JP3002698U - 植物鉢吊り下げネット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】洋らんを育成、鑑賞をするのに台や棚を使用し
ないで、洋らん鉢を、受け皿で支え、ネットで鉢を抱え
て吊り下げ方式としたもので、洋らんの育成に適した状
態で、しかも確実に、安全で、安価な方法を提供する。 【構成】本考案の植物鉢吊り下げネットは、受け皿の側
面周囲より、ポリプロピレン樹脂の染色紐を主材とし
て、複数本を捩り合わせて強力で柔軟な縄状でネットと
したものを構成し、受け皿とネットを一体構造として、
植物鉢を抱き抱えて吊り下げ方式としたもので、夏期に
屋外で竿や植木の枝に掛けられ、冬期は温室内で横竿に
掛けて育成、鑑賞ができる構成としている。又、本考案
の植物鉢吊り下げネットは、洋らん以外の植物育成や、
花瓶の生け花、又は造花のデイスプレイに適するもの
で、横造が簡単で、安価に多量に供給が可能である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、植物の洋らんの育成、鑑賞に使用する植物鉢吊り下げネットに関す る考案である。

【０００２】

【従来の技術】

植物の洋らん類は亜熱帯地方の植物で、着生植物である。洋らんの育成には、 温度管理が重要な要素であり、洋らんの品種によって異なるが、平均して１０℃ 〜２０℃程度の環境で育成するのが好ましい。そのために一般的には、夏期は屋 外の木陰の風当たりの良い場所で、冬期は温室内で育成がなされる、又着生植物 の性質上、地上１メートル以上の環境で育成をするのが好ましい。 図３は、洋らんの植物鉢による生育の一例を示したもので、図３（Ａ）、（Ｂ ）は植物鉢で育成中のカトレアを示した。（Ａ）は、金属製吊り具を使用した縦 断面図である、これは天井より吊り下げる金属製の金具１５を、鉢７の外周上部 の一部を挟止して吊り下げる構造のものである。尚３図中の、カトレア１９の、 鉢７は、柔らかい通気性のよい素焼き鉢を用い、鉢７の底には、発泡スチロール 片１７等を入れて通気性と過湿防止を図り、植込材は、一般的には水苔１８を使 用している。図３（Ｂ）は、台２０を設けて、その上にカトレア１９の、鉢７を 並べて育成をしている図を示した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来より用いられていた図３（Ａ）の吊り下げ金具１５は、高価であると共に 、柔らかい素焼き鉢７に取り付ける時に、誤って鉢を破壊してしまう事が多々あ る、またカトレア１９が成長するに従い、鉢７を大サイズとした場合には、カト レア１９と、鉢７の重量が増大して、吊り下げが不可能となる。 また図３（Ｂ）の場合は、高価な耐食性の台を必要とし、更に冬期の温室内では 平面的に鉢７を並べるので、温室内のスペース使用効率が悪い等の欠点があった 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の植物鉢吊り下げネットは、夏冬を通じて使用できるもので、受け皿と 一体となったポリプロピレン染色樹脂紐を主材とした縄を編んで、ネット状とし た構造で、受け皿上に洋らんの鉢を置き、ネットによって鉢の周囲を抱き抱えた 状態で育成や鑑賞ができるもので、夏期は屋外の植木の枝や竿に掛け、温室内で は上部より吊り下げて育成や鑑賞ができるもので、温室内では吊り下げる、高さ 位置を変えるとスペースが有効に活用できるので、棚や台は不要で経済的であり 、又鉢サイズも各種に対応ができる。

【０００５】

【作用】

本考案の植物鉢吊り下げネットは、ポリプロピレン樹脂材を主材料としている ので、強靭な引張力を持ち、比重が軽く、植物鉢を吊してもネットの付加重量が 少なく、又受け皿上に植物鉢を置く構造としているので、水を与えても漏れず、 ネットを付けたまま置いても倒れない、更にネットによって植物鉢を抱き抱えて いるので、衝撃が掛かっても、縄のクッションによって植物鉢が破損する憂いが なく、各種鉢サイズも同一ネットで対応ができる。 更に本考案の植物鉢吊り下げネットは洋らんの育成、鑑賞用に考案したが、洋 らん以外の植物の育成や鑑賞用としても使用ができ、又室内で花瓶を吊して生け 花用や、造花を吊り下げてデイスプレイとすることも当然可能である。

【０００６】

【実施例】

本考案の植物鉢吊り下げネットの一実施例について、図面を参照して詳述する 。図１（Ａ）は本考案の植物鉢吊り下げネットに鉢を置いた状態の下方斜視図で 、図１（Ｂ）は上方斜視図を示した、更に（Ｃ）は縦断面図を示した。 図２（Ａ）は、本考案の植物鉢吊り下げネットの、縄が交差した部分の結束する 状態を示し、図２（Ｂ）は、植物鉢を立体的に配置して吊り下げた状態を示した 。 先ず図１において、受け皿１の外周側面には、３個の穴２が構成されている、 該穴２に、ポリプロピレン染色樹脂紐を主材として数本捩り合わせた縄４の、一 端を掛止し、縄４を網状に編んだ交差部３を固定しつつ、概略受け皿直径寸法の Ｈ寸法程度の高さに網んで、縄４によって植物鉢７を抱き抱える構造にし吊り下 げネットを構成する。更に縄４の、他端５を、Ｓ型金具６等によって、竿１０等 に掛けられる構造とし、受け皿１上に、洋らん鉢７を置いて、鉢７は、ネット４ によって抱えているために、鉢７は傾かず、又通気性がよく、鉢が落下する等の 憂いがなく、受け皿１には保水ができ理想的な育成ができる。 尚図１（Ｃ）は、本考案の植物鉢吊り下げネットによって、洋らんのカトレア １９を育成している状態を示したもので、カトレア１９は、柔らかい通気性のあ る素焼き鉢７を用い、鉢７の底には、発泡スチロール片１７を入れて通気性を図 り過湿を防止している、植込材は水苔１８を使用している。 図２（Ａ）は、吊り下げネットの交差する部分３の、固定法について説明した 図であり、（イ）（ロ）（ハ）は、２本の縄４、４’を結んで交差部３とする方 法で、ネットは手作りとしての温かみのある植物吊り下げネットとなる。 （ニ）は、２本の縄４、４’を金属線８によって交差部を固定する方法で、多量 生産をする場合に適している。 以上の構成による、植物鉢吊り下げネットは、図２（Ｂ）の如く、吊り下げた洋 らん類の鉢７を、高さ位置を変えた竿９、１０とすることにより、鉢７の高さは 千鳥状となり、育成スペースを立体的に使用できるために、風通しがよく、スペ ースの効率的な活用ができる。 尚、素焼き製受け皿１の材質を樹脂製としたり、受け皿１の形状を正多角形と することは当然可能であり、又縄４をポリプロピレン樹脂紐を捩り合わせて縄状 とする場合に、他の繊維を混織して構成することも当然可能である。

【０００７】

【考案の効果】

本考案の植物鉢吊り下げネットは、着生植物の洋らん類の特性である、夏期は 日陰で、十分な風通しと、水が与えられ、冬期は同一温室内で、高温性のバンダ 、コチョウラン類は上部に、中温性のカトレア、ミルトニア類は中断に、デンド ロビューム、シンビジューム類の低温性は下部に吊り下げ配置ができ、従来の棚 や台では不可能であった同一温室内での洋らんの育成が可能となり、地上より這 い上がる害虫の侵入を防止できる。 又本考案の植物鉢吊り下げネットは、彩色した縄で構成するために、洋らんの 品種が縄色で分類ができ、又洋らん以外の植物の育成や、室内で花瓶によるデイ スプレイにも適し、構造が簡単で、安価に大量に供給できる構造である。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、本考案の植物鉢吊り下げネットの構成説明
図である。

【図２】は、ネットの細部構成図と使用状態を示した説
明図である。

【図３】は、従来例を示した説明図である。

【符号の説明】

１ 受け皿 ２ 穴 ３ 交差部 ４ ４’ ネット縄 ７ 素焼き鉢

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円形又は正多角形の多孔性の素焼き製受け
   皿の、外周に設けた３個の穴に、ポリプロピレン染色樹
   脂製縄、又はポリプロピレン染色樹脂紐と他の繊維を混
   織した縄を掛止し、該縄を網目状に編んで、受け皿上に
   置いた植物鉢を保持しつつ、吊り下げ可能な構造とした
   植物鉢吊り下げネットにおいて、網目状に編む高さ寸法
   を、受け皿の直径寸法程度としたことを特徴とする植物
   鉢吊り下げネット。
2. 【請求項２】円形又は正多角形の樹脂製受け皿の、外周
   に設けた３個の穴に、ポリプロピレン染色樹脂製縄、又
   はポリプロピレン染色樹脂紐と他の繊維を混織した縄を
   掛止し、該縄を網目状に編んで、受け皿上に置いた植物
   鉢を保持しつつ吊り下げ可能な構造とした植物鉢吊り下
   げネットにおいて、網目状に編むネットの高さ寸法を、
   受け皿の直径寸法程度としたことを特徴とする植物鉢吊
   り下げネット。