JP3007583B2 - 電子レンジ加熱品の包装体 - Google Patents

電子レンジ加熱品の包装体

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JP3007583B2
JP3007583B2 JP9012067A JP1206797A JP3007583B2 JP 3007583 B2 JP3007583 B2 JP 3007583B2 JP 9012067 A JP9012067 A JP 9012067A JP 1206797 A JP1206797 A JP 1206797A JP 3007583 B2 JP3007583 B2 JP 3007583B2
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勲 内藤
修一郎 秋丸
茂寿 津田
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京阪セロフアン株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子レンジを使
用して加熱調理される食品などを包装する包装袋や包装
容器などの包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子レンジは、マイクロ波(電磁波の1
種)を食品に照射し、食品を誘電発熱させて加熱する調
理器具である。この電子レンジによりそのまま加熱調理
することができるように、耐熱性を有する素材で形成さ
れた包装袋や包装容器内に食物を密封した食品が、電子
レンジの普及に伴い、また、その簡便さから、近年、生
産量を伸ばし種類も多様化しつつある。この種の食品で
は、工場で内容物を調製して袋詰め或いは容器詰めする
際に内容物を完全密封することにより、運搬や店頭陳列
中での雑菌の混入を防止するようにしているが、密封さ
れた食品をそのまま電子レンジで加熱すると、袋内或い
は容器内で水蒸気が発生して、その蒸気圧によって袋や
容器の覆蓋シート部が破裂し、内容物が電子レンジの庫
内に飛散して庫内を汚染するばかりでなく、甚だ危険で
もある。そこで、加熱する前或いは加熱の途中に袋に蒸
気抜きのための穴をあけたり覆蓋シート部の一部を容器
から剥がしたりしていた。しかしながら、一々袋に孔を
あけたり覆蓋シート部の一部を剥がしたりするのは面倒
であるため、電磁誘導現象を利用して、加熱時に袋面や
容器の覆蓋部などに自然に蒸気抜きの孔が形成されるよ
うな種々の工夫がなされている。
【0003】例えば特開昭62−271864号公報、
特公昭62−54707号公報、特公平2−49986
公報などには、熱可塑性樹脂からなる覆蓋シート部に
よって密封された密閉容器において、覆蓋シート部の外
面に、金属粉末やカーボン粉等の導電性粉末を含む導電
性塗料により小円形状等の印刷膜を局部的に形成したり
アルミニウム、クロム、酸化錫、酸化インジウム等の導
電性蒸着膜を小円形状等に局部的に形成し、また、覆蓋
シート部の外面に、アルミニウム箔等の金属箔片、銅や
銀等の金属粉などの導電性材料からなる小片部を粘着さ
せ、さらにまた、覆蓋シート部の外面に、重合体などの
非金属性結合剤中に黒鉛やカーボンブラックなどの非金
属性粒子を分散させた付着物を付着させ、密閉容器を電
子レンジの中に入れたときに、マイクロ波の照射により
印刷膜や蒸着膜、小片部、付着物といった導電性の発熱
体が発熱して覆蓋シート部が局部的に急速に加熱され、
その加熱部分の覆蓋シート部が溶融して、覆蓋シート部
に蒸気抜き用の穿孔部が形成されるようにした包装体が
開示されている。また、例えば特開平1−182277
号公報などには、合成樹脂からなる密封包装袋の表面
に、アルミニウム、ニッケル、クロムなどの金属蒸着層
をホットスタンピングにより取り付けて発熱体を形成
し、マイクロ波の照射により導電性の発熱体が発熱し
て、合成樹脂製の包装袋の一部が溶融し、蒸気を放出す
る小孔があけられるようにした包装体が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】マイクロ波の照射によ
る導電性の発熱体の発熱現象は、電磁誘導作用によって
発熱体に発生した渦電流(誘導電流)と発熱体の電気抵
抗とでジュール熱が発生する原理に基づいている。従っ
て、発熱体の発熱による包装袋や包装容器の覆蓋シート
部のシート材の溶融状態は、発熱体に発生する誘導電流
の大きさや発熱体の電気抵抗によって変化する。
【0005】発熱体としてカーボン材のように高電気抵
抗のものを用いると、発熱体に発生する誘導電流が小さ
いので、誘導電流を少しでも大きくするために、発熱体
の面積および/または厚みを大きくする必要があるが、
高電気抵抗の発熱体は、その全面が発熱する。このた
め、図16に示したように発熱体1が付着されたシート
材2は、発熱体1の付着部分の全体が溶融し、図17に
示すように、不定形の大きな断片3を生じて脱気孔4が
形成される。そして、断片3が包装袋内や包装容器内へ
混入して内部の食品を汚染し、また、形成された脱気孔
4の周縁部に不定形の溶融部分が残存して外観が見苦し
くなり消費者に不潔感を与えてしまう、といった問題点
がある。なお、図16の(A)および図17は、包装袋
や包装容器の覆蓋シート部を形成するシート材の部分拡
大縦断面図である。
【0006】一方、発熱体として銅材や銀材のように低
電気抵抗のものを用いると、低電気抵抗の発熱体では発
生するジュール熱が小さく、発熱体の周縁部が軽度に発
熱するだけであるため、シート材を溶融させるのには発
熱量が不十分であって、シート材が開孔しない。また、
ジュール熱の発生量を大きくするために、発熱体の面積
および/または厚みを大きくすると、電子レンジの庫内
でスパークが発生し、著しく危険である。そして、発熱
体の面積および厚みを適度に設定しようとしても、使用
する電子レンジの能力によって適正値が異なることにな
る。
【0007】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、内部に封入された食品などを電子レ
ンジによって加熱したときに、電子レンジの能力の如何
にかかわらず、電子レンジの庫内でスパークが発生した
りすることなく、包装袋や包装容器を形成しているシー
ト材または薄板材に確実に脱気孔を形成させることがで
き、かつ、シート材または薄板材に付着された発熱体の
全面が発熱して、シート材または薄板材の、発熱体の付
着部分の全体が溶融し、不定形の断片を生じてその断片
が包装袋内や包装容器内へ混入し内部の食品などを汚染
する、といったことが起こる心配が無く、形成される脱
気孔の周縁部の見栄えが良く、消費者に不潔感を与える
恐れも無い、電子レンジ加熱品の包装体を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
少なくとも一部が、熱によって溶融する素材からなるシ
ート材または薄板材で形成され、そのシート材または薄
板材の面に、マイクロ波の照射によって発熱しシート材
または薄板材の一部を溶融させてシート材または薄板材
脱気孔を形成させる発熱体が付着され、内部に内容物
が封入される電子レンジ加熱品の包装体において、前記
発熱体を、面状の低電気抵抗部と、この低電気抵抗部
周縁の一部に線状に接するように設けられた有端線状の
高電気抵抗部とから形成し、前記高電気抵抗部の形状に
対応して前記シート材または薄板材の一部が線状に溶融
し前記脱気孔が形成されるようにしたことを特徴とす
る。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1記載の包
装体において、発熱体の低電気抵抗部と高電気抵抗部と
を、互いに電気抵抗の異なる異種の導電性材料によって
それぞれ形成したことを特徴とする。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1記載の包
装体において、発熱体の低電気抵抗部と高電気抵抗部と
を、互いに厚みの異なる同種の導電性材料または互いに
製造方法の異なる同種の導電性材料によってそれぞれ形
成したことを特徴とする。
【0011】請求項1に係る発明の包装体では、電子レ
