JP3004485U - マンホールの工事用仮蓋の支持体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 マンホールに人が入らないで設置できるマン
ホールの工事用仮蓋を得る。 【構成】 はり１に２つのスライダ２を摺動自在に取り
付ける。各スライダには、ハの字形に開く２本のアーム
３をピン５でそれぞれ取り付ける。２つのスライダの間
には、拡縮装置１１を設ける。拡縮装置は両スライダを
左右一対のＶ字形リンク１２で結合する。一方のＶ字形
リンクの中央ピン１３ａにねじ棒１６を回転自在に支持
する。他方のＶ字リンクの中央ピン１３ｂにねじ棒１６
を螺合する。ねじ棒１６をマンホール上から回すため
に、ピン１７を立て、このピンのまわりに回転できるよ
うクランクアーム２０を取り付ける。ねじ棒１６の頭部
に、Ｕピース２１を形成する。はり１をマンホールのス
テップ３５に保持させるために、フック２５を取り付け
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、マンホール内に工事用仮蓋を設けるための支持体に関する。

【０００２】

【従来の技術】

マンホール設置後、地盤の隆起や沈降によって、マンホール蓋と周囲の路面と の間に段差ができることがある。この段差を解消するためマンホール首部を手直 しするとき、なんの手当もしないと、コンクリートの破砕屑がマンホール内に落 下する。通信または送電ケーブル用マンホールの場合、落ちたコンクリート屑が ケーブルを傷めるおそれがある。

【０００３】 そこで従来は、マンホールの底から脚を立てて台を組み立て、落ちてくるコン クリートの破片をこの台で受け止めてケーブルを保護するようにしていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、マンホール内にこのような台を作るには、マンホール内に作業員が入 らなければなず、そのためには、換気、酸素濃度の測定、溜まり水の排水など面 倒な作業が欠かせない。 この考案は、マンホールに人が入らないで設置できる、工事用仮蓋の支持体を 提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案によるマンホールの作業用中蓋の支持体は、はりの一端に、マンホー ルの内壁付きのステップに係合して該はりを水平に保持するフックを取り付ける 。はりに２つのスライダを摺動自在に支持し、各スライダから外に向って延び、 先端がマンホール内壁に当接する複数本のアームを取り付ける。そして、これら スライダの間隔を縮めたり押し拡げたりする拡縮装置を設ける。

【０００６】

【作用】

フックをステップに掛けてはりを水平に保持し、次いで両スライダの間隔を押 し拡ろげて、アームの先をマンホールの壁に押し当てて突っ張るようにマンホー ルに支持する。

【０００７】

【実施例】

マンホールＡは図１に示すように、箱形の本体部３０の上に円筒形の首部３１ が形成され、その上に受け枠３２があり、これに蓋３３を載せるようになってい る。符号３５はステップ、符号３６は通信ケーブルである。この考案は、ステッ プ３５を利用してマンホールの首部３１に支持体Ｂを固定し、その上に工事用仮 蓋Ｃを載せようになっている。

【０００８】 まず、支持体Ｂを図面２、図３に基づいて説明する。角形断面のはり１に２つ のスライダ２を摺動自在に取り付ける。各スライダ２には、ハの字形に開く２本 のアーム３をピン５でそれぞれ取り付ける。アーム３の先にはマンホール内壁に 当接する当たり板６を左右に回動自在に取り付け、当たり板にはすべり止めのゴ ム板６ａを張る。

【０００９】 各アーム３は入れ子式になっていて伸縮でき、何段階かに長さを変えることが できる。符号７は止めねじである。はり１の片端も、同様に伸縮式になっている 。各アーム７には、吊り下げ用のロープ１０を結ぶためのアイピース９を取り付 ける。

【００１０】 ２つのスライダ２の間には、両者の間を広げたり狭めたりする拡縮装置１１を 設ける。拡縮装置１１はパンタグラフ形のスクリュージャッキによく似た構造で あり、両スライダ２を左右一対のＶ字形リンク１２で結合する。各Ｖ字形リンク １２は、２本のリンクを中央ピン１３で互いに枢着したものであり、符号１５は リンクを回動自在にスライダ２に枢支しているピンである。一方のＶ字形リンク の中央ピン１３ａには穴があいており、この穴にねじ棒１６を回転自在に支持す る。他方のＶ字リンクの中央ピン１３ｂにはねじ穴があいており、これにねじ棒 １６を螺合する。なお、ねじ棒ははりにあけた穴を貫いている。このように構成 されているので、ねじ棒１６を回すと、中央ピン１３ａ、１３ｂ相互の間隔が広 がったり狭まったりし、それに応じて、スライダ２、２の間隔が狭まったり広が ったりする。

