JP3006583B2

JP3006583B2 - 介護用補助具

Info

Publication number: JP3006583B2
Application number: JP10150439A
Authority: JP
Inventors: 寛子吉岡; 百合恵中島
Original assignee: 寛子吉岡
Priority date: 1998-05-29
Filing date: 1998-05-29
Publication date: 2000-02-07
Anticipated expiration: 2018-05-29
Also published as: JPH11332898A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、患者の介護に用い
る補助具に関し、特に患者に対して必要以上の拘束をす
ることなく、その手指を抑制する介護用補助具に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
胃管カテーテル挿入中の患者などで健側上肢の場合に、
カテーテルを自己抜去してしまうのを防止するために、
抑制帯を使用している。また、痴呆症の患者などにおい
ても、いたずらや危険防止のために、抑制帯を使用する
場合がある。しかし抑制帯は、手を動かすこともできず
関節拘縮を強くしてしまい、患者の残存機能を低下させ
てしまう。また、抑制帯は、肩関節・肘関節・手関節の
動きを制限するため、自由が拘束され精神的ストレスを
引き起こしている。さらに、抑制帯は高価であり、また
着脱は決して容易ではなく、看護人にとって着脱は大変
な重労働である。そこで、必要以上の身体の拘束をする
ことなく手指の抑制ができ、かつ安価で、着脱の容易な
介護用補助用具が切望されていた。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の課題
を解決するものであって、下記の構成の介護用補助具で
ある。患者の手指を収容し得る内径と、少なくとも指先
から手首までの長さを有する使用済みペットボトルの切
断物である円筒体であって、前記円筒体の手首側に前腕
部への固定手段を設けてなり、また円筒体の外周部及び
内周部には取り外し自在のカバーを設け、さらに前記カ
バーの、前記円筒体内側の前方部の一部には指挿入係止
手段を付設してなることを特徴とする介護用補助具。

【０００４】

【発明の実施の形態】本発明において、患者とは看護な
ど介護を必要とする人（被介護者）のことで、主に体腔
または膀胱・尿道・気管・食道・胃などにカテーテルを
挿入して液体や内容の排出ないし薬液等の注入を必要と
する人で、上肢が健康でカテーテルを自己抜去するおそ
れのある人、また、介護の際に、被介護者の手指の不要
な動きにより、介護に多大な労力、負担がかかる人など
である。本発明の介護用補助具を構成する円筒体は、使
用済みペットボトルの切断物で、患者の手指を収容し得
る内径を備え、少なくとも指先から手首までの長さで構
成されている。手指を収容し得るとは、手指の着脱の際
に接触しない程度の大きさで、拳幅より若干大きいもの
が最適である。また、少なくとも指先から手首までの長
さとは、最低手指の抑制のために必要な長さのことで、
必要に応じて肘付近までの長さにしてもよい。円筒体全
体は、患者の前腕部への固定装着時に邪魔にならない程
度の大きさで、状況によって大きさを調整することがで
きる。また、円筒体の壁部に多数の通気孔を穿設するこ
とにより、通気性を良くし、長時間の装着時の不快さを
削減することも好ましい。

【０００５】本発明における介護補助用具の前腕部への
固定手段は、確実に前腕部に固定できるもので、患者の
動きにも外れたり、緩んだりすることがなく、かつ危険
性のないものである。固定具（ベルクロファスナー、バ
ックルなど）付きのベルト紐など、あるいは粘着テープ
などを採用しても良い。

【０００６】さて、本発明の介護用補助具は、手指の抑
制を目的としているため、患者の前腕部に固定装着す
る。そのため、介護用補助具と身体との接触面を快適に
するための、カバーを設けている。カバーは、円筒体と
の接触部の違和感を無くすような材料で、通気性が良
く、取り外し可能で、かつ洗濯のしやすいものが望まし
い。さらに、カバーは円筒体の内周部のみでも良いが、
外周部及び内周部であれば、全体の汚れも防ぐことがで
きる。

