JP2999999B1 - 燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給装置 - Google Patents

燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給装置

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JP2999999B1
JP2999999B1 JP24750198A JP24750198A JP2999999B1 JP 2999999 B1 JP2999999 B1 JP 2999999B1 JP 24750198 A JP24750198 A JP 24750198A JP 24750198 A JP24750198 A JP 24750198A JP 2999999 B1 JP2999999 B1 JP 2999999B1
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Abstract

【要約】 【課題】 電磁ポンプの空運転による電磁プランジャの
損耗や騒音発生防止とその耐久性を増大させることであ
る。 【解決手段】 電磁プランジャ(23)を比較的長時間の空
運転に耐え得る部材をもって構成した上、さらに過剰な
空運転を阻止するためその時間を限定調整可能な時限タ
イマを備え、さらに液体を初期の吸い上げするときの呼
び水的な液の注入を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として、地上
もしくは地下室などの低所に設置されたメインタンクの
燃料油などを、より高所の階上などの室内に設けた給
湯、暖房等の石油燃焼器まで吸い上げ、これに直接供給
する装置に関するものであって、特にその目的とすると
ころは、前記メインタンクからの吸い上げ側の配管が空
であるいわゆるポンプの初期始動時に呼び水的な油の注
入を必要とせず、比較的長期の空運転に耐えるのみなら
ず、しかも過剰な空運転を防止するためにその空運転時
間を限定し、かつこれが調整可能な時限タイマーを備
え、該ポンプの損耗を防ぎ、その耐久性を保つことなら
びに貯油槽の油面を所定範囲に制御することである。
【0002】
【従来の技術】この種の装置には、本願出願人が先に提
案した実公昭52-33601号公報に記載の技術がある。これ
は、容積形、非容積形を問わず、吸い上げポンプに利用
する補助タンクに負圧室を設け、手動で開放可能で、常
態では閉じている弁を有する所謂呼び水的な油の注入を
する装置に係るものである。
【0003】その他、一般的に非容積形の回転ポンプを
利用したものがこの種の吸い上げ供給装置には多いが、
何れもこの呼び水的な油の注入を手動で初期始動の際に
行なわなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のこの種の装置では、ポンプの初動時には、呼び水的な
液体の注入を必要とし、その都度の手間は煩雑で、この
操作時間の損失があった。また、容積形の往復ポンプを
利用した場合でも、すなわち例えば図4に示すように、
屋外または地下室などに設置されたメインタンク102
内の燃料油を配管によって吸い上げヘッドHmのこの種
の本装置1に吸い上げて、これを燃焼器101に供給す
る場合に、前記配管内が空の初動時には、この往復ポン
プは、燃料油を吸い上げるまでは空運転を余儀なくされ
る。一般に、この吸い上げヘッドは5m乃至8m、配管
の横引き長さは通常2m乃至40mを要求されるから、
この配管内の空気を抜き取るまでは、いわゆる呼び水を
行なわない限り、ポンプは空運転をせざるを得ない。こ
の空運転時間の長い集積は、このポンプの損耗の要因と
なり、耐久性を劣化させるから好ましくない。
【0005】また、この装置に、一般に周知の電磁ポン
プを利用したものがあるが、この場合も、前記呼び水を
行なわない限り、空運転は避け得べくもない。しかも電
磁ポンプにおける電磁プランジャなどは小径で、その行
程長は液送時は短く、空運転時は液体の流動抵抗がない
ので、磁力とばねの反発力とを利用した電磁プランジャ
は所謂流体の流動抵抗や流動圧力の少ないときには、そ
の行程長の伸長するフリーピストンであるから、その行
程長が伸長し、振動が大きく、フリーピストンの電磁プ
ランジャを圧支するばねの伸縮の度合いが増長してばね
の折損や座屈を生じ、電磁プランジャとこの摺動往復す
るシリンダ壁の双方を損傷する要因となる。
【0006】しかも、この種の電磁ポンプは、前述した
ようにその径が小さく、行程長も比較的小であり、しか
も吸入および吐出の逆止弁による所謂デッドスペースが
比較的大きいものが一般的であるから、容積効率も低
く、圧縮性のある空気を排出する所謂空運転時の吐出性
能はきわめて低く、この空気排出の空運転時に多大の時
間を空費してしまい、このロスやポンプ自体の損耗の大
なることはもちろんである。本願発明は、それにもかか
わらず、シリンダ内を摺動往復する電磁プランジャの表
面を窒化して硬度を高め、減摩剤を塗布焼付けした従来
の方法からさらに減摩効果を高めた弗素系樹脂をコーテ
ングする等を行なうと共に、上記ポンプの初動吸い上げ
時の呼び水的な液体の注入を要せず、そしてポンプの空
運転による前記損耗や騒音発生防止と、その耐久性を増
大させることを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の燃焼器の燃料油等の吸い上げ供給装置
は、電磁コイルへ断続パルス電流を付勢して得られる断
続した磁気吸引力および復帰するばねの反発力とによっ
て前記電磁コイルに囲繞されたシリンダ内を摺動往復す
る電磁プランジャを備えた電磁ポンプを、貯油量を所定
範囲に制御すべくその液面を検知して電源を開閉する機
能を具備する貯油槽に一体に付設し、下方に設けたメイ
ンタンクから液体のポンプ始動初期の吸い上げ時に呼び
水的な液の注入手段を備えぬものであって、前記電磁プ
ランジャを含む摺動往復部材の表面を硬化およびもしく
