JP3003093U - 育苗ポット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 育苗ポットを植物繊維材により構成し、苗に
ショックをあたえず、更に作業性の向上を計ることであ
る。 【構成】 植物繊維材により構成された紙状片１に設け
た折目ｃ〜ｅを中心に折返し可能に連設した側板２〜５
及び接着片６により四周に側壁を構成し、更に、各側板
２〜５には折目ａを介して底片７〜１０を連設し、この
底片７〜１０と前記側板２〜５によって折たたみ可能な
無蓋の育苗ポットＡを成形すると共に育苗ポットには通
風性と水抜き用の複数のスリット２０を設けた育苗ポッ
トの構成。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は麻、ヤシ、シュロ等植物繊維からなる紙状片によって無蓋の器を成形 して植物の栽培に用いる育苗ポットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来園芸菜園等で苗の栽培育苗ポットしとて広く用いられているものは、合成 樹脂材によって薄くして鉢状に成形されたものが一般的に存在している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記合成樹脂材からなる薄い育苗ポットは製作が容易であり、しかも安全に栽 培された苗を定植地まで持ち運びができ、更に反覆使用できる特徴があるが、材 質が合成樹脂材であって、この合成樹脂材に依って製作されているためポットは 土に同化することがない。従ってポットを回収したり洗ったりする手間と煩わし さがあり使用後の処理に問題があった。

【０００４】

【課題を解決しようとする手段】

本考案は、前記課題を解決するため、麻、葦等植物性からなる繊維材を薄く紙 状片にして、この繊維の紙状片に設けた折目を中心に折返可能に連設した側板で 四周側壁を構成し、更に各側板には折目を介して底片を連設し、この底片と前記 側板によって折たたみ可能にした育苗ポットを設け、この育苗ポットには折たた み可能にすると共に通風手段を設け、地中に育苗した植物とそのままポットを埋 めることで苗にショックを与えることなく、しかも作業性を良くすると共にポッ トは腐食土に変化するので公害の原因を生じないようにしたものである。

【０００５】

【作用】

側板２〜５と底片７〜１０を折目ａ〜ｅを介して連設し、折目ｂ〜ｄを中心に 折返し、更に側板５と折目ｅを介して連設した接着片６を側板２側に接着して四 周側壁を構成すると共に、各側板２〜５に折目ａを介して各底片７〜１０は自由 に折返し、更に底片７，９に設けた接着部１６，１７に底片８，１０に設けた接 着部１８，１９を夫々折目ｆ₁，ｆ₂に沿って貼合せ各折目ｆ₁，ｆ₂で折返し可能 になっている。

【０００６】 従って、折たたまれた育苗ポットＡを用いるには折たたまれた隅部を押すと育 苗ポットＡ開口部は開かれこの中に土を充填して種を蒔き栽培期間が終ったのち 、成長した苗をポットごと地面に植える。この地面に植えた後、日が過つとポッ トは腐食土となるようになる。

【０００７】

【実施例】

図は、本考案による育苗ポットの一実施例を示したもので、以下図に基づいて 具体的に説明する。

【０００８】 図１は本考案の育苗ポットＡの展開図で、麻、葦等の繊維材を用いて不規則に 配列して粘着剤及び加圧により紙状片１を構成し、この不織物からなる紙状片１ に折目ａを刻設し、更に、この折目ａに対して直交させて折目ｂ，ｃ，ｄ，ｅを 刻設し、側板２，３，４，５と側板５から延出させた接着片６を順次連設し、更 に、前記各側板２，３，４，５は前記折目ａを介して底片７，８，９，１０が夫 々連設してある。

【０００９】 この底片７〜１０の底片７，９の各一縁辺は、折目ａの側板２，４の夫々折目 ａの一端から４５°の角度で、しかも側板２，４の折目ａの中心点Ｏ₁，Ｏ₂を通 る直角線上の交点を直線で切込１１，１２として切欠き、更に他方の縁辺は、前 記折目ａと折目ｂ及びｄの夫々交点を通る６０°の角度をもって底辺７，９の方 向に直線状に切込１３，１４をもって切欠すると共に、前記切欠１１，１２の先 端から折目ａと平行な線で切欠してある。

【００１０】 また底片８，１０は折目ａから延出させ、しかも各前記直線切込１１，１２及 び１３，１４の各隣接側の縁辺は僅かに内側に向けて直線で切欠き、更に、この 底片８，１０には、折目ａとｂ，ｄの交点を通る４５°の角度をもって底片８， １０方向に折目ｆ₁，ｆ₂を夫々設けてある。また、底辺７〜１０には接着部１６ 〜１９を設け、接着部１６，１８及び１７，１９が夫々接着するようになってい る。

【００１１】 前記各側２，３，４，５は、縦折目ｂ，ｃ，ｄ，ｅを境に折返して四周側壁を 構成すると共に、側板５の端部に連設した接着片６と側板２と重ねて貼合せ、更 に各側板に折目ａを介して連設した各底片７，８，９，１０は折目ａをもって自 由に折返し可能にすると共に直線に切断された切込１３及び１４の縁辺は前記折 返し自在の側板８，１０の折目ｆ₁及びｆ₂に接着部１８，１９を隣接底板７，９ に設けた接着部１６，１７に夫々接着し、更に前記折目ｆ₁，ｆ₂を中心に折たた まれ、しかも開いた時には底片７〜１０は底板となるように折たたみ可能にして ある。また各側板には複数スリット等の空気孔２０を設けるようにして通風よく することもある。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は、前記のように育苗ポットは麻、シュロ、ヤシ等の繊維材からなる紙 状片に構成され、この育苗ポットは折たたみ可能となって、折たたまれた育苗ポ ットは口部を開いて箱状にした後土を充填し、この充填された土に種を植えたあ と、栽培期間が終って成長した苗を育苗ポットごとに地中に埋めポットの上部ま で土に埋込むので苗にショックを与えないですむ、またポットには周りに複数の 空気孔を設ければ植物の毛細根をできるだけ多く育成し、健全な苗を造ることが できる。更にポットは植物繊維で製作されるので、そのまま土中に埋込みでき、 また期日が経過するとポットは腐食土に変わるので、従来の合成樹脂製のポット のように回収したり洗ったりする手間を要しない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による紙製育苗ポットの一実施例を示し
た展開図である。

【図２】育苗ポットを開いて底部が見た底面図である。

【図３】図２を折たたんだ状態の斜視図である。

【符号の説明】

１ 植物繊維からなる紙状片 ２，３，４，５ 側板 ６ 接着片 ７，８，９，１０ 底片 １１，１２，１３，１４ 切込切断部 １６，１７，１８，１９ 接着部 ２０ スリット ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ 折目 ｆ₁，ｆ₂ 折目 Ａ 育苗ポット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 植物繊維により構成された紙状片に刻設
   した折目を境に折り返し可能に連設した側板によって四
   周側壁を構成し、更に各側板には折目を介して底片を連
   設し、この底片と側板で折たたみ可能な箱状育苗ポット
   を形成し、更にこの育苗ポットには一部に通風と水抜用
   の手段を設けたことを特徴とした育苗ポット。