JP3007542B2 - シート状物質の乾燥方法及び装置 - Google Patents

シート状物質の乾燥方法及び装置

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JP3007542B2 JP6287469A JP28746994A JP3007542B2 JP 3007542 B2 JP3007542 B2 JP 3007542B2 JP 6287469 A JP6287469 A JP 6287469A JP 28746994 A JP28746994 A JP 28746994A JP 3007542 B2 JP3007542 B2 JP 3007542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙、湿式法不織布等、織
物類と異なり湿潤状態では破断し易く、また乾燥工程で
水分の蒸発と共に繊維間結合が生成して繊維内収縮を生
ずるシート状物質を外周空気と遮断した露点温度80℃
以上、より好ましくは乾燥シリンダー外周とシートが密
着した面では露点温度100℃近傍、離れた面では露点
温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気下で、その片面を
熱源により加熱した乾燥シリンダーに接触させ、反対面
を高張力下でエンドレスの通気性ファブリックにより挾
み、湿潤状態のシート状物質の伸縮を拘束し乍ら急速に
乾燥させ、シート状物質から蒸発した水蒸気を通気性フ
ァブリックを経てブロワーにより吸引し、熱源により加
熱して乾燥シリンダー外周に再循環させて外周に吹付け
ると共に、余剰分を例えば熱交換器等の熱源として再利
用する、シート状物質の乾燥方法及び装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】抄紙機上で紙を乾燥する方法としては、
蒸気加熱した乾燥シリンダーによる方法が一般的である
が、近年では断熱材料により密閉した密閉フードにより
乾燥シリンダー群を囲って、排気及び新蒸気により加熱
した多量の高温低湿度空気を吹き込んで、シート状物質
から蒸発した水蒸気をフード内で結露しない様に80〜
70%飽和線以下の状態で高温高湿度下に持ち去るが、
その排気により新しい空気の予備加熱をするのみで、排
気された多量の湿り水蒸気はそのまま大気中に放出され
ており、多くの熱量と、多量の空気を吹き込んだり排気
するので吸排気ブロワーに多量の電力量とを消費してい
る。
【0003】また近年加熱及び冷却した2枚のエンドレ
ススチールベルトによりシートを挾んで、蒸発する水蒸
気を直ちに冷却面に凝縮させてドレン化してエンドレス
ファブリックベルトにより持ち去り、湿潤状態のシート
状物質をその伸縮を拘束し乍ら100℃以上の高温下で
乾燥する方法が提案されているが、この方法は貴重な冷
却水を多量に使用して低温温水を得るのみで、品質の改
善効果は大ではあるが経済効果は全くないという問題点
がある。
【0004】また薄葉紙やトイレットティッシュ紙等の
薄物シートの乾燥では、1本の大径の乾燥シリンダー
(通称ヤンキードライヤー)の中心上半部にキャノピー
フードを設置し、外気及び一部の再循環湿り空気を空気
源として、灯油等を燃焼して300〜450℃内外の高
温ガスとして、乾燥シリンダーの外周よりむき出し(フ
ァブリック等により覆われていない)のシート上に直接
70〜120m/秒の高速で吹付けて急速乾燥させる方
法が実用されているが、シートの片面のみがヤンキー肌
となり反対面はざらざらで片艶の包装紙やティッシュ紙
等にしか使用されていない。
【0005】また密閉フードに空気を供給しないで、蒸
発した飽和水蒸気を再び加圧容器である乾燥シリンダー
の一部熱源として利用する方法が提案されているが、大
容積となる密閉フード中の空気を皆無とするのは至難の
技で、またウェットパートから連続して供給されるシー
トやエンドレスファブリックと共に多量の空気がフード
内に供給され、更にシートがその内部収縮力により再三
破れる時には、一旦停止して密閉フードを開放して断紙
を片付け再スタートするので、その度に内部は空気で置
換され、一般的に言われる空気の混入率を4%以下とす
る事が不可能である。またフード外よりの侵入空気や湿
潤シートにより冷却され、フード内の飽和水蒸気は湿り
域に入り、フードやドライヤーフレーム等の金属表面に
結露した水分が、シート上に落下して欠点となるので実
用化されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】湿潤したシートを乾燥
するには、多数の乾燥シリンダーを並べてシートの両面
を交互にドライヤーの表面に接触させ、カールやコツク
リング等紙の平滑性を損わぬ如くし、またエンドレスの
ファブリックによりシートを乾燥シリンダーとの間に挿
んで紙の巾方向での自由収縮を出来る限り抑止し、寸法
安定性を高める如く努力しているが、紙の乾燥は乾燥シ
リンダー間の自由走行部で大部分行われているので効果
が少い。また抄紙の高速化と共に乾燥シリンダーの本数
も数十本或いは100本近くになり、進行方向での湿紙
の収縮に対し一定のテンションで引っ張ってセクショナ
ル駆動により複雑な制御を行ったり、エンドレスファブ
リックやサクションキャンバスロール等やエヤーボック
ス等により、紙切れの防止やタテ、ヨコ方向での乾燥の
均一さを高めるべくしているが、多数のドライヤー間や
セクション間での紙切れが頻発しその都度抄紙機を停止
し、密閉フードを開放して損紙を除去し、再び稼動する
等多大の時間を無駄にしたり、多くの労力を要しまた危
険な作業となり易い。ただし湿潤したシートをサクショ
ンキャンバスロールにより吸引しても乾燥時とは異なり
吸引量は極めて低いが、サクションによる拘束効果はあ
る。
【0007】乾燥シリンダーもその直径が1.2mから
1.5m更には2mと大径化し、巾も10m以上の物ま
で出現している。蒸気圧力も2〜4kg/m2Gと高
く、第2種圧力容器として鋳物で製造しているが、高速
化により内部で凝縮したドレンが乾燥シリンダーの外周
に共回りし、ドレンの排出も容易ではなく、巾方向での
厚みのムラ等と多くの問題点をかかえている。
【0008】また乾燥に要する水蒸気量も莫大で、紙1
t(トン)当り必要な水蒸気量は原料や製品により異な
