JP2997130B2 - 振動締固め工法 - Google Patents

振動締固め工法

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JP2997130B2
JP2997130B2 JP4163842A JP16384292A JP2997130B2 JP 2997130 B2 JP2997130 B2 JP 2997130B2 JP 4163842 A JP4163842 A JP 4163842A JP 16384292 A JP16384292 A JP 16384292A JP 2997130 B2 JP2997130 B2 JP 2997130B2
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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤の振動締固め工
法、特に飽和した緩い砂地盤等、振動によって液状化し
易い軟弱地盤に対して、振動ロッドを起振機によって地
中で振動させると同時に、その周辺に設置した吸水管に
よって過剰間隙水圧を除去しながら締固めを行うように
した振動締固め工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、飽和砂地盤等の振動締固め工法と
して、ロッドコンパクション工法、ダイレクトパワーコ
ンパクション工法、バイブロロッド工法など振動ロッド
を地盤内で一定の起振力で振動させて締固める工法が知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の工法では起
振機の起振力が深度の大小に拘らず一定のため、地盤の
浅い部分では施工によって砂の乱れを生じ、逆に深い部
分では地盤に十分なひずみ履歴密度変化を与えられない
ために、締固めの効果が地盤中央の限られた深度にしか
発揮されなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、振動ロッド
9を起振機8によって地中で振動させると同時にその周
辺に設置した吸水管10によって過剰間隙水圧を除去し
ながら締固めを行う液状化対策工法において、起振機8
の起振力を地盤の深度方向に多段的に変化させることに
より各深度での最適締固めを実現するようにした振動締
固め工法を提案するものである。
【0005】
【作用】起振機の振動部質量(起振力)を多段的に変化
させ、地盤の浅い部分では小、中央では中、深部では大
とすることで常に地盤に最適のひずみ履歴を与える。
【0006】これによって、従来締固め効果の小さかっ
た地盤の浅部及び深部での締固め効果が高まり、地盤の
深さ方向に均一かつ最適な締固めが達成される。
【0007】また、吸水管による水圧除去を伴うため
に、非吸水型の従来工法よりも締固め効果が大であり、
吸水と起振力可変により最適の振動締固めが深さ方向に
達成される。
【0008】
【実施例】図1に示すように、クローラー等の移動車輛
1の先端に設けたリーダー2に支持台3,4が昇降自在
に取付けられ、この支持台3には吊索5を介して懸吊し
た起振力可変の振動ロッド用起振機6が取付られ、また
支持台4には吊索7を介して懸吊した吸水管用起振機8
が取付られている。
【0009】振動ロッド用起振機6を取付けた支持台3
の下方にはH型鋼等からなる振動ロッド9が懸吊され、
また吸水管用起振機8を取付けた支持台4には複数の吸
水管10が懸吊され、移動時等において振動ロッド9お
よび吸水管10の下端はブレ止めアーム11によって下
端を揺動不能に把持されている。
【0010】吸水管10には、少なくともその1箇所に
ストレーナ部12が設けられ、その内部を真空ポンプに
より真空吸引することにより、周辺の水を真空吸引して
上部から排出するように構成され、またこの吸水管10
には所要部位に水ジェット管(図示しない)が設置さ
れ、吸水管10の地中貫入時に水ジェットを噴射しなが
ら、吸水管用起振機8により円滑に貫入するように構成
されている。
【0011】地盤改良施工に際しては、先ず吸水管10
を水ジェットを噴射しながら、吸水管用起振機8の振動
により地盤に所要深度まで同時に圧入し、次いで振動ロ
ッド9を振動ロッド用起機6により圧入深度に相応し
た起振力で鉛直または剪断振動を与えながら圧入し、地
盤を締固めると同時に、その振動によって地盤内に発生
した過剰間隙水圧を、周囲の各吸水管10から真空吸引
して地表部に排除する。
【0012】このように振動ロッド9による振動締固め
時にその振動によって過剰間隙水が発生するが、この過
剰間隙水圧は給排水管9を介して地表部へ排出されるた
め、振動ロッド9の周辺の液状化が防止され、振動ロッ
ド9の振動エネルギーが有効に伝達されて確実に振動締
固めが行われる。
【0013】そしてこの場合、起振機8の振動部質量
(起振力)を多段的に変化させ、地盤の浅い部分では
