JP3016641B2 - バイオセンサシステム - Google Patents
バイオセンサシステムInfo
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- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイオセンサシステム
に関する。より詳細には、感度および精度が高く、各種
の物質のセンサとして使用可能なバイオセンサシステム
に関する。
に関する。より詳細には、感度および精度が高く、各種
の物質のセンサとして使用可能なバイオセンサシステム
に関する。
【0002】
【従来の技術】バイオセンサは、各種の生体物質の有す
る分子識別機能を利用して化学物質を測定する装置であ
る。一般に、バイオセンサは分子識別素子である生体物
質と、トランスデューサと呼ばれる物理化学デバイスと
を組み合わせて構成される。分子識別素子としては、酵
素、抗体、レセプタ、動物および植物細胞、微生物等が
使用される。一方、トランスデューサとしては、電極、
サーミスタ、化学発光、FET等が使用されている。
る分子識別機能を利用して化学物質を測定する装置であ
る。一般に、バイオセンサは分子識別素子である生体物
質と、トランスデューサと呼ばれる物理化学デバイスと
を組み合わせて構成される。分子識別素子としては、酵
素、抗体、レセプタ、動物および植物細胞、微生物等が
使用される。一方、トランスデューサとしては、電極、
サーミスタ、化学発光、FET等が使用されている。
【0003】最初に開発されたバイオセンサは、酵素電
極型バイオセンサである。これは、分子識別素子として
酵素を用い、トランスデューサに電極を組み合わせたも
のである。その後、分子識別素子に上記の各種の生体物
質が使用された電極型バイオセンサが開発された。電極
型バイオセンサは、分子識別素子である生体の反応で消
費されたり、生成されたりする化学物質を電極で検知
し、電気信号に変換して測定する。
極型バイオセンサである。これは、分子識別素子として
酵素を用い、トランスデューサに電極を組み合わせたも
のである。その後、分子識別素子に上記の各種の生体物
質が使用された電極型バイオセンサが開発された。電極
型バイオセンサは、分子識別素子である生体の反応で消
費されたり、生成されたりする化学物質を電極で検知
し、電気信号に変換して測定する。
【0004】一方、生化学反応や化学反応に伴う発光を
もとに、化学物質の測定を行うバイオセンサとして、フ
ォトバイオセンサがある。具体的には、ルミノールと過
酸化水素の混液に金属錯体や金属酵素を添加した場合に
起こるルミノールの発光を、トランスデューサに利用し
たものがある。この場合、分子識別素子には酸化還元酵
素を使用し、生成する過酸化水素により起こる上記の発
光を測定する。このようなフォトバイオセンサは、電極
型バイオセンサよりも高い感度で化学物質を測定するこ
とが可能である。
もとに、化学物質の測定を行うバイオセンサとして、フ
ォトバイオセンサがある。具体的には、ルミノールと過
酸化水素の混液に金属錯体や金属酵素を添加した場合に
起こるルミノールの発光を、トランスデューサに利用し
たものがある。この場合、分子識別素子には酸化還元酵
素を使用し、生成する過酸化水素により起こる上記の発
光を測定する。このようなフォトバイオセンサは、電極
型バイオセンサよりも高い感度で化学物質を測定するこ
とが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のバイオセンサ
は、主にトランスデューサの性能により、その性能の限
界が決まってしまっていた。即ち、トランスデューサの
検出能、感度、精度を向上させるとバイオセンサそのも
のの性能を向上させることができる。そこで、本発明の
目的は、新規なトランスデューサを使用した高感度なバ
イオセンサシステムを提供することにある。
は、主にトランスデューサの性能により、その性能の限
界が決まってしまっていた。即ち、トランスデューサの
検出能、感度、精度を向上させるとバイオセンサそのも
のの性能を向上させることができる。そこで、本発明の
目的は、新規なトランスデューサを使用した高感度なバ
イオセンサシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、フォト
クロミック反応を示す金属酸化物の薄膜と、該金属酸化
物の薄膜に光を照射する光源と、被検出物質の存在によ
り還元性の物質を前記金属酸化物の薄膜に達するよう放
出する微生物を固定化した担体と、を具備することを特
徴とするバイオセンサシステムが提供される。
クロミック反応を示す金属酸化物の薄膜と、該金属酸化
物の薄膜に光を照射する光源と、被検出物質の存在によ
り還元性の物質を前記金属酸化物の薄膜に達するよう放
出する微生物を固定化した担体と、を具備することを特
徴とするバイオセンサシステムが提供される。
【0007】
【作用】本発明のバイオセンサシステムは、分子識別素
子に被検出物質の存在により還元性の物質を合成する微
生物を使用し、トランスデューサにフォトクロミック反
応を示す金属酸化物を使用するところにその主要な特徴
がある。図1に、本発明のバイオセンサシステムの概念
図を示す。図1からわかるよう、本発明のバイオセンサ
システムは、被検出物質の存在により微生物の生成した
還元性物質106 の濃度を金属酸化物102 のフォトクロミ
ック反応により測定することにより動作する。フォトク
ロミック反応とは、例えば、WO3 、MoO3 等特定の金
属酸化物に光(特に紫外光)を照射すると着色する現象
である。この着色の程度は、この金属酸化物がエタノー
ル、ギ酸のような還元性の物質と接触する場合、この還
元性の物質の濃度に依存して変化する。本発明のバイオ
センサシステムは、この現象をトランスデューサに利用
している。
子に被検出物質の存在により還元性の物質を合成する微
生物を使用し、トランスデューサにフォトクロミック反
応を示す金属酸化物を使用するところにその主要な特徴
がある。図1に、本発明のバイオセンサシステムの概念
図を示す。図1からわかるよう、本発明のバイオセンサ
システムは、被検出物質の存在により微生物の生成した
還元性物質106 の濃度を金属酸化物102 のフォトクロミ
ック反応により測定することにより動作する。フォトク
ロミック反応とは、例えば、WO3 、MoO3 等特定の金
属酸化物に光(特に紫外光)を照射すると着色する現象
である。この着色の程度は、この金属酸化物がエタノー
ル、ギ酸のような還元性の物質と接触する場合、この還
元性の物質の濃度に依存して変化する。本発明のバイオ
センサシステムは、この現象をトランスデューサに利用
している。
【0008】上記本発明のバイオセンサシステムでは、
トランスデューサの金属酸化物のフォトクロミック反応
による着色(フォトクロミズム)の度合をレーザ光を使
用した、いわゆる光導波路法で測定することが好まし
い。具体的には、上記の金属酸化物に接するように光導
波路を配置し、この光導波路にモニタ用のレーザ光を導
入し、このレーザ光の光導波路を透過した後の強度を測
定する。光導波路を進行するレーザ光は、光導波路の壁
面で反射しながら進行するので、光導波路に接している
上記の金属酸化物の薄膜の着色の度合が増すと吸光度が
低下して、光導波路を透過したレーザ光の強度は変化す
る。このレーザ光の変化により上記の金属酸化物の薄膜
の着色の程度を測定する。上記の光導波路法は、通常の
吸光分光法に較べて光路を長くすることができるので感
度が高くなり、さらに応答も速い。従って、いわゆるin
-situ 測定が可能である。
トランスデューサの金属酸化物のフォトクロミック反応
による着色(フォトクロミズム)の度合をレーザ光を使
用した、いわゆる光導波路法で測定することが好まし
い。具体的には、上記の金属酸化物に接するように光導
波路を配置し、この光導波路にモニタ用のレーザ光を導
入し、このレーザ光の光導波路を透過した後の強度を測
定する。光導波路を進行するレーザ光は、光導波路の壁
面で反射しながら進行するので、光導波路に接している
上記の金属酸化物の薄膜の着色の度合が増すと吸光度が
低下して、光導波路を透過したレーザ光の強度は変化す
る。このレーザ光の変化により上記の金属酸化物の薄膜
の着色の程度を測定する。上記の光導波路法は、通常の
吸光分光法に較べて光路を長くすることができるので感
度が高くなり、さらに応答も速い。従って、いわゆるin
-situ 測定が可能である。
【0009】上記の金属酸化物は、条件により水に溶け
たり、また、上記のフォトクロミズムが水に影響される
ことがある。従って、上記の金属酸化物が水と直接接触
しないようにしなければならない。一方、検出物質から
微生物が生成した還元性の物質は、この金属酸化物に到
達しなければならない。そのために本発明のバイオセン
サシステムでは、上記の金属酸化物を疏水性且つ気体透
過性のフィルタで被覆することが好ましい。このフィル
タには、例えばガス透過性のフッ素樹脂(例えばデュポ
ン社のテフロンの商品名で市販されている樹脂またはF
EP等の樹脂)フィルム、ステアリン酸等親水基と疏水
基とを有する分子の膜、液膜の系、LB膜、液晶等が好
ましい。
たり、また、上記のフォトクロミズムが水に影響される
ことがある。従って、上記の金属酸化物が水と直接接触
しないようにしなければならない。一方、検出物質から
微生物が生成した還元性の物質は、この金属酸化物に到
達しなければならない。そのために本発明のバイオセン
サシステムでは、上記の金属酸化物を疏水性且つ気体透
過性のフィルタで被覆することが好ましい。このフィル
タには、例えばガス透過性のフッ素樹脂(例えばデュポ
ン社のテフロンの商品名で市販されている樹脂またはF
EP等の樹脂)フィルム、ステアリン酸等親水基と疏水
基とを有する分子の膜、液膜の系、LB膜、液晶等が好
ましい。
【0010】本発明のバイオセンサシステムでは、上記
の微生物にエタノール、ギ酸、乳酸等の還元性の物質を
生成するものを使用する。エタノールを生成する微生物
としては、各種の酵母、麹菌等が好ましい。また、ギ酸
を生成する微生物としては、大腸菌等が好ましい。
の微生物にエタノール、ギ酸、乳酸等の還元性の物質を
生成するものを使用する。エタノールを生成する微生物
としては、各種の酵母、麹菌等が好ましい。また、ギ酸
を生成する微生物としては、大腸菌等が好ましい。
【0011】上述のように本発明のバイオセンサシステ
ムは、分子識別素子の微生物が上記の還元性の物質を放
出することにより動作する。従って、本発明のバイオセ
ンサシステムに使用する微生物の培養されている培地の
成分を調整することにより各種の物質のセンサとするこ
とができる。例えば、グルコース等の糖類の供給を制限
した培地で培養された微生物を使用すれば糖類のセンサ
になり、ビタミンが不足した培地で培養された微生物を
使用した場合にはビタミンのセンサとなる。また、リン
酸センサ、ATPセンサを構成することも可能であり、
さらに、最小培地で培養された微生物を使用して、BO
D(生物学的酸素要求量)センサとすることも可能であ
る。
ムは、分子識別素子の微生物が上記の還元性の物質を放
出することにより動作する。従って、本発明のバイオセ
ンサシステムに使用する微生物の培養されている培地の
成分を調整することにより各種の物質のセンサとするこ
とができる。例えば、グルコース等の糖類の供給を制限
した培地で培養された微生物を使用すれば糖類のセンサ
になり、ビタミンが不足した培地で培養された微生物を
使用した場合にはビタミンのセンサとなる。また、リン
酸センサ、ATPセンサを構成することも可能であり、
さらに、最小培地で培養された微生物を使用して、BO
D(生物学的酸素要求量)センサとすることも可能であ
る。
【0012】例えば、微生物として酵母を使用した場
合、酵母の最小培地は以下のようである。 グルコース 50 g/l リン酸水素カリウム 5 g/l 硫酸マグネシウム 2 g/l 硫酸アンモニウム 5 g/l ビタミン液 ビオチン 0.2mg/l パントテン酸カルシウム 40 mg/l 塩酸ピリドキシン 40 mg/l 上記の最小培地において、培養した酵母を本発明のバイ
オセンサシステムに使用する場合、グルコース以外のも
のが十分にあるとき、グルコースセンサになり、リン酸
イオン以外のものが十分にあるとき、リン酸イオンセン
サになる。上記の最小培地を構成する他の物質に関して
も同様であり、硫酸イオンセンサ、ビタミンセンサが構
成可能である。
合、酵母の最小培地は以下のようである。 グルコース 50 g/l リン酸水素カリウム 5 g/l 硫酸マグネシウム 2 g/l 硫酸アンモニウム 5 g/l ビタミン液 ビオチン 0.2mg/l パントテン酸カルシウム 40 mg/l 塩酸ピリドキシン 40 mg/l 上記の最小培地において、培養した酵母を本発明のバイ
オセンサシステムに使用する場合、グルコース以外のも
のが十分にあるとき、グルコースセンサになり、リン酸
イオン以外のものが十分にあるとき、リン酸イオンセン
サになる。上記の最小培地を構成する他の物質に関して
も同様であり、硫酸イオンセンサ、ビタミンセンサが構
成可能である。
【0013】本発明のバイオセンサシステムは、電極型
バイオセンサのように電極の設置が不要なので、電場が
測定対象等に悪影響を与えることがない。
バイオセンサのように電極の設置が不要なので、電場が
測定対象等に悪影響を与えることがない。
【0014】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過ぎ
ず、本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0015】
【実施例】図2に、本発明のバイオセンサシステムの一
例の断面図を示す。 図2のバイオセンサは、透明誘電
体基板1と、透明誘電体基板1の表面に金属イオンが拡
散されて形成された平面光導波路10と、透明誘電体基板
1の表面の平面光導波路10の上に蒸着により形成された
フォトクロミック反応を起こす金属酸化物薄膜2とを具
備する。透明誘電体基板1の透明は、後述する測定用の
レーザ光と、金属酸化物薄膜2に照射する光に対して透
明であることを意味する。金属酸化物薄膜2は、表面に
微生物を固定した担体5が配置された疏水性の微小多孔
質フィルタ4で被覆されている。
例の断面図を示す。 図2のバイオセンサは、透明誘電
体基板1と、透明誘電体基板1の表面に金属イオンが拡
散されて形成された平面光導波路10と、透明誘電体基板
1の表面の平面光導波路10の上に蒸着により形成された
フォトクロミック反応を起こす金属酸化物薄膜2とを具
備する。透明誘電体基板1の透明は、後述する測定用の
レーザ光と、金属酸化物薄膜2に照射する光に対して透
明であることを意味する。金属酸化物薄膜2は、表面に
微生物を固定した担体5が配置された疏水性の微小多孔
質フィルタ4で被覆されている。
【0016】透明誘電体基板1表面の平面光導波路10の
両端付近にはグレーティング11および12が形成されてい
る。測定用レーザの光源であるレーザ装置20は、透明誘
電体基板1から離れて配置され、レーザ装置20の発する
レーザ光21は、グレーティング11から平面光導波路10に
導入され、グレーティング12から出射して光センサ22に
到達する。光センサ22は、平面光導波路10を透過したレ
ーザ光の強度を測定する。さらに、透明誘電体基板1の
下方には光源7が配置され、透明誘電体基板1を通して
金属酸化物薄膜2に光を照射し、金属酸化物にフォトク
ロミック反応を起こさせる。金属酸化物薄膜2のフォト
クロミック反応の効率を向上させるためには、光源7の
発する光の波長が短いことが好ましく、特に紫外光が好
ましい。このためには、光源7に、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ等を使用することが好ましい。
両端付近にはグレーティング11および12が形成されてい
る。測定用レーザの光源であるレーザ装置20は、透明誘
電体基板1から離れて配置され、レーザ装置20の発する
レーザ光21は、グレーティング11から平面光導波路10に
導入され、グレーティング12から出射して光センサ22に
到達する。光センサ22は、平面光導波路10を透過したレ
ーザ光の強度を測定する。さらに、透明誘電体基板1の
下方には光源7が配置され、透明誘電体基板1を通して
金属酸化物薄膜2に光を照射し、金属酸化物にフォトク
ロミック反応を起こさせる。金属酸化物薄膜2のフォト
クロミック反応の効率を向上させるためには、光源7の
発する光の波長が短いことが好ましく、特に紫外光が好
ましい。このためには、光源7に、高圧水銀灯、キセノ
ンランプ等を使用することが好ましい。
【0017】上記本実施例のバイオセンサシステムで
は、透明誘電体基板1の表面に局部的に金属イオンを拡
散させて屈折率を大きくすることで形成した平面光導波
路10を使用している。このように平面光導波路10が透明
誘電体基板1の表面に形成されているので、透明誘電体
基板1上にフォトクロミック反応を示す金属酸化物薄膜
2を配置すると、金属酸化物薄膜2は、平面光導波路10
に接触して配置される。
は、透明誘電体基板1の表面に局部的に金属イオンを拡
散させて屈折率を大きくすることで形成した平面光導波
路10を使用している。このように平面光導波路10が透明
誘電体基板1の表面に形成されているので、透明誘電体
基板1上にフォトクロミック反応を示す金属酸化物薄膜
2を配置すると、金属酸化物薄膜2は、平面光導波路10
に接触して配置される。
【0018】一方、上記のバイオセンサシステムでは、
レーザ光21をグレーティング11から平面光導波路10に導
入している。また、平面光導波路10から出射するレーザ
光もグレーティング12により誘導されている。この構成
によれば、光ファイバを平面光導波路10の端部に接続し
てレーザ光を誘導する構成よりも、バイオセンサシステ
ムの配置の自由度が高く、また、光ファイバと平面光導
波路を接続するという面倒な作業を省略できる。ただ
し、光ファイバを使用すると、レーザ光源20から、より
安定に測定用レーザ光21を平面光導波路に誘導すること
ができる。
レーザ光21をグレーティング11から平面光導波路10に導
入している。また、平面光導波路10から出射するレーザ
光もグレーティング12により誘導されている。この構成
によれば、光ファイバを平面光導波路10の端部に接続し
てレーザ光を誘導する構成よりも、バイオセンサシステ
ムの配置の自由度が高く、また、光ファイバと平面光導
波路を接続するという面倒な作業を省略できる。ただ
し、光ファイバを使用すると、レーザ光源20から、より
安定に測定用レーザ光21を平面光導波路に誘導すること
ができる。
【0019】実施例1 上記本発明のバイオセンサシステムでグルコースセンサ
を構成した。図3に示すよう上記のバイオセンサシステ
ムの微生物が固定された担体5の部分が底部となるセル
8を用意し、セル8内に様々な濃度のグルコースの水溶
液9を入れ、金属酸化物薄膜2の着色の程度を平面光導
波路10を透過するレーザ光の吸光度で測定した。透明誘
電体基板1にガラスを使用し、平面光導波路10はガラス
基板の表面にK(カリウム)イオンおよびCs(セシウ
ム)イオンを拡散して形成した。また、金属酸化物薄膜
2には、WO3 をガラス基板の表面の平面光導波路10の
上に蒸着して形成した薄膜を使用した。WO3 薄膜は、
疏水性で気体透過性のフィルタ4であるテフロンメンブ
ランフィルタで被覆され、テフロンメンブランフィルタ
の表面に微生物としてパン酵母が固定された担体5を配
置した。本実施例では、ミリポア社製のテフロンメンブ
ランフィルタを使用した。測定用のレーザには、波長63
2nm のHe−Neレーザを使用し、WO3 には波長300 〜40
0nm の紫外光を照射した。
を構成した。図3に示すよう上記のバイオセンサシステ
ムの微生物が固定された担体5の部分が底部となるセル
8を用意し、セル8内に様々な濃度のグルコースの水溶
液9を入れ、金属酸化物薄膜2の着色の程度を平面光導
波路10を透過するレーザ光の吸光度で測定した。透明誘
電体基板1にガラスを使用し、平面光導波路10はガラス
基板の表面にK(カリウム)イオンおよびCs(セシウ
ム)イオンを拡散して形成した。また、金属酸化物薄膜
2には、WO3 をガラス基板の表面の平面光導波路10の
上に蒸着して形成した薄膜を使用した。WO3 薄膜は、
疏水性で気体透過性のフィルタ4であるテフロンメンブ
ランフィルタで被覆され、テフロンメンブランフィルタ
の表面に微生物としてパン酵母が固定された担体5を配
置した。本実施例では、ミリポア社製のテフロンメンブ
ランフィルタを使用した。測定用のレーザには、波長63
2nm のHe−Neレーザを使用し、WO3 には波長300 〜40
0nm の紫外光を照射した。
【0020】上記のグルコースセンサにおいて、パン酵
母は、グルコースからエタノールを合成する。パン酵母
が合成したエタノールは、その濃度に応じてWO3 薄膜
のフォトクロミズムを変化させる。WO3 薄膜のフォト
クロミズムが変化すると、吸光度が変わって平面光導波
路10を透過するレーザ光の強度が変化する。本実施例の
グルコースセンサでは、平面光導波路10を透過するレー
ザ光の強度の変化を測定し、グルコースの濃度を求め
る。テフロンメンブランフィルタは、エタノールの蒸気
のみを通し、水を通さないので、WO3 薄膜が水の影響
を受けることはない。
母は、グルコースからエタノールを合成する。パン酵母
が合成したエタノールは、その濃度に応じてWO3 薄膜
のフォトクロミズムを変化させる。WO3 薄膜のフォト
クロミズムが変化すると、吸光度が変わって平面光導波
路10を透過するレーザ光の強度が変化する。本実施例の
グルコースセンサでは、平面光導波路10を透過するレー
ザ光の強度の変化を測定し、グルコースの濃度を求め
る。テフロンメンブランフィルタは、エタノールの蒸気
のみを通し、水を通さないので、WO3 薄膜が水の影響
を受けることはない。
【0021】上記のグルコースセンサによりグルコース
の濃度の測定を行った。結果を図4に示す。図4から明
らかなように、本発明のバイオセンサシステムでは、W
O3 薄膜の着色は時間に比例して増加し、その時定数は
グルコースの濃度に対応している。従って、本発明のバ
イオセンサシステムではWO3 薄膜のフォトクロミック
反応による着色の度合を測定用レーザの吸光度の変化で
測定し、その時定数からグルコースの濃度を算定する。
本発明のバイオセンサシステムは、測定用のレーザ光の
光路が長く、感度が高いのでグルコースの濃度が変化す
る系においても、in-situ の測定が可能である。
の濃度の測定を行った。結果を図4に示す。図4から明
らかなように、本発明のバイオセンサシステムでは、W
O3 薄膜の着色は時間に比例して増加し、その時定数は
グルコースの濃度に対応している。従って、本発明のバ
イオセンサシステムではWO3 薄膜のフォトクロミック
反応による着色の度合を測定用レーザの吸光度の変化で
測定し、その時定数からグルコースの濃度を算定する。
本発明のバイオセンサシステムは、測定用のレーザ光の
光路が長く、感度が高いのでグルコースの濃度が変化す
る系においても、in-situ の測定が可能である。
【0022】実施例2 上記のグルコースセンサの金属酸化物薄膜2をMoO3 に
変更したグルコースセンサを作製した。他の部分は、上
記のグルコースセンサに等しく構成し、グルコースの濃
度を測定した。測定結果は、実施例1と同様であった。
変更したグルコースセンサを作製した。他の部分は、上
記のグルコースセンサに等しく構成し、グルコースの濃
度を測定した。測定結果は、実施例1と同様であった。
【0023】実施例3 次に、本発明のバイオセンサシステムにより、アミノ酸
センサを構成した。本実施例のアミノ酸センサでは、微
生物に、ペプトンの供給を抑えた培地で培養したパン酵
母を使用し、他の構成は、実施例1のグルコースセンサ
に等しくした。ペプトンの供給を抑えた培地で培養した
パン酵母は、各種のアミノ酸の存在により、エタノール
を生成するので、上記のバイオセンサシステムに使用す
ることにより、ビタミンセンサが構成できる。測定結果
を第5図に示す。
センサを構成した。本実施例のアミノ酸センサでは、微
生物に、ペプトンの供給を抑えた培地で培養したパン酵
母を使用し、他の構成は、実施例1のグルコースセンサ
に等しくした。ペプトンの供給を抑えた培地で培養した
パン酵母は、各種のアミノ酸の存在により、エタノール
を生成するので、上記のバイオセンサシステムに使用す
ることにより、ビタミンセンサが構成できる。測定結果
を第5図に示す。
【0024】上記各実施例では、本発明のバイオセンサ
システムの一構成例を示したが、本発明のバイオセンサ
システムはこれに限定されるものではない。微生物に
は、麹菌、大腸菌等還元性の物質を代謝反応等で生成す
るものを広く使用することができる。また、金属酸化物
もフォトクロミック反応を起こすものであれば任意のも
のが使用可能である。さらに、微生物の調製により、被
検出物質も上記のものだけでなく、各種の栄養素、有機
物とすることもでき、BODセンサとすることも可能で
ある。一方、フォトクロミック反応による金属酸化物の
着色の度合を測定する方法も光導波路法に限定されな
い。例えば、通常の吸光法による測定も可能である。
システムの一構成例を示したが、本発明のバイオセンサ
システムはこれに限定されるものではない。微生物に
は、麹菌、大腸菌等還元性の物質を代謝反応等で生成す
るものを広く使用することができる。また、金属酸化物
もフォトクロミック反応を起こすものであれば任意のも
のが使用可能である。さらに、微生物の調製により、被
検出物質も上記のものだけでなく、各種の栄養素、有機
物とすることもでき、BODセンサとすることも可能で
ある。一方、フォトクロミック反応による金属酸化物の
着色の度合を測定する方法も光導波路法に限定されな
い。例えば、通常の吸光法による測定も可能である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明のバイオセンサシス
テムは、バイオセンサ固有の特徴である検知物質に対す
る選択性が高いだけでなく、感度および精度が高く、速
やかに測定を行うことができる。また、微生物の調製に
より各種の糖、ビタミン、BOD等多様な物質のセンサ
として使用可能であり、配置の自由度も高く、電極型バ
イオセンサと異なり測定対象の系に何ら影響を与えな
い。従って、特にin-situ測定に使用することが効果的
である。
テムは、バイオセンサ固有の特徴である検知物質に対す
る選択性が高いだけでなく、感度および精度が高く、速
やかに測定を行うことができる。また、微生物の調製に
より各種の糖、ビタミン、BOD等多様な物質のセンサ
として使用可能であり、配置の自由度も高く、電極型バ
イオセンサと異なり測定対象の系に何ら影響を与えな
い。従って、特にin-situ測定に使用することが効果的
である。
【図1】本発明のバイオセンサシステムの概念図であ
る。
る。
【図2】本発明のバイオセンサシステムの一例の断面図
である。
である。
【図3】図2のバイオセンサシステムを使用してグルコ
ースの濃度測定を行う場合の説明図である。
ースの濃度測定を行う場合の説明図である。
【図4】本発明のバイオセンサシステムによるグルコー
スの濃度測定の結果を示すグラフである。
スの濃度測定の結果を示すグラフである。
【図5】本発明のバイオセンサシステムによるアミノ酸
の濃度測定の結果を示すグラフである。
の濃度測定の結果を示すグラフである。
1 透明誘電体基板 2 金属酸化物薄膜 4 微小多孔質フィルタ 5 担体 10 平面光導波路 11、12 グレーティング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12Q 1/00 C12Q 1/00 C 1/54 1/54 G01J 1/02 G01J 1/02 K G01N 21/31 G01N 21/31 Z
Claims (9)
- 【請求項1】 フォトクロミック反応を示す金属酸化物
の薄膜と、該金属酸化物の薄膜に光を照射する光源と、
被検出物質の存在により還元性の物質を前記金属酸化物
の薄膜に達するよう放出する微生物を固定化した担体
と、を具備することを特徴とするバイオセンサシステ
ム。 - 【請求項2】 前記バイオセンサシステムが光導波路を
具備し、前記金属酸化物の薄膜が該光導波路に接触して
配置されていて、前記金属酸化物の薄膜のフォトクロミ
ック反応による着色の度合を該光導波路を透過する光の
吸光度により測定することを特徴とする請求項1に記載
のバイオセンサシステム。 - 【請求項3】 前記金属酸化物の薄膜が、疏水性且つ気
体透過性のフィルタで被覆されていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のバイオセンサシステ
ム。 - 【請求項4】 前記金属酸化物が、WO3 またはMoO3
であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
記載のバイオセンサシステム。 - 【請求項5】 前記還元性の物質が、エタノールである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
バイオセンサシステム。 - 【請求項6】 前記還元性の物質が、ギ酸であることを
特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のバイオ
センサシステム。 - 【請求項7】 前記微生物が、酵母または麹菌であるこ
とを特徴とする請求項5に記載のバイオセンサシステ
ム。 - 【請求項8】 前記微生物が、大腸菌であることを特徴
とする請求項6に記載のバイオセンサシステム。 - 【請求項9】 表面に光導波路を有する透明誘電体基板
と、該透明誘電体基板の該光導波路の上に配置されたフ
ォトクロミック反応を示す金属酸化物の薄膜と、該金属
酸化物薄膜の表面を被覆する疏水性且つ気体透過性のフ
ィルタと、該フィルタ上に配置された被検出物質の存在
により還元性の物質を発生する微生物を固定化した担体
と、前記金属酸化物薄膜に光を照射する光源と、前記光
導波路を進行するレーザ光の光源と、前記光導波路を透
過したレーザ光の強度を測定するセンサとを具備するこ
とを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のバ
イオセンサシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3265166A JP3016641B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | バイオセンサシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3265166A JP3016641B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | バイオセンサシステム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0572135A JPH0572135A (ja) | 1993-03-23 |
JP3016641B2 true JP3016641B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17413519
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3265166A Expired - Fee Related JP3016641B2 (ja) | 1991-09-17 | 1991-09-17 | バイオセンサシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3016641B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4659018B2 (ja) * | 2007-12-20 | 2011-03-30 | 日本航空電子工業株式会社 | 表面プラズモンセンサ |
JP5441855B2 (ja) * | 2010-09-10 | 2014-03-12 | 株式会社東芝 | 検査素子、検査キット、検査装置、および検査方法 |
-
1991
- 1991-09-17 JP JP3265166A patent/JP3016641B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0572135A (ja) | 1993-03-23 |
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