るが3〜1.5tを要し、製紙産業をしてエネルギー多
消費産業たらしめている。密閉フードは近年その断熱性
能を高め65℃内外の高露点(乾球温度110℃として
絶対湿度0.09kg水蒸気/kg乾燥空気で相対湿度
50%)フードが開発され、所要空気量も大巾に減少し
たが、貴重な蒸発水蒸気の大部分は、そのまま大気中に
放散され、特に冬季や春雨期では膨大な白煙(排気の湿
り空気中の水分が結露して発生する)公害を引き起こ
し、立地によっては交通や住民に被害を与えている。
【0009】また露点温度は、湿り空気を蒸発水蒸気の
移送媒体として使用する限り65〜70℃が限度で、蒸
発水蒸気量に比べ乾燥空気量が少ないと飽和湿り空気と
なりフード内で結露して、ドレンの落下で紙表面が汚染
され抄造困難となる。また、シートの温度は乾燥シリン
ダーに接触する側は100℃近くに達するが、ファブリ
ック側の温度は、シリンダー側から接触移動した水分に
より湿潤状態となったファブリックとの接触表面で、水
分の蒸発潜熱により90℃内外に制約される。またファ
ブリック空隙中はシートより蒸発した水蒸気や結露した
水分により充満され、ファブリック内の温度は湿り空気
の露点温度と平衡した外側(65〜70℃)と、シート
と接触する内側(85℃内外)との間に急な温度勾配が
あり、シートからの蒸発が大巾に制約されるので、シー
トとファブリックが接触した区間でのシートの乾燥は非
常に少なく、大部分の乾燥は乾燥シリンダー間のシート
の独立自由走行部で直接シート表面よりの水分蒸発によ
り進行している。
【0010】上記の理由により折角エンドレスファブリ
ックによりシートを挿んで乾燥し、シートの自由収縮を
制約して寸法安定性を高める如く努力しているが、ファ
ブリックにより自由収縮を拘束している区間での蒸発は
僅か20%内外で、80%の蒸発は自由収縮が可能なシ
ートの独立自由走行部で発生している。
【0011】
【課題を解決する為の手段】本発明は前記の技術的問題
点を克服し、内部熱源により加熱する乾燥シリンダー
と、高張力下のエンドレスの100℃以上の耐熱性を有
する通気性ファブリックとの間に湿潤状態のシート状物
質を挾んで同速で周回させ、湿潤シートより蒸発した水
蒸気を通気性ファブリックを経てブロワーにより吸引
し、例えば熱交換器等の熱源として再利用し、蒸気原単
位を大巾に低めることを可能とした。
【0012】湿潤シートは、乾燥シリンダーと高い張力
で張られたエンドレスの通気性ファブリックとの間に挾
まれて、乾燥シリンダー外周とシートが密着した面では
露点温度100℃近傍、離れた面では露点温度80℃以
上の加熱湿り空気雰囲気下で急速に乾燥し、繊維間結合
により生ずる繊維内収縮により湿潤シートが進行方向で
破れたり、巾方向で収縮したりするのを100%近く拘
束し、水中伸度が低く、寸法安定性が高くタテヨコ比の
少ないシートを製造することを可能とした。
【0013】特に従来の乾燥方法では、乾燥シリンダー
とファブリックによりシートの乾燥収縮を拘束した区間
では前述した理由により乾燥が遅いが、本発明では露点
温度100℃近傍の加熱湿り空気雰囲気下でシート及び
耐熱性を有する通気性ファブリックを、極力乾燥シリン
ダーに近接して内容積を従来の密閉フードに比し10分
の1以下とした蒸発室内で走行させ、蒸発室のシート出
入口は上下2本のファブリックロールにより空気の侵入
を防止し、またシートより蒸発した水蒸気を加熱して乾
燥シリンダー外周とシートが密着した面では露点温度1
00℃近傍、好ましくは乾球温度を105〜110℃以
上として、蒸発室内をほぼ50%以上過熱水蒸気で満た
すと共に、室内圧力を大気圧より稍々高目として、蒸発
室のシート出入口より過熱水蒸気が噴き出すようにする
ことにより、通気性ファブリック温度も80℃以上、好
ましくは105〜110℃以上として、乾燥シリンダー
とファブリックによりシートの乾燥収縮を拘束した区間
で急速に乾燥を進めることを可能とした。従来の密閉型
フードでは、通常抄紙機は2階設置となるが1階には下
段ドライヤーのファブリックドライヤーやファブリック
ロール等があり、1階ではドライヤーの駆動ギアケース
や操作側と駆動側の点検通路や、給排気ダクトと、蒸気
ヘッダーやドレン管とまたシート用の乾燥シリンダーの
上にはファブリックドライヤーやファブリックロール等
があり、これらをすべて密閉化するので本発明による蒸
発室に比較すると10倍以上の内容積が必要となる。
【0014】本発明は前述の如く特殊な密蔽蒸発室内で
空気の侵入をほぼ皆無として、露点温度80℃以上、よ
り好ましくは乾燥シリンダー外周とシートが密着した面
では露点温度100℃近傍、離れた面では露点温度80
℃以上の加熱湿り空気雰囲気下での蒸発を可能としたの
で、エンドレスの通気性ファブリックにより自由収縮を
拘束された区間で大部分の乾燥を終結することが可能と
なった。即ち、シートは乾燥シリンダーに接触する水分
の蒸発側は従来の100℃内外に比しファブリックによ
る高張力下に110℃内外となり、シート中の水分はフ
ァブリック側に急速に移動し、ファブリックの温度が8
0℃以上好ましくは105℃以上のほぼ50%以上の過
熱水蒸気雰囲気下に保持されるので、シート中の水分は
ファブリックとの接触面から直接蒸発して通気性ファブ
リックに近接して設置したサクションスリット(または
ホール)を経てブロワーにより吸引されるので、従来の
如くファブリック中の湿り水蒸気が100℃以下のシー
ト表面により冷却されファブリック中で結露して湿潤状
態となり、再びシート表面に戻ってシート表面を再湿潤
させることがなく、またファブリック中に蒸発した湿り
水蒸気が充満してシート表面からの蒸発を疎害すること
がない。また前述のごとくファブリック中が従来のごと
く結露した水分により湿潤状態になっていないので、湿
ったファブリックを乾燥するために従来必要とされたフ
ァブリックドライヤーを皆無とすることが出来る。
【0015】
【実施例】実施例1 本発明の方法を実施した場合の第1の実施例によるシー
ト状物質の乾燥装置を図1の側面図と図2の断面図、及
び図3、図4の温度分布図と図5、図6の水蒸気の循環
系統図により説明すると、抄紙機棟建屋の独立した機械
基礎13上にアンカーボルトにより固定したソールプレ
ート14にドライヤーフレーム4を組み上げ、必要数の
乾燥シリンダー1をシリンダー軸2とシリンダー軸受3
