波信号の周波数のデータ
をレーザ発振器1から出力されるレーザ光の周波数のデ
ータfnに変換する。次いで、演算回路8は、直流信号
のデータH’(fn)と上記変換されたレーザ光の周波
数のデータfnに基づいて、次のように演算を行う。
【0007】いま、上記測定対象物の物体4内でレーザ
光の光路の1本の検出ラインL上において測定する各位
置を示す、例えば集光レンズ3からの距離Xkを、基準
距離X0と離散間隔ΔXとを用いて次の数2によって表
す。
【0008】
【数2】 Xk=X0+kΔX,(k=0,1,…,N−1)
【0009】このとき、上記複数の周波数fnに対する
受光素子7に入射する信号光のデータH(fn)は次の
数3によって表すことができる。
【0010】
【数3】
【0011】ここで、vはレーザ光の光速であり、ま
た、skは距離Xkの位置において発生する反射光及び散
乱光の強度であり、h(sk)は強度skに比例する係数
(以下、強度係数という。)である。
【0012】次いで、数3に数1と数2とを入力するこ
とによって、受光素子7によって変換して得られる直流
信号のデータH’(fn)は参照光と信号光との位相差
の情報を含み、次の数4で表すことができる。
【0013】
【数4】 N−1 H'(fn)= Σ h'(sk)exp(j4π(nk/v)ΔfΔX) k=0 ここで、 H’(fn)=H(fn)exp(―j4π(fn/v)X0) h’(sk)=h(sk)exp(j4π(f0/v)kΔX)
【0014】ここで、h’(sk)は、h(sk)と同様
に距離Xkの位置で発生する反射光と散乱光の強度sk
比例する強度係数である。
【0015】一方、公知のサンプリング定理から次の数
5が成立する。
【0016】
【数5】2NΔfΔX/v=1
【0017】さらに、数4に数5を代入することによっ
て、次の数6を得ることができる。
【0018】
【数6】
【0019】上記数6は、離散逆フーリエ変換の形式を
しており、数6で表される直流信号のデータH’
(fn)を離散フーリエ変換することによって、次の数
7によって表される強度係数h’(sk)を得ることが
できる。
【0020】
【数7】
【0021】すなわち、演算回路8は、上記変換された
レーザ光の周波数のデータfnに基づいて、直流信号の
データH’(fn)に対して離散フリーエ変換の処理を
行って、数7で表される強度係数h’(sk)を演算し
た後、演算された各距離Xkの位置に対する強度係数
h’(sk)のデータをディスプレイ9に出力して表示
する。この表示されたデータにおいて、強度係数h’
(sk)がピークとなる位置が、レーザ光の光路上の検
出ラインにおいてレーザ光の屈折率変化が生じる位置で
あり、これらの情報から異なる物質の境界面の位置を特
定することができ、測定対象物の物体4の厚さ、幅など
の寸法を測定して当該物体4の内部構造を測定すること
ができる。
【0022】この第1の従来例のOFDRの方法で分解
できる分解能の距離ΔXは、上記数2から次の数8で表
すことができる。
【0023】
【数8】ΔX=v/(2NΔf)
【0024】上記数8は、レーザ光の周波数変化幅NΔ
fが大きくなれば分解能が高くなることを示している。
【0025】しかしながら、上述の第1の従来例の装置
において、一般に、レーザ発振器1で発振するレーザ光
を、周波数変調された高周波信号を用いて周波数変調を
行ったときに得られる周波数変化幅は高々100GHz
であり、物質の屈折率を1とした場合、分解能は1.5
mm以下であり、分解能が比較的低いという問題点があ
った。
【0026】また、反射光や散乱光が発生する位置は、
例えば参照光と、反射光と散乱光とを含む信号光との位
相差から当該信号光の光路長を0とした距離として求め
ることができるが、第1の従来例の方法を用いた装置に
おいては、参照光と上記信号光との周波数が同一である
ため、位相の遅れと進みの判断をすることができないた
め、上記信号光の距離差でしか求めることができないと
いう問題点があった。
【0027】以上の第1の従来例における問題点を解決
するために、本出願人は、特公平7−035963号公
報において、改善された光の屈折率変化が生じる位置を
測定する装置(以下、第2の従来例という。)を提案し
た。この第2の従来例の装置は、互いに異なる複数の周
波数を有する光を発生する光発生手段と、上記光発生手
段によって発生された光の複数の周波数を測定する測定
手段と、上記光発生手段によって発生された光の各周波
数よりも低い所定の局部発振周波数を有する局部発振信
号を発生する信号発生手段と、上記光発生手段によって
発生された光を2分配し、上記2分配した一方の光の周
波数を上記信号発生手段によって発生された局部発振信
号を用いて上記局部発振信号の局部発振周波数だけシフ
トして、互いに上記局部発振周波数の周波数差を有する
2つの光を発生し、上記発生した2つの光のうち一方の
光を上記物体に照射する周波数シフト手段と、上記周波
数シフト手段から出力される一方の光が上記物体に照射
されたときに上記物体から反射してくる反射光と散乱光
とを含む信号光と、上記周波数シフト手段から出力され
る他方の光とを混合してヘテロダイン検波して検波信号
を出力する検波手段と、上記検波信号と上記局部発振信
号との位相差を検出する位相検出手段と、上記位相検出
手段によって検出された上記複数の周波数の光に対する
各位相差と、上記測定手段によって測定された複数の周
波数とに基づいて上記照射した光の光路上で上記物体に
おいて屈折率変化が生じる位置を演算する演算手段とを
備えたことを特徴としている。この第2の従来例は、本
発明に係る第1の実施形態の図1と同様の構成を有する
が、演算手段に対応する演算回路18の構成及び動作が
異なる。
【0028】ここで、演算手段は、上記特公平7−03
5963号公報においては、具体的には、A/D変換回
路を備えた演算回路であって、入力された位相差信号を
位相差信号の信号データにA/D変換し、ここで、位相
差信号の信号データは、第1の従来例における直流信号
のデータH’(fn)に対応し、以下、信号データH’
(fn)という。次いで、演算手段は、第1の従来例と
同様に、測定された複数の周波数のデータfnに基づい
て、位相差信号の信号データH’(fn)に対して離散
フリーエ変換の処理を行って、数7で表される強度係数
h’(sk)を演算した後、演算された距離Xkの各位置
に対する強度係数h’(sk)のデータを例えば、ディ
スプレイに出力して表示する。この表示されたデータに
おいて、強度係数h’(sk)がピークとなる位置が、
レーザ光の光路上の検出ラインにおいてレーザ光の屈折
率変化が生じる位置であり、これらの情報から異なる物
質の境界面の位置を特定することができ、測定対象物の
物体の厚さ、幅などの寸法を測定して当該物体の内部構
造を測定することができる。
【0029】しかしながら、第2の従来例においては、
離散フーリエ変換法を用いているために、分解能の距離
ΔXがレーザ光の周波数変化幅NΔfにより決定され
る。数8に示したこの分解能を克服するための演算法と
してMUSIC(Multiple Signal C
lassification)法(例えば、従来技術文
献2「R.O.Schmidt,“Multiple
emitter location and sign
al parameter estimation”,
Proceedings of RADC Spect
ral Estimation Workshop,p
p.243−258,1979年」参照。)があるが、
MUSIC法があるが、MUSIC法では処理過程にお
いて大きな次元を有する行列の固有値、固有ベクトルの
計算を含むため、処理時間が比較的長くなるという問題
