JP3014769B2 - 血小板保存容器 - Google Patents

血小板保存容器

Info

Publication number
JP3014769B2
JP3014769B2 JP2401059A JP40105990A JP3014769B2 JP 3014769 B2 JP3014769 B2 JP 3014769B2 JP 2401059 A JP2401059 A JP 2401059A JP 40105990 A JP40105990 A JP 40105990A JP 3014769 B2 JP3014769 B2 JP 3014769B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
storage container
platelet
platelet storage
weight
bag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2401059A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04210061A (ja
Inventor
貴弘 横尾
真一 高良
光彦 木曽
三樹男 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Terumo Corp
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Terumo Corp, Idemitsu Petrochemical Co Ltd filed Critical Terumo Corp
Priority to JP2401059A priority Critical patent/JP3014769B2/ja
Publication of JPH04210061A publication Critical patent/JPH04210061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3014769B2 publication Critical patent/JP3014769B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血小板保存容器に関す
るものである。詳しく述べると、本発明は、高い酸素透
過能を有し、可塑剤等の血液に移行し得る成分を実質的
に含有せず、柔軟性に優れた血小板保存容器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、献血によって得られた輸血用血液
の有効利用を促進するために、より長期の血液保存を可
能にする保存手段が求められている。特に血小板は、現
在、わが国において3日間の保存しか認められておら
ず、この保存期間の短さが、血小板製剤の有効利用上の
障害になっている。
【0003】血小板は、低温にさらされるとその機能を
不可逆的に喪失する性質があるために、通常、保存は2
2℃程度の温度で行われる。この温度では、血小板のエ
ネルギー代謝は活発で、血小板は保存液中に代謝基質と
して添加されているグルコースを消費して、その構造お
よび機能を維持するために必要なエネルギーを得てい
る。この際、上記温度条件に加えて、酸素の供給が十分
に行われていれば、「好気的代謝」と呼ばれている状態
が維持され、代謝物として水と二酸化炭素が産生される
が、酸素の供給が不十分な環境下では、「嫌気的代謝」
と呼ばれている状態に陥り、大量の乳酸が産生される。
この乳酸により血小板浮遊液のpHが低下し、保存環境
が悪化し、ついには血小板機能が不可逆的に喪失してし
まうという問題が生じる。すなわち、血小板を良好な状
態で保存するためには、酸素を十分に供給することが重
要な課題であり、このため、血小板保存容器には高い酸
素透過性が要求される。
【0004】一般的に、単位体積当たりの血液中に含ま
れる血小板の数は、個人によってかなりの程度のバラツ
キがあるため、これから分画して製造された血小板浮遊
液中の血小板数にもバラツキが生じる。現在わが国で広
く用いられている血液保存容器は、軟質ポリ塩化ビニル
樹脂で作られている。しかし、この樹脂の酸素透過性
は、上述の血小板数のバラツキを考慮すると必ずしも十
分とはいえず、現行の軟質ポリ塩化ビニル製バッグの少
なくとも2倍の酸素透過能が、経験上必要であると考え
られる。
【0005】また、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製の血小板
保存容器は、以下に示す問題点をも有する。すなわち、
医療用軟質ポリ塩化ビニル樹脂には、可塑剤としてDE
HP(ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート)が添加
されている。この物質は、血液に対する移行性を有して
いるため、この容器を血小板保存用に使用すると、血小
板浮遊液中に移行する。そして、この血液中に移行した
DEHPは、血小板機能を低下させることが報告されて
いる(笹川ら、ボックスサング(Vox Sang) 第45巻、
ページ68〜76(1983))。
【0006】以上示されたように、現在広く用いられて
いる軟質ポリ塩化ビニル製血液保存容器は、酸素透過能
が不十分であり、さらに軟質ポリ塩化ビニル樹脂中に添
加されている可塑剤が血液中に移行し、血小板機能を低
下させてしまうため、血小板保存容器としては適当でな
いという問題を有するものである。
【0007】これらの欠点を克服するために、可塑剤と
してTEHTM(トリ−(2−エチルヘキシル)トリメ
リテート)を含有するポリ塩化ビニル製の血液バッグが
考案された(米国特許第4,280,497号)。この
バッグは、可塑剤が血液中に移行しないという点では優
れているものの、酸素透過性が依然20〜30%増し程
度と低く、不十分であるという問題を残している。
【0008】また、特開昭56−60,404号では、
高ガス透過性のポリオレフィン製血液バッグが開示され
ているが、このバッグに用いられている材質は、ゴム成
分の含有量が多いため、ゴム様の弾性が強くなり、柔軟
性が不十分であるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、高い酸素透過能を有し、可塑剤等の血液に移行し得
る成分を実質的に含有せず、さらに、優れた柔軟性をも
有する血小板保存容器を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、(a)直
鎖状低密度ポリエチレン30〜70重量%、(b)ポリ
プロピレン0〜40重量%、(c)ゴム成分20〜30
重量%から構成されるポリマー組成物であって、(a)
の直鎖状低密度ポリエチレンがエチレンと炭素数3以上
のα−オレフィンとの共重合体であるポリマー組成物か
ら形成されてなることを特徴とする血小板保存容器によ
って達成される。
【0011】本発明はまた、(a)の直鎖状低密度ポリ
エチレンが、エチレンと炭素数4以上10以下のα−オ
レフィンとの共重合体である血小板保存容器を示すもの
である。本発明はまた、(c)のゴム成分が、ポリ(エ
チレンブチレン)−ポリスチレンブロック共重合体であ
る血小板保存容器を示すものである。本発明はさらに、
厚さが100〜300μmのシートから形成されてなる
血小板保存容器を示すものである。
【0012】
【作用】本発明に係わる血小板保存容器は、(a)直鎖
状低密度ポリエチレン30〜70重量%、(b)ポリプ
ロピレン0〜40重量%、(c)ゴム成分20〜30重
量%から構成されるポリマー組成物であって、(a)の
直鎖状低密度ポリエチレンがエチレンと炭素数3以上の
α−オレフィンとの共重合体であるポリマー組成物から
形成されてなることを特徴とするものであり、該ポリマ
ー組成物中に直鎖状低密度ポリエチレンおよびゴム成分
を配合することによって、血小板保存容器に柔軟性およ
び高い酸素透過能をそれぞれ付与することができる。
【0013】本発明の血小板保存容器に用いられるポリ
マー組成物における直鎖状低密度ポリエチレンは、エチ
レンと炭素数が3以上のα−オレフィンとの共重合体で
ある。エチレンと共重合するコモノマーである他のα−
オレフィンとしては、具体的には、例えばプロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メチ
ルペンテン−1などが挙げられるが、これらのうち、よ
り好ましくは炭素数が4〜10のα−オレフィンであ
る。なお、エチレンと共重合する他のα−オレフィン
は、一種であってもそれ以上の混合であっても良い。さ
らに、この直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.9
00〜0.940、好ましくは0.905〜0.925
である。また、本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエ
チレンのメルトインデックス(MI)は、0.5〜2
0、好ましくは0.8〜4である。
【0014】さらに、本発明の血小板保存容器において
使用されるポリマー組成物における直鎖状低密度ポリエ
チレン含量は、30〜70重量%、より好ましくは50
〜65重量%である。ポリマー組成物における直鎖状低
密度ポリエチレン含量が30重量%未満であると、血小
板保存容器に必要な柔軟性が得られず、また、上記含量
が70重量%を超えると、柔軟性の高いポリマー組成物
は得られるが、酸素透過能が不十分となる上、遠心分離
操作によって不可逆的な変形を起こしやすくなる。
【0015】本発明の血小板保存容器に用いられるポリ
マー組成物におけるゴム成分としては、ポリブチレン−
ポリスチレンブロック共重合体、ポリイソプレン−ポリ
スチレンブロック共重合体、ポリ(エチレンブチレン)
−ポリスチレンブロック共重合体などのポリスチレン系
熱可塑性エラストマー等が具体的に挙げられる。なお、
ポリスチレン系熱可塑性エラストマーの場合、エラスト
マー中のスチレンとゴム成分の重量比が10:90〜4
0:60程度であるものが望ましい。特に、ポリ(エチ
レンブチレン)−ポリスチレンブロック共重合体が好適
に使用される。
【0016】本発明において使用されるゴム成分含量
は、20〜30重量%である。ポリマー組成物における
ゴム成分含量が20重量%未満であると、血小板保存容
器として十分な酸素透過性が得られず、また、上記含量
が30重量%を超えると、酸素透過能の高いポリマー組
成物は得られるが、ゴム様の弾性が強くなり、柔軟性が
低下し、満足すべき柔軟性が得られない。
【0017】また、本発明の血小板容器に、必要に応じ
てポリプロピレンを配合することによって、該ポリマー
組成物に耐熱性を付与することができ、成形物を高圧蒸
気滅菌することが可能になる。また、本発明に用いられ
るポリプロピレンは、ホモ重合体の他、他のα−オレフ
ィンとのランダム共重合体、ブロック共重合体をも使用
できる。
【0018】本発明の血小板保存容器において使用され
るポリマー組成物におけるポリプロピレン含量は、0〜
40重量%、より好ましくは5〜20重量%である。ポ
リマー組成物におけるポリプロピレン含量が40重量%
を超えると、柔軟性が低下し、実用性に乏しくなる。
【0019】本発明の血小板保存容器は、通常公知の方
法、例えば押圧成形法、インフレーション成形法、ブロ
ー成形法等によって製造される。なお、本発明に係わる
ポリマー組成は、(a)〜(c)のそれぞれの原料を、
成形に際して所定の割合で成形機のホッパーに投入し、
成形機中で溶融混合して得ることも、あるいは成形に先
立ち予めこれらの原料を溶融混合しておくことで得るこ
とも可能である。また、本発明の血小板保存容器の壁の
厚さは、100〜300μm、より好ましくは150〜
200μmであることが望ましい。血小板保存容器の壁
の厚さが100μm未満であると、強度が不十分とな
り、血小板を遠心分離する際に容器が破損してしまう恐
れがあり、また、上記厚さが300μmを超えると、酸
素透過能が不十分となり、血小板保存能が低下してしま
う。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
さらに具体的に説明する。
【0021】実施例1〜4、比較例1〜3 所定量の直鎖状低密度ポリエチレン(出光石油化学株式
会社製、モアテック0238Z)、ポリプロピレン(出
光石油化学株式会社製出光ポリプロピレン、F−704
NU)、ポリ(エチレンブチレン)−ポリスチレンブロ
ック共重合体(シェル化学株式会社製、クレイトンG−
2705)を表1に示す割合で混合し、この混合物を熱
プレスによって同表に示す厚さのシートに成形した。
【0022】このようにして得られたシートについて、
次に示す評価を行い、その結果を表1に示した。
【0023】 酸素透過性 リシィ(LYSSY)ガス透過性測定装置を用いて、J
ISK−7126に準じ、各シートの30℃における酸
素透過性を測定した。
【0024】 耐遠心性 各シートを熱シールまたは高周波シールにより内寸10
0mm×150mmの長方形の袋状に成形し、内部に5
0%(v/v)グリセリン80mlを充填して、遠心分
離機(日立製、CR 26H)で4,000×g、15
分間、22℃で遠心した。遠心後の外観を肉眼で検査
し、破損や著しい不可逆的変形を起こさなかったものを
合格とした。
【0025】 耐熱性 各シートを直径47mmの円形に打ち抜いた試験片を高
圧蒸気滅菌器中に入れ、121℃、20分間加熱した。
冷却後、試験片の変形の有無を肉眼で検査した。
【0026】 可とう性 各シートを熱シールまたは高周波シールにより内寸50
mm×80mmの長方形の袋状に成形し、室温下でこの
中に10mmHOの圧力で水を注入したときに、内部
に充填された水の重量を測定した。
【0027】
【表1】
【0028】表1の結果から明らかなように、本発明に
規定する組成により配合された組成物からなるシート
(実施例1〜4)は、軟質ポリ塩化ビニル樹脂製のシー
ト(比較例3)に比べて2倍以上の酸素透過能を有し、
また耐遠心性や可とう性も十分であった。特に、ポリプ
ロピレンを配合した組成物からなるシート(実施例2〜
4)は、高圧蒸気滅菌可能な耐熱性も有していた。これ
に対して、本発明の範囲を外れる組成で配合された組成
物からなるシート(比較例1および2)は、耐遠心性、
酸素透過性または可とう性の点で不十分であった。
【0029】実施例5〜6、比較例4 表1の実施例1、実施例4、比較例3に示した組成物か
らなるシートを内寸115mm×135mmの袋状に成
形し、試験用バッグとし、それぞれ実施例5、6、比較
例4とした。
【0030】市販の血液バッグを用いて、15人の健常
人からそれぞれ400mlの血液を採取した。採血後、
バッグを遠心分離機(アイイーシー(IEC)社製、P
R−6000)で375×g、20分間遠心し、上層に
多血小板血漿を得た。得られた15バッグの多血小板血
漿を上記の3種類の試験用バッグ5個ずつに移した。こ
の試験用バッグを1,500×g、20分間遠心するこ
とによって、血小板を沈降させ、血小板ペレットを得
た。また、上層の乏血小板血漿のうち50mlを残して
余分を他の容器に移した。血小板ペレットを室温に1時
間放置した後、緩やかに攪拌して再浮遊させ、濃縮血小
板血漿(PC)を得た。
【0031】PC中の血小板濃度を自動血球算定装置
(東亜医用電子社製、シスメックス(SYSMEX)N
E−6000)で測定し、その測定値から希釈率を計算
し、前の操作で別の容器に移しておいた乏血小板血漿を
所定量加え、血小板濃度が4、8、12、16、20×
155 個/μlとなるように希釈した。希釈操作により
PCの体積が増加するが、容量が50mlとなるよう
に、余分を抜き取った。この希釈および抜き取り操作に
より、1バッグ当たりそれぞれ2、4、6、8、10×
1010個の血小板が収容されたPCを得た。
【0032】PCの入ったバッグを、それぞれ振盪台
(タイテック(TAITEC)社製、NR−30)上に
水平に置き、30mmのストロークで60往復/分で水
平往復振盪しながら、22℃で保存した。24時間後に
PCの一部を抜き取り、血液ガス分析装置(ラジオメー
ター(RADIOMETER)社製、ABL−30)を
用いて、PC中の酸素分圧を測定した。
【0033】結果を図1に示す。図1より明らかなよう
に、24時間保存後のPCの酸素分圧は、血小板数が多
いほど低くなった。比較例4の試験用バッグにおいて
は、実施例5、6の試験用バッグに比べて急激に酸素分
圧が低下し、血小板数が約7×1010個/バッグ以上の
領域では、血小板数にかかわらず、酸素分圧が約20m
mHgと一定になった。したがって、血小板数が約7×
1010個/バッグ以上の領域では、血小板に対する酸素
の供給が不十分となっており、血小板機能の不可逆的喪
失が起こっていることを示している。すなわち、比較例
4の試験用バッグで保存し得る血小板の最大数は約7×
1010個であるということができる。
【0034】これに対して、本発明の実施例5、6の試
験用バッグにおいては、血小板数が10×1010個/バ
ッグでもまだ酸素供給能に余裕があった。また、直線を
外挿して保存可能な最大血小板数を求めると、約14×
1010個/バッグとなり、従来の軟質ポリ塩化ビニル樹
脂製バッグ(比較例4)の約2倍の血小板保存能を有し
ていることがわかった。
【0035】実施例7〜8、比較例5 表1の実施例1、実施例4、比較例3に示した組成物か
らなるシートを内寸115mm×135mmの袋状に成
形し、試験用バッグとし、それぞれ実施例7、8、比較
例5とした。
【0036】この袋の中に、抗凝固剤としてCPD液を
添加したウシ血漿を60mlずつ分注し、振盪台(NR
−30、タイテック(TAITEC)社製)上に水平に
置き、30mmのストロークで60往復/分で水平往復
振盪しながら、22℃で5日間保存した。
【0037】保存期間終了後、袋の中の血漿を0.5m
lずつ分取し、これにイソプロピルアルコール5mlを
加えてよく攪拌し、1500×g、15分間遠心分離し
た。得られた上澄から溶媒を留出し、残留物を1mlの
アセトニトリルに溶解した。この抽出液中の可塑剤(ジ
−(2−エチルヘキシル)フタレート)を高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)で定量した。HPLCの分
析条件および定量結果を以下に示す。
【0038】 <機材> ポンプ :LC−6A (島津製作所) カラムオーブン :CTU−6A (島津製作所) UV検出器 :SPD−6AV(島津製作所) データープロセッサー:CR−3A (島津製作所) カラム :UDS−1050Y(UDS充填カラム、4.6m mφ×100mm)(センシュー科学) <分析条件> 移動相組成:90%(v/v)アセトニトリル、10%(v/v)水 移動相流速:1ml/min 試料量 :5μl 検出波長 :230nm カラム温度:30℃ 検出限界 :約1ppm <定量結果> 実施例7:検出限界以下 実施例8:検出限界以下 比較例5:475ppm 以上の結果から明らかなように、実施例7および8の試
験バッグで保存した血漿からは可塑剤が検出されなかっ
た。
【0039】実施例9〜10 表1の実施例1、実施例4に示した組成物を熱プレスに
よってシート状に成形したものを試料とし、それぞれ実
施例9、10とした。
【0040】これらの試料を日本薬局方に定められてい
る輸液用プラスチック容器試験法に準じて、溶出物試験
を行った。ただし、抽出は、試料3gに水30gを加え
て、高圧蒸気滅菌器中で、121℃、60分間加熱する
ことによって、行った。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】以上の結果から明らかなように、実施例
9、10の試料は、日本薬局方の輸液用プラスチック容
器基準に適合し、その安全性および衛生性が確認され
た。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、(a)直
鎖状低密度ポリエチレン30〜70重量%、(b)ポリ
プロピレン0〜40重量%、(c)ゴム成分20〜30
重量%から構成されるポリマー組成物であって、(a)
の直鎖状低密度ポリエチレンがエチレンと炭素数3以上
のα−オレフィンとの共重合体であるポリマー組成物か
ら形成されてなることを特徴とする血小板保存容器であ
るから、本発明の血小板保存容器は、高い酸素透過能を
有し、可塑剤等の血液に移行し得る成分を実質的に含有
せず、柔軟性にも優れている。このため、本発明の血小
板保存容器は、血小板の保存環境をより良好に維持する
ことができ、より機能の高い血小板製剤を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各血小板保存容器における血小板数とPC中の
酸素分圧との関係を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木曽 光彦 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 出光石油化学株式会社内 (72)発明者 佐藤 三樹男 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−51049(JP,A) 特開 昭57−153661(JP,A) 特開 昭54−88950(JP,A) 特開 昭63−96055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61J 1/10 A61J 3/00 300

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)直鎖状低密度ポリエチレン30〜
    70重量%、(b)ポリプロピレン0〜40重量%、
    (c)ゴム成分20〜30重量%から構成されるポリマ
    ー組成物であって、(a)の直鎖状低密度ポリエチレン
    がエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合
    体であるポリマー組成物から形成されてなることを特徴
    とする血小板保存容器。
  2. 【請求項2】 (a)の直鎖状低密度ポリエチレンが、
    エチレンと炭素数4以上10以下のα−オレフィンとの
    共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の血小
    板保存容器。
  3. 【請求項3】 (c)のゴム成分が、ポリ(エチレンブ
    チレン)−ポリスチレンブロック共重合体であることを
    特徴とする請求項1または2に記載の血小板保存容器。
  4. 【請求項4】 厚さが100〜300μmのシートから
    形成されてなることを特徴とする請求項1から3のいず
    れかに記載の血小板保存容器。
