JP3000922U

JP3000922U - 励磁突入電流の発生を抑え１サイクルからのｏｎ／ｏｆｆ出来る装置。

Info

Publication number: JP3000922U
Application number: JP1994001922U
Authority: JP
Inventors: 邦男中原; 保明相良
Original assignee: 株式会社日本電気応用製作所
Priority date: 1994-02-02
Filing date: 1994-02-02
Publication date: 1994-08-16
Anticipated expiration: 2000-02-02

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】変圧器に電源を投入する時、変圧器の巻き線
に直流電流を流しこの直流電流と反対方向の正弦波電圧
の０Ｖより交流電源を入力し変圧器の励磁突入電流を抑
え１サイクルからＯＮ／ＯＦＦ出来るようにする。【構成】電源変圧器３と電源をＯＮ／ＯＦＦする為の
半導体スイッチ１及び変圧器に直流電流を流す直流電源
７、直流電流をＯＮ／ＯＦＦする為のスイッチ６、この
ほかに電源のＯＮ／ＯＦＦするタイミングを制御し半導
体スイッチに信号を加える制御器から構成する。まずス
イッチ６を閉じ直流電源より変圧器に直流電流を流し
（イの方向）変圧器を直流磁化してスイッチ６を開く、
次に交流電源源の０Ｖより半導体スイッチ１によって変
圧器に電源を供給する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】この考案は変圧器の励磁突入電流の発生を抑え１サイクルからのＯＮ／ＯＦＦする事が可能な装置に関するものである。

【産業上の利用分野】

【０００２】本装置では、変圧器に電圧を印可する場合は、励磁突入電流の発生を抑え変圧器及びそのライン上又は周辺機器に、悪影響を及ぼす事なく電圧を印可する事ができる。依って断続負荷電源の容量の大小及び通電時間にかかわらず、きれいな波形で運転する事が可能である。

【従来の技術】

【０００３】一般に変圧器の励磁突入電流は、鉄芯の飽和特性、残留磁束の大きさと磁化極性、電源突入の電圧位相、回路のインピーダンスなどによって異なり、一次入力電流の１０倍以上にも達し、１０サイクル以上とる。その波形成分は電源投入時のタイミングにより、第３高調波、第５高調波、第７高調波など種々雑多に発生し、電源を始めとし負荷回路及び周辺機器に悪影響を与える事がある。その悪影響を出来るだけ軽減するために従来に於いては、（１）鉄芯の磁束密度を１／１．５位に下げて使用する。（２）電源ラインに直列抵抗を挿入して、突入電流がおさまってから直列抵抗を短絡し正規の電源を供給する。（３）電源の供給をスライダック等に依り低い電圧から除々に上げ正規の電源を供給する。（４）電源ラインに直列に突入電流制限用リアクトルを挿入する。等いろいろな方法が用いられていた。しかし、いずれの方法も一長一短があり、正規の電源を瞬時に投入し、１サイクルから正常な電源を取り出す事は困難である。

【考案が解決しようとする課題】

【０００４】本考案は、変圧器の励磁突入電流の発生を抑え、１サイクルから一次側電源及び二次側に影響を与える事なく変圧器の二次側に電源供給をする事を目的とした考案である。

【考案が解決するための手段】

【０００５】本考案は変圧器の残留磁束によって励磁突入電流が大きく変わる事に着目し残留磁束を制御する事にした。

【作用】

【０００６】図１は、電源投入をＰ点で入れる事とし、残留磁束を（＋），（０），（−）とした時の突入電流の比較図である。図１によって、突入電流を減衰する為には、残留磁束を（−）にし図１のＰ点で図２の瞬時スイッチにより電源投入すれば良い事がわかる。残留磁束を（−）にする為には、変圧器の巻き線に図２の（イ）の方向に直流電流を流し鉄芯を（−）磁化させればよい。また瞬時スイッチを時間制御器の設定により１サイクルから連続通電まで可変する事が可能である。

【実施例】

【０００７】変圧器を直流磁化する方法は図２の、（１）一次コイルに直流電流を流す。（２）二次コイルに直流電流を流す。（３）三次コイルに直流電流を流す。（４）一次二次共通コイルに直流電流を流す。上記の４方法があるがいずれも図２の（イ）の方向に直流電流を流す事で、変圧器の鉄芯を（−）磁化させる事が出来る。なお変圧器のコイルに流す直流電流値は、変圧器の磁束密度と等程度となる値とする。

【考案の効果】

【０００８】本考案により電源環境に悪影響を与えずに変圧器の励磁突入電流の発生を抑え瞬時スイッチにより１サイクル又は、半サイクル通電も可能となる。また三相の場合は、単相変圧器を図３の様に３台組み合わせることにより実現する事ができる。この場合の直流磁化は図３の（イ）方向で、電源投入位置は、Ｕ相用瞬時スイッチ・・・・図４のＰ１点、Ｖ相用瞬時スイッチ・・・・図４のＰ３点、Ｗ相用瞬時スイッチ・・・・図４のＰ２点で投入する。三相入力の二次側負荷は図３の回路図以外にも、デルタ、スター結線などの結線方法でも使用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】残留磁束によって励磁突入電流（突入電流）
がどの程度変わるかを比較した線図である。

【図２】変圧器に直流磁化するための回路図である。（１）・・・・瞬時スイッチ（サイリスタなど）、
（２）・・・・一次コイル、（３）・・・・複巻変圧
器、（４）・・・・二次コイル、（５）・・・・負荷、
（６）・・・・直流回路ＯＮ／ＯＦＦスイッチ、（７）
・・・・直流電源、（８）・・・・負荷ＯＮ／ＯＦＦス
イッチ、（９）・・・・三次コイル、（１０）・・・・
単巻変圧器、（１１）・・・・一次二次共通コイル。

【図３】三相の場合の回路図である。（１）・・・・瞬時スイッチ（サイリスタなど）、
（２）・・・・一次コイル、（３）・・・・変圧器（Ｕ
−Ｖ相用）、（４）・・・・二次コイル、（５）・・・
・直流電源、（６）・・・・直流回路ＯＮ／ＯＦＦスイ
ッチ、（７）・・・・変圧器（Ｖ−Ｗ相用）、（８）・
・・・変圧器（Ｗ−Ｕ相用）、（９）・・・・負荷。

【図４】三相の場合の入力電圧を示しており、Ｐ１〜
Ｐ３は電源投入位置を示している。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】変圧器の巻き線に直流電流を流す事によ
り変圧器の鉄芯を直流磁化させ、この磁化させる直流電
流と反対方向の正弦波電圧を０Ｖより交流電源を入力す
る事により変圧器の励磁突入電流の発生を抑え１サイク
ルからＯＮ／ＯＦＦ出来る装置。