点があった。この問題点を解決するために、本発明者
は、第3の従来例であるKernel MUSIC(M
ultiple SignalClassificat
ion)法(以下、カーネルMUSIC法という。)を
考案した。この方法については、例えば、従来技術文献
3「H.Shimotahira et al.,“O
n the kernel MUSIC algori
thm”,Proceedings of ICASS
P,Vol.2,pp.909−912,1995年5
月」において開示されている。この第3の従来例の処理
の流れについて以下に概説する。
【0030】各周波数fnに対応する信号データH’
(fn),n=0,1,…,N−1から、信号データ
H’(fn)の最初のデータから複数L個ずつとりかつ
1個ずつずらしてなる各列ベクトルである前進サブアレ
イ列ベクトルf0,…,fK-1と、信号データH’
(fn)の最後のデータから複数L個ずつとりかつ1個
ずつずらしてなる各列ベクトルである後退サブアレイ列
ベクトルb0,…,bK-1とを次の数9及び数10に示す
ように作成する。
【0031】
【数9】 f0=[H(f0),H(f1),…,H(fL-1)]t1=[H(f1),H(f2),…,H(fL)]t ……… fK-1=[H(fK-1),H(fK),…,H
(fK+L-2)]t
【数10】b0=[H*(fN-1),H*(fN-2),
…,H*(fN-L)]t1=[H*(fN-2),H*(fN-3),…,H*(f
N-L-1)]t ……… bK-1=[H*(fN-K),H*(fN-K-1),…,H*
(fN-K-L+1)]t
【0032】ここで、K+L−2≦N−1であり、N−
K−L+1≧0である。また、記号tは転置行列を表
し、記号*は複素共役であることを表す。次いで、
0,…,fK-1,b0,…,bK-1を用いて平均化共分散
行列Rを演算する。
【0033】
【数11】
【0034】ここで、記号†は共役転置行列を表し、例
えば前進サブアレイ列ベクトルf0の共役転置行列f0
次式で表される。
【0035】
【数12】f0=H*[(f0),H*(f1),…,H
*(fL-1)]
【0036】また、共分散行列を構成する、例えばf0
・f0†の具体的な形式は次式で表される。
【0037】
【数13】
【0038】各周波数fnに対応する信号データH’
(fn)から、共分散行列Rを演算するまでの処理を、
「平均化処理」と呼ぶ。平均化処理は固有値、固有ベク
トルの計算を含む従来のMUSIC法でも用いられる。
そして、平均化処理で得られた共分散行列Rから、距離
xにおける反射光及び散乱光の強度s(X)を求める処
理を「Kernel MUSIC処理」(以下、カーネ
ルMUSIC処理という。)と呼ぶ。第2の従来例で
は、離散的な距離Xkにおける反射光及び散乱光の強度
kを求めていたが、Kernel MUSIC法で
は、連続的な距離Xにおける反射光及び散乱光の強度s
(X)を演算する。
【0039】この第3の従来例においては、上記従来技
術文献3において、処理過程から固有値計算を不要と
し、その結果、固有値、固有ベクトルの計算を含む従来
のMUSIC法と比較して処理時間を1/5ないし1/
10に短縮することを可能にし、また、分離識別可能な
隣接する2つの反射点間の距離の分解能は、第2の従来
例に比較して約2倍の分解能を持つことを実験データに
基づいて明らかにした。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第3の
従来例においては、処理計算において誤差が累積しやす
いため、位置検出に誤りが生じる場合がある。また、サ
ブアレイ列ベクトルの次元Lを処理データサイズとした
場合、処理時間は当該処理データサイズに対して従来の
MUSIC法よりも急速に増大するため、大規模なデー
タに対しては、従来のMUSIC法に比較した処理時間
の優位性が失われるという問題点があった。
【0041】本発明の第1の目的は以上の問題点を解決
し、従来例に比較してより高い分解能で、測定対象物の
物体において光の屈折率変化が生じる位置を測定するこ
とができる装置を提供することにある。本発明の第2の
目的は以上の問題点を解決し、従来例に比較してより高
い分解能でかつ大規模なデータに対しても演算処理時間
を短縮して、測定対象物の物体において光の屈折率変化
が生じる位置を測定することができる装置を提供するこ
とにある。
【0042】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の光の屈折率変化が生じる位置を測定する装置は、互
いに異なる複数の周波数を有する光を発生する光発生手
段と、上記光発生手段によって発生された光の複数の周
波数を測定する測定手段と、上記光発生手段によって発
生された光の各周波数よりも低い所定の局部発振周波数
を有する局部発振信号を発生する信号発生手段と、上記
光発生手段によって発生された光を2分配し、上記2分
配した一方の光の周波数を上記信号発生手段によって発
生された局部発振信号を用いて上記局部発振信号の局部
発振周波数だけシフトして、互いに上記局部発振周波数
の周波数差を有する2つの光を発生し、上記発生した2
つの光のうち一方の光を上記物体に照射する周波数シフ
ト手段と、上記周波数シフト手段から出力される一方の
光が上記物体に照射されたときに上記物体から反射して
くる反射光と散乱光とを含む信号光と、上記周波数シフ
ト手段から出力される他方の光とを混合してヘテロダイ
ン検波して検波信号を出力する検波手段と、上記検波信
号と上記局部発振信号との位相差を検出する位相検出手
段と、上記位相検出手段によって検出された上記複数の
周波数の光に対する各位相差と、上記測定手段によって
測定された複数の周波数とに基づいて上記照射した光の
光路上で上記物体において屈折率変化が生じる位置を演
算する演算手段とを備え、上記演算手段は、上記位相検
出手段によって検出された上記複数の周波数の光に対す
る各位相差である複数の位相差に基づいて、上記複数の
周波数に通し番号を付したときに当該通し番号の順序で
当該通し番号の端の番号から複数L個の位相差の要素を
選択することにより第1の列ベクトルを作成し、次い
で、上記端の番号から1個ずらして当該通し番号の順序
で複数L個の位相差の要素を選択することにより第2の
列ベクトルを作成し、以下同様にして当該通し番号を1
個ずつずらしてそれぞれ当該通し番号の順序で複数L個
の位相差の要素を選択することにより第3乃至第Kの列
ベクトルを作成し、これにより、上記第1乃至第Kの列
ベクトルである複数K個のサブアレイ列ベクトルを作成
し、当該サブアレイ列ベクトルから、互いに直交する複
数D個の直交成分ベクトルを抽出し、ここで、複数D個
は、上記物体において屈折率変化が生じる位置の数であ
ると推定し、上記抽出された複数D個の直交成分ベクト
ルに基づいてL×Lの平均化共分散行列Rを演算した
後、(L−D)個のベクトルをxとしたときの連立1次
方程式Rx=0を解いて、その(L−D)個の解ベクト
ルxを直交化して互いに直交しかつ規格化された(L−
D)個の直交ベクトルを演算し、上記照射した光の光路
上で上記物体において屈折率変化が生じる位置を示す相
対距離Xにある反射率1の反射点に上記各周波数の光を
照射したときに得られる信号ベクトルと、上記演算され
た直交ベクトルとを用いて表された関数であって、当該
信号ベクトルと直交ベクトルとの間の直交性を示し、当
該信号ベクトルに含まれる相対距離Xにある位置と、上
記物体において屈折率変化が生じる位置とが一致すると
きに極大値を有し、反射光と散乱光の強度を示す所定の
関数を用いて、当該関数が極大値となる相対距離Xを上
記屈折率変化が生じる位置として検出することを特徴と
する。
【0043】また、本発明に係る請求項2記載の光の屈
折率変化が生じる位置を測定する装置は、互いに異なる
複数の周波数を有する光を発生する光発生手段と、上記
光発生手段によって発生された光の複数の周波数を測定
する測定手段と、上記光発生手段によって発生された光
の各周波数よりも低い所定の局部発振周波数を有する局
部発振信号を発生する信号発生手段と、上記光発生手段
によって発生された光を2分配し、上記2分配した一方
の光の周波数を上記信号発生手段によって発生された局
部発振信号を用いて上記局部発振信号の局部発振周波数
だけシフトして、互いに上記局部発振周波数の周波数差
を有する2つの光を発生し、上記発生した2つの光のう
ち一方の光を上記物体に照射する周波数シフト手段と、
上記周波数シフト手段から出力される一方の光が上記物
体に照射されたときに上記物体から反射してくる反射光
と散乱光とを含む信号光と、上記周波数シフト手段から
出力される他方の光とを混合してヘテロダイン検波して
検波信号を出力する検波手段と、上記検波信号と上記局
部発振信号との位相差を検出する位相検出手段と、上記
位相検出手段によって検出された上記複数の周波数の光
に対する各位相差と、上記測定手段によって測定された
複数の周波数とに基づいて上記照射した光の光路上で上
記物体において屈折率変化が生じる位置を演算する演算
手段とを備え、上記演算手段は、上記位相検出手段によ
って検出された上記複数の周波数の光に対する各位相差
である複数の位相差に基づいて、上記複数の周波数に通
し番号を付したときに当該通し番号の順序で当該通し番
号の端の番号から複数L個の位相差の要素を選択するこ
とにより第1の列ベクトルを作成し、次いで、上記端の
番号から1個ずらして当該通し番号の順序で複数L個の
位相差の要素を選択することにより第2の列ベクトルを
作成し、以下同様にして当該通し番号を1個ずつずらし
てそれぞれ当該通し番号の順序で複数L個の位相差の要
素を選択することにより第3乃至第Kの列ベクトルを作
成し、これにより、上記第1乃至第Kの列ベクトルであ
る複数K個のサブアレイ列ベクトルを作成し、当該サブ
アレイ列ベクトルから、互いに直交する複数D個の直交
成分ベクトルを抽出し、ここで、複数D個は、上記物体
において屈折率変化が生じる位置の数であると推定し、
Q個のノルム1の単位ベクトル(ここで、Q≦L−Dで
ある。)から上記複数D個の直交成分ベクトルの方向の
成分を除去したQ個の演算ベクトルを演算し、上記演算
されたQ個の演算ベクトルを直交化して互いに直交しか
つ規格化されたQ個の直交ベクトルのうち規格化する前
の直交ベクトルのノルムが最小である1つの直交ベクト
ルを演算し、上記照射した光の光路上で上記物体におい
て屈折率変化が生じる位置を示す相対距離Xにある反射
率1の反射点に上記各周波数の光を照射したときに得ら
れる信号ベクトルと、上記演算された直交ベクトルとを
用いて表された関数であって、当該信号ベクトルと直交
ベクトルとの間の直交性を示し、当該信号ベクトルに含
まれる相対距離Xにある位置と、上記物体において屈折
率変化が生じる位置とが一致するときに極大値を有し、
反射光と散乱光の強度を示す所定の関数を用いて、当該
関数が極大値となる相対距離Xを上記屈折率変化が生じ
る位置として検出することを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施形態について説明する。 <第1の実施形態>図1に、本発明に係る一実施形態で
ある、レーザ光を用いて物体においてレーザ光の屈折率
変化が生じる位置を測定する装置を示す。なお、図1に
おいて図2と同様のものについては同一の符号を付して
いる。
【0045】この第1の実施形態の装置は、互いに異な
る複数のレーザ光を選択的に切り換えて発生し、発生さ
れたレーザ光の周波数を測定し、音響光学変調器(以
下、AOMという。)14によって上記発生されたレー
ザ光の一部を取り出して測定対象物の物体4に照射する
とともに、高周波発振器15によって発生される局部発
振信号の局部発振周波数fdだけ上記発生されたレーザ
光の周波数をシフトし、周波数がシフトされたレーザ光
である参照光と、上記物体4において反射及び散乱して
生じる反射光と散乱光とを含む信号光とを受光素子7に
よって混合してヘテロダイン検波し、そのヘテロダイン
検波信号と上記局部発振信号との位相差を検出し、検出
された位相差と、上記測定されたレーザ光の複数の周波
数とに基づいて改善されたカーネルMUSIC法によ
り、上記照射したレーザ光の光路上において屈折率変化
が生じる位置を測定することを特徴としている。
【0046】図1において、レーザ発振器1は、それぞ
れレーザダイオードを備え発振周波数が互いに異なる複
数のレーザ発振器を備え、当該複数のレーザ発振器を選
択的に切り換えて、互いに異なる周波数fnを有する複
数のレーザ光を発生してビームスプリッタ12に出力す
る。ビームスプリッタ12は、入射するレーザ光を通過
させてAOM14に出力するとともに、上記レーザ光の
一部を分岐して光周波数計13に出力する。光周波数計
13は、入射したレーザ光の周波数を測定し、測定した
周波数のデータfnを演算回路18に出力する。
【0047】高周波発生器15は、例えば40MHz乃
至100MHzなどの所定の局部発振周波数fdを有し
かつ所定のレベルを有する局部発振信号を発生してAO
M14及び位相検出器17に出力する。AOM14は、
ビームスプリッタ12から入射するレーザ光をそのまま
0次光の照射光として部分反射鏡2と集光レンズ3とを
介して測定対象物の物体4に照射するとともに、入射す
るレーザ光の周波数を、高周波発生器15から入力され
る局部発振信号を用いて上記局部発振周波数fdだけシ
フトし、シフトした周波数を有するレーザ光を1次光の
参照光として反射鏡16及び部分反射鏡2とを介して受
光素子7に出力する。
【0048】測定対象物の物体4は、例えば、図3の断
面図に示すように、互いに対向する、平面であるおもて
表面20aと粗面である裏面20bとを有するGaAs
半絶縁性半導体基板20のおもて表面20a上に、厚さ
16μm程度のレジスト薄膜21が例えば分子線エピタ
キシャル成長法により形成される。この物体4のおもて
表面に対して垂直な方向で物体4に向かって0次光が放
射される。この物体4において、光の屈折率変化の生じ
る位置は反射点R1とR2とである。この物体4を詳細
後述するシミュレーションの実施例において用いる。
【0049】図1に戻って説明すると、上記物体4に照
射されたレーザ光は、当該物体4においてレーザ光の屈
折率変化が生じる各位置で反射及び散乱し、それらの反
射光と散乱光が再び集光レンズ3と部分反射鏡2とを介
して、信号光として受光素子7に入射する。
【0050】受光素子7は、例えばアバラシェ・フォト
ダイオードを備え、非線形の入出力特性を有し、入射す
る参照光と信号光とを混合してヘテロダイン検波して、
局部発振周波数fdと同一の周波数を有しかつ上記信号
光と上記参照光との間の位相差を示す検波信号(以下、
ヘテロダイン検波信号という。)を位相検出器17に出
力する。位相検出器17は、上記ヘテロダイン検波信号
と高周波発振器15から入力される局部発振信号との位
相差を検出し、検出した位相差を示す信号(以下、位相
差信号という。)を演算回路18に出力する。
【0051】図9に、演算回路18の構成を示すブロッ
ク図を示す。演算回路18は、信号の入出力、データの
メモリ32,33への書き込み及び読み出し、演算など
の処理を実行するCPU30と、処理プログラムを格納
するROM31と、処理プログラムを実行するために必
要なデータを格納するためのワークエリアであるRAM
32と、各種データを一時的に格納するRAMにてなる
メモリ33と、位相差検出器18からの位相差信号H
(fn)を位相差信号の信号データH’(fn)にA/D
変換するA/D変換回路34と、インタフェース回路3
5,35,37とを備え、A/D変換回路34を除く各
回路がバス50を介して互いに接続される。ここで、メ
モリ33は、信号データメモリ40と、サブアレイ列ベ
クトルメモリ41と、直交成分ベクトルメモリ42と、
共分散行列メモリ43と、解ベクトルメモリ44と、直
交ベクトルメモリ45と、信号ベクトルメモリ46とを
備える。
【0052】ここで、位相差信号のデータは、従来例に
おける直流信号のデータH’(fn)に対応し、以下、
信号データH’(fn)という。A/D変換回路34
は、位相差検出器18からの位相差信号H(fn)を位
相差信号の信号データH’(fn)にA/D変換して、
インターフェース回路35を介してメモリ33の信号デ
ータメモリ40に書き込んで記憶する。一方、光周波数
計13によって測定されたレーザ光の周波数のデータf
nはインターフェース回路36を介して信号データメモ
リ40に書き込まれて記憶される。信号データメモリ4
0においては、複数の周波数fnのデータと、各周波数
nに対応する信号データH’(fn)とを格納する。次
いで、演算回路18は、従来例と同様に、光周波数計1
3によって測定されたレーザ光の周波数のデータfn
基づいて、位相差信号のデータH’(fn)に対して、
詳細後述する改善されたカーネルMUSIC法により例
えば離散的に掃引されて連続する複数の距離X(μm)
に対応する反射光及び散乱光の強度s(X)を演算した
後、演算された距離Xの各位置に対する強度s(X)の
データを、ディスプレイインターフェース37を介して
ディスプレイ9に出力して表示する。この表示されたデ
ータにおいて、反射光と散乱光の強度s(X)がピーク
となる位置が、レーザ光の光路上の検出ラインにおいて
レーザ光の屈折率変化が生じる位置であり、これらの情
報から異なる物質の境界面の位置を特定することがで
き、測定対象物の物体4の厚さ、幅などの寸法を測定し
て当該物体4の内部構造を測定することができる。
【0053】図4に、第1の実施形態の反射光と散乱光
の強度演算処理のフローチャートを示す。第3の従来例
における平均化処理においては、共分散行列Rの構成に
用いられたサブアレイ列ベクトルは、必ずしもお互いに
直交していない。ここで、2つのベクトルa,bが直交
することは、内積a・b=0となることを意味する。お
互いに直交していないベクトルを用いてRを構成すると
数値計算誤差が累積しやすく、その結果、上述のよう
に、推定誤りを生じるといった問題点があった。これに
対して、第1の実施形態の強度演算処理は、信号データ
H’(fn)から複数K個のサブアレイ列ベクトルs0
1,…,sK-1を作成し、当該サブアレイ列ベクトルs
0,s1,…,sK-1から互いに直交する複数D個の直交
成分ベクトルu0,u1,…,uD-1を抽出して直交成分
ベクトルメモリ42に記憶した後、当該複数D個の直交
成分ベクトルu0,u1,…,uD-1に基づいてL×Lの
平均化共分散行列Rを演算した後、第3の従来例と同様
に、カーネルMUSIC処理を実行することを特徴とす
る。ここで、Q=L−D、すなわち、Qは、サブアレイ
列ベクトルの次元Lから、検出推定される反射点の数D
を減算した自然数であり、以下同様である。
【0054】図4において、ステップS1において、複
数N個の信号データH’(fn),n=0,1,…,N
−1から、信号データを複数L個ずつとりかつ1個ずつ
ずらしてなる各列ベクトルである複数K個(K≦N)の
サブアレイ列ベクトルs0,s1,…,sK-1を作成し
て、サブアレイ列ベクトルメモリ41に記憶する。ここ
で、サブアレイ列ベクトルs0,s1,…,sK-1は第3
の従来例における前進サブアレイ列ベクトル又は/及び
後進サブアレイ列ベクトルであってもよい。
【0055】次いで、ステップS2において、複数K個
のサブアレイ列ベクトルs0,s1,…,sK-1をサブア
レイ列ベクトルメモリ41から読み出し、以下の手順
で、互いに直交し規格化された直交成分ベクトルu0
1,…,uD-1を抽出して直交成分ベクトルメモリ42
に記憶する。 (1)サブアレイ列ベクトルs0,s1,…,sK-1から
最も大きなノルムを持つ列ベクトルsiを選び、それを
列ベクトルs0と交換する。すなわち、最大のノルムを
有する列ベクトルsiをs0とし、元の列ベクトルs0
iとする。ここで、一般に、ベクトルg=(g,g
,…,gL-1)のノルム‖g‖は次式で定義されて、
当該ベクトルgの長さを表わす。
【0056】
【数14】
【0057】そして、最大のノルムを有する列ベクトル
0を次式を用いて、ノルム1に規格化された第1の直
交成分ベクトルu0を演算して直交成分ベクトルメモリ
42に記憶する。
【0058】
【数15】u0=s0/‖s0
【0059】(2)次いで、最大のノルムを有する列ベ
クトルs0以外の列ベクトルs1,s2,…,sK-1から第
1の直交成分ベクトルu0方向の成分を除去する。すな
わち、次式を用いて列ベクトルsk’を演算する。
【0060】
【数16】sk’=sk−(sk・u0)・u0,k=1,
2,…,K−1
【0061】そして、演算された列ベクトルs1’,
2’…,sK-1’の中から最大ノルムを持つ列ベクトル
i’を選び、それを列ベクトルs1’と交換する。すな
わち、最大のノルムを有する列ベクトルsi’をs1’と
し、元の列ベクトルs1’をsi’とする。そして、最大
のノルムを有する列ベクトルs1’を次式を用いて、ノ
ルム1に規格化された第2の直交成分ベクトルu1を演
算して直交成分ベクトルメモリ42に記憶する。
【0062】
【数17】u=s1’/‖s1’‖
【0063】(3)次いで、最大のノルムを有する列ベ
クトルs1’以外の列ベクトルs2’,s3’,…,sK-1
から第2の直交成分ベクトルu1方向の成分を除去す
る。すなわち、次式を用いて列ベクトルsk”を演算す
る。
【0064】
【数18】sk”=sk’−(sk’・u1)・u1,k=
2,3,…,K−1
【0065】そして、演算された列ベクトルs2”,
3”,…,sK-1”の中から最大ノルムを持つ列ベクト
ルsi”を選び、それを列ベクトルs2”と交換する。す
なわち、最大のノルムを有する列ベクトルsi”をs2
とし、元の列ベクトルs2”をsi”とする。そして、最
大のノルムを有する列ベクトルs2”を次式を用いて、
ノルム1に規格化された第3の直交成分ベクトルu2
演算して直交成分ベクトルメモリ42に記憶する。
【0066】
【数19】u2=s2”/‖s2”‖
【0067】(4)以下同様にして、 (a)現段階で残されているサブアレイ列ベクトルか
ら、前段で得られた直交成分ベクトルを除去した列ベク
トルを作る。 (b)直交成分ベクトルを除去して得られた列ベクトル
の中で最大ノルムを持つものから、新たな直交成分ベク
トルを演算して、直交成分ベクトルを直交成分ベクトル
メモリ42に記憶する。 (c)上記(a)及び(b)の処理を最大ノルムを有す
る列ベクトルの最大ノルムが数値計算上0とみなされる
まで、すなわち直交成分ベクトルがもはや存在しないと
みなされるまで繰返して、直交成分ベクトルu0,u1
…,uD-1を直交成分ベクトルメモリ42に格納して得
ることができる。ここで、Dは推定される反射点の数で
あり、Lはサブアレイ列ベクトルの次元Lである。
【0068】次いで、ステップS3においては、直交成
分ベクトルメモリ42から直交成分ベクトルu0,u1
