JP2998959B2 - 航空機の飛行制御装置 - Google Patents
航空機の飛行制御装置Info
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- JP2998959B2 JP2998959B2 JP61048926A JP4892686A JP2998959B2 JP 2998959 B2 JP2998959 B2 JP 2998959B2 JP 61048926 A JP61048926 A JP 61048926A JP 4892686 A JP4892686 A JP 4892686A JP 2998959 B2 JP2998959 B2 JP 2998959B2
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Landscapes
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は航空機の運動特性を大幅に改善するのに適用
される航空機の飛行制御装置に関する。 (用語の説明) (a)「航空機の運動座標系」 「航空機の運動座標系」は、第4図に示すように、航
空機の重心Gを原点とし、機体の対称面内にX軸とZ軸
を含むようにする。 ただし、X軸は前進方向、Z軸は下向きを正にとり、
Y軸は点Gを通りXZ面に垂直に右翼の方向を正とする。 (b)「航空機の角速度」 「航空機の角速度」には、航空機の運動座標系(第4
図)の X軸まわりのロールレートP(横揺れ角速度)と、 Y軸まわりのピッチレートQ(縦揺れ角速度)と、 Z軸まわりのヨーレートR(偏揺れ角速度)とがあ
る。 [従来の技術] 第2図は従来の航空機の飛行制御装置の概要を示すブ
ロック図で、01はセンサ、02〜04はそれぞれフィルタお
よびゲイン、05は舵面アクチュエータである。第2図に
示す従来の航空機の飛行制御装置は、センサ01にてそれ
ぞれピッチレート、ロールレートおよびヨーレートを検
出し、これをフィルタおよびゲイン02〜04を通して舵面
アクチュエータ05にフィードバックして飛行制御を行な
うようになされている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記従来の方式では、被制御系(制御装置なし)の特
性がかなり悪い場合には、第3図に示す如く、フィード
バック制御装置を追加しても運動特性を満足なものにす
ることは出来なかった。 この主たる原因は、機体の運動状態量であるピッチレ
ート、ロールレート及びヨーレートが既に遅れた(角加
速度を積分した結果としての)情報である為で、これら
のフィードバックのみを用いる従来方式の制御装置の場
合は特性の改善に限度があった。 本発明は、上記従来の問題点を解消させ、航空機の運
動特性を大幅に改善できる航空機の飛行制御装置を提供
することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明に係る航空機の飛行制御装置は、フィードバッ
クループを有する航空機の飛行制御装置において、 (A)センサ1と、 (B)コントローラ100と、 (C)舵面アクチュエータ5とを具備し、 (D)前記センサ1は、航空機200の角速度を検出し
て、それぞれの角速度信号をコントローラ100にフィー
ドバックし、 (E)前記コントローラ100は、ディジタル系で構成し
た角速度比例要素部101と角加速度比例要素部102を具備
し、 (F)前記角速度比例要素部101は、センサ1からフィ
ードバックした航空機の角速度信号に比例する制御信号
を舵面アクチュエータ5に出力し、 (G)前記角加速度比例要素部102は、微分値計算部
(6、7、8)を有し、センサ1からフィードバックし
た航空機の角速度信号の各サンプル値に対して、その1
つ前のサンプル値との差分をサンプルタイムで割ること
により、航空機の角加速度信号を生成し、前記角加速度
に比例する制御信号を舵面アクチュエータ5に出力する
ことを特徴とする。 [作用] 本発明によれば、航空機の角速度の微分値の情報、す
なわち航空機の角加速度の情報を生成することができ
る。 航空機の角加速度の情報は、航空機の運動情報の中で
最も遅れの少ない情報である。 本発明によれば、この航空機の角加速度の情報を、航
空機の制御に使用することができるめ、従来方式では不
可能であった航空機の運動情報の遅れの補償を実現する
ことができる。 そのため、航空機の運動特性を改善することが可能に
なる。 [実施例] 本発明の第1実施例を第1図、第3図、第5図および
第6図に示す。 第1図及び第5図は、第1実施例の構成を示す図であ
り、 第3図は、第1実施例の効果を示す図である。 第6図は、第1図のコントローラの1例(ロール系)
を示す図である。 第1実施例に係る飛行制御装置は、第1図及び第5図
に示すように、航空機の運動を検出するセンサ1と、コ
ントローラ100と、舵面アクチュエータ5とからなる。 センサ1は、航空機200のロールレートP、ピッチレ
ートQおよびヨーレートRを検出して、それぞれの検出
レート信号(p、q、r)をA/D変換器(図示省略)を
介してコントローラ100にフィードバックする。 コントローラ100は、ディジタル系で構成した角速度
比例要素部101とディジタル系で構成した角加速度比例
要素部102からなる。 角速度比例要素部101は、フィルタ及びゲイン部2、
3、4を有し、センサ1からフィードバックした検出レ
ート信号(p、q、r)に比例する制御信号をD/A変換
器(図示省略)を介して舵面アクチュエータ5に出力
し、 角加速度比例要素部102は、微分値計算部6、7、8
と、フィルタ及びゲイン部9、10、11とを有し、センサ
1からフィードバックした検出レート信号(p、q、
r)を微分することにより、航空機の角加速度を算出
し、航空機の角加速度に比例する制御信号をD/A変換器
(図示省略)を介して舵面アクチュエータ5に出力す
る。 前記角加速度比例要素部102は、各サンプル値に対し
て、その1つ前のサンプル値(レート信号)との差(差
分)をサンプルタイムで割ることにより、航空機の角加
速度信号を生成する。 サンプルタイムは、サンプリングに使用する周波数の
1サイクルに相当する時間とする。 飛行実験でサンプリングに使用した周波数とその1サ
イクルの時間は、 ピッチ系の場合、80Hz(1サイクルの時間は12.5ミリ
秒) ヨー系の場合、80Hz(1サイクルの時間は12.5ミリ
秒) ロール系の場合、40Hz(1サイクルの時間は25.0ミリ
秒) である。 すなわち、ロール系は、ピッチ系のディジタル計算の
基本サンプリング周波数の半分の周波数で計算を実施し
た。 そのため、ロール系のサンプリングに使用した周波数
の1サイクルの時間(25.0ミリ秒)は、ピッチ系のサン
プリングに使用した周波数(以下、基本サンプリング周
波数という)の1サイクルの時間(12.5ミリ秒)の2倍
になる。 本発明は制御対象(被制御系)の程度に応じてピッチ
ループのみ、ロールループのみ又はヨーループのみで構
成する場合もある。 例えば、ロール系(横系)については、第6図に示す
ように構成する。第6図に示すように、 フィルタ及びゲイン3は、フィルタF3とゲインG3で構
成され、 フィルタ及びゲイン10は、フィルタF10とゲインG10で
構成され、 フィルタF3とフィルタF10は、 F3=(1+T2S)/(1+T1S) F10=1/(1+T3S) ただしS ;ラプラス演算子 T1、T2、T3;時定数 で表わされる。実際には、このフィルタはディジタル演
算用に変換されて使用される。 第6図に示す微分値計算部7(p微分値を作り出すロ
ジック)は、第1図の微分値計算部7に対応し、p微分
値を作り出すロジックのZ-2のZはZ演算子である。 Z演算子で、Z-1がかかると基本サンプリング周波数
による1回前のサンプル値を示し、Z-2がかかると基本
サンプリング周波数による2回前のサンプル値を示す。 次に、ロール系(横系)についての作動を、第4図〜
第6図に基づいて説明する。 機体がX軸まわりに右翼が下がるような外乱を受けた
とすると、センサがその機体の動きを感知してロールレ
ートPにはある正の値が入ってくる。 そのPの値に、ゲインG3をかけて、フィルタF3により
応答を少し速めた後、舵面アクチュエータ5に送る。 その結果、舵面はあたかも、バィロットが右翼が上が
るように操作したかのように働いて、機体を元の姿勢に
戻すため、機体を安定化させる。 次に、本発明装置の特徴である微分値を用いたループ
について説明する。 ロール系は、ピッチ系のディジタル計算の基本サンプ
リング周波数(例えば、80Hz)の半分の周波数(例え
ば、40Hz)で計算を実施する。 そのため、ロールレートPの微分値を求めるために、
ロール系のサンプリング周波数によるサンプリングの1
回前のサンプル値(すなわち、基本サンプリング周波数
の場合の2回前のサンプル値)を記憶しておく。 その理由は、基本サンプリング周波数の半分の周波数
(例えば、40Hz、その1サイクルの時間は25.0ミリ秒)
の場合の1回前のサンプル値が、基本サンプリング周波
数(例えば、80Hz、その1サイクルの時間は12.5ミリ
