JP2997539B2 - アルミナ多孔体の製造方法 - Google Patents

アルミナ多孔体の製造方法

Info

Publication number
JP2997539B2
JP2997539B2 JP2323730A JP32373090A JP2997539B2 JP 2997539 B2 JP2997539 B2 JP 2997539B2 JP 2323730 A JP2323730 A JP 2323730A JP 32373090 A JP32373090 A JP 32373090A JP 2997539 B2 JP2997539 B2 JP 2997539B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
porous
melting point
raw material
matrix portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2323730A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04193778A (ja
Inventor
駿蔵 島井
浩一 井村
Original Assignee
東芝セラミックス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東芝セラミックス株式会社 filed Critical 東芝セラミックス株式会社
Priority to JP2323730A priority Critical patent/JP2997539B2/ja
Publication of JPH04193778A publication Critical patent/JPH04193778A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2997539B2 publication Critical patent/JP2997539B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高温断熱材、高温構造材などに使用されるア
ルミナ多孔体を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、耐火断熱材としては、セラミックファイバーが
多用されている。その理由はセラミックファイバーは工
業的に大量に製造するのに適しているためである。すな
わち、セラミックファイバーは、溶融しているセラミッ
クスを滴下させ、これに水蒸気などの高速気流を吹きつ
けて、融液を糸状にする方法により製造されており、極
めて生産性がよく、安価である。
また、従来、耐火断熱材や焼成用道具材としては、ア
ルミナ質多孔質れんがやムライト質多孔質れんがなどが
使用されている。アルミナ質多孔質れんがは、アルミナ
原料をケイ酸化合物などの結合剤とともにバブル状に成
形して焼成することにより製造される。ムライト質多孔
質れんがは、アルミナシリカ化合物原料を粘土などの結
合剤とともに焼成することにより製造される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、セラミックファイバーは、断熱材としては多
くの問題を有している。このうち最も大きな問題は、セ
ラミックファイバーが高温使用時に収縮することであ
る。この収縮により断熱層に亀裂が入り、断熱効果を著
しく低下する。これは、ファイバーどうしが固着してい
ないことと、ファイバーがガラス質でありこれが結晶化
する時に物質移動が起きることが原因となっている。ま
た、セラミックファイバーは剛体でないので、そのまま
では加重のかかる道具材などとして使用できない。この
ため、セラミックファイバーを道具材として使用しよう
とする場合には、これをセラミック粉体とともに熱処理
して結晶化せざるを得なかった。このような材料は、組
成及び微細構造が不均質であるため、耐熱性などの特性
を満足できるものではなかった。
また、アルミナ質多孔質れんがやムライト質多孔質れ
んがは純度が低いため、種々の問題を有している。例え
ば、これらの多孔質れんがを道具材として使用すると、
被焼成物と反応するという問題がある。これらの多孔質
れんがを構造材として使用する場合、還元雰囲気では不
純物が揮散し、被焼成物や炉内を汚染するという問題が
ある。しかも、多孔質れんがの気孔率は、断熱材として
要求される特性に応じて決定されているため、軽量化及
び熱容量の低減を図ることが困難である。
本発明の目的は、耐火断熱材、焼成用道具材として長
時間の使用に耐えるアルミナ多孔体を製造できる方法を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段と作用〕
本発明のアルミナ多孔体の製造方法は、アルミナ微粒
子を凝集させたアルミナ粗粒子と、アルミナ微粒子とを
含むアルミナ粉末原料を用い、マトリックス部分と空間
とからなる多孔体状に成形した後、焼成してマトリック
ス部分を高密度アルミナ焼結体とし、更にアルミナの融
点以下でかつ絶対温度で表示した融点の2/3以上の温度
で結晶粒を成長させることを特徴とする。
本発明において、アルミナ粉末原料を用い、マトリッ
クス部分と空間とからなる多孔体状に成形した後、焼成
してマトリックス部分を高密度アルミナ焼結体にする方
法としては、以下のような方法を採用できる。
例えば、アルミナ粉末原料、分散剤、バインダー、整
泡剤を溶媒中でよく混合してスリップを調製し、撹拌機
で泡立て、泡が安定した状態で乾燥して泡状をなす成形
体を得た後、仮焼してバインダーなどの有機成分を焼散
させ、更に高温で焼成する方法が挙げられる(例えば特
願平1−188391号)。アルミナ粉末原料には、焼成時の
異常粒子成長を抑制するために、100ppmから0.2wt%の
少量のマグネシアを添加してもよいが、必ずしもマグネ
シアを添加しなくてもよい。また、セル状の空間の隔壁
となるアルミナ膜の膜厚を制御し、かつその密度を上げ
るために、アルミナ微粒子を凝集させたアルミナ粗粒子
とアルミナ微粒子とを併用することが好ましい。バイン
ダーとしては、スリップキャスティング用バインダーが
好ましい。分散剤としては、ポリアクリル酸アンモニウ
ム塩などが好ましい。整泡剤としては、ステアリン酸ア
ンモニウムなどが好ましい。
また、通常の発泡材料の製造方法と同様に、アルミナ
粉末原料、発泡剤をポリウレタンやポリスチレンなどの
プラスチック又はゴムに混合した混練物を調製し、これ
を発泡させ、固化した後、焼成する方法が挙げられる。
以上のようにして得られる高密度アルミナ焼結体の密
度は、理論密度の95%以上であることが好ましく、その
気孔率は5%以下であることが好ましい。これにより低
密度であると、結晶成長させる際に、アルミナ中に気泡
が内在するため、好ましくない。
本発明において、マトリックス部分のアルミナ焼結体
は、アルミナの融点以下でかつ絶対温度で表示した融点
の2/3以上の温度で結晶粒の成長が行われる(例えば特
公昭62−28118号公報参照)。この場合、焼結と同一の
炉でそのまま連続的に熱処理してもよいし、焼結炉から
いったん取り出した後、別の炉を用いて熱処理してもよ
い。アルミナの融点を超える温度では、所定の形状を保
持した固相のまま結晶成長させることができない。絶対
温度で表示したアルミナの融点の2/3未満の温度では、
結晶成長に時間がかかる。この場合、焼結体の1個所か
ら急速な結晶成長を起こさせることが好ましい。このた
めには、例えば炉内に温度勾配を設けることが考えられ
る。
なお、結晶成長後の結晶の大きさは、異常粒子成長の
核の数に反比例する。前述したように、アルミナ粉末原
料に、異常粒子成長抑制剤として少量のマグネシアを添
加しておき、熱処理時にマグネシアが揮散した個所から
異常粒子成長が起こるようにすれば、結晶の大きさが大
きくなる。
以上のような方法により製造される多孔体のマトリッ
クス部分を構成するアルミナは、その結晶構造が多結晶
ではあるが、結晶の大きさがセル状の空間の大きさに匹
敵する程度に充分大きくなり、サファイア(単結晶)状
となる。この結果、本発明に係るアルミナ多孔体は、大
きなアルミナ結晶の特性が生かされ、耐火断熱材、焼成
用道具材などとして高温下で長時間にわたって使用する
ことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 粒径0.2μm、純度99.99%のアルミナ粉100部、スト
イキオメトリックスピネル0.1部、イオン交換水100部、
PVA2部をボールミルにて1昼夜混合した。これをスプレ
ードライヤーで造粒した。この造粒粉を1トン/cm2の圧
力で加圧して圧粉体とし、乳鉢で粗粉砕した後、粒径10
〜20μmのものと粒径5〜10μmのものとを分級した。
これらをそれぞれ空気中、800℃で2時間仮焼して原料
粗粒子を調製した。
前記のようにして得られたアルミナ原料粗粒子(粒径
10〜20μm又は5〜10μm)70部、アルミナ微粒子30
部、ステアリン酸アンモニウム1部、ポリアクリル酸ア
ンモニウム1部、アクリル系バインダー10部、イオン交
換水20部を混合しながら撹拌機で泡立てた。泡が安定し
た後、乾燥機で乾燥して、2種類の成形体(それぞれ使
用したアルミナ粗粒子が異なる)を得た。
これらの成形体を空気中、800℃で2時間仮焼し、バ
インダーなどの有機物を焼散させた。更に、真空中、19
00℃で10時間焼成し、焼結と結晶成長とを連続的に行
い、2種の泡状のアルミナ多孔体を得た。
これらの泡状アルミナ多孔体に関しては、泡を構成す
るアルミナの膜厚は一方が15μm、他方が7μmであ
り、セル状空間の平均径は両者とも50μmであった。こ
の膜厚は、分級されたアルミナ粗粒子のうち最大径のも
のが焼成収縮した大きさとほぼ等しいものであった。ま
た、アルミナ膜は膜厚のばらつきが少ないものであっ
た。
この泡状アルミナ多孔体のかさ密度は0.6g/cm3であっ
た。これを断熱材として、1800℃で100時間使用したと
ころ、収縮は認められなかった。
実施例2 粒径0.5μm、純度99.9%のアルミナ粉100部、ポリア
クリル酸アンモニウム0.5部、ステアリン酸アンモニウ
ム1部、アクリル系バインダー2部、イオン交換水15部
を混合しながら撹拌機で泡立てた。泡が安定した後、乾
燥機で乾燥して、成形体を得た。
この成形体を空気中、1000℃で1時間仮焼し、バイン
ダーなどの有機物を焼散させた。更に、水素雰囲気中、
1950℃で5時間焼成し、焼結と結晶成長とを連続的に行
い、アルミナ多孔体を得た。
このアルミナ多孔体は、平均セル径が0.3mmで、柱の
太さが50μmの網目構造を有していた。これを200m×10
0mm×10mmに加工し、アルミナ基板焼成用棚板として使
用したところ、1500℃で1か月使用が可能であった。
〔発明の効果〕
以上詳述したように本発明の方法を用いれば、結晶が
著しく大きいアルミナ多孔体を製造することができ、高
性能を有する高温断熱材や道具材などの供給が可能とな
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ微粒子を凝集させたアルミナ粗粒
    子と、アルミナ微粒子とを含むアルミナ粉末原料を用
    い、マトリックス部分と空間とからなる多孔体状に成形
    した後、焼成してマトリックス部分を高密度アルミナ焼
    結体とし、更にアルミナの融点以下でかつ絶対温度で表
    示した融点の2/3以上の温度で結晶粒を成長させること
    を特徴とするアルミナ多孔体の製造方法。
JP2323730A 1990-11-27 1990-11-27 アルミナ多孔体の製造方法 Expired - Fee Related JP2997539B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2323730A JP2997539B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 アルミナ多孔体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2323730A JP2997539B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 アルミナ多孔体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04193778A JPH04193778A (ja) 1992-07-13
JP2997539B2 true JP2997539B2 (ja) 2000-01-11

