JP3010335U

JP3010335U - 防水性化粧柱

Info

Publication number: JP3010335U
Application number: JP1994014106U
Authority: JP
Inventors: 周二森; 治巳戒田; 稔稲垣
Original assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Current assignee: Mitsuboshi Belting Ltd
Priority date: 1994-10-19
Filing date: 1994-10-19
Publication date: 1995-05-02
Anticipated expiration: 2000-10-19

Abstract

(57)【要約】【目的】木口から吸水を完全に近い状態に防止するこ
とができ、しかも簡単に造ることのできる経済的なウレ
タン製の防水性化粧柱を提供することを目的とする。【構成】芯材２と硬質発泡ウレタン層３とを一体に成
形した防水性化粧柱１であり、芯材２の周面および芯材
２の根本端部４に硬質発泡ウレタン層３を被覆した構成
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は建造物のポーチ柱や門柱として用いる防水性化粧柱に係り、詳しくは天然銘木を型取りした硬質発泡ウレタン製の和風ポーチ柱や門柱において、防水性を付与した屋外用途に適した防水性化粧柱に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近、地球環境の問題から南洋の森林伐採に対する規制が厳しくなり、この規制は各国に拡がってゆく方向にあると言われている。このような状況下で木に代わる経済的なプラスチック製品に対する要求が強くなりつつある。上記社会的要求に適した製品の例として樹脂製床柱がある。

【０００３】上記化粧柱は、天然銘木を型取りしたシリコーンゴム型を用いて木質芯材と硬質発泡ウレタンとを一体に成形して得ることができるもので、天然銘木に酷似した外観の化粧柱が知られている。この化粧柱は耐候性塗料を塗装しているので天然銘木のように赤く陽焼けするようなことがなく、また天然銘木のように干割れする問題がなく、耐久性に優れる特長がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記化粧柱をポーチ柱や門柱などの屋外用途に使用する場合には、次の点で改良すべき点が残っていた。即ち、ウレタン製の擬木は補修の目的で一般に木質の角棒状または丸棒状などの芯材と一体成形して製造するが、柱を床に固定する際、ウレタンよりも強度の強い木質の芯材部を利用する必要があり、端部の木口を露出した形にすることが行われている。

【０００５】しかし、木は吸水性が高くて雨水を根本の木口から吸水し、腐敗する問題があった。また、天然銘木においては一層木口面積が広く、表面の木肌からも吸水をするのでより問題を大きくし、業界では対策に苦慮している。具体的には、沓石に水はけ溝を付けたり、根本に銅板を巻いたり、あるいは薬品で木に防水処理をする等が行われているが、いずれも充分満足な結果が得られていないのが現状である。

【０００６】本考案は、このような問題点を改善するものであり、木口から吸水を完全に近い状態に防止することができ、しかも簡単に造ることのできる経済的なウレタン製の防水性化粧柱を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

即ち、本考案の特徴とするところは、芯材と硬質発泡ウレタン層とを一体に成形した防水性化粧柱において、芯材の周面および芯材の根本端部に硬質発泡ウレタン層を被覆した防水性化粧柱にある。また、本考案はコーチボルトが芯材の根本端部に挿入され端面から露出している防水性化粧柱も含む。

【０００８】

【作用】

本考案の防水性化粧柱では、芯材の周面および芯材の根本端部に硬質発泡ウレタン層を被覆しているため、木口から吸水を完全に近い状態に防止することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、添付図面を参照し、本考案の実施例を説明する。図１は本考案に係る防水性化粧柱をコンクリート床に設置した状態を示す断面図、図２は本考案に係る防水性化粧柱を沓石を介してコンクリート床に設置した状態を示す断面図、図３はコンクリート床に設置した洋風台座の上に本考案に係る防水性化粧柱を立てた状態を示す断面図を示す。

【００１０】本考案に係る防水性化粧柱１は、造作用集成材、耐荷重性を有する構造用集成材、あるいは間伐材や角材等からなる芯材２とこれを包囲した硬質発泡ウレタン層３とを一体に成形したものである。上記芯材２の形状は特に規定しないが、円柱状、４角柱状、８角柱状等が通常用いられる。また、芯材２の水分率は１２％以下のものを使用することが望ましい。そして、芯材２の周面および芯材の根本端部４には、硬質発泡ウレタン層３が被覆され、コーチボルト５が装着され、端面から露出している。むろん、コーチボルト５が装着されていなくてもよい。

【００１１】図１では、防水性化粧柱１の根本端部４から突出したコーチボルト５がコンクリート床７内に埋め込まれている。尚、コンクリート床７上にタイル仕上がり面８を敷設し、根本端部４付近を埋設して防水性を高めている。

【００１２】また、図２では、コンクリート床７上に沓石９を設置し、この沓石９の上に防水性化粧柱１を立てたものであるが、防水性化粧柱１の根本端部４はコンクリート床７および沓石９に埋設したコーチボルト５に嵌入され、固定されている。そして、コンクリート床７上にタイル仕上がり面８を敷設されている。

【００１３】更に、図３では、上記沓石９に代わって洋風台座１０が使用された例であり、コーチボルト５は洋風台座１０を貫通して防水性化粧柱１の根本端部４へ嵌入固定している。そして、コンクリート床７上にタイル仕上がり面８が敷設されている。

【００１４】上記防水性化粧柱の製造方法では、まず天然杉の先端径１２０ｍｍ、長さ３ｍの磨丸太について背割れ部に長尺のＶ型木片を打ち込み欠陥のない形に整えた。これをモデルにしてシリコーン型を作製し、ウレタン成形体を取り出すことができるようにシリコーン型のモデル背割れ部に当たる位置をＰＴ面として、長尺方向に一か所切り開いた。

【００１５】このシリコーン型をリテーナモールドに設置し、コーチボルトを端部中央に差し込んだ直径９０ｍｍの構造用集成材を、該コーチボルトを差し込んだ木芯端面に２０ｍｍ厚のウレタン層が形成されるように、シリコーン型の中心軸と木芯の中心軸を一致させるように固定した。そして、シリコーン型内に硬質発泡ウレタン液を注型し、木芯とコーチボルトとウレタンを一体成形した。

【００１６】この柱に使用した木芯の水分率をＭＴ−１００型（日本理化硝子社製）で測定したところ１０．２％であったが、この柱のコーチボルト側の根本端部に相当する１００ｍｍ長さ部分をカットしないでそのまま２３°Ｃ水中に一週間浸積し、浸積後の木芯の根本端面の水分率をウレタン層を除去して測定したところ１０．２％であり吸水が認められなかった。一方、この柱を根本のコーチボルト差し込み部を切断して除去し、木口を露出した形にして１００ｍｍ長さ部分をそのまま２３°Ｃ水中に一週間浸積し、浸積後の木芯端部から２０ｍｍの中央位置の水分率を測定したところ、２１．３％であった。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案の芯材の周面および芯材の根本端部に硬質発泡ウレタン層を被覆しているため、木口から吸水を完全に近い状態に防止することができる効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る防水性化粧柱をコンクリート床に
設置した状態を示す断面図である。

【図２】本考案に係る防水性化粧柱を沓石を介してコン
クリート床に設置した状態を示す断面図である。

【図３】コンクリート床に設置した洋風台座の上に本考
案に係る防水性化粧柱を立てた状態を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

１防水性化粧柱２芯材３硬質発泡ウレタン層４根本端部５コーチボルト７コンクリート床８タイル仕上がり面９沓石

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｅ０４Ｃ 3/36 9130−2Ｅ // Ｂ２９Ｋ 75:00 Ｂ２９Ｌ 9:00 31:10

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】芯材と硬質発泡ウレタン層とを一体に成
形した防水性化粧柱において、芯材の周面および芯材の
根本端部に硬質発泡ウレタン層を被覆したことを特徴と
する防水性化粧柱。
【請求項２】コーチボルトが芯材の根本端部に挿入さ
れ端面から露出している請求項１記載の防水性化粧柱