…,uD-1を読み出し、次式を用いて共分散行列Rを計
算して共分散行列メモリ43に記憶する。
【0069】
【数20】
【0070】ここで、共分散行列Rとは、L×Lの行列
であって、共分散行列Rによって変換されたL次元ベク
トルは必ずu0,u1,…,uD-1の線形結合で表される
という特徴付けの可能な行列である。以上のステップS
1乃至S3が第1の実施形態における平均化処理であ
る。
【0071】次いで、第3の従来例と同様に、ステップ
S4及びS5のカーネルMUSIC処理を実行する。ま
ず、ステップS4では、連立一次方程式Rx=0の解ベ
クトルx0,x1,…,xL-D-1を演算し解ベクトルメモ
リ44に記憶する。ここで、xは、複数Q個の距離
0,x1,…,xL-D-1からなる列ベクトルである。次
いで、上記演算された解ベクトルx0,x1,…,x
L-D-1を解ベクトルメモリ44から読み出し、変換の結
果得られるベクトルy0,y1,…,yL-D-1が次式を満
足するように、互いに直交する直交ベクトルy0,y1
…,yL-D-1を求め、直交ベクトルメモリ45に記憶す
る。
【0072】
【数21】
【0073】ここで、yi・yjはベクトルyiとベクト
ルyjの内積を表す。
【0074】そして、ステップS5においては、光軸上
の相対距離Xに存在する反射率1の反射点に、周波数f
n,n=0,1,…,N−1の光を照射した場合に数2
2で得られる信号ベクトルe(X)を用いて、数23で
表される反射光及び散乱光の強度s(X)を演算する。
ここで、j=√(−1)である。
【0075】
【数22】 e(X) =[exp(j4πf0X/c),exp(j4πf1X/c), …,exp(j4πfN-1X/c)]
【数23】
【0076】ここで、c=3×1014(μm/se
c.)であり、X(μm)となる。上記数23を用いて
光軸上の相対距離XをCPU30により所定の範囲で
(−20から+60まで)所定の距離間隔で離散的に掃
引しながら、反射光及び散乱光の強度s(X)を演算
し、強度s(X)を極大化するような相対距離Xを反射
点、すなわち光の屈折率変化の生じる位置として検出す
る。
【0077】以上の第1の実施形態の処理を用いること
により、詳細後述するように、位置の分解能は、第2の
従来例に比較して約2倍となり、第3の従来例に比較し
て3乃至4倍となった。従って、第1の実施形態の装置
は、従来例に比較してより正確に光の屈折率変化の生じ
る位置を検出することができる。
【0078】<第2の実施形態>図5に、第2の実施形
態における反射光と散乱光の強度演算処理のフローチャ
ートを示す。第2の実施形態の装置のブロック図は図1
と同様であるが、演算回路18の処理が異なるととも
に、図9において、共分散行列メモリ43と解ベクトル
メモリ44を設けない。以下、図5及び図9を参照し
て、強度演算処理について説明する。なお、第2の実施
形態における処理において、第1の実施形態と異なるの
は、ステップS3を設けず、ステップS4及びS5に代
えてステップS11とS12を設けたことである。
【0079】図5において、ステップS1及びS2にお
いて、第1の実施形態と同じ処理を実行する。このと
き、直交成分ベクトルメモリ42には、直交成分ベクト
ルu0,u1,…,uD-1が記憶されている。次いで、ス
テップS11において、次式で表されるノルム1の単位
ベクトルe0,e1,…,eQ-1を用意し、メモリ33内
の単位ベクトルメモリ(図示せず。)に記憶する。ここ
で、用意する単位ベクトルe0,e1,…,eQ-1の数Q
は、サブアレイ列ベクトルの次元Lから、検出評価され
る反射点の数Dを減算した数以下であり、すなわち、Q
≦L−Dである。
【0080】
【数24】
【0081】上記数24は、単位ベクトルeqにおいて
要素が1となるのは、(D+q)番目の要素であること
を示す。そして、メモリ33内の単位ベクトルメモリに
記憶されている単位ベクトルeqから、第1の実施形態
のステップS4と同様に、直交成分ベクトルu0,u1
…,uD-1の方向の成分を除去して、除去後のベクトル
を次式の演算列ベクトルb0,b1,…,bQ-1とし、メ
モリ33内の演算列ベクトルメモリ(図示せず。)に記
憶する。
【0082】
【数25】
【0083】そして、演算列ベクトルb0,b1,…,b
Q-1に対して第1の実施形態のステップS4と同様に直
交化処理を実行する。具体的には、ステップS4におけ
る列ベクトルs0,s1,…,sk-1のところを演算列ベ
クトルb0,b1,…,bQ-1に置き換えて処理を実行す
る。当該処理によって、互いに直交し規格化された直交
ベクトルa0,a1,…,aQ-1を演算することができ、
直交ベクトルメモリ45に記憶する。当該直交ベクトル
0,a1,…,aQ-1のうち、唯一つ最後に得られたa
Q-1、すなわち、規格化する前の直交ベクトルのノルム
が最小である1つの直交ベクトルaQ-1を用いて、第1
の実施形態と同様に、光軸上の相対距離Xを所定の範囲
で離散的に掃引することにより、反射光及び散乱光の強
度s(X)を次式を用いて演算する。
【0084】
【数26】 s(X)=1/{|aQ-1・e(X)|
【0085】ここで、e(X)は第1の実施形態と同じ
定義である。
【0086】第2の実施形態において、処理時間短縮化
に寄与するのは次の2点である。 (a)最初に用意する単位ベクトルの数QをL−Dと比
較して小さくとることにより、直交化処理の演算回数を
軽減することができる。 (b)反射光及び散乱光の強度の検出を唯一つのベクト
ルaQ-1を用いて行うので、強度s(X)の演算はきわ
めて簡単になる。
【0087】処理時間を具体的に考察すると以下の通り
である。ここで、Lはサブアレイ列ベクトルの次元であ
る。 (1)固有値、固有ベクトルの計算を含む従来のMUS
IC法では、演算処理時間は、L2.3に比例して増大す
る。 (2)第3の従来例では、演算処理時間は、L3に比例
して増大する。 (3)第1の実施形態では、第3の従来例と同様に、L
3に比例して増大する。 (4)第2の実施形態では、L1.1に比例して増大す
る。 従って、第2の実施形態の強度演算処理は、従来例及び
第1の実施形態に比較してきわめて簡単になり、演算処
理時間を大幅に短縮することができる。
【0088】
【実施例】さらに、以上のように構成された第1と第2
の実施形態の装置を用いて実験を行った結果について説
明する。
【0089】図6の(a)は第3の従来例のシミュレー
ション結果である反射点間の距離に対する評価された位
置を示す図であり、図6の(b)は第1の実施形態のシ
ミュレーション結果である反射点間の距離に対する評価
された位置を示す図である。このシミュレーションにお
いては、等間隔で存在する5個の反射点位置を推定し、
レーザ発振器10から出力されるレーザ光の波長掃引範
囲を1.5から1.6μmとして、受信された信号デー
タH’(fn)を作成した。ここで、信号データH’
(fn)の次元N=64とし、サブアレイ列ベクトルの
次元L=51とした。図6においてFailと示してい
るのは、反射点距離において検出誤りが生じていること
を示す。図6から明らかなように、第3の従来例では、
サブアレイ列ベクトルの数値的1次独立性が悪化する反
射点距離においてしばしば検出誤りが生じている一方、
第1の実施形態では、より狭い反射点間隔まで検出が可
能であることがわかる。
【0090】図7に、第1の従来例と第1の実施形態に
おける光軸上の距離に対する規格化された反射光と散乱
光の強度を示すグラフを示す。このシミュレーションで
は、2つの反射点R1,R2を有する図3の物体4を用
いて、信号データの取得時の波長掃引範囲1.52乃至
