JP3010808U - 溶接装置 - Google Patents

溶接装置

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JP3010808U
JP3010808U JP1994010546U JP1054694U JP3010808U JP 3010808 U JP3010808 U JP 3010808U JP 1994010546 U JP1994010546 U JP 1994010546U JP 1054694 U JP1054694 U JP 1054694U JP 3010808 U JP3010808 U JP 3010808U
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淳 新沼
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淳 新沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属母材に熱的悪影響を与えることなく、微細
な補修箇所に対処可能であり、補修作業において、仕上
げに耐久性があり、比較的短時間で済み、また、熟練を
要することのない溶接装置を提供すること。 【構成】各種の成形用金型等の金属母材の補修箇所に溶
着した溶着材へアルゴンガス雰囲気中にてアークを短時
間放射して肉盛溶接部を形成するために用いる溶接装置
であリ、絶縁材質のホルダーにて保持した1次電極と、
前記金属母材に電気的に接続させる2次電極と、この2
次電極及び前記溶着材に近接させた前記1次電極間に導
電性を付与し、当該1次電極から前記アークを所定範囲
の電流値にて前記短時間だけ発生させる電源装置とから
構成したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は溶接装置に関し、詳細には、各種の成形用金型をはじめとする金属部 材に生じた比較的微細な損傷や寸法ミス等の補修・補正に適する肉盛り溶接装置 に関する。
【0002】
【従来の技術】
成形用金型等の金属部材には、その作製段階や使用過程を通じ、損傷や寸法ミ ス等が日常的に生じており、それらを補修して金属部材の再生を図る必要性は特 にコスト面から甚大である。その補修法としては、現在、アルゴン溶接が一般的 に実施されており、これは、アルゴンガス雰囲気中にてアークにより溶接棒を連 続的に溶滴化して金属部材の補修箇所に事前に形成した溶融池へ肉盛り溶接を施 すものであり、その後、余肉を除去し、研磨して仕上げる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、アルゴン溶接では、600℃乃至8000℃と高温なアーク熱 を連続的に発生させて溶接棒を溶融するため、金属部材に、例えば、ひけ、変形 、変色等の熱的悪影響を及ぼすという欠陥があり、これらの影響を被り易い比較 的微細な補修箇所には全く対処できないのが現況である。
【0004】 また、その他の補修法として、(イ)銀ろう付け、(ロ)メッキ肉盛り、(ハ )たたき出し、及び、(ニ)入れ子の埋め込み等が知られており、これらは、そ れぞれ利点はあるものの、種々の問題点を包含しており、金型補修に対する積極 的な実施が制限されている。例えば、 1)仕上がりの耐久性が悪い−(イ),(ロ),(ハ) 2)作業に時間が掛かり過ぎる−(ロ),(ニ) 3)熟練した技術を要する−(ハ)等であり、また、いずれも微細な補修箇所に は不適である。
【0005】 本考案は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属母材 に熱的悪影響を与えることなく、微細な補修箇所に対処可能な溶接装置を提供す ることにある。
【0006】 更なる本考案の目的は、仕上がりの耐久性がよく、作業に長時間掛からず、且 つ、熟練した技術を要しない補修作業を実現する溶接装置を提供することにある 。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための手段たる本考案の要旨を以下に説明する。
【0008】 本考案に係る溶接装置は、金属母材の補修箇所に固着した溶着材へ不活性ガス 雰囲気中にてアークを短時間放射して肉盛溶接部を形成するために用いるもので ある。
【0009】 ここで、金属母材とは、補修対象となる、例えば、合成樹脂成形用金型,ゴム 成形用金型,ダイカスト金型,ガラス金型等の金型をはじめとする金属部材であ り、材質としては、ベリウム,銅合金,アルミニウム合金,鉄鋼,ステンレス鋼 等である。
【0010】 また、補修箇所とは、金属母材における補修又は補正が必要となった箇所であ り、例えば、摩耗,ダレ,つぶれ等を生じたパーティングライン,三頂点の角, エッジ等、設計変更で小Rにする内角(隅角)、アルゴン溶接後の二次ひけ,ア ンダーカット,ブロホール,ピット,ピンホール等である。
【0011】 更に、溶着材の具体例としては、粉末合金(パウダー),薄板材,鋼細線,鋼 球、ペースト等を好ましく挙げることができ、これらは補修箇所に応じて適宜選 択される。
【0012】 また、金属母材の補修箇所に固着した溶着材における、「固着」とは、本考案 の溶接装置による補修作業中に溶着材が金属母材の補修箇所上にて移動したり切 断されることのないよう事前に固定する趣旨であり、溶接による固着が最も望ま しいが、これに限定されるものではない。
【0013】 なお、溶接により溶着材を補修箇所に予め固着する場合、本出願人の出願に係 る特開平5−261556号公報及び特開平5−261585号公報に開示され る溶接方法及び溶接装置を用いることができ、電極間にて金属母材上に載置され た容着材へ300〜1500A程度の大電流を1/1000〜4/1000秒程 通電し、これを必要回繰り返すことにより、容着材が金属母材の補修箇所に固着 され得る。この際、溶着材として粉末合金を選択すれば、上記の特開平5−26 1585号公報の磁石片(参照番号7)等を利用することができる。
【0014】 また、不活性ガスは、金属母材や溶着材の酸化や窒化を防ぐため従来から用い られているアルゴンガスやヘリウムガス等である。
【0015】 更にまた、肉盛溶接部とは、アークにより溶着材を部分的に溶融凝固し、直径 3〜5mm,厚さ0.5〜1mm程の略団子形状に隆起させた溶接金属であり、 上記した特開平5−261556号公報及び特開平5−261585号公報に記 載されるナゲット(参照番号6)の略5〜10倍の大きさを有する。
【0016】 本考案の溶接装置が用いられる以上の前提条件は、本考案に必須、且つ、固有 のものである。
【0017】 本考案に係る溶接装置は、絶縁材質のホルダーにて保持した1次電極と、前記 金属母材に電気的に接続させる2次電極と、この2次電極及び前記溶着材に近接 させた前記1次電極間に導電性を付与し、当該1次電極から前記アークを所定範 囲の電流値にて前記短時間だけ発生させる電源装置とから構成される。
【0018】 ここで、絶縁材質のホルダーとは、例えば硬質ゴムから形成する把手部材であ る。
【0019】 また、1次電極はそれ自体溶融しないタングステン電極等であり、アークに指 向性を付与できるよう先細り形状とする。
【0020】 更に、溶着材に1次電極を近接させる距離としては、0.5mm程が最も効果 的である。
【0021】 更にまた、所定範囲の電流値としては、0〜70A,特に0〜65Aが最も望 ましい。
【0022】 また、短時間とは、0.05〜0.5秒、更に好ましくは0.1〜0.2秒で ある。
【0023】 なお、溶着材として粉末合金を選択することにより、山頂点の角やエッジ等の 補修を簡易化することができる。
【0024】
【作用】
本考案に係る溶接装置では、まず、金属部材に2次電極を電気的に接続し、予 め金属部材の補修箇所に固着した溶着材に対しホルダーを介して1次電極を近接 させ、次いで、電源装置を作動させて溶着材へアークを所定電流値にて短時間放 射することにより1個の肉盛溶接部を形成する。この作業を所望回繰り返しなが ら肉盛溶接部を逐一設けるこより、補修箇所の全域に必要な肉盛りを得ることが できる。その後、余肉を取り除き、研磨して仕上げる。
【0025】
【実施例】
以下に本考案に係る溶接装置の一実施例を添付図面に基づき説明する。
【0026】 図1は、本考案の溶接装置における電源装置の原理図であり、図2は、補修作 業の概略説明図である。
【0027】 電源装置は、家庭用のAC100Vを電源とし、全ての制御を担当させる制御 用プリント基板(NP−2)41を具備する。また、1次電極10及び2次電極 20は、それぞれケーブル12,21(図2参照)を介し電源装置の出力端子に 着脱自在に接続される。なお、1次電極10は、アークに指向性を与えるため先 細りしたピン形状とされ、コレットを介する等してホルダー11に装着される。
【0028】 また、補修作業に際し、2次電極20は、図2にて便宜的に表される金属母材 1に貼り付ける等して電気的に接続されると共に、補修箇所2の近辺はアルゴン ガス管30からのアルゴンガスによりアルゴンガス雰囲気とされる。なお、アル ゴンガス管30がホルダー11と一体であってもよい。
【0029】 次にアークを発生させる過程と共に電源装置の構成を概説する。
【0030】 図示されない電源スイッチ(図示せず)を入れて電源装置を稼動可能な状態と した後、把持したホルダー11にて1次電極10を金属母材1の補修箇所2を覆 うよう予め溶接により固着した溶着材3に対し0.5mm程度に近接させ、フッ トスイッチ(FT−1)52を1回踏む。これにより、スイッチング素子である ソリッド・ステート・リレー(SSR)43が作動し、メイントランス(T1) 44の入力側44’に電流が設定した短時間だけ流れる。
【0031】 次いで、メイントランス(T1)44の電磁誘導により出力側44”に生じた 電流が整流器(D−1)45により直流に変換される。その後、高周波発生器( HF−1)47により高周波カップリングコイル(CC−1)48を介して昇圧 され、1次電極10と金属母材1との間に高周波(0.1〜2MHz程度)が加 わり、1次電極10と溶着材3との間に導電性が付与され、1次電極10からア ークがノータッチスタートする。なお、アークの発生時間は、外部タイマー(T −1)51により0.1〜0.2秒に、アークの電流値は、電流調整器(SL− 1)42により0〜65Aに調整される。また、参照番号49(C1,C2)は 高周波のバイパスであり、46(L−1)は電流検出器、50(DS−1)は溶 接電流の表示計、更に、53はアルゴンガス管30と連通するガスバルブである 。
【0032】 以上の1回のアークの放射により、金属部材1の補修箇所2には溶着材3が部 分的に溶融凝固して隆起した1個の肉盛溶接部4が形成される。なお、図2にお いては、3回アークを発生させて得た3個の肉盛溶接部4が表されており、それ ぞれ1/3程重複させて肉盛りの途切れを防ぐようにし、その後、肉盛溶接部4 が補修箇所2の全域をカバーする回数分だけ既述の作業を更に繰り返す。その後 、余肉を取り除き、研磨して仕上げる。なお、補修箇所によっては肉盛溶接部を 積層させて必要な厚さの肉盛りを得る。
【0033】 また、本考案の溶接装置では、例えば山頂点の角等の補修箇所に対し、溶着材 として粉末合金(パウダー)を選択する等して、有効に対処することができる。
【0034】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の溶接装置では、金属母材の補修箇所に固着した溶 着材に近接させた1次電極と、金属母材に電気的に接続させた2次電極との間に 電源装置が導電性を付与して、1次電極から溶着材へアークを短時間だけ放射し て1個の肉盛溶接部を形成することができ、これを補修に必要な肉盛りを得るま で逐一繰り返す。
【0035】 よって、従来のアルゴン溶接のようにアーク熱を連続的に発生させるものでは なく、アークを短時間放射するだけなので、金属母材にひけ、歪み、変形、曲が り、変色等の熱的悪影響を与えることはなく、ホルダーを介し微細な補修箇所に 1次電極を対向させ適当な溶着材を選択して容易に少量肉盛りを施すことができ る。
【0036】 また、金属母材と一体化した溶接のため、くい切りの肉盛り溶接で1/100 mm単位の研磨でも剥離せず、仕上がりの耐久性が良好であり、補修作業に面倒 な操作が一切ないため、作業に長時間を要せず、熟練技術も全く不要である。
【0037】 更に、例えば、有毒ガスを発生するようなことはなく安全であるとか、取り除 くべき余肉を最少に抑えて仕上げを簡易化できる等の諸効果をも持たらすため、 結果として、長年の宿願であった成形用金型等の金属母材の再生を簡易、且つ、 確実にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る溶接装置における電源装置の原理
図である。
【図2】本考案に係る溶接装置による補修作業の概略説
明図である。
【符号の説明】
1 金属母材 2 補修箇所 3 溶着材 4 肉盛溶接部 10 1次電極 11 ホルダー 20 2次電極 30 アルゴンガス管 52 フットスイッチ

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属母材の補修箇所に固着した溶着材へ
    不活性ガス雰囲気中にてアークを短時間放射して肉盛溶
    接部を形成するために用いる溶接装置であって、 絶縁
    材質のホルダーにて保持した1次電極と、前記金属母材
    に電気的に接続させる2次電極と、この2次電極及び前
    記溶着材に近接させた前記1次電極間に導電性を付与
    し、当該1次電極から前記アークを所定範囲の電流値に
    て前記短時間だけ発生させる電源装置とから構成したこ
    とを特徴とする溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記所定範囲の電流値が0〜70Aであ
    り、前記短時間が0.05〜0.5秒である請求項1に
    記載の溶接装置。
  3. 【請求項3】 前記1次電極が先細りした形状である請
    求項1又は請求項2に記載の溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記溶着材として粉末合金を選択し得る
    請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載の溶接装置。
JP1994010546U 1994-08-25 1994-08-25 溶接装置 Expired - Lifetime JP3010808U (ja)

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