JP3002173U - 中性ガスと気化ガスの混合器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は気体と液体を混合するため毛細管物
質を用いて、毛細管作用により液体を汲み上げて気体の
配管に導き、気体の流速によって液体を蒸発し気化混合
する。 【構成】 本考案は中性ガスの配管１の途中にチーズ２
に直結して汲み上げパイプ４を設け、チーズと汲み上げ
パイプには毛細管物質３を充填して汲み上げパイプの一
端を液体の中に差し込み、毛細管の作用により液体を中
性ガス配管のチーズに導き充填された毛細管物質を湿潤
し、これに中性ガスを流通させ液体を蒸発して気化混合
される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、中性ガスに炭化水素の蒸発による気化ガスを混合させる装置に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

中性ガスに液体の炭化水素を混合する場合は、炭化水素を噴霧装置により霧状 にして中性ガスに送り込むか、或いは液体炭化水素に中性ガスを吹き込んでバブ リングして気化混合する方法が採用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

液体の炭化水素を霧状にするため従来技術に於いては、噴霧装置の設置或いは 耐圧容器の製作など経済的負担も大きく、又設置スペースも必要になり、更に機 器の保守点検にも経費が掛かる。従って、噴霧器及びバブリング装置の代わりに 中性ガスの配管通路に毛細管物質を充填したチーズとこれに直結したパイプを取 り付け、液体炭化水素を毛細管作用により汲み上げて中性ガスの配管に導入すれ ば、中性ガスの潜熱及び流速に応じて炭化水素は蒸発し気化混合が可能となるこ とから前述の欠点を解消しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は中性ガスの配管にチーズ継手を装着し、チーズ管内には毛細管を有す る物質を充填し、更にチーズの直角分岐部には液体炭化水素を汲み上げるための 毛細管物質を充填した汲み上げパイプを接続し、チーズ管内の毛細管物質と接合 させパイプの他端を液体炭化水素の中に差し込めば、炭化水素は管内に充填され た毛細管物質によってチーズ継手の管内まで汲み上げられ、管内の毛細管物質は 液体炭化水素によって湿潤されるからこれに中性ガスを流通させれば、汲み上げ られた炭化水素は中性ガスの温度と流速に比例して自在に気化混合することによ り問題点を解決している。

【０００５】

【作用】

中性ガス配管のチーズ継手及びこれに接続された炭化水素の汲み上げパイプに 毛細管物質を充填して、汲み上げパイプの先端を液体炭化水素の中に差し込めば 、汲み上げパイプ及びチーズ継手部に充填された毛細管物質の作用によって、液 体炭化水素は中性ガスの通路まで汲み上げられチーズ継手内の毛細管物質を湿潤 するから、これに中性ガスを流通すれば炭化水素はガスの有する潜熱とガスの流 速に比例して蒸発し、気体の炭化水素を含む弱還元性の中性ガスが得られる。又 炭化水素は気化した量の液体が毛細管の働きによって速やかに補給され、中性ガ スの流れを止めるまでは自動的に気化混合されることになる。

【０００６】

【実施例】

以ト、添付図面に従って一実施例を説明する。１は既設の中性ガス配管でろう 付けのシール用アルゴンガスが流される。２のチーズは金属又はプラスチックス 等で作られ配管１の途中に取り付けられ、その分岐管に４の汲み上げパイプ、好 ましくはフレキシブルパイプが接続される。チーズ２と汲み上げパイプ４には耐 油性の好ましくは多孔質のセラミックス又はテフロン繊維の編み紐又はロックウ ール等の毛細管作用物質が充填され、４の一端は６の金属製容器に蓄えられた液 体炭化水素５の中に差し込まれる。

【０００７】 斯くして液体炭化水素５は毛細管物質３’の毛細管作用によりパイプ４を通っ てチーズ２に充填された毛細管物質３まで汲み上げられ、毛細管物質を湿潤する からアルゴンガスボンベのバルブ（図示せず）とバルブ９を開いて、アルゴンガ スを配管１に流せば３を湿潤している炭化水素は蒸発し、気化混合した中性ガス はメッシュ８を通過してガス流量計１０で流速が調整されシール治具（図示せず ）から噴射される。

【０００８】 本考案の一実施例は上述のごとき構成からなり、毛細管物質３は天然の多孔質 鉱物、セラミックス焼結体、木綿および合成繊維等液体炭化水素に耐える物質が 使用できる。又チーズ２まで汲み上げられた炭化水素はその蒸気圧によって蒸発 量が決まるが、シールに使用する中性ガスを加温するか流速を大きくすることに より、或いは炭化水素を温めることによって気化混合率を大きくすることも可能 である。又液体炭化水素の蒸発は炭化水素の液面がパイプの下端に至るまで安定 して継続される。

【０００９】

【考案の効果】

上述の様に、本考案の毛細管物質を用いた中性ガスと気化ガスの混合器を使用 するときは、液体の噴霧装置或いはバブリング用の耐圧容器を必要としないから 経済的である。又液体の補充も蓋７を上げて注入する事ができるから作業を中断 する必要がなく能率的である。かつ作業スペースも液体容器の置場があればよい から作業スペースを広く活用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の中性ガスと気化ガスの混合器の一実施
例を示す正面断面図である。

【符号の説明】 １ 中性ガス配管 ２ チーズ ３ 毛細管物質 ４ 汲み上げパイプ ５ 液体炭化水素 ６ 炭化水素の容器 ７ 容器の蓋 ８ メッシュ ９ バルブ １０ ガス流量計

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中性ガスに炭化水素等の蒸発による気化
   ガスを混合するにあたり、液体の炭化水素に毛細管を有
   する物質を浸漬て、毛細管作用により炭化水素を中性ガ
   スの配管の中に導き、管内を流れる中性ガスの温度と流
   速によって炭化水素を、自在に蒸発させ気化混合するこ
   とを特徴とする中性ガスと気化ガスの混合器。