JP3011449U - 浄水器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 省スペースで寿命が長く且つ単位時間当りの
通水量の大きい浄水器を提供する。 【構成】 容器内に充填された亜硫酸カルシウムを主成
分とする充填材により、容器内を入口側から出口側に向
けて流通する水を浄化する浄水器において、容器内に、
充填材の充填部と充填材の非充填部とが通水方向に対し
て略々平行に形成されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、水道水に含まれる残留塩素（主としてＣｌＯ^- ）を除去し、水質を 向上させるための浄水器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種浄水器として容器内に亜硫酸カルシウム（その粒造物を含む、以 下同じ）及び各種の吸着剤などを充填し、水道水等に含まれる残留塩素を除去す るような構成のものが種々提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の浄水器は以下のような欠点を持っていた。

【０００４】 容器の中に充填する亜硫酸カルシウム等は、その通水性から見るとその粒子は 大きいほうがよく、一方で、薬剤の機能を生かすためには、その粒子を小さくす る必要があり、寿命の長い浄水器を供給するためには、上記の相反する条件を満 たす必要があった。特に、単位時間当たりの通水量が多いほど、その影響は大き い。なお、ここでいう浄水器の寿命とは、水道水など浄水器に供給する原水中に 含まれる残留塩素が除去できなくなるまでの積算通水量を意味する。

【０００５】 つまり、粒子を細かく造粒した亜硫酸カルシウムを容器に充填すれば、寿命は 延びるが、圧力損失が非常に大きく、通水性が極めて悪く、水の出が非常に悪い 浄水器になる。一方、通水性を重要視し、圧力損失が小さくなるように、粒子の 大きい亜硫酸カルシウムを容器に充填したなら、極めて寿命が短い浄水器になる 。

【０００６】 また亜硫酸カルシウムはその特性上、通水中に残留塩素の除去に必要な反応当 量以上の亜硫酸イオンを溶出するため、容器への亜硫酸カルシウムの充填量とそ の浄水器の寿命は必ずしも比例しない。すなわち、容器内での余分な亜硫酸イオ ンの溶け出しは、浄水器の寿命の低下を招く。

【０００７】 つまり、従来の亜硫酸カルシウムを用いた浄水器は、容器内に充填した亜硫酸 カルシウムの重量に対して、その重量における処理能力の理論値に比べ、相当離 れていた。すなわち、非効率的な使用方法であった。

【０００８】 本考案はこのような従来の問題点を一掃することを目的としてなされたもので ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案は、容器内に充填された亜硫酸カルシウムを主成分とする充填材により 、容器内を入口側から出口側に向けて流通する水を浄化する浄水器において、容 器内に、充填材の充填部と充填材の非充填部とが通水方向に対して略々平行に形 成されていることを特徴とする浄水器に係る。

【００１０】

【作用】

本考案浄水器によれば、充填材の充填部を通りその結果若干過剰の亜硫酸イオ ンを含む一部の流水と、充填材の非充填部を通りその結果脱塩素処理を全く受け ていない残留塩素を含む他の一部の流水とが最終的に混合され、結果的に原水で ある水道水中に含まれる全ての残留塩素が除去されることになる。

【００１１】 さらに非充填部では圧力損失が小さくなるので、その分、全充填タイプのもの より圧力損失を低減できる。

【００１２】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を添附図面にもとづき説明すると次の通りである。

【００１３】 本考案の一実施例を示す図１，２から明らかなように、本考案によれば容器１ 内に、充填材２の充填された充填部３と、充填材２の充填されていない非充填部 ４とが隔壁５により隔離された状態で、通水方向に対して略々平行するように形 成されている。その他の構成は従来のこの種浄水器と実質的に異なる所がない。

【００１４】 充填材２としては、亜硫酸カルシウムが必要に応じ吸着剤などと混合して用い られる。亜硫酸カルシウムの粒度は６〜１００メッシュ、特に１０〜６０メッシ ュ程度が適当である。

【００１５】 水道水の浄化に際し、水道水は容器１の上端の入口６から上室７内に入り、こ こから充填部３と非充填部４とに分かれる。

【００１６】 充填部３に向う水は、該充填部３を通過する間に脱塩素処理を受け残留塩素（ ＣｌＯ^- ）が除去されると共に通過中に若干過剰に亜硫酸イオンを溶出させ、亜 硫酸イオン含有水となる。

【００１７】 一方非充填部４に向う水は、非充填部４を脱塩素処理を受けることなしに通過 し、残留塩素をそのまま含有している。

【００１８】 充填部３を通過した処理済水と、非充填部４を通過した未処理水とは、容器１ の下室８内で混合され、ここで未処理水中の残留塩素は処理済水中の亜硫酸イオ ンにより還元され除去される。

【００１９】 よって容器１下端の出口９からは一部充填タイプであるに拘らず全充填タイプ と変らない水質の水が得られる。

【００２０】 また一部充填タイプであるので、全充填タイプの従来品より圧力損失を低減で きる。

【００２１】 本考案において、充填部３と非充填部４との配置は、図２，３に示すように同 心状の配置であってもよいし、あるいは図４に示すように容器１の中心を挾んで 向き合う一対の非充填部４，４の間に充填部３…が配置されるような構成であっ てもよく、その他下室８内での処理済水と非処理水との均一混合の目的に適うよ うに配置されていればよい。

【００２２】 隔壁５は図１では垂直タイプのものが示されているが、その他傾斜させたり螺 旋状にするなどの変更が可能である。

【００２３】 容器１の全横断面積において、非充填部の占める割合があまり大きすぎると、 脱塩素処理を充分確実に行うことが難しくなるので、全横断面積を１００として ５０以下であることが必要であり、容器の構造，亜硫酸カルシウムの粒度、硬度 などにより異なるが、１０〜４０程度が適当である。ちなみに１０に達しない場 合は圧力損失の改良が不充分となり、好ましくない。

【００２４】

【効果】

本考案によれば、亜硫酸カルシウムの消費ロスをなくすることかできることに 加え圧力損失を低減でき、省スペースで寿命が長く且つ単位時間当たりの通水量 の大きい浄水器を提供でき、特にシャワー型の浄水器に適している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を概略的に示す縦断面図であ
る。

【図２】図１の横断平面図である。

【図３】本考案の他の実施例における図２に相当する図
である。

【図４】本考案のさらに他の実施例における図２に相当
する図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 充填材 ３ 充填部 ４ 非充填部 ５ 隔壁 ６ 入口 ７ 上室 ８ 下室 ９ 出口

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器内に充填された亜硫酸カルシウムを主
   成分とする充填材により、容器内を入口側から出口側に
   向けて流通する水を浄化する浄水器において、容器内
   に、充填材の充填部と充填材の非充填部とが通水方向に
   対して略々平行に形成されていることを特徴とする浄水
   器。
2. 【請求項２】充填材の充填部と非充填部とが同心状に配
   置されていることを特徴とする請求項１記載の浄水器。
3. 【請求項３】容器の中心を挾んで向き合っている一対の
   非充填部の間に充填部が配置されていることを特徴とす
   る請求項１記載の浄水器。
4. 【請求項４】容器の全横断面積を１００として、非充填
   部の横断面積の占める割合が１０〜４０の範囲に設定さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の浄水器。