JP3003134U - オフセット印刷機のための湿し水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 機構が複雑でなくエマルジョン生成に好適な
オフセット印刷機のための湿し水装置を提供する。 【構成】 版胴２の刷版に当るように位置し、弾力性の
外套面を有する着けローラ１と、着けローラに付属して
いる被駆動の水横振りローラ３と、湿し水を湿し水容器
４から着けローラへと供給するその他の湿し水装置ロー
ラ５，６とを有する、オフセット印刷機のための湿し水
装置である。水横振りローラの外套面には、多数の窪み
７が密に並んだ形で設けられており、窪み同志間の土手
部分８は、丸みを付けられていて、着けローラ１上の水
膜９とインキ膜１０とを突き通して、ある大きさの当り
圧力をもって着けローラ１の外套面に接触し、着けロー
ラ１を版胴の周速度とは異なる周速度で駆動する。した
がって、窪みおよび周速度の違いによってエマルジョン
が好適に生成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、版胴の刷版に当るように位置していて弾力性の外套面を有する着け ローラと、着けローラに付属していてクロム製の外套面を有する被駆動の水横ふ りローラと、湿し水を湿し水容器から着けローラへと供給するその他の湿し水装 置ローラとを含む、オフセット印刷機のための湿し水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種の装置の実施態様の一つが DE 31 46 223 C2によって公知になっている 。その公知の実施態様においては、付加的な水横振りローラとそれの粗い外套面 によって、湿し水が、それの下にあるインキ膜の中に強力に入れ込まれ、それに よりエマルジョンを生成する。この公知の実施態様においては、水着けローラ（ Feuchtauftragwalze）は、常時、版胴の周速度でもって回転する。

【０００３】 版胴の表面から汚れ付着物を除去するために、着けローラがより小さい速度で 駆動される場合には、例えば、機械の両側壁間において版胴の端側にリングギヤ が固定されていて、そのリングギヤが、着けローラの端側にある歯車を経て着け ローラ自体に駆動を伝達しているか、または別個のモーターによって着けローラ が駆動されていて、それにより、着けローラの周速度が版胴の周速度よりも小さ くなっている（DE 18 08 909 C3)。この種の駆動は、それら歯車が不十分にしか 潤滑油の供給を受けられず、その故に比較的に高度の摩耗が生ずるという欠点を 有する。さらに、印刷製品が潤滑油によって汚されるおそれがある。さらになお 、歯車駆動の故に、いわゆる歯の縞が着けローラによって生成されることがある 、すなわち、印刷製品上にインキあるいは湿し水が均等に付与されないで、損紙 につながるような、印刷の方向に対して直角方向の縞が認められることがあると いうことが知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 このような事実から出発し、本考案が目的としているのは、前述の欠点をなく し、着けローラと版胴の間の速度の違いを可能にするような、摩擦による着けロ ーラ駆動を可能にさせることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のオフセット印刷機のための湿し水装置は、版胴の刷版に当るように位 置していて弾力性の外套面を有する着けローラと、着けローラに付属していてク ロム製の外套面を有する被駆動の水横振りローラと、湿し水を湿し水容器から着 けローラへと供給するその他の湿し水装置ローラとを含む、オフセット印刷機の ための湿し水装置であって、 水横振りローラの外套面に、多数の窪みが密に並んだ形で設けられており、窪 み同志間の土手部分は、丸みを付けられていて、着けローラ上の水膜とインキ膜 ）を突き通して、ある大きさの当り圧力をもって着けローラの外套面に接触し、 それを駆動する。

【０００６】 また、好ましくは、前記窪みの深さは約20μmであり、前記着けローラと水横 振りローラとは、前記版胴の周速度より遅い周速度で回転する。

【０００７】

【作用】

上述したような本考案の構成により明らかなように、水横振りローラの外套面 に多数の窪みが密に並んだ形で設けられており、窪み同志間の土手部分は、丸み を着けられていて、着けローラ上の水膜とインキ膜を突き通して、ある大きさの 当り圧力をもって着けローラの外套面に接触し、それを駆動するということによ って上記の目的が達せられる。このような水横振りローラの形状設計によれば、 着けローラと版胴の間の任意のどんな速度差も簡単な方法で可能にするような、 着けローラへの正確な駆動の連結が確立される。駆動のために、機械の両側壁の 間における端面歯車といったものは必要でないので、この方式では、追加的な水 横振りローラの普通の駆動（の方式）で間に合う。水横振りローラの駆動のため の歯車装置をしかるべく形成することにより、任意の着けローラ周速度を作り出 し、実際に用いることができる。

【０００８】

【実施例】

次に、本考案の実施例について図面を参照して説明する。図１は本考案の一つ の実施例を概略的に示す図面、図２は図１の実施例の水横振りローラの窪みを示 す拡大断面図である。図１において、一つの湿し水装置が示されており、そこで は、着けローラ１（Auftragwalze）が湿し水を、版胴２の刷版の上に供給する。 着けローラ１には被駆動の水横振りローラ３（Feuchtreibwalze）が付属してい て、その水横振りローラ３はクロムの外套面を有しているが、着けローラ１は、 例えばゴムでできた弾力性の外套面を有している。必要な（量の）湿し水が、湿 し水容器４から、湿し水装置ローラ５，６を経て着けローラ１へ、そして、それ を経て版胴２の刷版へと供給される。

【０００９】 個々の胴やローラに付けられた矢印が示しているように、版胴２は着けローラ １や横振りローラ３よりも高い速度で回転でき、一方、湿し水装置ローラ５，６ は（着けローラや横振りローラよりも）さらに低い速度で回転できる。水横振り ローラは３は、図示されていない駆動機構によって、印刷装置の駆動機構と連結 されている。

【００１０】 図２においては、水横振りローラ３が拡大されて示されており、外套面には多 数の窪み７が密に並んだ形で設けられている（典型的な例としては、窪み７の深 さが約20μmであり、窪み７の相互の間隔が約20μmとなるように、穿設されてい る）。窪み７同志間の土手部分８は、丸みを付けられていて、着けローラ１の上 の湿し水の膜９とインキの膜１０を突き通す。そこでは、それら土手部分８は、 ある大きさの当り圧力をもって着けローラ１の外套面に当って位置しており、自 身をゴムの外套に幾分か押し込んでいる。それにより、着けローラ１との正確な 駆動の連結が確立されるので、着けローラは、版胴２に対する速度差をもつよう にも駆動され得るとともに、湿し水がインキ膜の中に入り込んで所望のエマルジ ョンを形成するということが達成される。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、水横振りローラの外套面には多数の窪みが密に 並んだ形で設けられており、窪み同志間の土手部分は、丸みを着けられていて、 着けローラ上の水膜とインキ膜を突き通して、ある大きさの当り圧力をもって着 けローラの外套面に接触し、それを駆動するということにより、エマルジョンの 生成が容易である。また、このような水横振りローラの形状設計によれば、着け ローラと版胴の間の任意のどんな速度差も簡単な方法で可能にするような、着け ローラへの正確な駆動の連結が確立される。駆動のために、機械の両側壁の間に おける端面歯車といったものは必要でないので、この方式では、追加的な水横振 りローラの普通の駆動形式で間に合う。水横振りローラの駆動のための歯車装置 をしかるべく形成することにより、任意の着けローラ周速度を作り出し、実際に 用いることもできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の湿し水装置の一実施例を概略的に示す
側面図である。

【図２】図１の実施例の窪みの形成されている部分を拡
大して示した部分断面図である。

【符号の説明】

１ 着けローラ ２ 版胴 ３ 水横振りローラ ４ 湿し水容器 ５，６ 他の湿し水装置ローラ ７ 窪み ８ 土手部分 ９ 水膜 １０ インキ膜

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 マティアス ツーバー ドイツ連邦共和国 74921 ヘルムシュタ ット−バルゲン シュールシュトラーセ 34

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 版胴の刷版に当るように位置していて弾
   力性の外套面を有する着けローラと、着けローラに付属
   していてクロム製の外套面を有する被駆動の水横振りロ
   ーラと、湿し水を湿し水容器から着けローラへと供給す
   るその他の湿し水装置ローラとを含む、オフセット印刷
   機のための湿し水装置において、 水横振りローラ（３）の外套面に、多数の窪み（７）が
   密に並んだ形で設けられており、 窪み（７）同志間の土手部分（８）は、丸みを付けられ
   ていて、着けローラ（１）上の水膜（９）とインキ膜
   （１０）を突き通して、ある大きさの当り圧力をもって
   着けローラ（１）の外套面に接触し、それを駆動する、
   ということを特徴とする、オフセット印刷機のための湿
   し水装置。
2. 【請求項２】 前記窪み（７）の深さは約20μmである
   請求項１記載のオフセット印刷機のための湿し水装置。
3. 【請求項３】 前記着けローラ（１）と水横振りローラ
   （３）とは、前記版胴の周速度より遅い周速度で回転す
   る請求項１または２記載のオフセット印刷機のための湿
   し水装置。