JP3015073B2 - 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法 - Google Patents

連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法

Info

Publication number
JP3015073B2
JP3015073B2 JP2172466A JP17246690A JP3015073B2 JP 3015073 B2 JP3015073 B2 JP 3015073B2 JP 2172466 A JP2172466 A JP 2172466A JP 17246690 A JP17246690 A JP 17246690A JP 3015073 B2 JP3015073 B2 JP 3015073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber bundle
air nozzle
fiber
opening
filament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2172466A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0465548A (ja
Inventor
純人 清岡
正司 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP2172466A priority Critical patent/JP3015073B2/ja
Publication of JPH0465548A publication Critical patent/JPH0465548A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3015073B2 publication Critical patent/JP3015073B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無撚の連続マルチフイラメント繊維束を静
電気反発力と圧縮空気流の作用によつてモノフイラメン
ト状まで開繊する方法に関するものである。開繊フイラ
メントはシート状に捕集し、その後適当な接着又は絡合
によつてスパンボンド不織布となす事ができる。
[従来の技術] 連続マルチフイラメント繊維束を静電気的に開繊する
方法は特公昭37−4993号にはじまり、数多く提案されて
きている。中でも連続フイラメント繊維束に外部より電
極により高電圧を印加する強制帯電法は数が多い。すな
わち帯電されたエアーノズル中を通過させフイラメント
繊維束を帯電させる方法、エアーノズルの上手あるいは
出口付近でフイラメント繊維束に対し連続コロナ放電を
行なう方法。筒状の電極中に連続フイラメント繊維束を
通過させる方法。ガイドなどを電極としてこれにフイラ
メント繊維束を接触させ帯電させる方法などがある。例
えば、特公昭37−4993号では、エアーノズルを帯電させ
る方法、エアーノズルの上手で繊維束に連続コロナ放電
を行なう方法が記述されている。特公昭63−42016号で
は、エアーノズル出口付近でコロナ放電を行なう方法、
実公昭50−9366号では、筒状電極を用いた帯電方法、特
開昭50−126960号では、ガイド状の電極に繊維を接触さ
せ帯電させる方法が提案されている。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等は、無撚マルチフイラメント繊維束を強制
帯電法により開繊させる事を検討した結果、前述の従来
技術には重要な問題点のある事がわかつた。即ち、特公
昭37−4993号ではエアーノズル自体を高電圧に帯電さ
せ、この中に繊維束を通過させ帯電させるかエアーノズ
ルの上手のフイラメント束近傍で連続コロナ放電を行な
う事により、フイラメント束に静電気を帯びさせ静電気
的反発力で開繊させるという提案がなされている。本発
明者等の実験によれば、理由は不明であるがエアーノズ
ルへの電圧印加位置が非常に重要であり、特公昭37−49
93号の方法では、フイラメント束を開繊させる事は可能
であるが、その状態は不均一であり、連続して安定した
均一な開繊状態を得ることが困難であつた。またコロナ
放電による場合には印加電極とターゲツト間に繊維束を
通過させる時、糸の通過位置が重要となるが、上記方法
の場合、糸の通過位置が安定せず、均一な開繊状態を得
ることができない。特公昭63−42016号ではエアーノズ
ル出口にコロナ放電電極を設けているため、前述のよう
に糸の安定した走行状態が得られにくく、開繊状態も不
均一となりやすい。また実公昭50−9366号では筒状の電
極を作成し、これに高電圧印加し、この中にフイラメン
ト束を通過させ帯電させる方法が提案されている。この
方法による開繊では、電極の径があまり太いものでは均
一に開繊されにくいため、処理できるフイラメント束の
太さがかなり細いものに限られ、また、処理速度が高速
にできないという欠点をもつものである。特開昭50−12
