JP3011976U - 輪転印刷機の版胴上のたわみ可能な版板を旋回させるための装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 輪転印刷機の版胴上のたわみ可能な版板を旋
回させるための装置であって、ヒンジレバー１２を介し
て版板の両端を締め付けるクランプ条片２，５が設けら
れており、このヒンジレバー１２が版胴１に旋回可能に
固定されており、かつクランプ条片２，５に結合されて
おり、この結果、両方のクランプ条片が互いに相対的に
移動調整され、これにより、版板が版胴上で斜めに移動
調整される。 【効果】 安価な構成費用で版板の斜め移動調整を行う
ことができると共にレジスタの正確な修正をも行うこと
ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、輪転印刷機の版胴上のたわみ可能な版板を旋回させるための装置で あって、版板の両端を締め付けるためのクランプ条片と、版胴に旋回可能に固定 されクランプ条片にヒンジ結合されていて両方のクランプ条片を互いに相対的に 移動調整せしめるヒンジレバーと、レジスタの修正のために版胴上の版板を回動 させるための制御手段とが設けられている形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の公知装置（ＤＥ−３６０４２０９Ａ１）によれば、多色刷り印刷機で 必要であるように、レジスタの修正のために版胴上の版板を斜めに移動調整する ことが可能である。このように装備された印刷機では、フォトコピーエラー、締 め付けエラー又は版板上の印像の回転ずれを招くその他のエラーを補償し、それ と同時に、印像のリプロダクションに対する印像の周囲修正及びサイド修正を行 うことができる。このことのために、この公知例では、不経済な構成が提案され ており、これにより、特に小型の枚葉紙印刷機では不適切なコスト増大を招く。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この公知技術を先行技術として、本考案の課題とするところは、レジスタの正 確な修正を行うことのできる、版板の斜め移動調整のための安価な解決手段を提 供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決した本考案の構成によれば、制御手段が版胴の回転方向で見て 後方のクランプ条片に端面側で係合していてこのクランプ条片を軸方向に移動せ しめるようになっており、版胴の一方の側では、後方のクランプ条片におけるス リット内にヒンジレバーの球状ヘッドが係合しており、ヒンジレバーが、版胴に おける回転ピンに関連してヒンジピンにより前方のクランプ条片に連結されてお り、版胴の他方の側では、版胴における回転ピンと、前方のクランプ条片におけ るヒンジピンとの間に連結リンクが設けられており、かつ、前方のクランプ条片 におけるヒンジピンが、版胴における回転ピンに対して内側へずれている。

【０００５】 この解決手段によれは、後方のクランプ条片が軸方向で移動されることにより 、前方のクランプ条片を修正すべき量だけ斜めに移動調整することが可能となる 。その後、新しい版板が前方のクランプ条片内に締め付けられ、ゴムブランケッ ト胴の協働による１回転の後に版胴上に載着され、これにより、版板の後端部を 後方のクランプ条片内に案内して固定的に締め付けることができる。すでに版板 が締め付けられている場合には、版胴上での版板の旋回を可能ならしめる程度だ け版板を修正のためにゆるめればよい。

【０００６】 本考案の有利な実施態様では、版板の後端部のためのクランプ条片が、端面側 でアバットメントにより、自由移動可能に胴溝の底部上に保持されている。これ により、ばねにより周方向で予負荷されたクランプ条片を、版板が版胴上に載着 された際に、版板により予め規定された量だけ斜めに移動調整することができる 。

【０００７】 本考案の別の実施態様では、制御手段が調整偏心体として形成されていて、版 胴の端面に支承されている。これにより作業員は簡単に斜め修正のための所定値 のデータを投入することができ、これにより僅かな費用でレジスタの正確な調整 が可能となる。

【０００８】

【実施例】

次ぎに本考案の１実施例を図面に即して説明する。

【０００９】 版胴１の外套上に版板が張設可能であり、版板の前端部はクランプ条片２内に 締め付けられる。版板端部を固定的に締め付けるために締め付け条片３が役立て られており、この締め付け条片は圧縮ばね４の力により閉鎖される。版板の後端 部は後方のクランプ条片５と締め付け板６との間に締め付けられ、版板締め付け 方向でのクランプ条片５の移動により締め付け板６により版胴上に張設される。 このことのために、クランプ条片５は、端面側でアバットメント９により、自由 移動可能に胴溝８の底部７上に保持されている。

【００１０】 版胴１の両側には胴溝８内に支承板１０が固定されており、この支承板が回転 ピン１１を受容しており、この回転ピン１１上に版胴１の一方の側ではヒンジレ バー１２が旋回可能に支承されており、かつ版胴の他方の側では連結リンク１３ が旋回可能に支承されている。ヒンジレバー１２及び連結リンク１３はヒンジピ ン１４を介してクランプ条片２に結合されており、その場合、前方のクランプ条 片２におけるヒンジピン１４は、版胴１における回転ピン１１に対して軸方向で 内側へずれている。このことにより、ヒンジレバー１２の操作時に前方のクラン プ条片２の斜め移動調整が生じる。

