JP3010447U - 軟胴植木鉢 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢の胴部を軟胴化して、手指により容易
に加圧凹状となすことができ、土壌の変形、崩壊により
耕運状態とし、植物の活性化を維持できる通常の外観を
有する植木鉢。 【構成】 プラスチックを成型して植木鉢を作成するに
際し、円形を維持するために上縁、下縁に帯状肉厚部、
直径と相対する４点より縦方向に半円状の支柱を設け、
胴部は肉厚が三分の一程度で、手指より、凹状となる軟
胴植木鉢。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

観賞用または栽培用植木鉢は、自然経時とともに土壌が沈下、固化して、所謂 土締まりの状態になる。この結果植物の根の張りは制限されるようになり、土中 の通気も減少し、成長は鈍化し、樹勢は衰える。このような場合、通常植物を鉢 から取り出し、土壌の入れ替え、根切り等をして、再び鉢に植えるものである。 成長に伴う大鉢移植以外は、本考案の軟胴植木鉢を使用することにより、土壌 の土締まり、通気減少、根張り不具合等を容易に改善しうるものである。

【０００２】

【従来の技術】

植木鉢は通常、素焼きの土製、プラスチック、時には木、竹、等の大小植物用 容器であるが、何れにしても、固形胴状のもので、経時に伴う土締まり、土中の 通気減少、根張りの制限など、植物の活性に必要な条件を与えていない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

植物の活性を保つために、固形胴植木鉢では、土締まり、根の張り、通気減少 を改善するためには、取り出して植え替えるが、取り出すことをしないで植物の 活性を維持しようとする植木鉢の形状から得られる効果である。 植物の成長に伴う、根の張り出しは土壌が固化するに従い制限を受けるので、 農業栽培では、土の耕運掘り起こしを常に行い、根張りを容易にし、土壌の通気 を心がけている。本考案は、これを植木鉢に移行し、通常の植木鉢の形状を保ち つつ、手指の簡単な動作により、土締まり、通気減少を改善せしめるものであり 植物の活性を維持するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

プラスチック等を成型して植木鉢としての形状を作成するに際して、円形の形 状を保つために、植木鉢の上縁、下縁に帯状の肉厚部を設け、鉢の上下方向の形 状を維持するために、断面半円状の支柱を直径の相対する２点、これに直角に交 わる直径の相対する２点、計４点に設ける。円筒状胴部は通常の強度的に必要な 厚みの三分の一程度で、手指による加圧により容易に凹状に変形し、内部土壌を 変形せしめ、崩壊、亀裂、空隙を来たし、植物根部に快適な状態を与える形状と した。

【０００５】

【作用】

このような形状にした植木鉢は、外観は通常の植木鉢にして、軟胴からの作用 効果として、植物の成長による大鉢移植以外は、土締まり、土壌の固化による根 張りの制限化、通気不足からの植物活性低下等を防止するものである。観賞又は 栽培のため、軟胴植木鉢に設定された植物は、経時により、土締まり、固化を認 識した場合、手指により軟胴部を左右または前後に押す如き動作をすることによ り、土壌は崩壊、亀裂、空隙を来たし、根張りを容易にし、通気による活性化等 植物に好ましい環境を与えるものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の実験的方法として、１．５リットルの市販ミネラルエオーターのプラ スチックボトルを植木鉢様に切断し、底部に排水孔を設け、土壌を加え実生やく ３年のもみじを植え、他方、従来の素焼き土製の植木鉢に同様３年のもみじを植 え、１年ほど観察した。プラスチックボトルは軟胴植木鉢の胴部にやや似て、手 指により容易に凹状変形、内部土壌は崩壊的に変形し、畑地の耕運と同様な状態 になった。他方の素焼き鉢は、放置し土締まり、固化を自然状態にしておいた。 １年程度の比較ではあるが、目視的に樹勢の差を認め得、もみじの葉の色あい や、先端の枯れ具合に差があり、軟胴を月に一回程度手指により加圧変形するこ とによる樹勢の活性化は明らかに認められた。植木鉢としての形状を維持し、軟 胴を加圧変形しうる本考案の形状は、植物の活性に有意の差をもたらすものであ った。

【図面の簡単な説明】

【図１】軟胴植木鉢を上面より見た平面図

【図２】断面図

【図３】縦方向４本の支柱部分の上面より見た平面の一
部

【図４】上部断面の拡大説明図

【図５】胴部の手指による加圧作用模式図を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチックを成型して、土壌および植
   物の重量に耐えて、植木鉢の形状を保つ強度を有する上
   縁、下縁の肉厚帯状円周部及び上下方向４本の支柱およ
   び手指により容易に凹状を呈する事が可能な鉢状本体よ
   り成る植木鉢の形状。