JPH114843A - 医療補助用手袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者に苦痛が生じる拘束を排除し、医療補助
用手袋として手首に簡単に脱着でき、不用意にカテーテ
ルや点滴のチューブを自分で抜去するような動作ができ
ないよう手の動きを最小限に抑制するよう手を覆うカバ
ー部内に抑制するが手や指の動きを透視でき、安全で意
思の疎通が可能な医療補助用手袋を提供する。 【解決手段】 手首２に止定可能な取付部１と、この取
付部１の先端に取付けられ、手を覆うカバー部３とから
成る医療補助用手袋であって、前記カバー部３は、ファ
スナー４を介して２つ割りでき、ヒンジ部５を介して開
閉可能に設け、このカバー部は指全体を横に広げること
ができ、且つ指を関節から内方へ屈曲したり伸ばしたり
運動可能な大きさの空間部を有し、プラスチック製のメ
ッシュで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療補助用手袋に
関するもので、より詳しくは手術後の患者でカテーテル
を装着している人や、点滴等を受けている人が不用意に
カテーテルや点滴のチューブを自分で抜去するような動
作ができないよう手の動きを最小限に抑制するよう、必
要に応じて容易に手首に脱着でき手指を保護し、カバー
部内では手指を自由に動かすことができ、外部からその
手の色や手指の動きが観察でき、介護者との間で意思の
疎通が可能で患者の精神的安定と医療事故の防止ができ
る医療補助用手袋を提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、術後の患者に対して手指の動きを
抑制するためには、ベッドや補助具を用いて患者の手指
の動きを止めるように括り付けるようにするのが通例で
あったが、これでは患者に肉体的苦痛や精神的な負担を
かけ、医療上でも悪影響を生じる危険性もみられた。こ
れを解消するため、手から先に先広がりのメガホン状の
抑制帯を取付けるようにした提案がみられるが、十分で
はなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のように患者に苦
痛が生じるような拘束は排除しなければならない。しか
し、従来例のようにメガホン状の抑制帯では手によるチ
ューブ等の抜去は防止できるが、手指の動きが自由では
なく、外部から手の色や動きを観察することができず、
先広がりで長さもあって取扱いが不便である等の難点が
みられた。

【０００４】本発明の目的は、医療補助用手袋として手
首に簡単に脱着でき、不用意にカテーテルや点滴のチュ
ーブを抜去するような動作ができないよう手の動きを最
小限に抑制すると共にこの手袋は軽量で、内部では指を
広げたり、曲げたりできる広さと空間をもち、外部から
中の手の色や指の動きが観察できて、看護者との間で意
思の疎通を可能とする医療補助用手袋を提供するもので
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第１発明では、手首に止定可能な取付部と、この取
付部の先端に取付けられ、手を覆うカバー部とから成る
医療補助用手袋であって、前記カバー部は、ファスナー
を介して２つ割りでき、ヒンジ部を介して開閉可能に設
け、このカバー部は指全体を横に広げることができる広
さを有し且つ指を関節から内方へ屈曲運動可能な大きさ
の空間部を有し、プラスチック製のメッシュで構成され
ている。

【０００６】第２発明では、手首に取付け可能な取付部
を布帛で構成し、メリヤス編みその他弾性筒状部若しく
は面ファスナーにより手首への取付け径を調節できるよ
うにした。第３発明では、カバー部の内面で手の甲側
に、硬質ウレタンパットのような緩衝材を取付けた。

【０００７】第４発明では、カバー部が、外部から手指
の状態や動きを透視できる透明体で構成されている。第
５発明では、カバー部が、軽金属製の編目その他通気性
と剛性を有する材料で構成されている。 （作用）第１発明では、医療補助用手袋として、手首に
止定可能な取付部と、この取付部の先端に取付けられ、
手を覆うカバー部とから構成され、手首に簡単に脱着す
ることができる。カバー部は、ファスナーを介して２つ
割り分割でき、手首への装着や方向を調節したり、カバ
ー部内の手の位置や状態を容易に調節できる。

【０００８】又、ヒンジ部を介してカバー部を開閉可能
に設けているので、内部の清掃や取扱いが便利である。
さらにこのカバー部は指全体を横に広げることができる
程度の大きさを有し、且つ指を関節から内方へ屈曲運動
可能な大きさの空間部を有しているので、指の動きによ
る患者の意思表示が自由で、看護者との意思疎通が確実
にできる。カバー部はプラスチック製のメッシュで構成
されているので、外部から透視でき、手の色を観察する
ことができ、また軽量で柔らかく安全であり、ファスナ
ーを閉めれば不用意に自分の手でチューブ等を抜くよう
な動作は抑制することができる。

【０００９】第２発明では、手首に止定可能な取付部を
布帛で構成し、ゴム編みその他の弾性筒状部若しくは面
ファスナーにより手首へ取付ける径を自由に調節できる
ようにしたので、手首の細い人や太い人にも適宜に確実
に取付けられる。面ファスナーを用いれば、取付けや取
外しも容易である。第３発明では、カバー部内面で手の
甲側に、硬性ウレタンパットのような緩衝材を取付けた
ので、手の甲を保護でき、カバー部内部で甲に障害の生
じることがない。又手の甲を背中にして手を休める時の
緩衝材ともなる。