は減摩材でコーテイングを行うはもちろん、前記電磁プ
ランジャを互いに相反する向きから挟支圧設した復帰用
のばねと支え保持用のばねとは、いずれもばね指数と縦
横比を大きく、かつ有効捲数を多くすることによりばね
定数を小にして、しかも自由高さを比較的長大にして撓
み量を多くして荷重を増大させるようにした圧縮コイル
ばねであり、前記電磁ポンプの始動初期の空運転時の電
磁プランジャの往復動の行程の長大となるその上死点に
おいても、前記復帰用のばねが全圧縮されることなく、
同時に支え保持用のばねは、その自由高さ以内にあっ
て、前記電磁プランジャの圧設挟支状態を維持して、前
記電磁プランジャおよび前記両ばね等の往復動部材の遊
離脱落を防止し、さらに過剰な空運転を阻止するために
その時間を限定調整可能な時限タイマーを備えてこれを
規制し、ポンプの損耗およびこれによる騒音の発生を防
止して耐久性を増加させたことを特徴とする。
【0008】そして、前記貯液面を所定範囲内に制御す
るために液面を検知して、電源の開閉とこれを表示およ
びもしくは信号発生手段の構成は、前記液面の規定され
た下限でこれを検知して電磁コイルへの通電を開始し、
規定された上限でこれを検知して通電を絶つことを繰り
返し、さらに前記上限を超えて貯油槽から溢流しようと
する異常事態においては、再度電源からの通電を絶つ三
段一体構成のリードスイッチを含むフロートスイッチ機
構およびもしくは発光素子と受光素子とからなる開閉制
御機構と、表示等の信号発生手段を備えたことを特徴と
する。
【0009】さらに、前記貯油槽に電磁ポンプと電源ス
イッチをその要部に備えたポンプ駆動制御回路基板とを
一体にまとめてシャシーに組み付け、さらにこれらの外
面を防塵、防滴保護用のカバーをもって覆い取り付け、
該カバーの前記電源スイッチに臨み、穿った打ち抜き窓
を介して手動によってその開閉操作を可能として、カバ
ー自体には電気的接続を排除し、さらに前記打ち抜き窓
に、盲蓋として、切欠き溝を有する環状段落部を有し、
該打ち抜き窓に円筒部と繋止鉤および鍔を備えたファス
ナキャップを挿入嵌合させて、そのつまみを回動して装
着脱を可能としたことを特徴とする。
【0010】そして、さらに前記シャシーに貯油槽を反
転して取り付けることによって、電磁ポンプの吸入側と
貯油槽の流出側のそれぞれの管接手部の位置を交互に交
替可能としたことを特徴とする。以下、述べるのは、本
発明の特許請求の範囲各請求項記載の事項を特徴とする
装置である。
【作用】
【0011】前記構成による本発明の電磁ポンプは、そ
の電磁コイルを付勢するパルス電流により発生する磁力
と復帰用のばねの反発力とを交互に利用することによっ
てシリンダ内を摺動往復自在に電磁プランジャが作動し
てポンプ作用を行なう。電磁ポンプは本装置の貯油量を
所定範囲に制御すべく液面を検知して電源を開閉する機
能を具備する貯油槽に一体に付設してあり、また本装置
は地下または地上に据えつけられたメインタンクから5
〜8mの高さまでおよび横引き2〜40mの長さを燃料
油を吸い上げてこれを室内の燃焼器に供給することを要
求されるものである。それ故、燃料油を初めに吸い上げ
る場合には、前述した長さおよび高さの吸入側の配管内
の空気を吸引吐出するのに、呼び水的な液注入を行なわ
ないときには、ポンプの長時間のいわゆる空運転を当然
行なう必要を余儀無くされる。
【0012】そしてこの空運転時には、液体の流動圧力
抵抗がないので、前述したようにフリーピストンと電磁
プランジャの往復行程長は伸長する。これは、ポンプの
容積効率を高める効果はあるが、無給油状態で空運転す
るわけでシリンダ内壁や電磁プランジャの外側部の摺動
磨耗の度合いが増加する。本発明の場合には、前述した
ように、減摩前のコーテイングをしていて比較的長時間
の空運転には耐久性があり、また電磁プランジャを挟支
圧接している前記上、下ばねも何れもばね指数、縦横比
の値を大きく選びかつ有効捲数を多くしてばね定数を小
にし、しかも自由高さを比較的長大で挟み量を多くする
ことにより荷重を増大するように設定した圧縮コイルば
ねであり、この空運転時の電磁プランジャの往復行程長
の長大となったときの上死点においても、復帰用の上ば
ねが全圧縮状態とはならず、同時に支え保持用の下ばね
は伸長するがその自由高さ以内で撓みを有して、電磁プ
ランジャを圧支持続可能の状態を維持していて、前記電
磁プランジャおよび上下ばね等の往復動部材の破損遊離
脱落等によるポンプの損耗および騒音の発生を防止して
耐久性を増したものである。
【0013】しかして、メインタンクの燃料油が前記吸
入側の配管を通り、電磁ポンプの吸入側に設けたフィル
タを経てポンプ内から貯油槽に吐出され、初めてポンプ
の空運転が終わり、正常のポンプ作用が行なわれて、貯
油槽下限液位から引続きポンプ作用を継続して上限液位
に到り、これを検知して電磁ポンプへの付勢電流の通電
を断つ、このように電磁コイルへの通電開閉を繰り返す
ものである。この間においては、電源スイッチは閉じら
れて駆動制御回路への通電は点灯によって表示されてい
る。
【0014】貯油槽内の燃料油は、その吐出側に設けた
開閉弁を開くことにより、燃焼器に供給され、燃焼によ
って貯油槽内の燃料油が消費されて下限液位まで低下す
ると、これを検知して、再びポンプへの通電が開始さ
れ、液位が上限に達すると、再び前記通電を停止し、自
動的にこの作用を繰り返す。この上限液位に達してもそ
れを検知できないで電磁ポンプへの通電が絶たれず、液
位が上昇して非常あふれ液位に達したときは、これを検
知してさらに前記電源からの通電を断ち、同時にこれを
表示し、或いは警報を発することを可能にした構成であ
り、前記下限ならびに上限、さらに非常あふれの各液位
を検知し、これを表示およびもしくは信号を発生する手
段はこれら三段一体構成のフロートスイッチ機構であ
り、もしくはこのフロートスイッチに代えた発光素子と
受光素子とをもって液面を検知して信号を送り、電源開
閉等を行なうものとすることもできる( 特許第2675258
号、特開平10-185174 号、特開平10-185655 号の各公報
参照) 。さらに、前記フロートスイッチと発光および受
光素子とを併用もしくは混用して、例えば上下限液位用
には、前者のフロートスイッチ、溢れ防止には、発光な
らびに受光素子を利用してもよい。
【0015】なお、前記ポンプの初期吸い上げ時の空運
転時間が吸い上げヘッドが比較的短い5m以下またはそ
の前後で横引きの距離も短い場合、前記空運転時間も短
いので、ポンプを保護するための空運転時間を制限する
時限タイマーの調整時間を例えば10分間とし、また吸
い上げヘッドが高く、例えば8mで横引きの長さもさら
に大なるときは、さらに時限を長く例えば20分に設定
した別個の時限タイマーをオプショナルに付設して対応
する。もしくは前記時限を10分、20分共に或いはそ
れ以外の時間にも対応して時間を調整可能なタイマーを
利用してもよい。
【0016】電磁ポンプの初期吸い上げ時の空運転を制
限する時限タイマの時間を超過したときは、ポンプへの
通電を断ち、点灯によって表示される。なお、この外に
前記本発明の特許請求の範囲の各請求項に記載の事項に
ついては、さらに実施の形態の欄で説明するので、この
重複を避け、この欄における説明は省略する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下の説明は、前述した事項と重
複する部分があるが、以下本発明の実施の形態を図面に
より詳細に説明する。図1は、本発明の燃焼器の燃料油
等の自動吸い上げ供給装置の一部断面を示す内部構成図
であり、図2は図1の内部平面図であり、図3は本発明
の装置に付設する電磁ポンプの一部断面を示す縦断説明
図である。
【0018】図4は、本発明の燃焼器の燃料油等の自動
吸い上げ供給装置(以下、単に本装置という)の配置図
で、地上若しくは地下室等に据え付けたメインタンク1
02から配管によって吸い上げヘッドHmの高所の屋内
に設置した本願発明の装置1に燃料油を吸い上げ、さら
に屋内に設けた暖房機、給湯ボイラ等の燃焼器101に
落差をもって供給し、これを燃焼させるものである。
【0019】まず、図1において、電磁ポンプ2は吸入
接手211を介してフィルタエレメントを硝子もしくは
合成樹脂をもってなる透明なフィルタ油槽31内に収め
たフィルタ3に接続し、フィルタ3は管接手33に図示
しない前記吸入側配管が接続される。電磁ポンプ2の吐
出接手213より油導管41を介して貯油槽4にねじ止
め固定された油槽蓋5を経て前記貯油槽4に接続されか
つ電磁ポンプ2は貯油槽4に一体的に付設されている。
貯油槽4には、前記油槽蓋5に取り付けられた筒状のフ
ロートスイッチ部6が挿入されており、その外周に輪状
の永久磁石65を備えたフロート64が上下移動自在に
嵌装されている。
【0020】前記下限液位66に臨み、常開(ノルマル
オープン)のリードスイッチ61、上限液位67に臨
み、常閉(ノルマルクローズ)のリードスイッチ62、
非常あふれ液位68に臨み、常閉のリードスイッチ63
がそれぞれ三段一体にフロートスイッチ部6に嵌装され
た細かい板状のプリント基板に組みつけられている。貯
油槽4の底部に接続された把手44を備えた開閉弁43
の開成によって燃料油が、管接手45に取り付けられた
図示しない流出側の配管を経て前記燃焼器に供給される
ものである。
【0021】貯油槽の最低の底部には、燃料油に含有し
た水分を排出する水抜きプラグ46を備えている。ま
た、貯油槽4の内側の一部にオーバーフロー仕切り槽4
2が隔壁によって設けてあって、非常あふれ液位68を
超えた場合に、その底部に配管を接続して余剰液体を放
出してメインタンクに戻すこともできるが、該配管を付
設しない場合には、プラグ47をもって締切栓としてい
る。49は電源コードであり、電磁ポンプ2の駆動は後
述する電源スイッチSW1の開閉により、さらに貯油槽
4の前面に組み込まれた駆動制御回路基板8に接続コネ
クタJP1(CN1)その他の接続器および接続コネク
タCN3から図示しないファーネスによって前記フロー
トスイッチ部6と接続することにより貯油槽4内の液面
は自動的に制御される。
【0022】電磁ポンプ2の作用によって、メインタン
ク102からの燃料油は矢印aのようにフィルタ3内に
吸い上げられ、次いで矢印bに示すように燃焼器101
に供給されるのである。貯油槽4はシャーシ9に取り付
けねじ91により螺締着され、本装置を保護して覆うカ
バー7が止めねじ74によりシャーシ9に螺締取り付け
装着される。
【0023】貯油槽4の前面には、駆動制御回路基板8
が取り付けねじ92によって螺締装着される。図2にお
いて、貯油槽4を反転して、駆動制御回路基板8の側を
シャーシ9の取り付け側に、シャーシ9の取り付け側を
駆動制御回路基板8の取り付け側にそれぞれ入れ替える
と、フィルタ3を備えた電磁ポンプの吸い上げ側と貯油
槽4からの流出側が交互に入れ替わり変換可能となり、
既設の異なる配管位置の燃料油吸い上げ供給装置を本願
の装置と交換する場合等に配管の作業が容易でかつまた
誤接続のおそれがない。(図7参照)
【0024】次に、本装置の電磁ポンプにつき、図3に
より説明する。この種類、すなわちインライン容積形の
電磁ポンプの一般的な構成については、ことさらに説明
するまでもないが、一応その概要を述べる。電磁ポンプ
2は電磁コイル21の軸心縦貫穴にその上下両端面に継
鉄217によりそれぞれ固定される環状磁極218と環
状磁路219とを挿嵌し、その内孔にさらにシリンダ2
2を嵌装してある。シリンダ22内には、復帰用の上ば
ね24と支え保持用の下ばね25とにより、互いに相反
する向きからの等しい反発荷重により、上ばね座215
と吸入接手211の内孔端部に備えた漏止弁座261と
の間に釣合い挟支圧設された吸入弁体27を含む吸入弁
機構を内蔵した電磁プランジャ23が摺動往復自在に嵌
装されている。
【0025】前記吸入接手211はシリンダ22の下端
部に嵌合接続され、前記漏止弁座261には漏止弁体2
6が係設されている。シリンダ22の上端部は、さらに
前記上ばね座215を内嵌するとともに、吐出弁体28
と係合する吐出弁座281とにより構成された吐出弁機
