JP3013373U - 偏平式絶対位置磁性符号器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空間を占めず、製造工程が簡単な偏平式絶対
位置磁性符号器。 【構成】 永久磁石、磁気遮へい材料と検出素子を有
し、その中、磁気遮へい材料の上下層表面には永久磁石
が設置され、該永久磁石の表面上が充磁されて２つ或い
はそれ以上の複数の異なる磁極数の磁極環が設けられ、
各磁極環の間は極間中性区とされ、各磁極環にはいずれ
も対応して検出素子が装着され、もって回転装置の位置
を測定し、その全体は、一つの偏平式の構造を呈し、一
つの軸心に貫穿されることができ、解析度を増したいと
きは、永久磁石の外径を増して磁極環の数を増し、もっ
て解析度を増し、磁気遮へい材料上には単層面或いは２
層面の永久磁石の構造が設置されることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は一種の偏平式絶対位置磁性符号器に関し、特に、回転装置、例えば電 動機や機械の回転軸などの回転の位置を測定し、識別する符号器に関し、その外 観が一つの偏平式の装置とされるものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術では、電動機或いは機械の回転軸等の回転装置の絶対位置を測定す るときは、各一つの位置に対し、検出素子で唯一の２進識別符号を検出して出す 必要があった（図１参照）。この種の絶対位置の２進識別符号を発生するための 従来の方法には、光学式絶対位置符号器とドラム式磁性絶対符号器があり、その 両者はいずれも検出素子の開閉動作を信号とし、よって２進識別符号を発生して おり、回転装置の位置を知るものであった。

【０００３】 図２に示されるのは、従来の光学式絶対位置符号器の装置説明図であり、信号 ディスク１０、光孔ディスク１１、発光ダイオード１２、信号接収器１３及び回 転軸１４等を包括する。そのうち、主に信号ディスク１０上に食刻して形成され る穿透部分１０１（図３参照）と、実心部分１０２が設けられ、図３中に表示さ れる斜線部分は穿透部分１０１で白色部分は実心部分１０２である。発光ダイオ ード１２が信号ディスク１０を照射する時、実心部分１０２と穿透部分１０１の 作用により部分的には光線を通し、部分的には光線が阻止される。この光線が通 過するか否かにより、信号接収器１３は２進識別符号を発生し、もって回転装置 の位置を測定する。

【０００４】 しかし、その欠点は、信号ディスク１０の１側面に発光ダイオード１２を使用 し、もう１つの側面は信号接収器１３とされるため、位置の信号は僅かに単面よ り発生され、よってその解析度が制限され、且つ全体装置を薄くすることができ ず、特に、複数の信号ディスク１０を使用する時、その厚さはさらに厚くなり、 また光学部分は極めて煙霧、水気の干渉を受けやすく、このような干渉を防ぐた めに、構造上、別の設計を経ることが必要であり、コストの負担が増加した。

【０００５】 もう一つの従来の技術については図４を参照されたい。これはドラム式磁性絶 対位置符号器の斜視図である。その特徴は回転部分が一つのドラム状の構造とさ れ、磁性ドラム２０、回転軸２１と検出素子組２２を有することである。その中 磁性ドラム２０の外層は射出製造方法により一層の永久磁石２０１で被覆され、 永久磁石２０１上は充磁されて異なる磁極数の磁極環２０２、２０２’、２０２ ’’、２０２’’’が設けられ、異なる磁極環２０２、２０２’、２０２’’、 ２０２’’’の間は一つの極間中性区とされ、各磁極環はいずれも対応する検出 素子組２２中の検出素子２３を有し、検出素子組２２の出力信号により回転装置 の位置を知ることができる。

【０００６】 その欠点は、体積が大きく、空間を占めることであり、さらにもし解析度を増 加したい場合には磁極環の数を増さなければならず、永久磁石２０１の軸方向長 さを増加することになり、よって体積がさらに大きくなることであった。また一 方では、永久磁石２０１を射出製法により磁性ドラム２０の外層に被覆するため に、外円表面を精密に研磨加工して需要に応じる必要があり、加工が難しく時間 もかかる欠点を有し、改善が待たれていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、前述の従来の符号器が空間を取りすぎ、製造加工が難しく、且つ解 析度を高めるのに不便であった欠点を解決する、一種の偏平式絶対位置磁性符号 器を提供することを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案の偏平式絶対位置磁性符号器は、永久磁石、磁気遮へい材料と検出素子 を有し、その中、磁気遮へい材料の上下層表面に永久磁石が設置され、該永久磁 石の表面上を充磁して２つ或いはそれ以上の複数の異なる磁極数の磁極環が設け られ、各磁極環の間は極間中性区とされ、各磁極環にはいずれも対応して検出素 子が装着され、もって回転装置の位置を測定し、その全体は、一つの偏平式の構 造を呈し、一つの軸心に貫穿されることができ、 解析度を増したいときは、永久磁石の外径を増して磁極環の数を増し、もって 解析度を増し、磁気遮へい材料上には単層面或いは２層面の永久磁石の構造が設 置されることを特徴とする

【０００９】 前記の２層面或いは単層面の永久磁石を使用するとき、磁気遮へい材料の使用 を省略し、且つ永久磁石の厚みを増し、もって磁極の相互干渉を防ぎ、 または磁気遮へい材料を多数組の方式で使用し、各一つの磁気遮へい材料上に 単層面或いは２層面の永久磁石を設置し、その各磁極環は対応して検出素子を有 することを特徴とする。

【００１０】 本考案の偏平式絶対位置磁性符号器は、ホール素子或いは磁気遮へい素子を検 出素子とし、そのうちホール素子を検出素子とする時にはホール素子固定座を使 用してホール素子を装置し、別に磁極環を増加する時には該検出素子は多頭式の 検出素子とし磁気遮へい材料、永久磁石と検出素子を一つのケーシング内に設置 することを特徴とする。

【００１１】

【作用】

本考案は、一種の偏平式の外観、構造を有する符号器を提供し、回転装置の位 置の識別に運用し、永久磁石を磁気遮へい材料の上下層表面に設置し、且つ永久 磁石表面の充磁し複数の異なる磁極数の磁極環を設け、各磁極環に対応する検出 素子を設け、全体を一つの偏平式の構造とし、以上の構造により、全体の使用空 間を減らし、且つ永久磁石表面の充磁の製造工程が非常に簡単で精密研磨の必要 がなく、コストを減らすことができ、解析度を増したい場合も非常に簡単に行え 、大きな空間を必要としない。

【００１２】

【実施例】 図５は本考案の実施例の分解斜視図である。本考案の実施例中では２層面永久 磁石の構造が採用され、即ち、磁気遮へい材料５０の１側面に一つの上永久磁石 ３０が設置され、もう１側面に下永久磁石４０が設置される。これら３つの素子 の外観はいずれも偏平な円盤状を呈し、中心は円形穴とされて軸心が貫穿できる 。上永久磁石３０の表面は充磁され２つの磁極環を有し（図６参照）、その一つ は２極の磁極環３０１、もう一つは８極の磁極環３０２とされる。二つの磁極環 ３０１、３０２の間は、間隔が設けられて極間中性区３０３とされ、この極間 中性区３０３の幅はほぼ磁極環の幅と同じく設けられる。極間中性区３０３中で はいかなる磁極も無く、二つの磁極環を隔てて相互に干渉するのを妨げる。同様 に、下永久磁石４０の表面もまた充磁され二つの磁極環を有する（図７参照）。 その中一つは４極の磁極環４０１とされ、もう一つは１６極の磁極環４０２とさ れる。二つの磁極環４０１、４０２間には、また極間中性区４０３が設けられる 。 各磁極環の上方には対応する検出素子３５、３５’、４５、４５’が設けられ て回転装置の位置の測定に用いられ、別に検出素子固定座３６、４６が設けられ てもって検出素子３５、３５’、４５、４５’の固定に供される。本考案の実施 例中ではホール素子が検出素子３５、３５’、４５、４５’として採用され、検 出素子固定座３６、４６はホール素子固定座とされる。本考案の実施例では、磁 気遮へい材料５０、上永久磁石３０、下永久磁石４０、検出素子３５、３５’、 ４５、４５’と検出素子固定座３６、４６を一つの薄い円形環状のケーシング６ ０内に収容し、全体の外観が一つの偏平式の構造とされる（図５と図８参照）。

【００１３】 本考案の実施例中では、共に４つの磁極環を使用し、解析度を２の４乗の１ ６となり、この１６個の位置はいずれも対応する一組の唯一の２進識別符号を有 し、以て検出素子３５、３５’、４５、４５’が検出してわかる４桁の数の位置 符号から回転装置の位置が分かる。本考案の実施例の全体構造は、直径１３ｍｍ 、厚さ５ｍｍの極めて小さい構造に製造でき、もし解析度を増したい場合は、１ 方面で全体構造の外径を増加して磁極環の数を増し、その中の検出素子を磁極環 の数に合わせて、一つの多頭式の検出素子となし、また別の方面では複数組の磁 気遮へい材料を用いて各一つの磁気遮へい材料の表面に単層或いは２層面の永久 磁石を設置する。図９に示されるのは、本考案のもう一つの実施例の側面図であ る。その中には二つの磁気遮へい材料５１０、５２０が使用され、各一つの磁気 遮へい材料５１０、５２０上には２層面永久磁石３１０、４１０、３２０、４２ ０が設置される。各一つの永久磁石３１０、４１０、３２０、４２０上の二つの 磁極環には８個の検出素子３１０’、３１０’’、４１０’、４１０’’、３２ ０’、３２０’’、４２０’、４２０’’が使用され、もって解析度を高める。 その解析度は２の８乗即ち２５６個の位置である。当然もし解析度の需要が高く ない時は、本考案の実施例中の磁気遮へい材料５０上にはただ一つの上永久磁石 ３０を設置し、上永久磁石３０上の磁極環数を需要に応じて定め、検出素子３５ 、３５’もまた磁極環数の増減に合わせて設けてもよく、この状況の下で、只一 面上の永久磁石３０を有して磁気遮へい材料５０の使用を省略することができ、 材料を節約し、且つその機能に影響を与えない。また、もし２層面永久磁石３０ 、４０を使用する時にもまた磁気遮へい材料５０の使用を省略できるが、永久磁 石３０、４０の厚さを増して両面磁極の相互干渉を防止する必要がある。さらに 本考案を永久磁石上で充磁する時には貼着或いは射出の製造工程を使用し、精密 な研磨を必要とせず、従来のドラム状磁石の精密研磨加工が造成する不便さを改 善する。また一方では、極間中性区の幅は制限され、解析度は最大磁極環の極数 により決定され、同じ解析度の下では、ドラム式も偏平式の構造もほぼ同じ外径 を有するが、ドラム式構造中には比較的少ない磁極の磁極環が軸方向の空間へと 延伸され、偏平式構造中では比較的少ない磁極の磁極環が円心に向けて径方向に 配列され、もって使用空間を節約する。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、永久磁石、磁気遮へい材料、及び検出素子の偏平な外観を組み合わ せえて一つの偏平な構造とし、磁気遮へい材料の表面には単層或いは２層面の永 久磁石を設け、もって比較的高い解析度を選択し、且つ永久磁石の外径を増加し あて磁極環の数を増加して解析度を高めることができ、且つ外周の磁極環は比較 的多くの磁極に充磁でき、これにより各磁極が所有する空間の違いが大きくなく 、別の方面では永久磁石上に充磁する時、精密研磨する必要がなく加工が容易で あり、このように、本考案は空間を占めず且つ製造工程が容易であり、使用コス トを大きく削減し、産業上の利用価値を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】一般の絶対位置符号器の出力する２進識別符号
である。

