JP2003041495A - シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置 - Google Patents

シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置

Info

Publication number
JP2003041495A
JP2003041495A JP2001228483A JP2001228483A JP2003041495A JP 2003041495 A JP2003041495 A JP 2003041495A JP 2001228483 A JP2001228483 A JP 2001228483A JP 2001228483 A JP2001228483 A JP 2001228483A JP 2003041495 A JP2003041495 A JP 2003041495A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
substance
gas
hood
drying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001228483A
Other languages
English (en)
Inventor
Morimasa Hanatani
守正 花谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd filed Critical Tokushu Paper Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2001228483A priority Critical patent/JP2003041495A/ja
Priority to US10/163,933 priority patent/US6694639B2/en
Priority to CA002390149A priority patent/CA2390149A1/en
Priority to EP02013241A priority patent/EP1279764A3/en
Publication of JP2003041495A publication Critical patent/JP2003041495A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B13/00Machines and apparatus for drying fabrics, fibres, yarns, or other materials in long lengths, with progressive movement
    • F26B13/06Machines and apparatus for drying fabrics, fibres, yarns, or other materials in long lengths, with progressive movement with movement in a sinuous or zig-zag path
    • F26B13/08Machines and apparatus for drying fabrics, fibres, yarns, or other materials in long lengths, with progressive movement with movement in a sinuous or zig-zag path using rollers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21FPAPER-MAKING MACHINES; METHODS OF PRODUCING PAPER THEREON
    • D21F5/00Dryer section of machines for making continuous webs of paper
    • D21F5/18Drying webs by hot air
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B13/00Machines and apparatus for drying fabrics, fibres, yarns, or other materials in long lengths, with progressive movement
    • F26B13/10Arrangements for feeding, heating or supporting materials; Controlling movement, tension or position of materials
    • F26B13/101Supporting materials without tension, e.g. on or between foraminous belts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B13/00Machines and apparatus for drying fabrics, fibres, yarns, or other materials in long lengths, with progressive movement
    • F26B13/10Arrangements for feeding, heating or supporting materials; Controlling movement, tension or position of materials
    • F26B13/14Rollers, drums, cylinders; Arrangement of drives, supports, bearings, cleaning
    • F26B13/145Rollers, drums, cylinders; Arrangement of drives, supports, bearings, cleaning on the non-perforated outside surface of which the material is being dried by convection or radiation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F26DRYING
    • F26BDRYING SOLID MATERIALS OR OBJECTS BY REMOVING LIQUID THEREFROM
    • F26B25/00Details of general application not covered by group F26B21/00 or F26B23/00
    • F26B25/008Seals, locks, e.g. gas barriers or air curtains, for drying enclosures

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Drying Of Solid Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 主として過熱水蒸気から成る加熱ガスを、
シートの自由収縮を拘束する通気性帯状帯を経て直接シ
ート内水分に吹き付け、其の瞬間気化(プレッシャーフ
ロー)蒸発で多孔質化させたシート状物質及び其の製造
方法と乾燥装置を提供する。 【解決手段】 外周方向から加熱ガスを吹き付ける加熱
ガス吹出口19を備える外部加熱式回転体1と、其の回
転に同期して移動する通気性のエンドレスファブリック
36間に、湿潤状態のシート状物質35を其の乾燥収縮
を拘束可能なテンシヨン下で挟み、急速な直接水分蒸発
による多孔質化したシート状物質の製造方法と乾燥装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙や湿式法不織布等
の湿潤状態のシート状物質の乾燥工程を有するシート状
物質及び其の製造方法及びシート状物質の乾燥装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】抄紙機上で紙を乾燥する従来の方法とし
て、中低圧蒸気で内部加熱する第二種圧力容器構造の乾
燥シリンダや、直火燃焼や電磁誘導加熱などで内部加熱
するシリンダからの熱伝導を主体とした乾燥方法が一般
的である。上記のシリンダは、屋根と垂れ壁のみの開放
フード、あるいは、多数のシートやロープと、駆動軸や
配管と、ダクトのための開口と、上下動するための多数
の間隙を有する昇降扉とを有する疎な密閉フードにより
囲まれている。そして、低圧水蒸気により加熱した多量
の中温低湿度空気の外気が、乾燥シリンダ間のポケット
部を主体にフード内各所へ吹き込まれる。シート状物質
から蒸発した水蒸気とポケット部を主体に吹き込まれた
空気とは、多数のフード開口や間隙からフード内部に流
入した空気とともに、フード内部で結露しないように相
対湿度30%以下の状態で中温低湿度下に持ち去られ
る。
【0003】排気ガスの絶対湿度は低く、露天温度も低
い。したがって、凝縮伝熱はほとんど無いため、顕熱の
みで外気を予備加熱するしかない。排気された多量の水
蒸気を含む加熱湿り空気は、そのまま大気中に放出され
膨大な熱と水を浪費する。また、給排気ブロワは、多量
の空気を給気したり排気したりするので多量の電力を消
費している。
【0004】第二種圧力容器構造の乾燥シリンダは、2
〜4kg/cm2内外の低圧蒸気をロータリージョイン
ト経由で多量に消費する。内部で凝縮したほぼ同圧のド
レンは抽出されてボイラー給水に戻される。その間、ド
レンは、ドレーネージシステムの各フラシュタンクを経
て徐々に管内圧を低下させ、最後に発電所のドレンタン
クで大気圧下に戻り再蒸発し放熱する。
【0005】May 2000 発行のTappi Journal には、2
枚のエンドレススチールベルトによってシート状物質を
挟み、ベルト面に開放した高圧函を上下に対向して設
け、高圧水蒸気加熱及び高圧水冷却し、蒸発する水蒸気
を直ちに冷却面に凝縮させてドレン化してエンドレスフ
ァブリックベルトにより持ち去ることによって、湿潤状
態のシート状物質をその伸縮を拘束しながら100℃以
上の高温下で乾燥する方法が提案されている。
【0006】この方法は、貴重な高圧蒸気を必要とする
が、密閉容器中における高温蒸気加熱なので容器内温度
は飽くまでも蒸気の飽和温度で制約される。本発明の衝
撃乾燥法では、略大気圧下で250℃の過熱蒸気(もち
ろん、熱交換器での加熱方法は直接燃焼法が好ましい)
を用いてシート状物質を加熱可能である。密閉容器内で
は、その飽和状態の250℃において、蒸気圧力40.
6kg/cm2を要する。従って通常、中央発電所で行う
蒸気圧力差による蒸気タ−ビン発電が不可能である。し
かも、この方法は、冷却水を多量に使用して低温温水を
得るのみである。
【0007】更に、上記方法は、耐圧構造のそれぞれ対
向する加圧函と、機械構造的にこれに対応した頑丈なフ
レーム構造と、高圧熱交換器類や高圧ポンプ群による膨
大な設備投資と、電力費や蒸気費とを要する。もちろ
ん、紙の強度向上など品質の一部改善効果は大である
が、反面、上下のスチールベルトによる高圧縮力で密度
が大となり、紙の厚さが薄くなってしまう。
【0008】更に、加熱面はヤンキー肌のように平滑で
ある一方、冷却面はファブリックマークが付いた凹凸面
であるため、表裏差が甚だしい。したがって、一部冷凍
倉庫用ライナーボード以外には不適であるとともに、熱
経済効果は全くないという問題点がある。
【0009】また、薄葉紙やトイレットティッシュ紙等
の薄物シート状物質の乾燥では、10kg/cm2内外の
中圧蒸気で加熱し、外部に開放して設置した、1本の大
径乾燥シリンダ(通称ヤンキードライヤと称し、その側
面やシート状物質の出入口は完全に室内空間に開放され
ている)の中心上半部にキャノピーフードを設置し、外
気及び一部の再循環湿り空気を空気源として、灯油等を
燃焼して300〜450℃内外の高温ガスとして、乾燥
シリンダの外周よりむき出し(すなわち、帯状帯等によ
り覆われていない)のシート状物質上に直接70〜12
0m/秒の高速で吹付けて急速乾燥させる方法が実用さ
れている。しかしながら、シート状物質の片面のみがヤ
ンキー肌で平滑となる一方、反対面はざらざらで片艶の
包装紙やティッシュ紙やクレープ紙等にしか使用されて
いない。又、火災事故や乾燥シリンダの直径が巨大で輸
送上の問題で大型化には問題を抱えている。
【0010】現に、清純な多量の河川水を必要不可欠と
する製紙産業にとって、世界的に、製紙工場の集約地帯
は峻嶮な山稜に阻まれ狭い道路幅の地域が多い。したが
って、抄紙機幅はトラック輸送可能なドライヤ幅で制約
されている。
【0011】また、疎な密閉フードに空気を供給しない
で、高圧容器である乾燥シリンダの一部熱源として蒸発
した飽和水蒸気を再利用する方法が提案されたことがあ
る。しかしながら、その両側面に歩廊を擁する大容積の
疎な密閉フード中の空気を皆無とするのは至難の技であ
る。
【0012】まして、ウェットパートから開口を経て連
続して供給されるシート状物質やエンドレスファブリッ
クとともに多量の空気がフード内に供給され、更にシー
ト状物質がその内部収縮力や無理な駆動による引っ張り
や低温湿紙が乾燥シリンダに取られ再三破れる時には、
一旦停止して疎な密閉フードを開放して断紙を片付けて
から再スタートするので、その度に内部は空気で置換さ
れる。したがって、一般的に言われる空気の混入率を4
%(酸素で0.84%、水蒸気分圧で729.6mmH
g)以下とする事は従来技術では不可能であった。
【0013】また、多数の開口より入る密閉フード外部
からの侵入空気や湿潤状態のシート状物質により冷却さ
れ、密閉フード内の飽和水蒸気は湿り域に入り、フード
やドライヤーフレーム等の金属表面に結露した水分が、
シート状物質上に落下して欠点となるので実用化されて
いない。
【0014】平成10年12月発行の紙パルプ技術協会
編の紙パルプ製造技術全書第六巻"紙の抄造"編6.2章
の「乾燥の理論」冒頭に、『抄紙機における乾燥方式で
現在最も普及している形は、乾燥シリンダに蒸気を通し
て加熱し、この表面に湿紙を押し付ける形式である
が、』とあるように、昔、一部零細家内工業的な家庭紙
工場で直火燃焼により内部加熱する例を除き、通常紙の
乾燥は内部蒸気加熱したドライヤシリンダによるのが鉄
則であつた。現在の乾燥シリンダは、第二種圧力容器構
造で、その内部から低圧蒸気により加熱する低温シリン
ダからの熱伝導を主体とする内部加熱構造である。
【0015】従来、乾燥速度は空気中の水蒸気分圧差に
より進むと学者間でも信じられて来たので、シート蒸発
面は高温に加熱して高い水蒸気分圧とし、加熱空気はな
るべく水蒸気分圧の低い(絶対湿度の低い)乾燥した空
気が有利と考えられていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来、湿潤状態の紙
(シート状物質)の乾燥工程では、低圧蒸気により加熱
した多数の乾燥シリンダを並べて紙の両面を交互にドラ
イヤの表面に接触させ、カールやコックリングなどで紙
の平滑性を損わぬ如くするとともに、エンドレス構造の
ファブリック(帯状帯)により紙を乾燥シリンダとの間
に挟んで、紙の幅方向での自由収縮を出来る限り抑止
し、寸法安定性を高めるように努力している。しかしな
がら、紙の乾燥は乾燥シリンダ間の自由走行部で大部分
行われ、自由走行部では紙の幅方向が大幅に収縮するの
で効果が少ない。
【0017】また、抄紙の高速化とともに乾燥シリンダ
の本数も数十本あるいは百本近くになって装置構成が複
雑化している。したがって、乾燥装置では、幅方向や進
行方向での湿紙の収縮に対し一定のテンションで引っ張
ってセクショナル駆動により複雑な制御を行ったり、エ
ンドレスファブリックやサクションファブリックロール
等やエヤーボックス等を用いて、紙切れの防止やタテ、
ヨコ方向での乾燥の均一さを高めようとしている。しか
しながら、多数のドライヤ間やセクション間での紙切れ
が頻発するため、その都度抄紙機を停止しなければなら
ない。この場合、疎な密閉フードを開放して損紙を除去
し再稼動処理をする必要があり、多大の時間を無駄にし
たり多くの労力を要するなど生産性が低下するととも
に、作業の危険性も高まる。
【0018】また、多筒式乾燥シリンダも、その直径が
1.2〜1.5m、更には2mと大径化し、幅も10m以
上のものまで出現している。したがって、シリンダ鋳造
工場から機械組み立て工場や最終の製紙工場までの輸送
問題で苦労している。蒸気圧力が2〜4kg/cm2
高く、第2種圧力容器として鋳鋼製となっている乾燥シ
リンダは、鋳物の巣や経年劣化によって爆発する可能性
があり、人身事故等の問題を抱えている。また、鋳物産
業はその作業環境の劣悪さや、粉塵公害のため、日本国
内での立地は益々困難になっている。したがって、鋳物
製の乾燥シリンダは、海外諸国からの輸入に依存せざる
を得ず、輸送コストも含め日本製紙産業のアキレス腱と
成りつつある。
【0019】更に、最近では、例えば新聞紙で1800
m毎分などといったように乾燥工程は高速化しており、
内部で凝縮したドレンが乾燥シリンダの外周に共回りし
てしまう場合がある。この場合、ドレンの排出は容易で
なく、幅方向でのドレン厚みにムラが発生するなどとい
った問題が発生している。
【0020】また、乾燥に要する水蒸気量も莫大で、紙
1トン当りに必要な水蒸気量は、3〜1.5トン(原料
や製品により異なる)を要し、製紙産業はエネルギー多
消費産業となっている。
【0021】疎な密閉フードとして、近年、その断熱性
能を高め最大60℃内外の高露点(フード内の各セクシ
ョンで異なるが、実例で排気ファン出口での平均空気状
態として、乾球温度110℃で湿球温度63℃、露天温
度60.5℃、絶対湿度0.1553kg水蒸気/kg乾
燥空気、水蒸気分圧151.8mmHg、相対湿度14.
1%)フードが開発されたが、酸素濃度は16.8%もあ
り断紙や紙粉による火災や粉塵爆発の危険性は解決され
ていない。また、所要空気量も大幅に減少したが、貴重
な蒸発水蒸気の大部分はそのまま大気中に放散される。
特に、冬季や春雨季では膨大な白煙(排気の湿り空気水
分が結露して発生する)公害を起こし、立地によっては
交通や住民に被害を与えている。
【0022】1997年12月11日地球温暖化防止京
都会議で、2010年の前後5年間に1990年比二酸
化炭素(CO2)等温室効果ガスを5.2%(日本は6%)削
減する、世界初の法的拘束力を持つ京都議定書が採択さ
れた。また、2001年5月8日に大気中水蒸気量が過
去50年間で増加傾向で、人間活動が原因の一つだと日
本の国立環境研究所を含む国際共同研究グループが発表
した。大気中水蒸気は二酸化炭素を上回る温室効果があ
り、成層圏での濃度増加はフロン等によりオゾン層を破
壊する動きがあるが、濃度変化に関する総合的な検討は
今回が始めてで、従来の地球温暖化研究の見直しになる
との予想である。成層圏の水蒸気濃度は約4〜6ppm
で1950年代半ばから約45年間で約2ppmも増加
したことを突き止めた。水蒸気増加量の約半分は、大気
中で濃度が増加しているメタンガスが上空で酸化され水
になったものだが、残り半分の原因は不明としている。
日本紙パルプ産業は1973及び1979年の二回に亘
るオイルショックによる石油価格の暴騰により、パルプ
廃液の回収工程やチップの蒸解や洗浄工程を始め調成抄
紙工程に到る迄、涙ぐましい努力の末やっと熱エネルギ
ー危機を乗り越えた結果、其の省エネルギー水準は世界
でも最先端に有り、今後更に11年前の水準の6%減の
エネルギー節減は不可能に近く、途上国に於ける植林に
よる森林のCO2吸収効果の勘案を計る外無い状態にあ
る。
【0023】また、疎な密閉フードに湿り空気を蒸発水
蒸気の移送媒体として使用する限り、露点温度は60℃
が限度である。乾燥空気量が蒸発水蒸気量に比べて少な
いと飽和湿り空気となりフード内で結露してしまう。こ
の場合、ドレンの落下で紙表面が汚染され抄造困難とな
る。また、シート状物質のうち乾燥シリンダに接触する
側の温度は100℃近くに達するが、帯状帯(ファブリ
ック)に接する側の温度は、シリンダ側から接触移動し
た水分により湿潤状態となったファブリックとの接触表
面で水分の蒸発潜熱により90℃内外に制約される。
【0024】また、ファブリックの空隙中はシート状物
質より蒸発した水蒸気や結露した水分によって充満さ
れ、ファブリック内の温度は、湿り空気の露点温度と平
衡した外側(65〜70℃)と、シート状物質と接触す
る内側(85℃内外)との間に急な温度勾配があり、シ
ート状物質からの蒸発が大幅に制約される。したがっ
て、シート状物質とファブリックとが接触した区間での
シート状物質の乾燥は非常に少なく、大部分の乾燥は、
複数ある乾燥シリンダどうしの間のシート状物質の独立
自由走行部において、シート状物質表面からの直接的な
水分蒸発により進行している。
【0025】上記の理由により、せっかくエンドレスフ
ァブリックにより乾燥シリンダとの間にシートを挟んで
乾燥し、シート状物質の自由収縮を制約して寸法安定性
を高めるように努力しているが、ファブリックにより自
由収縮を拘束している区間での蒸発は僅か20%内外
で、80%の蒸発は自由収縮が可能なシート状物質の独
立自由走行部で発生している。
【0026】近年、多筒乾燥シリンダを一段設置とし、
その間に大径のサクションファブリックロールを乾燥シ
リンダに極力接近して設け、乾燥シリンダ間の自由走行
部を短縮するようにして前記の欠点の解消を目指したも
のがある。しかし、エンドレスファブリックの厚さとシ
ート状物質厚さとに大差が有り、且つ、両者は交互にそ
の表裏が逆転するので、乾燥シリンダとサクションファ
ブリックロール部とでの旋回半径が大幅に異なる。する
と、表面速度差が出て湿潤状態のシート状物質が切断す
るといった問題が多発する。
【0027】当初は上向き下向きとセクション毎にサク
ションファブリックロールの位置を変えたが、断紙時の
排紙に困り、結局下向きのみの配置とせざるを得なかっ
た。この場合、片側の乾燥シリンダからのみの乾燥で紙
がドライカールしてしまうという大問題を引き起こし
た。その対策として、最近登場したのが、本出願人によ
る登録済みの加熱空気衝撃乾燥法に類似した、乾燥パー
トの終期で下向き一段乾燥シリンダの要所にエアーキャ
ップを設け、150℃内外の加熱空気を100m毎秒で
吹付け対処する試みである。しかし、これは、カール修
正のみの補助乾燥能力なので、吹付け加熱空気の循環加
熱源に低圧蒸気を使用し、結果的に本出願人の登録特許
(特許第3007542号、US.Pat. 5,553,392,U
S.Pat. 5,647,141、EC.Pat.登録決定)を侵害しない
低露天温度範囲で使用せざるを得ぬので、後で詳述する
ような所要熱量が多大でカール修正目的に限定せざるを
得ない。
【0028】本発明は前記多数の技術的諸問題点を克服
し、断紙を皆無として衝撃エネルギーにより数倍の高速
乾燥を達成し、所要熱量を約1/8に削減に成功すると共
に、紙の硝子転移温度低下により物性強度値を大幅に高
め、瞬間気化蒸発により多孔質化して嵩密度を31%も低
下させた、シート状物質及び其の製造方法及びシート状
物質の乾燥装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決する為の手段】上記の課題を解決するた
め、本発明のシート状物質及び其の製造方法は、湿潤状
態のシート状物質を乾燥する方法において、所定の圧力
及び温度に設定された密閉フード内部で、前記シート状
物質の内周面を回転可能な円弧状の平滑表面を有する回
転体で支持するとともに、外周面を前記回転体の回転に
同期して移動可能な通気性7、500cm3毎cm2毎分
以上でエンドレスの耐熱性帯状帯と帯状帯ロールにより
シート状物質の乾燥収縮を拘束可能なテンシヨン下で挟
み、使用目的により選択される乾燥区間で、前記回転体
外周方向から前記帯状帯に向けて加熱ガスを吹き付け、
前記シート状物質を外部加熱を主体に乾燥することを特
徴とする。
【0030】本発明のシート状物質の乾燥装置は、湿潤
状態のシート状物質の乾燥装置において、平滑な外周面
を有し前記シート状物質の内周面を支持しつつ前記シー
ト状物質を凸型湾曲面で走行させる複数の回転体と、前
記シート状物質の外周面に接し、前記回転体との間で該
シート状物質を挟みつつ前記回転体の回転に同期して移
動するエンドレスで通気性の耐熱性帯状帯と、前記耐熱
性帯状帯に前記シート状物質の乾燥収縮を拘束可能なテ
ンションを加える多数の帯状体ロールと、前記回転体の
外周方向から前記耐熱性帯状帯に向けて加熱ガスを吹き
付ける加熱ガス供給部とを、其の使用目的による任意の
区間に設け、前記回転体は前記加熱ガス供給部から供給
される、前記帯状体を通過した加熱ガスにより外周方向
から加熱されることを特徴とする。
【0031】本発明人は、開発の過程でフードに対する
シート状物質の入口部及び出口部の通過断面を除き、回
転可能な低圧蒸気による内部加熱回転体をその側面も含
め断熱材により完全に密閉下で、供給水蒸気圧力に相当
する飽和温度以上の加熱ガス(過熱水蒸気、露点温度6
5℃以上の加熱湿り空気、微量の溶剤を含む窒素ガスと
水蒸気)により前記回転体外周より衝撃加熱すると、該
回転体の表面温度が加熱ガス温度より−25℃程度迄加
熱され、該回転体の熱源として供給した低圧蒸気が凝縮
しないでむしろ過熱され過熱水蒸気として排出され、む
しろ該回転体への供給低圧蒸気を停止する方が乾燥速度
を高める事を発見した。
【0032】したがって、本発明のように、シート状物
質を支持する回転体の外周方向からから帯状帯に向かっ
て加熱ガスを吹き付けることによって、外部加熱を主体
とした衝撃エネルギーにより数倍の高速乾燥を達成し、
所要熱量を約1/8に削減すると共に、紙の硝子転移温度
の低下により物性強度値を大幅に高め、瞬間気化蒸発に
より多孔質化して嵩密度を31%も低下させる、シート状
物質及び其の製造方法及びシート状物質の乾燥装置を提
供することができる。又シート状物質を、通気性の帯状
帯によって回転体との間で挟みつつ加熱ガスを吹き付
け、シート状物質の伸縮を抑え乍ら乾燥する事により、
水中伸度等寸法安定性を高めると共に、紙の表裏面を選
択して乾燥条件を調整する事により、CDやMD方向等
カール度を調整しカールの発生を未然に防止することが
できる。又通気性の帯状帯により回転体との間で常時挟
みつつ走行させる事により断紙を皆無とする事が出来
る。又高温過熱水蒸気加熱により湿り域でシート内水分
を直接100℃以上に加熱し、其の内部からのプレッシ
ャーフローによる水分蒸発で、微生物を略100%殺菌
し、カップ原紙やミルクカートン原紙等食品や医療用途
に無菌紙を生産する可能性が出来た。シーエムシー社発
行の「食品加工の新技術」に川合純夫氏が「過熱蒸気流
動層でのパン粉の乾燥及び殺菌効果」で、150℃の過
熱水蒸気雰囲気中では約700万個の生菌数が1分後に
残生菌数が1個であつたが、150℃の加熱空気中では
5分後で残生菌数が36、000個であつたと記述して
居られる。又湿潤紙力増強紙や乾燥紙力増強剤等の乾燥
では、高温過熱水蒸気加熱により湿り域でシート内水分
を直接100℃以上に加熱し、其の内部からのプレッシ
ャーフローによる水分蒸発で、100℃以上の過熱水蒸
気が湿潤紙力増強剤や乾燥紙力増強剤と衝突し、其の水
蒸気雰囲気中で紙力発現機構を進め、場合に依っては必
要であつたエージング時間を無くし、抄造直後から安定
した紙力の発現を可能にした。
【0033】新乾燥法の長期間にわたる開発テストで、
当初耐熱性の潤滑油が高価なので回転体の軸受を大気中
に露出しようと回転体側面をフードの外に出して、その
外周面や側面の鏡板部でのシールを試みた。しかしなが
ら、完全なシールが困難で外気が浸入しやすかった。そ
こで、過熱水蒸気100%雰囲気を保つにはフード内圧
を相当高めに維持してリーク水蒸気をシール面で凝縮さ
せシールする要があることが判明した。
【0034】また、シリンダ側面からの熱損失も大で、
前述したように、シリンダの内部加熱は停止できないこ
とを確認した。その後、シリンダを全面密閉し、ブラッ
シシール方式に改造した結果、水蒸気のリーク量は激減
し、高露点湿り空気はもちろん過熱水蒸気100%雰囲
気も十分確保することができた。
【0035】完成後のテストにおいて、湿潤状態のシー
ト状物質は、回転シリンダと1.5kg/cm望ましくは2kg
/cm幅以上の高張力で張られたエンドレス構造の通気性
帯状帯との間に挾まれて、130℃以上の過熱ガス雰囲
気下で急速に乾燥(衝撃乾燥)されることにより、繊維
間結合によって生ずる繊維内収縮に起因する進行方向で
の破れや、幅方向での収縮の発生を100%近く拘束さ
れることが確認できた。このように、本発明では、寸法
安定性が高くタテヨコ比も少なくドライカールも無いシ
ートを製造することが可能である。
【0036】リグニン及びヘミセルローズは、硝子転移
温度の低下によると思われるが、それぞれ過熱水蒸気雰
囲気下(水蒸気100%)や絶対湿度が高い(1kg/kg’DA以上)
加熱湿り空気雰囲気下ではその軟化点温度が低下し(乾
燥リグニンでは134−250℃が水飽和下では72℃
に低下する)、繊維のフレキシビリティが増加するとと
もに、セルロースの水酸基と木材に含まれる他の物質と
の共有結合(エーテル、エステル結合)により湿紙強度
が大幅に増加する。150℃以上の過熱水蒸気(又は乾
球温度150℃以上露点温度65℃以上の高温高湿度の
加熱湿り空気)により衝撃乾燥して軟化温度を下げるこ
とにより、DRY引張り強さ、WET引張り強さ、水浸
伸度、破裂強さ、などの物理的特性を従来の内部蒸気加
熱したドライヤシリンダ乾燥に比べて大幅に改善するこ
とができた。なお、上記の紙の各種物性値中で各種の紙
強度の向上は、針葉樹や広葉樹使用のUKP(Unbleache
dKraft Pulp)やBKP(Bleached Kraft Pulp)を主原料
とした湿紙は勿論、リグニンやヘミセルローズが更に多
い、GW(Ground Wood)、RGP(Refiner Ground woo
d)、PGW(Pressurized Stone Ground wood)や、C
GP(Chemical GroundPulp)、SCP(Semi Chemical Pu
lp)、TMP(Thermo Mechanical Pulp)、CTMP(Che
mical Thermo Mechanical Pulp)や、近年古紙の再利
用で重要なDIP(De-Inked Pulp)等のパルプを主原
料とした湿紙に於いて更に著しい事を見出した。従って
上質紙等印刷用紙は勿論、DIPや機械式パルプの比率
が多い新聞紙や断ボール原紙(ライナーや中芯原紙)や
白板紙等では更に其の効果が顕著である。
【0037】また、従来の第二種圧力容器によるシリン
ダ乾燥や加熱空気乾燥では、水分がcapillary flowでシ
ート状物質(紙)中を拡散し紙表面で蒸発するのに対
し、過熱水蒸気乾燥では、シート状物質中で瞬間蒸発し
て水蒸気となり、pressure flowでシート状物質表面に
到る。このように、シリンダ乾燥や加熱空気乾燥と過熱
水蒸気乾燥とでは水分の蒸発機構が全く異なり、過熱水
蒸気乾燥では拡散抵抗が少ない。その結果、水銀圧入法
による細孔テスターによりシート状物質表面が数倍から
数百倍に多孔質化し、紙の見掛密度も31%低下するとと
もに、シート状物質の吸放湿性能は大幅に改善され、印
刷紙やインクジェット用紙でのインクの吸収性や、調湿
紙や含浸加工紙での吸放湿性が飛躍的に向上された。
【0038】130℃以上の加熱ガス雰囲気下で、シー
ト状物質及び耐熱性を有する通気性帯状帯を、外部加熱
型回転体の吹込み口に極力近接させ、安全上の観点から
も歩廊をフード外とし、又キャンバスドライヤーが皆無
となり、紙切れの解消により損紙回収スペースの地階が
不要で、内容積を従来のフードに比し10分の1以下と
した密閉フード内で走行させることにより、急速乾燥を
実現し工場の建設費を大幅に低めることが出来た。
【0039】また、フード内部に対するシート状物質の
入口部及び出口部に、短いエンドレス構造の耐熱性シー
リング帯状帯とシーリングロール及びシーリングピンチ
ロールと耐熱性ブラッシシールとを有するシール部を設
けたので、フード内部に対する外気の侵入が完全に防止
され、乾燥効率を大幅に向上することが出来た。当初通
気性帯状体により湿潤シートを拘束可能とした回転体
と、其の周囲に過熱水蒸気及び加熱空気吹付け用キヤッ
プを設けた風洞を試作してテストを開始した。内部ガス
条件を計画値にする為、循環ガスを電気ヒーターで加熱
したガスを風洞内部に吹き込み予め加熱しておく。過熱
水蒸気乾燥テストでは、湿潤シートを風洞内部にファブ
リックにより導入するのに、入口スリット部に種々の空
気遮断装置を試作装着してテストした。然しながら狭い
スリット状隙間から、シートとファブリックの表面と、
其の内部に伴われ微量の空気が入り込み、酸素濃度計の
指示が1.0%以下に出来ず苦労した。最初は計器誤差
かと考えたが微量の空気の流入が原因と判明し、最終的
に本発明の空気遮断方法で酸素濃度値が0.0%にな
り、本格テストを開始出来た。風洞内部のガス条件の測
定には高温過熱水蒸気対応のジルコニア式酸素濃度計や
湿度計を使用し、テストの前後に標準ガスにより必ず校
正を行った。
【0040】また、シート状物質より蒸発した水蒸気を
主とするガスをガス循環装置によって再加熱して150
℃以上、好ましくは250℃以上として、蒸発室内をほ
ぼ100%過熱ガスで満たすとともに、フードに対する
ガスの給排気量を制御してフード内の圧力を外部の圧力
(大気圧)より高く設定したことにより、フード内部に
対するシート状物質の出入口部からの外気の侵入は完全
に遮断され、乾燥効率を向上出来た。
【0041】通気度で7500CCM以上の通気性の帯
状帯として、耐熱性(通常帯状帯温度はガス温度より相
当低い温度となる)のPEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)製の
ファブリックベルト又は金属製のワイヤ(ステンレス製
又はブロンズ製)を使用することにより、乾燥収縮を拘
束した区間で急速に乾燥を進めることを可能にした。な
お、シート状物質の平滑性を重視する紙ではシート接触
面に薄い表面性の良い帯状帯を縫い合わせて用いること
が好ましい。
【0042】本出願人が既に登録済みの旧特許で提案し
たシーリング装置では、シールパイプとシーリングブラ
ケットロール及びシーリングピンチロールとの接触部
が、高速化の障害になることが判明したので、ブラッシ
シール方式を開発し漏洩する過熱水蒸気の凝結水による
水シールで機械接触部を皆無とした。
【0043】また、乾燥装置の入口部で低温湿潤状態の
シート状物質が低温な表面温度の為シリンダに貼りつき
取られて紙切れが多発するのを防止するために、スチー
ムボックスとサクションボックスによるスチームカーテ
ン方式を開発し、これを入口部に設置したことにより、
紙切れトラブルと空気の洩れ込みを皆無とした。
【0044】本発明においては、前述の如く特殊な密蔽
フード内部で外気をほぼ皆無として、加熱ガス雰囲気下
での蒸発を可能としたので、エンドレス構造の通気性帯
状帯により自由収縮を拘束された区間で大部分の乾燥を
終結することが出来た。すなわち、シート状物質のう
ち、回転体に支持される側は従来の100℃内外に比
べ、帯状帯による高張力下において110℃内外とな
り、更に、水分の蒸発とともに急速に上昇し加熱ガス温
度より25℃内外低い温度まで上昇する。そして、シー
ト状物質に含まれている水分は帯状帯側に急速に移動
し、この状態で帯状帯表面に150℃以上の加熱ガスを
50m/sec以上の高速で吹き付けることによって、
シート状物質中の水分は、帯状帯との接触面から直接蒸
発し、帯状帯の空隙中を通過して帯状帯に近接して設置
されているノズル形状又はスリット形状のガス排出口を
経てブロワにより吸引される。したがって、従来のよう
に、帯状帯中の湿り水蒸気が100℃以下のシート状物
質表面によって冷却され帯状帯中で結露して湿潤状態と
なり、再びシート状物質表面に戻ってシート状物質表面
を再湿潤させるといったことがなくなる。
【0045】また、従来のようなシリンダ側から加熱す
る構成と異なり、本発明は帯状帯側(表面側)から加熱
する構成なので、従来のようにシート状物質から蒸発し
た湿り水蒸気が帯状帯中に留まって充満しシート状物質
表面からの蒸発を疎害するといったことがない。
【0046】更に、前述したように、帯状帯中は従来の
ように結露した水分により湿潤状態にならないので、湿
った帯状帯を乾燥する為に従来必要だったファブリック
ドライヤ(帯状帯用ドライヤ)が不用となる。したがっ
て、帯状帯用ドライやの設置スペースが不用となるとと
もに、建築コストを大幅に低減することができる。
【0047】本発明では、多量の加熱ガスを循環再加熱
し、フード内温度を常に130℃以上に保つと共に、低
温湿潤状態のシート状物質がフード内に導入されるフー
ド入口部で、スチームボックスとサクションボックスに
より過熱水蒸気をシート断面を通過させ、其の凝縮伝熱
により急激にシート温度を昇温させるので、フード内で
の結露障害が皆無になつた。
【0048】更に、本発明はこの様な多大の問題点を抱
えながら、従来第二種圧力容器として内部より蒸気加熱
せざるを得なかったシリンダを高温ガス体による外部衝
撃加熱として、薄い金属又は耐熱プラスチック製等の軽
構造で分割して輸送することを可能とし、現地で組立据
付を可能とした。
【0049】本発明は、回転体外周からの150℃以上
の高温加熱ガスの衝撃噴射による熱伝達と一部ガス熱放
射を主体とする外部加熱方式であり、根本的にその乾燥
機構が異なる。もちろん、乾燥初期は外部からの高温ガ
ス加熱により回転体温度も上昇し内部からもシート状物
質を間接加熱するが、乾燥中期以降ではシート温度が回
転体温度より高くなり外部加熱のみになる。上記の如く
内部加熱しない回転体(乾燥シリンダ)は、今まで地球
上に存在しなかった。
【0050】以上のように、紙や湿式法不織布等、織物
類とは異なり湿潤状態では破断し易く、多数のロール類
を経由して進行方向に負荷される連続したテンションに
より幅方向に大幅に収縮し、乾燥工程で水分の蒸発とと
もに繊維間結合が生成して繊維内収縮を生ずる紙や不職
布等のシート状物質を、外気と遮断した大気圧より僅か
数百粍水柱程度以上の微圧の加圧状態とした密閉フード
内で130℃以上の加熱ガス、即ち130℃以上の過熱
水蒸気又は乾球温度130℃以上露天温度65℃以上の
加熱湿り空気、若しくは130℃以上の微量の溶剤ガス
を含む80%以上の窒素ガスと10%内外の水蒸気との
混合ガス等の雰囲気下で、その片面は外部加熱を主体と
する回転可能な回転体に接触させ、反対面を高張力下で
エンドレス構造の通気性帯状帯により挾み、湿潤状態の
シート状物質の伸縮を拘束しながら急速に乾燥させ、フ
ード内の高温ガスと、通気性の帯状帯を経てシート状物
質から蒸発した水蒸気を主成分とするガスとを吸込口を
経てガス排出部より吸引し、熱源を有するガス循環加熱
装置で循環再加熱して150℃以上で回転体外周より吹
き付けるとともに、余剰分をガス排出部により吸引して
他の熱源として利用することによって、シート状物質を
従来技術の約6倍以上の高速下で、且約八分の一以下の
所要熱量で省エネルギー下に乾燥できる。
【0051】従来の乾燥方法において、内部加熱シリン
ダと帯状帯(ファブリック)とによりシート状物質の乾
燥収縮を拘束した区間では前述した理由により乾燥が遅
いが、本発明は過熱水蒸気主体に近い雰囲気下で、高温
下に高速衝撃乾燥により略無酸素状態の乾燥を実現出来
る。このとき、高温化による火傷や酸素濃度低下による
酸欠の危険性を避ける必要から、従来ではフード内に設
置されていた歩廊を、本発明においてはフード外に設置
し所要スペースを大幅に削減した。
【0052】
【発明の実施の形態】≪第1実施形態≫以下、本発明の
シート状物質の乾燥装置について説明する。図1は本発
明のシート状物質の乾燥装置の第1実施形態を示す側面
図、図2は図1の側断面図、図3は加熱ガスの循環系統
図、図4はフードに対するシート状物質の入口部を示す
図、図5はフードに対するシート状物質の出口部を示す
図、図6は回転体を示す側方断面図、図7は図6のZ−
Z矢視図である。
【0053】図1,図2、図3に示すDS1のように、
湿潤状態のシート状物質(紙)を乾燥するための乾燥装
置は、シート状物質35の一方の面を支持しつつ回転す
る複数の多筒式回転体(回転シリンダ)1と、シート状
物質35の他方の面に接し、回転体1との間でシート状
物質35を挟みつつ回転体1の回転に同期して移動する
ファブリック(帯状帯)36と、回転体1の外周方向か
ら、シート状物質35を挟んでいるファブリック36に
向けて加熱ガスを吹き付けるガス吹出口(加熱ガス供給
部)19と吸込口22とを備えている。シート状物質3
5を挟むこれら回転体1及びファブリック36は、密閉
されたフード17内部に設けられている。ファブリック
36は環状に形成されたエンドレス構造となっている。
第1実施形態は回転体1間のポケット部の空間を最大限
に活用して、夫々対を成す各2本のサクションファブリ
ックロール(帯状帯ロール)8間で、上下のファブリッ
ク36とシート状物質35の受け渡しを行う物で有る。
【0054】乾燥装置DS1は、抄紙機棟建屋の独立し
た機械基礎13と、この機械基礎13上にアンカーボル
トにより固定されたソールプレート14と、ソールプレ
ート14に組み上げられたにドライヤーフレーム4とを
備えている。回転体1は、ドライヤーフレーム4の内側
に設けられている。回転体1はその表面(シリンダ面)
でシート状物質35を支持するようになっている。回転
体1には回転軸(シリンダ軸)2が設けられており、回
転体軸受(シリンダ軸受)3によって回転可能に支持さ
れている。シリンダ軸受3はドライヤーフレーム4に設
置されている。本実施形態において、回転体1は図1に
示すように複数設けられており、上下2段に千鳥型に配
置されている。複数の回転体1のそれぞれを上下2段千
鳥状に配置することにより、工場スペースを有効に利用
する上で有利である。猶、回転体1の配置構成を1段式
として、シート状物質35がカールしない様に各群別に
交互に上向きと下向きに設置したり、紙切れ時の排紙を
重視して下向き専用に設置したり、竪型に回転体1をそ
れぞれ左向きや右向きと数段ずつ設置したり、それらを
混合して設置することもできる。
【0055】上下2段に設置された複数の回転体1のう
ち、上段の回転体1には、該上段の回転体1に接続した
回転軸2の中心より上部側に配置されたキャノピーフー
ド15がそれぞれ設けられている。キャノピーフード1
5はドライヤーフレーム4に対して昇降装置16(図2
参照)により上下動可能に支持されている。同様に、下
段の回転体1には、該下段の回転体1に接続した回転軸
2の中心より下部側に配置されたキャノピーフード15
がそれぞれ設けられている。下段側のキャノピーフード
15のそれぞれドライヤーフレーム4に対して昇降装置
16により上下動可能に支持されている。キャノピーフ
ード15は断熱性のパネルにより構成されている。
【0056】前述したように、回転体1は複数設けられ
ているとともに、複数の回転体1のそれぞれは上下2段
に配置されている。そして、シート状物質35は、複数
の回転体1に支持されつつ、図1中、入口部60側から
出口部61側に走行されるようになっている。また、図
1に示すように、ファブリック36は、上段側の回転体
1に支持されたシート状物質35を挟むように設けられ
た上段側ファブリック(上段帯状帯)36Aと、下段側
の回転体1に支持されたシート状物質35を挟むように
設けられた下段側ファブリック(下段帯状帯)36Bと
からなっている。これら上段側及び下段側ファブリック
36A,36Bのそれぞれは、環状に形成されたエンド
レス構造となっている。
【0057】回転体1に対して近接する位置には、サク
ションファブリックロール(帯状帯ロール)8が設けら
れている。このサクションファブリックロール8はファ
ブリックロール軸受9によって回転可能に支持されてい
る。ファブリックロール軸受9はドライヤーフレーム4
に設置される。ここで、サクションファブリックロール
8は、1本の回転シリンダ1に対して2本配置されてい
る。サクションファブリックロール8は、ファブリック
36を支持する。
【0058】上段側及び下段側ファブリック36A,3
6Bのそれぞれは、上段側及び下段側回転体1の間に設
けられたサクションファブリックロール8を迂回点とし
て、上段側と下段側とでシート状物質35を受け渡す。
シート状物質35は、上下段の回転体1及び上下段のフ
ァブリック36に交互に挟み込まれながら走行する。
【0059】フード17内の隅部には、ファブリックロ
ール(帯状帯ロール)10がそれぞれ設けられており、
ファブリックロール10に対して所定位置にはファブリ
ックテンションロール(帯状帯ロール)11が設けられ
ている。そして、これらファブリックロール10及びフ
ァブリックテンションロール11及びサクションファブ
リックロール8によって、環状のエンドレス構造を有す
るファブリック(帯状帯)36が、全密閉されたフード
17内を周回可能に支持されている。ファブリック36
は通気性を有しており、回転体1との間でシート状物質
35を挟むように支持する。
【0060】ファブリック36は通気度で7,500C
CM(cm3/cm2/分)即ち12,500m3/m2/時以
上の通気性を有するとともに耐熱性を有する物質によっ
て構成されている。例えば、ファブリック36は、PE
EK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)などによって構成されている。
【0061】上段及び下段のキャノピーフード15、回
転体1、ファブリック36、サクションファブリックロ
ール8やドライヤーフレーム4を含む乾燥パート全体
は、厚さ100粍以上の耐熱性の断熱パネルによって構
成されたフード17に囲まれている。フード17の内部
は130℃以上のガス雰囲気に設定されている。ここ
で、キャノピーフード15内の吹出口19と吸込口22
と回転体1の表面間は、距離10から25粍内外を隔て
た蒸発空間80(図3参照)となっている。シート状物
質35を挟む回転体1の外周部及びファブリック36は
蒸発空間80の内部に配置された構成となっている。フ
ード17の一部には点検掃除等の際にこのフード17を
開閉するため、フード内部のシール性の完璧を期し、相
互に段差を着け接触面にシール用のパッキンを介して圧
着可能とした、電動若しくは空圧駆動のフード開閉装置
18が設けられている。
【0062】回転体1はその表面を平滑に仕上げた回転
面でシート状物質35と接触する。フード17の蒸発空
間80内の、シート状物質35と対向する位置に、回転
体1に外周方向からシート状物質35を回転体1との間
で挟んでいるファブリック36に向かい加熱ガスを吹き
付けるガス吹出口(加熱ガス供給部)19が設けられて
いる。この吹出口19は、回転体1の表面と約10〜2
5mmの間隔を介して回転体1の軸と平行に、且つ回転
体1の軸方向に複数設けられた好ましくはベルマウス型
断面の丸孔あるいは角孔、またはスリットによって構成
されており、回転体1の外周方向に所定間隔で複数配置
されている。吹出口19は略回転体全幅の長さに対して
ブロワの消費動力や乾燥速度の経済性から全開口率1〜
3%に設定されている。又孔形状では其の衝撃時にシー
ト状物質35に線状にマークがファブリック36経由で
も付着し易いので、千鳥配置としてシート走行時に噴射
点が重ならない事が望ましい。
【0063】吹出口19は、回転軸2に対して放射状に
配置された多数の細長い断面箱型部材で、回転体1に対
向する位置に回転軸2に平行に設けられたものである。
そして、複数の箱形部材のそれぞれの間には、蒸発空間
80(フード17)内のガスを吸い込んでフード17外
部に排気するためのガス吸込口(ガス排出口、ガス排出
部)22が設けられている。ガス吸込口22は、回転体
1の外周方向に所定間隔で配置されており、好ましくは
ベルマウス型断面のスリット形状とする。又は吹出口1
9を区画せず一体形状で半円弧状の弧状体とする時は、
丸孔パイプ形状とする。すなわち、回転体1に対してガ
スを吹き出す吹出口19と、ガスを吸い込む吸込口22
とは、回転軸2に対して平行で且放射状に交互に配置さ
れている。ここで、吸込口22は略シリンダ全幅の長さ
に対して全開口率5%内外に設定されている。
【0064】吹出口19には、複数の環状箱型で給気函
連結ダクト21と接続した給気函(加熱ガス供給部)2
0が接続されている。給気函20は、図2に示すよう
に、吸込スペースを充分確保する為に間隔を置いてシリ
ンダ軸2に対して直角に環状に配列設置されている。そ
して、キャノピーフード15は給気函20の補強構造と
して接続されている。猶紙幅が狭い小型抄紙機では吹出
口19を省略し、キャノピーフード15による一体構造
とし、回転体1に面する内周面に多数の丸孔又はスリッ
ト開口を設けても良い。其の場合ガス吸込口22は、例
えばパイプをキャノピーフード15の内外周面に貫通し
て設けても良い。
【0065】給気函連結ダクト21には、フレキシブル
ジョイントを介してフード17を貫通した給気ダクト2
7が接続されている。また、キャノピーフード15に対
して回転体1を挟んで対向する位置のうち2本のサクシ
ョンファブリックロール8どうしの間隙にはポケット給
気函(ポケット部)67(図1及び 図3参照)が設置
されており、給気ダクト27にフレキシブルジョイント
を介して接続される。また、吸込口22と接続している
吸込函(ガス排出部)23には、フード17を貫通した
吸込ダクト24が接続されている。
【0066】フード17の内壁に対して、回転体1やサ
クションファブリックロール8などを含むフード17内
部に配置された各種回転体(シリンダ)がフード17を
貫通して接する位置には、フード17内部と外部とのガ
スの移動を規制するカーボンファイバー等耐熱性のブラ
ッシシールが取り外しが容易に内接されている。このブ
ラッシシールは、フード17の内圧に相当する凝結ドレ
ンの水中高さ相当長さのブラッシシール構造とするのが
好ましいが、長さが取れない時は差圧で徐々に外部に漏
れ出す。ブラッシシール構造では、フード17内の水蒸
気が漏洩した際、凝結してドレンとなりブラッシ内を充
満することによって、外部の空気がフード17内に侵入
したり、内部の蒸発水蒸気が多量に流出しないようにな
っている。
【0067】図1などに示すように、フード17の一部
(図1中右側)には、フード17の外部から内部に対し
て湿潤状態のシート状物質35を導入するための入口部
60が設けられている。一方、フード17の入口部60
と反対側には、フード17の内部から外部にシート状物
質35を導出するための出口部61が設けられている。
フード17は、入口部60及び出口部61を除いて全て
全密閉となっている。
【0068】図4,図5に示すように、入口部60及び
出口部61のそれぞれのフード17外側には、シート状
物質35より少々広めの2本以上好ましくは4本以上の
シーリングピンチロール38が、シート状物質を表裏面
から挟むように設けられている。フード17の外側に設
けられているシーリングピンチロール38は5kg/c
m幅以上の線圧を載荷可能である。また、入口部60の
シーリングピンチロール38及び出口部61のシーリン
グピンチロール38のそれぞれのフード17側には、2
対のほぼ対称形の円弧状の断面を有するピンチロールシ
ール装置(シール部)44がそれぞれ設けられている。
【0069】ピンチロールシール装置44の一端は、フ
ード17の外壁面に接続したシーリングフレーム45に
固定されている。一方、ピンチロールシール装置44の
他端は、ブラッシシール46を介してシーリングピンチ
ロール38と接触している。ブラッシシール46は、1
mm径以下の耐熱性繊維製のブラッシを植え付けた耐熱
性ベースによって構成されており、摩損時に容易に交換
可能となっている。なお、ブラッシの材質としては、耐
熱ナイロン、テトロン、カーボン等がある。
【0070】図4に示すように、フード17の入口部6
0にはスチームボックス43が設けられており、スチー
ムボックス43と対向する位置にはサクションボックス
40を有する耐熱性の給紙用シーリングブランケット
(入口用帯状帯)39が設けられている。給紙用シーリ
ングブランケット39は環状に形成されたエンドレス構
造となっており、複数のロール39a〜39cによって
支持され不図示のテンション装置とガイド装置と駆動装
置により適切なテンションで周回可能となっている。こ
のうち、テンションロール39a,ガイドロール39b
はフード17外部に設けられ、ロール39cはフード1
7内部に設けられている。そして、シーリングブランケ
ット39は、シーリングフレーム45及びフード17の
一部に設けられている開口部を介して、フード17の内
部と外部とでまたがるように周回される。
【0071】一方、図5に示すように、フード17の出
口部61にもスチームボックス43が設けられており、
スチームボックス43と対向する位置にはサクションボ
ックス40を有する排紙用シーリングブランケット(出
口用帯状帯)41が設けられている。排紙用シーリング
ブランケット41も環状に形成されたエンドレス構造と
なっており、複数のロール41a〜41cによって支持
され不図示のテンション装置やガイド装置と駆動装置に
より適切なテンションで周回可能となっている。このう
ち、テンションロール41a,ガイドロール41bはフ
ード17外部に設けられロール41cはフード17内部
に設けられている。そして、シーリングブランケット4
1は、シーリングフレーム45及びフード17の一部に
設けられている開口部を介して、フード17の内部と外
部とでまたがるように周回される。
【0072】図4に示すように、フード17の入口部6
0には給紙用シーリングブランケット39と対向するよ
うに、該給紙用シーリングブランケット(入口用帯状
帯)39との間でシート状物質35を挟むように設けら
れた耐熱性の入口用ファブリック(入口用帯状帯)12
が設けられている。入口用ファブリック12は環状に形
成されたエンドレス構造となっており、複数のロール1
2a〜12eによって支持され不図示の駆動装置のもと
で適切なテンションで周回可能となっている。このう
ち、ロール12dはフード17内部に設けられ、それ以
外はフード17外部に設けられている。そして、入口用
ファブリック12は、シーリングフレーム45及びフー
ド17の一部に設けられている開口部を介して、フード
17の内部と外部とでまたがるように周回される。
【0073】一方、図5に示すように、フード17の出
口部61には排紙用シーリングブランケット41と対向
するように、該排紙用シーリングブランケット(出口用
帯状帯)41との間でシート状物質35を挟むように設
けられた出口用ファブリック(出口用帯状帯)12が設
けられている。出口用ファブリック12は環状に形成さ
れたエンドレス構造となっており、複数のテンションロ
ール12aガイドロール12b、其の他12cと12d
と12eによって支持され不図示のテンション装置やガ
イド装置と駆動装置のもとで適切なテンションで周回可
能となっている。このうち、ロール12dはフード17
内部に設けられ、それ以外はフード17外部に設けられ
ている。そして、出口用ファブリック12は、シーリン
グフレーム45及びフード17の一部に設けられている
開口部を介して、フード17の内部と外部とでまたがる
ように周回される。
【0074】そして、フード17の内部と外部とでまた
がるように設置されているシーリングブランケット3
9,41と、フード17の内部と外部とでまたがるよう
に設置されている出入口用ファブリック12とが、シー
ト状物質35を挟みつつ周回することにより、フード1
7に対する給排紙が容易に行えるようになっているとと
もに、これらシーリングブランケット39,41、ファ
ブリック12、ピンチロールシール装置44、ブラッシ
シール46、シーリングピンチロール38などによっ
て、入口部60及び出口部61におけるフード17外部
と内部とのガスの移動を規制するシール部(シール機
構、空気遮断装置)が構成されている。
【0075】なお、これら帯状帯はサクション可能な空
隙(網目又はスリット又は丸孔等)を有するものを用い
る。出入口用ファブリック12と給紙用シーリングブラ
ンケット39は、フード17の過熱水蒸気雰囲気中に出
入りするとともに外部より空気を持ち込むので、シート
離れを良好にするために、スチーム噴射時に微圧がかか
る程度の微小な空隙を除き、中実とするのが好ましい。
猶図4と5に示す実施例では上下に夫々二組の耐熱性の
給紙用シーリングブランケット39と出入り口用ファブ
リツク12とを利用して、シートの食い込み防止策とし
ており、フード17の出入り口の夫々外気側上下に、シ
ーリングブランケット39と出入り口用ファブリック1
2の帰り用のブラッシ機構によるシール構造として、中
央にシート通過用の空隙を有するシーリングフレーム4
5をフード17の外面に装着する。なお、薄物を除き強
度の高いシート状物質の場合で少量の空気混入を許す場
合は、給排紙専用のシーリングブランケットを排除し、
乾燥用のエンドレスファブリック36をそれぞれフード
17の外部にまたがるように周回させ、出入口用シール
部を簡略化しても良い。
【0076】ここで、図4,図5を用いてシート状物質
35がフード17内部に入る動作を説明する。まず、湿
潤したシート状物質35がペーパーロール等を介して空
気の進入を防止しながら出入り口用ファブリック12上
に着地する。次いで、シート状物質35はシーリングピ
ンチロール38によって外気より完全に遮断された密閉
フード17の外壁である断熱パネルの貫通部を通ってフ
ード17内部に入る。フード17内部に入る際、シート
状物質35は、スチームボックス43よりの噴射蒸気に
よりシート中の残留空気を除去されつつ、サクションボ
ックス40により給紙用シーリングブランケット39側
に吸着するが、低温シート35との接触により噴射蒸気
が急激に凝縮して潜熱を奪われシート温度が急上昇し、
通気度の高い耐熱性材料で構成されたエンドレスファブ
リック36を介して、サクションファブリックロール8
により吸引され、回転体1と接触しながらその周囲を周
回して乾燥される。
【0077】図3に示すように、乾燥装置DS1は、フ
ード17外部に設けられ、ガス排出部22,23によっ
てフード17内部より排気されたガスを処理して該フー
ド17内部に再度供給するガス循環加熱系(ガス循環加
熱装置)Jを備えている。ガス循環加熱系Jは、図3、
16、17に示すように、回転体1の好ましくは駆動側
に設けられ、排気中のミストや紙粉等の異物を除去する
排気スクリーン33、燃焼ガスまたは熱媒体例えば水素
ガス燃料と酸素とを使用する水素ガスタービンからの高
温排ガス等を熱源とする排気ヒータ34、ガス循環ファ
ン25、断熱膨脹ノズル26、給気ダクト27、ガスス
クラバー(蒸気スクラバー)28、ガスコンプレッサ
(スチームコンプレッサ)29、加圧蒸気管30、蒸気
加減弁31、メークアップ蒸気管32、給気制御ダンパ
ー又は弁37、排気制御ダンパー又は弁42とを備えて
おり、それぞれ前述した吸込ダクト24及び給気函連結
ダクト21と蒸気ヘッダー100とに接続してて過熱水
蒸気を主体とする加熱ガスを循環させる。
【0078】次に、本発明の特徴的な部分である回転体
1について図6,図7を参照しながら説明する。図6は
回転体1の縦断面図、図7は図6のZ−Z矢視図であ
る。回転体(回転シリンダ)1は、回転体軸受3を有す
る回転体軸2と、この回転体軸2の外周に略等間隔で取
り付けられた回転体セグメント7と、回転体セグメント
7の外側に接続され、回転体1の幅方向に分割可能な回
転体シェル1’と、この回転体シェル1’の内周面に対
して略等間隔で接続される回転体補強リブ6とを有して
いる。また、回転体軸2のまわりには補強ソケット2a
が設けられている。回転体1は、例えば、SS製、SU
S製等の金属、耐熱合成樹脂等、従来の内部を中低圧蒸
気加熱する為に第二種圧力容器とした頑丈な鋳鋼製のシ
リンダに比べて大変軽い材質によって構成されている。
なお、回転体1を耐熱プラスチック製や硝子繊維やアラ
ミド繊維やカーボン繊維製の籠型構造に同フィルムやテ
フロン(登録商標)製フィルム等によって表面を平滑に
構成することにより、フード入口部60のスチームシャ
ワーによる凝縮伝熱による急激な昇温作用と共に低温湿
潤状態によるシート状物質35の接着が無くなり、接着
に起因する断紙の発生の恐れを皆無に出来たので、今後
抄紙機の更なる高速化が可能になつた。また、回転体1
が分割構造であるため、広幅抄紙機の建設に際し輸送上
の制約に容易に対応できる。
【0079】回転体1を組み立てる際には、まず、回転
体補強リブ6と回転体セグメント7とを互いに接合して
広幅の一体構造としてリーマボルト等により固定し、予
め製作工場で動バランス等必要な加工を実施する。その
後、分解して建設地まで輸送し、建設地に到達して組立
工程を完了したら、回転体シェル1’を表面に接合し、
平滑仕上げする。なお、輸送上の問題が無ければ、分解
組立構造でなく製作工場で完成品としても良い。また、
回転体1の両軸測面に鏡板を取り付けても良い。
【0080】このように、従来のような中低圧蒸気加熱
により内部加熱をして乾燥シリンダを高温加熱し、その
熱伝導を主体としてシート状物質を乾燥する第二種圧力
容器と異なり、150℃以上の循環再加熱ガスによる熱
伝達と熱放射性ガス特性を主体とする外周加熱によりシ
ート状物質を乾燥するので、回転体1は従来のような鋳
鋼などによって頑丈に構成しなくても、上述したような
軽構造に構成することができる。
【0081】猶、既設又は中古の第二種圧力容器である
内部加熱式乾燥シリンダーを利用する時は、圧力容器内
に供給される蒸気が外部加熱ガスにより逆に昇温され圧
力が上昇し非常に危険である。又ドレン回収系に高温過
熱水蒸気が流れスチームハンマーによるトラブルや、多
量のエネルギーが消耗されるので、蒸気供給を止める事
が必要になる。ロータリージョイントやサイフォン等の
損耗を考えると取り外す必要がある。但し乾燥シリンダ
ー側面が外部に露出し、キャノーピーフードのみで囲う
場合は、外周加熱が局部的で不充分なので論外である。
【0082】次に、上述した構成を有する乾燥装置DS
1を用いて湿潤状態のシート状物質35を乾燥する方法
について説明する。ワイヤーパートで抄造されプレスパ
ートで水分60〜50%に脱水された湿潤状態のシート
状物質35は、断熱性のパネルにより完全密閉されたフ
ード17の入口部60において、入口用ファブリック1
2によりリードされ、上下のシーリングピンチロール3
8により給紙用シーリングブラケット39との間に挟ま
れて進行し、スチームボックス43とサクションボック
ス40間で急激に凝縮伝熱により加熱され急激に昇温し
て、サクションボックス40により給紙用シーリングブ
ランケット39側に取られて、フード17内部に導入さ
れる。
【0083】ここで、フード17の内部は、前記ガス循
環加熱系Jによって、130℃以上のガス雰囲気に設定
されている。さらに、ガス循環加熱系Jによって、フー
ド17の内部に対するガスの給排気量のバランスが制御
され、フード17内部の圧力は、フード17外部の圧力
より数百粍水中内外高く設定されている。
【0084】フード17内部に導入されたシート状物質
35は、フード17内部において周回している下段側フ
ァブリック36Bにサクションファブリックロール8の
サクション機構により吸引され取られて、入口部60側
下段に設置されている回転体(回転シリンダ)1の入口
に導かれる。そして、シート状物質35の上面が回転体
1に密着して、シート状物質35の下面が下段側ファブ
リック36Bとの間に挟まれて回転体1の回転に伴って
周回・走行する。このとき、シート状物質35はファブ
リック36によりファブリックテンションロール11を
介して回転体1に対してシート状物質35の乾燥収縮を
拘束可能なテンションにより圧着され、特に幅方向での
自由収縮を拘束されながら走行する。
【0085】回転体1及びファブリック36に挟まれつ
つ、キャノピーフード15内(すなわち、蒸発空間8
0)を周回するシート状物質35に対して、回転体1の
外周方向に設けられている吹出口19から150℃以上
の加熱ガスが50m毎秒以上の高速で吹き付けられる。
吹出口19からの加熱ガスは、通気度7、500CCM
以上(12500m3/m2/hr以上)の耐熱性のファブ
リック36に吹き付けて其の空隙を通過して直接シート
状物質35を衝撃加熱し、シート内水分を瞬間的に気化
蒸発(プレッシヤーフロー)させ乾燥する。
【0086】このように、シート状物質35は、ファブ
リック36の圧着拘束下においてシート内部水分を直接
加熱し其の内部からのプレッシヤーフローによる水分蒸
発で乾燥されるので、多孔質部を多数形成し嵩高とな
り、水蒸気雰囲気中でリグニンやヘミセルローズの軟化
点温度を低め物性強度が高く寸法安定性が良く、水蒸気
雰囲気中での高温加熱殺菌で生菌個数を大幅に減じ、湿
潤紙力増強剤や乾燥紙力増強剤の紙力発現機構を大幅に
高め、印刷適正始め各種の特性に優れたシートの製造を
可能とした。
【0087】一方、130℃以上の加熱ガス雰囲気中を
周回し150℃以上の過熱ガスを吹付けられてシート状
物質35より蒸発した蒸発空間80(フード17)内部
の水蒸気は、排気ガスとして吸込口22及びサクション
ファブリックロール8によって吸い込まれる。吸い込ま
れた排気ガスはガス循環加熱系Jに送られる。排気ガス
は、吸込函23及び吸込ダクト24を経て排気スクリー
ン33により紙粉ミスト等の異物を除去されて水蒸気循
環ファン25により昇圧される。これとともに、排気ガ
スは、その出口で断熱膨脹ノズル26からの過熱水蒸気
により加熱され、その大部分は給気ダクト27を通過し
て給気函連結ダクト21及び給気函20を経た後、吹出
口19よりファブリック36を貫通してシート状物質3
5に吹付けられる。なお、断熱膨脹ノズル26による循
環ガス温度の加熱には一定の限度があるので、循環ガス
を更に加熱して乾燥速度を早くする時は、排気ヒータ3
4により燃焼ガスまたは熱媒体を熱源として間接加熱す
ることができる。その場合は断熱膨脹ノズル26は閉鎖
する。
【0088】吹出口19からシート状物質35(ファブ
リック36)に対して吹き付けるガスは、フード17内
部からの排気ガスをガス循環加熱系Jによって循環再加
熱したものである。猶ポケット給気函67を設置する時
は、150℃以上の加熱ガスを50m/sec以上の高速で
ファブリック36に吹付け其の空隙を通過して直接シー
ト状物質35を衝撃加熱し、其の排ガスはサクションフ
ァブリックロール8により吸い込まれ、前記ガス循環加
熱系Jにより再加熱される。
【0089】1本目の回転体1(つまり、入口部60側
下段の回転体1)を通過したシート状物質35は、出口
でサクションファブリックロール8によって吸引され、
この1本目の回転体1より離れる。1本目の回転体1か
ら離れたシート状物質35は、再び、上段側ファブリッ
ク36A及び下段側ファブリック36Bによって挟み込
まれ、上段のサクションファブリックロール8により上
側に吸引されて上段のファブリック36Aに取られて、
上段に設置されている2本目の回転体1(つまり、入口
部60側上段の回転体1)の入口に導かれる。入口部6
0側上段に設置されている回転体1の入口に導かれたシ
ート状物質35は、シート状物質35の一方の面(この
場合、下面)が回転体1に密着して支持され、シート状
物質35の他方の面(この場合、上面)が上段側ファブ
リック36Aに密着される。シート状物質35は回転体
1の回転及びファブリック36の周回に伴って周回・走
行する。シート状物質35はファブリック36によりフ
ァブリックテンションロール11を介して回転体1に対
して強力に圧着され、拘束されながら走行する。このと
き、ファブリックテンションロール11は、シート状物
質35を圧着拘束するに際し、シート状物質35の伸縮
を拘束可能なテンションにより挟む。
【0090】回転体1及びファブリック36に挟まれつ
つ、キャノピーフード15内(すなわち、蒸発空間8
0)を周回するシート状物質35に対して、吹出口19
から、150℃以上の加熱ガスが50m/sec.以上
の速度で吹き付けられる。一方、吸込口22からは、蒸
発空間80(フード17)内部のガスが吸い込まれ、吸
い込まれたガスは排気ガスとしてガス循環加熱系Jに送
られる。
【0091】以下、前記と同様の乾燥が複数の回転体1
のそれぞれについて繰り返し行われる。複数の回転体1
の間を走行し、最後の回転体1を通過したシート状物質
35は出口部61に導かれ、サクションファブリックロ
ール8のサクション帯より加熱ガスを逆噴射して、排紙
用シーリングブランケット41にシート35を渡し、出
口用ファブリック12との間に挟まれて進行し、更にシ
ーリングピンチロール38により挾まれてフード17の
出口部61より外部に搬出される。
【0092】以上説明したように、シート状物質35を
支持する回転体(回転シリンダ)1の径方向外方からフ
ァブリック36に向かって加熱ガスを吹き付けることに
よって、湿潤状態のシート状物質35を外部加熱を主体
として効率良く乾燥することができる。このとき、シー
ト状物質35を、通気性のファブリック36によって回
転体1との間で挟みつつ加熱ガスを吹き付けることによ
り、シート状物質35の伸縮を抑え、断紙を皆無とし主
として過熱水蒸気から成る150℃以上の加熱ガスによ
る衝撃乾燥で、急速な直接水分蒸発により多孔質で嵩だ
かな強靭で印刷適正に優れたシートを製造することがで
きる。
【0093】なお、ガス循環ファン25により昇圧され
た水蒸気の一部は、ガススクラバー28においてミスト
や異物、非凝縮ガスを脱気後、ガスコンプレッサ29に
より断熱圧縮して昇圧加熱し、加圧蒸気管30、排気制
御ダンパー又は弁42を経て、過熱水蒸気使用時はウェ
ットパートより持ち込まれる水蒸気重量を、加熱湿り空
気使用時は更に補給する新空気より持ち込まれる水蒸気
重量との和に相当する水蒸気を含む高温高湿度空気を、
他の工程に供給して利用できる。立ち上げ時等には、そ
の一部で、前述のように断熱膨脹ノズル26を経て、再
循環系の加熱ガスを加熱することもできる。また、メー
クアップ蒸気管32より抄紙機立ち上げ時間短縮の為低
圧水蒸気を補給する事も可能だが、各蒸気の流量調節用
に蒸気加減弁31を調節して酸素濃度を自動制御する。
また、シート状物質35の幅方向の水分むらを制御する
ために、キャノピーフード15内の吹出口19を幅方向
でそれぞれ分割して吹出しガス量を制御することも可能
である。
【0094】なお、サクションファブリックロール8の
サクション帯それぞれに制御弁を設け、該制御弁を選択
して開閉することによって、上段または下段の回転体1
のそれぞれを選択してシート状物質35を通過させるこ
とにより、シート状物質35のカール度や平滑度の表裏
差を適宜に調節することができる。
【0095】排気ガスのうち、シート状物質35から蒸
発する水蒸気を含む130℃以上の余剰ガスを他の装置
の熱源として再利用することができる。其の場合ガスコ
ンプレッサー29により加圧して、水蒸気アキュムレー
ターに飽和水として蓄熱し、他工程よりのピーク需要に
応じて低圧蒸気として供給しても良い。
【0096】吹出口19から吹付ける加熱ガスとして
は、ガス循環加熱系Jで循環ガスを再加熱した150℃
以上の過熱水蒸気を用いる。湿潤状態のシート状物質3
5によりフード17内部に持ち込まれる水蒸気分と略相
当する130℃以上の過熱水蒸気は余剰になるので、ガ
ス循環加熱系Jのガス排出部排気制御ダンパー又は弁4
2によりフード17外部に排気し、他の工程での過熱水
蒸気源として有効に利用する。猶用途に依っては、排気
ヒーター34により他の循環ガスと共に再加熱後供給し
ても良い。即ち、後述の段落(0161)に詳細に示す
如くボイラー燃料発熱量に対し余剰水蒸気の顕熱が8
3.9%もあり、実際の消費燃料発熱量は差し引き66
3.4×103KJ/BD頓紙で、従来の高圧容器乾燥筒乾燥
法の5、236.8×103KJ/BD頓紙に比し実に12.7
%の所要熱量と成り今までの想像を絶する省エネルギー
が達成出来た。即ち従来の高圧容器乾燥筒乾燥法では、
フード排気顕熱に73.6%がドレン顕熱に7.9%と計
81.5%が無駄に大気中に放出されていたのを他工程で
有効に活用する事に成る。
【0097】又吹出口19から吹付ける加熱ガスとし
て、ガス循環加熱系Jで循環ガスを再加熱した、乾球温
度150℃以上で露点温度65℃以上の加熱湿り空気を
用いる事が出来る。湿潤状態のシート状物質35により
フード17内部に持ち込まれる水蒸気重量と他の経路よ
り持ち込まれる水蒸気重量との和に略相当する水蒸気を
含む乾球温度130℃以上の高温高湿度空気は余剰にな
るので、ガス循環加熱系Jのガス排出部排気制御ダンパ
ー又は弁42によりフード17外部に排気し、この排気
量に対して乾燥空気重量換算で略等量の低湿度外気を給
気ダンパー又は弁37により該フード17内部に給気す
る。猶過熱水蒸気100%には比肩出来ぬが、加熱湿り
空気でも絶対湿度を1kg/kg’DA以上に高めれば、略遜
色無い省エネルギーを達成可能である。
【0098】又吹出口19から吹付ける加熱ガスとし
て、ガス循環加熱系Jで循環ガスを再加熱した、乾球温
度150℃以上で、80%以上の窒素ガスと5%内外の
水蒸気と溶剤ガスと酸素との混合ガスを用いる事が出来
る。湿潤状態のシート状物質35によりフード17内部
に持ち込まれる水蒸気と溶剤ガスとに略相当する乾球温
度130℃以上の混合ガスは余剰になるので、ガス循環
加熱系Jのガス排出部排気制御ダンパー又は弁42によ
り該フード17外部に排気し、溶剤ガスを水蒸気より凝
縮分離する事により、公害源として近年問題化している
溶剤を効率良く回収すると共に、溶剤による爆発事故等
を皆無とし安心して乾燥を行うことができる。
【0099】キャノピーフード15を、抄紙機乾燥パー
トの何処のセクションに且はどの箇所に設けるかは、抄
造する紙の品種や衝撃乾燥方法の目的により千差万別で
あるが、.乾燥速度の増速効果による乾燥パートのス
ペース節減、.初期乾燥での多孔質部の早期形成、.
初期乾燥での高温化による生菌数の削減、.初期及び
中期乾燥での高温化による物性強度の増強、.終期乾
燥での高温化によるサイズ剤や紙力増強剤等の効果増
大、.乾燥時間の大幅な短縮による抄紙機幅方向の収
縮量削減で、縦横比のより良い紙の生産、.終期乾燥
でのカール度の調整、.漉き合せ抄紙機での層別乾燥
度の調整、等々で決定する。
【0100】≪第2実施形態≫次に、本発明のシート状
物質の乾燥装置の第2実施形態について図8、図9、図
10を参照しながら説明する。図8は第2実施形態に係
る乾燥装置DS2を側面から見た図である。図9は図8
の側断面図である。図10は乾燥装置のうち加熱ガスの
循環系統図である。ここで、以下の説明において、上記
実施形態と同一又は同等の構成部分についてはその説明
を省略もしくは簡略する。
【0101】乾燥装置DS2は、シート状物質35の一
方の面を支持しつつ回転する回転体(回転シリンダ)1
と、シート状物質35の他方の面に接し、回転体1との
間でシート状物質35を挟みつつ回転体1の回転に同期
して移動する通気性のファブリック36と、回転体1の
径方向外方からファブリック36に向けて加熱ガスを吹
き付ける吹出口19と吸込口22とを備えている。回転
体1は上下2段に複数配置されている。ファブリック3
6は、上段側の回転体1に支持されたシート状物質35
を挟むようにフード17内部を周回するエンドレス構造
の上段側ファブリック36Aと、下段側の回転体1に支
持されたシート状物質35を挟むようにフード17内部
を周回するエンドレス構造の下段側ファブリック36B
とを有している。
【0102】上段の回転体1には、該上段の回転体1に
接続した回転軸2の中心より上部側に配置された回転体
1との間で蒸発空間80を形成するキャノピーフード1
5が夫々設けられている。同様に、下段の回転体1に
は、該下段の回転体1に接続した回転軸2の中心より下
部側に配置された回転体1との間で蒸発空間80を形成
するキャノピーフード15が夫々設けられている。キャ
ノピーフード15は断熱性のパネルにより構成されてい
る。
【0103】狭いフード17中で衝撃範囲角を広げ同時
に昇降性の改善と、回転体1との距離調節の容易化を考
え、キャノピーフード15を左右に数分割(實施例では
二分割)して其の左右と中央で昇降装置16によって独
立して昇降可能とした。
【0104】以上説明したように、キャノピーフード1
5のそれぞれを任意のセクションに分割構造とし、この
分割キャノピーフードを昇降装置16によって独立して
昇降可能とすることにより、キャノピーフード15と回
転体1との間で形成される蒸発空間80の空間の大きさ
を任意に設定することができる。そして、蒸発空間80
の空間の大きさを任意に設定することにより、シート状
物質35に対する乾燥条件を容易に変更することができ
るので、シート状物質35の品質と省エネ性の向上を図
ることができる。
【0105】前述したように、回転体1は複数設けられ
ているとともに、複数の回転体1のそれぞれは上下2段
に配置されている。回転体1の上下間にはファブリック
ロール8’が設けられている。このファブリックロール
8’はファブリックロール軸受9によって回転可能に支
持されている。ここで、サクションファブリックロール
8は、夫々フード17の出入り口にのみ各1本配置され
ている。
【0106】フード17の両側には、フード17内部に
対するシート状物質35の入口部60及び出口部61が
それぞれ設けられている。これら入口部60及び出口部
61のそれぞれには、図4,図5を用いて説明した、フ
ード17外部と内部とのガスの移動を抑止するシール部
(シール機構)が設けられている。
【0107】上段側回転体1と下段側回転体1との間に
は、サクションファブリックボックス50が設けられて
いる。このサクションファブリックボックス50は、上
段側回転体1と下段側回転体1との間で走行するシート
状物質35が受け渡される位置に其の表裏面に対向する
ように、2つずつ設けられている。
【0108】サクションファブリックボックス50近傍
には、三角箱型の吸込み函48’と、この給気函48’
に接続した排気連結ダクト49’とが設けられている。
排気連結ダクト49’はフレキシブルジョイントを介し
て吸込みダクト24に接続している。
【0109】乾燥装置DS2のガス循環加熱系Jは、図
9、16、17に示すように、回転体1の駆動側に設け
られ、排気中のミストや紙粉等の異物を除去する排気ス
クリーン33、燃焼ガスまたは熱媒体例えば水素ガス燃
料と酸素とを使用する水素ガスタービンからの高温排ガ
ス等を熱源とする複数の排気ヒータ34、ガス循環ファ
ン25、断熱膨脹ノズル26、給気ダクト27、ガスス
クラバー(蒸気スクラバー)28、ガスコンプレッサ
(スチームコンプレッサ)29、加圧蒸気管30、蒸気
加減弁31、メークアップ蒸気管32、給気制御ダンパ
ー又はベン37、排気制御ダンパー又は弁42とを備え
ており、それぞれ前述した吸込ダクト24及び給気函連
結ダクト21と蒸気ヘッダー100とに接続して水蒸気
を循環させる。
【0110】なお、回転体1やサクションファブリック
ロール8が、キャノピーフード15やフード17と接す
る面には、(0066)に詳述したラビリンス構造やフ
ェルト面またはブラシ面等のシール機構を介して、外部
の空気がフード17内に侵入したり、内部の蒸発水蒸気
が多量に流出しないようにする。
【0111】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分50〜60%に予備脱水された湿潤状態のシート状
物質35は、入口部60からフード17内部に導入され
た後、サクションファブリックロール8により吸引され
る。シート状物質35は、図8に示すように、まず、フ
ード17内部において周回する下段側ファブリック36
Bに吸着され、下段側の回転体1に導かれる。下段側の
回転体1に導かれたシート状物質35は、回転体1の外
周面と下段側ファブリック36Bとの間に挟まれつつ、
吹出口19より加熱ガスを吹き付けられる。
【0112】下段側の回転体1に支持されつつ走行した
シート状物質35は、やがて、この下段側回転体1から
離間する。そして、2つのサクションファブリックボッ
クス50の間を通って、上段側の回転体1に渡される。
上段側の回転体1に渡されたシート状物質35は、上段
側回転体1と上段側ファブリック36Aとの間に挟まれ
つつ走行し、前記と同様の乾燥処理を施される。
【0113】ここで、吹出口19からの加熱ガスの吹き
付けによってシート状物質35より蒸発した水蒸気を含
む130℃内外のガスは、キャノピーフード15内(蒸
発空間80内)の吸込口22と、サクションファブリッ
クボックス50を介して吸引される。吸引された排気ガ
スは、ガス循環加熱系Jによって循環再加熱された後、
吹出口19から再びフード17内部に供給される。
【0114】以上説明したように、上段に配置された回
転体(回転シリンダ)1と下段に配置された回転体(回
転シリンダ)1との間に、自由走行するシート状物質3
5の夫々上段と下段の回転シリンダ1の外周側に、ファ
ブリック36Aと36Bとを介して、ファブリック36
と滑り枠で接触するサクションファブリックボックス5
0を設け、このサクションファブリックボックス50に
よって、走行するシート状物質35から排気ガスを吸い
込むことができる。
【0115】≪第3実施形態≫次に、本発明のシート状
物質の第3実施形態について図11、図12を参照しな
がら説明する。図11は回転体(回転シリンダ)1を2
段式として設置した場合の実施例を示す側面図、図12
は加熱ガスの循環系統図である。ここで、以下の説明に
おいて、上述した各実施形態と同一又は同等の構成部分
についてはその説明を簡略もしくは省略する
【0116】図11,図12に示すように、乾燥装置D
S3は、上下2段に設置された複数の回転体1を備えて
いる。抄紙機棟建屋の独立した機械基礎13上にアンカ
ーボルトにより固定したソールプレート14にドライヤ
ーフレーム4を組み上げ、必要数の回転体1を回転軸2
と回転体軸受3によりそれぞれ設置する。多筒式回転体
を設置する時は、本実施例に示す如く上下2段にそれぞ
れ千鳥型に配置するのが工場スペースを有効に利用する
上で有利である。
【0117】上段の回転体1にはその回転軸2の中心よ
り上部に、下段の回転体1には回転軸2の中心より下部
に、夫々断熱性のパネルにより構成したキャノピーフー
ド15を昇降装置を介して上下動可能にドライヤーフレ
ーム4上に設置する。各回転体1の上下間には、キャノ
ピーフード15の延長上にエンドレス構造のファブリッ
ク36を挟んで、スクェアーフード47を設け平面蒸発
室を構成する。又フード17の出入り口にはそれぞれ1
本のサクションファブリックロール8をファブリックロ
ール軸受9により、ドライヤーフレーム4に設置する。
【0118】上段及び下段のキャノピーフード15やド
ライヤーフレーム4を含む乾燥パート全体の外周には、
断熱性のパネルにより構成したフード17と、点検掃除
用のフード開閉装置18とを設置して、シート状物質3
5の出入口を除いて全密閉とする。フード中には回転体
1の回転体面及びその延長上に、隣接する回転体1のポ
ケット部に到る略平面状の蒸発面で、シート状物質35
と接触している面に約10〜25mmの間隔を介して吹
出口19と吸込口22(それぞれ丸孔またはスリット)
を配置し、側面をエンドレスファブリック36の出し入
れ用に開閉式とした箱型函スクェアーフード47を、夫
々馬蹄形状に配列して設置し、又キャノピーフード15
中には、吹出口19と直結して複数の環状箱型でそれぞ
れ給気函連結ダクト21と接続した給気函20を、吸込
スペースを充分に確保する為に間隔を置いて設置し、駆
動側で給気函連結ダクト21にフレキシブルジョイント
を介して給気ダクト27を接続する。
【0119】ポケット部の略平面状の蒸発面にはそれぞ
れ吹出口19と直結して複数の三角箱型でそれぞれ給気
連結ダクト49と接続した給気函48を吸込スペースを
充分に確保する為に間隔をおいて設置し駆動側で給気連
結ダクト49にフレキシブルジョイントを介して給気ダ
クト27を接続する。なお、回転体1やサクションファ
ブリックロール8がキャノピーフード15やフード17
と接する面は、(0066)に詳述したラビリンス構造
やフェルト面またはブラシ面等のシール機構を介して、
外部の空気がフード内に侵入したり、内部の蒸発水蒸気
が多量に流出しないようにする。
【0120】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分60〜50%に脱水された湿潤状態のシート状物質
35は、断熱性のパネルにより完全密閉されたフード1
7入口で、入口用ファブリック12によりリードされ、
上下のシーリングピンチロール38により給紙用シーリ
ングブランケット39との間に挟まれて進行し、スチー
ムボックス43とサクションボックス40間で急速に凝
縮加熱され、密閉フード中で周回するサクションファブ
リックロール8のサクション帯により、先ず下段のファ
ブリックロール10を経て上ってくる下段側ファブリッ
ク36Bに取られて、下段入口側に設置された回転体1
入口に到り、上段のファブリックロール10を経て下り
て来るファブリック36Aとの間にシート状物質35が
挟まれて、夫々吹出口19と吸込口22を有する最初の
キャノピーフード15内を回転体1に沿って周回し、シ
ートの上下面は上下のファブリック36により挟まれな
がらファブリックテンションロール11を介して回転体
1面に強力に圧着されて拘束下に乾燥される。
【0121】1本目の回転体1を通過したシート状物質
35は、其の侭両ファブリック36に挟まれながら、ほ
ぼ平面よりなり夫々吹出口19と吸込口22を有するス
クェアーフード47の蒸発面で、夫々高速高温ガスの衝
撃力で上下2枚のエンドレスファブリック36により挾
みこまれて強力に圧着されて拘束下に更に乾燥され、夫
々吹出口19と吸込口22を有する第二のキャノピーフ
ード15と連続した馬蹄形配置で、再び上段に設置され
た2本目の乾燥体1入口に到り、前記と同様の乾燥が繰
り返される。
【0122】最後の回転体1を出たシート状物質35
は、サクションファブリックロール8のサクション帯に
より上段側のファブリック36Aに取られて回転体1を
離れ、フード17出口で排紙用シーリングブランケット
41によりリードされ、出口用ファブリック12との間
に挟まれて進行し、サクションボックス40によりシ−
ト状物質35を上段のファブリック36Aより取り、上
下のシーリングピンチロール38によりニップ圧をかけ
て空気の侵入を防止しながら乾燥フード出口より外部に
搬出する。シート状物質35が最後の回転体1を離れる
時、上下段のエンドレスファブリック36も離れて、夫
々上下段のファブリックロール10を周回して、再びフ
ード17の入口に戻り上記の乾燥サイクルを繰り返す。
【0123】回転体1上の略半円筒面状と其の延長上で
略平面状とが連続した馬蹄形断面の蒸発面で、上下二枚
のファブリック36(夫々内周外周と交互に上下で入れ
替わる)に挟まれたシート状物質35は、半円筒面上で
は外周より平面状では両面から、150℃以上の高速加
熱ガスによる吹付けでシート状物質35より蒸発した水
蒸気を含む130℃内外の排ガスは、キャノピーフード
15内及びスクェアーフード47内の吸込口22と、サ
クションファブリックロール8を経て吸引され、フード
17内の吸込函23及び吸込ダクト24を経て排気スク
リーン33により紙粉ミスト等の異物を除去してガス循
環ファン25により昇圧すると共に、その出口で排気ヒ
ーター34により好ましくは150℃以上に加熱して、
その大部分は給気ダクト27を経て給気函連結ダクト2
1と49から給気函20と48を経て吹出口19より上
下2枚のエンドレスファブリック36によりサンドイッ
チ状に挟み込まれたシート状物質35に衝撃流で吹付
け、エンドレスファブリック36中の空隙部に滞留して
いる蒸発水蒸気を駆逐して、直接シート状物質35を加
熱すると共に、シート状物質35上の飽和水蒸気より成
る境界層を乱して蒸発を促進し好ましくは130℃内外
の加熱ガス雰囲気とする。
【0124】≪第4実施形態≫次に、本発明のシート状
物質の乾燥装置の第4実施形態について図13を参照し
ながら説明する。図13は多筒式回転シリンダ1を1段
式として設置する場合の下向き配置の実施例を示す側面
図である。ここで、以下の説明において、上記各実施形
態と同一又は同等の構成部分についてはその説明を省略
もしくは簡略する。
【0125】図13に示す乾燥装置DS4は、複数の大
径の回転体1を数本ずつを1グループとし、それぞれシ
ートの出入口を上向きにしたグループと下向きにしたグ
ループと目的に応じて適宜に、水平方向に配置した1段
構造となっている。回転体(回転シリンダ)1のそれぞ
れは、回転軸2及び回転体軸受3によってドライヤーフ
レーム4に設置されている。回転体1のそれぞれには、
断熱性のパネルにより構成したキャノピーフード15
が、そのシリンダ軸2の中心より下向きでは上部に、上
向きでは下部に設けられている。キャノピーフード15
は昇降装置16を介してドライヤーフレーム4に設置さ
れており、この昇降装置16によって上下動可能になっ
ている。
【0126】1本の回転体1には、該回転体1と近接す
る位置にそれぞれ2本の吸込みダクト24と接続するサ
クションファブリックロール8が下向き配置ではドライ
ヤーフレーム4下に設けられており、上向き配置ではド
ライヤーフレーム4上に設置されている。
【0127】又好ましくはサクションファブリックロー
ル8の対向面に高温ガスの吹出口19と排ガスの吸込口
22を有する給気函20を設置する。図13にはシート
が破断しても下に排紙し易いシートの出入口を下向きに
したグループのみ示す。
【0128】上段又は下段のキャノピーフード15とド
ライヤーフレーム4の外周には、それぞれ断熱性のパネ
ルにより構成した蜜閉フード17と点検掃除用のフード
開閉装置18とを設置して、シート状物質35の入口部
60及び出口部61を除いて全密閉とする。その他の実
施例と異る点は、一段配置で下部には回転体1が無いの
で、好ましくはファブリックロール10により周回する
シートの給排紙用のエンドレスファブリック36Bがあ
るのみである。厚紙などで紙切れの恐れのない時は下段
のシート給排紙用エンドレスファブリック36Bは省略
出来る。
【0129】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分60〜50%に脱水された湿潤状態のシート状物質
35は、断熱性のパネルにより完全密閉されたフード1
7の入口部60で入口用ブランケット12によりリード
され、上下のシーリングピンチロール38により給紙用
シーリングブランケット39との間に挟まれて進行し、
スチームボックス43とサクションボックス40間で急
速に凝縮加熱され、密閉フード17中で周回するサクシ
ョンファブリックロール8により下段より上って来るフ
ァブリック36Bに取られて、入口側に設置された回転
体1の入口に導かれる。回転体1の入口に導かれたシー
ト状物質35は、上段より下りて来るファブリック36
Aとの間に挟まれてサクションファブリックロール8に
より吸引され、回転体1にその一方の面を密着させる。
シート状物質35の他方の面は、ファブリックテンショ
ンロール11を介して回転体1に圧着され、拘束下で乾
燥される。
【0130】1本目の回転体1を通過したシート状物質
35は、回転体1より離れ、再び2本目のサクションフ
ァブリックロール8によりファブリック36Aに取られ
て、好ましくは下段の給排紙用ファブリック36Bとの
間に挟まれて、吹出口19と吸込口22を有する給気函
20からの高温ガスにより拘束下に乾燥を促進され、2
本目の回転体1入口に到り、給排紙用ファブリック36
Bと別れて、以下同様の乾燥を繰り返し、最後の回転体
1を出たシート状物質35は、サクションファブリック
ロール8により取られてフード出口で、排紙用シーリン
グブランケット41に乗り出口用ファブリック12との
間に挾まれて、上下のシーリングピンチロール38によ
りシールされて乾燥フード17出口より外部に搬出され
る。その他の作用は他の実施例と同様なので省略する。
【0131】図16は前述した各實施例で使用される蒸
気又は熱媒体や燃焼ガス等外部熱源によるガス循環加熱
系J、即ち間接熱交換方式循環ガス再熱器を示す平面
図、図17は図16の側面図である。図16,図17に
おいて、吸込みダクト24より排気スクリーン33を経
たガスは、ガス循環ファン25により130℃内外の循
環加熱ガスとして排気ヒータ34のローラー等で熱膨張
代を充分確保した低温側の外周部に供給される。そし
て、エコノマイザー52を有するガス又は重油燃焼器5
1による燃焼室の高温側を固定した排気ヒータ34は、
ガスをその外周部に交流又は直交流で通過させて150
℃以上に再加熱し、給気ダクト27を経て給気函20に
供給する。燃焼室温度が高温なので間接熱交換器の熱膨
張代を充分見て、循環加熱ガス側と燃焼ガス側とを隔離
した構造とし、燃焼ガスと循環加熱ガスとがリ−クして
混合しない様にする。
【0132】≪第5実施形態≫次に、本発明のシート状
物質の乾燥装置の第5実施形態について図14を参照し
ながら説明する。図14は第5実施形態に係る乾燥装置
DS5を側面から見た図である。以下の説明において、
他の実施形態と同一又は同等の構成部分についてはその
説明を省略もしくは簡略する。
【0133】乾燥装置DS5は、シート状物質35の一
方の面を支持しつつ回転する回転プレート(回転体)5
5と、シート状物質35の他方の面に接し、該回転プレ
ート55との間でシート状物質35を挟みつつ回転プレ
ート55の周回に同期して移動する通気性のファブリッ
ク36と、回転プレート55の外周方向からファブリッ
ク36に向けて加熱ガスを吹き付ける吹出口19と吸込
口22とを内蔵したキャノピーフード15を有する。フ
ァブリック36は、上段側の回転プレート55に支持さ
れたシート状物質35を挟むようにフード17内部を周
回するエンドレス構造の上段側ファブリック36Aと、
下段側の回転プレート55に支持されたシート状物質3
5を挟むようにフード17内部を周回するエンドレス構
造の下段側ファブリック36Bとを有している。
【0134】エンドレスの回転プレート(帯状帯)55は
多数の回転プレートロール56により支持され、上下2
段に円弧状に複数配置される。回転プレートロール56
は回転プレート55の脱輪を防ぐ為好ましくは鍔付と
し、回転プレートロール軸と回転プレートロール軸受に
よりドライヤーフレーム4上に設置される。回転プレー
ト55の蛇行を防ぐ為、其の円弧状走行部の端末(直行
走行部)の回転プレートロール軸は、回転プレート蛇行
調整装置及び回転プレート張力調整装置を介し固定され
る。回転プレート55の駆動は回転プレートロール56
によるか、若しくは其の外周を同期して周回するファブ
リック36をファブリックロール10を駆動して行う。
【0135】上段の回転プレ−ト55には、該上段の回
転プレ−ト55の中心より上部側に配置された、回転プ
レート55との間で蒸発空間80を形成するキャノピー
フード15が夫々設けられている。同様に、下段の回転
プレート55には、該下段の回転プレート55の中心よ
り下部側に配置された回転プレート55との間で蒸発空
間80を形成するキャノピーフード15が夫々設けられ
ている。キャノピーフード15は断熱性のパネルにより
構成され、吹出口19と吸込口22とを有する。
【0136】狭いフード17中で衝撃範囲角を広げ同時
に昇降性の改善と、回転プレート55との距離調節の容
易化を考え、キャノピーフード15を左右に数分割(實
施例では二分割)して其の左右と中央で昇降装置16に
よって独立して昇降可能とした。第2実施形態では回転
体が円筒型の回転体である為、キャノピーフードの形状
も円弧型に制約されたが、第5実施形態では回転プレー
トである為其の距離調節は極めて容易となり、左右の回
転プレートロールの軸受を可動式とする事により、フー
ドの上下昇降は極めて容易に成った。
【0137】又シート状物質35の乾燥収縮を防止する
為に、エンドレスのファブリック36により回転プレー
ト55に接触圧力を掛ける要がある。ファブリックと回
転体間の接触圧力 p は、p=2T/r で、T=ファブリック
テンション、r=回転体の曲率半径、の関係があり、水
平な平面では乾燥収縮を防ぐ事は出来ない。従って本発
明の如く必ず曲面体の上でファブリックによりテンショ
ンを掛け、抄速と坪量により mv2/r 実際のファブリッ
クテンションが異なるので、回転プレートロール56の
位置を変更して調節する事が出来る。
【0138】以上説明したように、キャノピーフード1
5のそれぞれを任意のセクションに分割構造とし、この
分割キャノピーフード15を昇降装置16によって独立
して昇降可能とすることにより、キャノピーフード15
と回転プレート55との間で形成される蒸発空間80の
空間の大きさを任意に設定することができる。そして、
蒸発空間80の空間の大きさを任意に設定することによ
り、シート状物質35に対する乾燥条件を容易に変更す
ることができるので、シート状物質35の品質と省エネ
性の向上を図ることができる。
【0139】前述したように、回転プレート55は複数
設けられているとともに、複数の回転プレート55のそ
れぞれは上下2段に配置されている。回転プレート55
の上下間にはファブリックロール8’が設けられてい
る。このファブリックロール8’はファブリックロール
軸受9によって回転可能に支持されている。ここで、サ
クションファブリックロール8は、夫々フード17の出
入り口にのみ各1本配置されている。
【0140】上段又は下段のキャノピーフード15とド
ライヤーフレーム4の外周には、それぞれ断熱性のパネ
ルにより構成した蜜閉フード17を設け、シート状物質
35の入口部60及び出口部61を除いて全密閉とす
る。これら入口部60及び出口部61のそれぞれには、
図4,図5を用いて説明した、フード17外部と内部と
のガスの移動を抑止するシール部(シール機構)が設け
られている。点検掃除用には、相互に段差を着け面接触
シールで完全密閉可能な、電動か空圧駆動のフード開閉
装置18を設置する。
【0141】上段側回転プレート55と下段側回転プレ
ート55との間には、サクションファブリックボックス
50が設けられている。このサクションファブリックボ
ックス50は、上段側回転プレート55と下段側回転プ
レート55との間で走行するシート状物質35が受け渡
される位置を挟み其の表裏面に対向するように、2つず
つ設けられている。
【0142】サクションファブリックボックス50近傍
には、三角箱型の吸込み函48’と、この給気函48’
に接続した排気連結ダクト49’とが設けられている。
排気連結ダクト49’はフレキシブルジョイントを介し
て吸込みダクト24に接続している。
【0143】乾燥装置DS5のガス循環加熱系Jは、図
10、16、17に示すように、回転プレート55の駆
動側に設けられ、排気中のミストや紙粉等の異物を除去
する排気スクリーン33、燃焼ガスまたは熱媒体例えば
水素ガス燃料と酸素とを使用する水素ガスタービンから
の350度以上の高温排ガス等を熱源とする複数の排気
ヒータ34、ガス循環ファン25、断熱膨脹ノズル2
6、給気ダクト27、ガススクラバー(蒸気スクラバ
ー)28、ガスコンプレッサ(スチームコンプレッサ)
29、加圧蒸気管30、蒸気加減弁31、メークアップ
蒸気管32、給気制御ダンパー又は弁37、排気制御ダ
ンパー又は弁42とを備えており、それぞれ前述した吸
込ダクト24及び給気函連結ダクト21と蒸気ヘッダー
100とに接続して水蒸気を循環させる。
【0144】なお、回転プレートロール56やサクショ
ンファブリックロール8が、フード17と接する面に
は、(0066)に詳述した ラビリンス構造やフェル
ト面またはブラシ面等のシール機構を介して、外部の空
気がフード17内に侵入したり、内部の蒸発水蒸気が多
量に流出しないようにする。
【0145】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分50〜60%に予備脱水された湿潤状態のシート状
物質35は、図14に示すように、入口部60からフー
ド17内部に導入された後、まず、フード17内部にお
いて周回する下段側のファブリック36Bにサクション
ファブリックロール8により吸着され、下段側の回転プ
レート55に導かれる。下段側の回転プレート55に導
かれたシート状物質35は、回転プレート55の外周面
と下段側ファブリック36Bとの間に挟まれつつ、吹出
口19より加熱ガスを吹き付けられる。
【0146】下段側の回転プレート55に支持されつつ
走行したシート状物質35は、やがて、この下段側回転
プレート55の出口で下段側サクションファブリックボ
ックス50により下段側ファブリック36Bに吸引され
て離れる。次いで上段側のサクションファブリックボッ
クス50により上段側ファブリック36Aに吸引され
て、上段側の回転プレート55に渡される。上端側の回
転プレート55に渡されたシート状物質35は、上段側
回転プレート55と上段側ファブリックベルト36Aと
の間に挟まれつつ走行し、前記と同様の乾燥処理を施さ
れる。
【0147】ここで、吹出口19からの加熱ガスの吹き
付けによってシート状物質35より蒸発した水蒸気を含
む130℃内外のガスは、キャノピーフード15内(蒸
発空間80内)の吸込口22と、サクションファブリッ
クボックス50を介して吸引される。吸引された排気ガ
スは、ガス循環加熱系Jによって循環再加熱された後、
吹出口19から再びフード17内部に供給される。
【0148】第2實施形態に比し第5實施形態では、回
転プレート55の位置を自由に設定出来るので、回転シ
リンダー方式よりファブリックによる自由収縮の拘束期
間をより長く保持できる。従ってサクションファブリッ
クボックス50は短く成り、キャノピーフード15と蒸
発空間80が長く設定可能である。ガス流量にも依る
が、キャノピーフードに連結する給気函連結ダクト21
からの給気に無理があれば、ポケット部に専用の給気連
結ダクト49を設けても良い。
【0149】以上説明したように、上段に配置された回
転プレート55と下段に配置された回転プレート55と
の間に、自由走行するシート状物質35の夫々上部と下
部の回転プレート55の外周側に、ファブリック36A
と36Bとを介して、ファブリック36と滑り枠で接触
するサクションファブリックボックス50を設け、この
サクションファブリックボックス50によってシート状
物質35の上下間での受け渡しをすると共に、走行する
シート状物質35から排気ガスを吸い込み循環加熱系J
に送り再加熱して循環使用する。
【0150】≪第6実施形態≫次に、本発明のシート状
物質の乾燥装置の第6実施形態について図15を参照し
ながら説明する。図15は多筒式回転プレート55を1
段式として設置する場合の下向き配置の実施例を示す側
面図である。ここで、以下の説明において、他の各実施
形態と同一又は同等の構成部分についてはその説明を省
略もしくは簡略する。
【0151】図15に示す乾燥装置DS6は、複数の大
径の回転プレート55を数本ずつを1グループとし、そ
れぞれシートの出入口を上向きにしたグループと下向き
にしたグループと目的に応じて適宜に、水平方向に配置
した1段構造となっている。エンドレスの回転プレート
55は多数の回転ロール56により支持され、一段に円
弧状に複数配置される。回転プレートロール56は好ま
しくは鍔付とし、回転プレートロール軸と回転プレート
ロール軸受によりドライヤーフレーム4上に設置され
る。回転プレート55の蛇行を防ぐ為、其の円弧状走行
部の端末の回転プレートロール軸58は、回転プレート
蛇行調整装置及び張力調整装置を介し固定される。
【0152】回転プレート55のそれぞれには、回転プ
レート55との間で蒸発空間80を形成するキャノピー
フード15がその回転プレートロール軸の中心より、下
向きでは上部に、上向きでは下部に、昇降装置16を介
して上下動可能にドライヤーフレーム4上に設置されて
いる。キャノピーフード15は断熱性のパネルにより構
成され、吹出口19と吸込口22とを有する。
【0153】1組の回転プレート55には、該回転プレ
ート55間の近接する位置に、それぞれ2本の、吸込み
ダクト24と接続するサクションファブリックロール8
が、下向き配置ではドライヤーフレーム4下に設けられ
ており、上向き配置ではドライヤーフレーム4上に設置
されている。
【0154】又好ましくはサクションファブリックロー
ル8の対向面に高温ガスの吹出口19と排ガスの吸込口
22を有する給気函20を設置する。図15にはシート
が破断しても下に排紙し易いシートの出入口を下向きに
したグループのみ示す。
【0155】上段又は下段のキャノピーフード15とド
ライヤーフレーム4の外周には、それぞれ断熱性のパネ
ルにより構成した蜜閉フード17を設け、シート状物質
35の入口部60及び出口部61を除いて全密閉とす
る。点検掃除用には、相互に段差を着け面接触シールで
完全密閉可能な、電動か空圧駆動のフード開閉装置18
とを設置する。その他の実施例と異る点は、一段配置で
下部には回転プレート55が無いので、好ましくはファ
ブリックロール10により周回するシートの給排紙用の
エンドレスファブリック36があるのみである。厚紙な
どで紙切れの恐れのない時は下段のシート給排紙用エン
ドレスファブリック36は省略出来る。
【0156】ワイヤーパートで抄造されプレスパートで
水分60〜50%に脱水された脱水された湿潤状態のシ
ート状物質35は、断熱性のパネルにより完全密閉され
たフード17の入口部60で入口用ブランケット12に
よりリードされ、上下のシーリングピンチロール38に
より給紙用シーリングブランケット39との間に挟まれ
て進行し、スチームボックス43とサクションボックス
40間で急速に凝縮加熱され、密閉フード17中で周回
するサクションファブリックロール8により下段より上
って来る給排紙用ファブリック36Bに取られて、入口
側に設置された回転プレート55の入口に導かれる。回
転プレート55の入口に導かれたシート状物質35は、
上段より下りて来るファブリック36Aとの間に挟まれ
てサクションファブリックロール8により吸引され、回
転プレート55にその一方の面を密着させる。シート状
物質35の他方の面はファブリックテンションロール1
1を介して回転プレート55に圧着され、拘束下で乾燥
される。
【0157】1本目の回転プレート55を通過したシー
ト35は、回転プレート55より離れ、ファブリック3
6Aに取られて、好ましくは下段の給排紙用ファブリッ
ク36Bとの間に挟まれて、吹出口19と吸込口22を
有する給気函20からの高温ガスにより拘束下に乾燥を
促進され、2本目の回転プレート55入口に到り、給排
紙用ファブリック36Bと別れて、以下同様の乾燥を繰
り返し、最後の回転プレート55を出たシート状物質3
5は、サクションファブリックロール8により取られて
フード17出口で、排紙用シーリングブランケット41
に乗り出口用ファブリック12との間に挾まれて、上下
のシーリングピンチロール38によりシールされて乾燥
フード17出口より外部に搬出される。その他の作用は
他の実施例と同様なので省略する。
【0158】次に、本発明の乾燥工程を備えたシート状
物質の製造方法に基づく実験結果について、以下に詳述
する。
【0159】≪実施例1≫本発明の方法を実施した場合
のシート状物質の製造方法で、150℃以上の過熱水蒸
気を使用する実施例として、テストプラントでの実証結
果と過熱水蒸気拘束衝撃乾燥装置の熱バランスの熱工学
計算(抄造頓数507.384絶乾BDkg/hrで、単純化するため
サイズプレスとアフタードライヤは除外し入口水分56%
出口水分5%とし蒸発水分量619.057kg/hr、)とにより
記述する。 衝撃フードノズル(吹出口)出口の蒸気条件は、 t=250℃、 υ=2.454m3/kg、 i=710.4kcal/kg = 2974.3, kJ/kg、 衝撃ノズルとサクションファブリック(ファブリックベ
ルト、帯状帯)区間のガス流量は、 合計 2130.393m3/min, 52087.848kg/hr、 37003.207×103kcal/hr = 154925.0×103kJ/hr である。なお、共通項目で、シート出入り口(入口温度2
7℃)の絶乾紙料顕熱差を、 10073kal/hr = 42173.6kJ/hr、 シート蒸発水分の蒸発潜熱を、 378553kcal/hr = 1584925.7kJ/hr、 シート蒸発水蒸気を排気温度迄加熱所要熱量を、 38945kcal/hr = 163054.9kJ/hr、 フードやダクト類での損熱を、 25382kcal/hr = 106269.4kJ/hr、 その他損熱を、 15265(χ=1では15427,χ=0.25では24052,χ=0.05χでは
33740)kcal/hr= 63911.5kJ/hr、 とする。
【0160】衝撃フード排出口後で蒸発水蒸気(余剰分
のウェットパート持ち込み水分)排気後の条件は、 i=〔(52087.848×710.4)−(10073+25382+15265)−61
9.057×(i−27)〕÷52087.848、 i=701.411kcal/kg = 2936.7kJ/hr、 t=230.87℃、 υ=2.363m3/kg、 (注記)別の計算方法としては、シ―ト蒸発水分の蒸発
潜熱と所要加熱熱量を上記エンタルピー計算式に導入し
ても良い。 i=〔(52087.848×710.4)−(10073+378553+38945+253
82+15265)〕÷52087.848=701.411kcal/kg = 2936.7kJ/
hr。
【0161】漏洩蒸気量を除き余剰分を230.87℃の侭で
他工程に送り、略同量の過熱水蒸気を再加熱する時は、循
環水蒸気所要加熱量は 52087.848×(710.4−701.411)= 468.218×103kcal/hr =
1960.3×103kJ/hr である。なお、絶乾(BD)kg当りでは、922.808kcal/kg =
3863.6kJ/kg である。また、蒸発水分kg当りでは、756.3
41kcal/kg = 3166.6kJ/kg である。なお、上記の計算結
果を熱効率で表示すると以下のとおりである。 .入熱 ボイラー燃料発熱量は13Aガス燃焼とし、ボイラーはガス
バーナーと水蒸気加熱用間接熱交と空気予熱排ガス熱交
に依る。入熱は外気基準とし燃料の発熱量のみとし、出
熱は循環ガスの吸熱量にボイラー単体での熱損失を加
え、 468.218+23.725+5.917+0.039= 497.899×103kcal/hr
=2084.6×103kJ/hrとなる。 紙BD頓当りでは、497.899÷0.507384頓=981.3×103kca
l、2084.6÷0.507384頓=4108.5×103kJ .出熱 −.余剰過熱水蒸気の顕熱(入り口シート温度27℃基
準)は、619.057kg/hrの蒸発水分量が余剰になるので、之
を系外に排出してバランスを制御する。 619.057×(701.411−27) = 417.499×103kcal/hr = 174
7.98×103kJ/hr 紙BD頓当りでは、822.8×103kcal、3445.1×103kJ、過
熱水蒸気乾燥法では余剰過熱水蒸気を有効に活用すれ
ば、紙BD頓当りの所要熱量は大幅に減少する事が判明し
た。即ち差し引き実消費燃料発熱量は、紙BD頓当りで
は、981.3−822.8=158.5×103kcal、4108.5−3445.1=
663.4×103kJ、約16.1%で約1/6である。之は後に記載
した従来の高圧容器乾燥筒式乾燥時の、フードの排気損
熱が73.6%、ドレンの持ち去り顕熱が7.9%、合計81.5
%もある事からも自明の事である。 −.抄紙機のフードやダクト類での損熱は、 25.382×103kcal/hr = 106.3×103kJ/hr −.ボイラーの排ガス顕熱は、 23.725×103kcal/hr = 99.3×103kJ/hr −.ボイラー単体の輻射伝導その他損熱は、 5.917×103kcal/hr = 24.77×103kJ/hr −.ボイラーの不完全燃焼 に依る損熱は、 0.039×103kcal/hr = 0.163×103kJ/hr −.その他リーク等での損熱は、 15.265×103kcal/hr = 63.9×103kJ/hr −.絶乾紙料の顕熱は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.紙料中水分の顕熱は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr .熱効率 −.余剰水蒸気は利用しないと仮定し、水分蒸発に要す
る熱量より熱効率を算出すると、 (378.553÷497.898)×100=76.03% −.余剰水蒸気を他の工程で有効熱として利用する時、
抄紙機の乾燥工程を余剰水蒸気製造用ボイラーとして評
価し、其の熱効率を算出すると、(417.499÷497.899)×10
0=83.85%である。 −.余剰水蒸気を有効に利用出来る時は、今迄定義され
て来た熱効率とは異なる視点より論ずる要があり、例え
ば水分蒸発に要する熱量を基準に考えると、実際に消費
される熱量は差額の、497.899−417.499=80.400×103kc
al/h kcal/hrであり、378.553÷(497.899−417.499)×10
0=470.84%の仮称余剰熱効率となる。
【0162】参考までに従来型の高圧容器乾燥筒式乾燥
装置(熱回収装置付き高露天密閉フ−ド)の熱効率は、
ボイラー燃料発熱量を基準とする時で50〜55%内外
であるが、理想的な条件下での熱精算値を示すと以下の
とおりである。 .入熱 −.ドライヤー供給蒸気の顕熱(外気32℃基準時) 高露点密閉フードとし、排気熱交とドレン熱交とフラッ
シュ熱交によりそれぞれ給気加熱し、蒸気給気加熱は不
要とする。これらの熱交換量は相殺してそれぞれ原始温
度で計算し、ドライヤーの直接熱効率を96.5%と仮定す
ると、ドライヤー加熱所要熱量は大気圧下の蒸発として
以下のとおりである。2.4atの飽和蒸気は(日本機械学会
‐改定蒸気表及び線図‐10頁‐1950): i' = 125.84、 i" = 648.0、 r = i"−i' = 522.2kcal/kg、 後述の排気持ち去り顕熱より、 〔467233.971+8631+1,442〕÷0.965= 484190.719kcal
/hr = 2027209.7×103kJ/hr、 したがって、必要な供給蒸気量及び所要熱量は、ブロー
スルー蒸気量を無視して、ドライヤー内蒸気圧力を1.4kg
/cm2とすると以下のとおりである。 484190.719÷522.2 = 927.213kg/hr、 927.213×(648−32)= 571.168×103kcal/hr = 2391.4×
103kJ/hr、 −.給気の持ち込み顕熱 給気の条件は夏場で、 DBT = 32℃、 χ = 0.0245、 υ = 0.898、 i = 22.6、 排気の条件は夏場で、 DBT = 84℃、 DP = 58℃、 χ = 0.135、 υ= 1.23、 i = 106、 とすると以下のとおりである(但し0℃基準時で、外気基
準時は無視する)。 〔619.057÷(0.135−0.0245)〕×22.6 = 126.612×103kcal/hr = 530.1×103kJ/hr、 因みに、排気量は以下のとおりである。 〔619.057÷(0.135−0.0245)〕×1.23÷60 = 114.848m3 /min .出熱 −.排気に依る持ち去り顕熱(外気32℃基準)は、 〔619.057÷(0.135−0.0245)〕×(106−22.6) = 467.233971×103kcal/hr = 1956.2×103kJ/hr −.ドレンの持ち去り顕熱は、排出ドレン温度をドレ
ン熱交やフラッシュ熱交を前提として86℃とすると、以
下のとおりである。 927.213×(86−32) = 50.069×103kcal/hr = 209.6×103kJ/hr −.フード等の輻射損熱は、簡易的に全入熱より引き、 571.168 - 467.234 - 50.070 - 8.631 - 1.442 = 43.791×103kcal/hr = 183.3×103kJ/hr −.絶乾紙料の顕熱は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.紙料中水分の顕熱は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr .熱効率と蒸気原単位 −.水分蒸発に要する熱量より熱効率を算出すると、 (378.553÷571.168)×100=66.277% (注記)なお、衝撃乾燥法との比較上ボイラー熱効率を
90%(重油ボイラーの場合ガスボイラーに比しS分が高く
熱回収ガス装置出口温度を高めにとる)として熱効率を
算出すると、ボイラー燃料発熱量は 634.631kcal/hr = 2
657.1kJ/hrで、熱効率は59.65%となる。 −.絶乾紙料当たり蒸気使用量は、 927.213÷507.384 = 1.827kg/kg .紙BD頓当りの所要熱量 段落(0161)記載の實施例1での250℃の過熱水
蒸気吹付け時と比較する。前記従来の高圧容器乾燥筒で
の紙BD頓当りの所要熱量は、634.631÷0.507384=1250.
79×103kcalである。250℃の過熱水蒸気吹付け時は1
58.5×103kcalである。従って所要熱量は約1/7.9になる
事が判明した。
【0163】≪実施例2≫本発明の方法を実施した場合
のシート状物質の製造方法で、乾球温度150℃以上で
露点温度65℃以上の加熱湿り空気を使用する実施例と
して、テストプラントでの実証結果と過熱水蒸気拘束衝
撃乾燥装置の熱バランスの熱工学計算(抄造頓数507.38
4絶乾BDkg/hrで蒸発水分量619.057kg/hr)とにより絶対
湿度χ= 1kg/kg’DAでの熱バランス計算を記述する。衝
撃フードノズル出口の高温高露点空気条件は、温度をSHS
と同温とし絶対湿度を100%とした。すなわち、 t=250℃、χ=1.0kg/kg’DA、 υ=〔0.4555×(1+0.622)×(273.16+250)〕/100 =3.865m3/kg’DA、 i=(0.24×250)+〔(597.3+0.441×250)〕×1 = 767.55kcal/kg’DA = 3213.6kJ/kg’DA となる。相対湿度は1.54%、湿球温度は88.72℃、露天温
度は84.79℃(即ち本発明の請求範囲内の一例)となる。
なお、酸素濃度は8.05%で火災の危険は無く消火機能を
有する。なお、空気の温度t℃と、比体積vm3/kg’DA
と、比熱i kcal/kg’DAとの算出は以下により、 t= (i−597.3χ)÷(0.240+0.441χ)、 υ=0.4555(χ+0.622)T/100、 i=0.240t+(597.3+0.441t)χ、 である。衝撃ノズル及びサクションファブリック区間の
ガス流量は、 全2130.393m3/min、551.201kg’DA/min、 乾燥空気量が33072.078kg’DA/hr、 水蒸気も同量で33072.078kg/hr、 合計湿り空気量が66144.156kg/hr、25384.473×103kcal/
hr、である。
【0164】Air Cap 出口でシートより水分が蒸発し絶
対湿度が増加した高温湿り空気を大気中に排出する前
(給気混合前)のHA条件は、出熱を引き、 i = 〔(33072.078×767.55)−(10073+25382+15,427)〕÷33072.078 = 766.011kcal/kg’= 3207.1kJ/kg’、 t = 〔766.011−(597.3×1.019)〕÷〔0.24+(0.441×1.019)〕 = 228.267℃、 υ= 0.4555(1.019+0.622)T/100 = 3.748m3/kg’DA、 χ = 〔(2130.393/3.865)×1.0+10.318〕÷551.201 = 1.019kg/kg’、 循環熱交換器前で排気後&給気混合後のHA条件は、 i =〔(33072.078−(10073+25382+15427))×753.575+(622.481×22.6)〕 ÷33072.078 = 766.011、 t = 〔766.011−(597.3×1.0)〕÷〔0.24+(0.441×1.0)〕 = 228.267、 υ = 0.4555(1.0+0.622)T/100 = 3.748m3/kg’DA したがって所定の給排気完了後の循環高温高露点空気熱
交での所要加熱量は、33,072.078×(767.55−752.019)=
513.642×103kcal/hr = 2150.5×103kJ/hrである。な
お、絶乾(BD)kg当りでは、1012.334 kcal/kg = 4238.4kJ
/kg (実施例1のSHSに比し109.7%)である。ま
た、蒸発水分kg当りでは、829.717 kcal/kg = 3473.9kJ/
hrである。
【0165】なお、上記の計算結果を熱効率で表示する
と以下のとおりである。 .入熱 ボイラー燃料発熱量は、以下の出熱を合計し、 545.599×103kcal/hr = 2284.3kJ/kg .出熱 −.フード排気の持ち去り顕熱(排気温度228.267℃&外
気32℃基準)は、622.481×(766.011−22.6)=462.759×1
03kcal/hr( = 1925.1×103kJ/hr)フード排気と給気と
の熱交(Eco)を設置すれば、排気損熱の削減可能だが、給
気の絶対湿度が低くエンタルピー値も低いので回収熱量
は少ない。白水加熱が有利だが抄造品種により対応が異
なるので、本熱工学計算では省略する。 −.ボイラーの排ガス顕熱(外気32℃基準)は、 474.129kcal/Nm3×54.834Nm3/hr = 25.998×103kcal/hr = 108.8×103kJ/hr −.ボイラーの不完全燃焼損熱は、 0.788kcal/Nm3×54.834Nm3/hr = 0.043×103kcal/hr = 0.180×103kJ/hr −.ボイラー単体での輻射伝導他損熱は、 5.917×103kcal/hr = 24.8×103kJ/hr −.抄紙機フード&ダクト他での損熱は、 25.382×103kcal/hr = 106.3×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での紙料顕熱差は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での水分顕熱差は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr −.その他損熱は、 15.427×103kcal/hr = 64.6×103kJ/hr .熱効率−従って熱交率は、 378.553÷545.599=69.38%
【0166】≪実施例3≫本発明の方法を実施した場合
のシート状物質の製造方法で、乾球温度150℃以上で露
点温度65℃以上の加熱湿り空気を使用する実施例とし
て、テストプラントでの実証結果と過熱水蒸気拘束衝撃
乾燥装置の熱バランスの熱工学計算(絶乾BDkg抄造頓数
507.384kg/hrで蒸発水分量619.057kg/hr)とにより絶対
湿度χ=0.25kg/kg’DAでの熱バランス計算を記述す
る。衝撃フードのノズル出口での高温高露点空気条件
は、温度をSHSと同温とし絶対湿度を25%とした。即ちt=
250℃、χ=0.25kg/kg’DA、υ=〔0.4555×(0.25+0.62
2)×(273.16+250)〕/100=2.078m3/kg’DA、i=(0.24×
250)+〔(597.3+0.441×250)〕×0.25=236.888kcal/kg’
DA=991.8kj/kg’DAとなる。相対湿度は0.72%、湿球温
度は74.16℃、露天温度67.66℃(即ち本発明の請求範囲内
の一例)である。なお、酸素濃度は14.98%で消火機能は
無い。
【0167】衝撃ノズル及びサクションファブリック区
間のガス流量は、 全2,130.393m3/min、1025.213kg’DA/min、 乾燥空気量が61512.791kg’DA/hr、 水蒸気は15378.198kg/hr、 合計湿り空気量が76890.989kg/hr、14571.642×103kcal/
hr、 である。
【0168】Air Cap出口でシートより水分が蒸発し絶
対湿度が増加した湿り空気を大気中に排出する前(給気
混合前)のHA条件は、出熱(2‐2‐1)を引き i =〔(61512.791×236.888)−(10073+25382+24052)〕÷61512.791 = 235.921kcal/kg’DA = 987.75kJ/kg' DA、 t = 〔235.921−(597.3×0.260064)〕÷〔0.24+(0.441×0.260064)〕 = 227.199℃、 υ = 0.4555(0.260064+0.622)T/100 = 2.010m3/kg’DA、 χ = (1,025.213×0.25+10.31762)÷1,025.213 = 0.260064kg/kg’、 循環熱交換器前で排気後&給気混合後のHA条件は、 i = 〔(61512.791−2627.978)×235.921+(2627.978×22.6)〕÷61512.791 = 226.807kcal/kg’DA = 949.6 kJ/kg' DA、 t = 〔226.807−(597.3×0.25)〕÷(0.24+0.441×0. 25) = 221.219℃、 υ = 0.4555(0.25+0.622)T/100 = 1.964m3/kg’DA。 したがって所定の給排気完了後の循環高温高露点空気熱
交での所要加熱量は、 61512.791×(236.888−226.807) = 620.110×103kcal/hr = 2596.3×103kJ/hr である。なお、絶乾(BD)kg当りでは、1222.171 kcal/kg
(実施例1のSHSに比し132.4%)である。また、蒸
発水分kg当りでは、1001.701 kcal/kg = 4193.9kJ/hrで
ある。
【0169】なお、上記の計算結果を熱効率で表示する
と以下のとおりである。 .入熱 ボイラー燃料発熱量は、以下の出熱を合計すると、 657.405kcal/hr = 2752.4kJ/hr .出熱 −.フード排気の持ち去り顕熱(外気32℃基準)は、 2,627.978×(235.921−22.6) = 560.603×103kcal/hr = 2347.1×103kJ/hr −.ボイラーの排気ガス顕熱(外気32℃基準)は、 474.129kcal/Nm3×66.071Nm3/hr = 31.326×103kcal/hr = 131.2×103kJ/hr ―.ボイラーの不完全燃焼損熱は、 0.788kcal/Nm3×66.071Nm3/hr = 0.052×103kcal/hr = 0.22×103kJ/hr −.ボイラー単体での輻射伝導他損熱は、 5.917×103kcal/hr = 24.8×103kJ/hr −.抄紙機フード&ダクト他での損熱は、 25.382×103kcal/hr = 106.3×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での紙料顕熱差は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での水分顕熱差は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr −.その他損熱は、 24.052×103kcal/hr = 100.7×103kJ/hr .熱効率−従って熱交率は、 378.553÷657.405=57.58%
【0170】≪実施例4≫本発明の方法を実施した場合
のシート状物質の製造方法で、乾球温度150℃以上で露
点温度65℃以上の加熱湿り空気を使用する実施例とし
て、テストプラントでの実証結果と過熱水蒸気拘束衝撃
乾燥装置の熱バランスの熱工学計算(絶乾BDkg抄造頓数
507.384kg/hrで蒸発水分量619.057kg/hr)とにより絶対
湿度χ=0.05kg/kg’ADでの熱バランス計算を記述す
る。衝撃フードのノズル出口での高温高露点空気条件
は、温度をSHSと同温とし絶対湿度を5.0%とした。すなわ
ち、 t = 250℃、 χ = 0.05kg/kg’DA、 υ = 〔0.4555×(0.05+0.622)×(273.15+250)〕/100 = 1.601m3/kg’DA、 i = (0.24×250)+〔(597.3+0.441×250)〕×0.05 = 95.378kcal/kg’DA = 399.3kJ/kg' DA、 となる。相対湿度は0.19%、湿球温度は58.42℃、露天温
度は40.49℃(即ち本発明の請求範囲外の一例)である。
なお、酸素濃度は19.44%で火災の危険が有る。衝撃ノズ
ル及びサクションファブリック区間のガス流量は、 全2130.393m3/min、1330.664kg’DA/min、 乾燥空気量が79839.838kg’DA/hr、 水蒸気は3991.992kg/hr、 合計湿り空気量が83831.830kg/hr、7614.964×103kcal/h
r、 である。
【0171】Air Cap出口でシートより水分が蒸発し絶
対湿度が増加した湿り空気を大気中に排出する前(給気
混合前)のHA条件は、出熱(2‐2‐1)を引き i =〔(79839.838×95.378)−(10073+25382+33740)〕÷79839.838 = 94.511kcal/kg’DA = 395.70kJ/kg' DA、 t = 〔94.511−(597.3×0.057754)〕÷(0.24+0.441×0.057754) = 226.069℃、 υ = 0.4555(0.057754+0.622)T/100 = 1.546m3/kg’DA、 χ = (1330.664×0.05+10.318)÷1330.664 = 0.057754kg/kg’、 循環熱交換器前で排気後&給気混合後のHA条件は、 i = 〔79839.838−18616.017〕×94.511+(18616.017×22.6)〕÷79839.838 = 77.744kcal/kg’DA = 325.5kJ/kg' DA、 t = 〔77.744−(597.3×0.05)〕÷(0.24+0.441×0.05) = 182.709℃、 υ = 0.4555(0.05+0.622)T/100 = 1.395m3/kg’DA。 したがって所定の給排気完了後の循環高温高露点空気熱
交での所要加熱量は、 79839.838×(95.378−77.744) = 1407.896×103kcal/ hr = 5894.6×103kJ/hr である。なお、絶乾(BD)kg当りでは、2774.814 kcal/kg
(実施例1のSHSに比し300.7%)である。又蒸発水
分kg当りでは、2274.259 kcal/kgである。
【0172】なお、上記の計算結果を熱効率で表示する
と以下のとおりである。 .入熱 −.ボイラー燃料発熱量は、以下の出熱を合計すると、 1484.673×103kcal/hr = 6216.03×103kJ/hr .出熱 −.フード排気の持ち去り顕熱(外気32℃基準)は、 18616.017×(94.511−22.6) = 1338.696×103kcal/hr = 5604.8×103kJ/hr −.ボイラーの排気ガス顕熱(外気32℃基準)は、 474.129kcal/Nm3×149.214Nm3/hr = 70.747×103kcal/hr = 296.2×103kJ/hr −.ボイラーの不完全燃焼損熱は、 0.788kcal/Nm3×149.214Nm3/hr = 0.118×103kcal/hr = 0.49×103kJ/hr −.ボイラー単体での輻射伝導他損熱は、 5.917×103kcal/hr = 24.8×103kJ/hr −.抄紙機フード&ダクト他での損熱は、 25.382×103kcal/hr = 106.3×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での紙料顕熱差は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での水分顕熱差は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr −.その他損熱は、 33.740×103kcal/hr = 141.3×103kJ/hr .熱効率 従って熱交率は、 378.553÷1,484.673=25.50%
【0173】≪実施例5≫本発明の方法を実施した場合
のシート状物質の製造方法で、乾球温度150℃以上で露
点温度65℃以上の加熱湿り空気を使用する実施例とし
て、テストプラントでの実証結果と過熱水蒸気拘束衝撃
乾燥装置の熱バランスの熱工学計算(絶乾BDkg抄造頓数
507.384kg/hrで蒸発水分量619.057kg/hr)とにより絶対
湿度χ=0.025kg/kg’DAでの熱バランス計算を記述す
る。衝撃フードのノズル出口での高温高露点空気条件
は、温度をSHSと同温とし絶対湿度を2.5%とした。すなわ
ち、 t = 250℃、 χ = 0.025kg/kg’DA、 υ = 〔0.4555×(0.025+0.622)×(273.16+250)〕/100 = 1.542m3/kg’DA、 i = (0.24×250)+〔(597.3+0.441×250)〕×0.025 = 77.689kcal/kg’DA = 325.3kJ/kg' DA、 となる。相対湿度は0.097%、湿球温度は54.56℃、露天温
度は28.65℃(即ち本発明の請求範囲外の一例)である。
なお、酸素濃度は20.19%で火災の危険が有る。
【0174】衝撃ノズル及びサクションファブリック区
間のガス流量は、 全2130.393m3/min、1381.578kg’DA/min、 乾燥空気量が82894.669kg’DA/hr、 水蒸気は2072.367kg/hr、 合計湿り空気量が84967.036kg/hr、6440.004×103kcal/h
r、 である。
【0175】Air Cap出口でシートより水分が蒸発し絶
対湿度が増加した湿り空気を大気中に排出する前(給気
混合前)のHA条件は、出熱(2‐2‐1)を引き i = 〔(82967.036×77.689)−(10073+25382+38124)〕÷82,967.036 = 76.801kcal/kg’DA、 =321.6kj/kg’ DA, t = 〔76.801−(597.3×0.032468)〕÷(0.24+0.441×0.032468) = 225.732℃、 υ = 0.4555(0.032468+0.622)T/100 = 1.487m3/kg’DA、 χ = (1381.578×0.025+10.318)÷1381.578 = 0.032468kg/kg’、 循環熱交換器前で排気後&給気混合後のHA条件は、 i = 〔(82948.462−77741.684)×71.856+(77741.684×22.6)〕÷82894.669 = 26.001kcal/kg’DA = 108.9kJ/kg' DA、 t = 〔26.001−(597.3×0.025)〕÷(0.24+0.441×0.025) = 44.093℃、 υ = 0.4555(0.025+0.622)T/100 = 0.935m3/kg’DA。 したがって所定の給排気完了後の循環高温高露点空気熱
交での所要加熱量は、 82894.669×(77.689−26.001) = 4284.660×103kcal/ hr = 17939.0×103kJ/hr、 である。なお、絶乾(BD)kg当りでは、8444.610 kcal/kg
(実施例1のSHSに比し915.1%)である。また、蒸
発水分kg当りでは、6921.269 kcal/kg=28792.5kcal/kgで
ある。
【0176】なお、上記の計算結果を熱効率で表示する
と以下のとおりである。 .入熱 ボイラー燃料発熱量は、以下の出熱を合計すると、 4505.584×103kcal/hr = 18864.0×103kJ/hr .出熱 −.フード排気の持ち去り顕熱(外気32℃基準)は、 77692.901×(76.801−22.6) = 4211.033×103kcal/hr = 17630.8×103kJ/hr −.ボイラーの排気ガス顕熱(外気32℃基準)は、 474.129kcal/Nm3×452.827Nm3/hr = 214.698×103kcal/hr = 898.9×103kJ/hr −.ボイラーの不完全燃焼損熱は、 0.788kcal/Nm3×452.827Nm3/hr = 0.357×103kcal/hr = 1.49×103kJ/hr −.ボイラー単体での輻射伝導他損熱は、 5.917×103kcal/hr = 24.8×103kJ/hr −.抄紙機フード&ダクト他での損熱は、 25.382×103kcal/hr = 106.3×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での紙料顕熱差は、 8.631×103kcal/hr = 36.1×103kJ/hr −.抄紙機フード出入り口での水分顕熱差は、 1.442×103kcal/hr = 6.04×103kJ/hr −.その他損熱は、 38.124×103kcal/hr = 159.6×103kJ/hr .熱効率−従って熱交率は、 378.553÷4,505.584=8.40%
【0177】以上、実施例2〜実施例5までとその他の
結果を図18にY軸を熱交換器の所要熱量Kcal/BDkgPap
erとし,X軸を絶対湿度χ.G/Kg’DAとして示す。ま
た、図29にY軸を熱効率%とし、X軸を絶対湿度χ.
G/Kg’DAとして示す。なお、通常各製紙工場で行う熱
精算では、入熱として内部加熱シリンダへの供給蒸気を
基準にとるが、本計算ではボイラー熱効率を90%と仮定
して燃料発熱量を基準に比較した。もちろん、過熱水蒸
気が一番所要熱量が少なく、熱効率も76.03%と高く、
更に余剰過熱水蒸気を有効利用可能だが、高温高湿度湿
り空気の場合でも絶対湿度を例えばχ=100kg/kg’D
A(露点温度96.1℃)に高めれば、循環高温高露点空気
熱交での所要加熱量は944.98kal/BdkgPaper,3956.4kj/B
DkgPaper(実施例1の102.4%)に成り熱効率も73.8
6%と非常に高い。猶従来抄紙機乾燥部の熱効率計算方
法は、損熱であるシート中水分の蒸発潜熱を有効熱と
し、是を全入熱又は全出熱で除して熱効率としていた
が、本発明の如くシート中水分からの全蒸発水蒸気量を
其の侭回収して、過熱水蒸気として利用する時は、乾燥
機ではなく蒸気発生器としての熱効率、即ち回収水蒸気
顕熱を全入熱又は全出熱で除して蒸気発生器としての熱
効率を提示するべきであるが、今後乾燥工学関係の学会
で提議したい。従来技術では、最高1,800m/min近い高
速で運転される抄紙機では、シートと多孔質のエンドレ
スファブリックに同伴して多量の空気が疎な密閉フード
内に入り込むとともに、フード内で高さ方向で激しい温
度勾配と静圧勾配が出来るとともに、ポケット給気やボ
トム給気等と排気ダクトとの配置により静圧の大きなバ
ラツキを生じ、フードを形成する厚さ75〜100mm
内外の断熱材を内蔵する板金製組み立てパネル間の多数
の間隙や開口からも低温空気が浸入して、湿り空気中水
蒸気が局部的に冷却され結露しシート状物質上に汚れた
凝縮水滴が滴下するため、露点温度で60℃、酸素濃度
で16.8%、絶対湿度でχ=0.1553kg/kg’DA内外が限度
であり、熱効率はボイラー燃料発熱量基準で50から55%
が限度であった。
【0178】≪効果≫以上説明したように、本発明によ
れば、外気と完全に遮断した130℃以上の加熱ガス雰
囲気下の密閉フード内で、複数の主として外周衝撃加熱
による回転体にシート状物質をエンドレスで耐熱性を有
する通気性帯状帯により圧着しながら、其の伸縮を完全
に拘束しつつ急速に乾燥させる。シートより新たに蒸発
する主として水蒸気に起因する130℃以上の余剰ガス
(過熱水蒸気、或いは露天温度65℃以上の加熱湿り空
気、或いは微量の溶剤と酸素を含む80%以上の窒素ガ
スと5%内外の水蒸気)は密閉フード外部に排気し、再
循環ガスを150℃以上に再加熱して回転体の外周より
吹き付ける。余剰ガスは其の侭又は断熱圧縮して他の熱
源として再利用する。図20に加熱ガスとして200℃
の過熱水蒸気(SHS)を吹き付けた事例を實線で示す
ように、回転体1の表面温度は乾燥初期より直ちに17
5℃となり、回転体表面と接触側のシート温度S3 も直
ぐ100℃に到達し、以降乾燥の進行に伴い徐々に上昇
し水分20%内外で130℃に、水分9%で170℃に
なり、ファブリック36と接触側のシート温度S1は水
分9%で155℃に達し、シートの中央部の温度S2
水分9%で155℃に達し、シート状物質35と接触側
のファブリック温度F1 、中央部のファブリック温度F
2 、外側のファブリック温度F3と、110℃内外より
105℃内外へ約5℃位の温度落差があるが、何れも1
80℃内外の過熱水蒸気雰囲気下にあり、シート状物質
35中の水分はファブリック36による高い張力下で回
転体1の回転体表面に圧着されて、水分の蒸発面では1
10℃飽和圧力に近い1.47気圧となり、急速に乾燥
が促進される。
【0179】なお、加熱ガスとして、図20に加熱ガス
として乾球温度200℃で絶対湿度0.015kg/kg’DA(酸
素濃度18.6%,相対湿度0.15%、エンタルピー i = 58.3kc
al/kg’DA、湿球温度 t’= 48.8℃、露天温度 t’’= 2
0.4℃、比体積 v = 1.37m3/kg’DA)の加熱空気(H
A)を吹付けた事例を示すと一点鎖線線で示すように、
回転体1の表面温度は過熱水蒸気に比すると遅いが徐々
に165℃に達し、回転体表面と接触側のシート温度
S’3 も少し遅いが徐々に100℃に到達し、以降乾燥
の進行に伴い徐々に上昇し水分20%内外で110℃
に、水分9%で155℃になり、ファブリック36と接
触側のシート温度S’1 は水分9%で153℃に達し、シー
トの中央部の温度S’2 も水分9%で155℃に達す
る。加熱空気の場合乾燥初期で多量の凝縮熱を奪われ、
その露天温度近傍に周囲温度が停滞し、過熱水蒸気の様
に瞬時に蒸発する事は困難である。
【0180】発明者は開発の過程で加熱ガスとして過熱
水蒸気と加熱湿り空気とを使用した場合の、シート断面
内での温度勾配が大きく異なる事に着目した。即ち熱放
射性ガス特性を有する200℃の過熱水蒸気では、ファ
ブリックと高水分のシートとを隔てて、回転体1を直接
加熱し、急激にその表面温度を175℃に高めるととも
に、同時にシートの回転体側温度S3も170℃に急激
に高めた。また、ファブリック側温度S1ははるかに遅
れて155℃に達し、シートの中央部温度S2は更に遅
れて155℃に達した。これに対し、同じ200℃の加
熱湿り空気では、回転体1の表面温度は徐々にでは有る
が165℃に上昇し、同時にシートの回転体側温度S’
3も155℃になり、またシートの中央部温度S’2もや
や遅れて155℃に達し、ファブリック側温度S’1
少し遅れて153℃に達したが、何れも過熱水蒸気時と
異なりシート中の温度上昇速度差が甚だしく少ない。な
お、薄い一枚一枚のシート間に、テスト目的により厚さ
0.1粍以下の薄い皮膜構造の水分センサーと温度セン
サー数組を挟み込み、プレスしてシートを製作して、夫
々自動記録計と接続して計測した。
【0181】発明者はその原因を蒸発機構の差に有ると
考え考察を進め、以下の結論に到達した。実験当初では
回転体を3.8kg/cm2(=3724Pa)の低圧水蒸気で加熱して
いたが、排出されるドレンが著しく過熱されてフラッシ
ュするので、回転体への低圧水蒸気を停止したところ、
逆に乾燥速度が早まり消費熱量も低下することを発見し
た。そこで、3.8kg/cm2(=3724Pa)の飽和温度に相当す
る149.59℃以上の熱放射性ガスである過熱水蒸気若しく
は露天温度65℃以上の高露点温度の加熱空気により回
転体を外周より加熱する時は、その輻射熱により回転体
外周が急激に加熱されて温度が上昇し、回転体外周と接
する湿潤シート状物質の回転体側温度との間の温度差に
よる熱伝導により、シート中水分が急激に蒸発して水蒸
気となり、その侭シート中を貫通してシートのファブリ
ック側に到り、ファブリック側との温度差により一部結
露して凝縮伝熱によりシートのファブリック側温度を高
めると想定した。シートの中央部温度が一番遅れて上昇
するのもその両面からの熱伝導によるためと考察した。
【0182】炭酸ガスや水蒸気の如く熱放射性ガス特性
を有しない、過熱水蒸気含有量の少ない低露天温度の加
熱湿り空気により回転体を外周より加熱する時は、主と
して熱対流により回転体外周が徐々に加熱されて温度も
徐々に上昇し、回転体外周と接する湿潤シートの回転体
温度との間の温度差による熱伝導により、シート中の水
分が毛細管現象でシート中を徐々に上昇して(注 capil
lary flow)シートのファブリック側に達し、其の表面で
蒸発して水蒸気になり、ファブリック中を通過して凝縮
と再蒸発を繰り返し最終的にシートの表面に達し蒸発し
て水蒸気になるためと考察した。したがって、シート内
の温度分布はシリンダ側から中央部、ファブリック側と
徐々に上昇する。
【0183】一方、従来の内部加熱乾燥シリンダ乾燥に
よる湿り空気雰囲気下での乾燥では、同じく図20下半
分に示す如く、回転体1と接触側のシート温度S2 より
ファブリック36と接触側のシート温度S1、シート3
5と接触側のファブリック温度F1、中央部のファブリ
ック温度F2、外側のファブリック温度F3と、乾燥サイ
クルの進行による相から相に到る間、50℃〜10
0℃と大幅な温度サイクル変動が生じ、シート状物質3
5中の水分は回転体とシートの密着開始する迄の相で
は予熱されるのみで水分の蒸発は発生せず、ファブリッ
クによりシートが蔽われる相でやっと水分の蒸発が徐
々に進行するが、密閉フード内のポケット部が60〜7
0℃内外の露点温度雰囲気下では、蒸発した水蒸気がシ
ート中で冷却されて凝縮して再び水分に戻り、何回も蒸
発凝縮サイクルを繰り返して、ファブリック36に達し
た水蒸気も、ファブリック内で再び凝縮して水分とな
り、シートよりの蒸発を疎害することになる。シート状
物質35はシートの単独自由走行相である相に到り、
周囲の湿り空気中にシート中の水分が蒸発して、その蒸
発潜熱によりシート温度は急速に50℃内外にまで低下
して、再び前述した相に戻って予熱されることにな
り、断続した間謁的な乾燥サイクルとなり乾燥に長大な
時間を要し熱エネルギーや動力の損失が多い。
【0184】また、単独自由走行をする相において
は、シート状物質35は乾燥により幅方向で自由収縮す
ることにより、シートのマシン方向(MD)とクロス方
向(CD)間で物性強度等で方向性を生じ、寸法安定性
が悪化したりカールやコックリング等を生じて、印刷適
性の低下を招く。またシートはプラスチックフィルム等
とは異なり、多数のフィブリル化繊維が多層に積層して
三次元的に乾燥中に繊維間結合を生じるが、湿り空気を
媒体とした乾燥ではフィブリル化した繊維構造の密な部
分と疎な部分とで乾燥の進行と共に乾燥の進行が異な
り、疎な部分では限りなく絶対水分がゼロに近付いてし
まうのでコックリングが発生したり、CDやMDカール
等カール癖の有る紙になってしまう。
【0185】また、本発明による方法では、従来の
相、相がなく、その大部分はファブリック36により
回転体1にシートを圧着して蔽った相で、次の回転体
に到る間、僅かに回転体1を離れるが、サクションファ
ブリックロール8により吸引されて拘束されたり、2枚
のファブリック36により両面を挿まれて拘束されて走
行する'相であり、何れも130℃以上の加熱ガス雰
囲気下にあるので、乾燥は全期間を通じて促進され、短
時間で乾燥を完結することにより省エネルギーに貢献出
来た。またシート状物質35が常時拘束されて乾燥する
ので、寸法安定性が良く(水中伸度や気中伸度が小さ
い)カールやコックリング等を発生せず印刷適性が極め
て高い。また、本発明による方法では、従来の如くシー
トの単独自由走行部がなく常時拘束されているので、例
えシートが破れてもそのまま乾燥フード出口より外部に
搬出される。
【0186】密閉フード17の入口部60でシート状物
質35を挟みその上下にサクションボックス40とスチ
ームボックス43とを設け、特にシート温度が低い乾燥
初期でシート状物質35中の水分に、加熱ガスの潜熱を
与えて部分的に凝縮させ、多量の熱を瞬時に伝え低温シ
ートを凝縮伝熱で急速加熱する事に成功した。従来抄紙
機の高速化で低温シートが加熱シリンダに密着し、シー
トが回転シリンダに取られて多発した湿紙の断紙トラブ
ルが解消する見通しが立った。更に、本発明による方法
では130℃以上の加熱ガス雰囲気下で、回転体1の外
周より通気性ファブリック36を介して、シート状物質
35に150℃以上の循環再加熱ガスを吹出口19より
高速で吹き付け、シート状物質35中の水分を瞬間的に
多量に蒸発させ急速に乾燥する。特にシート温度が急上
昇して100℃近傍に達した後からシート水分が其の臨
界点の水分32から26%に到るシート中水分が湿潤な
間では、シート中の水分はその場で蒸発して水蒸気とな
り、シート中をプレッシャーフロー(Pressure flow)で
通過し、其の急激な体積膨張により空隙が急増して多孔
質化し、又嵩高に成る。従来の露点温度60℃以下の低
露天加熱湿り空気雰囲気では、如何に250℃迄に加熱
してもその顕熱しか利用できず、容積当りの伝熱量は過
熱水蒸気や高露天加熱湿り空気に比し低湿度の加熱空気
では10分の1位しか無く、温度を著しく高めることが
必要になり、酸素濃度も20%近く高いのでシート状物
質が乾燥すると着火の危険性や、繊維が部分的に焦げ劣
化する恐れがあったが、過熱水蒸気や露天温度を65℃
以上とした高露天加熱湿り空気では皆無になった。
【0187】新乾燥法の開発に伴い、当社研究所の協力
下で各種のパルプ原料別(夫々針葉樹や広葉樹を原料と
したBKPやBCTMPやDIP)と叩解度別に、夫々
本発明の方法で250℃から150℃間で過熱水蒸気と
加熱湿り空気で乾燥し膨大な数のシートを試作して、調
湿後各種の物性テストを実施した。図21、図22、図
23、図24に、その中より極一部を回帰方程式ととも
に示す。それぞれNBCTMP(針葉樹のBleached Ch
emi Thermo Mechanical Pulp)と脱インク古紙DIP
(De Inked Pulp)を原料とする印刷紙で、横軸に見掛
密度を縦軸にそれぞれ引張り強さのDRYとWETの物
性テスト結果を、従来技術の内部加熱シリンダーによる
結果と比較して示す。前述したように、多孔質化により
嵩高と成り見掛け密度が低下した上に、引張り強さの
(DRY)(WET)共に大幅に強化された。散布図上に従来技
術の内部加熱Dryerと、過熱水蒸気乾燥と加熱湿り空気
乾燥を回帰方程式で示すが、夫々一目瞭然に品質の向上
が認められると思う。その他水浸伸度や破裂強度等も大
幅に改善された。以下詳述すると図21でNBCTMP
パルプによるテストで、SHS250℃と従来技術の乾
燥筒ドライヤを回帰方程式より計算すると、見掛け密度
0.4ではSHS法で y=7.909、従来法で y=5.87で約3
4.7%の引張り強さ(DRY)の増加である。図22でDIP
パルプテストで、見掛け密度0.6でSHS法で y=7.927
4、従来法で y=6.5782で約20.5%の引張り強さ(DRY)の
増加である。図23でNBCTMPパルプテストで、見
掛け密度0.4ではSHS法で y=0.55476、従来法で y=
0.16444で約337.4%の引張り強さ(WET)の増加である。図
24でDIPパルプテストで、見掛け密度0.5ではSHS
法でy=0.233、従来法で y=0.1184で約196.8%の引張り
強さ(WET)の増加である。
【0188】実施例1、2、3、4、5と、図18、図
29に示すように、本発明の方法を実施した図19のMo
rrie線図に示す範囲A(過熱水蒸気領域を暗示する領
域)の150℃以上の過熱水蒸気での実施例1と、同じ
く範囲B(高温高湿空気の領域)の乾球温度150℃露
天温度65℃以上の高温高湿度湿り空気での実施例2及
び実施例3とでは、循環ガス加熱用の熱交換器での所要
熱量や熱効率が、範囲C(従来の領域)の高温低湿度湿
り空気の実施例4及び実施例5に比べ大幅改善される。
即ち、段落(0162)項の.紙BD頓当りの所要熱量
に示す様に250℃の過熱水蒸気吹付け時は、ワイヤー
パートより持ち込み水分を過熱水蒸気として回収利用
し、従来技術の高圧容器乾燥筒に比し、燃料消費量を約
八分の一に(1/8)大幅節減を可能にした。また、従来の
技術範囲で露天温度の低い湿り空気である実施例5での
排気は、前述したような状態でt = 225.7℃、x = 0.032
kg/kg’DAで、露天温度33.07℃、i = 76.8kcal/kg’D
A、酸素濃度 17.9%で、凝縮伝熱回収はできず顕熱回収
のみで、徒に大気中で凝縮し白煙化する排気を逃がすこ
とになる。なお、図19において絶対温度の延長線と相
対湿度100%との交点が露点温度を示す。
【0189】図25に示すように、加熱ガスの衝撃温度
は150℃以上高ければ高い程乾燥速度も早いが、耐熱
性帯状体の価格が高く成り、現状では250℃内外が有
利である。なお、図にも示すように、過熱水蒸気(SH
S)と加熱湿り空気(HA)間には空気の絶対湿度で異
なるが170℃から220℃の遷移点を交差して、低温
域では熱放射性が無い空気が、高温域では熱放射性ガス
である水蒸気の乾燥速度が早くなり逆転する。加熱ガス
の衝撃ガス速度は毎秒50m以上好ましくは100m以
上が、衝撃ガス吹込み用のノズル開口率は2から3%以
上が乾燥速度上昇に寄与するが、ガス流量の増加と共に
電力消費量の急激な増加を伴うので経済限界がある。図
はノズル口径8粍で開口率2.51%の場合を示す。ま
た、ノズル開口の配置は衝撃ガスが連続してシートの一
線に衝突するとシート表面にマーク筋が付き易いので、
マーク付等の特殊紙用途を除き碁盤目は避け、菱目配置
か又は強制横微動が好ましい。なお、ノズル開口率と
は、対向する回転シリンダーへの吹出し口19の全投影
面積と、ノズル開口部全断面積との比率%を指す。実際
にはノズルやオリフィス形状で縮流を生じ、ガスの衝突
断面積は縮小し、流速は増加する。猶、図25のテスト
に使用したファブリックはダイワボウ製通気度7555
CCMで、材質はPPSであった。
【0190】図26に乾燥速度と加熱ガスの衝撃速度と
の関係を、夫々250℃の加熱空気と過熱水蒸気でノズ
ル開口率5.65%(ノズル口径12粍)と2.51%
(ノズル口径8粍)時を示す。図27には乾燥速度とノ
ズル開口率(12粍、8粍、4粍−0.63%)との関係を、
夫々250℃と200℃の加熱空気と過熱水蒸気で衝撃
速度70と38及び92と48m/sec.時を示す。
上記のグラフは夫々ノズル径を12,8,4粍に開口し
たキャップフードを順次交換して、何れも加熱ガスの循
環ファン回転数をインバータ―モータで夫々30Hzと
60Hzに変更して行い、衝撃速度はノズル出口で実測
した。図28には乾燥速度とエンドレスファブリックの
通気度CCM(cm3/cm2/分、背圧1.27cm)(猶
1m3/m2/時は、1.667CCM)との関係を示す。
【0191】本発明の方法を各種の紙によりテストした
が、薄い紙では勿論の事例え厚いボードでも効果が有る
事を証明する為に、BKP(晒クラフトパルプ)を原料
に、図30に従来の内部加熱シリンダーにより乾燥した
ボートを、図31に本発明の方法の250℃過熱水蒸気
による衝撃乾燥法で乾燥したボートを、図32に本発明
の方法の244.2℃で絶対湿度χ=0.672kg/kg’Daの
加熱空気による衝撃乾燥法で乾燥したボートを、夫々ボ
ート断面の電子顕微鏡写真を示す。上図は倍率50で中
図は100で下図は200であるが、過熱水蒸気乾燥法
のみがシート内部の空隙が飛躍的に増大している事が明
白である。又上図で判明する如く、従来技術のボード厚
さが1.25粍が本発明法の過熱水蒸気では1.65粍と
(加熱空気では1.23粍)、約32%も嵩高である。其
の差は図20でシートの湿り域でのシート温度が、SH
Sが110℃と100℃の間であるのに比し、HAでは
其の露天温度の関係より90℃近傍以下である事によ
る。
【0192】水銀圧入法による細孔テスト結果、従来の
内部加熱シリンダーにより乾燥したボートでは嵩密度が
0.4116g/ccだが、本発明の方法の250℃過熱水蒸気に
よる衝撃乾燥法で乾燥したボートでは0.3142g/ccとな
り、約31%も低下した。
【0193】
【発明の効果】本発明によれば、シート状物質を支持す
る外部加熱式回転体の外周方向から特定な条件下で加熱
ガスを吹き付けることによって、湿潤状態のシート状物
質内水分を瞬間気化蒸発(プレッシャーフロー)させ、多
孔質状態に高速で乾燥し、従来技術に比し約32%も嵩
高の低見掛密度の紙を製造することが出来る。このと
き、シート状物質を、通気性の帯状帯によってシリンダ
との間で挟みつつ特定な条件下で加熱ガスを吹き付ける
ことにより、シート状物質の収縮を抑え、従来技術に比
し安定した物性と高い強度値を有する紙を、従来技術の
約1/8の所要熱量で製造することが出来る。又乾燥速度
は、従来技術に比しFabric Through (従来技術であるヤ
ンキードライヤーでは低湿度の高温燃焼ガス又は空気を
直接吹付ける)で約6倍強が達成出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥装置のうち第1実施形態を示す側
面図である。
【図2】図1の側断面図である。
【図3】本発明の乾燥装置のうち第1実施形態の加熱ガ
スの循環系統を示すフロー線図である。
【図4】フードに対するシート状物質の入口部を示す図
である。
【図5】フードに対するシート状物質の出口部を示す図
である。
【図6】回転シリンダの構造の一例を示す縦断面図であ
る。
【図7】図6のZ−Z矢視図である。
【図8】本発明の乾燥装置のうち第2実施形態を示す側
面図である。
【図9】図8の側断面図である。
【図10】本発明の乾燥装置のうち第2実施形態の加熱
ガスの循環系統を示すフロー線図である。
【図11】本発明の乾燥装置のうち第3実施形態を示す
側面図である。
【図12】 本発明の乾燥装置のうち第3実施形態の加
熱ガスの循環系統を示すフロー線図ある。
【図13】本発明の乾燥装置のうち第4実施形態を示す
側面図である。
【図14】本発明の乾燥装置のうち第5実施形態を示す
側面図である。
【図15】本発明の乾燥装置のうち第6実施形態を示す
側面図である。
【図16】本発明の乾燥装置のうち外燃方式循環ガス熱
交換器を含む全体平面図である。
【図17】本発明の乾燥装置のうち外燃方式循環ガス熱
交換器を含む全体断面図である。
【図18】本発明の乾燥方法を実施した場合の絶対湿度
と熱交換所要熱量を示すグラフである。
【図19】本発明の乾燥方法を実施した場合の高温高湿
度空気と過熱蒸気の関係を示すモリー(Morrie)線図であ
る。本発明の範囲は過熱水蒸気領域を暗示する帯域A
と、高温高湿度空気の領域Bであり、従来技術の領域は
Cである。猶絶対湿度の延長線と相対湿度100%との
交点が露天温度を示す。
【図20】本発明の乾燥方法を抄紙機の多筒式乾燥シリ
ンダに実施した場合の、シート及びエンドレス通気性帯
状体内の温度分布を示す温度分布図である。
【図21】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥紙(N
BCTMP)の引張り強さ(DRY)と見かけ密度対ガス状態及び
衝撃温度の関係を示すグラフである。
【図22】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥紙(D
IP)の引張り強さ(DRY)と見かけ密度対ガス状態及び衝撃
温度の関係を示すグラフである。
【図23】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥紙(N
BCTMP)の引張り強さ(WET)と見かけ密度対ガス状態及び
衝撃温度の関係を示すグラフである。
【図24】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥紙(D
IP)の引張り強さ(WET)と見かけ密度対ガス状態及び衝撃
温度の関係を示すグラフである。
【図25】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥速度
とガス状態及び衝撃温度の関係を示すグラフである。
【図26】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥速度
とガス状態及び衝撃速度の関係を示すグラフである。
【図27】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥速度
とガス状態及びノズル開口率の関係を示すグラフであ
る。
【図28】本発明の乾燥方法を実施した場合の乾燥速度
とガス状態及びファブリック通気度の関係を示すグラフ
である。
【図29】本発明の乾燥方法を実施した場合の絶対湿度
と熱効率を示すグラフである。
【図30】従来技術のシリンダー乾燥による、シート断
面の電子顕微鏡写真を示す。
【図31】本発明の乾燥方法を実施した場合の過熱水蒸
気乾燥による、多数の多孔質部を有するシート断面の電
子顕微鏡写真を示す。
【図32】本発明の乾燥方法を実施した場合の加熱空気
乾燥による、シート断面の電子顕微鏡写真を示す。
【符号の説明】
1 回転体(従来技術では内部加熱回転シリンダー) 1’ 回転体シェル 2 回転軸(シリンダ軸) 3 回転体軸受 4 ドライヤーフレーム 5 回転体軸受 6 回転体補強リブ 7 回転体セグメント 8 サクションファブリックロール(帯状帯ロール) 8’ プレーンファブリックロール 9 ファブリックロール軸受 10 ファブリックロール(帯状帯ロール) 11 ファブリックテンションロール(帯状帯ロー
ル) 12 出入口用ファブリック(出入口用帯状帯) 13 機械基礎 14 ソールプレート 15 キャノピーフード 16 昇降装置 17 フード 18 フード開閉装置 19 吹出口(加熱ガス供給部) 20 給気函 21 給気函連結ダクト 22 吸込口(ガス排出部) 23 吸込函 24 吸込ダクト 25 ガス循環ファン 26 断熱膨脹ノズル 27 給気ダクト 28 ガススクラバー 29 ガスコンプレッサ 30 加圧蒸気管 31 蒸気加減弁 32 メークアップ蒸気管 33 排気スクリーン 34 排気ヒータ 35 シート状物質 36 ファブリック(帯状帯) 37 給気制御ダンパー又は弁 38 シーリングピンチロール(シール部) 39 給紙用シーリングブランケット(シール部、入
口用帯状帯) 40 サクションボックス 41 排紙用シーリングブランケット(シール部、出
口用帯状帯) 42 排気制御ダンパー又は弁 43 スチームボックス 44 ピンチロールシール装置(シール部) 45 シーリングフレーム 46 ブラッシシール 47 スクエアーフード 48 給気函 48’ 吸込み函 49 給気連結ダクト 49’ 排気連結ダクト 50 サクションファブリックボックス 51 燃焼器 52 エコノマイザー 53 吸込函 54 給気函 55 回転プレート(帯状帯) 56 回転プレートロール 60 フード入口部 61 フード出口部 67 ポケット給気函 70 排気用開口 80 蒸発空間 100 蒸気ヘッダー DS1、DS2〜DS6 乾燥装置 J ガス循環加熱系(ガス循環過熱装置) S1 シート(ファブリック側)温度;過熱水蒸気乾
燥 S2 シート(シート中央部)温度;過熱水蒸気乾燥 S3 シート(回転体側)温度;過熱水蒸気乾燥 S’1 シート(ファブリック側)温度;加熱空気乾
燥 S’2 シート(シート中央部)温度;加熱空気乾燥 S’3 シート(回転体側)温度;加熱空気乾燥 F1 ファブリック(シート側)温度; F2 ファブリック(中央部)温度; F3 ファブリック(外側)温度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L113 AA08 AB02 AC05 AC32 AC36 AC45 AC46 AC48 AC49 AC63 AC64 AC76 BA26 BA30 DA10 DA24 4L055 AA02 AC03 AC09 BD07 CF01 CF02 CF05 CF07 CF50 EA20 FA21 FA22

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿潤シートを平滑な外周面を有する外部
    加熱主体の回転体と、其の回転に同期して移動する通気
    性の耐熱性帯状帯間に、其の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、該回転体外周から150℃以上の主と
    して過熱水蒸気より成る加熱ガスを吹付け、湿り域での
    シート内部水分を直接90℃以上に加熱する事に依っ
    て、其の内部からのプレッシャーフローによる水分蒸発
    で、多孔質部をシート状物質内に多数形成し、其の結果
    嵩高となり、インクの吸収性と含浸性や大気中湿度の吸
    放湿性を高める事を特徴とするシート状物質。
  2. 【請求項2】 湿潤シートを平滑な外周面を有する外部
    加熱主体の回転体と、其の回転に同期して移動する通気
    性の耐熱性帯状帯間に、其の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、該回転体外周から150℃以上の主と
    して過熱水蒸気より成る加熱ガスを吹付け、湿り域での
    シート内部水分を直接90℃以上に加熱する事に依っ
    て、其の内部からのプレッシャーフローによる水分蒸発
    で、水蒸気雰囲気中でのリグニン及びヘミセルローズの
    軟化点温度を低め、引張り強度等物性強度を高める事を
    特徴とするシート状物質。
  3. 【請求項3】 湿潤シートを平滑な外周面を有する外部
    加熱主体の回転体と、其の回転に同期して移動する通気
    性の耐熱性帯状帯間に、其の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、該回転体外周から150℃以上の主と
    して過熱水蒸気より成る加熱ガスを吹付け、湿り域での
    シート内部水分を直接90℃以上に加熱する事に依っ
    て、其の内部からのプレッシャーフローによる水分蒸発
    で、水蒸気雰囲気中での高温加熱殺菌を行い生菌個数を
    大幅に減ずる事を特徴とするシート状物質。
  4. 【請求項4】 湿潤シートを平滑な外周面を有する外部
    加熱主体の回転体と、其の回転に同期して移動する通気
    性の耐熱性帯状帯間に、其の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、該回転体外周から150℃以上の主と
    して過熱水蒸気より成る加熱ガスを吹付け、湿り域での
    シート内部水分を直接90℃以上に加熱する事に依っ
    て、其の内部からのプレッシャーフローによる水分蒸発
    で、水蒸気雰囲気中で湿潤紙力増強剤の湿潤紙力発現機
    構を助ける事を特徴とするシート状物質。
  5. 【請求項5】 湿潤シートを平滑な外周面を有する外部
    加熱主体の回転体と、其の回転に同期して移動する通気
    性の耐熱性帯状帯間に、其の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、該回転体外周から150℃以上の主と
    して過熱水蒸気より成る加熱ガスを吹付け、湿り域での
    シート内部水分を直接90℃以上に加熱する事に依っ
    て、其の内部からのプレッシャーフローによる水分蒸発
    で、水蒸気雰囲気中で乾燥紙力増強剤の乾燥紙力発現機
    構を助ける事を特徴とするシート状物質。
  6. 【請求項6】 湿潤状態のシート状物質を乾燥する方法
    において、 所定の圧力及び温度に設定された密閉フード内部で、前
    記シート状物質の内周面を回転可能な円弧状の平滑表面
    を有する回転体で支持するとともに、外周面を前記回転
    体の回転に同期して移動可能な通気性7、500cm3
    毎cm2毎分以上でエンドレスの耐熱性帯状帯と帯状帯
    ロールによりシート状物質の乾燥収縮を拘束可能なテン
    シヨン下で挟み、使用目的により選択される乾燥区間
    で、前記回転体外周方向から前記帯状帯に向けて加熱ガ
    スを吹き付け、前記シート状物質を外部加熱を主体に乾
    燥することを特徴とするシート状物質の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記フード内部は、130℃以上のガス
    雰囲気に設定されていることを特徴とする請求項6に記
    載のシート状物質の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記吹き付ける加熱ガスは、150℃以
    上の過熱ガスであることを特徴とする請求項6又は7に
    記載のシート状物質の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記吹き付ける加熱ガスとして、前記フ
    ード内部からの排気ガスを循環再加熱した150℃以上
    の過熱水蒸気を用い、湿潤状態のシート状物質によって
    前記フード内部に持ち込まれる水蒸気分と略相当する1
    30℃以上の過熱水蒸気を該フード外部に排気すること
    を特徴とする請求項6〜8の何れかに記載のシート状物
    質の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記吹き付ける加熱ガスとして、前記
    フード内部からの排気ガスを循環再加熱した乾球温度1
    50℃以上で露点温度65℃以上の加熱湿り空気を用
    い、湿潤状態のシート状物質によって前記フード内部に
    持ち込まれる水蒸気重量と他の経路より持ち込まれる水
    蒸気重量との和に略相当する水蒸気を含む乾球温度13
    0℃以上の高温高湿度空気を該フード外部に排気し、該
    排気量に対して乾燥空気重量換算で略等量の低湿度空気
    を該フード内部に給気することを特徴とする請求項6〜
    8の何れかに記載のシート状物質の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記吹き付ける加熱ガスとして、前記
    フード内部からの排気ガスを循環再加熱した乾球温度1
    50℃以上に設定された、80%以上の窒素ガスと5%
    内外の水蒸気と溶剤ガスと酸素との混合ガスを用い、湿
    潤状態のシート状物質によって前記フード内部に持ち込
    まれる水蒸気重量と他の経路より持ち込まれる水蒸気重
    量との和に略相当する水蒸気を含む乾球温度130℃以
    上の混合ガスを該フード外部に排気することを特徴とす
    る請求項6〜8の何れかに記載のシート状物質の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記吹き付ける加熱ガスとして、水素
    ガス燃料と酸素とを使用する水素-酸素ガスタービンか
    らの150℃以上の過熱水蒸気を用い、其の130℃以
    上の排気を湿潤状態のシート状物質により前記フード内
    に持ち込まれる水蒸気分と共に、復水蒸気タービンに供
    給して発電することを特徴とする請求項6〜8の何れか
    に記載のシート状物質の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記循環吹き付ける加熱ガスは、循環
    ガスより前記シート状物質から新たに蒸発する水蒸気と
    他の経路より持ち込まれる水蒸気重量との和に略相当す
    る水蒸気を含む乾球温度130℃以上の高温高湿度空気
    を該フード外部に排気し、新たに該排気量に対して乾燥
    空気重量換算で略等量の低湿度空気を加え、乾燥空気重
    量換算で繰り返し吹付ける加熱ガス重量と略等量として
    乾球温度150℃以上で露天温度65℃以上に再加熱し
    該フード内部に給気する事を特徴とする請求項6〜8又
    は10の何れかに記載のシート状物質の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記吹き付ける加熱ガス速度は50m
    /sec.以上に設定されていることを特徴とする請求
    項6〜13の何れかに記載のシート状物質の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記フード内部に対するガスの給排気
    量のバランスを制御して、前記フード内部の圧力を、外
    部の圧力より高く設定することを特徴とする請求項6〜
    14の何れかに記載のシート状物質の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記シート状物質から蒸発する水蒸気
    を含む130℃以上の余剰ガスを他の装置の熱源として
    再利用することを特徴とする請求項6〜15の何れかに
    記載のシート状物質の製造方法。
  17. 【請求項17】 湿潤状態のシート状物質の乾燥装置に
    おいて、 平滑な外周面を有し前記シート状物質の内周面を支持し
    つつ前記シート状物質を凸型湾曲面で走行させる複数の
    回転体と、前記シート状物質の外周面に接し、前記回転
    体との間で該シート状物質を挟みつつ前記回転体の回転
    に同期して移動するエンドレスで通気性の耐熱性帯状帯
    と、前記耐熱性帯状帯に前記シート状物質の乾燥収縮を
    拘束可能なテンションを加える多数の帯状体ロールと、
    前記回転体の外周方向から前記耐熱性帯状帯に向けて加
    熱ガスを吹き付ける加熱ガス供給部とを、其の使用目的
    による任意の区間に設け、前記回転体は前記加熱ガス供
    給部から供給される、前記帯状体を通過した加熱ガスに
    より外周方向から加熱されることを特徴とするシート状
    物質の乾燥装置。
  18. 【請求項18】 前記回転体は両軸端開放の主として外
    部加熱主体の回転シリンダである事を特徴とする請求項
    17に記載のシート状物質の乾燥装置。
  19. 【請求項19】 前記回転体は主として外部加熱主体
    の、多数の回転プレートロールにより支持される回転プ
    レートである事を特徴とする請求項17に記載のシート
    状物質の乾燥装置。
  20. 【請求項20】 前記回転体は従来の圧力容器である内
    部加熱回転シリンダを利用して、内部加熱装置を使用し
    ない事を特徴とする請求項17に記載のシート状物質の
    乾燥装置。
  21. 【請求項21】 前記加熱ガス供給部は、150℃以上
    の加熱ガスを吹き付けることを特徴とする請求項17〜
    20の何れかに記載のシート状物質の乾燥装置。
  22. 【請求項22】 前記フード内部のガスを該フード外部
    に排気するガス排出部と、排気されたガスを処理して該
    フード内部に再度供給するガス循環加熱装置とを備える
    ことを特徴とする請求項17〜21の何れかに記載のシ
    ート状物質の乾燥装置。
  23. 【請求項23】 前記加熱ガス供給部は、前記回転体の
    外周方向に所定間隔に配置された開口率1.5%以上の
    ノズル形状又はスリット形状のガス吹出口を備えること
    を特徴とする請求項17〜22の何れかに記載のシート
    状物質の乾燥装置。
  24. 【請求項24】 前記ガス排出部は、前記回転体の外周
    方向に所定間隔に配置された開口率3%以上のノズル形
    状又はスリット形状のガス排出口を備えることを特徴と
    する請求項17〜23に記載のシート状物質の乾燥装
    置。
  25. 【請求項25】 前記回転体は複数設けられているとと
    もに、該複数の回転体のそれぞれは上下2段に配置さ
    れ、前記シート状物質は前記複数の回転体のそれぞれに
    支持されつつ走行され、前記帯状帯は、前記上段側の回
    転体に支持されたシート状物質を挟むように設けられた
    上段帯状帯と、前記下段側の回転体に支持されたシート
    状物質を挟むように設けられた下段帯状帯とからなるこ
    とを特徴とする請求項17〜24の何れかに記載のシー
    ト状物質の乾燥装置。
  26. 【請求項26】 上段に配置された回転体と下段に配置
    された回転体との間で走行する前記シート状物質の表裏
    面に対して加熱ガスを吹き付ける第2加熱ガス供給部を
    備えることを特徴とする請求項25に記載のシート状物
    質の乾燥装置。
  27. 【請求項27】 上段に配置された回転体と下段に配置
    された回転体との間で走行する前記シート状物質の表裏
    面に対して帯状帯側に加熱ガスを吸い込むサクションボ
    ックスと吸込み函とを備えることを特徴とする請求項2
    5又は26に記載のシート状物質の乾燥装置。
  28. 【請求項28】 前記回転体は複数設けられているとと
    もに、該複数の回転体のそれぞれは1段に配置され、前
    記シート状物質は前記複数の回転体のそれぞれに支持さ
    れつつ走行され、前記回転体に支持されたシート状物質
    を挟むように設けられた前記エンドレスで通気性の帯状
    帯と、前記回転体間でシート状物質を吸い付けるように
    設けられたサクションファブリックロールとを有するこ
    とを特徴とする請求項17〜24の何れかに記載のシー
    ト状物質の乾燥装置。
  29. 【請求項29】 前記回転体は複数設けられているとと
    もに、該複数の回転体のそれぞれは1段に配置され、前
    記シート状物質は前記複数の回転体のそれぞれに支持さ
    れつつ走行され、前記エンドレスで通気性の帯状帯は、
    前記回転体に支持されたシート状物質を挟むように設け
    られた上段帯状帯と、下段側のサクションファブリック
    ロールに吸い付けられたシート状物質を挟むように設け
    られた下段帯状帯とからなることを特徴とする請求項1
    7〜24又は28の何れかに記載のシート状物質の乾燥
    装置。
  30. 【請求項30】 前記密閉フードは、該フード内部に前
    記シート状物質を導く入口部と、該フード内部で乾燥処
    理された前記シート状物質を外部に導く出口部とを有
    し、前記入口部及び前記出口部のそれぞれには、フード
    外部と内部とのガスの移動を遮断するシール部が設けら
    れていることを特徴とする請求項17〜29の何れかに
    記載のシート状物質の乾燥装置。
  31. 【請求項31】 前記入口部及び前記出口部に設けられ
    ているシール部のそれぞれは、前記シート状物質を挟み
    周回可能に設けられた耐熱性の出入口用帯状帯と複数の
    帯状帯ロールとを有することを特徴とする請求項30に
    記載のシート状物質の乾燥装置。
  32. 【請求項32】 前記入口部にスチームボックスとサク
    ションボックスによるスチームシャワーとスチームカー
    テンを設けたことを特徴とする請求項30又は31に記
    載のシート状物質の乾燥装置。
  33. 【請求項33】 前記密閉フードの内壁に対して、前記
    回転体を含む前記フード内部に配置された回転体が接す
    る位置には、フード内部と外部とのガスの移動を遮断す
    る耐熱性ブラッシシールが内接されていることを特徴と
    する請求項17〜32の何れかに記載のシート状物質の
    乾燥装置。
JP2001228483A 2001-07-27 2001-07-27 シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置 Pending JP2003041495A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228483A JP2003041495A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置
US10/163,933 US6694639B2 (en) 2001-07-27 2002-06-06 Sheet material and method and apparatus for drying therefor
CA002390149A CA2390149A1 (en) 2001-07-27 2002-06-11 Sheet material and method and apparatus for drying therefor
EP02013241A EP1279764A3 (en) 2001-07-27 2002-06-17 Sheet material and method and apparatus for drying therefor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001228483A JP2003041495A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003041495A true JP2003041495A (ja) 2003-02-13

Family

ID=19060987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001228483A Pending JP2003041495A (ja) 2001-07-27 2001-07-27 シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6694639B2 (ja)
EP (1) EP1279764A3 (ja)
JP (1) JP2003041495A (ja)
CA (1) CA2390149A1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012237077A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Shinei Seishi Kk 組立式製紙用ドライヤー
JP2013180243A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2013184147A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2013193044A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2015172151A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 トヨタ自動車株式会社 多孔質膜の製造方法

Families Citing this family (41)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8129297B2 (en) * 2002-07-29 2012-03-06 E. I. Du Pont De Nemours And Company Method and apparatus for heating nonwoven webs
US7494563B2 (en) 2002-10-07 2009-02-24 Georgia-Pacific Consumer Products Lp Fabric creped absorbent sheet with variable local basis weight
US8603296B2 (en) 2002-10-07 2013-12-10 Georgia-Pacific Consumer Products Lp Method of making a fabric-creped absorbent cellulosic sheet with improved dispensing characteristics
KR100556503B1 (ko) * 2002-11-26 2006-03-03 엘지전자 주식회사 건조기의 건조 시간제어 방법
FR2867263B1 (fr) * 2004-03-02 2006-05-26 Solaronics Irt Installation de sechage pour une bande defilante, notamment pour une bande de papier
CN101052853B (zh) * 2004-03-02 2010-06-16 贝卡尔特股份有限公司 用于传送幅料的红外线干燥设备
WO2006025328A1 (ja) * 2004-08-31 2006-03-09 Kakuno Seisakusho Co., Ltd. 減圧式乾燥機及びそれを用いた木材の乾燥方法
DE102005000794A1 (de) * 2005-01-05 2006-07-13 Voith Paper Patent Gmbh Vorrichtung und Verfahren zur Herstellung und/oder Veredelung einer Faserstoffbahn
DE102005017152B4 (de) * 2005-04-13 2007-02-08 Lindauer Dornier Gmbh Verfahren zum Trocknen von vorzugsweise plattenförmigen Produkten und Durchlauftrockner in Mehretagenbauweise
JP3919798B2 (ja) * 2005-06-28 2007-05-30 シャープ株式会社 洗濯乾燥機
GB2450303B (en) * 2005-08-03 2010-09-01 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha Hand drying apparatus
SE0502874L (sv) * 2005-12-23 2007-06-24 Stora Enso Ab Process för tillverkning av papper eller kartong
US7921578B2 (en) * 2005-12-30 2011-04-12 Whirlpool Corporation Nebulizer system for a fabric treatment appliance
EP1977177B1 (en) * 2006-01-25 2018-03-07 Solaronics S.A. Convective system for a dryer installation
FI119029B (fi) * 2006-01-30 2008-06-30 Metso Paper Inc Menetelmä ja laite kuiturainakoneen, kuten paperi- tai kartonkikoneen kuivatusosassa
US20070234589A1 (en) * 2006-04-05 2007-10-11 Peter Bernegger Pressurized Drying/Dehydration Apparatus and Method
US8127462B2 (en) 2006-04-21 2012-03-06 Osvaldo Ricardo Haurie Cylindrical dryer having conduits provided within a plurality of holding plates
US7614161B2 (en) * 2006-04-21 2009-11-10 Osvaldo Ricardo Haurie Cylindrical dryer having conduits for heating medium
US7716850B2 (en) * 2006-05-03 2010-05-18 Georgia-Pacific Consumer Products Lp Energy-efficient yankee dryer hood system
NL2000086C2 (nl) * 2006-06-02 2007-12-04 M H B Achtereekte Beheer B V Werkwijze en inrichting voor vervaardiging van materialen van hydrofobe holle natuurvezels en gebruik daarvan.
US8061055B2 (en) * 2007-05-07 2011-11-22 Megtec Systems, Inc. Step air foil web stabilizer
DE102007026681A1 (de) * 2007-06-08 2008-12-11 Voith Patent Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Herstellung einer Faserstoffbahn
US20100071225A1 (en) * 2008-09-19 2010-03-25 Shannon Ross Portable cooler drying frame
ES2426113T3 (es) * 2009-07-24 2013-10-21 Bobst Italia S.P.A. Equipo de secado con tratamiento de aire falso para máquinas de impresión
JP5465081B2 (ja) * 2010-04-30 2014-04-09 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および方法
CN102183128A (zh) * 2011-02-28 2011-09-14 段新顺 电子喷气烘筒烘干机
US8801902B1 (en) * 2013-09-18 2014-08-12 Usg Interiors, Llc Water reduction by modulating vacuum
JP6667353B2 (ja) * 2016-04-12 2020-03-18 デュプロ精工株式会社 湿紙乾燥方法および古紙再生処理装置
CN107604556A (zh) * 2017-10-16 2018-01-19 浙江雅力士自动化设备科技有限公司 缩水粘合一体机中的烘干装置
CN109137617B (zh) * 2018-09-11 2023-10-31 青岛榕信工贸有限公司 一种涂布生产装置及其使用方法
EP3864211A4 (en) * 2018-10-12 2022-01-05 Mustafa Gümüs GENERATORS OF SATURATED / OVERHEATED STEAM OR HOT AIR
CN109458823A (zh) * 2018-11-06 2019-03-12 长兴聚丰丝织厂 一种化纤丝烘干装置
CN109631545A (zh) * 2018-12-11 2019-04-16 卢超标 布匹烘干设备
CN111001960B (zh) 2019-12-18 2021-06-11 安德里茨(中国)有限公司 扬克缸缸段预加工件以及用于制造扬克缸的方法
CN112342836A (zh) * 2020-10-14 2021-02-09 安徽浩天纸业有限公司 一种纸张染色用防破损干燥装置及其使用方法
CN112393569B (zh) * 2020-11-09 2022-09-27 桐乡市法赛欧服饰有限公司 一种纺织布料洗涤用初步脱水装置
CN112629221A (zh) * 2020-12-29 2021-04-09 安徽恒硕纺织品有限公司 一种纺纱面料烘干熨平装置
CN113235222B (zh) * 2021-04-20 2022-04-19 浙江喆呈新材料有限公司 一种干巾用无纺布加工热压装置
CN114808528B (zh) * 2022-04-27 2023-05-26 赣州龙邦材料科技有限公司 一种可防止气泡和褶皱的芳纶纸成型装置及其使用方法
CN115540556B (zh) * 2022-08-20 2024-05-03 河南永威安防股份有限公司 一种板材烘干装置
CN116447837B (zh) * 2023-06-16 2023-08-22 山东大豪包装制品有限公司 一种瓦楞纸板除湿装置

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4146361A (en) * 1972-09-07 1979-03-27 Cirrito Anthony J Apparatus for hot gas heat transfer particularly for paper drying
US5210958A (en) * 1991-07-15 1993-05-18 Mcgill University Paper web drying apparatus and process
FI87669C (fi) * 1992-03-02 1993-02-10 Valmet Paper Machinery Inc Foerfarande och tork vid torkning av papper
JP2907266B2 (ja) 1994-10-17 1999-06-21 特種製紙株式会社 シート状物質の乾燥方法及び装置
US5553392A (en) * 1993-11-15 1996-09-10 Tokushu Paper Mfg. Co., Ltd. Process and apparatus for drying sheet materials
JP3007542B2 (ja) 1994-06-06 2000-02-07 特種製紙株式会社 シート状物質の乾燥方法及び装置
JP2907265B2 (ja) 1994-10-18 1999-06-21 特種製紙株式会社 シート状物質の乾燥方法及び装置
JP3171419B2 (ja) * 1994-02-02 2001-05-28 特種製紙株式会社 紙層形成方法、及び紙層形成装置
US5933977A (en) * 1995-09-12 1999-08-10 Beloit Technologies, Inc. Curl control with dryer aircaps
US5600898A (en) * 1995-09-12 1997-02-11 Beloit Technologies, Inc. Curl control by dryer aircaps in top felted dryer section
US6039838A (en) * 1995-12-29 2000-03-21 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. System for making absorbent paper products
US5921000A (en) * 1997-01-27 1999-07-13 Beloit Technologies, Inc. Alternating top and bottom felted dryers connected without open draw
US6203666B1 (en) * 1997-09-09 2001-03-20 Tokushu Paper Mfg. Co., Ltd. Method and device for paper web manufacturing
US6146499A (en) * 1997-12-22 2000-11-14 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Method for increasing cross machine direction stretchability
FI104000B1 (fi) * 1998-04-03 1999-10-29 Valmet Corp Telan, sylinterin tai vastaavan ympärille sovitettu päällepuhallusjärjestelmä paperikoneen tai vastaavan kuivatusosassa
DE29823738U1 (de) * 1998-09-11 1999-09-30 Voith Sulzer Papiertechnik Patent GmbH, 89522 Heidenheim Trockenpartie

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012237077A (ja) * 2011-05-12 2012-12-06 Shinei Seishi Kk 組立式製紙用ドライヤー
JP2013180243A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2013184147A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2013193044A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Metawater Co Ltd 汚泥の乾燥システム
JP2015172151A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 トヨタ自動車株式会社 多孔質膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP1279764A2 (en) 2003-01-29
US6694639B2 (en) 2004-02-24
CA2390149A1 (en) 2003-01-27
US20030019125A1 (en) 2003-01-30
EP1279764A3 (en) 2004-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003041495A (ja) シート状物質及び其の乾燥方法並びに装置
US4324613A (en) Methods and apparatus for the rapid consolidation of moist porous webs
US5553392A (en) Process and apparatus for drying sheet materials
CA1091005A (en) Method and apparatus for controlling the moisture content of a web of sheet material
US5653041A (en) Drying method and drying module as well as dryer sections that make use of same, in particular for a high-speed paper machine
CN1109788C (zh) 毛细管式脱水方法和装置
CA2136901C (en) Method in the drying of a paper web as well as dryer sections of a paper machine
KR880001525B1 (ko) 종이웨브 건조장치 및 방법
FI62571B (fi) Anordning vid flercylindertork i en pappersmaskin
CA1158038A (en) Drying procedure and means
US20110023323A1 (en) Drying system for webs of goods passing through in the form of printed and/or coated paper webs
JP2004538390A (ja) 繊維性構造体の乾燥方法
ATE338161T1 (de) Verfahren zum gezielten trocknen eines bahnförmigen materials
US6098309A (en) Machine and process for manufacturing or treating a material web
FI85043C (fi) Foerfarande och anordning foer torkning av en fuktig fiberbana.
US6904700B2 (en) Apparatus for drying a tissue web
EP0870086A1 (en) Apparatus for drying a fibre web
US6101735A (en) Dryer section in a paper machine in which impingement and/or ventilation hoods are used
FI104194B (fi) Massan kuivatusosa, menetelmä massan kuivattamiseksi ja massan kuivatuslinja
JP3007529B2 (ja) シート状物質の乾燥方法及び装置
JP2907265B2 (ja) シート状物質の乾燥方法及び装置
WO2004065689A1 (ja) シート状物質の製造方法及びシート状物質
EP0653514B1 (en) Process and apparatus for drying sheet materials
JP2907266B2 (ja) シート状物質の乾燥方法及び装置
KR20000005438A (ko) 섬유 웨브용 건조 장치의 에너지 활용 방법 및 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030917