6960号では、ガイド状の電極にマルチフイラメント繊維
束を接触させ帯電させるが、電極上で開繊されたフイラ
メントをウエツブ状にするための搬送が非常に困難であ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、従来技術の上記のような問題点を解消
した連続マルチフイラメントを完全に開繊する方法につ
いて鋭意検討した結果本発明に到達したものである。
即ち、本発明は、無撚の連続マルチフィラメント繊維
束を開繊する方法において、撚が入らないように送られ
てきた該マルチフィラメント繊維束を、糸放出口先端部
において直流プラスまたはマイナス10〜100KVに高電圧
印可されかつ絶縁されたエアーノズルに通すことにより
帯電させるとともに圧縮空気流で該エアーノズル前方に
吹き出し、繊維間の静電的な反発力と圧縮空気流の作用
により該繊維束をモノフィラメント状まで開繊する事を
特徴とする連続マルチフィラメント繊維束の開繊方法で
ある。
本発明でいう無撚の連続マルチフイラメント繊維束と
は、本質的に撚りの入らないすなわち例えば撚糸操作等
によつて撚りの加えられていないマルチフイラメント繊
維束の事であつて、その素材は高度の導電性を示す金属
繊維や炭素繊維を除く、あらゆる有機、無機、合成、化
学の各種繊維の事であるが、一般にはポリエステル、ポ
リアミド、ポリオレフイン、ポリビニルアルコール、ポ
リウレタン、ポリカーボネート、アラミド、ポリアリレ
ート、レーヨン等である。その使用形態は一旦ボビン等
に捲き取られたものが用いられるが、それらのフイラメ
ントが紡糸される工程に連続するものであつても差し支
えない。
本発明の実施態様を概略図、第1図によつて、その構
成をさらに説明する。1の供給ボビンより、無撚の連続
マルチフイラメントが撚りが入らぬように引き出され
る。2は張力付加装置であり、耐摩耗性金属あるいはセ
ラミツクなどで作成されている。2は張力を付加すると
同時に、収束しているマルチフイラメントを機械的にも
みほぐす効果をもつ、3a,3bは開繊剤付加装置であり、
ノズルにおける高電圧印加のみでは、開繊性に劣る繊維
束に対し必要に応じ3aまたは3bでのみ、あるいは両方で
用いられ、処理液としては誘電性揮発性液体などを用い
る事が望ましい。これ等の処理液を付加することによ
り、フイラメント表面の電気抵抗値が、開繊に適した値
になることにより、開繊が適切に進められる。従つて、
もし使用するときも開繊剤の量は、多すぎても、少なす
ぎても適切ではなく、電圧印加位置であるノズル通過時
に適当な付着量となつている事が必要であり、糸の処理
速度、開繊剤の揮発性などに応じて、付加装置での付着
量が調整される。
4aは駆動金属ロールであり、4bはスリツプ防止ロール
である。無撚マルチフイラメントは、ロール4aおよび4b
に数回巻きつけられることにより、前進させられ、また
スリツプが防止され、また、3aで開繊剤を付加した場合
には、マルチフイラメントが、ロールに押さえつけられ
るための変形により、開繊剤が各フイラメント間に均一
に付着することを促進する効果をもつ。4cは、金属ロー
ルとの摩擦によつて回転する表面がエラストマーからな
るロールで、走行中のフイラメントに撚りが混入する事
を防ぐ目的でおかれる。また、このロールの押え圧を変
更させ、付着させた開繊剤の量を調整することもでき
る。金属ロールにより送られた繊維束は、エアーノズル
5に導入される。エアーノズル5の糸出口最先端は、高
電圧発生装置7に接続されておりプラスまたはマイナス
(以下±と記す)10〜100KV、好ましくは±30〜100KV、
更に好ましくは±50〜100KVの直流高電圧を印加するこ
とにより、通過する繊維束を帯電をさせる。極性はプラ
スまたはマイナスのいずれであっても良い。印加電圧
は、繊維束のデニール、フイラメント数、処理速度によ
り適正な値がある。
即ち、細デニール、少フイラメント数、低速処理での
繊維束に対しては±10KV程度の電圧でも良好な開繊状態
を得ることができ、デニール、フイラメント数、処理速
度の増加とともにその適正値は増加する。
しかし、本発明者等の実験においては、いずれの場合
も、±10KV未満では開繊させることはできず、また、試
験した範囲内では±100KVより高圧を印加することは安
全性等も含めた意味で装置、設備的に大へん大がかりな
ものとなり費用も多大なものとなるにもかかわらず、開
繊性には、それ程大きな影響を及ぼさないため、最大で
も±100KVで十分である。
エアーノズルにより、繊維束を帯電させるとき、重要
なことは、第2図に示すごとくエアーノズル最先端部
(糸放出口最先端部)(ターミナル13)に高圧電源との
接続を行なうことである。詳細な理由は不明であるが、
本発明者等の実験によれば、エアーノズルの繊維束入口
付近や、ノズル中央部に高圧電源との接続部(ターミナ
ル14、15)を設けても、良好な開繊状態を得ることはで
きなかつた。この理由について本発明者らは以下のよう
に推定している。エアーノズルの糸吸引口や中央部に高
電圧印加した場合、糸表面に起こつた帯電とノズルの糸
通路内の壁面の高電圧印加による極性が同じとなるた
め、繊維束のノズル内通過中反発力により、糸は非常に
広がることを押さえられた状態となる。このため、ノズ
ル内での圧縮エアーによる糸への振動が糸相互のからみ
合いを引き起こし開繊不良となる。これに対しノズルの
糸放出口最先端部で高電圧を印加した場合、繊維束は帯
電されたのち直ちに空中に送り出されるため、帯電によ
る反発力がすぐにフイラメント間の開繊にのみ生かさ
れ、また、圧縮エラーの膨張や糸に与えられる振動がこ
の開繊を補助し、より良好な開繊状態となるのではない
かと考えている。
前述のようにして帯電した繊維束はエアーノズル部6
より送り込まれた圧縮エアーにより前方に搬送されると
共に、このエアーによる膨張作用と振動により帯電し互
いに反発しようとする各フイラメントがより均一にモノ
フイラメント状まで開繊することが可能となる。即ち、
強制帯電により帯電した繊維束をモノフイラメント状ま
で開繊させるためにエアーノズルを通すことは必要不可
欠なことである。
本発明によれば無撚の連続マルチフイラメント束を安
定かつ非常に良好なすなわちフイラメントがほとんど集
束することなく完全にバラケた状態まで開繊する事がで
きる。しかも、その処理速度を5000m/分程度まで上げる
事が可能で実用に供した場合に高い生産性が得られる。
又本発明の方法で得られた開繊フイラメントは、エア
ーノズルから放出される空気流と共に、連続的に移動す
る金網ベルトコンベア状の捕集装置上へ推積してシート
を形成させ、その後適当な方法により“ボンデイング”
することによつてフイラメント繊維からなる不織布“ス
パンボンド不織布”を作成する事が出来る。
[実施例] 次に本発明の実施態様を具体的な実施例で説明する
が、本発明は、これ等実施例によつて限定されるもので
はない。
実施例−1 ポリエステル400dr/192fの無撚糸を、第2図のエアー
ノズルを組み合わせた第1図の装置に通し、ノズル糸放
出口最先端部(ターミナル13)に−40KVを印加し、繊維
束を帯電させ処理速度1000m/min、圧縮エアー圧4kgf/cm
2で開繊試験を行なつた結果、ポリエステルフイラメン
ト束は、非常に良好な開繊状態を得ることができた。
比較例−1 実施例−1と同一の条件で、エアーノズル糸入口部
(ターミナル15)に高電圧を印加する試験を行なつた
所、ノズル吸引部付近で糸は開繊するが、ノズル放出後
は、ほとんど開繊しない状態であつた。
比較例−2 実施例−1の繊維束および試験条件において、印加電
圧のみ−5KVにして試験を実施した所、繊維束には何の
変化もみられず、開繊をさせる事はできなかつた。
実施例−2 レーヨン連紡糸600dr/200fをノズル糸放出口先端に+
50KV電圧を印加し、処理速度700m/min、圧縮エアー圧4k
gf/cm2で開繊試験を行なつたところ、結果は非常に良好
な開繊状態となつた。
実施例−3 ポリエステル1000dr/192fを処理速500m/min、エアー
圧4kgf/cm2、エアーノズル糸放出口先端に−100KVの電
圧を印加し、試験を行なつた所、ブローされた糸は所々
未開繊束状部を含む開繊状態となつた。
実施例−4 実施例−3と同一条件で、第1図中3a,3bでメタノー
ルを繊維束に塗布しブローンした所、開繊状態は非常に
良好なものとなつた。
実施例−5 ポリエステル500dr/240f無撚糸を第1図の装置に通し
エアーノズルの糸放出口先端部に+100KVを印加し、処
理速度4600m/min、圧縮エアー圧4kgf/cm2で開繊試験を
行なつた結果、フイラメント束は良好な開繊状態となつ
た。
実施例−6 ポリビニルアルコール無撚糸200drを第1図の装置に
よりエアーノズル先端印加電圧−20KV、処理速度600m/m
inで開繊試験をした所良好な開繊結果となつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の実施に用いられるフイラメント
束開繊装置の概略を示すものである。 第2図は、本装置に組み込まれるエアーノズルの概略図
である。 1……無撚連続マルチフイラメント供給ボビン 2……張力付加装置 3a,3b……処理剤付加装置 4a……金属ロール 4b……スリツプ防止ロール 4c……エラストマーロール 5……エアーノズル 6……圧縮空気吹入口 7……高電圧発生装置 11……繊維束吸引口 12……繊維束放出口 13……電圧印加用ターミナル 14……電圧印加用ターミナル 15……電圧印加用ターミナル

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無撚の連続マルチフィラメント繊維束を開
    繊する方法において、撚が入らないように送られてきた
    該マルチフィラメント繊維束を、糸放出口先端部におい
    て直流プラスまたはマイナス10〜100KVに高電圧印可さ
    れかつ絶縁されたエアーノズルに通すことにより帯電さ
    せるとともに圧縮空気流で該エアーノズル前方に吹き出
    し、繊維間の静電的な反発力と圧縮空気流の作用により
    該繊維束をモノフィラメント状まで開繊する事を特徴と
    する連続マルチフィラメント繊維束の開繊方法。
JP2172466A 1990-06-28 1990-06-28 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法 Expired - Fee Related JP3015073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2172466A JP3015073B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2172466A JP3015073B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0465548A JPH0465548A (ja) 1992-03-02
JP3015073B2 true JP3015073B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=15942517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2172466A Expired - Fee Related JP3015073B2 (ja) 1990-06-28 1990-06-28 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3015073B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109137310A (zh) * 2018-10-29 2019-01-04 浙江康洁丝新材料科技有限公司 一种丝束介质喷涂机构、方法及多用途加弹机

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0465548A (ja) 1992-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3358436A (en) Process for spreading or dividing textile materials
US5225018A (en) Method and apparatus for providing uniformly distributed filaments from a spun filament bundle and spunbonded fabric obtained therefrom
US2116942A (en) Method and apparatus for the production of fibers
JPS60126373A (ja) エレクトレツト製造方法及びその生成物
US3657871A (en) Method and apparatus for spreading or dividing yarn, tow or the like
MXPA01012178A (es) Metodos y aparato para entrelazar filamentos y metodos para fabricar tal aparato.
JP3015073B2 (ja) 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法
US3482389A (en) Production of fancy yarn
US20230160107A1 (en) System and method for electrospinning superfine fiber bundling
JPH10310974A (ja) 導電性繊維の製造方法
JPH06158503A (ja) フィラメント束の開繊方法
JP2916288B2 (ja) ポリエステル系マルチフィラメント束の開繊方法
JPS596933B2 (ja) レンゾクマルチフイラメントシノ カイセンホウホウ
JP2957636B2 (ja) 連続マルチフイラメント繊維束の開繊方法
JP3059271B2 (ja) ポリエステル系マルチフィラメント束の開繊法
GB2190927A (en) Electrostatic sizing of textile threads
CN217052517U (zh) 梳棉机消除高比电阻纤维静电装置
JP4037478B2 (ja) 導電性除電シート及びそれを用いた服飾品
JPH01298229A (ja) オープンエンド紡績方法及び紡績装置
US3855778A (en) Process for forming an improved fiber tow by applying false twist to the tow
JPS61621A (ja) 複合糸の製法
JP3197928B2 (ja) ポリビニルアルコール系長繊維不織布の製造方法
KR101621871B1 (ko) 분섬노즐부를 가지는 링방적기 및 그에 의한 세번수 방적사 제조방법
JPH022980B2 (ja)
JPH05311562A (ja) 繊維の混繊開繊方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees