JP3002373U - 集塵機付溶接作業台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アーク溶接時に発生する煙と粉塵及び溶接ヒ
ュームを確実に吸引除去し、溶接作業の衛生面を向上さ
せる作業台を提供する。 【構成】 脚体１２で水平に支持した台板１３に多数の
吸引孔１９を設け、台板１３の下部に吸引孔１９と連通
するように設けたダクト１４に集塵機１５を接続し、溶
接作業時に発生する煙と粉塵及び溶接ヒュームを確実に
吸引除去し、作業環境を大幅に改善することができる。
また、作業台と集塵機が一体となり、作業台の移動性が
向上する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、溶接作業を行なうために用いる集塵機付溶接作業台に関する。

【０００２】

【従来の技術】

アーク溶接作業に使用する従来の作業台１は、図３に示すように、台板２を複 数本の脚体３で支持した構造になっており、台板２上にワークＡを載置し、溶接 トーチＢでワークＡを溶接するものである。

【０００３】 ところで、アーク溶接を行なうと、煙ａと粉塵ｂ及び人間に有害な溶接ヒュー ムｃが発生する。この溶接ヒュームｃは、被覆材がアーク熱で分解して蒸発した 物質が再び冷却して固体の微粒子となったものであり、じん肺を起こす物質や呼 吸器刺激性の物質を含むため、作業者がこれを吸込むことのないようにしなけれ ばならない。

【０００４】 このため、従来は、図３に示したように、作業台１の直上に吸引ダクト４を配 置し、作業台１上の空気を吸引するようにしていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記した従来の作業台では、吸引ダクト４の台板２上面に作用 する吸引力は極めて弱く、煙ａについては、上昇するので吸引されるが、粉塵ｂ や溶接ヒュームｃは比較的重くて下へ落ちようとするので、吸引ダクト４はこれ を吸引することができず、溶接の作業環境を改善するには不十分であるという問 題がある。

【０００６】 また、作業台１と吸引ダクト４は別体になっているので、作業台１を移動する とき、吸引ダクト４も別途移動させなければならないという不便がある。

【０００７】 そこで、この考案の課題は、アーク溶接時に発生する煙と粉塵及び溶接ヒュー ムを確実に吸引除去することができ、作業環境の改善が図れると共に、移動が容 易に行える集塵機付溶接作業台を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記のような課題を解決するため、この考案は、作業台の台板に多数の吸引孔 を上下に貫通するよう設け、台板の下部にダクトをその内部が吸引孔と連通する ように設け、このダクトに集塵機を接続した構成を採用したものである。

【０００９】 この考案において、台板は、中央部に開口を設けた固定板と、この固定板の開 口に着脱自在となるよう嵌合する取換用プレートとからなり、固定板と取換用プ レートの各々に吸引孔が設けられている構成としたり、集塵機は、ダクトに接続 したダクトホースと、ダクトとダクトホースの間に設けたクリーナと、ダクトホ ースの端部に接続した吸引機で形成されている構成とすることができる。

【００１０】

【作用】

作業台の台板上にワークを載置して溶接を行なうとき、吸引機を作動させると 、ダクト内が負圧になって台板の各吸引孔に吸引力が作用し、溶接時に発生する 煙や粉塵及び溶接ヒュームは吸引孔に吸い取られ、これらの飛散がないので、作 業環境を大幅に改善することができる。

【００１１】 また、作業台のダクトに集塵機が接続されているので、作業台の移動時に一体 に移動させることができる。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面の図１と図２に基づいて説明する。

【００１３】 図示のように、作業台１１は、複数本の脚体１２で水平に支持した台板１３の 下部にダクト１４を設け、このダクト１４に集塵機１５を接続した構造になって いる。

【００１４】 上記台板１３は、脚体１２で支持され、中央部に円形の開口１６が設けられた 矩形状の固定板１７と、開口１６内に着脱自在になるよう嵌合する円形の取換用 プレート１８からなり、固定板１７及びプレート１８には、上下に貫通する多数 の吸引孔１９が設けられている。

【００１５】 前記ダクト１４は、上端開口が固定板１７よりも少し小さな下部窄まりに形成 され、上端部を固定板１７に固定することにより、内部空間が全吸引孔１９と連 通すると共に、下端部に水平の吸引パイプ２０が連通状に固定されている。

【００１６】 前記集塵機１５は、吸引パイプ２０に接続した可撓性のダクトホース２１と、 このダクトホース２１と吸引パイプ２０の間に設けたクリーナ２２と、ダクトホ ース２１の端部に接続した吸引機２３とで形成され、上記クリーナ２２は、図示 詳細を省したが、筒状ケース内にフィルターを収納した周知構造を有し、吸引機 ２３はモータ２４の回転によって吸引力が生じるようになっている。

【００１７】 この考案の作業台は上記のような構成であり、作業台１１のプレート１８上に ワークＡを載置し、溶接トーチＢを用いて溶接を行なう。

【００１８】 上記溶接作業時に吸引機２３を起動すると、ダクト１４内が負圧となり、各吸 引孔１９に吸引力が発生し、溶接時に発生した煙ａと粉塵ｂ及び溶接ヒュームｃ とが吸引孔１９でダクト１４内に吸引され、これらの吸引物はクリーナ２２を通 過することにより除去される。

【００１９】 上記のように、溶接時に発生する煙ａと粉塵ｂ及び溶接ヒュームｃは、発生と 同時に吸引孔１９に作用している吸引力で下方に吸引され、クリーナ２２で除去 されるので、溶接作業の環境を悪化させることがなく、作業者の衛生と安全性を 向上させることができ、また、作業台１１の移動時に、吸塵機２３も一体に移動 させることができ、移動に手間がかからない。

【００２０】

【効果】

以上のように、この考案によると、作業台の台板に多数の吸引孔を設け、ダク トに接続した集塵機で吸引孔に吸引力を生じさせるようにしたので、台板上での アーク溶接作業時に発生する煙と粉塵及び溶接ヒュームを確実に吸引して除去す ることができ、有害物の飛散がなくなるので溶接時の作業環境を改善し、衛生と 安全性を向上させることができる。

【００２１】 また、作業台に集塵機を接続してあるので、作業台と集塵機を一体に移動させ ることができ、移動性の向上が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る作業台の要部切欠正面図

【図２】作業台の斜視図

【図３】従来の作業台を示す正面図

【符号の説明】

１１ 作業台 １２ 脚体 １３ 台板 １４ ダクト １５ 集塵機 １６ 開口 １７ 固定板 １８ プレート １９ 吸引孔 ２０ 吸引パイプ ２１ ダクトホース ２２ クリーナ ２３ 吸引機

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業台の台板に多数の吸引孔を上下に貫
   通するよう設け、台板の下部にダクトをその内部が吸引
   孔と連通するように設け、このダクトに集塵機を接続し
   た集塵機付溶接作業台。
2. 【請求項２】 台板は、中央部に開口を設けた固定板
   と、この固定板の開口に着脱自在となるよう嵌合する取
   換用プレートとからなり、固定板と取換用プレートの各
   々に吸引孔が設けられている請求項１記載の集塵機付溶
   接作業台。
3. 【請求項３】 集塵機は、ダクトに接続したダクトホー
   スと、ダクトとダクトホースの間に設けたクリーナと、
   ダクトホースの端部に接続した吸引機で形成されている
   請求項１又は２に記載の集塵機付溶接作業台。