【図２】従来の光学式絶対位置符号器の装置概略図であ
る。

【図３】従来の光学式絶対位置符号器の信号ディスクの
平面図である。

【図４】従来のドラム式磁性絶対位置符号器の斜視図で
ある。

【図５】本考案の実施例の分解斜視図である。

【図６】本考案の実施例中の上永久磁石の平面図であ
る。

【図７】本考案の実施例中の下永久磁石の平面図であ
る。

【図８】本考案の実施例中の運用状態に於ける側面図で
ある。

【図９】本考案のもう一つの実施例中の運用状態に於け
る側面図である。

【符号の説明】

１０・・・信号ディスク １０１・・・穿透部分 １０２・・・実心部分 １１・・・光孔ディスク １２・・・発光ダイオード １３・・・信号接収器 １４・・・回転軸 ２０・・・磁気ドラム ２０１・・・永久磁石 ２０２、２０２’、２０２’’、２０２’’’・・・磁
極環 ２１・・・回転軸 ２２・・・検出素子組 ２３・・・検出素子 ３０・・・上永久磁石 ３０１・・・２極磁極環 ３０２・・・８極磁性環 ３０３・・・極間中性区 ４０・・・下永久磁石 ４０１・・・４極磁極環 ４０２・・・１６極磁性環 ４０３・・・極間中性区 ５０・・・磁気遮へい材料 ３５、３５’・・・検出素子 ４５、４５’・・・検出素子 ３６、４６・・・検出素子固定座 ６０・・・ケーシング ３１０、３２０、４１０、４２０・・・永久磁石 ５１０、５２０・・・磁気遮へい材料

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 永久磁石、磁気遮へい材料と検出素子を
   有し、その中、磁気遮へい材料の上下層表面には永久磁
   石が設置され、該永久磁石の表面上が充磁されて２つ或
   いはそれ以上の複数の異なる磁極数の磁極環が設けら
   れ、各磁極環の間は極間中性区とされ、各磁極環にはい
   ずれも対応して検出素子が装着され、もって回転装置の
   位置を測定し、その全体は、一つの偏平式の構造を呈
   し、一つの軸心に貫穿されることができ、 解析度を増したいときは、永久磁石の外径を増して磁極
   環の数を増し、もって解析度を増し、磁気遮へい材料上
   には単層面或いは２層面の永久磁石の構造が設置される
   ことを特徴とする、偏平式絶対位置磁性符号器。
2. 【請求項２】 ２層面或いは単層面の永久磁石を使用す
   るとき、磁気遮へい材料の使用を省略し、且つ永久磁石
   の厚みを増し、もって磁極の相互干渉を防ぎ、または磁
   気遮へい材料を多数組の方式で使用し、各一つの磁気遮
   へい材料上に単層面或いは２層面の永久磁石を設置し、
   その各磁極環は対応して検出素子を有することを特徴と
   する、請求項１に記載の偏平式絶対位置磁性符号器。
3. 【請求項３】 ホール素子或いは磁気遮へい素子を検出
   素子とし、そのうちホール素子を検出素子とする時には
   ホール素子固定座を使用してホール素子を装置し、別に
   磁極環を増加する時には該検出素子は多頭式の検出素子
   とし磁気遮へい材料、永久磁石と検出素子を一つのケー
   シング内に設置することを特徴とする、請求項１に記載
   の偏平式絶対位置磁性符号器。