JP3002054B2 - 勾配、角度計測装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】建築、土木工事等、例えば、
下水道管の配管工事の特に現場において、管（被計測
物）の勾配（水平を含む）、角度等を知る必要がある場
合に、本発明装置を被計測物に当接し、細孔内の流体の
左右先端の目盛の差を読み取るだけで、極めて簡単かつ
正確に被計測物の勾配、角度を計測し得るようにした、
勾配、角度計測装置を提供する。

【０００２】

【従来の課題】現在、建築、土木工事等、例えば、下水
管の配管工事等において、管の水平を見るためには、一
般に、水平器即ち密封された直線管中の気玉の移動位置
によって水平を測定し得る水平器が使用されている。と
ころが、該水平器によると水平か否かは測定し得るが水
平でない場合の勾配や角度の値は計測できない。

【０００３】また、角度計を使用して計測しても１／１
０程度迄が限界であり、そのため、より高精度な計測は
トランシット等の精密機器によって行っている。

【０００４】特に、下水道工事における管の勾配は長さ
１ｍに対して２〜５ｍｍ位の小さい勾配で管の削進、推
進敷設を行う必要があるため、現状ではトランシット等
で勾配を計測確認し乍ら施工しており、時間と手数を要
して非能率的である上に、現場によってはトランシット
等を使用しにくい、または使用できない場合もあり、よ
って、現場作業者が工事の進行に伴い、随時、管等の被
計測物の勾配、角度を手軽に計測し得て、施工状態を簡
単かつ正確に確認し得るような計測装置の開発が強く要
望されてきたものである。

【０００５】そこで、本発明者は、上記事情に鑑み鋭意
開発のところ、Ｕ字管中の流体の設定間隔をおいた左右
先端（２点）が常に２点間の勾配が水平であることを示
す「Ｕ字管の原理」に着目し、これを応用して本発明を
行ったものである。

【０００６】

【課題を解決する手段】即ち、本発明は、４辺を夫々直
線状の基準面とした方形乃至長方形の透明な基板の片面
に、各基準面に平行した方形乃至長方形サークル状の細
溝を切設すると共に、該方形乃至長方形サークル状の細
溝の内側に、基板の中心を中心とした設定径の円形の細
溝を切設し、各細溝の外周線に沿って目盛を付し、該基
板の細溝を切設し目盛を付した側の面に透明なカバー板
を一体的に固着し、もって、各細溝を密封して各細孔を
形成すると共に各細孔内に設定量の流体を充填して構成
したものであり、

【０００７】被計測物に任意の基準面を当接し、そのと
きの縦方向に平行な左右細孔内の流体の各先端の目盛の
差、つまり設定寸法離隔した２点の目盛の差を読み取る
ことによって被計測物の２点間の勾配及び角度を計測し
得るようにしたことを特徴とする、勾配、角度計測装置
によって課題を解決したものである。

【０００８】次に、本発明の実施例を図面につき説明す
ると、４辺を夫々直線状の基準面ｃ、ｃ及びｄ、ｄとし
た方形乃至長方形の透明な基板１の片面に、各基準面
ｃ、ｃ及びｄ、ｄに平行した方形乃至長方形サークル状
の細溝２´を切設すると共に、該方形乃至長方形サーク
ル状の細溝２´の内側に、基板１の中心を中心とした設
定径の円形の細溝３´を切設し、各細溝２´、３´の外
周線に沿って目盛６を付し、該基板１の細溝２´、３´
を切設し目盛６を付した側の面に透明なカバー板４を一
体的に固着し、もって、各細溝２´、３´を密封して各
細孔２、３を形成すると共に各細孔内２、３に設定量の
流体５を充填して、勾配、角度計測装置Ａを構成したも
のである。

【０００９】

【作用】図３の（イ）、（ロ）に示すように、基準面ｃ
またはｄを被計測物８（例、管）に当接して行う。な
お、実施例は基準面の目盛をｃ＝５００ｍｍ、ｄ＝２５
０ｍｍに、円形細孔３の直径を２００ｍｍに設定した。

【００１０】即ち、方形乃至長方形サークル状の細孔２
による計測は、当接したときの細孔２の縦方向平行細孔
内の流体５の各先端即ち２点Ｐ1 、Ｐ2 の目盛から、中
心線Ｌと点Ｐ1 、Ｐ2 間の目盛数ａ、ｂを読み取り、

【００１１】また、円形細孔３による角度…中心線Ｌに
対する２点Ｐ3 、Ｐ4 の目盛をそのまま読み取る。

【００１２】

【効果】透明な基板に各細溝を切設し、その面に透明な
カバー板を一体的に固着して、各細孔を形成し、各細孔
内に設定量の流体を充填して構成するようにしたので、
パイプ等を使用せずに基板と一体的に計測用の管路を形
成することができ、製作が容易で外部衝撃に強く、現場
使用に最適な装置を安価に提供できる。

【００１３】また、何れも透明な板からなる基板、カバ
ー板、若しくは目盛板等に目盛を付すようにしたので、
目盛を装置の表裏両面から読み取ることができる。

【００１４】被計測物に基準面ｃ又はｄを当接し、その
ときの流体先端点Ｐ1 、Ｐ2 またはＰ3 、Ｐ4 を読み取
ることによって、極く小さな勾配、角度も極めて簡単か
つ正確に計測できる。

【００１５】基板の基準面を被計測物に当接するだけで
足りるので、特に現場用として最適であり、トランシッ
ト等が使えないような場所でも容易に使用できる。

【００１６】勾配を直角方向に長さ位置を合せる事によ
り、同時に角度として読み取ることができる。

【００１７】円形の細孔を備えので、角度を簡単に読み
取ることができて便利であり、また、上記方形乃至長方
形の細孔による勾配、角度の計測と併せて相互のチェッ
ク機能としても利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置の実施例の正面図。

【図２】図１のＢ−Ｂ断面図。

【図３】（イ）はｃを基準面とした計測状態の説明図で
あり、（ロ）はｄを基準面とした計測状態の説明図。

【符号の説明】

Ａ 本発明装置 ａ 中心線Ｌと点Ｐ1 間の目盛数 ｂ 中心線Ｌと点Ｐ2 間の目盛数 ｃ 基準面 ｄ 基準面 １ 基板 ２ 細孔（方形乃至長方形サークル状） ２´ 細溝（方形乃至長方形サークル状） ３ 細孔（円形） ３´ 細溝（円形） ４ カバー板 ５ 流体 ６ 目盛 ７ 目盛板 ８ 被計測物

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】４辺を夫々直線状の基準面とした方形乃至
   長方形の透明な基板の片面に、各基準面に平行した方形
   乃至長方形サークル状の細溝を切設すると共に、該方形
   乃至長方形サークル状の細溝の内側に、基板の中心を中
   心とした設定径の円形の細溝を切設し、各細溝の外周線
   に沿って目盛を付し、 該基板の細溝を切設し目盛を付した側の面に透明なカバ
   ー板を一体的に固着し、もって、各細溝を密封して各細
   孔を形成すると共に各細孔内に設定量の流体を充填して
   構成したものであり、 被計測物に任意の基準面を当接し、そのときの縦方向に
   平行な左右細孔内の流体の各先端の目盛の差、つまり設
   定寸法離隔した２点の目盛の差を読み取ることによって
   被計測物の２点間の勾配及び角度を計測し得るようにし
   たことを特徴とする、 勾配、角度計測装置。
2. 【請求項２】目盛を、基板の各細溝の外周線に沿って目
   盛を付すか、基板裏面若しくはカバー板の、各細孔の外
   周線と相対する位置に目盛を付すか、各細孔の外周線と
   相対する位置に目盛を表わした透明な目盛板をカバー板
   の外面に一体的に固着して、付すようにした、 請求項１の勾配、角度計測装置。