【０００７】円筒体を固定装着時に、円筒体がずれて指
が突出しないように、円筒体の外周部及び内周部に取り
外し自在のカバーを設け、さらに前記カバーの、前記円
筒体内側の前方部の一部には指挿入係止手段を付設す
る。指挿入係止手段は、リング状のものなどで少なくと
も１本の指を挿入し、円筒体内から手指が突出しないよ
うにするものであるが、手指の動きをあまり拘束しない
ものがよい。

【０００８】円筒体は、使用済みペットボトルの切断物
で容易に変形できない程度の強度を有している。患者の
様々な動きや外部からの衝撃によっても変形しなく、軽
くて耐久性もあり、かつ使用済みの廃棄物なので安価で
ある。

【０００９】

【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本発明実施例の介護用補助具の斜視図であ
り、図２は介護用補助具のカバー全体図の斜視図、図３
は図１の介護用補助具を固定装着した図である。図中１
は、介護用補助具、２は円筒体であり、３はカバー、４
は固定手段である。また、５は指挿入係止手段である。
以下に、介護用補助具を作成する手順を説明する。ま
ず、患者の手指を収容し得る内径で、指先から手首まで
の長さを有する円筒体２に、カバー３を装着する。円筒
体２は、使用済みペットボトルを、前記の大きさに切
り、切り口をテープなどで保護して作られる。また、カ
バー３は図２のように円筒体２の外周部及び内周部の長
さを合わせたものより長い通気性の良い布状のもので作
成され、ベルト型の固定手段４とリング型の指挿入係止
手段５が取付けられている。カバー３の装着は、最初に
カバー３内に円筒体２を挿入し、円筒体の指先側端部で
円筒体内に折るようにして円筒体内周部にカバー３を装
着する。

【００１０】図３は、本発明の介護用補助具を患者へ固
定装着した図で、患者の指先から手首の位置に、カバー
３に装着された円筒体２が設置され、患者の前腕部でベ
ルト型の固定手段４によって固定装着されている。ま
た、患者の親指がリング型の指挿入係止手段５に挿入さ
れている。

【００１１】

【発明の効果】本発明における介護用補助具によれば、
患者の指を使えないようにできるので、カテーテルを自
己抜去などはできず、危険を防止することができ、ま
た、介護者の介護の精神的負担や労力が軽減できる。さ
らに、本発明の介護用補助具は、手指を収容し得る内径
を持った使用済みのペットボトルの円筒体を使用するの
で、軽量でかつ廃棄物活用により安価であり、手指の関
節は円筒内で自由に動かすことができ、また、前腕部へ
の固定手段による固定だけなので、上肢等の拘束が無
く、患者の関節拘縮などを引き起こすこともなく残存機
能の低下を防止でき、加えて、患者肩関節や肘関節の動
きを制限しないので、自由が束縛されず精神的ストレス
をおこさない。そしてまた、装着感がよく、さらに、カ
バーの洗濯が容易で清潔が保てるので快適に装着でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の介護用補助具の斜視図

【図２】介護用補助具のカバー全体図の斜視図

【図３】図１の介護用補助具を固定装着した図

【符号の説明】１介護用補助具２円筒体３カバー４固定手段５指挿入係止手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平８−131468（ＪＰ，Ａ) 特開平５−137743（ＪＰ，Ａ) 特開平８−173467（ＪＰ，Ａ) 特開平９−220246（ＪＰ，Ａ) 特開平９−182788（ＪＰ，Ａ) 実開昭63−143319（ＪＰ，Ｕ) 実開平２−10812（ＪＰ，Ｕ) 実開平４−30516（ＪＰ，Ｕ) 実開平４−32712（ＪＰ，Ｕ) 実開平７−31016（ＪＰ，Ｕ) 登録実用新案3026840（ＪＰ，Ｕ) 登録実用新案3042131（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61F 5/37

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】患者の手指を収容し得る内径と、少なくと
も指先から手首までの長さを有する使用済みペットボト
ルの切断物である円筒体であって、前記円筒体の手首側
に前腕部への固定手段を設けてなり、また円筒体の外周
部及び内周部には取り外し自在のカバーを設け、さらに
前記カバーの、前記円筒体内側の前方部の一部には指挿
入係止手段を付設してなることを特徴とする介護用補助
具。