構を内蔵する吐出接手213に嵌合接続されており、該
吐出接手213はその吐出口214から前記油導管41
を経て貯油槽4に流路が形成されている。
【0026】吐出接手213、環状磁極218、継鉄2
17、電磁コイル21、シリンダ22、環状磁路21
9、吸入接手211等は順次積層接続されて外枠216
と下板220との間に図示してない複数個の小ねじを螺
締することで挟設固定される。電磁コイル21に駆動制
御回路からの断続パルス電流を付勢すると、導通時に発
生する磁力によって、電磁プランジャ23は環状磁極2
18の方に、すなわち図において上方に吸引される。こ
のとき働く磁力は、電磁プランジャ23の上端面と環状
磁極218との間に働く空隙を埋めてパーミアンスを増
大させようとする所謂空隙磁気吸引力と、電磁コイル2
1の磁気中性点に向かって働く電磁プランジャ23の磁
気中心点間の所謂ソレノイド磁気吸引力との和である。
これらの磁気吸引力により、導通時には、電磁プランジ
ャ23は上ばね24の反発力に打ち勝つ力でさらにその
撓みを増加させながら上方へ移動する。このときには、
下ばね25はポンプ静止時の釣合い状態時からその撓み
を減少させて伸長しながら、なお電磁プランジャ23の
保持を継続する。
【0027】電磁コイル21へ付勢する断続パルス電流
の非導通時には、前記磁気吸引力が消滅減衰して復帰用
の上ばね24の反発力によってもとの釣合い位置に戻ろ
うとする。この電磁プランジャ23の復帰運動と、前記
吸入弁ならびに吐出弁機構の協働作用によって、メイン
タンク102の燃料油は、吸入側配管よりフィルタ3に
より濾過されて電磁ポンプ2へ矢印aのように吸引さ
れ、矢印bのように吐出口214、油導管41、貯油槽
4、開閉弁43を経て燃焼器101に供給されるのであ
る。
【0028】前述した初期における電磁ポンプの空運転
時間を制限してポンプの耐久性を保守し、保護する時限
タイマーに関する作用等については、すでに説明済みで
あるから省略する。前記ポンプの初期吸い上げ時の空運
転時は、この電磁ポンプは前述したように磁力とばねの
反発力を交互に利用して往復動する電磁プランジャ23
をもつフリーピストンポンプであるから、燃料油等の液
体を吐出しないで圧縮性の空気などの気体を吸排出する
ときの流動圧力の少ないときにはその行程長を伸長す
る。そして電磁コイル21への断続パルス電流の導通時
には、電磁プランジャ23は上、下ばね24、25によ
って釣合い挟支されている静止時の位置から図において
上方にはるかに移動する。このために、この移動した長
さだけ上ばね24は圧縮され、下ばね25は伸長する。
そして電磁コイル21への付勢電流の周期中の非導通時
には、上ばね24の反発力でもとの静止時の位置に電磁
プランジャ23は戻されるが、その慣性エネルギーによ
り前記静止位置を超えて下方まで行程長を伸長し、下ば
ね25を撓ませて復行程長を増加させる。
【0029】このように空運転の場合には、電磁プラン
ジャ23の往復行程長が甚だしく増大し、その摺動摩擦
により、シリンダ22の内璧共々双方の磨耗を増し、上
下両ばね24、25も伸縮の増大による折損、座屈等の
発生要因となる。さらに、電磁プランジャ23の往行程
の前記上死点における上ばね24が仮に全圧縮されたと
すると、ばね折損の危険が増大し、このときの下ばね2
5が自由高さを超えて電磁プランジャ23と遊離して間
隙を生じ、そのために挟支持続不可能となると、電磁プ
ランジャ23はシリンダ22内で縦方向の遊びができて
躍ることになり、上記各要因がポンプの損耗、故障や振
動、騒音の発生をもたらすことになる。
【0030】したがって、これらの要因をすべて排除し
なければならない。電磁プランジャ23とシリンダ22
の内壁間の摺動摩擦による磨耗は、前述したような減摩
処理を行なってこれを防いでいるので、その説明は省略
する。しかしながら、上下ばね24、25の座屈により
電磁プランジャ23のシリンダ22への側圧がかかるこ
とは、互いに偏磨耗を生ずるので、この座屈は阻止しな
ければならない。
【0031】この種の電磁ポンプにおける燃料油を吸入
吐出する通常の場合は、電磁ポンプ23は上下ばね2
4、25間に挟支圧設されている静止の位置から磁気吸
引力の働く上方に偏位して往復運動してポンプ作用を行
い、後述する本発明の一実施の形態においても、その行
程長は1〜2mmである。しかしながら、前述したよう
に空運転の場合は、その行程長は甚だしく伸長し、その
上下の死点も大きく偏位するものである。すなわち、本
発明の前記と同じ一実施の形態において、空運転時の電
磁プランジャ23の往行程の上死点の位置はその静止時
より上方に9mmであり、復行程の下死点の位置は該静
止時より下方に3mmであった。つまり、電磁プランジ
ャ23の行程長は12mmであり、上ばね24は静止時
の釣合い位置から9mm圧縮され、このとき下ばね25
は静止時の釣合い位置から9mm伸長したことをストロ
ボスコープによって測定し、これを確認したものであ
る。
【0032】このような圧縮コイルばねにおける設計上
の諸元に基づくばね定数Kは、周知のように次の通りで
ある。 K=P/δ=(G×d4 )/(8×N×D3 ) 但し、P:荷重 δ:ばねの圧縮撓み量 d:ばねの線径 D:ばねの中心径 G:ばね材料の横弾性係数 N:ばねの有効捲数 Kの値の大なるほど所謂強いばねとなる。
【0033】 C:ばね指数 ho :ばねの自由高さ とすると、 C=D/d ばね指数は通常4〜10の範囲に収めるとよいとしてい
る。
【0034】 縦横比=h0 /D 縦横比は、通常0.8〜4.0に定められることが多
い。これは、座屈による倒れを予防するためであるとし
ている。
【0035】電磁プランジャポンプにおいては、必要と
する液体の吐出圧力と流量に応じてプランジャの直径と
行程長およびこれを作動すべき磁気吸引力ならびにこれ
に対応するばねの設計上の諸元を求めなければならない
が、これらポンプの吐出能力、磁気吸引力の発生源であ
る電磁コイルおよび電磁プランジャを挟支圧設する上下
ばねによる所謂合成ばねの撓み量と荷重等に関しては、
