JP3006093B2 - 副室を持つ断熱エンジン - Google Patents

副室を持つ断熱エンジン

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JP3006093B2
JP3006093B2 JP2415084A JP41508490A JP3006093B2 JP 3006093 B2 JP3006093 B2 JP 3006093B2 JP 2415084 A JP2415084 A JP 2415084A JP 41508490 A JP41508490 A JP 41508490A JP 3006093 B2 JP3006093 B2 JP 3006093B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッドに副
室を持つ断熱エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃焼室を断熱構造に構成した断
熱エンジンでは、圧縮端温度は高温になり、窒素酸化物
即ちNOX の生成は大きくなる。その場合、空気と燃料
の当量比をコントロールすることによってNOX の生成
を抑制できるようになる。断熱エンジンでは、副室を設
けることによって燃焼においてNOX 、ハイドロカーボ
ンHC等の発生を抑制できることが確かめられている。
また、断熱エンジンにおいて、副室を断熱構造に構成
し、副室内に配置された燃料噴射ノズルの噴孔として多
噴孔を用い且つ該多噴孔から噴射される燃料を副室壁面
に衝突させて燃料の分散を図る構造が最適の燃焼状態を
得ることができることも分かっている。
【0003】従来、副室を断熱構造に構成した断熱エン
ジンは、例えば、特開平2−112613号公報に開示
されたものがある。該断熱エンジンは、主燃焼室に噴孔
を通じて連通した副室を形成する副室壁体を断熱材で形
成し、該副室壁体の内壁面にセラミック材料から成る薄
膜部材を配置し、且つ副室壁体の外周面に金属製保護筒
を嵌着したものである。
【0004】また、ピストン側を断熱構造に形成し且つ
燃焼室をシリンダ側に形成した断熱エンジンは、例え
ば、特開昭63−302125号公報に開示されたもの
がある。該断熱エンジンは、燃焼室側をフラットな面に
形成したセラミック材料から成る薄板を備えたピストン
ヘッド、及びシリンダ中心部が低く且つシリンダ外周部
が高い形状の主燃焼室を構成するセラミック材料から成
るヘッドライナから構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構造の燃
焼室即ち渦流室では、高温の圧縮空気の状態でも燃料の
混合と初期燃焼が一気に進み、燃焼の促進ができる上に
空燃比率が濃い側に移るため、NOX の排出が抑制され
る効果がある。しかしながら、主室での混合と燃焼の促
進を図るためには、副室から主室への噴流が主室内での
混合気生成と燃焼の促進を図らなければならない。
【0006】また、副室を設けたエンジンでは、噴孔の
面積が小さく、流入空気のフリクションが大きくなり、
エネルギーのロスが発生しエンジン性能に好ましくない
という問題がある。副室断熱の燃焼室を用いる場合に、
流入空気のフリクションを小さくするため連絡孔の通路
面積を大きくし、空気と燃料をコントロールして燃焼の
制御を行うことが好ましい。更に、主室での混合と燃焼
の促進を図るためには、副室のみでなく、主室でも断熱
構造の燃焼室を設け、副室と主室とのコンビネーション
で良好な燃焼を行い、その時、副室への燃料をリッチに
するため副室に設けた燃料噴射ノズルを多噴孔に構成し
て噴射燃料を増加させると共に、連絡孔の通路面積を大
きくし、副室から火炎と混合気とを主室へ一気に吹き出
させ、主室での火炎と混合気との燃焼を促進を行うこと
が考えられる。
【0007】また、前掲特開平2−112613号公報
に開示した断熱エンジンは、副室を断熱性に富み且つ副
室の壁面を熱ショックに優れた構造に形成すると共に、
強度を確保した副室を提供するものであり、副室を断熱
構造に構成する場合には極めて好ましい構造である。
【0008】更に、前掲特開昭63−302125号公
報に開示した断熱エンジンは、ピストンを最も有効な断
熱構造に構成するため、燃焼ガスに晒されるヘッド側を
全面にわたって平らにし、そのため、シリンダ側に燃焼
室を形成したものである。従って、燃焼室そのものは1