ンジの庫内でそれにマイクロ波が照射されると、電磁誘
導作用により発熱体の、主として低電気抵抗部において
誘導電流が発生する。この場合、低電気抵抗部は面状に
形成されているので、発生する誘導電流は比較的大き
い。そして、発生した誘導電流が発熱体中を流れること
により、発熱体の、主として高電気抵抗部においてジュ
ール熱が発生し、発熱体の高電気抵抗部で発熱して、シ
ート材または薄板材が発熱体の高電気抵抗部に加熱さ
れ、その加熱部分のシート材または薄板材が溶融して、
シート材または薄板材に脱気孔が形成される。この場
合、高電気抵抗部は有端線状に形成されているので、シ
ート材または薄板材は、低電気抵抗部の周縁の一部に線
状に接した高電気抵抗部の形状に対応して線状に溶融す
るだけで、発熱体の付着部分の全体が溶融することはな
い。このように、発熱体の高電気抵抗部において確実に
発熱しその発熱部分のシート材または薄板材が確実に溶
融するので、低電気抵抗部の面積および/または厚みを
大きくしたりする必要が無く、このため、電子レンジの
庫内でスパークが発生する心配は無い。また、使用する
電子レンジの能力に関係無く、発熱体の高電気抵抗部の
部分のシート材または薄板材が確実に溶融して、シート
材または薄板材に脱気孔が形成される。
【0012】請求項2に係る発明の包装体では、発熱体
において、電気抵抗の低い導電性材料によって形成され
た低電気抵抗部に十分に大きな誘導電流が発生し、電気
抵抗の高い導電性材料によって形成された高電気抵抗部
に十分に大きなジュール熱が発生する。
【0013】請求項3に係る発明の包装体では、発熱体
において、導電性材料によって厚く形成された低電気抵
抗部に十分に大きな誘導電流が発生し、同種の導電性材
料によって薄く形成された高電気抵抗部に十分に大きな
ジュール熱が発生し、または、導電性材料によって形成
された低電気抵抗部に十分に大きな誘導電流が発生し、
同種の導電性材料により低電気抵抗部とは異なる製造方
法によって形成された高電気抵抗部に十分に大きなジュ
ール熱が発生する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図1ないし図11を参照しながら説明する。
【0015】図1ないし図7は、この発明の実施形態の
1例を示し、図1および図2は、それぞれ電子レンジ加
熱品の包装袋の平面図および正面図であり、図4は、図
1のIV−IV矢視縦断面の部分拡大図、図6は、図1のVI
−VI矢視縦断面の部分拡大図である。
【0016】この包装袋は、表裏2枚のシート材10、
12を互いに重ね合わせ、両シート材10、12の周縁
部同士を熱接着することにより、両シート材10、12
の各内面と熱接着部14とで囲まれた収容部を有する袋
形態(四方袋)に形成されており、内容物である食品1
6が収容部に収容されて密封される。各シート材10、
12は、例えば、基材フィルムとシーラントフィルムと
を積層し互いに貼り合わせてそれぞれ形成されている。
なお、図4ないし図7では、シート材10、12の積層
構造の図示化を省略している。各シート材10、12の
基材フィルムおよびシーラントフィルムは、それぞれ熱
可塑性樹脂フィルムで形成されている。例えば、基材フ
ィルムが2軸延伸されたナイロンフィルムやポリプロピ
レンフィルムなどによって形成され、シーラントフィル
ムが無延伸のポリプロピレンフィルムなどによって形成
されており、両フィルムが接着剤で貼り合わされてシー
ト材10、12が形成されている。
【0017】一方のシート材10には、熱接着部14以
外の適当な個所に導電性材料からなる発熱体18が付着
されている。発熱体18は、導電性インク、金属箔、導
電性物質の蒸着膜などによって形成され、シート材10
の外面または内面(図示例ではシート材10の内面)に
付設され、あるいは、複合フィルム化されたシート材1
0では、フィルム層の間に付設される。発熱体18をシ
ート材10のフィルム層間に設置したときは、発熱体1
8がフィルムによって保護されるので、好適である。ま
た、発熱体の層を設けたフィルム小片をシート材10に
貼付するようにしてもよい。大きなサイズの包装袋で
は、シート材10の1個所から包装袋内部の水蒸気を脱
気させるより複数個所から脱気させる方が、内容物の食
品に対し熱媒体となる水蒸気の流れが分散化し、食品を
均一に加熱させることができる。従って、発熱体18の
設置数は、包装袋のサイズや内容物の量などを考慮して
決定すればよい。
【0018】発熱体18は、図3に拡大平面図を示すよ
うに、互いに接続した2つの部分、すなわち、四角形の
面状に形成された低電気抵抗部20と、この低電気抵抗
部20の3辺を取り囲むようにコの字形の有端線状に形
成された高電気抵抗部22とにより構成されている。発
熱体18内において低電気抵抗部20と高電気抵抗部2
2とを形成するには、互いに電気抵抗の異なる異種の導
電性材料を組み合わせて発熱体18を作成する。例え
ば、低電気抵抗部20を銀材によって形成するととも
に、高電気抵抗部22をカーボン材によって形成する。
低電気抵抗部20を形成する導電性材料としては、銀の
他、アンチモン、錫、白金、鉄、ニッケル、亜鉛、アル
ミニウム、金、銅などの金属系および金属複合系の材料
が使用され、また、高電気抵抗部22を形成する導電性
材料としては、カーボンの他、グラファイトや金属酸化
物系などの材料が使用され、これらの導電性材料を適当
に組み合わせて発熱体を形成すればよい。また、導電性
材料の電気抵抗は、製造方法(パウダー、フレーク、リ
ボン、繊維、メタライジング等)などによっても大幅に
変化するので、製造方法を変えるなどして所望の電気抵
抗を有する導電性材料を形成するようにしてもよい。さ
らに、導電層の厚みと電気抵抗とは反比例の関係がある
ので、同種の導電性材料、例えば酸化インジウム、アル
ミニウム、錫、ニッケルなどを用い、低電気抵抗部20
の導電層の厚みを大きくし、高電気抵抗部22の導電層
の厚みを小さくして、発熱体18を作成するようにして
もよい。また、発熱体18内において2つの部分の電気
抵抗を変える方法は、これら以外のものであってもよ
い。
【0019】以上のような構成の包装袋を電子レンジの
庫内に入れ、その包装袋にマイクロ波を照射すると、電
磁誘導作用により、発熱体18の、主として面状の低電
気抵抗部20において比較的大きな誘導電流が発生す
る。そして、発生した誘導電流が発熱体18中を流れる
と、発熱体18の高電気抵抗部22においてジュール熱
が発生し、高電気抵抗部22が発熱して、その発熱部分
のシート材10を加熱する。シート材10が発熱体18
の高電気抵抗部22の発熱によって加熱されると、シー
ト材10は、高電気抵抗部22の形状に対応したコの字
形に溶融し、図5(図1のIV−IV矢視拡大縦断面図に対
応)および図7(図1のVI−VI矢視拡大縦断面図に対
応)に示すように、発熱体18の外縁に沿った形状の脱
気孔24が形成され、その脱気孔24を通して包装袋の
内部の水蒸気が袋外へ排出される。この際、シート材1
0は、発熱体18の付着部分の一部がコの字形に溶融し
て切断されるだけで、残りの未溶融部分26は、シート
材10から欠落することなく扉様に残る。そして、この
ような構成の包装袋では、発熱体18の形状および大き
さを適宜設計することにより、シート材10に形成され
る脱気孔24の面積を所望通りに設定することができる
ので、脱気孔24の面積を調整することにより、包装袋
の内部から放出される水蒸気量をコントロールすること
が可能になる。
【0020】上記実施形態では、四角形の低電気抵抗部
20の3辺をコの字形の高電気抵抗部22で取り囲むよ
うにして発熱体18を形成したが、発熱体における低電
気抵抗部および高電気抵抗部の各形状は、図3に示した
ものに限らない。例えば、図8の(a)に拡大平面図を
示すように、四角形の低電気抵抗部30の1辺に沿わせ
るように線分状の高電気抵抗部32を設けて発熱体28
を形成したり、図8の(b)に示すように、矩形状の低
電気抵抗部36の中央部を横切るように線分状の高電気
抵抗部38を設けて発熱体34を形成したり、図8の
(c)に示すように、矩形状の低電気抵抗部42の両長
辺にそれぞれ沿わせかつ矩形状の低電気抵抗部42の中
央部を横切るようにH形状の高電気抵抗部44を設けて
発熱体40を形成したり、また図8の(d)に示すよう
に、半円形の低電気抵抗部48の半円周に沿わせるよう
に円弧状の高電気抵抗部50を設けて発熱体46を形成
したりすることができる。
【0021】また、発熱体における低電気抵抗部および
高電気抵抗部の形成方法としては、例えば、図9の
(a)に拡大縦断面図を示すように、低電気抵抗部54
と高電気抵抗部56とが表裏両面で面一となるように発
熱体52を形成したり、図9の(b)に示すように、低
電気抵抗部60と高電気抵抗部62とが表面側で面一と
なり裏面側では高電気抵抗部62が低電気抵抗部60の
一部を被覆するように発熱体58を形成したり、また、
図9の(c)に示すように、低電気抵抗部66と高電気
抵抗部68とが表面側で面一となり裏面側では高電気抵
抗部68が低電気抵抗部66の全面を被覆するように発
熱体64を形成したりするなど、種々の形成方法が考え
られる。
【0022】包装袋の形態としては、図1および図2に
示したような四方袋に限らないのは勿論であり、例えば
合掌袋など、種々の形態を採用し得る。
【0023】図10および図11は、この発明の別の実
施形態を示し、電子レンジ加熱品の包装容器の部分拡大
縦断面図である。この包装容器は、上面が開口した容器
本体部70の上部開口面全体を覆蓋シート材72で完全
に覆い、容器本体部70の上部開口面の周縁部74と覆
蓋シート材72の周縁部とを接着剤で接着させあるいは
熱接着することにより構成されており、容器内部に内容
物である食品(図示せず)が密封される。覆蓋シート材
72は、例えば、基材フィルムとシーラントフィルムと
を積層し互いに貼り合わせて形成されており(積層構造
の図示化を省略)、それぞれのフィルムは熱可塑性樹脂
で形成されている。そして、覆蓋シート材72の表面ま
たは裏面あるいはフィルム層間の適当な個所に、上記し
たような構成の発熱体76が付設されている。
【0024】図10に示したような構成の包装容器を電
子レンジの庫内に入れ、その包装容器にマイクロ波を照
射すると、上記した包装袋における場合と同様に、発熱
体76の高電気抵抗部が発熱して、覆蓋シート材72
が、高電気抵抗部の形状に対応して線状に溶融し、図1
1に示すように、覆蓋シート材72に発熱体76の外縁
に沿った形状の脱気孔78が形成され、発熱体76の付
着部分の未溶融部分80が欠落することなく扉様に残
る。そして、包装容器の内部の水蒸気が脱気孔78を通
して外部へ放出される。
【0025】なお、上記した各実施形態では、包装袋を
形成するシート材10や包装容器の覆蓋シート材72に
発熱体18、76を付設するようにしたが、熱可塑性樹
脂からなる薄板材により包装容器などの包装体を形成
し、その薄板材に発熱体を付設するようにすることもで
きる。
【0026】
【実施例】次に、この発明のより具体的な実施例につい
て、図12ないし図15を参照しながら、また比較例を
示しながら説明する。
【0027】図12の(B)に部分拡大縦断面図を示す
ように、厚みが25μmである2軸延伸のナイロンフィ
ルム82に、電気抵抗が低い銀フィラーを導電性物質と
する導電性インクと電気抵抗が高いカーボンフィラーを
導電性物質とする導電性インクとを塗布し、低電気抵抗
部86および高電気抵抗部88からなる発熱体84を作
成した。低電気抵抗部86を形成する銀製導電層の厚
み、および、高電気抵抗部88を形成するカーボン製導
電層の厚みは、それぞれ3μmである。発熱体84は、
図12の(A)に拡大平面図を示すように、正方形の低
電気抵抗部86をコの字形の高電気抵抗部88で囲んだ
平面形状を有している。各部の寸法は、a=13mm、
b=14mm、c=12mm、d=12mm、e=1m
mである。また、ナイロンフィルム82の発熱体84側
に接着剤90を塗布し、このナイロンフィルム82と厚
みが50μmである無延伸のポリプロピレンフィルム9
2とをドライラミネート法で複合フィルム化して、シー
ト材を形成した。
【0028】また、比較のために、図13の(B)に示
すように、厚みが25μmである2軸延伸のナイロンフ
ィルム82に、電気抵抗が低い銀フィラーを導電性物質
とする導電性インクを塗布して、銀製導電層からなる発
熱体94を作成し、また、ナイロンフィルム82の発熱
体94側に接着剤90を塗布し、このナイロンフィルム
82と厚みが50μmである無延伸のポリプロピレンフ
ィルム92とをドライラミネート法で複合フィルム化し
て、シート材を作成した。発熱体94は、図13の
(A)に示すように正方形であり、f、gの寸法は12
mmである。また、図14の(B)に示すように、厚み
が25μmである2軸延伸のナイロンフィルム82に、
電気抵抗が高いカーボンフィラーを導電性物質とする導
電性インクを塗布して、カーボン製導電層からなる発熱
体96を作成し、また、ナイロンフィルム82の発熱体
96側に接着剤90を塗布し、このナイロンフィルム8
2と厚みが50μmである無延伸のポリプロピレンフィ
ルム92とをドライラミネート法で複合フィルム化し
て、シート材を作成した。発熱体96は、図14の
(A)に示すように矩形であり、寸法はh=13mm、
i=14mmである。さらに、比較のために、発熱体が
付設されていない、厚みが25μmである2軸延伸のナ
イロンフィルムと、厚みが50μmである無延伸のポリ
プロピレンフィルムとを、接着剤を介在させて、ドライ
ラミネート法で複合フィルム化したシート材を作成し
た。
【0029】〔発熱体の電気特性〕まず、発熱体の電気
抵抗の測定を行った。これには、図15の(A)、
(B)および(C)にそれぞれ示すように、ナイロンフ
ィルム82にそれぞれ発熱体84、94、96を付設し
た各サンプルを使用し、テスター98の測定用端子の間
の距離を1cmとして、各サンプルの発熱体84、9
4、96の電気抵抗をそれぞれ測定した。その測定結果
を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】次に、発熱体の誘導電流の測定を行った。
この測定には、それぞれ発熱体84、94、96が付設
されたナイロンフィルムとポリプロピレンフィルムと
を、接着剤層を介在させて複合フィルム化したシート材
(ナイロンフィルム(25μm)/発熱体/接着剤/ポ
リプロピレンフィルム(50μm))の各サンプルを使
用した。そして、マイクロ波の照射によって発熱体に発
生する誘導電流は、発熱体に電流計を直接に接続して測
定すると、電流計と発熱体とを接続させる導線にも同様
に誘導電流を生じることになるため、発熱体自体の誘導
電流値を測定することができない。そこで、絶対値では
ないが、導電性の蒸着膜に電磁波を照射して、間接的に
得られた誘導電流の変化量から蒸着膜の厚みを求める
“蒸着膜厚さ計”を使用し、その蒸着膜厚さ計の測定値
を誘導電流量の指標とした。測定には、ETEX社製の
蒸着膜厚さ計を使用した。その測定結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表1に示した結果から分かるように、銀製
導電層とカーボン製導電層とを積層して部分的に重なり
合う部分を設けるように作成した本発明による発熱体8
4は、両導電層が重なり合う部分の端縁を境界として、
カーボン製導電層だけの側に高電気抵抗部が発現し、両
導電層が重なり合う部分に低電気抵抗部が発現してお
り、所望通りの発熱体が得られた。また、表2に示した
結果から分かるように、本発明による発熱体84は、十
分な大きさの誘導電流を生じることが確認された。
【0034】〔発熱体による溶融特性〕それぞれ発熱体
84、94、96が付設されたナイロンフィルムとポリ
プロピレンフィルムとを、接着剤層を介在させて複合フ
ィルム化したシート材(ナイロンフィルム(25μm)
/発熱体/接着剤/ポリプロピレンフィルム(50μ
m))の各サンプルを使用し、サンプルを電子レンジで
加熱して、発熱体部分のフィルムの溶融状態を調べた。
電子レンジは、日立製作所製のMR−510T(500
W)を使用し、加熱時間は、10秒間とした。
【0035】本発明による発熱体84が付設されたシー
ト材は、スパークを発生することなく、高電気抵抗部8
8が細い線状にコの字形に溶融して切断され、高電気抵
抗部88が設けられていない低電気抵抗部86の1辺が
溶融・切断されずに、発熱体84の部分がシート材から
欠落することなく扉様に残って、シート材に意図した形
状の脱気孔が形成された。なお、銀製導電層からなる発
熱体94が付設されたシート材は、発熱体94の部分の
周縁が軽度に発熱するだけで開孔には至らなかった。ま
た、カーボン製導電層からなる発熱体96が付設された
シート材は、発熱体96の部分の全面が溶融して断裂
し、大きな溶融物の断片がシート材から欠落した。
【0036】〔電子レンジによる食品の加熱・調理試
験〕本発明による発熱体84が付設されたシート材を使
用して図1および図2に示すような袋形態(四方袋)に
形成した包装袋の内部に茹でたマカロニを100g入れ
て密封する。包装袋の大きさは、14cm×16cmで
ある。この包装袋を100℃の温度で60分間、水蒸気
殺菌し、それを室内で12時間放置して乾燥させる。こ
のマカロニ入り包装袋を電子レンジで加熱・調理し、包
装袋の破袋の有無、脱気までの時間および脱気孔の形成
状態を調べた。また、比較のために、発熱体が付設され
ていないシート材を使用して、上記と同様の包装袋を形
成し、上記と同様の試験を行った。電子レンジは、日立
製作所製のMR−510T(500W)を使用し、加熱
時間は、5分間とした。その試験結果を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】本発明による発熱体84が付設されたシー
ト材で形成された包装袋は、発熱体84の部分がシート
材から包装袋内に欠落することがなく、四角形の意図し
た形状の脱気孔が形成され、電子レンジにより加熱され
てマカロニから発生した水蒸気が脱気孔を通してスムー
ズに放出された。また、電子レンジでの加熱による包装
袋の破裂やスパークの発生は認められなかった。そし
て、加熱後のマカロニの温度は100℃に達しており、
調理の仕上り温度は十分であった。これに対し、発熱体
が付設されていないシート材で形成された包装袋は、電
子レンジでの加熱中に袋周縁部の熱接着部がすべて破壊
され、破裂音を生じて破袋した。
【0039】
【発明の効果】請求項1に係る発明の電子レンジ加熱品
の包装体は、その内部に封入された食品などを電子レン
ジによって加熱したときに、電子レンジの能力如何にか
かわらず、電子レンジの庫内でスパークを発生したりす
ることなく、包装体を形成しているシート材または薄板
材に所望通りの形状の脱気孔が確実に形成されるので、
包装体内部で発生した水蒸気は、その脱気孔を通してス
ムーズに放出され、破裂音を生じて破袋する、といった
ことが起こる恐れは無く、また、脱気孔の形状、大きさ
を適宜設定することにより脱気量をコントロールするこ
とも可能になる。また、シート材または薄板材は、発熱
体の付着部分が有端線状に溶融するだけで、発熱体の付
着部分の全体が溶融したりしないので、不定形の溶融物
の断片がシート材から欠落して包装体内部へ混入し内部
の食品などを汚染する、といったことが起こる心配は無
く、また、形成される脱気孔の周縁部の見栄えが良く、
消費者に不快感を与える恐れも無い。
【0040】請求項2に係る発明の包装体では、発熱体
の一部を形成する、電気抵抗の高い導電性材料によって
形成された高電気抵抗部が発熱して、その部分のシート
材または薄板材が有端線状に溶融し、シート材または薄
板材に所望通りの形状の脱気孔が形成される。
【0041】請求項3に係る発明の包装体では、発熱体
のうち薄く形成された高電気抵抗部が発熱して、また
は、発熱体のうち電気抵抗が高くなるような製造方法で
形成された高電気抵抗部が発熱して、その部分のシート
材または薄板材が有端線状に溶融し、シート材または薄
板材に所望通りの形状の脱気孔が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の1例を示す電子レンジ加
熱品の包装袋の平面図である。
【図2】図1に示した包装袋の正面図である。
【図3】図1に示した包装袋のシート材に付設された発
熱体の拡大平面図である。
【図4】図1のIV−IV矢視部分拡大縦断面図である。
【図5】図4に示した状態からシート材に脱気孔が形成
された状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図6】図1のVI−VI矢視部分拡大縦断面図である。
【図7】図6に示した状態からシート材に脱気孔が形成
された状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図8】発熱体における低電気抵抗部および高電気抵抗
部の各種形状の例をそれぞれ示す拡大平面図である。
【図9】発熱体における低電気抵抗部および高電気抵抗
部の形成方法の例をそれぞれ説明するための拡大縦断面
図である。
【図10】この発明の実施形態の別の例を示す電子レン
ジ加熱品の包装容器の部分拡大縦断面図である。
【図11】図10に示した包装容器の覆蓋シート材に脱
気孔が形成された状態を示す部分拡大縦断面図である。
【図12】この発明の実施例を示し、(A)は、包装袋
を形成するシート材に付設された発熱体の拡大平面図で
あり、(B)は、シート材の部分拡大縦断面図である。
【図13】この発明との比較例を示し、(A)は、包装
袋を形成するシート材に付設された発熱体の拡大平面図
であり、(B)は、シート材の部分拡大縦断面図であ
る。
【図14】同じく比較例を示し、(A)は、包装袋を形
成するシート材に付設された発熱体の拡大平面図であ
り、(B)は、シート材の部分拡大縦断面図である。
【図15】シート材に付設された発熱体の電気抵抗を測
定する方法を説明するための模式的部分拡大縦断面図で
ある。
【図16】従来例を示し、(A)は、包装袋を形成する
シート材の部分拡大縦断面図であり、(B)は、シート
材に付設された発熱体の拡大平面図である。
【図17】従来例における問題点を説明するための図で
あって、シート材の部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
10、12 シート材 16 内容物である食品 18、28、34、40、46、52、58、64、7
6、84 発熱体 20、30、36、42、48、54、60、66、8
6 低電気抵抗部 22、32、38、44、50、56、62、68、8
8 高電気抵抗部 24、78 脱気孔 26、80 未溶融部分 70 容器本体部 72 覆蓋シート材 82、92 フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−271864(JP,A) 特開 昭63−252734(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/34 B65D 81/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が、熱によって溶融する
    素材からなるシート材または薄板材で形成され、そのシ
    ート材または薄板材の面に、マイクロ波の照射によって
    発熱しシート材または薄板材の一部を溶融させてシート
    材または薄板材に脱気孔を形成させる発熱体が付着さ
    れ、内部に内容物が封入される、電子レンジ加熱品の包
    装体において、 前記発熱体を、面状の低電気抵抗部と、この低電気抵抗
    の周縁の一部に線状に接するように設けられた有端線
    状の高電気抵抗部とから形成し、前記高電気抵抗部の形
    状に対応して前記シート材または薄板材の一部が線状に
    溶融し前記脱気孔が形成されるようにしたことを特徴と
    する、電子レンジ加熱品の包装体。
  2. 【請求項2】 発熱体の低電気抵抗部と高電気抵抗部と
    が、互いに電気抵抗の異なる異種の導電性材料によって
    それぞれ形成された請求項1記載の、電子レンジ加熱品
    の包装体。
  3. 【請求項3】 発熱体の低電気抵抗部と高電気抵抗部と
    が、互いに厚みの異なる同種の導電性材料または互いに
    製造方法の異なる同種の導電性材料によってそれぞれ形
    成された請求項1記載の、電子レンジ加熱品の包装体。
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