本出願人が先に提案した特公昭57-12863号公報に詳細な
説明が開示されているので、これらの説明は省略する。
【0036】本発明の装置に付設する電磁ポンプは叙上
の条件を満足することを必要として求められたものであ
って、上述した上、下ばねについての説明の前にまづ図
10、図11に基づいてその吐出性能について述べる。
図10は横軸に電磁コイルへ付勢する断続パルス電流の
駆動周波数Hzをとり、このときの周期ごとの導通期間は
10m Sec 、縦軸に吸い上げ揚程−mをとったときの線
図であり、26.5 Hz 付近で約−9mで最高であった。
【0037】図11は横軸に吸い上げ揚程−mをとり、
縦軸に吐出流量リットル/毎時をとった線図で、上の線
図は配管の横引き長さ2m、下の線図横引き40mの場
合のそれぞれ吸い上げ吐出特性を示すもので、吸い上げ
揚程8mで吐出流量はそれぞれ8リットル/毎時と5リ
ットル/毎時を満足していることが判る。このときの燃
料油はJIS 1 号灯油であり、ポンプの消費電力容量は1
6W以内であった。
【0038】なお、このときの電磁プランジャ23の直
径は8mmで周波数27Hzであるから、吐出流量からそ
の往復移動容積が計算でき、行程長が求められる。往復
移動時の漏れは殆どなく、ロスの少ないことは知られて
いるから、その行程長はほぼ1mm乃至2mm弱であ
る。但し、吸い上げ揚程も吐出圧力の低いときには、フ
リーピストンポンプであるから吐出量は増大し、該行程
長も増加する。
【0039】また、吐出液体の動粘度、温度、配管の内
径寸法とその仕上げ面の粗さおよびその長さ等によりレ
イノルズ数も変化してポンプの吐出能力は変動する。そ
して、さらに説明を加えると、この実施の形態の電磁ポ
ンプの場合は、図10によると、周波数26乃至27Hz
を頂点として、吸い上げ揚程はその前後が次第に低下し
ている。
【0040】20〜26Hzまでが、周波数が増加するに
したがって吸い上げ揚程が増加しているのは、電磁ポン
プの往復動の回数の増加にしたがっているものであり、
27Hz付近から周波数を増すと、かえって吸い上げ揚程
が減少してゆくのは、このポンプの磁気吸引力に対応す
る復帰用の上ばね24の反発力が液体の流動圧力抵抗に
対応して、電磁プランジャ23を復帰させることが、周
期が短くなることによって時間的に余裕がなくなり、電
磁プランジャ23の行程長を減ずるためであると考えら
れる。
【0041】また、このように、この種の電磁ポンプの
燃料油の吸い上げ吐出時の、いわゆる正常運転によるポ
ンプ作用中の電磁プランジャ23の行程長は短いので、
ポンプの寿命は一般に1万時間を容易に超えているほど
耐久性が高いのである。しかし、前述したようなポンプ
の空運転時間が長くかつその累積合計時間が過大になる
と、ポンプの耐久性について種々問題を生ずるので、そ
の対策を必要とする。
【0042】ここで最も問題とすべきは、上下両ばね2
4、25の長時間の空運転によって生ずる疲労と磨耗、
さらには錆による座屈、変形、折損等の故障である。そ
のためには、不銹強靱性のある材質を選ぶことはもちろ
ん、前述した設計諸元を吟味して定める必要がある。そ
こで、本発明の装置に付設する電磁ポンプ2の電磁プラ
ンジャ23を互いに相反する方向から等しい反発力で挟
支圧設する上ばね24と下ばね25とは、本発明の一実
施の形態においては、共通のものとし、例えばその線径
0.6 mm、中心径7.2 mm、総捲数と有効捲数をそれぞれ1
6.5および14.5、自由高さ33 mm の数値を選んで実験し
たものである。このとき計算値は次の通り、そのばね指
数は12、縦横比4.583、ばね定数Kは21g/m
mとなった。なお、前記自由高さh0 は34〜35mm
であっても上下両ばねが等しければ差し支えない。
【0043】そして、上下両ばね24、25が電磁プラ
ンジャ23を挟支圧設静止時における双方の圧縮長さは
それぞれ24mmであり、電磁ポンプ2の前記空運転時
の上死点へ移動時は前述の通り、上ばね24はさらに9
mm圧縮されてその圧縮長は15mm、同時に下ばね2
5は9mm伸長して33mmとなる。このときの上ばね
24の圧縮によるコイルばねの捲線一捲きのピッチ間の
間隙は無負荷時、すなわち自由高さ33mmのときの該
間隙の20%以上を残していて、全圧縮されておらず、
つまり一般に求められている該間隙20%以上あること
の条件を満足させており、同時に下ばね25も上記のよ
うに伸長していても自由高さ以内であって、下ばね25
は電磁プランジャ23の下端部に当接していて遊離して
おらず、双方共に互いに躍りだすことはない。
【0044】同様に空運転時の電磁プランジャ23の行
程長の下死点においても、上下両ばね24、25の圧設
釣合静止位置から3mm下にあるのであるから、上ばね
24の圧縮長は27mm、下ばね25の圧縮長は21m
mである。ポンプが液送中の平常運転によるポンプ作用
時は、電磁プランジャ23はその静止の位置より若干上
方、すなわち磁気吸引力を生ずる環状磁極218の方へ
偏位して往復動し、しかもその行程長は前述した通り1
〜2mmであって短いから、上下両ばね24、25の撓
み量は空運転時よりもはるかに少なく、したがって全圧
縮で叩かれたり、自由高さを超えて解放され、遊離する
おそれは全くない。
【0045】以上詳述したように、本発明の一実施の形
態における装置に付設した電磁ポンプ2の前記上、下ば
ね24、25はそのばね指数と縦横比の値を通常よりも
比較的大きくとって、その座屈を避けると共に、有効捲
き数を多くしてばね定数を小さくする一方で、その自由
高さを比較的長大にしたうえ、その撓み量を増して得る
ばね荷重を発生させて電磁コイルに発生する磁気吸引力
に対応させると共に、前記全体の撓み量を増すにかかわ
らず、ばねの一捲きあたり、すなわちピッチごとの撓み
を少なくしてその疲労を少なく抑えたものである。ただ
し、前記した上下ばねの寸法等設計諸元数値はこれに限
るものではなく、上記したような特許請求の範囲の請求
項1に記載の条件を満足するものであればよい。
【0046】そしてポンプの空運転時の電磁プランジャ