1.58μmから決定される第2の従来例の分解能は4
0μmである。また、表1に、上記と同じ図3の物体4
を用いて検出又は測定された、第2の従来例及び第1の
実施形態による検出結果と、表面粗さ計による測定値と
を示す。
【0091】
【表1】 膜厚検出結果 ────────────────────────────── 検出結果 表面粗さ計による測定値 第1の従来例 第1の実施形態 ────────────────────────────── 検出不能 27μm 26μm 検出不能 16μm 16μm 検出不能 14μm 10μm 検出不能 検出不能 7μm ──────────────────────────────
【0092】図7及び表1から明らかなように、第1の
従来例では、膜厚を検出することができないが、第1の
実施形態の装置により、16μmの膜厚を検出すること
ができることを確認することができた。この結果から、
第1の実施形態の装置は、第1の従来例に比較して約2
倍の分解能を有することが実証された。
【0093】図8は、第1と第2の実施形態におけるl
og10(処理データサイズL)に対するlog10(処理
時間[秒])を示すグラフである。図8のグラフの傾き
から、以下のことがわかる。 (1)第1の実施形態では、第3の従来例と同様に、L
3に比例して増大する。 (2)第2の実施形態では、L1.1に比例して増大す
る。 従って、第2の実施形態の強度演算処理は、従来例及び
第1の実施形態に比較してきわめて簡単になり、演算処
理時間を大幅に短縮することができる。
【0094】以上説明した実施例から明らかなように、
本実施形態の装置を用いることにより、物体の厚さ、長
さなどの寸法の測定、光ファイバケーブル、半導体基板
や光導波路基板などの屈折率の異なる複数の物質で構成
された物体の内部の構造の測定、並びに、物体内部に生
じる欠陥の位置及び大きさなどの測定を行うことができ
る。
【0095】本実施形態の装置においては、図1に示す
ように、互いに異なる複数のレーザ光を選択的に切り換
えて従来例に比較してより大きい周波数変化幅を有する
複数のレーザ光を発生し、発生されたレーザ光の周波数
を測定し、AOM14によって上記発生されたレーザ光
の一部を取り出して測定対象物の物体4に照射するとと
もに、高周波発振器15によって発生される局部発振信
号の局部発振周波数fdだけ上記発生されたレーザ光の
周波数をシフトし、周波数がシフトされたレーザ光であ
る参照光と、上記物体4において反射及び散乱して生じ
る反射光と散乱光とを含む信号光とを受光素子7によっ
て混合してヘテロダイン検波し、そのヘテロダイン検波
信号と上記局部発振信号との位相差を検出し、検出され
た位相差と、上記測定されたレーザ光の複数の周波数と
に基づいて上記照射したレーザ光の光路上において屈折
率変化が生じる位置を測定するので、反射光と散乱光が
発生する位置の例えば集光レンズ3からの距離にかかわ
らず、従来例に比較して高い分解能で屈折率変化が生じ
る位置を測定することができ、これによって、より精密
に物体4の内部構造を測定することができる。
【0096】以上の実施形態においては、測定対象物の
物体4の1点に対してレーザ光を照射しているが、本発
明はこれに限らず、測定対象物を回転させ、もしくは1
次元又は2次元で走査させ、もしくはレーザ光を1次元
又は2次元で走査することによって、測定対象物の物体
のより複雑な形状及び構造を、2次元又は3次元で測定
するようにしてもよい。
【0097】以上の実施形態において、周波数可変レー
ザ発振器10として、発振周波数が互いに異なる複数の
レーザ発振器を備え、当該複数のレーザ発振器を選択的
に切り換えて互いに異なる周波数を有する複数のレーザ
光を発生している。しかしながら、本発明はこれに限ら
ず、周波数可変レーザ発振器10を、空洞共振器内に1
つのレーザダイオードが載置されて構成されたレーザ発
振器において、空洞共振器の空洞長をステップ状に変化
することによって、互いに異なる複数の周波数を有する
レーザ光を選択的に発生させるようにしてもよい。ま
た、周波数可変レーザ発振器10において、例えば複数
のレーザ発振器を備えて、上記複数のレーザ光を同時に
発生させ、受光素子7において互いに周波数が異なる複
数の信号光を波長選択することができる帯域通過光学フ
ィルタを備え、位相検出器17及び演算回路18におい
て複数の周波数のレーザ光に対して上記の位相検出及び
演算を行うようにしてもよい。
【0098】以上の実施形態において、AOM14は、
ビームスプリッタ12から入射するレーザ光をそのまま
0次光の照射光として部分反射鏡2と集光レンズ3とを
介して測定対象物の物体4に照射するとともに、入射す
るレーザ光の周波数を、高周波発生器15から入力され
る局部発振信号を用いて上記局部発振周波数fdだけシ
フトし、シフトした周波数を有するレーザ光を1次光の
参照光として反射鏡16及び部分反射鏡2とを介して受
光素子7に出力している。本発明はこれに限らず、AO
M14の0次光を参照光として用いて受光素子7に出力
し、一方、AOM14の1次光を照射光として物体4に
照射してもよい。
【0099】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載の光の屈折率変化が生じる位置を測定する装置に
おいては、互いに異なる複数の周波数を有する光を発生
する光発生手段と、上記光発生手段によって発生された
光の複数の周波数を測定する測定手段と、上記光発生手
段によって発生された光の各周波数よりも低い所定の局
部発振周波数を有する局部発振信号を発生する信号発生
手段と、上記光発生手段によって発生された光を2分配
し、上記2分配した一方の光の周波数を上記信号発生手
段によって発生された局部発振信号を用いて上記局部発
振信号の局部発振周波数だけシフトして、互いに上記局
部発振周波数の周波数差を有する2つの光を発生し、上
記発生した2つの光のうち一方の光を上記物体に照射す
る周波数シフト手段と、上記周波数シフト手段から出力
される一方の光が上記物体に照射されたときに上記物体
から反射してくる反射光と散乱光とを含む信号光と、上
記周波数シフト手段から出力される他方の光とを混合し
てヘテロダイン検波して検波信号を出力する検波手段
と、上記検波信号と上記局部発振信号との位相差を検出
する位相検出手段と、上記位相検出手段によって検出さ
れた上記複数の周波数の光に対する各位相差と、上記測
定手段によって測定された複数の周波数とに基づいて上
記照射した光の光路上で上記物体において屈折率変化が
生じる位置を演算する演算手段とを備え、上記演算手段
は、上記位相検出手段によって検出された上記複数の周
波数の光に対する各位相差である複数の位相差に基づい
て、上記複数の周波数に通し番号を付したときに当該通
し番号の順序で当該通し番号の端の番号から複数L個の
位相差の要素を選択することにより第1の列ベクトルを
作成し、次いで、上記端の番号から1個ずらして当該通
し番号の順序で複数L個の位相差の要素を選択すること
により第2の列ベクトルを作成し、以下同様にして当該
通し番号を1個ずつずらしてそれぞれ当該通し番号の順
序で複数L個の位相差の要素を選択することにより第3
乃至第Kの列ベクトルを作成し、これにより、上記第1
乃至第Kの列ベクトルである複数K個のサブアレイ列ベ
クトルを作成し、当該サブアレイ列ベクトルから、互い
に直交する複数D個の直交成分ベクトルを抽出し、ここ
で、複数D個は、上記物体において屈折率変化が生じる
位置の数であると推定し、上記抽出された複数D個の直
交成分ベクトルに基づいてL×Lの平均化共分散行列R
を演算した後、(L−D)個のベクトルをxとしたとき