【００１０】第４発明では、カバー部が、外部から手の
色や手指の動きを透視できる透明体で構成したので、手
や指の動きによる意思表示により意思の疎通が自由にで
きるようになった。第５発明では、カバー部が、軽金属
製の編目その他通気性と剛性を有する材料で構成されて
いるので、軽くて金属製でも障害にならない。通気性を
有するのでてが蒸れることなく、またある程度の剛性を
もっているので耐久性があり、手袋がひしゃげたりする
ことがないので、チューブ等の抜去を防止できる程度の
抑制が可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】本発明は基本的に布帛やその他か
らなる取付部で手首に取付けて止定され、この取付部の
先端に手を覆うカバー部が設けられている。カバー部で
は、２つ割りできるようファスナーを介して開閉自在で
あり、ヒンジ部により開口でき、手を装填し易くしてい
る。カバー部内では、指を横に広げることができる広さ
を有し、又指の関節をまげて意思の伝達を可能とする空
間部を有している。

【００１２】

【実施例】以下実施例として示した図面を説明する。図
１は本発明医療補助用手袋の側面図を示す。１は取付部
で、手首２に止定できるようメリヤス編みやその他の弾
性筒状部とした。面ファスナーにより、取付部の径を自
由に変化できるようにすることもできる。３は手を覆う
カバー部で、ファスナー４を介して２つ割り分割可能と
し、このカバー部は指全体を横に広げることができる広
さＢ（図３、図５のＢ参照）を有し且つ指を関節から内
方へ屈曲したり伸ばしたりする運動可能な大きさの空間
部Ａ（図１、図３のＡ参照）を有している。５はヒンジ
部で、布帛の取付部１と手のカバー部３とを開閉自在に
連結している。６は硬質ウレタンパットで、カバー部３
の内面で手の甲側に設けて保護するようになっている。
７は手、８は点滴のチューブを示す。

【００１３】取付部１と手を覆うカバー部３とは縫着又
は接続により一体化されており、取付部を手首に装着す
れば手指はカバー部により覆われる。カバー部の大きさ
は、手指を伸ばし、指を横に広げることができ、さらに
指を関節から曲げ動かすことができる状態である。図１
は側面図で、手を伸ばした状態を示し、図２は指を動か
した状態を示す。図３はファスナーを外して、ヒンジ部
からカバー部３の空間部Ａを開けた状態を示す。図４、
図５は指を横に広げた状態を示す。

【００１４】カバー部３はメッシュで構成される他、格
子状をして、通気性と剛性を有するように構成される。
また透明な材質で構成することにより、外部から手や指
の動きを判断でき、看護者との意思の疎通が容易であ
る。

【００１５】

【発明の効果】第１発明では、手袋の脱着が容易で、プ
ラスチック製のメッシュで構成されているので、通気性
があり、外部から手の色や状態が観察できる。また軽量
でカバー部が指を広げることができる広さを有し、且つ
空間部を有するので意思伝達が確実にでき、しかも一旦
ファスナーを閉めれば、手や指を外部に出すことができ
ず、手術後のチューブを自分で抜去するなどできないの
で、患者にとって安全で取付け易い医療補助用手袋を提
供できた。

【００１６】第２発明では、取付部が布帛で弾力性をも
っているので取付し易く、又面ファスナーを利用して手
首の径によって調節が自由になっている。第３発明で
は、手の甲側を緩衝材によって保護でき、取扱いが安全
で患者の保護になる。第４発明では、カバー部を透明な
材質を用いることにより外部からの透視をより確実にで
きる。

【００１７】第５発明では、軽量な金属の使用を可能と
し、通気性と剛性を有する材料で構成でき、耐久性がよ
り強くなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明手袋の側面図で、手を入れた場合を示す

【図２】同手袋の斜視図で、指を曲げた状態を示す

【図３】同手袋の斜視図で、開放した状態の手と腕の部
分の状態を示す

【図４】手を広げた状態の手袋の底面図

【図５】手を広げた状態の手袋の平面図

【符号の説明】

１ 取付部 ５ ヒンジ部 ２ 手首 ６ 緩衝材 ３ 手のカバー部 ７ 手 ４ ファスナー

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 手首に止定可能な取付部と、この取付部
   の先端に取付けられ、手を覆うカバー部とから成る医療
   補助用手袋であって、前記カバー部は、ファスナーを介
   して２つ割りでき、ヒンジ部を介して開閉可能に設け、
   このカバー部は指全体を横に広げることができる広さを
   有し且つ指を関節から内方へ屈曲運動可能な大きさの空
   間部を有し、プラスチック製のメッシュで構成されてい
   ることを特徴とする医療補助用手袋。
2. 【請求項２】 手首に取付け可能な取付部を布帛で構成
   し、メリヤス編みその他弾性筒状部若しくは面ファスナ
   ーにより手首への取付け径を調節できるようにしたこと
   を特徴とする請求項１記載の医療補助用手袋。
3. 【請求項３】 カバー部の内面で手の甲側に、硬質ウレ
   タンパットのような緩衝材を取付けたことを特徴とする
   請求項１記載の医療補助用手袋。
4. 【請求項４】 カバー部が、外部から手指の状態や動き
   を透視できる透明体で構成されていることを特徴とする
   請求項１記載の医療補助用手袋。
5. 【請求項５】 カバー部が、軽金属製の編目その他通気
   性と剛性を有する材料で構成されていることを特徴とす
   る請求項１記載の医療補助用手袋。