JP3001981U - 植物栽培ハウスの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ ハウス内には常に湿潤な状態が保持され、特
に育苗施設として最適なものとすることができ、しか
も、その温度は冷却された水分により得られるものとさ
れ、ハウス内の上下の温度差も解消できるようにする。 ［構成］ 下方部分にファンを装備した通気室を設け、
その通気室には相互に突出する仕切壁を形成して流通距
離を延長させる蛇行状態とし、その通気室内には水を噴
射させるパイプを備え、かつ、前記通気室には天井部分
までガイドするダクトを連接してあることとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は植物栽培ハウスの構造、特に育苗を目的とした植物栽培ハウスの構 造に関する。

【０００２】

【考案の背景】

施設内で植物を栽培する場合は、自然環境条件に左右されることなく、栽培 目的を達成するために、栽培施設は一般的に透光性を有する被覆材（ガラス、ア クリル、塩化ビニール、ポリエチレン、ポリエステル等）を展張した密閉度の高 い施設、又は、採光を必要としない栽培法にあっては、遮光資材で覆われた密閉 度の高い栽培施設の構造になっている。

【０００３】 このような、施設構造内で最も効率的な栽培を行なうために、栽培目的に応 じ、自然光や電照、保温や加温、換気や冷却、遮光、除湿、加湿、ＣＯ₂の施用 等種々な生育に適した環境条件を人為的に与え、制御しながら栽培の周年化が図 られている。

【０００４】 栽培施設内の温、湿度環境は、施設上層部が高く、下層部が低い。特に施設 内に採光を図ることによって、施設内温度は高くなり、一層上層が高く、下層は 低い現象が生じてその較差も大きくなる。

【０００５】 そこで、施設内温度を目的の適温に近づける手段として、一般的に施設天井 部に窓を設け、その開閉の程度によって制御が行なわれている。又、重装備化さ れた施設では、冷却空気を送入する制御法などが取られている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、いずれの方法によっても、現行の方法では、上層と下層の温度較差 が大きいこと。水平温度分布較差が生じ易いこと。床面（地中）からの放熱があ ること。被覆資材内側表面に結露現象が生じ、自然光を施設内に取り入れる場合 、光の透過効率を著しく低下させること。そして、青苗の場合、冷却空気を送入 する場合、特に悪影響となる湿度低下を伴うこと。等が起こり得る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は上記した従来の技術の問題点に着目してなされたもので、 かかる問題点を解消すべくなされたもので、下方部分にファンを装備した通気室 を設け、その通気室には相互に突出する仕切壁を形成して流通距離を延長させる 蛇行状態とし、その通気室内には水を噴射させるパイプを備え、かつ、前記通気 室には天井部分までガイドするダクトを連接してあることを特徴としている。

【０００８】

【作用】

かかる構造としたことにより、ハウス内には常に湿潤な状態が保持され、特 に育苗施設として最適なものとすることができ、しかも、その温度は冷却された 水分により得られるものとされ、ハウス内の上下の温度差も解消できることとな るのである。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施の一例を図面を参照して説明する。図１は本考案を実施 した植物栽培ハウスの内部構造を示す正面図、図２は同じく側面図、図３は同じ く通気室の平面図、図４は同じく側面図である。

【００１０】 これらの図にあって１は特に育苗を目的とした植物栽培ハウスである。この 植物栽培ハウス１の下方部分には通気室２が形成されており、この通気室２は後 述する水の自然排出を図るため、その底面を一方向へ傾斜させたものとされてい る。

【００１１】 前記した通気室２にはシロッコファンを備えた吸気口３と、天井に備えた吹 出口４と連通するダクト５への送気口６が形成されたものとなっており、内部は 流通空気の溜りや渦流を防ぐためコーナーをアール状とした仕切板７、７…が順 次相互に突出され、内部の空気が蛇行し、流通距離を長くとるよう図られている 。

【００１２】 また、前記した通気室２の底面近くには多数の噴射口８、８…を穿設した複 数のパイプ９、９…が本管１０より延設されている。このパイプ９、９…の噴射 口８、８…からは冷却された水がシャワー状態で通気室２内へ噴射され、空気は この水によって冷やされ、湿気を十分に含有した状態で吹出口４より植物栽培ハ ウス１内へ供給されることとなる。

【００１３】 本実施例に係る植物栽培ハウスの構造は上記のように構成されている。その ために、十分に湿気を含んだ冷気を植物栽培ハウス内に供給することができ、ハ ウス内における温度や湿度のムラを解消することができる。しかも、ハウス下方 に通気室を設備したことにより、ハウス内にパイプをはじめ、冷却装置等を置く 必要性がなくなり、ハウス内のスペースを効率よく使用することができる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案に係る植物栽培ハウスの構造は上述のように構成され、作用する。そ のため、特に育苗用として十分な湿度と冷気をムラなくハウス内に供給すること ができ、効率のよい作業効果を得ることができるものとなっている。

【図面の簡単な説明】

【図１】植物栽培ハウスの内部構造を示す正面図であ
る。

【図２】植物栽培ハウスの内部構造を示す側面図であ
る。

【図３】通気室の平面図である。

【図４】通気室の側面図である。

【符号の説明】

１ 植物栽培ハウス ２ 通気室 ３ 吸気口 ４ 吹出口 ５ ダクト ６ 送気口 ７ 仕切板 ８ 噴出口 ９ パイプ １０ 本管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 下方部分にファンを装備した通気室を設
   け、その通気室には相互に突出する仕切壁を形成して流
   通距離を延長させる蛇行状態とし、その通気室内には水
   を噴射させるパイプを備え、かつ、前記通気室には天井
   部分までガイドするダクトを連接してあることを特徴と
   する植物栽培ハウスの構造。