の連立1次方程式Rx=0を解いて、その(L−D)個
の解ベクトルxを直交化して互いに直交しかつ規格化さ
れた(L−D)個の直交ベクトルを演算し、上記照射し
た光の光路上で上記物体において屈折率変化が生じる位
置を示す相対距離Xにある反射率1の反射点に上記各周
波数の光を照射したときに得られる信号ベクトルと、上
記演算された直交ベクトルとを用いて表された関数であ
って、当該信号ベクトルと直交ベクトルとの間の直交性
を示し、当該信号ベクトルに含まれる相対距離Xにある
位置と、上記物体において屈折率変化が生じる位置とが
一致するときに極大値を有し、反射光と散乱光の強度を
示す所定の関数を用いて、当該関数が極大値となる相対
距離Xを上記屈折率変化が生じる位置として検出する。
従って、従来例に比較してより高い分解能で、測定対象
物の物体において光の屈折率変化が生じる位置を測定す
ることができる装置を提供することができる。これによ
って、例えば、従来例に比較してより精密に上記物体の
内部構造を測定することができるという利点がある。
【0100】また、本発明に係る請求項2記載の光の屈
折率変化が生じる位置を測定する装置は、互いに異なる
複数の周波数を有する光を発生する光発生手段と、上記
光発生手段によって発生された光の複数の周波数を測定
する測定手段と、上記光発生手段によって発生された光
の各周波数よりも低い所定の局部発振周波数を有する局
部発振信号を発生する信号発生手段と、上記光発生手段
によって発生された光を2分配し、上記2分配した一方
の光の周波数を上記信号発生手段によって発生された局
部発振信号を用いて上記局部発振信号の局部発振周波数
だけシフトして、互いに上記局部発振周波数の周波数差
を有する2つの光を発生し、上記発生した2つの光のう
ち一方の光を上記物体に照射する周波数シフト手段と、
上記周波数シフト手段から出力される一方の光が上記物
体に照射されたときに上記物体から反射してくる反射光
と散乱光とを含む信号光と、上記周波数シフト手段から
出力される他方の光とを混合してヘテロダイン検波して
検波信号を出力する検波手段と、上記検波信号と上記局
部発振信号との位相差を検出する位相検出手段と、上記
位相検出手段によって検出された上記複数の周波数の光
に対する各位相差と、上記測定手段によって測定された
複数の周波数とに基づいて上記照射した光の光路上で上
記物体において屈折率変化が生じる位置を演算する演算
手段とを備え、上記演算手段は、上記位相検出手段によ
って検出された上記複数の周波数の光に対する各位相差
である複数の位相差に基づいて、上記複数の周波数に通
し番号を付したときに当該通し番号の順序で当該通し番
号の端の番号から複数L個の位相差の要素を選択するこ
とにより第1の列ベクトルを作成し、次いで、上記端の
番号から1個ずらして当該通し番号の順序で複数L個の
位相差の要素を選択することにより第2の列ベクトルを
作成し、以下同様にして当該通し番号を1個ずつずらし
てそれぞれ当該通し番号の順序で複数L個の位相差の要
素を選択することにより第3乃至第Kの列ベクトルを作
成し、これにより、上記第1乃至第Kの列ベクトルであ
る複数K個のサブアレイ列ベクトルを作成し、当該サブ
アレイ列ベクトルから、互いに直交する複数D個の直交
成分ベクトルを抽出し、ここで、複数D個は、上記物体
において屈折率変化が生じる位置の数であると推定し、
Q個のノルム1の単位ベクトル(ここで、Q≦L−Dで
ある。)から上記複数D個の直交成分ベクトルの方向の
成分を除去したQ個の演算ベクトルを演算し、上記演算
されたQ個の演算ベクトルを直交化して互いに直交しか
つ規格化されたQ個の直交ベクトルのうち規格化する前
の直交ベクトルのノルムが最小である1つの直交ベクト
ルを演算し、上記照射した光の光路上で上記物体におい
て屈折率変化が生じる位置を示す相対距離Xにある反射
率1の反射点に上記各周波数の光を照射したときに得ら
れる信号ベクトルと、上記演算された直交ベクトルとを
用いて表された関数であって、当該信号ベクトルと直交
ベクトルとの間の直交性を示し、当該信号ベクトルに含
まれる相対距離Xにある位置と、上記物体において屈折
率変化が生じる位置とが一致するときに極大値を有し、
反射光と散乱光の強度を示す所定の関数を用いて、当該
関数が極大値となる相対距離Xを上記屈折率変化が生じ
る位置として検出する。従って、従来例に比較してより
高い分解能でかつ大規模なデータに対しても演算処理時
間を短縮して、測定対象物の物体において光の屈折率変
化が生じる位置を測定することができる装置を提供する
ことができる。これによって、例えば、従来例に比較し
てより精密にかつ高速で上記物体の内部構造を測定する
ことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態である、レーザ
光を用いて物体においてレーザ光の屈折率変化が生じる
位置を測定する装置のブロック図である。
【図2】 OFDRの方法を用いた第1の従来例の装置
のブロック図である。
【図3】 図1の測定対象物4の縦断面図である。
【図4】 第1の実施形態の反射光と散乱光の強度演算
処理を示すフローチャートである。
【図5】 第2の実施形態の反射光と散乱光の強度演算
処理を示すフローチャートである。
【図6】 (a)は第3の従来例のシミュレーション結
果である反射点間の距離に対する評価された位置を示す
図であり、(b)は第1の実施形態のシミュレーション
結果である反射点間の距離に対する評価された位置を示
す図である。
【図7】 第1の従来例と第1の実施形態における光軸
上の距離に対する規格化された反射光と散乱光の強度を
示すグラフである。
【図8】 第1と第2の実施形態におけるlog10(処
理データサイズL)に対するlog10(処理時間
[秒])を示すグラフである。
【図9】 図1の第1の実施形態の演算回路18の構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
2…部分反射鏡、 3…レンズ、 4…測定対象物の物体、 7…受光素子、 9…ディスプレイ、 10…周波数可変レーザ発振器、 12…ビームスプリッタ、 13…光周波数計、 14…音響光学変調器(AOM)、 15…高周波発振器、 16…反射鏡、 17…位相検出器、 18…演算回路、 30…CPU、 31…ROM、 32…RAM、 33…メモリ、 34…A/D変換器、 35,36…インターフェース、 37…ディスプレイインターフェース、 40…信号データメモリ、 41…サブアレイ列ベクトルメモリ、 42…直交成分ベクトルメモリ、 43…共分散行列メモリ、 44…解ベクトルメモリ、 45…直交ベクトルメモリ、 46…信号ベクトルメモリ、 L…検出ライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯塚 啓吾 カナダ、オンタリオ、ウィローデイル、 ビレッジ・グリーンウェイ8番 (56)参考文献 特開 平5−203412(JP,A) Proceedings of IC ASSP,1995〔2〕(米)H.Shi motahira,p.909〜912 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 11/00 - 11/02 G01B 11/00 - 11/16 G01N 21/41 G01S 17/36 - 17/46 G02F 2/00 - 2/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる複数の周波数を有する光を
    発生する光発生手段と、 上記光発生手段によって発生された光の複数の周波数を