Family

ID=18157972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2323730A Expired - Fee Related JP2997539B2 (ja) 1990-11-27 1990-11-27 アルミナ多孔体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2997539B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006020362A1 (de) * 2006-04-28 2007-10-31 Center For Abrasives And Refractories Research & Development C.A.R.R.D. Gmbh Schleifkorn auf Basis von geschmolzenem Kugelkorund

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04193778A (ja) 1992-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1338581B1 (en) Method for producing aluminum titanate sintered object
US5642868A (en) Ceramic material
US4810681A (en) Method of manufacturing dense cordierite
US5334563A (en) Ceramics composite material and production thereof
Reddy et al. Processing of Y2BaCuO5 foams
JPH0572341B2 (ja)
JP2997539B2 (ja) アルミナ多孔体の製造方法
US2876122A (en) Calcium oxide articles and method of making the same
JPH0653626B2 (ja) ジルコニア質複合耐火断熱材
JP2001220259A (ja) アルミナ・ムライト系多孔質シート状耐火物及びその製造方法
JPH0656553A (ja) 高温用セラミックフィルター
JP3368960B2 (ja) SiC質耐火物
JPS6031795B2 (ja) ジルコニア焼結体
CN109608193B (zh) 一种高纯氧化锆轻质耐火骨料及其制备方法
Kichkailo et al. Lithium-bearing heat-resistant ceramics (a review)
JPS6021853A (ja) リン酸ジルコニウム低膨張磁器
JPH0236549B2 (ja)
US3536505A (en) High density refractory materials and method for production of same
JPH0354176A (ja) 泡状セラミックスの製造方法
JPH11322409A (ja) βスポジューメンセラミックス及びその製造方法
RU2263646C2 (ru) Высокотемпературный материал с низким значением температурного коэффициента линейного расширения и способ его получения
JPH11349375A (ja) コーディエライト質骨材およびコーディエライト質セラミックス
JPH07133149A (ja) マグネシア焼結体の製造方法
JPH11240748A (ja) 酸化物セラミックスの製造方法
JPH0461833B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees