JP3009733U - 磁気治療器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人体の肩コリ等を緩和するための磁気治療器
に関し、肩コリ等の患部に与える磁力を周期的に変化さ
せることのできる磁気治療器を提供すること。 【構成】 磁気治療器の本体１の振幅調節ツマミ５を回
して所望の強さの磁力を設定し、周期調節ツマミ６を回
して磁力の発生周期を所望の周期に設定することによっ
て、磁力発生部２において発生する磁力を所望の周期と
強さでパルス的に変化させる。磁力発生部２を粘着部３
によって患部に貼り付けると、パルス的な磁力によって
優れた磁気治療効果が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、人体の肩コリ等を緩和するための磁気治療器に関するものであって 、特には、肩コリ等の患部に与える磁力を周期的に変化させることのできる磁気 治療器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、人体の肩コリ等を緩和するための治療器としては、周期的な電圧を 患部に与える電圧型治療器と、磁石を患部に貼付して磁力を患部に与える磁気治 療器とが一般的である。 前記電圧型治療器は、発振回路によって生成したパルス電圧を、皮膚に貼付し た電極を介して人体に与え、周期的な電気刺激によって筋肉を収縮運動させるも のであり、与える電圧や、与える時間や間隔等を変化させることによって「揉む 」，「叩く」等の機能を切り替えるようにしたものもある。特に、症状や体質に よって、適切な電圧や時間に調節することができるので、効果的な治療効果が期 待できるものである。

【０００３】 前記磁気治療器は、人体に流れる血液に含まれる鉄分に作用し、血行を良くす ることにより、肩コリ等を緩和する効果があると言われている。このような磁気 治療器の一例として、粘着シートを備えた永久磁石がある。この磁気治療器の場 合には、永久磁石が肩コリ等の患部に直接当たるように前記粘着シートによって 人体に貼付して使用するものである。貼付した後に皮膚から剥したり、使用期間 が長くなりすぎたりすると、前記粘着シートの粘着力が弱まって、皮膚に貼付で きなくなるので破棄して、新たな磁気治療器と取り替えられるのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上述したような従来の磁気治療器は、永久磁石を使用するため、患 部に与える磁力が常に一定であり、磁力を所望の強さに調節することができなか ったので、症状や体質等に応じて適切な磁力を与えることができなかった。 また、上述したように、磁力が常に一定で連続的に与えられるものであり、磁 力の強さや極性を時間の経過に応じて変化させることができなかったので、症状 や体質等に応じて適切な変化パターンの磁力を与えることができなかった。

【０００５】 また、粘着シートの粘着力が弱まると、十分な磁力が残存している永久磁石ま で破棄しなければならないので、資源の有効利用の点から問題があった。

【０００６】 そこで、本考案は、発生する磁力が一定でなく変化する磁気治療器を提供する ことを目的としてなされたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１においては、電磁石による磁力発生手段と、所定の周期のパルスで前 記磁力発生部を駆動する駆動手段と、前記磁力発生部を皮膚に貼り付けるための 粘着手段とを備えるという手段を講じた。 請求項２においては、電磁石による磁力発生手段と、所定の周期のパルスで前 記磁力発生部を駆動する駆動手段と、前記パルスの振幅を調節することによって 前記磁力発生手段において発生する磁力を調節する磁力調節手段と、前記パルス の周期を調節する周期調節手段と、前記磁力発生部を皮膚に貼り付けるための粘 着手段とを備えるという手段を講じた。

【０００８】 請求項３においては、前記請求項１もしくは２に記載の粘着手段を、粘着力が 再生可能な粘着手段としたものである。

【０００９】

【作用】

請求項１では、電磁石による磁力発生手段を所定の周期のパルスで駆動するの で、患部にはパルス状の磁力が与えられる。よって、血液中の鉄分に対する作用 もパルス的に変化し、従来にない治療作用が期待できる。前記磁力発生部は粘着 手段によって皮膚に貼り付けられているので、上記作用が継続的に得られる。

【００１０】 請求項２では、電磁石に加えるパルスの振幅と周期とを調節することにより、 患部に与えられる磁力の変化幅と周期も調節できるので、適切な磁気治療効果に 設定できる。 磁力の調節の原理を説明するために示した図４において、電磁石４の巻線の巻 き数をＮ、電流をＩとすると、電磁石４の磁芯において発生する磁力（磁束）Ｂ は、以下の式で表される。

【００１１】 Ｂ＝μ₀ ・μ_S ・Ｎ・Ｉ 〔Ｔ〕 ここで、μ₀ は真空の透磁率（４π×10^-7〔Ｈ／ｍ〕）、μ_S は前記磁芯の比 透磁率である。 よって、可変抵抗Ｒを調節して電流Ｉを変えることによって、発生する磁力を 調節することができるのである。

【００１２】 請求項３では、前記粘着手段の粘着力を再生することにより何回も繰り返して 皮膚に貼り付けて使用できる。

【００１３】

【実施例】

以下に、本考案にかかる磁気治療器を、その実施例を示した図面に基づいて詳 細に説明する。 図１は本考案の一つの実施例による磁気治療器の斜視図、図２は磁力発生部の 断面図、図３は電源供給部の回路図である。

【００１４】 図１、図２において、１は磁気治療器の本体であり、振幅調節ツマミ５，周期 調節ツマミ６，及び磁力の発生周期に応じて点滅する表示器７を備えている。 ２は磁力発生部であり、皮膚に貼り付けるための粘着部３と粘着部３の中央部 に配設された電磁石４を備えている。前記粘着部３は水分を補給することによっ て粘着力が再生可能である。

【００１５】 前記本体１と磁力発生部２，２とはコードで接続されている。

【００１６】 図３において、11は方形波発振器であり、前記周期調節ツマミ６が設けられた 周期調節ボリューム12の抵抗値に応じて周期が変化するパルス列信号を出力する 。13は前記パルス列信号の振幅を調節するための磁力調節ボリュームであり、当 該磁気治療器の電源のオンオフを操作する電源スイッチの接点も同軸に設けられ ている。よって、前記振幅調節ツマミ５を回すことによって、電源のオンオフと 磁力の強弱を調節できるのである。

【００１７】 14は前記パルス列信号を電流増幅して前記電磁石４において周期的な磁力を発 生させるための電流を制御するトランジスタ、15はこの磁気治療器の各部に電力 を供給する充電池である。

【００１８】 なお、粘着部３は再生可能な粘着手段に、振幅調節ツマミ５と磁力調節ボリュ ーム13とは磁力調節手段に、周期調節ツマミ６と周期調節ボリューム12とは周期 調節手段に、電磁石４は磁力発生手段に、方形波発振器11とトランジスタ14とは 駆動手段に、それぞれ対応している。

【００１９】 以上のように構成された磁気治療器の磁力発生部２，２を患部の皮膚に貼り付 けて、前記振幅調節ツマミ５を回すと、電源スイッチがオンされ前記電磁石４に 電流が供給され始める。そして、前記周期調節ツマミ６を回して適切な周期に設 定する。このとき、表示器７が点滅することによって設定されている周期の程度 を視認することができる。

【００２０】 また、振幅調節ツマミ５を回して適切な強さの磁力を設定する。点滅する表示 器７の輝度が上がれば、磁力の振幅が大きくなったことを知ることができる。 このようにして、上述した磁気治療器によれば、所望の周期と強さの磁力が患 部に加えられるので、適切な磁気治療効果が得られる。

【００２１】 前記粘着部３が乾燥して粘着力が弱くなった場合には、水分を補給することに よって粘着力を再生することができるので、何回でも、貼ったり剥したりして繰 り返し使用できるという効果が得られる。なお、複数枚重ねて貼った粘着テープ を順次剥がしたり、粘着テープを貼り替えることによって、粘着力を再生するよ うにしてもよい。

【００２２】 また、電源としては充電池を内蔵しているので、充電することによって繰り返 し使用でき、前記再生可能な粘着部３と合わせて、資源の有効利用が可能となる のである。

【００２３】 前記充電池15に代えて、各家庭のＡＣ100 Ｖの商用電源を用いてもよい。この とき、前記商用電源の周期（西日本であれば60Hz，東日本であれば50Hz）を利用 して、周期的な磁力の変化を得ることも可能である。 また、前記本体１と同等の機能を装置を椅子に内蔵し、複数の磁力発生部を例 えば背もたれの部分に配設すれば、椅子に掛けた状態で、磁気治療効果を得るこ とが可能になる。

【００２４】 また、磁力発生部の電磁石に使用する磁芯としては、珪素系鋼板やパーマロイ 等の透磁率の高い素材が好ましい。

【００２５】 また、磁力の発生する周期を人間の心臓の鼓動と同じ周期に設定することによ り、従来の磁気治療器に比べて、血行促進効果が向上し、磁気治療効果が向上す る。 また、電磁石４に供給する電流の極性を反転させるスイッチを備えることによ り、皮膚に貼り付けた状態で発生する磁力の極性を適宜切り替えることが可能と なる。

【００２６】 また、前記磁力発生部２の皮膚に接する面の一部に、電極を露出させ、この電 極に前記電磁石４に加えるべき電圧を印加することによって、電圧型治療器の効 果も得ることが可能である。

【００２７】

【考案の効果】

このようにして、本考案の請求項１の磁気治療器によれば、患部にパルス状の 磁力を与えるので、従来にない優れた磁気治療効果が得られるのである。 請求項２の磁気治療器によれば、患部に与えられる磁力の強さと周期を調節で きるので、患部の状況に応じて適切な磁気治療効果を得ることができる。

【００２８】 請求項３の磁気治療器によれば、粘着手段の粘着力は再生することにより繰り 返して使用できるので、資源の有効利用ができるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一つの実施例による磁気治療器の斜視
図である。

【図２】磁力発生部の断面図である。

【図３】電源供給部の回路図である。

【図４】磁力を調節する原理を説明する図である。

【符号の説明】

１ 磁気治療器の本体 ３ 粘着部（粘着手段） ４ 電磁石（磁力発生手段） ５ 振幅調節ツマミ ６ 周期調節ツマミ 11 方形波発振器（駆動手段） 12 周期調節ボリューム（周期調節手段） 13 磁力調節ボリューム（磁力調節手段） 14 トランジスタ（駆動手段）

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁石による磁力発生手段と、 所定の周期のパルスで前記磁力発生部を駆動する駆動手
   段と、 前記磁力発生部を皮膚に貼り付けるための粘着手段とを
   備えたことを特徴とする磁気治療器。
2. 【請求項２】電磁石による磁力発生手段と、 所定の周期のパルスで前記磁力発生部を駆動する駆動手
   段と、 前記パルスの振幅を調節することによって前記磁力発生
   手段において発生する磁力を調節する磁力調節手段と、 前記パルスの周期を調節する周期調節手段と、 前記磁力発生部を皮膚に貼り付けるための粘着手段とを
   備えたことを特徴とする磁気治療器。
3. 【請求項３】粘着手段は、粘着力が再生可能である粘着
   手段であることを特徴とする請求項１もしくは２の何れ
   かに記載の磁気治療器。