小、中央では中、深部では大とすることにより、常に地
盤に最適のひずみ履歴を与え、これによって従来締固め
効果の小さかった地盤の浅部及び深部での締固め効果が
高まり、地盤の深さ方向に均一かつ最適な締固めが達成
される。
【0014】「実験例(室内中空ねじり試験)」
【0015】図2に示すように、周囲をゴム膜で覆った
外径10cm、内径6cm、高さ12cmの円筒状をなす飽和砂の
供試体13を複数作成し、この底面に配水管14を接続
し、この配水管14に間隙水圧計15及び開閉調節弁1
6を設置した。
【0016】そして、各供試体13を内圧の異なる可変
圧力容器に入れ、それぞれ圧密圧力の大中小異なる3種
の供試体13としてその軸心を中心としてその圧力に応
じて大中小異なる力で同じ回数繰り返してねじり、実際
の振動締固めと同様の作用を行って過剰間隙水圧を発生
させ、これを開閉調節弁16を開いて排水除去し、これ
によってそれぞれ締固め条件の異なる供試体13を得
た。
【0017】この供試体13を同じ力で繰り返しねじ
り、液状化に至るまでのねじり回数を調べることによっ
て、吸水併用振動締固めを模擬したひずみ履歴(排水条
件下でのくり返しせん断)を与えた砂の液状化強度を調
べた。
【0018】この実験で、砂に加わる拘束圧(この実験
では砂の圧密圧力σ、実地盤では土かぶり圧、即ち深度
に対応)と、締固め時のせん断力(この実験ではねじり
力τ、実地盤では起振機の起振力の大きさに対応)を変
えた実験を行ったところ、図3に示す結果を得た。
【0019】図3の結果から、あるせん断力(起振機の
力)にとって最も締固め効果が高まる拘束圧(深度)が
存在し、拘束圧の小さな(深度が浅い)ところでは小さ
なせん断力、拘束圧の大きな(深度が深い)ところでは
大きなせん断力によって最適締固めが達成されることが
分かる。
【0020】また、図3のb)振動(中)の場合のように
起振力一定の場合には、液状化強度のピーク点の両側に
おいて強度が低下する現象があることが分かる。
【0021】次に、図4は実際の地盤で振動ロッド9の
起振力を中位とし、初期有効土被り圧σV (深度に対
応)とN1値(締固め効果に対応)の関係をそれぞれ複
数の実施位置で実験した結果を示したもので、図3のb)
振動(中)の場合とほぼ同様に、ある起振機の力におい
て最も締固め効果が高まる深度が存在する傾向が得ら
れ、この結果から図4の破線で示すように起振力をa>
b>cのように深さ方向に変えていけば、最適の締固め
が連続的に達成されることが推定できる。
【0022】なお、図3,4において排水しない非吸水
の場合を示したが、これによって振動と吸水併用のほう
が効果は大であり、さらに吸水と地盤の深度に応じた起
振力の組合わせが砂地盤の最適締固めを生み出すことが
分かる。
【0023】
【発明の効果】以上の通りこの発明によれば、深度に対
応した最適の起振力で振動ロッドを振動させながら、過
剰間隙水圧を周辺の吸水管により吸水除去するので、深
度の大小に拘らず砂地盤の最適な締固めが達成され、従
来より地盤の安定性、耐震性を高めることができると共
に、締固め施工のピッチをとばせるため工費、工期の削
減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するための施工機械の使用状態
を示す縦断側面図。
【図2】この発明に係る中空ねじり試験に用いる供試体
の斜視図。
【図3】この発明に係る中空ねじり試験の結果を示す線
図。
【図4】この発明に係る現場実験の結果を示す線図。
【符号の説明】
1 移動車輛 2 リーダー 3 支持台 4 支持台 5 吊索 6 振動ロッド用起振機 7 吊索 8 吸水管用起振機 9 振動ロッド 10 吸水管 11 ブレ止めアーム 12 ストレーナ部 13 供試体 14 配水管 15 間隙水圧計 16 開閉調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−119012(JP,A) 特開 昭60−73912(JP,A) 実開 昭63−171439(JP,U) 実開 平2−141830(JP,U) 実開 平3−197711(JP,U) 実開 平2−140320(JP,U) 実公 昭47−33940(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 3/046 - 3/074

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動ロッドを起振機によって地中で振動
    させると同時にその周辺に設置した吸水管によって過剰
    間隙水圧を除去しながら締固めを行う液状化対策工法に
    おいて、起振機の起振力を地盤の深度方向に多段的に変
    化させることにより各深度での最適締固めを実現するこ
    とを特徴とする振動締固め工法。
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