23の往復動の行程の長大になるときの上死点において
も、上ばね24が全圧縮されて叩かれて、損耗すること
なく、同時に下ばね25がその自由高さ以内で該電磁プ
ランジャ23を圧支接続可能として、互いに遊離し、躍
って脱落したり、損耗することを阻止して、ポンプの耐
久性を増し、同時にそれによって生ずる振動や騒音の発
生を予防しているのである。
【0047】因に、前記電磁プランジャの外側の減摩効
果を高めるコーテイングする等の表面処理と相まって、
前記上下ばね24、25の採用により、ポンプの空運転
延累計時間は200時間を超えても、損耗は見受けられ
ず、吐出性能にも大なる変化がなく、充分耐久性を増し
たものである。これは、1回の空運転10分間として年
100回の空運転回数があっても10年間の使用に耐え
得る計算になる。
【0048】次に、図5の本装置の一実施の形態の配線
図および図6の本装置の駆動制御回路図によってこれを
説明する。まず、図において、SWはスイッチで、例え
ばSW1は電源スイッチである。2は電磁ポンプ、80
1は電源プラグであり、以下 JP(CN)は接続プラグおよび接続器(コネクタ
ー)、 81は電磁ポンプ電源回路、 82は電磁ポンプ駆動制御回路、 83は電磁ポンプの駆動制御回路のうちオプションの空
運転時間限定の第二ダイマー回路、 LED1は緑色発光ダイオードで81への通電を表示す
る、 LED2は黄色発光ダイオードで82への通電時の電磁
ポンプの空運転限定時間切れの場合に点灯表示する、 LED3は赤色発光ダイオードで、82へ通電時、貯油
槽4の非常あふれ液位68を燃料油が超えたとき点灯表
示する、 61:貯油槽4の液面が下限に至ると、ONする NO
リードスイッチ62:同液面が上限に至ると、OFFす
る NCリードスイッチ 63:同0面が非常あふれ液面になると、OFFする
NCリードスイッチ T1: チョークコイル、変圧器に代える場合もあ
る。
【0049】 DB1: 整流スタック C1-n : コンデンサ R1-n : 固定抵抗器 Ry1-n: リレー D1-n : ダイオード PUT1-n : プログラマブル、ユニジャンクション、ト
ランジスタ SCR1-n :サイリスタ NV1 :バリスタ TD1 :トリガダイオード VR1-n :可変抵抗器 PH1 :フォトカプラ U1-N :ICタイマ ZD :ツエナダイオード 図6において81は電源からの接続プラグJP1,バリ
スタNV1 ,フューズF1 ,チョークコイルT1 ,整流
スタックDB1,発光ダイオードLED1等を含む電磁
ポンプの電源回路で通電すると、LED1は点灯する。
【0050】83はツエナダイオードZD1で電圧を安
定させる、プログラマブル ユニジャンクション トラ
ンジスタPUT1および各固定抵抗器、コンデンサを含
む周波数発信回路であり、サイリスタSCR4とSCR
2および転流コンデンサC5、トリガダイオードTD1
等および各固定抵抗器、可変抵抗器VR1を含む周期中
の導通期間、すなわちデューテイ比を定める回路によっ
て、接続プラグJP2により接続された電磁ポンプ2は
該パルス電流によってポンプ作動を開始する。
【0051】前記初期空運転の場合および下限液位61
に達せずにポンプが空運転を継続するとき、その時間を
例えば10分間に規制してそれを過ぎた場合、ICタイ
マーU1により、ポンプへの電源からの通電を断ち、フ
ロートスイッチ部6リードスイッチからの信号により発
光ダイオードLED2は点灯し、油切れを表示する。こ
のときに、さらに信号を発する警報手段も用意可能であ
る。
【0052】なお、フロートスイッチ部6のフロート6
4が非常あふれ液位68まで上昇した場合には、電磁ポ
ンプの電源を断つと共に、発光ダイオードLED3が点
灯し、これを表示する。このときに、さらに信号を発す
る警報手段も準備することは可能である。接続プラグJ
P4の接続器は、このポンプを停止させるために電源を
リレーRY2によって断つときに同時に燃焼器も停止さ
せる回路への伝達接続するためのものである。
【0053】通常は、いったん燃料油を吸い上げたら、
貯油槽4の下限液位66と上限液位67との間でポンプ
は断続繰り返して燃料油を吸い上げ自動供給するのであ
る。回路83は、前述したように吸い上げ揚程と横引き
長さの長大な場合、回路82に備えた空運転制御時限I
CタイマU1の制限時間よりも、さらに長い例えば20
分の空運転時間をとるべくICタイマーU2を備えたオ
プショナルな空運転時限用のICタイマー回路である。
【0054】その他の回路の説明は当業者にとって自明
であるから、その説明は省略する。図7は本装置のカバ
ー7を外した内部の斜視図であり、先に述べた通り、図
1、図2における貯油槽4を反転して、駆動制御基板8
の側をシャシー9に取り付け、シャーシ9の取り付け側
を駆動制御板8に取り付けるように入れ替えて、電磁ポ
ンプ2の吸い上げ側のフィルタ3の管接手33の吸入側
aと貯油槽4の開閉弁43の管接手45の吐出側Cとを
それぞれ図示する矢印a′、c′のように交互に入れ替
えたものである。
【0055】これによって、従前からの既設の異なる配
管位置のものと交換する場合などに、その配管作業のや
り直しをせずともよいし、誤配管接続のおそれもなくな
る。図8は本装置の外部正面図で、カバー7はカバー取
り付けねじ74でシャーシ9に螺締着固定されており、
カバー7は透明体の合成樹脂で成形してもよい。70は
後述するファスナキャップであり、これも透明体で成形
された合成樹脂でよい。
【0056】71は切り抜かれた窓であり、前記発光ダ
イオードLED1−3に臨んでいる。カバー7が透明体
でない場合には、前記フィルタ油槽31へ燃料油が吸い
上げられて来たか否かを目視確認するための窓72もし
くは73を穿ち、そこに透明体を貼りつけてもよい。
【0057】さらに図9に示すように、カバー7の前記
電源スイッチSW1に臨む部分に打抜き窓75を穿ち、
その環状段落部77に備えた切欠き溝76に係合する複
数の繋止鉤705をその円筒部704の外周部に設け、
鍔703およびツマミ701を有するファスナーキャッ
プ70をその矢印標点702をカバー7の標点79に合
わせて挿入し、右に回動して矢印標点702をカバー7
の標点2に合わせると、ファスナキャップ70はカバー
7に繋止係着する。このファスナーキャップはいわゆる
盲蓋となるもので、外部から電源スイッチをみだりに開
閉させぬために備えたものである。
【0058】電源スイッチSW1を開閉する際には、フ
ァスナキャップ70を装脱して行い、開または閉後は再
びファスナーキャップ70を装着すればよい。電源スイ
ッチSW1を押釦プッシュまたはトグルもしくはタッチ
スイッチとしたときには、ファスナーキャップ70に代
えて合成ゴムもしくは透明な軟質合成樹脂製のカバーを
嵌め込んでもよい。また、電源スイッチSW1をロータ
リなどの回転スイッチとして、その軸をファスナーキャ
ップに嵌装するようにすることもできる。
【0059】このように、電磁スイッチSW1を制御回
路基板8の側に設けて、カバー7に取り付けていないこ
とは両者間の配線を省いて、カバー7を取り付けの際の
接触破損断線を避けるためである。次に、本発明の装置
から燃焼器に燃料油を導く流出側の配管が外れたり、管
接手からの油洩れを生じる不測の事故が市場ユーザーに
おいて発生する場合に対応して、このような事態に至っ
たときは、貯油槽4の油が流失して室内の床に溢れ、汚
損し火災の原因となり、それにもかかわらず、貯油槽4
には電磁ポンプの作動により燃料油が流入して危険であ
るから、その防止策として、前記フロートスイッチ部6
の下限液位66のリードスイッチ61のさらにその下に
常閉のリードスイッチを設け、フロート64がその位置
まで低下した貯油槽4が全く空になったときには、電磁
ポンプ2への駆動電源を断つ方法がある。但し、改善
後、正常に復したときの前記リードスイッチ閉成までフ
ロート64を浮上させるように電磁ポンプ2を作動させ
て、貯油槽4に燃料油を送るために、手動の例えば自動
復帰形の押釦スイッチを閉成して、電磁ポンプ2に駆動
電源から通電を続け、前記フロート64が浮上してその
永久磁石65の磁力により開成されていた前記常閉のリ
ードスイッチが閉成し、さらに下限液位66の常開リー
ドスイッチ61が永久磁石65により閉成されて電磁ポ
ンプ2に駆動電源から通電が開始される。そしてここ
で、前記手動スイッチを切り以後正常運転に復する。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の燃焼器の
燃料油等の自動吸い上げ供給装置は、前記特許請求の範
囲に記載の構成を有し、前記実施の形態で述べた理由に
より次のような効果を奏する。本発明の燃焼器の燃料油
などの自動吸い上げ供給装置は、電磁ポンプ内の往復動
する電磁プランジャや圧縮コイルばねが比較的長時間の
空運転に耐えうる部材により構成され、吸い上げ側の配
管が空であるいわゆるポンプの初期始動時に液体を初期
に吸い上げるときの呼び水的な液の注入を必要とせず、
そのまま直ぐ再始動が可能であり、しかも過剰な空運転
を防止するためにその空運転時間を限定しかつこの空運
転時間が調整可能なタイマーを備えたことにより、ポン
プの損耗を防ぎ、その耐久性を保つことができる。な
お、本発明の前記請求項1において記載された復帰用ば
ねと支え保持用のばねに対する条件について、補足説明
する。電磁プランジャの往復動中のこれを挟支圧設して
いる前記両ばねによるいわゆる合成ばねの撓み量と荷重
および電磁プランジャに働く磁気吸引力等に関しては先
にあげた先行技術の特公昭57ー12863号公報を掲
げているような詳細な説明の記載の通りである。電磁プ
ランジャに働く磁気吸引力のうち、ウエイトの大きい空
隙吸引力は空隙の自乗に反比例することは公知である。
前記合成ばねの撓みに対する荷重は、これらの磁気吸引
力に対応しなければならない。ばねの荷重が弱ければ、
当然電磁プランジャの磁気吸引力と速度に追随できず、
さらにポンプの吸引マイナスヘッドに対応できず、吐出
流量と圧力の不足すなわち吐出能力の低下となる。ポン
プの吐出運転中の吐出流量に対応する電磁プランジャの
行程長は明細書に記載の通り1〜2mmの短行程長であ
るから、前記ばね定数は大で撓み量が少なくても荷重は
大きく、強い磁気吸引力に対応できる。しかし、ポンプ
の空運転時などのように電磁プランジャの行程長を例え
ば明細書に記載のような12mmにも伸長させてポンプ
の空気吸引排出能力を高めるため容積効率をよくしよう
とするときには、ばね定数が大きいと、その荷重が過大
になって磁気吸引力が対応できず行程長が減少し、した
がってかえってポンプの吐出能力を低下させる。それ
故、空運転に対しては、ばね定数が小さい必要がある。
以上のように、磁気吸引力と電磁プランジャの行程長を
大にするためのばねの設計諸元と数値、特にばね定数と
その撓み量による荷重との関係には、二律背反するもの
があるので、この両者の関係のバランスをとって所期の
ポンプの吐出能力を確保し、かつ耐久性を保持するに
は、請求項1に規定するような前記両ばねについての条
件が必要なのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一つの実施の形態を一部断面して示す縦断面説明
図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一つの実施の形態に付設する電磁ポンプの一部断
面を示す縦断説明図である。
【図4】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一実施の形態の据え付け配置図である。
【図5】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一実施の形態の配線図である。
【図6】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一実施の形態の駆動制御回路図である。
【図7】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の他の実施の形態の内部斜視説明図である。
【図8】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一つの実施の形態の外部正面図である。
【図9】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給
装置の一実施の形態のカバー要部の斜視説明図である。
【図10】本発明の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供
給装置の一実施の形態に付設する電磁ポンプの駆動電源
の周波数と吸い上げ揚程との関係を示す線図である。
【図11】図10の電磁ポンプの駆動電源の周波数一定
の場合の吸い上げ揚程と吐出流量との関係を示す線図で
ある。
【符号の説明】
1 本発明の装置 2 電磁ポンプ 3 フィルタ 4 貯油槽 6 フロートスイッチ部 61 リードスイッチ 62 リードスイッチ 63 リードスイッチ 66 下限液位 67 上限液位 68 非常あふれ液位 8 駆動制御回路基板 7 カバー 9 シャーシ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 泰常 東京都大田区池上5−23−13 太産工業 株式会社内 (72)発明者 宇佐美 弘昌 東京都大田区池上5−23−13 太産工業 株式会社内 (72)発明者 大庭 務 東京都大田区池上5−23−13 太産工業 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−238218(JP,A) 実開 平2−63083(JP,U) 実開 平2−115655(JP,U) 実開 昭63−179439(JP,U) 実開 昭60−13500(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 17/04 F23K 5/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁コイルへ断続パルス電流を付勢して
    得られる断続した磁気吸引力および復帰するばねの反発
    力とによって前記電磁コイルに囲繞されたシリンダ内を
    摺動往復する電磁プランジャを備えた電磁ポンプを、貯
    油量を所定範囲に制御すべくその液面を検知して電源を
    開閉する機能を具備する貯油槽に一体に付設し、下方に
    設けたメインタンクからの液体のポンプ始動初期の吸い
    上げ時に呼び水的な液の注入手段を備えぬものであっ
    て、 前記電磁プランジャを含む摺動往復部材の表面を硬化お
    よびもしくは減摩材でコーテイングを行うのはもちろ
    ん、前記電磁プランジャを互いに相反する向きから挟支
    圧設した復帰用のばねと支え保持用のばねとは、いずれ
    もばね指数と縦横比を大きく、かつ有効捲数を多くする
    ことによりばね定数を小にして、しかも自由高さを比較
    的長大にして撓み量を多くして荷重を増大させるように
    した圧縮コイルばねであり、前記電磁ポンプの始動初期
    の空運転時の電磁プランジャの往復動の行程の長大とな
    るその上死点においても、前記復帰用のばねが全圧縮さ
    れることなく、同時に支え保持用のばねはその自由高さ
    以内にあって、前記電磁プランジャの圧設挟支状態を維
    持して前記電磁プランジャおよび前記両ばね等の往復動
    部材の遊離脱落を防止し、さらに過剰な空運転を阻止す
    るためにその時間を限定調整可能な時限タイマーを備え
    てこれを規制することにより、ポンプの損耗およびこれ
    による騒音の発生を防止して耐久性を増加させたことを
    特徴とする燃焼器の燃料油等の吸い上げ供給装置。
  2. 【請求項2】 前記液面を所定範囲内に制御するために
    液面を検知して、電源の開閉とこれを表示およびもしく
    は信号発生手段の構成は、前記液面の規定された下限で
    これを検知して電磁コイルへの通電を開始し、規定され
    た上限でこれを検知して通電を絶つことを繰り返し、さ
    らに前記上限を越えて貯油槽から溢流しようとする異常
    事態においては、再度電源からの通電を絶つ三段一体構
    成のリードスイッチを含むフロートスイッチ機構および
    もしくは発光素子と受光素子とからなる開閉制御機構
    と、表示等の信号発生手段を備えたことを特徴とする請
    求項1の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給装置。
  3. 【請求項3】 前記貯油槽に電磁ポンプと、電源スイッ
    チをその要部に備えたポンプ駆動制御回路基板とを一体
    にまとめてシャシーに組み付け、さらにこれらの外面を
    防塵、防滴保護用のカバーをもって覆い取り付け、該カ
    バーの前記電源スイッチに臨み、穿った打ち抜き窓を介
    して手動によってその開閉操作を可能として、カバー自
    体には電気的接続を排除し、さらに前記打ち抜き窓には
    盲蓋として、切欠き溝を有する環状段落部を有し、該打
    ち抜き窓に円筒部と繋止鉤および鍔を備えたファスナキ
    ャップを挿入嵌合させて、そのつまみを回動して装着脱
    を可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載
    の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供給装置。
  4. 【請求項4】 前記シャシーに貯油槽を反転して取り付
    けることによって、電磁ポンプの吸入側と貯油槽の流出
    側のそれぞれの管接手部の位置を交互に交替可能とした
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までのうちのい
    ずれか一つに記載の燃焼器の燃料油等の自動吸い上げ供
    給装置。
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