JP3007466U - グラフィック装飾ミラーパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 粗面グラフィック模様が美しく浮き立って見
え、しかも日用品から建築材料の分野にまで幅広く利用
できる装飾ミラーパネルを提供すること。 【構成】 ダークミラーパネルまたはカラーミラーパネ
ル１の鏡面１３に、サンドブラスト又はケミカルエッチ
ングによって粗面グラフィック模様を描出した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ミラーパネルの装飾性増進案、更に詳しくは、ミラーパネルを巧み にグラフィック装飾することによって日用品から建築材料まで幅広く活用できる ようにしたグラフィック装飾ミラーパネルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のとおり、ミラー（鏡）パネルはガラス板の片面に硝酸銀液などを塗布す ることによって金属色層を形成し、これに常法で適宜な裏止め（例えば、金属メ ッキ、耐水・耐熱皮膜などの層着）を施すことによって量産されており、今日、 姿見・化粧用の鏡としてはもとより、光学機器の反射材料として、また建物外装 用の建築用パネル等として、幅広く用いられるようになってきた。

【０００３】 ところが、従来のミラーパネルは物体を写したり、光を反射させたりする光学 的特性が優れているために、この光学的特性だけに注意が向けられてしまって、 ミラーパネル自体に装飾加工を施してもっと用途を拡張しようとする努力は殆ど 為されていなかった。ガラス板を素材とした従来のミラーパネルの光学的な写像 性能、反射特性が余りに顕著であるためである。

【０００４】

【解決すべき技術的課題】

本考案は、従来のミラーパネルの活用面が光学的な写像性能や反射特性にのみ 偏っていたことに鑑みて為されたもので、美しく浮き立って見える粗面グラフィ ック模様を有する装飾ミラーパネルを提供することを技術的課題とする。

【０００５】 また本考案の他の技術的課題は、ミラーパネルに美しい粗面グラフィック模様 を付与することにより、写像性・反射性という光学的特性に頼った従来の用途に 加えて、人の視線を強く吸引できて日用品から建築材料まで幅広く用途を拡張し 得るデザイン性の高いグラフィック装飾ミラーパネルを提供するにある。

【０００６】 さらに、本考案の他の技術的課題は、構成が簡素にして能率的に量産すること ができる実用的なグラフィック装飾ミラーパネルを提供するにある。

【０００７】

【課題解決のために採用した手段】

本考案者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添附図面を参照 して説明すれば、次のとおりである。

【０００８】 即ち、本考案は、ガラス板11の片面に暗色金属色層12を形成して成るダークミ ラーパネル１の鏡面13に、サンドブラストまたはケミカルエッチングによる粗面 グラフィック模様２を描出するという手段を採用したこと、 あるいはまた、ガラス板11の片面に極薄の金属色層12を形成し、かつ、この極薄 金属色層12には所要のカラー膜層14を積層して成るカラーミラーパネル１の鏡面 13に、サンドブラストまたはケミカルエッチングによる粗面グラフィック模様２ を描出するという手段を採用して、前述の技術的課題を満足し得るグラフィック 装飾ミラーパネルを実現したこと点に特徴がある。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基いて、更に詳しく説明する。なお、 図１は本考案の第１実施例であるグラフィック装飾ミラーパネルの断面図、図２ は同平面図、図３は本考案の第２実施例であるグラフィック装飾ミラーパネルの 断面図、図４は第１実施例のグラフィック装飾ミラーパネルをコースターとして 使用した場合の斜視図、図５は第１実施例のグラフィック装飾ミラーパネルを家 具（サイドボード）の開閉扉体として使用した場合の正面図、図６は第２実施例 のグラフィック装飾ミラーパネルをビルディングの外壁タイルとして使用した場 合の斜視図である。

【００１０】 図面上、符号１で指示するものは方形の強化ガラス板11から成るミラーパネル である。第１実施例のダークミラーパネル１は、前記ガラス板11の片面に燻銀色 の金属色層12を層着し、その金属色層12を保護するために黒色の耐熱・耐水塗料 を裏止め層15を被覆することによって作製されており、これら金属色層12および 裏止め層15とは反対側に位置する表面にはエメリー粉（emery powder) を図示し ないジェットノズルから噴射して描出した粗面グラフィック模様２が施されてい る。ちなみに、本考案おいて、ミラーパネル１の鏡面13に粗面グラフィック模様 ２を描く場合にはコンピュータ制御のジェットノズルによりエメリー粉を噴射し て行うので、高能率に同一パターンのものを連続描出をすることも可能である。

【００１１】 次に、第２実施例のカラーミラーパネル１は、第１実施例と同材質のガラス板 11の片面に 0.5μのアルミ真空蒸着層による極薄の金属色層12を形成し、その上 に黄色のエポキシ樹脂液を塗布してカラー膜層14を形成し、さらに前記極薄金属 色層12とカラー膜層14を保護するために黒色の耐熱・耐水塗料を裏止め層15を被 覆させたものである。こうして作製されたカラーミラーパネル１にあっては、鏡 面13側から光が当たると当該光の一部が極薄金属色層12を透してカラー膜14に反 射されるので、当該鏡面13は金色に輝いて見える。そして、この第２実施例にあ っても、上記第１実施例と同様に当該鏡面13にエメリー粉のジェット噴射による 粗面グラフィック模様２が形成してあるので、描かれた粗面グラフィック模様２ が黄金色に映えて実に豪華に美しく見えるのである。

【００１２】 しかして、上記第１実施例と第２実施例のグラフィック装飾ミラーパネルは、 図４に示すように 10cm 角の正方形状に整形して辺縁を面取り(beveling)すれば コースターとして使用することが可能である。

【００１３】 また、上記第１実施例と第２実施例のグラフィック装飾ミラーパネルは、図５ に示すように、縦 50cm 、横 45cm の長方形状に整形するならば、家具（サイド ボード）の開閉扉体として使用することも可能である。また、当然に家具や建物 の引き戸として使用することも可能である。

【００１４】 更に、上記第１実施例および第２実施例のグラフィック装飾ミラーパネルは、 図６に示すように、ビルディングＢの外壁タイルとして使用することもできる。 このようなグラフィック装飾ミラーパネルを外壁タイルとして使用すると、当該 ビルディングＢの外観を豪華に演出することが可能になるのである。

【００１５】 本明細書に開示する実施例は概ね上記のとおりであるが、本考案は前述の実施 例に限定されるものでは決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載内におい て種々の設計変更が可能であって、例えば前述の実施例においてはガラス板11は 全て平板状のものだけを例示して説明したけれども、凹面状もしくは凹球面状、 または凸面状もしくは球面状などのごとく非平面板体のガラス板を採用すること も勿論自由であり、これらの設計変更は何れも本考案の技術的範囲に属する。

【００１６】 また、本明細書に開示した第２実施例においてはカラー膜層14の色彩について は黄色のものだけを例示したが、赤色、茜色、ピンク色、水色、茶色など自由な 色彩選択を行うことが可能であって、極薄金属色層12との加法混色効果によって 色映えの美しい鏡面を演出することができるのであり、これらの設計変更も当然 に本考案の技術的範囲に属する。

【００１７】 さらに、上記第１実施例および第２実施例においては、鏡面13に形成する粗面 グラフィック模様２はサンドブラスト法によって描出したものしか例示しなかっ たけれども、ダークミラーパネル１またはカラーミラーパネル１の所要の箇所に マスキングを施して腐食液に浸漬すればケミカルエッチングによって粗面グラフ ィック模様を形成することも可能であり、これもまた本考案の技術的範囲に属す るものと言わねばならない。

【００１８】

【考案の効果】

以上実施例を挙げて説明したとおり、本考案のグラフィック装飾ミラーパネル にあっては、鏡面に粗面グラフィック模様がサンドブラスト又はケミカルエッチ ングによって形成されているので、当該鏡面に浮き立つ粗面グラフィック模様は 誠に美しいものであり、特にカラーミラーパネル方式を採用する場合には加法混 色効果が一層優れた色彩演出を表現することが可能となる。

【００１９】 更に、本考案のグラフィック装飾ミラーパネルは、前述の実施例の説明からも 明らかなとおり、人の視線を強く吸引する美的効果が抜群であって、日用品から 建築材料まで幅広く利用することが可能である。

【００２０】 このように本考案によれば、従来は忠実写像性や反射性といった光学的特性し か利用されていなかったミラーパネルを、これに新らたに注意喚起性を付与した ことによって従前の用途を大幅に超える利用分野を開拓することを可能にしたの であり、しかも当該グラフィック装飾ミラーパネルの構成は頗る簡素にして能率 的に量産することができるから安価に提供できる等、その実用的および経済的メ リットは誠に大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例であるグラフィック装飾ミ
ラーパネルの断面図である。

【図２】本考案の第１実施例であるグラフィック装飾ミ
ラーパネルの平面図である。

【図３】本考案の第２実施例であるグラフィック装飾ミ
ラーパネルの断面図である。

【図４】第１実施例のグラフィック装飾ミラーパネルを
コースターとして使用した場合の斜視図である。

【図５】第１実施例のグラフィック装飾ミラーパネルを
家具（サイドボード）の開閉扉体として使用した場合の
正面図である。

【図６】第２実施例のグラフィック装飾ミラーパネルを
ビルディングの外壁タイルとして使用した場合の斜視図
である。

【符号の説明】

１ ダークミラーパネル、又はカラーミラーパネル 11 ガラス板 12 金属色層、または極薄金属色層 13 鏡面 14 カラー膜層 ２ 粗面グラフィック模様 Ｂ ビルディング Ｍ 家具（サイドボード）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ４４Ｃ 1/22 Ｃ 9134−3Ｋ Ｄ 9134−3Ｋ Ｃ０３Ｃ 15/00 Ｚ 17/38 19/00 Ａ

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガラス板11の片面に暗色金属色層12を形
   成して成るダークミラーパネル１の鏡面13に、サンドブ
   ラスト又はケミカルエッチングによる粗面グラフィック
   模様２を描出したことを特徴とするグラフィック装飾ミ
   ラーパネル。
2. 【請求項２】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したダークミラーパネル１がコースターとして使用可能
   である請求項１記載の、グラフィック装飾ミラーパネ
   ル。
3. 【請求項３】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したダークミラーパネル１が家具の開閉扉体又は引戸と
   して使用されている請求項１記載の、グラフィック装飾
   ミラーパネル。
4. 【請求項４】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したダークミラーパネル１が、ビルディングＢの外壁タ
   イルとして使用されている請求項１記載の、グラフィッ
   ク装飾ミラーパネル。
5. 【請求項５】 ガラス板11の片面に極薄の金属色層12を
   形成し、かつ、この極薄金属色層12には所要のカラー膜
   層14を積層して成るカラーミラーパネル１の鏡面13に、
   サンドブラストまたはケミカルエッチングによる粗面グ
   ラフィック模様２を描出したことを特徴とするグラフィ
   ック装飾ミラーパネル。
6. 【請求項６】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したカラーミラーパネル１が家具の開閉扉に使用されて
   いる請求項５記載の、グラフィック装飾ミラーパネル。
7. 【請求項７】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したカラーミラーパネル１が建具の装飾板として使用さ
   れている請求項５記載の、グラフィック装飾ミラーパネ
   ル。
8. 【請求項８】 鏡面13に粗面グラフィック模様２を描出
   したカラーミラーパネル１が、ビルディングＢの外壁タ
   イルとして使用されている請求項５記載の、グラフィッ
   ク装飾ミラーパネル。
9. 【請求項９】 金属色層12が銀色、カラー膜層14が黄色
   であり、カラーミラーパネル１の鏡面13が金色に見える
   ことを特徴とした請求項５記載の、グラフィック装飾ミ
   ラーパネル。