    測定する測定手段と、 上記光発生手段によって発生された光の各周波数よりも
    低い所定の局部発振周波数を有する局部発振信号を発生
    する信号発生手段と、 上記光発生手段によって発生された光を2分配し、上記
    2分配した一方の光の周波数を上記信号発生手段によっ
    て発生された局部発振信号を用いて上記局部発振信号の
    局部発振周波数だけシフトして、互いに上記局部発振周
    波数の周波数差を有する2つの光を発生し、上記発生し
    た2つの光のうち一方の光を上記物体に照射する周波数
    シフト手段と、 上記周波数シフト手段から出力される一方の光が上記物
    体に照射されたときに上記物体から反射してくる反射光
    と散乱光とを含む信号光と、上記周波数シフト手段から
    出力される他方の光とを混合してヘテロダイン検波して
    検波信号を出力する検波手段と、 上記検波信号と上記局部発振信号との位相差を検出する
    位相検出手段と、 上記位相検出手段によって検出された上記複数の周波数
    の光に対する各位相差と、上記測定手段によって測定さ
    れた複数の周波数とに基づいて上記照射した光の光路上
    で上記物体において屈折率変化が生じる位置を演算する
    演算手段とを備え、 上記演算手段は、 上記位相検出手段によって検出された上記複数の周波数
    の光に対する各位相差である複数の位相差に基づいて、
    上記複数の周波数に通し番号を付したときに当該通し番
    号の順序で当該通し番号の端の番号から複数L個の位相
    差の要素を選択することにより第1の列ベクトルを作成
    し、次いで、上記端の番号から1個ずらして当該通し番
    号の順序で複数L個の位相差の要素を選択することによ
    り第2の列ベクトルを作成し、以下同様にして当該通し
    番号を1個ずつずらしてそれぞれ当該通し番号の順序で
    複数L個の位相差の要素を選択することにより第3乃至
    第Kの列ベクトルを作成し、これにより、上記第1乃至
    第Kの列ベクトルである複数K個のサブアレイ列ベクト
    ルを作成し、 当該サブアレイ列ベクトルから、互いに直交する複数D
    個の直交成分ベクトルを抽出し、ここで、複数D個は、
    上記物体において屈折率変化が生じる位置の数であると
    推定し、 上記抽出された複数D個の直交成分ベクトルに基づいて
    L×Lの平均化共分散行列Rを演算した後、 (L−D)個のベクトルをxとしたときの連立1次方程
    式Rx=0を解いて、その(L−D)個の解ベクトルx
    を直交化して互いに直交しかつ規格化された(L−D)
    個の直交ベクトルを演算し、 上記照射した光の光路上で上記物体において屈折率変化
    が生じる位置を示す相対距離Xにある反射率1の反射点
    に上記各周波数の光を照射したときに得られる信号ベク
    トルと、上記演算された直交ベクトルとを用いて表され
    た関数であって、当該信号ベクトルと直交ベクトルとの
    間の直交性を示し、当該信号ベクトルに含まれる相対距
    離Xにある位置と、上記物体において屈折率変化が生じ
    る位置とが一致するときに極大値を有し、反射光と散乱
    光の強度を示す所定の関数を用いて、当該関数が極大値
    となる相対距離Xを上記屈折率変化が生じる位置として
    検出することを特徴とする光の屈折率変化が生じる位置
    を測定する装置。
  2. 【請求項2】 互いに異なる複数の周波数を有する光を
    発生する光発生手段と、 上記光発生手段によって発生された光の複数の周波数を
    測定する測定手段と、 上記光発生手段によって発生された光の各周波数よりも
    低い所定の局部発振周波数を有する局部発振信号を発生
    する信号発生手段と、 上記光発生手段によって発生された光を2分配し、上記
    2分配した一方の光の周波数を上記信号発生手段によっ
    て発生された局部発振信号を用いて上記局部発振信号の
    局部発振周波数だけシフトして、互いに上記局部発振周
    波数の周波数差を有する2つの光を発生し、上記発生し
    た2つの光のうち一方の光を上記物体に照射する周波数
    シフト手段と、 上記周波数シフト手段から出力される一方の光が上記物
    体に照射されたときに上記物体から反射してくる反射光
    と散乱光とを含む信号光と、上記周波数シフト手段から
    出力される他方の光とを混合してヘテロダイン検波して
    検波信号を出力する検波手段と、 上記検波信号と上記局部発振信号との位相差を検出する
    位相検出手段と、 上記位相検出手段によって検出された上記複数の周波数
    の光に対する各位相差と、上記測定手段によって測定さ
    れた複数の周波数とに基づいて上記照射した光の光路上
    で上記物体において屈折率変化が生じる位置を演算する
    演算手段とを備え、 上記演算手段は、 上記位相検出手段によって検出された上記複数の周波数
    の光に対する各位相差である複数の位相差に基づいて、
    上記複数の周波数に通し番号を付したときに当該通し番
    号の順序で当該通し番号の端の番号から複数L個の位相
    差の要素を選択することにより第1の列ベクトルを作成
    し、次いで、上記端の番号から1個ずらして当該通し番
    号の順序で複数L個の位相差の要素を選択することによ
    り第2の列ベクトルを作成し、以下同様にして当該通し
    番号を1個ずつずらしてそれぞれ当該通し番号の順序で
    複数L個の位相差の要素を選択することにより第3乃至
    第Kの列ベクトルを作成し、これにより、上記第1乃至
    第Kの列ベクトルである複数K個のサブアレイ列ベクト
    ルを作成し、 当該サブアレイ列ベクトルから、互いに直交する複数D
    個の直交成分ベクトルを抽出し、ここで、複数D個は、
    上記物体において屈折率変化が生じる位置の数であると
    推定し、 Q個のノルム1の単位ベクトル(ここで、Q≦L−Dで
    ある。)から上記複数D個の直交成分ベクトルの方向の
    成分を除去したQ個の演算ベクトルを演算し、 上記演算されたQ個の演算ベクトルを直交化して互いに
    直交しかつ規格化されたQ個の直交ベクトルのうち規格
    化する前の直交ベクトルのノルムが最小である1つの直
    交ベクトルを演算し、 上記照射した光の光路上で上記物体において屈折率変化
    が生じる位置を示す相対距離Xにある反射率1の反射点
    に上記各周波数の光を照射したときに得られる信号ベク
    トルと、上記演算された直交ベクトルとを用いて表され
    た関数であって、当該信号ベクトルと直交ベクトルとの
    間の直交性を示し、当該信号ベクトルに含まれる相対距
    離Xにある位置と、上記物体において屈折率変化が生じ
    る位置とが一致するときに極大値を有し、反射光と散乱
    光の強度を示す所定の関数を用いて、当該関数が極大値
    となる相対距離Xを上記屈折率変化が生じる位置として
    検出することを特徴とする光の屈折率変化が生じる位置
    を測定する装置。
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CN103776474A (zh) * 2014-01-10 2014-05-07 江苏昂德光电科技有限公司 一种3d矩阵式多通道光纤传感解调系统
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