つの燃焼室が形成されたものである。
【0009】そこで、断熱エンジンにおいて、副室を断
熱構造に構成して空気と燃料の当量比を制御してN
X 、HCの発生を抑制すると共に、断熱構造の副室か
らの噴流が主室においても良好な混合気生成と燃焼の促
進を図るには、燃焼室を如何に構成すればよいかの課題
がある。
【0010】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、シリンダヘッド側に形成した一次燃焼室と
なる副室を断熱構造に構成し、連絡孔面積を大きくして
流入空気のフリクションを小さくし、副室に設ける燃料
噴射ノズルを多噴孔に構成して燃料と空気との当量比を
制御し、副室で燃料リッチでNOX の発生を抑制できる
一次燃焼を行わせ、ピストンヘッドに形成した二次燃焼
室となる主室でも燃焼させるため、主室を断熱構造に構
成し且つ副室から主室への通路を絞って副室から主室へ
流入する火炎と混合気とに強力な噴流を与え、該噴流で
主室内での混合気形成と燃焼の促進を図って主室で二次
燃焼を行わせ、引き続き、主室からシリンダヘッド下
面、ライナ上部壁面及びピストンヘッド上面で形成され
る三次燃焼室への通路を絞って主室から該三次燃焼室へ
の火炎と混合気に強力な噴流を与え、該噴流で三次燃焼
室内での混合気形成と燃焼の促進を図って三次燃焼室で
三次燃焼を行わせ、NOX 、HC等の発生を抑制するこ
とができる副室を持つ断熱エンジンを提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するものであり、シリンダヘッドに形成した断熱構
造の副室、該副室に配置した多噴孔を有する燃料噴射ノ
ズル、ピストンヘッドに形成した断熱構造の主室、シリ
ンダヘッド下面からシリンダ側へ突出して上死点近傍で
前記主室の開口を通じて主室内部に入出可能な前記主室
と前記副室とを連絡するセラミック製連絡筒体、該連絡
筒体の主室内部への挿入状態で前記連絡筒体の外周面と
前記主室の開口周面との間及び前記連絡筒体の下端面と
前記主室底面との間に形成される各絞り部、並びに前記
ピストンの前記頂面と前記シリンダヘッド下面との間に
形成される燃焼室、を有する副室を持つ断熱エンジンに
関する。
【0012】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記主室は前記開口を半径方向内向きに絞った形状
に形成され且つほゞ平らに形成された底面に向かって漸
次に断面積が大きくなるテーパ状内壁面を有し、更に上
死点で前記連絡筒体の下端面は前記主室の前記底面にほ
ゞ接触状態にまで近接してクリアランスを形成したもの
である。
【0013】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記主室を形成した前記ピストンはピストンヘッド
とピストンスカートとを有し、前記ピストンヘッドは外
側筒状ヘッド本体、該ヘッド本体内に配置され且つ前記
主室を形成するための穴部を形成した断熱材から成るコ
ア部材及び該コア部材の上面を覆って周囲部を前記ヘッ
ド本体の上部に接合され且つ前記主室の前記開口を形成
するための孔部を形成した耐熱性のセラミック材料から
成る薄板体を有するものである。
【0014】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記連絡筒体は、前記副室を形成するセラミック材
料から成る副室壁体と一体構造に形成され且つ前記副室
から前記主室側に向かって漸次に断面積が小さくなる絞
り形状に形成されている。
【0015】更に、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記主室から前記連絡筒体を通って前記副室に流入
する流入空気は前記副室内でスワールを発生するよう
に、前記主室に連通する前記連絡筒体の下端開口と前記
副室に連通する上端開口とは曲がり通路で連通し、前記
上端開口は前記副室の中心からオフセットされているも
のである。
【0016】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記連絡筒体で形成される連絡通路は、該連絡通路
を通じて流入する流入空気が前記副室内でスワールを形
成するため前記副室を形成する副室壁面に対して接線方
向に形成され、前記副室に配置された前記燃料噴射ノズ
ルは前記副室の中心部に前記多噴孔を開口しているもの
である。
【0017】
【作用】この発明による副室を持つ断熱エンジンは、上
記のように構成されており、次のように作用する。即
ち、この副室を持つ断熱エンジンは、多噴孔を有する燃
料噴射ノズルを配置した断熱構造の副室、ピストンに形
成した断熱構造の主室、シリンダヘッド下面からシリン
ダ側へ突出して上死点で前記主室の内部に挿入状態にな
るセラミック製連絡筒体、及び上死点でピストンヘッド
上面とシリンダヘッド下面との間に形成される三次燃焼
室を有するので、前記副室で空燃比率を燃料リッチな状
態で一次燃焼を行わせ、副室から主室への強力な噴流で
火炎と空気との混合を促進して二次燃焼を行わせ、更に
主室から三次燃焼室への強力な噴流で火炎と空気との混
合を促進して三次燃焼を行わせ、NOX 、HC等の生成
を抑制した燃焼を行わせることができる。
【0018】即ち、副室と主室との連絡通路を絞って副
室から主室への火炎と混合気との強力な噴流を形成し、
この時、主室と三次燃焼室とは絞り部で殆ど閉鎖状態に
なっているので、該噴流を前記主室に溜まった空気と接
触させて前記主室で混合を促進して一気に二次燃焼を行
わせ、更に、ピストン下降運動によって生じる逆スキッ
シュによって火炎と混合気をピストンのスキッシュエリ
アに拡散させ、燃焼を極めて短時間で進行させる。更
に、主室と三次燃焼室との連絡通路を絞って主室から三
次燃焼室への逆スキッシュ流を強力な噴流に形成し、ピ
ストン下降運動に応じて前記主室から前記三次燃焼室に
逆スキッシュで火炎と混合気とを噴き出して前記三次燃
焼室に溜まった空気と接触させて混合を促進して三次燃
焼をさせ、燃焼を完結し、最もNOX 、HC等の発生を
抑制した燃焼を行わせる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による副室
を持つ断熱エンジンの実施例を説明する。図1はこの発
明による副室を持つ断熱エンジンの一実施例を示す概略
断面図、図2は図1の断熱エンジンの圧縮行程端付近の
状態を示す燃焼室部分の拡大説明図、図3は図1の断熱
エンジンの圧縮行程上死点付近の状態を示す燃焼室部分
の拡大説明図、図4は図1の断熱エンジンの膨張行程始
めの状態を示す燃焼室部分の拡大説明図、図5は図1の
断熱エンジンのピストンヘッドの薄板体を示す斜視図、
図6は図1の断熱エンジンのピストンヘッドのコア部材
を示す斜視図、及び図7は図1の断熱エンジンのピスト
ンヘッドのヘッド本体を示す斜視図である。
【0020】図1に示すように、この副室を持つ断熱エ
ンジンは、シリンダブロック13、該シリンダブロック
13に固定されたシリンダヘッド1、該シリンダヘッド
1に形成した穴部18に嵌合したヘッドライナ15、シ
リンダブロック13に形成した孔部46に嵌合したシリ
ンダ8の下部を構成するシリンダライナ14、及びシリ
ンダ8内を往復運動するピストン5を有する。シリンダ
ヘッド1には吸気ポート(図示せず)及び断熱構造の排
気ポート16が形成され、該吸排気ポートには吸排気バ
ルブが配置されている。ヘッドライナ15は、窒化珪素
(Si3 4 )、炭化珪素(SiC)等のセラミック材
料によってシリンダヘッド下面部22とライナ上部23
とを一体構造に構成したものである。
【0021】特に、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、シリンダヘッド1に形成された穴部19には、断熱
構造の副室2を形成するセラミック材料から成る副室壁
体20が配置されている。副室壁体20は、耐熱性に富
んだ窒化珪素、炭化珪素等のセラミック材料、及びチタ
ン酸アルミニウム等の低熱伝導材料から成る断熱材で断
熱構造に製作されている。また、ピストン5のピストン
ヘッド21には、主室7を構成する凹み部が形成されて
いる。副室2と主室7とは、副室壁体20と一体構造の
連絡筒体9によって連通している。連絡筒体9は、耐熱
性に富んだ窒化珪素、炭化珪素等のセラミック材料で製
作され、好ましくは副室壁体20と一体構造に構成され
ている。更に、この副室を持つ断熱エンジンおいて、副
室2には燃料噴射ノズル3が配置され、ピストン5に形
成した主室7は、ピストン5の頂面即ちピストンヘッド
上面11に開口6を有している。特に、連絡筒体9は、
副室2をシリンダ8側に開口し且つシリンダヘッド下面
12からシリンダ8側へ突出して上死点で主室7の開口
6を通じて主室内部に挿入状態になるように構成されて
いる。また、ピストン上死点でピストンヘッド上面1
1、シリンダヘッド下面12及びライナ上部壁面47と
で形成されるスペースは、三次燃焼室10に形成され
る。燃料噴射ノズル3は、多噴孔4を有しており、該多
噴孔4から噴射される燃料は副室壁体20の壁面衝突に
よって分散され、空気と良好な混合を達成する。
【0022】この副室を持つ断熱エンジンにおいて、特
に、図2、図3及び図4に示すように、主室7は、開口
6を半径方向内向きに絞った形状に形成され且つほゞ平
らに形成された底面27に向かって漸次に断面積が大き
くなるテーパ状内壁面28を有している。連絡筒体9を
主室7に挿入した状態で、ピストンヘッド21の開口6
を形成する周面29と連絡筒体9の外周面30とで形成
される隙間は絞り部31に形成され、更に上死点で連絡
筒体9の下端面45は底面27にほゞ接触状態にまで近
接してクリアランス32を形成している。従って、主室
7の底面27付近では主室7の径が大きくなり、ピスト
ンヘッド21の開口6付近では主室7の径が小さくなっ
てリエントラント型の燃焼室を構成することになる。
【0023】更に、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、ピストン5は、ピストンヘッド21と該ピストンヘ
ッド21に固定したピストンスカート33とを有してい
る。ピストンヘッド21には、断熱構造の主室7が形成
されている。ピストンヘッド21に形成した主室7の断
熱構造は、ピストンスカート33への取付部34を備え
且つ穴部49を備えたヘッド本体26(図7参照)、該
ヘッド本体26の穴部49に配置され且つ主室用穴部3
5を形成した断熱材から成るコア部材25(図6参
照)、コア部材25の主室用穴部35に嵌合した主室7
を形成する壁体36(図6参照)、及び該コア部材25
の上面に覆って周囲部をヘッド本体26の上部37に接
合され且つ主室7の開口6を形成する孔部48を形成し
た薄板体24(図5参照)から構成されている。図で
は、コア部材25と主室7を形成する壁体36とは別体
で構成されているが、場合によっては、コア部材25で
主室7を形成する壁体を兼用するように構成してもよ
い。ヘッド本体26は、耐熱性に富み且つ高強度の窒化
珪素、炭化珪素等のセラミック材料から製作されてい
る。コア部材25は、チタン酸アルミニウム、セラミッ
クファイバー等の低熱伝導材料であるセラミック材料か
ら成る断熱材から製作されている。更に、主室7を形成
する壁体36及び薄板体24は、耐熱性に富んだ窒化珪
素、炭化珪素等のセラミック材料で製作されている。
【0024】次に、図8を参照して、この発明による副
室を持つ断熱エンジンの別の実施例を説明する。この副
室を持つ断熱エンジンは、上記実施例と比較して連絡筒
体9の形状が相違する以外は同一の構造を有するので、
同一の部品には同一の符号を付して重複する説明を省略
する。この副室を持つ断熱エンジンにおいて、連絡筒体
9は、副室2を形成するセラミック材料から成る副室壁
体20と一体構造に形成され、且つ副室2から下端部3
8に向かって漸次に断面積が小さくなる絞り形状に形成
されている。連絡筒体9で形成される連絡通路を絞るこ
とによって、副室2から主室7に流出する火炎と混合気
は、爆発圧力による噴流即ち火炎流出速度が上昇され、
一気に主室7へ噴出することができ、該噴流と主室7に
存在する新気との混合が充分に促進される。更に、副室
2の連絡筒体9の下端開口39は、ピストン5の上死点
付近で主室7との連絡が殆ど絶たれ、即ち、主室7への
連絡通路がほゞ閉鎖状態になり、主室7での燃焼領域は
火炎噴流の噴出する底部付近で外径が大きくなるリエン
トラント型の燃焼室を形成することになる。
【0025】次に、図9及び図10を参照して、この発
明による副室を持つ断熱エンジンの更に別の実施例を説
明する。この実施例の副室を持つ断熱エンジンは、図8
に示す上記実施例において、連絡筒体9の形状を曲がり
通路41に形成したものである。そこで、この実施例の
部品に付す符号は、図8に示す上記実施例の部品に付し
た符号と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
この副室を持つ断熱エンジンにおいて、主室7から連絡
筒体6を通って副室2に流入する流入空気は、副室2内
でスワールを発生するように、主室7に連通する連絡筒
体6の下端開口39と副室2に連通する上端開口40と
は曲線状に伸びる曲がり通路41で連通し、上端開口4
0は副室2の中心からオフセットされている。このよう
に連絡筒体9を曲がり通路41に形成し、上端開口40
を副室中心からオフセットすると、主室7から副室2へ
の流入空気が副室2内で旋回運動し、主室7から副室2
への流入空気が旋回流を創生すると共に、副室2での爆
発圧力による火炎と混合気との噴流が一気に副室2から
主室7に流出し、該噴流は主室7に存在する新気との混
合が促進され、燃焼を短時間で進行する。
【0026】或いは、図示していないが、上記のよう
に、連絡筒体6を曲がり通路41に形成して下端開口3
9と上端開口40とをオフセットし、下端開口39を上
端開口40より絞る構造に構成することもできる。曲が
り通路を絞ることによって、主室7から副室2への流入
空気が旋回流を創生すると共に、図8に示す連絡筒体9
と同様に副室2から主室7への噴流を強力にすることが
できる。
【0027】次に、図11を参照して、この発明による
副室を持つ断熱エンジンの他の実施例を説明する。この
実施例の副室を持つ断熱エンジンは、図1に示す上記実
施例と比較して副室2及び連絡筒体9の形状が相違する
以外は同一の構造を有するので、同一の部品には同一の
符号を付して重複する説明を省略する。この副室を持つ
断熱エンジンにおいて、連絡筒体6で形成される連絡通
路42は、連絡通路42を通じて流入する流入空気が副
室2内でスワールを形成するため、副室2を形成する副
室壁体20の内壁面43に対して接線方向に形成され、
副室2に配置された燃料噴射ノズル3はシリンダヘッド
下面即ちヘッドライナ15のシリンダヘッド下面部22
に平行に且つ副室2の中心部に多噴孔4を開口してい
る。連絡筒体6で形成される連絡通路42の面積は、ピ
ストン5との面積比で5%前後であり、連絡筒体6の下
端開口39は主室7の底部27に近接している。このよ
うに副室2を構成することによって、連絡筒体9が主室
7内へ入り込むと同時に、連絡通路42はほゞ四角形の
副室2内で旋回流を発生させ、副室2の中央部に位置し
た多噴孔4から噴射された燃料との混合が促進される。
この時、副室2内でスワールを発生させて空気を流動さ
せても、副室2自体は断熱構造に構成されているので、
シリンダヘッド1から外部へ放出される熱エネルギーは
殆どなく、冷却損失は増加しない。次いで、副室2から
主室7への噴流は、主室7内に溜まった空気と接触して
一気に燃焼し、更に、ピストン5の下降運動によって生
じる逆スキッシュによってピストン5のスキッシュエリ
アに拡散し、燃焼が極めて短時間に完全に進行する。
【0028】
【発明の効果】この発明による副室を持つ断熱エンジン
は、上記のように構成されており、次のような効果を有
する。即ち、この副室を持つ断熱エンジンは、断熱構造
の副室に多噴孔を有する燃料噴射ノズルを配置し、断熱
構造の主室をピストンヘッドに形成し、前記副室と前記
主室とのセラミック製連絡筒体をシリンダヘッド下面か
らシリンダ側へ突出して上死点で前記主室の前記開口を
通じて主室内部に挿入状態し、該連絡筒体が主室内部に
挿入した状態で前記連絡筒体の外周面と前記主室の開口
周面との間に絞り部が形成されるように構成したので、
前記副室は一次燃焼室となり、前記主室は二次燃焼室と
なり、また、シリンダヘッド下面、ライナ上部壁面及び
ピストンヘッド上面で形成される部分は三次燃焼室にな
る。しかも、前記副室と前記主室とを連通する連絡孔面
積を大きくして流入空気のフリクションを小さくし、副
室に設ける燃料噴射ノズルを多噴孔に構成して燃料と空
気との当量比を制御することで、前記副室で燃料リッチ
でNOX の発生を抑制した一次燃焼を行わせることがで
きる。
【0029】特に、前記連絡筒体が前記主室内部に挿入
した状態で前記連絡筒体の外周面と前記主室の開口周面
との間に絞り部を形成すると共に、前記連絡筒体の下端
面と前記主室の底面との間に絞り部を形成することで、
前記副室からの火炎と混合気とに強力な噴流を与え、前
記主室と前記三次燃焼室とは殆ど閉鎖された状態になる
ので、該噴流で主室内に存在する新気と良好な混合気形
成を行い、燃焼の促進を図って前記主室で二次燃焼を行
わせることができる。引き続き、前記主室から前記三次
燃焼室への通路即ち上記絞り部を通ることで前記主室か
ら前記三次燃焼室への火炎と混合気に強力な噴流を与
え、該噴流で三次燃焼室内に存在する新気と良好な混合
気形成を行って燃焼の促進を図って三次燃焼を行わせ
る。従って、燃焼サイクルを通じてNOX 、HC等の発
生を抑制する燃焼を行わせることができる
【0030】この副室を持つ断熱エンジンにおいて、前
記主室は前記開口を半径方向内向きに絞った形状に形成
され且つほゞ平らに形成された底面に向かって漸次に断
面積が大きくなるテーパ状内壁面を有し、更に上死点で
前記連絡筒体の下端面は前記主室の前記底面にほゞ接触
状態にまで近接してクリアランスを形成したので、前記
主室の燃焼室はリエントタント型の好ましい燃焼室を形
成することができ、前記副室からの噴流は前記主室の燃
焼領域で火炎と混合気とは新気と良好な混合が行われ
る。即ち、該噴流を前記主室に溜まった空気と接触させ
て前記主室で混合を促進して一気に二次燃焼を行わせ、
更に、ピストン下降運動によって生じる逆スキッシュに
よって火炎と混合気をピストンのスキッシュエリアに拡
散させ、燃焼を極めて短時間で進行させる。しかも、前
記主室と前記三次燃焼室との連絡通路を絞ることにな
り、前記主室から前記三次燃焼室への逆スキッシュ流を
強力な噴流に形成し、ピストン下降運動に応じて前記主
室から前記三次燃焼室に逆スキッシュで火炎と混合気と
を噴き出して前記三次燃焼室に溜まった新気と接触させ
て混合を促進して三次燃焼をさせ、燃焼を完結し、全体
として最もNOX 、HC等の発生を抑制した燃焼を行わ
せる。
【0031】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記主室を形成した前記ピストンはピストンヘッド
とピストンスカートとを有し、前記ピストンヘッドは外
側筒状ヘッド本体、該ヘッド本体内に配置され且つ前記
主室を形成するための穴部を形成した断熱材から成るコ
ア部材及び該コア部材の上面を覆って周囲部を前記ヘッ
ド本体の上部に接合され且つ前記主室の前記開口を形成
するための孔部を形成した耐熱性のセラミック材料から
成る薄板体を有するので、前記主室を好ましい断熱構造
に構成できる。
【0032】更に、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記連絡筒体は、前記副室を形成するセラミック材
料から成る副室壁体と一体構造に形成され且つ前記副室
から前記主室側に向かって漸次に断面積が小さくなる絞
り形状に形成されているので、前記副室から前記主室へ
吹き出される火炎と混合気とを強力な噴流即ち流出速度
を上昇させることができる。
【0033】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記主室に連通する前記連絡筒体の下端開口と前記
副室に連通する上端開口とは曲がり通路で連通し、前記
上端開口は前記副室の中心からオフセットされているの
で、前記主室から前記連絡筒体を通って前記副室に流入
する流入空気は前記副室内でスワールを発生させること
ができ、流入空気と燃料との良好な旋回流を形成するこ
とができる。
【0034】また、この副室を持つ断熱エンジンにおい
て、前記連絡筒体で形成される連絡通路は、該連絡通路
を通じて流入する流入空気が前記副室内でスワールを形
成するため前記副室を形成する副室壁面に対して接線方
向に形成され、前記副室に配置された前記燃料噴射ノズ
ルは前記副室の中心部に前記多噴孔を開口しているの
で、前記主室から流入する流入空気は前記副室内で強力
なスワールを発生させることができ、且つ前記多噴孔か
ら噴射された多量の燃料と混合され、燃料リッチな混合
気を生成し、前記副室でNOX の発生を抑制した一次燃
焼を行わせることができる。
【0035】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による副室を持つ断熱エンジンの一実
施例を示す断面図である。
【図2】図1の断熱エンジンの圧縮行程端付近の状態を
示す燃焼室部分の拡大説明図である。
【図3】図1の断熱エンジンの圧縮行程上死点付近の状
態を示す燃焼室部分の拡大説明図である。
【図4】図1の断熱エンジンの膨張行程始めの状態を示
す燃焼室部分の拡大説明図である。
【図5】図1の断熱エンジンのピストンヘッドの薄板体
を示す斜視図である。
【図6】図1の断熱エンジンのピストンヘッドのコア部
材を示す斜視図である。
【図7】図1の断熱エンジンのピストンヘッドのヘッド
本体を示す斜視図である。
【図8】この発明による副室を持つ断熱エンジンの別の
実施例を示す断面図である。
【図9】この発明による副室を持つ断熱エンジンにおけ
る副室と連絡筒体の更に別の実施例を示す概略平面図で
ある。
【図10】図9の連絡通路部分を通る面における断面図
である。
【図11】この発明による副室を持つ断熱エンジンの他
の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 副室 3 燃料噴射ノズル 4 多噴孔 5 ピストン 6 開口 7 主室 8 シリンダ 9 連絡筒体 10 シリンダ燃焼室 11 頂面 12 シリンダヘッド下面 20 副室壁体 21 ピストンヘッド 24 薄板体 25 コア部材 26 ヘッド本体 27 底面 28 テーパ側面 29 開口周囲 30 連絡筒体の外周面 31 絞り部 32 クリアランス(絞り部) 36 開口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02B 19/14 F02B 19/14 D 19/18 19/18 A (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 19/14 - 19/18 F02B 19/08 - 19/10 F02B 23/06 F02B 19/00 F02B 23/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成した断熱構造の副
    室、該副室に配置した多噴孔を有する燃料噴射ノズル、
    ピストンヘッドに形成した断熱構造の主室、シリンダヘ
    ッド下面からシリンダ側へ突出して上死点近傍で前記主
    室の開口を通じて主室内部に入出可能な前記主室と前記
    副室とを連絡するセラミック製連絡筒体、該連絡筒体の
    主室内部への挿入状態で前記連絡筒体の外周面と前記主
    室の開口周面との間及び前記連絡筒体の下端面と前記主
    室底面との間に形成される各絞り部、並びに前記ピスト
    ンの前記頂面と前記シリンダヘッド下面との間に形成さ
    れる燃焼室、を有する副室を持つ断熱エンジン。
  2. 【請求項2】 前記主室は前記開口を半径方向内向きに
    絞った形状に形成され且つほゞ平らに形成された底面に
    向かって漸次に断面積が大きくなるテーパ状内壁面を有
    し、更に上死点で前記連絡筒体の下端面は前記主室の前
    記底面にほゞ接触状態にまで近接して絞り部を形成する
    請求項1に記載の副室を持つ断熱エンジン。
  3. 【請求項3】 前記主室を形成した前記ピストンはピス
    トンヘッドとピストンスカートとを有し、前記ピストン
    ヘッドは外側筒状ヘッド本体、該ヘッド本体内に配置さ
    れ且つ前記主室を形成するための穴部を形成した断熱材
    から成るコア部材及び該コア部材の上面を覆って周囲部
    を前記ヘッド本体の上部に接合され且つ前記主室の前記
    開口を形成するための孔部を形成した耐熱性のセラミッ
    ク材料から成る薄板体を有する請求項2に記載の副室を
    持つ断熱エンジン。
  4. 【請求項4】 前記連絡筒体は、前記副室を形成するセ
    ラミック材料から成る副室壁体と一体構造に形成され且
    つ前記副室から前記主室側に向かって漸次に断面積が小
    さくなる絞り形状に形成されている請求項1に記載の副
    室を持つ断熱エンジン。
  5. 【請求項5】 前記主室から前記連絡筒体を通って前記
    副室に流入する流入空気は前記副室内でスワールを発生
    するように、前記主室に連通する前記連絡筒体の下端開
    口と前記副室に連通する上端開口とは曲がり通路で連通
    し、前記上端開口は前記副室の中心からオフセットされ
    ている請求項1に記載の副室を持つ断熱エンジン。
  6. 【請求項6】 前記連絡筒体で形成される連絡通路は、
    該連絡通路を通じて流入する流入空気が前記副室内でス
    ワールを形成するため前記副室を形成する副室壁面に対
    して接線方向に形成され、前記副室に配置された前記燃
    料噴射ノズルは前記副室の中心部に前記多噴孔を開口し
    ている請求項1に記載の副室を持つ断熱エンジン。
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