【００１１】 ヒンジレバー１２は後方のクランプ条片５の領域内に球状ヘッド１５を備えて おり、この球状ヘッドは後方のクランプ条片５におけるスリット１６内に係合し ている。このスリット１６はクランプ条片５にねじ固定された調節体１７に設け られている。

【００１２】 版胴１の端面に支承された調整スピンドル１８にスリット体１９が固定されて おり、このスリット体は調整ピン２０を介してクランプ条片５に連結されている 。これにより、調整スピンドル１８の軸方向の移動によってクランプ条片５が軸 方向で移動し、その際、この調整運動がヒンジレバー１２を介してクランプ条片 ２へ伝達される。版胴１の端面２２には制御手段２１が固定されている。この制 御手段２１は保持体２３を備えており、この保持体は調整偏心体２４を受容して おり、この調整偏心体２４は支承体２５へ作用しており、この支承体を介して調 整スピンドル１８を軸方向に移動せしめる。調整偏心体２４の回動量が目盛２６ 上で読み取られる。

【００１３】 作業員が調整偏心体２４を所定量だけ回動させると、調整スピンドル１８が運 動してこれによりクランプ条片５が同様に軸方向に移動させられる。これにより 、ヒンジレバー１２へ旋回運動が導入され、この旋回運動により、ヒンジピン１ ４を介してクランプ条片２が反対方向へ運動させられる。ヒンジピン１４に対比 した回転ピンの特別な配置により、クランプ条片２は（支承板２７と共に）版板 のレジスタの修正のための所望の斜め位置に応じて版胴軸線に対して斜めに移動 させられる。この場合、クランプ条片２は支承板２７にねじ固定されている。

【００１４】

【考案の効果】

以上述べた構成により、版板を張設し、かつ次いで版胴１の周りに版板を案内 することによって、後方のクランプ条片５が対応する斜め位置へ自動的に移動調 整させられ、この結果、前方のクランプ条片２に対する後方のクランプ条片５の 位置が自動的にセットされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図３の１−１線に沿った版胴の部分断面図であ
る。

【図２】図３の２−２線に沿った版胴の部分断面図であ
る。

【図３】クランプ条片と調整手段とを備えた版胴の部分
破断平面図である。

【符号の説明】

１ 版胴、 ２ クランプ条片、 ３ 締め付け条片、
４ 圧縮ばね、５ クランプ条片、 ６ 締め付け
板、 ７ 底部、 ８ 胴溝、 ９ アバットメント、
１０ 支承板、 １１ 回転ピン、 １２ ヒンジレ
バー、 １３連結リンク、 １４ ヒンジピン、 １５
球状ヘッド、 １６ スリット、１７ 調節体、 １
８ 調整スピンドル、 １９ スリット体、 ２０ 調
整ピン、 ２１ 制御手段、 ２２ 端面、 ２３ 保
持体、 ２４ 調整偏心体、 ２５ 支承体、 ２６
目盛、 ２７ 支承板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 ハンス−ユルゲン クッシュ ドイツ連邦共和国 ネッカーゲミュント ディートリッヒ−ボンヘーファー−ヴェー ク 14 (72)考案者 ルディ シュテルベルガー ドイツ連邦共和国 クロナウ ベンツシュ トラーセ ２

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 輪転印刷機の版胴上のたわみ可能な版板
   を旋回させるための装置であって、版板の両端を締め付
   けるためのクランプ条片と、版胴に旋回可能に固定され
   クランプ条片にヒンジ結合されていて両方のクランプ条
   片を互いに相対的に移動調整せしめるヒンジレバーと、
   レジスタの修正のために版胴上の版板を回動させるため
   の制御手段とが設けられている形式のものにおいて、制
   御手段（２１）が版胴（１）の回転方向で見て後方のク
   ランプ条片（５）に端面側で係合していてこのクランプ
   条片（５）を軸方向に移動せしめるようになっており、
   版胴（１）の一方の側では、後方のクランプ条片（５）
   におけるスリット（１６）内にヒンジレバー（１２）の
   球状ヘッド（１５）が係合しており、ヒンジレバー（１
   ２）が、版胴における回転ピン（１１）に関連してヒン
   ジピン（１４）により前方のクランプ条片（２）に連結
   されており、版胴（１）の他方の側では、版胴における
   回転ピン（１１）と、前方のクランプ条片（２）におけ
   るヒンジピン（１４）との間に連結リンク（１３）が設
   けられており、かつ、前方のクランプ条片（２）におけ
   るヒンジピン（１４）が、版胴（１）における回転ピン
   （１１）に対して内側へずれていることを特徴とする輪
   転印刷機の版胴上のたわみ可能な版板を旋回させるため
   の装置。
2. 【請求項２】 版板の後端部のためのクランプ条片
   （５）が、端面側でアバットメント（９）により、自由
   移動可能に胴溝（８）の底部（７）上に保持されている
   請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 制御手段（２１）が調整偏心体（２４）
   として形成されていて、版胴（１）の端面（２２）に支
   承されている請求項２記載の装置。