によりそれぞれ設置する。多筒式乾燥シリンダーを設置
する時は、本実施例に示す如く上下2段にそれぞれ千鳥
型に配置するのが工場スペースを有効に利用する上で有
利であるが、1段式として紙がカールしない様に各群別
に交互に上向きと下向きに設置したり、竪型に乾燥シリ
ンダー1をそれぞれ左向きや右向きと数段ずつ設置した
り、それらを混合して設置することも出来る。1本の乾
燥シリンダー1にはこれと近接してそれぞれ2本のサク
ションファブリックロール8を、ファブリックロール軸
受9によりドライヤーフレーム4に設置する。上段の乾
燥シリンダー1にはそのシリンダー軸2の中心より上部
に、下段の乾燥シリンダー1にはそのシリンダー軸2の
中心より下部に、それぞれ断熱性のパネルにより構成し
たキャノピーフード15を昇降装置16を介してそれぞ
れ上下動可能にドライヤーフレーム4上に設置する。ま
た乾燥シリンダー1の駆動側にはそれぞれ蒸気吹込口と
ドレン排出口とを有するロータリージョイント5を設置
し、それぞれ加圧蒸気管30及びドレン管6とに接続す
る。
【0016】上段及び下段のキャノピーフード15の間
には、それぞれ断熱性のパネルにより構成した中間フー
ド17と、点検掃除用の中間フード開閉装置18とを設
置して、シート状物質35の出入口を除いて全て全密閉
とする。フード中には乾燥シリンダー1のシリンダー面
でシート状物質35と接触している面には、約10〜2
5mmの間隔を介して吹出口19及び吸込口22(それ
ぞれスリットまたは丸孔)とをそれぞれ環状に配列して
設置し、キャノピーフード15及び中間フード17とに
分割して接続する。またフード中には、吹出口19と直
結して複数の環状箱型でそれぞれ給気函連結ダクト21
と接続した給気函20を吸込スペースを充分に確保する
為に間隔を置いて設置し、駆動側で給気函連結ダクト2
1にフレキシブルジョイントを介して給気ダクト27を
接続する。なお、乾燥シリンダー1やサクションファブ
リックロール8がキャノピーフード15や中間フード1
7と接する面はラビリンス構造として、外部の空気がフ
ード内に侵入したり、内部の蒸発水蒸気が多量に流出し
ないようにする。
【0017】実施例1の変形としてキャノピーフード1
5は固定式として、その内部の吹出口19及び吸込口2
2と、吹出口19と直結する給気函20とをそれぞれフ
ード中の操作側及び駆動側の両側に設けた架台フレーム
に接続して、該フレームよりキャノピーフードの断熱パ
ネル部を貫通してそれぞれ2基以上の据付台座を突出し
て、ドライヤーフレーム上に昇降装置16を介して上下
動可能に設置してもよい。また別の方法としては固定式
としたキャノピーフード15の内部両側面に、昇降装置
16を設置して前記架台フレームを昇降させても良い。
なおキャノピーフード15の両側面には点検掃除用の開
閉装置を設置する。
【0018】フード内の隅部にはそれぞれファブリック
ロール10を設置して、乾燥シリンダー群の出入り口に
はピンチファブリックロール12を設け、また適当なス
ペースにはファブリックテンションロール11を設置し
て、エンドレスファブリック36が全密閉されたフード
内で周回可能とする。キャノピーフード15のサクショ
ンファブリックロール8の対向側には吸込函23を設置
し、駆動側で吸込みダクト24にフレキシブルジョイン
トを介して接続する。
【0019】好ましくは乾燥シリンダー群の駆動側に、
排気中のミスト、紙粉等の異物を除去する排気スクリー
ン33、図示していない燃焼ガスまたは熱媒体等を熱源
とする排気ヒーター34、水蒸気循環ファン25、断熱
膨脹ノズル26、給気ダクト27、ポケット給気函3
7、蒸気スクラバー28、スチームコンプレッサー2
9、加圧蒸気管30、蒸気加減弁31、メークアップ蒸
気管32とを設置して、それぞれ前述した吸込ダクト2
4及び給気函連結ダクト21と蒸気ヘッダー7とに接続
して水蒸気の循環系を形成させる。
【0020】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分60〜50%に脱水された湿潤状態のシート状物質
35は、断熱性のパネルにより完全密閉された乾燥フー
ドの入口に於て、上下のピンチファブリックロール12
によりリードされ密閉フード中で周回する上下2枚のエ
ンドレスファブリック36により挾みこまれて、下段入
口側に設置された乾燥シリンダー1入口に到り、サクシ
ョンファブリックロール8により下側に吸引されて、乾
燥シリンダー1にシートの上面が密着して周回し、シー
トの下面はエンドレスファブリック36によりファブリ
ックテンションロール11を介して強力に圧着されて拘
束下に乾燥される。1本目の乾燥シリンダー1を通過し
たシート35は、出口でサクションファブリックロール
8により吸引されて乾燥シリンダー1より離れ、再び上
下2枚のエンドレスファブリック36により挾みこまれ
て上段に設置された2本目の乾燥シリンダー1入口に到
り、前記と同様の乾燥が繰り返される。
【0021】なお、サクションファブリックロール8の
サクションを各個に制御弁を設置して選択して開閉する
ことにより、シート35をそれぞれ上段または下段の乾
燥シリンダー1を選択して通過させることにより、シー
ト35のカール度や平滑度の表裏差を適宜に調節するこ
とができる。最後の乾燥シリンダー1を出たシート35
は、ピンチファブリックロール12により挾まれて乾燥
フード出口より外部に搬出される。
【0022】乾燥シリンダー1により加熱されてシート
35より蒸発した水蒸気は、吸込口22及びサクション
ファブリックロール8を経て吸引され、キャノピーフー
ド15内の吸込口23及び吸込ダクト24を経て排気ス
クリーン33により紙粉ミスト等の異物を除去して水蒸
気循環ファン25により昇圧すると共に、その出口で断
熱膨脹ノズル26からの過熱水蒸気により好ましくは乾
球温度150℃以上に加熱して、その大部は給気ダクト
27を経て給気函連結ダクト21から給気函20を経て
吹出口19よりエンドレスファブリック36を介してシ
ート35に吹付けて、エンドレスファブリック中の空隙
部に滞留している蒸発水蒸気を駆逐して、直接シート3
5を加熱すると共に、シート35上の飽和水蒸気より成
る境界層を乱して蒸発を促進し露点温度80℃以上の、
より好ましくは乾燥シリンダー外周とシートの密着面は
露点温度100℃近傍、離れた面では露点温度80℃以