【００１１】 ねじ棒１６をマンホール上から回すために、ロッド１７を用意する。このロッ ドは、先端に直角にピン１７を立て、このピンのまわりに回転できるようクラン クアーム２０を取り付ける。ねじ棒１６の頭部に、クランクアーム２０が係合す るＵピース２１を形成する。

【００１２】 はり１をマンホールＡのステップ３５に保持させるために、はり１の先に、ほ ぼ「山」の字形のフック２５を取り付ける。マンホールのステップ３５は、上か ら見るとコの字をしており、フック２５はステップの左右付け根部分３５ａに下 から係合し、ステップ３５の中央にはり１の一端が載る格好になる。

【００１３】 支持体Ｂの上に載せる工事用仮蓋Ｃは木製で、図４に示すように、３つに折り 畳めるよう蝶番２６で連結する。そして、マンホール内面の間に隙間ができない よう、周縁にゴムシート２７を取り付ける。

【００１４】 使用するときは、マンホールＡの首部３１の径に応じて、はり１およびアーム ３の長さを調整した後、アイピース９に結んだロープ１０を持って支持体Ｂをマ ンホールＡの中に吊り下ろす。そして、ステップ３５にフック２５をかけて支持 体Ｂを水平に片持支持する。

【００１５】 次いで、マンホールＡの上からロッド１７を使ってねじ棒１６を回し、スライ ダ２、２の間隔を押し広げる。すると、各アーム３の先がマンホールＡの内面に 押し当てられ、４本のアームで突っ張るようにして支持体ＢがマンホールＡに固 定される。固定された支持体Ｂの上に工事用仮蓋Ｃを載せる。

【００１６】 このようにして仮蓋をセットして、マンホールのレベル調整工事を行えば、コ ンクリート屑のようなものが落ちても、仮蓋Ｃで受け止めることができ、マンホ ールの中の通信ケーブルに傷を付けることがない。また、仮蓋Ｃの上に人が立っ て作業することもできる。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１のマンホールの工事用仮蓋の支持体は、はりの一端に設けたフックを マンホールのステップに掛け止め、次いで、アームを押し広げてマンホール内面 に突っ張るように支持体を固定するようにしたので、どんなマンホールにも取付 が可能であり、据え付け作業が容易である。また、アームによる突っ張りとフッ ク掛けの両方で支持体がマンホールに固定されるので安全性が高い。さらに、マ ンホール上からロープで吊り下げて設置できるので、人がマンホールに入る必要 がなく、したがって、マンホール内の換気、ガス検知、排水等の手間が不用であ る。

【００１８】 請求項２の装置は、アームを押し広げるための拡縮装置が、左右一対のＶ字形 リンクを介して両スライダを結合し、一方のＶ字リンクの中央ピンに回転自在に 支持したねじ棒を他方のＶ字リンクの中央ピンに螺合したものであり、シンプル な構造で確実な動作が得られる。

【００１９】 請求項３は、フックがはりの軸方向から見て、ほぼ「山」の字形をなしており 、「山」の字の横棒の両側がステップの左右付け根部分に下側から係合し、該は りが該ステップの中央に載るように形成されているものであり、簡単な構造で支 持体を水平に仮に支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】マンホールの断面図である。

【図２】支持体の斜視図である。

【図３】支持体の平面図である。

【図４】工事用仮蓋の平面図である。

【符号の説明】

１ はり ２ スライダ ３ アーム １１ 拡縮装置 １２ Ｖ字形リンク １３ 中央ピン １６ ねじ棒 ２５ フック ３５ ステップ ３５ａ ステップの付け根

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 はり（１）と、該はりの一端に取り付け
   られ、マンホール（Ａ）の内壁付きのステップ（３５）
   に係合して該はりを水平に保持するフック（２５）と、
   該はりに摺動自在に支持された２つのスライダ（２）
   と、各スライダから外に向って延び、先端がマンホール
   内壁に当接する複数本のアーム（３）と、これらスライ
   ダの間隔を縮めたり押し拡げたりする拡縮装置（１１）
   とからなるマンホールの工事用仮蓋の支持体。
2. 【請求項２】 該拡縮装置が、互いに中央ピン（１３）
   で枢着された２本のリンクからなる左右一対のＶ字形リ
   ンク（１２）を介して両スライダを結合し、一方のＶ字
   リンクの中央ピン（１３ａ）に回転自在に支持したねじ
   棒（１６）を他方のＶ字リンクの中央ピン（１３ｂ）に
   螺合してなる請求項１に記載のマンホールの工事用仮蓋
   の支持体。
3. 【請求項３】 該フックが該はりの軸方向から見て、ほ
   ぼ「山」の字形をなしており、「山」の字の横棒の両側
   がステップの左右付け根部分（３５ａ）に下側から係合
   し、該ステップの中央に該はりが載るように形成されて
   いる請求項１または２に記載のマンホールの工事用仮蓋
   の支持体。