JP3005663B2 - 数値制御工作機械における異常回避制御方法 - Google Patents

数値制御工作機械における異常回避制御方法

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JP3005663B2
JP3005663B2 JP3103825A JP10382591A JP3005663B2 JP 3005663 B2 JP3005663 B2 JP 3005663B2 JP 3103825 A JP3103825 A JP 3103825A JP 10382591 A JP10382591 A JP 10382591A JP 3005663 B2 JP3005663 B2 JP 3005663B2
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永吉 笠島
俊明 山根
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はNC旋盤やNC研削盤
等の数値制御工作機械におけるる異常回避制御方法に関
するものである。
【0002】
【産業上の利用分野】NC旋盤やNC研削盤等の数値制
御工作機械において工作物の加工中に異常振動発生や、
工具損傷、加工誤差等の異常が発生することがある。こ
のような数値制御工作機械の異常が発生した場合には、
その対策として従来のシステムでは工具の回転数や送り
速度等の速度パラメ―タをオ―バライドで調整して制御
する方法がある。
【0003】また、その他の異常現象を回避する方法と
しては工具の経路を変えることが有効であるが、工具の
経路を変えるためにはプログラムの変更が必要である。
この場合には従来は一旦機械を停止させ熟練の技術者が
異常の発生の再発を防ぐ加工条件を決定し、プログラム
を修正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの場合は異常
発生の都度機械を止める必要があり、機械の稼働率を低
下させるとともに、異常の回復も手間と時間のかかる作
業であった。このようなことから数値制御工作機械に異
常が発生した場合に、その回復を容易に実現することが
できる技術の開発が望まれている。この発明は上記のご
とき事情に鑑みてなされたものであって、数値制御工作
機械における加工中に異常が発生した場合に迅速にその
回復をすることができる方法を提供することを目的とす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的に対応して、こ
の発明の数値制御工作機械における異常回避制御方法
は、数値制御工作機械の機械加工中に複数種類のセンサ
ーデータによる監視を行い、上記監視により検出さ
前記センサーデータから異常原因同定対策決定部にお
いて異常発生の原因を同定し、該同定された原因の基
づいて、前記異常原因同定対策決定部で、予め設定され
ている通常の加工条件と異なる加工条件によって加工を
行う緊急処理対策を決定し、前記緊急処理対策の実行命
令が前記異常原因同定対策決定部から加工中の数値制御
工作機械に送出され、前記緊急処理にしたがって加工を
行い、一方、前記同定された原因に基づいて、前記異常
が再発生しない加工条件を決定し、かつ数値制御プログ
ラム修正部に修正プログラム作成の指令が送出され、前
数値制御プログラム修正部は前記の指令に基づいて加
工条件を修正した数値制御プログラムを作成し、前記修
正された数値プログラムが前記数値制御工作機械に入力
し、前記数値制御工作機械は、前記緊急処理にしたがっ
た加工を終えてから、次に、前記修正された数値プログ
ラムに従って加工を行うことを特徴としている。
【0006】
【作用】機械加工中に異常振動の発生や工具の損傷や、
加工誤差の発生等の異常が発生するとその異常信号は工
作機械を監視しているセンサーによって検出されて異常
原因同定対策決定部に送られる。異常原因同定対策決定
部においてはセンサーデータから異常発生の原因の同定
が行われる。この同定に基づいて、異常原因同定対策決
定部において緊急処理対策が決定され、緊急処理の実行
命令が数値制御工作機械に指令され、予め設定されてい
る範囲で通常の加工条件と異なる緊急処理の加工条件に
よって加工を行う。一方、上記同定に基づいて、数値制
御プログラム修正部は、数値制御プログラムを修正し加
工条件を修正した数値制御プログラムを作成し、数値制
御工作機械に入力する。数値制御工作機械は、前記緊急
処理にしたがった加工を終えてから、次に、前記修正さ
れた数値プログラムに従って加工を行う。
【0007】
【実施例】以下、この発明の詳細を一実施例を示す図面
について説明する。
【0008】図1にはこの発明の数値制御工作機械にお
ける異常回避制御方法で使用する異常回避制御装置1が
示されている。すなわち異常回避制御装置1は数値制御
工作機械2、数値プログラム修正部3、多元情報計測処
理装置4及び異常原因同定対策決定部5を備えている。
数値制御工作機械2は数値制御部6と加工部7を備えて
いる。このような数値制御工作機械としては日立精機社
製のマシニングセンタVK55や安川電機社製のNC装置YA
NACI-80Mを使用することができる。
【0009】多元情報計測処理装置4は計測部8と処理部
11を備えている。計測部8は複数種類のセンサを備え
ている。そのようなセンサしては力を検出する力セン
サ、振動を検出る振動センサ、音響を検出する音響セ
ンサ、画像を検出る画像センサ等がある。11は各種
のセンサのデータを融合処理し、異常発生の予知または
検出、発生異常の予想または発生異常の種類、競模を同
定するものである。このような計測部8や処理部11と
しては、キスラー社製の切削抵抗計測器、BK社製の加
速度センサ、SONY社製の画像処理装置、NEC社製
またはIBM社製のパーソナルコンピュータ及びその他
の市販の計算加速ボード、通信ボードGPIB,R232C,I
/O信号用で構成する。異常原因同定対策決定部5は多
元情報計測処理装置4からの情報に基づいて異常の原因
を同定し、緊急処理動作を決定し、異常が発生せず、か
つ最高効率の工具経路を決定し、修正プログラムの作成
プログラム修正部3に指示するものである。このよう
な異常原因同定対策決定部5としては安川電機社製のリ
アルタイムAIコントローラRTPSの複数台を使用すること
ができる。
【0010】数値プログラム修正部3は異常原因同定対
策決定部5からの指示にしたがって数値制御プログラム
を作成し数値制御工作機2の数値制御部6に送出するも
のである。このような数値プログラム修正部3としては
NEC 社製のワ―クステ―ションEWS4800 を使用すること
ができる。
【0011】次にこのように構成された異常回避制御装
置1を使用してこの発明の数値制御工作機械における異
常回避制御方法の作用を説明する。数値制御工作機械2
の加工部7を多元情報計測処理装置4の計測部8を使用
して機械加工中に複数種類のセンサーデータによる監視
を行う。多元情報計測処理装置4は図2に示す手順で、
現在実行中の加工条件の受信、複数種類のセンサの計測
値読み込み、加工条件を基に計測値を融合処理、異常の
予知または検出、異常種類送信、検知した異常の種類
大きさの送信を行う。
【0012】異常原因同定対策決定部5は多元情報計測
処理装置4からの送信に基づいて図3に示す手順で現在
実行中の加工条件の受信、異常の予知または検知、緊急
処理動作の決定、数値制御工作機2に緊急処理動作指令
を送信、数値制御プログラムの修正項目の決定、数値制
御プログラム修正部に修正指令、修正項目の送信を行
う。数値プログラム修正部3は異常原因同定対策決定部
5からの修正指令修正項目の送信を受けて図4に示す手
順で、現在実行中の加工条件を送信、実行中の加工条件
の記憶、数値プログラムの修正指令及び修正項目デ―タ
の受信、数値プログラム作成開始、修正数値プログラム
を数値制御工作機2の数値制御部6に送出を行う。
【0013】数値制御工作機械2は、数値制御部6の制
御によって、図5に示す手順で、通常加工指令に従い緊
急処理(主軸回転数変更、送り速度変更、工具退避その
他の処理)の受信を行い、緊急処理の指令があった後は
その緊急処理指令に従って加工を行うとともに、修正数
値制御プログラムの受信を行う。緊急処理指令に従って
加工を行い終えてから、修正数値制御プログラムを受領
している場合は、修正数値プログラムによって加工を続
行し、加工を終了する。
【0014】次に以上のこの発明の異常回避制御方法を
実施する例について説明する。説明の便宜上、この発明
の数値制御工作機械における異常回避制御方法の動作を
最も単純な一例を示す図6について概説する。たとえば
図2には30mm×15mmのワ一ク12から10mm×15
mmのブロック13(図6a)を加工しようとする場合の
加工中に発生した異常に対する緊急対策処置及び再発防
止を考慮した修正された数値制御プログラムによる工具
経路によって如工を続行する場合の例が示されている。
まず、送り速度120mm/min、主軸の回転数500rp
m、切り込み量5mmの切削経路の数値プログラムを作成
して加工を開始する(図6b)。第1回目の切り込み時
には異常は発生しないと仮定する(図6c)。第2回目
の切り込み時に異常振動が発生したとする(図6d)。
この異常信号が多元情報計測処理装置4によって検出さ
れ、異常の種類や規模が同定される。そして、異常原因
同定対策決定部5で緊急処理動作が決定され、緊急処理
のための通常の加工条件とは異なった適切な工具経路や
切削条件が決定される。次にとりあえず異常を回避する
ために緊急処理として送り速度と主軸回転数がオーバー
ライドされ加工が続行される(図6e)。その間に数値
プログラム修正部3では異常原因同定対策決定部5から
修正指令を受取り、数値制御プログラムの自動再作成が
開始する。すなわち送り速度150mm/min、主軸回
転数700rpm、そして切り込み量2.5mmの切削
経路の数値の制御プログラムが作成されて数値制御工作
機械2の数値制御部6に送出される(図6f)。上記緊
急処理としての加工が終了後、新たな工具経路で加工が
再開される(図6g)。最後に異常が発生せず、加工が
終了する(図6h)。
【0015】
【発明の効果】この発明の異常回避制御方法では、数値
制御工作機械における加工中に異常が発生した場合に、
緊急処理によって暫定的に異常を回避しておいて、その
間に異常の再発を防止する数値制御プログラムを作成し
て、この修正数値制御プログラムによって数値制御機械
を制御するので異常の回復をインラインで迅速にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】数値制御工作機械制御方の手法を示ブロック図
である。
【図2】多元情報計測処理装置の動作を示す流れ図であ
る。
【図3】異常原因同定対策決定部の動作を示す流れ図で
ある。
【図4】数値プログラム修正部の動作を示す流れ図であ
る。
【図5】数値制御工作機械の動作を示す流れ図である。
【図6】この発明の制御方法による加工の一例を示す工
程図である。
【符号の説明】
1 トラブル回避制御装置 2 数値制御工作機械 3 数値プログラム修正部 4 多元情報計測処理装置 5 異常原因同定対策決定部 6 数値制御部 7 加工部 8 計測部 11 処理部 12 ワ―ク 13 ブロック
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−243242(JP,A) 特開 昭63−24303(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値制御工作機械の機械加工中に複数種
    類のセンサーデータによる監視を行い、 上記監視により検出さた前記センサーデータから
    常原因同定対策決定部において異常発生の原因を同定
    し、 該同定された原因の基づいて、前記異常原因同定対策決
    定部で、 予め設定されている通常の加工条件と異なる加
    工条件によって加工を行う緊急処理対策を決定し、 前記緊急処理対策の実行命令が前記異常原因同定対策決
    定部から加工中の数値制御工作機械に送出され、前記緊
    急処理にしたがって加工を行い、 一方、前記同定された原因に基づいて、前記異常が再発
    生しない加工条件を決定し、 かつ数値制御プログラム修
    正部に修正プログラム作成の指令が送出され 前記 数値制御プログラム修正部は前記の指令に基づいて
    加工条件を修正した数値制御プログラムを作成し、前記
    修正された数値プログラムが前記数値制御工作機械に入
    力し、 前記数値制御工作機械は、前記緊急処理にしたがった加
    工を終えてから、次に、 前記修正された数値プログラム
    に従って加工を行うことを特徴とする数値制御工作機械
    における異常回避制御方法。
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