秒)の場合の2回前のサンプル値Z-2に相当するからで
ある。 そして、現在のロールレートPの値と記憶しておいた
ロールレートPの値との差を、ロール系のサンプルタイ
ムで割ることにより、遅れのないロールレートPの微分
値を生成する。 ロールレートPの微分値を生成するには、第6図にお
いて、微分値計算部7の出力にゲインG10をかけること
により行なう(サンプルタイムで割ることは、ゲインG
10の中に含まれる)。 この微分値は、機体運動の情報としては角加速度にな
るため、非常に早く機体の動きを知ることが出来る。 この角加速度に、ゲインG10をかけて、フィルタで微
分操作に伴うノイズ成分を取り除いた後に、舵面アクチ
ュエータ5に指令として送る。 そのため、上記の微分値を使わないループだけでは、
機体の特性を良好に出来なかった制御装置も、この角加
速度のループを追加することにより、安定性と操縦性を
劇的に増加することが出来る。 このことは、実際の飛行試験により確かめられてい
る。 本発明装置のコントローラ100は、ディジタル系で構
成するため微分値計算は非常に簡単に実行できる。すな
わち、各サンプル値に対して、その1つ前のサンプル値
(レート信号)との差(差分)をサンプルタイムで割っ
たものとして角加速度を得ることができる。 そのため安定性と操縦性を劇的に増加することが出来
る。 なお従来から、信号の微分値を用いることは、その微
分操作によるノイズが問題とされてきたが、航空機の運
動制御を行なう範囲の周波数帯であれば、ディジタル微
分制御により、悪影響はほとんど受けない。 [発明の効果] 本発明は前述のように構成されているので以下に記載
するような効果を奏する。 (1)本発明により、従来の制御装置では十分な運動特
性を与えることが出来なかった第3図(B)のような特
性を第3図(A)のように改善することができる。 (2)そして、例えばピッチレートの運動特性が改善さ
れれば、その積分値であるピッチ角も改善され、パイロ
ットの意図通りに航空機の精密なコントロールが可能と
なる等の優れた効果が奏せられる。
される航空機の飛行制御装置に関する。 (用語の説明) (a)「航空機の運動座標系」 「航空機の運動座標系」は、第4図に示すように、航
空機の重心Gを原点とし、機体の対称面内にX軸とZ軸
を含むようにする。 ただし、X軸は前進方向、Z軸は下向きを正にとり、
Y軸は点Gを通りXZ面に垂直に右翼の方向を正とする。 (b)「航空機の角速度」 「航空機の角速度」には、航空機の運動座標系(第4
図)の X軸まわりのロールレートP(横揺れ角速度)と、 Y軸まわりのピッチレートQ(縦揺れ角速度)と、 Z軸まわりのヨーレートR(偏揺れ角速度)とがあ
る。 [従来の技術] 第2図は従来の航空機の飛行制御装置の概要を示すブ
ロック図で、01はセンサ、02〜04はそれぞれフィルタお
よびゲイン、05は舵面アクチュエータである。第2図に
示す従来の航空機の飛行制御装置は、センサ01にてそれ
ぞれピッチレート、ロールレートおよびヨーレートを検
出し、これをフィルタおよびゲイン02〜04を通して舵面
アクチュエータ05にフィードバックして飛行制御を行な
うようになされている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記従来の方式では、被制御系(制御装置なし)の特
性がかなり悪い場合には、第3図に示す如く、フィード
バック制御装置を追加しても運動特性を満足なものにす
ることは出来なかった。 この主たる原因は、機体の運動状態量であるピッチレ
ート、ロールレート及びヨーレートが既に遅れた(角加
速度を積分した結果としての)情報である為で、これら
のフィードバックのみを用いる従来方式の制御装置の場
合は特性の改善に限度があった。 本発明は、上記従来の問題点を解消させ、航空機の運
動特性を大幅に改善できる航空機の飛行制御装置を提供
することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 本発明に係る航空機の飛行制御装置は、フィードバッ
クループを有する航空機の飛行制御装置において、 (A)センサ1と、 (B)コントローラ100と、 (C)舵面アクチュエータ5とを具備し、 (D)前記センサ1は、航空機200の角速度を検出し
て、それぞれの角速度信号をコントローラ100にフィー
ドバックし、 (E)前記コントローラ100は、ディジタル系で構成し
た角速度比例要素部101と角加速度比例要素部102を具備
し、 (F)前記角速度比例要素部101は、センサ1からフィ
ードバックした航空機の角速度信号に比例する制御信号
を舵面アクチュエータ5に出力し、 (G)前記角加速度比例要素部102は、微分値計算部
(6、7、8)を有し、センサ1からフィードバックし
た航空機の角速度信号の各サンプル値に対して、その1
つ前のサンプル値との差分をサンプルタイムで割ること
により、航空機の角加速度信号を生成し、前記角加速度
に比例する制御信号を舵面アクチュエータ5に出力する
ことを特徴とする。 [作用] 本発明によれば、航空機の角速度の微分値の情報、す
なわち航空機の角加速度の情報を生成することができ
る。 航空機の角加速度の情報は、航空機の運動情報の中で
最も遅れの少ない情報である。 本発明によれば、この航空機の角加速度の情報を、航
空機の制御に使用することができるめ、従来方式では不
可能であった航空機の運動情報の遅れの補償を実現する
ことができる。 そのため、航空機の運動特性を改善することが可能に
なる。 [実施例] 本発明の第1実施例を第1図、第3図、第5図および
第6図に示す。 第1図及び第5図は、第1実施例の構成を示す図であ
り、 第3図は、第1実施例の効果を示す図である。 第6図は、第1図のコントローラの1例(ロール系)
を示す図である。 第1実施例に係る飛行制御装置は、第1図及び第5図
に示すように、航空機の運動を検出するセンサ1と、コ
ントローラ100と、舵面アクチュエータ5とからなる。 センサ1は、航空機200のロールレートP、ピッチレ
ートQおよびヨーレートRを検出して、それぞれの検出
レート信号(p、q、r)をA/D変換器(図示省略)を
介してコントローラ100にフィードバックする。 コントローラ100は、ディジタル系で構成した角速度
比例要素部101とディジタル系で構成した角加速度比例
要素部102からなる。 角速度比例要素部101は、フィルタ及びゲイン部2、
3、4を有し、センサ1からフィードバックした検出レ
ート信号(p、q、r)に比例する制御信号をD/A変換
器(図示省略)を介して舵面アクチュエータ5に出力
し、 角加速度比例要素部102は、微分値計算部6、7、8
と、フィルタ及びゲイン部9、10、11とを有し、センサ
1からフィードバックした検出レート信号(p、q、
r)を微分することにより、航空機の角加速度を算出
し、航空機の角加速度に比例する制御信号をD/A変換器
(図示省略)を介して舵面アクチュエータ5に出力す
る。 前記角加速度比例要素部102は、各サンプル値に対し
て、その1つ前のサンプル値(レート信号)との差(差
分)をサンプルタイムで割ることにより、航空機の角加
速度信号を生成する。 サンプルタイムは、サンプリングに使用する周波数の
1サイクルに相当する時間とする。 飛行実験でサンプリングに使用した周波数とその1サ
イクルの時間は、 ピッチ系の場合、80Hz(1サイクルの時間は12.5ミリ
秒) ヨー系の場合、80Hz(1サイクルの時間は12.5ミリ
秒) ロール系の場合、40Hz(1サイクルの時間は25.0ミリ
秒) である。 すなわち、ロール系は、ピッチ系のディジタル計算の
基本サンプリング周波数の半分の周波数で計算を実施し
た。 そのため、ロール系のサンプリングに使用した周波数
の1サイクルの時間(25.0ミリ秒)は、ピッチ系のサン
プリングに使用した周波数(以下、基本サンプリング周
波数という)の1サイクルの時間(12.5ミリ秒)の2倍
になる。 本発明は制御対象(被制御系)の程度に応じてピッチ
ループのみ、ロールループのみ又はヨーループのみで構
成する場合もある。 例えば、ロール系(横系)については、第6図に示す
ように構成する。第6図に示すように、 フィルタ及びゲイン3は、フィルタF3とゲインG3で構
成され、 フィルタ及びゲイン10は、フィルタF10とゲインG10で
構成され、 フィルタF3とフィルタF10は、 F3=(1+T2S)/(1+T1S) F10=1/(1+T3S) ただしS ;ラプラス演算子 T1、T2、T3;時定数 で表わされる。実際には、このフィルタはディジタル演
算用に変換されて使用される。 第6図に示す微分値計算部7(p微分値を作り出すロ
ジック)は、第1図の微分値計算部7に対応し、p微分
値を作り出すロジックのZ-2のZはZ演算子である。 Z演算子で、Z-1がかかると基本サンプリング周波数
による1回前のサンプル値を示し、Z-2がかかると基本
サンプリング周波数による2回前のサンプル値を示す。 次に、ロール系(横系)についての作動を、第4図〜
第6図に基づいて説明する。 機体がX軸まわりに右翼が下がるような外乱を受けた
とすると、センサがその機体の動きを感知してロールレ
ートPにはある正の値が入ってくる。 そのPの値に、ゲインG3をかけて、フィルタF3により
応答を少し速めた後、舵面アクチュエータ5に送る。 その結果、舵面はあたかも、バィロットが右翼が上が
るように操作したかのように働いて、機体を元の姿勢に
戻すため、機体を安定化させる。 次に、本発明装置の特徴である微分値を用いたループ
について説明する。 ロール系は、ピッチ系のディジタル計算の基本サンプ
リング周波数(例えば、80Hz)の半分の周波数(例え
ば、40Hz)で計算を実施する。 そのため、ロールレートPの微分値を求めるために、
ロール系のサンプリング周波数によるサンプリングの1
回前のサンプル値(すなわち、基本サンプリング周波数
の場合の2回前のサンプル値)を記憶しておく。 その理由は、基本サンプリング周波数の半分の周波数
(例えば、40Hz、その1サイクルの時間は25.0ミリ秒)
の場合の1回前のサンプル値が、基本サンプリング周波
数(例えば、80Hz、その1サイクルの時間は12.5ミリ
秒)の場合の2回前のサンプル値Z-2に相当するからで
ある。 そして、現在のロールレートPの値と記憶しておいた
ロールレートPの値との差を、ロール系のサンプルタイ
ムで割ることにより、遅れのないロールレートPの微分
値を生成する。 ロールレートPの微分値を生成するには、第6図にお
いて、微分値計算部7の出力にゲインG10をかけること
により行なう(サンプルタイムで割ることは、ゲインG
10の中に含まれる)。 この微分値は、機体運動の情報としては角加速度にな
るため、非常に早く機体の動きを知ることが出来る。 この角加速度に、ゲインG10をかけて、フィルタで微
分操作に伴うノイズ成分を取り除いた後に、舵面アクチ
ュエータ5に指令として送る。 そのため、上記の微分値を使わないループだけでは、
機体の特性を良好に出来なかった制御装置も、この角加
速度のループを追加することにより、安定性と操縦性を
劇的に増加することが出来る。 このことは、実際の飛行試験により確かめられてい
る。 本発明装置のコントローラ100は、ディジタル系で構
成するため微分値計算は非常に簡単に実行できる。すな
わち、各サンプル値に対して、その1つ前のサンプル値
(レート信号)との差(差分)をサンプルタイムで割っ
たものとして角加速度を得ることができる。 そのため安定性と操縦性を劇的に増加することが出来
る。 なお従来から、信号の微分値を用いることは、その微
分操作によるノイズが問題とされてきたが、航空機の運
動制御を行なう範囲の周波数帯であれば、ディジタル微
分制御により、悪影響はほとんど受けない。 [発明の効果] 本発明は前述のように構成されているので以下に記載
するような効果を奏する。 (1)本発明により、従来の制御装置では十分な運動特
性を与えることが出来なかった第3図(B)のような特
性を第3図(A)のように改善することができる。 (2)そして、例えばピッチレートの運動特性が改善さ
れれば、その積分値であるピッチ角も改善され、パイロ
ットの意図通りに航空機の精密なコントロールが可能と
なる等の優れた効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の構成を示す制御ブロック
図、 第2図は従来例を示す制御ブロック図、 第3図は本発明の効果の1例を示す機体運動の特性タイ
ムヒストリを示す図、 第4図は航空機の運動の座標系を示す図、 第5図はオートパイロットの基本制御システムを示す
図、 第6図は、第1図のコントローラの1例(ロール系)を
示す図である。 (符号の説明) 1……センサ、 2〜4……フィルタおよびゲイン、 5……舵面アクチュエータ、 6〜8……微分値計算部、 9〜11……フィルタおよびゲイン、 100……コントローラ、 101……角速度比例要素部、 102……角加速度比例要素部、 200……航空機、 P……ロールレート、 Q……ピッチレート、 R……ヨーレート。
図、 第2図は従来例を示す制御ブロック図、 第3図は本発明の効果の1例を示す機体運動の特性タイ
ムヒストリを示す図、 第4図は航空機の運動の座標系を示す図、 第5図はオートパイロットの基本制御システムを示す
図、 第6図は、第1図のコントローラの1例(ロール系)を
示す図である。 (符号の説明) 1……センサ、 2〜4……フィルタおよびゲイン、 5……舵面アクチュエータ、 6〜8……微分値計算部、 9〜11……フィルタおよびゲイン、 100……コントローラ、 101……角速度比例要素部、 102……角加速度比例要素部、 200……航空機、 P……ロールレート、 Q……ピッチレート、 R……ヨーレート。
フロントページの続き
(72)発明者 浅野 嘉夫
一宮市桜1の4の17
(72)発明者 片柳 亮二
名古屋市港区大江町10番地 三菱重工業
株式会社名古屋航空機製作所内
(72)発明者 山本 真生
名古屋市港区大江町10番地 三菱重工業
株式会社名古屋航空機製作所内
(56)参考文献 特開 昭60−161258(JP,A)
特開 昭60−225019(JP,A)
自動制御会編「自動制御便覧(昭32−
2−5)株式会社コロナ
金井喜美雄「フライトコントロール−
CCV技術の基礎と応用−」(昭60−4
−25)槙書店
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B64C 13/18
G05D 1/10
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.フィードバックループを有する航空機の飛行制御装
置において、 (A)センサ(1)と、 (B)コントローラ(100)と、 (C)舵面アクチュエータ(5)とを具備し、 (D)前記センサ(1)は、航空機(200)の角速度を
検出して、それぞれの角速度信号をコントローラ(10
0)にフィードバックし、 (E)前記コントローラ(100)は、ディジタル系で構
成した角速度比例要素部(101)と角加速度比例要素部
(102)を具備し、 (F)前記角速度比例要素部(101)は、センサ(1)
からフィードバックした航空機の角速度信号に比例する
制御信号を舵面アクチュエータ(5)に出力し、 (G)前記角加速度比例要素部(102)は、微分値計算
部(6、7、8)を有し、センサ(1)からフィードバ
ックした航空機の角速度信号の各サンプル値に対して、
その1つ前のサンプル値との差分をサンプルタイムで割
ることにより、航空機の角加速度信号を生成し、前記角
加速度に比例する制御信号を舵面アクチュエータ(5)
に出力することを特徴とする航空機の飛行制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61048926A JP2998959B2 (ja) | 1986-03-06 | 1986-03-06 | 航空機の飛行制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61048926A JP2998959B2 (ja) | 1986-03-06 | 1986-03-06 | 航空機の飛行制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62205898A JPS62205898A (ja) | 1987-09-10 |
JP2998959B2 true JP2998959B2 (ja) | 2000-01-17 |
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ID=12816862
Family Applications (1)
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JP61048926A Expired - Lifetime JP2998959B2 (ja) | 1986-03-06 | 1986-03-06 | 航空機の飛行制御装置 |
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JP (1) | JP2998959B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2881849B1 (fr) * | 2005-02-04 | 2007-04-06 | Airbus France Sas | Procede et dispositif de pilotage d'un avion en tangage |
-
1986
- 1986-03-06 JP JP61048926A patent/JP2998959B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
自動制御会編「自動制御便覧(昭32−2−5)株式会社コロナ |
金井喜美雄「フライトコントロール−CCV技術の基礎と応用−」(昭60−4−25)槙書店 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62205898A (ja) | 1987-09-10 |
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