上の加熱湿り空気雰囲気とする。断熱膨脹ノズル26に
よる循環水蒸気温度の加熱には一定の限度があるので、
循環水蒸気を更に加熱して乾燥速度を早くする時は、排
気ヒーター34により燃焼ガスまたは熱媒体を熱源とし
て間接加熱する事が出来る。その場合は断熱膨脹ノズル
26は閉鎖する。
【0023】循環ファン25により昇圧された水蒸気の
一部は、蒸気スクラバー28に於てミストや異物、非凝
縮ガスを脱気後、スチームコンプレッサー29により断
熱圧縮して昇圧加熱して、加圧蒸気管30を経てその大
部は加圧蒸気管30を経て乾燥シリンダー1に供給して
加熱する。その一部は前述の如く断熱膨脹ノズル26を
経て、再循環系の水蒸気を加熱する。また、メークアッ
プ蒸気管32より不足する水蒸気を補給する。各蒸気の
流量調節用に蒸気加減弁31を調節して、シート35
水分や、上下段の乾燥シリンダー1に供給する水蒸気量
を加減してシート35のカールを自動制御する。また、
シート35の巾方向の水分むらを制御するために、キャ
ノピーフード15内の吹出口19(スリット状または丸
孔や角孔等の開口を有する)を巾方向でそれぞれ分割し
て吹出し水蒸気量を制御することも可能である。
【0024】実施例2 本発明の方法を多筒式乾燥シリンダーを1段式として設
置する場合の実施例を図の側面図により説明すると、
大径の乾燥シリンダー1を数本ずつを1グループとして
それぞれシートの出入口を上向きにしたグループと下向
きにしたグループと順番にシリンダー軸2とシリンダー
軸受3によりドライヤーフレーム4上に設置する。1本
の乾燥シリンダー1には夫と近接してそれぞれ2本のサ
クションファブリックロール8をドライヤーフレーム4
下に設置する。図5にはシートの出入口を下向きにした
グループのみ示すが、乾燥シリンダー1にはそのシリン
ダー軸2の中心より上部及び下部に断熱性のパネルによ
り構成したキャノピーフード15を昇降装置16を介し
てそれぞれ上下動可能にドライヤーフレーム4に設置す
る。
【0025】上段及び下段のキャノピーフード15の間
には、それぞれ断熱性のパネルにより構成した中間フー
ド17と点検掃除用の中間フード開閉装置18とを設置
して、シート状物質35の出入口を除いて全密閉とす
る。その他実施例1と異る点は、下段のキャノピーフー
ド中には乾燥シリンダー1が無いので、ファブリックロ
ール10により周回するシートの給排紙用のエンドレス
ファブリック36があるのみである。厚紙などで紙切れ
の恐れのない時は下段のシート給排紙用エンドレスファ
ブリック36は省略出来る。なお好ましくはサクション
ファブリックロール8の乾燥シリンダーに対する反対側
の外周面でシート状物質35と接触している面に近接し
て、約10〜25mmの間隔を介して吹出口19及び吸
込口22(それぞれスリットまたは丸孔)とを環状に配
列して設置し、給気函20を吹出口19と接続して給気
函連結ダクト21に直結する。湿潤したシートを経てサ
クションファブリックロール8により吸引されるガス量
は少なく、吸込口22により大部分を吸引する。
【0026】実施例1と同様に脱水された湿潤状態のシ
ート状物質35は、断熱性のパネルにより完全密閉され
た乾燥フードの入口で上下のピンチファブリックロール
12(シリンダー側はサクションファブリックロール8
で兼用しても良い)によりリードされ密閉フード中で周
回する上下2枚のエンドレスファブリック36により挾
みこまれて、乾燥シリンダー1の入口に到り、サクショ
ンファブリックロール8により吸引されて乾燥シリンダ
ー1にシート35の下面が密着して周回し、シートの上
面はエンドレスファブリック36によりファブリックテ
ンションロール11を介して強力に圧着されて拘束下に
乾燥される。以下同様の乾燥を繰り返し、最後の乾燥シ
リンダー1を出たシート35は、ピンチファブリックロ
ール12(シリンダー側はサクションファブリックロー
ル8で兼用しても良い)により挾まれて乾燥フード出口
より外部に搬出される。その他の作用は実施例1と同様
なので省略する。
【0027】実施例3 本発明の方法を多筒式乾燥シリンダーを2段式として設
置する場合の別の実施例として、図8の側面図と図9の
断面図及び図5、図6の水蒸気の循環系統図により説明
すると、下段の乾燥シリンダー1は下段のドライヤーフ
レーム4上にそれぞれシリンダー軸2とシリンダー軸受
3により設置するが、好ましくは操作側で上段のドライ
ヤーフレーム4’を下段のドライヤーフレーム4と分離
して、操作側の機械基礎13を外側に延長した機械基礎
上にアンカーボルトにより固定したソールプレート上に
組み上げてオーバーハングさせ、その上に上段の乾燥シ
リンダー1をシリンダー軸2とシリンダー軸受3により
設置する事により、上下段の乾燥シリンダー1間の中間
フード17の開閉をより容易として、操業間の掃除やエ
ンドレスファブリック36の交換をより短時間内に可能
とした。
【0028】1本の乾燥シリンダー1に近接して、それ
ぞれ2本のサクションファブリックロール8がシート状
物質35の出入口を形成するポケット部に、その両端末
で給気ダクト27と接続するポケット給気函37をその
両端部を中間フード17の側面に接続して固定する。ポ
ケット給気函37はその乾燥シリンダー1との対向面の
両端面にシリンダー表面と接触するドクターを設置する
と共に、2本のサクションファブリックロール8との両
対向面は適当な間隙を隔てた孤状な側面として、多数の
スリット又は丸孔等の吹出口を設ける。サクションファ
ブリックロール8は上段部では上段のドライヤーフレー
ム4’に、下段部では下段のドライヤーフレーム4に夫
々軸受により接続する。
【0029】実施例1と同様に上下2枚のエンドレスフ
ァブリック36により挟みこまれて下段の乾燥シリンダ
ー1の入口側に入った湿潤状態のシート状物質35は、
サクションファブリックロール8により下側に吸引され
ると共に、ポケット給気函37の入口面に設けた吹出口
よりほぼ50%以上の過熱水蒸気を含む循環加熱ガス
(110℃内外、好ましくは150℃以上)が吹き付け
るので、上側のエンドレスファブリック36と分離して
進行すると共に、加熱湿り空気はそれぞれシート状物質
35とエンドレスファブリック36を通過してシートよ
り蒸発した水蒸気と共にサクションファブリックロール
8に吸引され再循環する。湿潤状態のシート状物質35
は、入口部でサクションファブリックロール8のサクシ
ョンとポケット給気函37よりの吹き出し加熱湿り空気
による圧力で、その伸縮を拘束され乍らその一部水分が
蒸発して乾燥がスタートすると共に、乾燥シリンダー1
にシートの上面が密着して周回し、シートの下面はエン
ドレスファブリック36によりファブリックテンション
ロール11を介して強力に圧着されて拘束下に乾燥され
る。
【0030】下段の乾燥シリンダー1の出口部に来たシ
ート状物質35は、出口側にある2本目のサクションフ
ァブリックロール8により上側に吸引されると共に、ポ
ケット給気函37の出口面に設けた吹出口より高温の加
熱湿り空気が吹き付けるので、乾燥シリンダー1を離れ
てサクションファブリックロール8と共に上向きに周回
し再び上側のエンドレスファブリック36と接し、上下
2枚のエンドレスファブリック36により挟まれて、上
段の乾燥シリンダー1の入口側に入り、3本目のサクシ
ョンファブリックロール8に接触する。シート状物質3
5は3本目のサクションファブリックロール8により上
側に吸引されると共に、上段のポケット給気函37の入
口面に設けた吹出口より高温の加熱湿り空気が吹き付け
るので、下側のエンドレスファブリック36と分離して
進行し以下前述した動作を繰り返して乾燥が進行する。
その他の作用は実施例1と同様なので省略する。
【0031】ポケット給気函37に設置したドクター
は、乾燥シリンダー1の表面を清掃すると共に、シート
状物質35が例えたるんだり又は切片や断紙等でポケッ
ト部に滞留する事を防止すると共に、シートが乾燥シリ
ンダー面と固着して離れ難い時でも之を剥がす事が可能
である。操作側でドライヤーフレームを上段4’と下段
4とに分離して、中間フード17の開閉にフレーム等に
よる障害物を撤去した事により、中間フード17を各セ
クション別に全面引き出し式にしたり、又は開閉式にし
たり、又はドアー式にしたりと使用面での融通性をもた
す事が出来た。又ポケット給気函の引き出しも簡単とな
った。
【0032】
【発明の効果】本発明による外気と遮断した露点温度8
0℃以上、より好ましくは乾燥シリンダー外周とシート
が密着した面では露点温度100℃近傍、離れた面では
露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気下で、シート
状物質の伸縮を完全に拘束しながら急速に乾燥させ、シ
ートより蒸発した水蒸気を再循環したり熱交換器等の熱
源として再利用する方法及び装置の採用により、図4に
示す如く、外周より高温加熱ガスを吹付ける乾燥シリン
ダー外周とシートの密着面''相の空気の混入量を極力
減じほぼ50%以上の過熱水蒸気雰囲気下で、乾燥シリ
ンダー1と接触側のシート温度S''2 より、ファブリッ
ク36と接触側のシート温度S''1 、シート35と接触
側のファブリック温度F''1 、中央部のファブリック温
度F''2 、外側のファブリック温度F''3 と、103℃
内外より101℃内外へ約2℃位の温度落差があるが、
何れも100℃以上のほぼ50%以上の容積を占める過
熱水蒸気雰囲気下にあり、シート状物質35中の水分は
ファブリック36による高い張力下で乾燥シリンダー1
のシリンダー表面に圧着されて、水分の蒸発面では11
0℃飽和圧力に近い1.47気圧となり、急速に乾燥が
促進される。
【0033】なお本発明による、乾燥シリンダーとシー
トが密着してファブリックによりシートを蔽い外周より
加熱ガスを吹き付ける相''の前後の、乾燥シリンダー
とシートが密着を開始しファブリックによりシートを蔽
い始める相''と、相''後の加熱ガスの吹き付けを終
了した相''とでは、それぞれ乾燥サイクルの進行によ
り85℃〜87℃から101℃〜103℃内外へと、1
6℃内外の温度サイクル変動が生じる。また、相''後
ファブリックにより両面を挟んでシートを走行させポケ
ツト給気により加熱ガスを吹付ける相''では、好まし
くは150℃以上の高温加熱ガスをサクションファブリ
ックロール18上のシート35の表裏面へポケット給気
函37より吹付けると共に、それぞれ裏表面よりシート
より蒸発した水蒸気と共に加熱ガスを吸込むことによ
り、ポケット部のシートの乾燥を急速に促進し、雰囲気
温度を露点温度85℃の場合で乾球温度90℃以上に保
持して結露を防止する。
【0034】一方従来の湿り空気雰囲気下での乾燥で
は、図3、図4に示す如く、乾燥シリンダー1と接触側
のシート温度S2 よりファブリック36と接触側のシー
ト温度S1 シート35と接触側のファブリック温度F
1 、中央部のファブリック温度F2 、外側のファブリッ
ク温度F3 と、乾燥サイクルの進行による相から相
に到る間、50℃〜100℃と大巾な温度サイクル変動
が生じ、シート35中の水分は乾燥シリンダーとシート
の密着開始する迄の相では予熱されるのみで水分の蒸
発は発生せず、ファブリックによりシートが蔽われる
相でやっと水分の蒸発が徐々に進行するが、密閉フード
内が60〜70℃内外の露点温度雰囲気下では、蒸発し
た水蒸気がシート中で冷却されて凝縮して再び水分に戻
り、何回も蒸発凝縮サイクルを繰り返してファブリック
36に達した水蒸気も、ファブリック内で再び凝縮して
水分となり、シートよりの蒸発を疎害することになる。
シート状物質35はシートの単独自由走行相である相
に到り、周囲の湿り空気中にシート中の水分が蒸発し
て、その蒸発潜熱によりシート温度は急速に50℃内外
にまで低下して、再び前述した相に戻って予熱される
ことになり、断続した間謁的な乾燥サイクルとなり乾燥
に長大な時間を要し熱エネルギーや動力の損失が多い。
【0035】また単独自由走行をする相に於てはシー
ト状物質35は乾燥により巾方向で自由収縮する事によ
り、シートの方向性を生じ寸法安定性が悪化したりカー
ルやコツクリング等を生じて、印刷適性の低下を招く。
またシートはプラスチックフィルム等とは異なり、多数
のフィブリル化繊維が多層に積層して三次元的に乾燥中
に繊維間結合を生じるが、湿り空気を媒体とした乾燥で
はフィブリル化した繊維構造の密な部分と疎な部分とで
乾燥の進行と共に乾燥の進行が異なり、疎な部分では限
りなく絶対水分がゼロに近付いてしまうのでコックリン
グが発生したりパリパリした洋紙風の紙になってしま
う。本発明の方法の如くほぼ50%以上の水蒸気を媒体
とした乾燥では、水蒸気中の水分相当分は紙中に残存す
るので紙厚が厚く和紙風の風合いのある紙に乾燥するこ
とが出来る。
【0036】また本発明による方法では従来の相、
相がなく、その大部分はファブリック36により乾燥シ
リンダー1にシートを圧着して蔽った''''''相
で、次の乾燥シリンダーに到る間僅かに乾燥シリンダー
1を離れるが、サクションファブリックロール8により
吸引されて拘束されたり、2枚のファブリック36によ
り両面を挿まれて拘束されて走行する''相であり、何
れも露点温度80℃以上のほぼ50%以上の過熱水蒸気
雰囲気下にあるので、乾燥は全期間を通じて促進され、
短時間で乾燥を完結することにより省エネルギーに貢献
出来た。またシート状物質35が常時拘束されて乾燥す
るので、寸法安定性が良く(水中伸度や気中伸度が小さ
い)カールやコツクリング等を発生せず印刷適性が極め
て高い。また本発明による方法では従来の如くシートの
単独自由走行部がなく常時拘束されているので、例えシ
ートが破れてもそのまま乾燥フード出口より外部に搬出
される。
【0037】更に本発明による方法では露点温度80℃
以上のほぼ50%以上(即ち絶対湿度1.00kg水蒸
気/kg乾燥空気)の過熱水蒸気雰囲気下で、乾燥シリ
ンダー1の外周より通気性ファブリック36を介して、
シート35にほぼ50%以上の過熱水蒸気を含む循環加
熱ガス(110℃内外好ましくは150℃以上)を吹出
口19及びポケット吸気函37より高速で吹付けて、シ
ート35中の水分に過熱水蒸気の潜熱を与えて部分的に
凝縮するので、多量の熱を瞬間的に伝えシート35中の
水分を瞬間的に多量に蒸発させて急速に乾燥する事が出
来る。従来の湿り空気では如何に450℃迄に加熱して
も、その顕熱しか利用出来ず、容積当りの伝熱量は過熱
水蒸気に比して10分の1位しかないので、温度を甚し
く高めることが必要になり、シートが乾燥すると着火の
危険性や繊維が部分的に焦げ劣化する恐れがある。また
リグニン及びヘミセルロースはそれぞれ含水下ではその
軟化点温度が低下し(乾燥リグニンでは134〜250
℃が水飽和下では72℃へ低下する)、繊維のフレキシ
ビリティーが増加すると共に、セルロースの水酸基と木
材に含まれる他の物質との共有結合(エーテル,エステ
ル結合)により湿紙強度は大幅に増加する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を抄紙機の多筒式乾燥シリンダー
(上下段設置)に実施した場合の実施例の一例を示す側
面図である。
【図2】同じく本発明の方法を実施した場合の実施例の
一例を示す断面図である。
【図3】本発明の方法を抄紙機の多筒式乾燥シリンダー
に実施した場合と従来の湿り空気雰囲気下の、シート及
びエンドレスファブリック内の温度分布を示す温度分布
図である。
【図4】本発明の方法を抄紙機の多筒式乾燥シリンダー
に実施した場合と従来の湿り空気雰囲気下の、シート及
びエンドレスファブリック内の温度分布を示す温度分布
図である。
【図5】本発明の方法を抄紙機の乾燥シリンダーに実施
した場合の、水蒸気の循環系統を示すフロー線図であ
る。
【図6】本発明の方法を抄紙機の乾燥シリンダーに実施
した場合の、水蒸気の循環系統を示すフロー線図であ
る。
【図7】本発明の方法を抄紙機の多筒式乾燥シリンダー
(単段設置)に実施した場合の実施例の一例を示す側面
図である。
【図8】本発明の方法を抄紙機の多筒式乾燥シリンダー
(上下段設置)に実施した場合の他の実施例の一例で図
7のX−X矢視を示す側面図である。
【図9】同じく本発明の方法を実施した場合の実施例の
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 乾燥シリンダー 2 シリンダー軸 3 シリンダー軸受 4 ドライヤーフレーム 5 ロータリージョイント 6 ドレン管 7 蒸気ヘッダー 8 サクションファブリックロール 9 ファブリックロール軸受 10 ファブリックロール 11 ファブリックテンションロール 12 ピンチファブリックロール 13 機械基礎 14 ソールプレート 15 キャノピーフード 16 昇降装置 17 中間フード 18 中間フード開閉装置 19 吹出口 20 給気函 21 給気函連結ダクト 22 吸込口 23 吸込函 24 吸込ダクト 25 水蒸気循環ファン 26 断熱膨脹ノズル 27 給気ダクト 28 蒸気スクラバー 29 スチームコンプレッサー 30 加圧蒸気管 31 蒸気加減弁 32 メークアップ蒸気管 33 排気スクリーン 34 排気ヒーター 35 シート状物質 36 エンドレスファブリック 37 ポケット給気函 S1 シート(ファブリック側)温度 S2 シート(乾燥シリンダー側)温度 F1 ファブリック(シート側)温度 F2 ファブリック(中央部)温度 F3 ファブリック(外側)温度 乾燥シリンダーとシートの密着開始相 ファブリックによりシートを蔽った相 ファブリックがシートより離れた相 シートの単独自由走行相 ' 本発明によるファブリックによる両面を挿まれて
シートが走行する相 '' 本発明による乾燥シリンダーとシートが密着を開
始しファブリックによりシートを蔽い始める相 '' 本発明による乾燥シリンダーとシートが密着して
ファブリックによりシートを蔽い外周より加熱ガスを吹
付ける相 '' 本発明による''相の加熱ガスの吹付けを終了し
た相 '' 本発明によるファブリックにより両面を挿んでシ
ートを走行させポケット給気により加熱ガスを吹付ける
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F26B 13/10 F26B 13/10 D (56)参考文献 特開 平7−252793(JP,A) 特開 昭62−257496(JP,A) 特開 昭61−217673(JP,A) 実開 平4−100295(JP,U) 特公 昭41−17686(JP,B1) 特公 昭41−5814(JP,B1) 特公 昭41−3484(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21F 5/00 - 5/20 F26B 13/08 - 13/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の乾燥シリンダーに近接しその回転
    軸をほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割し昇降可
    能とした、断熱材により密閉し乾燥シリンダーに近接し
    て設けた蒸発室内に於て、エンドレスの通気性ファブリ
    ックにより、湿潤状態のシート状物質をその伸縮を拘束
    可能なテンションにより挟んで、1本以上の乾燥シリン
    ダーの外周をほぼ同速で露点温度80℃以上の加熱湿り
    空気雰囲気中を周囲させて、熱源により加熱した乾燥シ
    リンダーによりシート状物質をその伸縮を拘束し乍ら乾
    燥し、シート状物質から蒸発した水蒸気を通気性ファブ
    リックを経てブロワーにより吸引し、熱交換器等の熱源
    として再利用することを特徴とする、シート状物質の乾
    燥方法。
  2. 【請求項2】 複数の乾燥シリンダーに近接しその回転
    軸をほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割し昇降可
    能とした、断熱材により密閉し乾燥シリンダーに近接し
    て設けた蒸発室内に於て、エンドレスの通気性ファブリ
    ックにより、湿潤状態のシート状物質をその伸縮を拘束
    可能なテンションにより挟んで、1本以上の乾燥シリン
    ダーの外周をほぼ同速で乾燥シリンダー外周とシートが
    密着した面では露点温度100℃近傍、離れた面では露
    点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気中を周囲させ
    て、熱源により加熱した乾燥シリンダーによりシート状
    物質をその伸縮を拘束し乍ら乾燥し、シート状物質から
    蒸発した水蒸気を通気性ファブリックを経てブロワーに
    より吸引し、熱交換器等の熱源として再利用することを
    特徴とする、請求項1記載のシート状物質の乾燥方法。
  3. 【請求項3】 複数の乾燥シリンダーに近接しその回転
    軸をほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割し昇降可
    能とした、断熱材により密閉し、乾燥シリンダーに近接
    して設けた蒸発室内に於て、エンドレスの通気性ファブ
    リックにより、湿潤状態のシート状物質をその伸縮を拘
    束可能なテンションにより挟んで、乾燥シリンダーの外
    周に設けた2本以上のサクションロールを迂回点とし
    て、1本以上の乾燥シリンダーの外周をほぼ同速で密着
    して露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気中を周回
    させて、熱源により加熱した乾燥シリンダーによりシー
    ト状物質をその伸縮を拘束し乍ら乾燥し、シート状物質
    から蒸発した水蒸気を通気性ファブリックを経てブロワ
    ーにより吸引し、熱交換器等の熱源として再利用するこ
    とを特徴とする、シート状物質の乾燥方法。
  4. 【請求項4】 複数の乾燥シリンダーに近接しその回転
    軸をほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割し昇降可
    能とした、断熱材により密閉し、乾燥シリンダーに近接
    して設けた蒸発室内に於て、エンドレスの通気性ファブ
    リックにより、湿潤状態のシート状物質をその伸縮を拘
    束可能なテンションにより挟んで、乾燥シリンダーの外
    周に設けた2本以上のサクションファブリックロールを
    迂回点として、1本以上の乾燥シリンダーの外周をほぼ
    同速で乾燥シリンダー外周とシートが密着した面では露
    点温度100℃近傍、離れた面では露点温度80℃以上
    の加熱湿り空気雰囲気中を周回させて、熱源により加熱
    した乾燥シリンダーによりシート状物質をその伸縮を拘
    束し乍ら乾燥し、シート状物質から蒸発した水蒸気を通
    気性ファブリックを経てブロワーにより吸引し、熱交換
    器等の熱源として再利用することを特徴とする、請求項
    3記載のシート状物質の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 複数の乾燥シリンダーの外周に近接し蒸
    気の吹付ノズルと吸込みスリットを有し、その回転軸を
    ほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割して昇降可能
    とした、断熱材により密閉した蒸気室内に於て、エンド
    レスの通気性ファブリックにより湿潤状態のシート状物
    質をその伸縮を拘束可能なテンションにより挾んで、1
    本以上の乾燥シリンダーの外周をほぼ同速で露点温度8
    0℃以上の加熱湿り空気雰囲気中を周回させて、熱源に
    より加熱した乾燥シリンダーによりシート状物質を乾燥
    し、シート状物質から蒸発した水蒸気を通気性ファブリ
    ックを経て吸込み口からブロワーにより吸引し、その大
    部分を蒸気またはガス等の熱源より加熱して吹付ノズル
    から再び乾燥シリンダーの外周より吹付けると共に、余
    剰加熱湿りガスを熱交換器熱源として再利用すること
    を特徴とする、シート状物質の乾燥方法。
  6. 【請求項6】 複数の乾燥シリンダーの外周に近接し蒸
    気の吹付ノズルと吸込みスリットを有し、その回転軸を
    ほぼ中心に上下または斜め左右方向に分割して昇降可能
    とした、断熱材により密閉した蒸気室内に於て、エンド
    レスの通気性ファブリックにより湿潤状態のシート状物
    質をその伸縮を拘束可能なテンションにより挾んで、1
    本以上の乾燥シリンダーの外周をほぼ同速で乾燥シリン
    ダー外周とシートが密着した面では露点温度100℃近
    傍、離れた面では露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰
    囲気中を周回させて、熱源により加熱した乾燥シリンダ
    ーによりシート状物質を乾燥し、シート状物質から蒸発
    した水蒸気を通気性ファブリックを経て吸込み口からブ
    ロワーにより吸引し、その大部分を蒸気またはガス等の
    熱源より加熱して吹付ノズルから再び乾燥シリンダー
    の外周より吹付けると共に、余剰加熱湿りガスを熱交換
    熱源として再利用することを特徴とする、請求項5
    記載のシート状物質の乾燥方法。
  7. 【請求項7】 上下2段に配列した複数の乾燥シリンダ
    ー群の各乾燥シリンダー外周に近接して設置した、加熱
    湿りガスの吹付けノズル及び吸込口を有しシリンダー軸
    を中心に上下または左右に分割して昇降可能な断熱材に
    より密閉した上下段のキャノピーフードと、上下段のキ
    ャノピーフード間に設置したシートの出入口及び掃除点
    検用開閉装置を有する中間フードと、蒸発した水蒸気を
    再循環する水蒸気循環ファンおよび給排気ダクト等の水
    蒸気循環系統と、全密閉したキャノピーフード及び中間
    フード中で露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気中
    で、シート状物質を上下2枚のエンドレス通気性ファブ
    リックにより乾燥シリンダーに交互に高張力下に挾み込
    んで周回させる為のファブリックロール群とよりなるこ
    とを特徴とする、シート状物質の乾燥装置。
  8. 【請求項8】 上下2段に配列した複数の乾燥シリンダ
    ー群の各乾燥シリンダー外周に近接して設置した、加熱
    湿りガスの吹付けノズル及び吸込口を有しシリンダー軸
    を中心に上下または左右に分割して昇降可能な断熱材に
    より密閉した上下段のキャノピーフードと、上下段のキ
    ャノピーフード間に設置したシートの出入口及び掃除点
    検用開閉装置を有する中間フードと、蒸発した水蒸気を
    再循環する水蒸気循環ファンおよび給排気ダクト等の水
    蒸気循環系統と、全密閉したキャノピーフード及び中間
    フード中で乾燥シリンダー外周とシートが密着した面で
    は露点温度100℃近傍、離れた面では露点温度80℃
    以上の加熱湿り空気雰囲気中で、シート状物質を上下2
    枚のエンドレス通気性ファブリックにより乾燥シリンダ
    ーに交互に高張力下に挾み込んで周回させる為のファブ
    リックロール群とよりなることを特徴とする、請求項7
    記載のシート状物質の乾燥装置。
  9. 【請求項9】 1段に配列した複数の乾燥シリンダー群
    の各乾燥シリンダー外周に近接して設置した、水蒸気の
    吹付ノズル及び吸込口を有し、シリンダー軸を中心に上
    下または左右に分割して昇降可能な断熱材により密閉し
    た上部及び下部のキャノピーフードと、上下段のキャノ
    ピーフード間に設置したシートの出入口及び掃除点検用
    開閉装置を有する中間フードと、蒸発した水蒸気を再循
    環する水蒸気循環ファンや給排気ダクト等の水蒸気循環
    系統と、全密閉したキャノピーフード及び中間フード中
    で露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気中で、シー
    ト状物質を1枚の若しくは上下2枚のエンドレスの通気
    性ファブリックにより、乾燥シリンダーに交互に高張力
    下に挾み込んで周回させる為のファブリックロール群と
    よりなることを特徴とする、シート状態物質の乾燥装
    置。
  10. 【請求項10】 1段に配列した複数の乾燥シリンダー
    群の各乾燥シリンダー外周と該乾燥シリンダーの外周の
    対向側に設けた2本以上のサクションファブリックロー
    ルに近接して設置した、水蒸気の吹付ノズル及び吸込口
    を有し、シリンダー軸を中心に上下または左右に分割し
    て昇降可能な断熱材により密閉した上部及び下部のキャ
    ノピーフードと、上下段のキャノピーフード間に設置し
    たシートの出入口及び掃除点検用開閉装置を有する中間
    フードと、蒸発した水蒸気を再循環する水蒸気循環ファ
    ンや給排気ダクト等の水蒸気循環系統と、全密閉したキ
    ャノピーフード及び中間フード中で乾燥シリンダー外周
    とシートが密着した面では露点温度100℃近傍、離れ
    た面では露点温度80℃以上の加熱湿り空気雰囲気中
    で、シート状物質を1枚の若しくは上下2枚のエンドレ
    スの通気性ファブリックにより、乾燥シリンダーに交互
    に高張力下に挾み込んで周回させる為のファブリックロ
    ール群とよりなることを特徴とする、請求項9記載のシ
    ート状態物質の乾燥装置。
  11. 【請求項11】 上下2段に配列した複数の乾燥シリン
    ダー群で、上段のドライヤーフレームを下段のドライヤ
    ーフレームと独立して、上部又は側部より懸架して設置
    し、各乾燥シリンダー外周に近接して設置した、加熱湿
    りガスの吹き付けノズル及び吸込口を有しシリンダー軸
    を中心に上下又は左右に分割して昇降可能な断熱材によ
    り密閉した上下段のキャノピーフードと、上下段のキャ
    ノピーフード間に設置したシートの出入口及び掃除点検
    用開閉装置を有する中間フードと、蒸発した水蒸気を再
    循環する水蒸気循環ファン及び給排気ダクト等の水蒸気
    循環系統とよりなることを特徴とするシート状物質の乾
    燥装置。
  12. 【請求項12】 上下2段に配列した複数の乾燥シリン
    ダー群で、上段のドライヤーフレームを下段のドライヤ
    ーフレームと独立して、上部又は側部より懸架して設置
    し、各乾燥シリンダー外周に近接して設置した、ほぼ5
    0%以上の過熱水蒸気を含む150℃以上の加熱湿りガ
    スの吹き付けノズル及び露点温度80℃以上の湿りガス
    の吸込口を有しシリンダー軸を中心に上下又は左右に分
    割して昇降可能な断熱材により密閉した上下段のキャノ
    ピーフードと、上下段のキャノピーフード間に設置した
    シートの出入口及び掃除点検用開閉装置を有する中間フ
    ードと、蒸発した水蒸気を再循環する水蒸気循環ファン
    及び給排気ダクト等の水蒸気循環系統とよりなることを
    特徴とする請求項11記載のシート状物質の乾燥装置。
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