JP2401059A 1990-12-10 1990-12-10 血小板保存容器 Expired - Fee Related JP3014769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2401059A JP3014769B2 (ja) 1990-12-10 1990-12-10 血小板保存容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2401059A JP3014769B2 (ja) 1990-12-10 1990-12-10 血小板保存容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04210061A JPH04210061A (ja) 1992-07-31
JP3014769B2 true JP3014769B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=18510917

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2401059A Expired - Fee Related JP3014769B2 (ja) 1990-12-10 1990-12-10 血小板保存容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3014769B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR0169505B1 (ko) * 1992-09-11 1999-01-15 오오쓰끼 아끼히꼬 약제 포장용 폴리올레핀 포장재, 그의 제조방법 및 약제 포장용 용기
US11613635B2 (en) 2017-09-25 2023-03-28 SB-Kawasumi Laboratories, Inc. Resin composition for manufacturing medical storage container, sheet and medical storage container

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04210061A (ja) 1992-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1140287A (en) Blood compatible polymers and medical devices made therefrom
US4222379A (en) Multiple blood bag having plasticizer-free portions and a high blood component survival rate
US4301800A (en) Blood bags having an insert member
US4540416A (en) Heat-sterilizable polyolefin compositions and articles manufactured therefrom
US4460365A (en) Polyurethane bag for blood
AU646348B2 (en) Plastic container with anti-hemolytic effect
EP0537863B1 (en) Use of a triglyceride compound as a hemolysis depressant
EP0778030B1 (en) Container for medical use
US4451259A (en) Blood storage method
US4507387A (en) Method of storing red blood cells which minimizes both red blood cell hemolysis and exposure to blood extractable plasticizers
GB2133018A (en) Heat-sterilizable polyolefin compositions and articles manufactured therefrom
JP3014769B2 (ja) 血小板保存容器
EP0054221B1 (en) Multiple blood bag system made of plastic substantially free of blood extractible plasticizers
WO1984001292A1 (en) Method and container for storing platelets
EP0114372A2 (en) Container for blood and blood components
EP0331729A1 (en) Medical implements
JPH0362427B2 (ja)
CA1231280A (en) Multiple blood bag system
CA1250792A (en) Multiple blood bag having plasticizer-free portions and a high blood component survival rate
AU713648B2 (en) Blood component preservation container and multi-linkage container system
JPH08117316A (ja) 血液成分保存容器および容器連結体
JPH01297072A (ja) 医療用具
CA1306698C (en) Hemolysis depressant, and medical resin composition, medical implement and blood preserving liquid using the hemolysis depressant
JPH0242501B2 (ja)
JPH0242503B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees