JP3016609B2 - 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法 - Google Patents

酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法

Info

Publication number
JP3016609B2
JP3016609B2 JP3032256A JP3225691A JP3016609B2 JP 3016609 B2 JP3016609 B2 JP 3016609B2 JP 3032256 A JP3032256 A JP 3032256A JP 3225691 A JP3225691 A JP 3225691A JP 3016609 B2 JP3016609 B2 JP 3016609B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
enzyme
screening
producing bacteria
substrate
test paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3032256A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04248994A (ja
Inventor
保之 兎束
泰弘 塚本
昭三 斉藤
俊彦 倉田
直人 杉山
芳春 又平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shizuoka Prefecture
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Shizuoka Prefecture
Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shizuoka Prefecture, Yaizu Suisan Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Shizuoka Prefecture
Priority to JP3032256A priority Critical patent/JP3016609B2/ja
Publication of JPH04248994A publication Critical patent/JPH04248994A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016609B2 publication Critical patent/JP3016609B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌、海水、河川水等
の自然界に分布し、産業上有用な酵素を生産する微生物
である酵素生産菌を、簡単かつ迅速にスクリーニングす
ることのできる酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及
びそれを用いたスクリーニング法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素は、生体細胞が生産する蛋白質性の
高分子有機触媒であって、毒性が少なく、基質特異性を
有し、温和な条件下に、低濃度で作用し、加熱などの簡
単な方法で失活させることができる等の特性を有し、食
品、医薬品、化粧品、トイレタリー製品、化成品などの
広い分野で、様々な形で利用されている。
【0003】酵素は、自然界に存在する動物、高等植
物、微生物から分離することができるが、これらのうち
微生物は安価で、かつ、細胞当りの酵素生産量が大き
く、大量培養が可能であるので、一般的には、微生物由
来の酵素を利用する場合が多い。
【0004】有用酵素を効率よく、安価に得るために、
酵素を生産する微生物、すなわち酵素生産菌は、酵素生
産能が強いものであることが望まれる。酵素生産能が強
い菌を選択育種する方法として、遺伝子組変え等のバイ
オテクノロジー技術を用いる方法もあるが、自然界から
見つけ出すこともまた有効な方法である。自然界から酵
素生産菌をスクリーニングする方法としては、例えば、
セルラーゼ生産菌の場合には、採取してきた土壌サンプ
ルを希釈して適切な寒天培地上に塗抹し、培養後に現わ
れるコロニーを釣菌分離する方法や、予め培地中に、基
質であるセルロース粉末を分散させておき、その溶解の
有無により判断する方法などがとられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でのスクリーニング法では、各地で採取した何百、何千
という不特定の土壌、海水、河川水等の多数のサンプル
を一度研究室や試験室に持ち帰り、スクリーニング操作
に熟練した人が多大な労力をかけて行なわなければなら
ず、製薬会社、酵素製造会社ほか、バイオ関連分野に携
わっている企業、機関等では、目的とする微生物のスク
リーニングに膨大な経費と人員を投入しなければならな
いという問題を有していた。
【0006】現在、臨床検査分野では、検出用成分を含
浸させた試験紙に、例えば尿を滴下するだけで、pH、ブ
ドウ糖、潜血、ウロビリノーゲン、蛋白質、ケトン体、
アスコルビン酸等の成分を半定量的に測定することがで
き、更には、試験紙と、測定装置システムとを組み合わ
せることにより、自動分析することもできる方法が採用
されている。しかし、自然界にある特定の成分や物質
を、試験紙を用いて検出するという報告はない。そこ
で、本発明者らは、酵素生産菌のスクリーニングに、酵
素検出用成分を含浸させ、呈色によりその有無を検出で
きる試験紙を用いる方法について鋭意研究し、本発明を
完成させた。
【0007】したがって、本発明の目的は、土壌、海
水、河川水等の自然界に分布する酵素生産菌を、スクリ
ーニングの経験を有さないものでも、簡単かつ迅速に、
しかもサンプル採取地で手軽にスクリーニングすること
ができる酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれ
を用いたスクリーニング法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の酵素生産菌のスクリーニング用試験紙は、
自然界に分布する酵素生産菌をスクリーニングするため
の試験紙であって、毛管現象により前記酵素生産菌を含
有する水を上昇させることができる基材に、前記水を上
昇させる方向から順に、サンプル中の固体物質を除去す
るための固液分離部と、酵素反応阻害物質を除去するた
めの酵素反応阻害物質除去部と、前記酵素生産菌が作用
すべき基質部と、該基質部に前記酵素生産菌が作用して
産生される成分と反応して呈色する成分を含浸させた検
出部とを設けたことを特徴とする。
【0009】また、本発明の酵素生産菌のスクリーニン
グ用試験紙を用いたスクリーニング法は、自然界に分布
する酵素生産菌をスクリーニングするためのサンプル
を、請求項1記載の酵素生産菌のスクリーニング用試験
紙の前記固液分離部に含浸させ、毛管現象により前記基
材中にサンプルを上昇させて、前記固液分離部でサンプ
ル中の固体物質を除去し、前記酵素反応阻害物質除去部
で酵素反応阻害物質を除去した後、前記酵素生産菌によ
り前記基質部を分解させ、前記検出部で、前記基質部の
分解により産生される成分と、前記検出部に含有される
成分とを反応させることにより、前記検出部を呈色さ
せ、呈色の有無により酵素生産菌の有無を判断すること
を特徴とする。
【0010】以下、本発明について、好ましい態様を挙
げて詳細に説明する。
【0011】本発明の酵素生産菌のスクリーニング用試
験紙に用いる基材は、毛管現象により酵素生産菌を含有
する水を上昇させることができる素材からなり、好まし
くはシート状をなすものであって、添加物や、ゴミ等の
不純物を含まず、均一性、耐酸性、耐アルカリ性、吸水
性、平滑性、機械的強度等に優れたものが好ましく、具
体的には、一般分析用のロ紙、ペーパークロマトグラフ
ィー用のロ紙等の紙、又はナイロン、ポリエステル、ポ
リプロピレン等の合成繊維からなる布が好ましい。な
お、紙又は合成繊維だけで所望の性質が得られない場合
は、紙又は合成繊維を改質するか、あるいは紙又は合成
繊維と、コラーゲン、アルギン酸、カルボキシメチルセ
ルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、セラミッ
ク等とを併用することもできる。また、基材は、全体が
一枚のシートで構成される必要はなく、複数枚のシート
を連結したもので構成してもよい。更に、形態は、一辺
が数mm〜数十cmの正方形ないし長方形が好ましく、必要
に応じて、プラスチック板などの支持体を貼り付けて補
強してもよい。
【0012】本発明の酵素生産菌のスクリーニング用試
験紙は、このような基材に、水を上昇させる方向から順
に、サンプル中の固体物質を除去するための固液分離部
と、酵素反応阻害物質を除去するための酵素反応阻害物
質除去部と、酵素生産菌が作用すべき基質部と、基質部
に酵素生産菌が作用して産生される成分と反応して呈色
する成分を含浸させた検出部とを設ける。
【0013】図1に、本発明の試験紙の概念図を示す。
矢印Aは、酵素生産菌を含有する水を上昇させる方向で
あり、この方向に順に、固液分離部11、酵素反応阻害
物質除去部12、基質部13、検出部14を設ける。
【0014】本発明の試験紙は、酵素生産菌が、基質を
分解して産生される成分と、検出部に含浸させた成分と
が反応して呈色することに基づいたものである。検出す
べき酵素生産菌が基質を分解して産生する成分と反応し
て呈色する成分は、検出すべき酵素生産菌に応じて選定
される。例えば、セルラーゼ生産菌のスクリーニング法
の一つとして、基質としてセルロースを用い、基質が分
解されて産生するグルコースを、図2に示す反応により
検出する方法がある。グルコースは、触媒としてのグル
コースオキシダーゼ(GOD)の存在下に、酸素で酸化
されて、グルコン酸と過酸化水素とを生成する。生成さ
れた過酸化水素に、触媒としてのペルオキシダーゼ(P
OD)の存在下に、還元型色素(DH2)であるo−ト
リジンを作用させると、還元型色素(DH2)が酸化型
色素(D)となって発色する。したがって、基材として
セルロースからなるロ紙を用いると、基材が基質部とし
ての作用もし、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダ
ーゼ及び、o-トリジンを含浸させた検出部を基材上に設
けておけば、ロ紙先端部から吸収誘導されるセルラーゼ
生産菌が、ロ紙(セルロース)を分解し、産生するグル
コースがこれらの成分と反応し、濃度依存的に呈色す
る。測定者は、既知濃度のセルラーゼ生産菌標準溶液、
セルラーゼ標準溶液、又はグルコース標準溶液で作成し
たスタンダードと呈色度合を比較することで、セルラー
ゼ活性を推測することができる。
【0015】なお、セルラーゼ生産菌の場合は、基質が
セルロースであるため、基材としてセルロースからなる
紙を用いた場合、セルロースがそのまま基質部となるの
で、特に基質部を必要としないが、一般的には、基質を
含浸又は塗布した基質部を設ける。
【0016】固液分離部は、酵素生産菌のスクリーニン
グをすべきサンプル中の固体物質を除去するために設け
る。酵素生産菌は、土壌、海水、河川水等の自然界に存
在するため、サンプルは微細な固体物質を有することが
多く、また、土壌等水分含量が少ない場合は、必要に応
じて乾燥し、粒度調整してから水に懸濁させた状態にし
て本発明の試験紙を用いるのが好ましいため、固体物質
やその色が検出の際の呈色反応の妨げになることが多
い。それを防止するために、試験紙の先端に、固液分離
部を接合しておくのが好ましい。固液分離部は、濾過用
素材を用いるのが好ましく、具体的には、セルロース、
ナイロン布、ポリエステル布、ポリプロピレン布等が使
用できる。これらのうち、耐薬品性、吸水性、濾過性等
に優れていることから、ナイロン布が特に好ましい。こ
れにより、土壌懸濁液のような固体粒子と着色した溶液
からなるスラリー状サンプルの測定も可能となる。
【0017】また、固液分離部の次に酵素反応阻害物質
除去部を設けておくのが好ましい。例えば、セルラーゼ
生産菌のスクリーニングの場合、セルラーゼが基質を分
解する前にサンプルに含まれているグルコースや過酸化
水素は、前述の呈色反応を阻害する。したがって、グル
コースオキシダーゼおよびカタラーゼを固定化した酵素
反応阻害物質除去部を設けておくことにより、反応を阻
害するグルコースや過酸化水素を除くことができる。実
験によれば、セルラーゼ生産菌はこれらの固定化酵素に
よって変化を受けることなく通過する。セルラーゼ生産
菌が基質を分解して産生されたグルコースは前述の反応
によって検出される。
【0018】本発明の酵素生産菌のスクリーニング方法
は、上記のように固液分離部、酵素反応阻害物質除去
部、基質部及び検出部を設けたスクリーニング用試験紙
を用いて、酵素生産菌をスクリーニングする。スクリー
ニングすべき酵素生産菌は、土壌、海水、河川水等の自
然界に存在するものである。サンプルが海水、河川水等
である場合はそのまま、土壌等水分含量が少ない場合
は、必要に応じて乾燥し、粒度調整してから水に懸濁さ
せた状態にしてから、本発明の試験紙の固液分離部に、
塗布、浸漬等の方法により含浸させる。すると、酵素生
産菌を含有する水が毛管現象により基材中を上昇し、固
液分離部で固体が除去され、酵素反応阻害物質除去部で
酵素反応を阻害する物質が除去された後、基質部で酵素
生産菌が基質を分解し、検出部で、基質を分解して産生
した成分と検出部に含浸された成分とが反応して呈色す
る。この呈色の有無、又は程度により、酵素生産菌をス
クリーニングすることができる。
【0019】
【作用】本発明の酵素生産菌のスクリーニング用試験紙
は、酵素生産菌が基質を分解して産生する成分と反応し
て呈色する成分を含浸させた検出部を有するので、サン
プルを、試験紙に付着させるだけで、検出部の呈色の有
無、又は程度により、酵素生産菌をスクリーニングする
ことができる。
【0020】また、試験紙のサンプルを付着させる側の
先端部に固液分離部を有するので、サンプルが有色の懸
濁物質を含有するものであっても、有色の懸濁物質を除
去して、検出部の呈色に影響を与えないようにすること
ができる。
【0021】更に、酵素反応阻害物質除去部を有するの
で、ここで酵素反応阻害物質を除去して、検出精度を高
めることができる。
【0022】更にまた、予め、各種濃度に調整した酵素
生産菌、酵素、又は酵素生産菌が基質を分解して産生す
る成分の標準液により、呈色の程度を調べておき、それ
と比較することにより、酵素生産菌の有無だけでなく、
酵素生産菌によって産生された酵素活性の強さも知るこ
とができる。
【0023】本発明の酵素生産菌のスクリーニング法
は、サンプルを、予め作成しておいた試験紙に含浸さ
せ、呈色の度合いを観察するだけで行なうことができる
ので、従来のように、スクリーニングの経験を積んだ人
でなくても、サンプルの採取地で、簡単かつ迅速に、酵
素生産菌のスクリーニングを行なうことができる。
【0024】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を更に具体的に
説明する。
【0025】実施例1(セルラーゼ生産菌のスクリーニ
ング用試験紙の作成)図3(a) 、(b) には、本発明をセ
ルラーゼ生産菌のスクリーニング用試験紙に適用した一
実施例が示されている。この試験紙は、酵素生産菌を含
有する水分を上昇させる方向Aに沿って順に、固液分離
部であるナイロン布21と、酵素反応阻害物質除去部で
あるグルコースオキシダーゼ固定化布22及びカタラー
ゼ固定化布23と、基質部を構成するロ紙24とが連結
して配置され、ロ紙24の先端部分に、検出部をなす、
グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及びo−ト
リジンを含浸させた呈色部分25が配置され、全体をプ
ラスチック板26に支持されている。この試験紙の長さ
L1は13cm、幅Dは1cmであり、ロ紙24の部分の長さL2
は10cmである。
【0026】この試験紙は、以下のようにして作成し
た。まず、10×200mm の大きさのロ紙24(商品名「東
洋濾紙 No.5C」)を切り、図3に示すように、一端から
100mm のところまで丸めて、プラスチック片26(10×
130mm )上に貼り付けた。更にプラスチック片26の他
端から、ナイロン布21、グルコースオキシダーゼ固定
化布22及び固定化カタラーゼ布23を、それぞれ端部
が重なるようにして貼り付け、固定化カタラーゼ布23
の端部を上記ロ紙24に重ねて連結した。また、ロ紙2
4上に、グルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ及
びo−トリジンを含浸させた呈色部分25を貼り付け
た。
【0027】実施例2(セルラーゼ標準液の検出)市販
の赤玉土、及び甲府市内で採取した庭土(肥沃土)を、
100 ℃で2時間乾燥させ、水分を除去した後、Mesh N
o.10 のふるいでふるい落とした。尚、予めの分析結果
より、赤玉土はグルコースは含まず、甲府市内の庭土
(肥沃土)は含むことがわかっている。
【0028】各濃度のセルラーゼ溶液(0.05M 酢酸緩衝
液 pH4.5)5mlを、赤玉土、肥沃土5gにそれぞれ加
え、実施例1で作成したセルラーゼ生産菌のスクリーニ
ング用試験紙を差し込み、30分後の呈色の様子を観察し
た。
【0029】また、各濃度に調整したセルラーゼ溶液4
mlに、1mg/mlの濃度としたグルコース溶液(0.05M 酢
酸緩衝液 pH4.5)を1ml加えたもの、及び0.75mg/mlの
過酸化水素溶液(0.05M 酢酸緩衝液 pH4.5)を1ml加え
たものを調整し、赤玉土、肥沃土5gにそれぞれ加え、
同様の試験紙及び方法で呈色の様子を観察した。
【0030】赤玉土におけるセルラーゼ生産菌のスクリ
ーニング用試験紙の呈色結果を図4に、肥沃土における
セルラーゼ生産菌のスクリーニング用試験紙の呈色結果
を図5に示した。横軸はセルラーゼ濃度、縦軸は判定ラ
ンクを表わす。これらの結果から、サンプル中に、検出
阻害物質であるグルコース、過酸化水素を含有する場合
においても、呈色反応は阻害されず、正確に検出できる
ことがわかる。また、0.01mg/1gの濃度としたセルラ
ーゼでも検出できるので、比較的低濃度のセルラーゼで
も検出可能であることがわかる。
【0031】実施例3(製紙工場敷地内の土壌における
セルラーゼ生産菌の検出)製紙業が盛んな山梨県市川大
門町にある製紙工場5社の各敷地内3ケ所ずつ、計15ケ
所で、土壌を採取した。これらの土壌をそれぞれ、スパ
ーテルでかき混ぜながら、蒸留水を加えて泥状にし、更
に0.05M 酢酸緩衝液(pH4.5)を5ml加えた後、一ケ所の
土壌につき2枚ずつ実施例1で作成したセルラーゼ生産
菌スクリーニング用試験紙を差し込み、30分後の呈色の
様子を観察した。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から、土壌No.7のスラッジ収集
場の土壌にはセルラーゼ生産菌が含有され、土壌No.8の
スラッジ収集場の土壌にはセルラーゼ生産菌が若干含有
されているが、他の土壌には含有されていないことがわ
かる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酵素生産
菌のスクリーニング用試験紙を用いてスクリーニングす
れば、場合によっては有色の固体物質及び/又は検出阻
害物質を含有するサンプルであっても、サンプルの採取
地において、スクリーニングの経験を有さない者でも、
簡単かつ迅速に、目的とする微生物の有無を判別できる
ので、有用なサンプルだけを持ち帰ることができる。し
たがって、製薬会社、酵素製造会社ほか、バイオ関連分
野に携わっている企業、機関等において、目的とする酵
素生産菌のスクリーニングにかかる経費と人員を大幅に
節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酵素生産菌のスクリーニング法に用い
る試験紙の概念図である。
【図2】セルラーゼ生産菌が、基質であるセルロースを
分解して産生するグルコースの検出反応式を示す図であ
る。
【図3】本発明の酵素生産菌のスクリーニング法に用い
る試験紙の一実施例を示す図であり、(a) は平面図、
(b) は側面図である。
【図4】赤玉土における各種濃度のセルラーゼのセルラ
ーゼ生産菌のスクリーニング用試験紙の呈色の様子を示
す図表である。
【図5】肥沃土における各種濃度のセルラーゼのセルラ
ーゼ生産菌のスクリーニング用試験紙の呈色の様子を示
す図表である。
【符号の説明】
11 固液分離部 12 酵素反応阻害物質除去部 13 基質部 14 検出部 21 ナイロン布 22 グルコースオキシダーゼ固定化布 23 カタラーゼ固定化布 24 ロ紙 25 呈色部分 26 プラスチック板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 昭三 静岡県静岡市緑が丘町18−2 (72)発明者 倉田 俊彦 静岡県清水市八坂西町13−13 (72)発明者 杉山 直人 静岡県静岡市銭座町111−4 (72)発明者 又平 芳春 静岡県島田市東町1510−2 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自然界に分布する酵素生産菌をスクリー
    ニングするための試験紙であって、毛管現象により前記
    酵素生産菌を含有する水を上昇させることができる基材
    に、前記水を上昇させる方向から順に、サンプル中の固
    体物質を除去するための固液分離部と、酵素反応阻害物
    質を除去するための酵素反応阻害物質除去部と、前記酵
    素生産菌が作用すべき基質部と、該基質部に前記酵素生
    産菌が作用して産生される成分と反応して呈色する成分
    を含浸させた検出部とを設けたことを特徴とする酵素生
    産菌のスクリーニング用試験紙。
  2. 【請求項2】 自然界に分布する酵素生産菌をスクリー
    ニングするためのサンプルを、請求項1記載の酵素生産
    菌のスクリーニング用試験紙の前記固液分離部に含浸さ
    せ、毛管現象により前記基材中にサンプルを上昇させ
    て、前記固液分離部でサンプル中の固体物質を除去し、
    前記酵素反応阻害物質除去部で酵素反応阻害物質を除去
    した後、前記酵素生産菌により前記基質部を分解させ、
    前記検出部で、前記基質部の分解により産生される成分
    と、前記検出部に含有される成分とを反応させることに
    より、前記検出部を呈色させ、呈色の有無により酵素生
    産菌の有無を判断することを特徴とする酵素生産菌のス
    クリーニング用試験紙を用いたスクリーニング法。
JP3032256A 1991-02-01 1991-02-01 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法 Expired - Fee Related JP3016609B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032256A JP3016609B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3032256A JP3016609B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04248994A JPH04248994A (ja) 1992-09-04
JP3016609B2 true JP3016609B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=12353936

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3032256A Expired - Fee Related JP3016609B2 (ja) 1991-02-01 1991-02-01 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3016609B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04248994A (ja) 1992-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE69735127T2 (de) Enzymsensor
Skladal et al. Sensitive detection of pesticides using amperometric sensors based on cobalt phthalocyanine-modified composite electrodes and immobilized cholinesterases
Trojanowicz Determination of pesticides using electrochemical enzymatic biosensors
Martorell et al. Amperometric determination of pesticides using a biosensor based on a polishable graphie-epoxy biocomposite
Tønning et al. Chemometric exploration of an amperometric biosensor array for fast determination of wastewater quality
de Oliveira Marques et al. Comparative investigation between acetylcholinesterase obtained from commercial sources and genetically modified Drosophila melanogaster: application in amperometric biosensors for methamidophos pesticide detection
AU2005217026A1 (en) Measuring contamination
Liu et al. Short-term BOD (BODst) as a parameter for on-line monitoring of biological treatment process: Part I. A novel design of BOD biosensor for easy renewal of bio-receptor
Skladal et al. Detection of pesticides in the environment using biosensors based on cholinesterases
DE60118797T2 (de) Verfahren zur detektion und messung der biomasse
EP1259800B1 (de) Enzymatisch-elektrochemische messeinrichtung
EP1529213B1 (en) The method and apparatus for determining the number of living cells in a test fluid
US6509166B1 (en) Detection and quantification of one or more target analytes in a sample using spatially localized analyte reproduction
JP3016609B2 (ja) 酵素生産菌のスクリーニング用試験紙及びそれを用いたスクリーニング法
Yoshida et al. Monitoring of the composting process using a mediator-type biochemical oxygen demand sensor
EP1700919A1 (en) Biosensor having soil microorganism housed therein and use thereof
Collier et al. Convenient and rapid detection of pesticides in extracts of sheep wool
JPH07119738B2 (ja) 生物電気化学電池
Nunes et al. Electrochemical biosensors for pesticide determination in food samples
EP0138938A1 (en) Method and device for detecting microorganisms
Lathika et al. Determination of urinary oxalate using banana oxalate oxidase: comparison with immobilized enzyme
DE60028201T2 (de) Überwachung von genexpression
Boni et al. Optimized biosensors based on purified enzymes and engineered yeasts: detection of inhibitors of cholinesterases on grapes
Campanella et al. Determination of compounds with anticholinesterase activity in commercial drugs by a new enzyme sensor
Goriushkina et al. Application of amperometric enzyme biosensors for wine and must analysis

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees