JP3010883U - 液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 明るい使用環境においても表示が明瞭で、視
認性に優れた液晶表示装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 バックライト搭載型の液晶表示装置におい
て、液晶部を挟んで設けられた２枚の偏光板のうち、バ
ックライト側の偏光板に反射防止膜を設けたことを特徴
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、バックライト搭載型の液晶表示装置の改良に関し、詳しくは液晶表 示装置を透過する光量を増やし、表示を明瞭化し、視認性を向上させたバックラ イト搭載型の液晶表示装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

表示の明るさは液晶表示装置の重要な性能のひとつである。バックライトを搭 載した形式のものでは、ランプのワット数を大きくしたり、ランプの発光効率を 向上させてバックライトの光量を増加させることが試みられている。また、バッ クライトからの光の散乱、導光を制御することによって表示の明るさを向上させ ることも行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のランプのワット数を大きくする方法は消費電力の増加を 招き好ましくなく、ランプの発光効率を向上させる方法はランプ自体の設計を必 要とし、経済的に実用にたえるものは得られていない。また、バックライトから の光の散乱、導光を制御する方法についても種々の改良が試みられているが、必 ずしも十分なものは得られていない。

【０００４】 本考案は、上記の問題に鑑みてなされたものでり、その目的とするところは、 バックライト搭載型の液晶表示装置において、明るい使用環境においても表示が 明瞭で、視認性に優れた液晶表示装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち本考案は、液晶部を挟んで設けられた２枚の偏光板のうち、バックラ イト側の偏光板に反射防止膜を設けたことを特徴とするバックライト搭載型の液 晶表示装置である。

【０００６】 本考案における液晶表示装置（ＬＣＤ）としては、バックライト搭載型のもの であれば特に制限されるものではなく、例えばＴＮ型ＬＣＤ、ＳＴＮ型ＬＣＤ、 ＴＦＴ型ＬＣＤ、ＭＩＭ型ＬＣＤが挙げられる。

【０００７】 偏光板としては、延伸ポリビニルアルコール（ＰＶＡ）フィルムによう素又は 二色性染料を吸着配向させたあと、トリアセチルセルローズ（ＴＡＣ）等の保護 フィルムを貼り合わせたもの等が挙げられる。

【０００８】 反射防止膜としては、弗化マグネシウム、二酸化珪素、酸化アルミニウムおよ びこれらの多層膜等が挙げられる。これらは偏光板表面に蒸着して設けられる。 蒸着は特に制限されるものではなく公知の方法で行われる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を実施例で詳細に説明する。

【００１０】 実施例１ 図１において、１ａ、１ｂはそれぞれ上側偏光板、下側偏光板を、２ａ、２ｂ はそれぞれ上側電極基板（ガラス）、下側電極基板（ガラス）を、３はシール材 を、４ａ、４ｂはそれぞれ上側電極、下側電極を、５は液晶材料を、６は反射防 止膜を、７は光源（バックライト）を示す。

【００１１】 偏光板はＰＶＡフィルムによう素を吸着配向させたあと、ＴＡＣをを貼り合わ せたものであり、この偏光板表面に反射防止膜として弗化マグネシウムを真空蒸 着により付与した。膜厚は、５５０ｎｍの光の波長において反射率が最小となる 約１０００Åである。

【００１２】 下側偏光板のバックライト側からの反射スペクトルを図２のＡに示す。波長５ ５０ｎｍで反射率１．４％を示し、反射防止膜が付与されていない場合（約４％ ）に比べてバックライトの反射率は大幅に低下している。反射率の低下に伴い、 透過率（視感度補正）は０．８％上昇（反射防止膜無し：４１．３％、反射防止 膜有り：４２．１％）し、液晶表示装置において表示が明るくなり、視認性が向 上した。

【００１３】 実施例２ 反射防止膜を、偏光板側から酸化アルミニウムおよび弗化マグネシウムの２層 からなる蒸着膜とした以外は実施例１と同様の液晶表示装置とした。反射防止膜 の膜厚は５５０ｎｍの光の波長において反射率が最小となるようにし、酸化アル ミニウム層の厚さが８５０Å、弗化マグネシウム層の厚さが１０００Åである。

【００１４】 下側偏光板のバックライト側からの反射スペクトルを図２のＢに示す。波長５ ５０ｎｍで反射率０．３％を示し、これに伴い透過率（視感度補正）は０．９％ 上昇し、液晶表示装置において表示が明るくなり、視認性が向上した。

【００１５】

【考案の効果】

液晶表示装置のバックライト側の偏光板にバックライトの反射を防ぐ反射防止 膜を設けることにより、バックライト側に配置した偏光板の透過率が上昇し、液 晶部を透過する光量が増加し、液晶表示装置において表示が明るくなり、視認性 が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わる一実施例の液晶表示装置の断面
図である。

【図２】実施例における下側偏光板のバックライト側か
らの反射スペクトルを示す図である。

【符号の説明】

１ａ・・・ 上側偏光板 １ｂ・・・ 下側偏光板 ２ａ・・・ 上側電極基板 ２ｂ・・・ 下側電極基板 ３ ・・・ シール材 ４ａ・・・ 上側電極 ４ｂ・・・ 下側電極 ５ ・・・ 液晶材料 ６ ・・・ 反射防止膜 ７ ・・・ 光源（バックライト） Ａ ・・・ 反射防止膜が弗化マグネシウムの場合の反射ス
ペクトル Ｂ ・・・ 反射防止膜が酸化アルミニウムと弗化マグネシ
ウムの２層の場合の反射スペクトル

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶部を挟んで設けられた２枚の偏光板
   のうち、バックライト側の偏光板に反射防止膜を設けた
   ことを特徴とするバックライト搭載型の液晶表示装置。
2. 【請求項２】 偏光板が延伸ポリビニルアルコールフィ
   ルムによう素又は二色性染料を吸着配向させた後、トリ
   アセチルセルローズの保護フィルムを貼り合わせたもの
   である請求項１記載の液晶表示装置。
3. 【請求項３】 反射防止膜が弗化マグネシウムの蒸着膜
   である請求項１記載の液晶表示装置。
4. 【請求項４】 反射防止膜が偏光板側から酸化アルミニ
   ウムおよび弗化マグネシウムの２層からなる蒸着膜であ
   る請求項１記載の液晶表示装置。