JP2996851B2 - 原料の加熱炉装置 - Google Patents

原料の加熱炉装置

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JP2996851B2
JP2996851B2 JP5340335A JP34033593A JP2996851B2 JP 2996851 B2 JP2996851 B2 JP 2996851B2 JP 5340335 A JP5340335 A JP 5340335A JP 34033593 A JP34033593 A JP 34033593A JP 2996851 B2 JP2996851 B2 JP 2996851B2
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達 地崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、石灰石、ドロマイト
やマグネサイト等の鉱物を粗砕して得られる粒塊鉱物あ
るいは各種の無機あるいは有機物質を混合・成形して作
ったペレット等の粒塊状物を原料として高温下で処理し
て製品を得る技術分野において利用され、特に、そのた
めの加熱炉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる原料を加熱処理するのに好適な加
熱炉装置として、例えば特許第1200742号(特公
昭58ー32307)において、粒径の小さい石灰石や
ドロマイトなどの塊状物原料を効率良く焼成する竪型の
焼成炉が提案されている。この公知の焼成炉において
は、鉛直軸線を中心として回転する一個の環板状の回転
炉床上に原料の堆積層を形成し、その層の表面に対する
高温の炎や燃焼ガスからの放射伝熱、及び該層を貫流す
る燃焼ガスからの対流伝熱によって上記小粒径原料を加
熱して60%以上の焼成を達成し、炉の周囲に配置した
プッシャーの作用で炉床の中央部開口から半焼成の原料
を落下させ、下部にある焼成完成のための原料堆積層を
形成させている。
【0003】上記の竪型の焼成炉を改善し、大量の原料
の処理に好適な加熱炉装置として特開平4−180にお
いて、実質的に同一の鉛直軸線を中心として回転する多
段状の複数個の環板状の回転炉床を有するものが提案さ
れている。この装置では各床上に原料の堆積層を形成
し、各炉床の周囲に配置したプッシャーによって半焼成
の原料を、下部に位置する焼成完成のための焼成炉に落
下供給するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の単段あるいは多
段の竪型焼成炉においては、加熱用の高温ガスとして、
例えば燃焼ガスの全量が炉床上の粒塊状原料の堆積層中
を粒塊の移動方向と実質的に反対の方向に貫流して原料
等を加熱し、排気ガスとして排出される。その際、原料
たる粒塊中に、常温以上・焼成温度以下の温度で気化す
る物質あるいは熱分解を生起する物質が混在する場合に
は、堆積層から排出される燃焼ガスの中にそれらの物質
が含まれるようになる。それらの物質が、例えば水銀蒸
気、塩素、塩酸ガス、亜硫酸ガス、無水硫酸などの有害
物質である場合には、排出された燃焼ガスから希薄な有
害物質除去のために該排出された燃焼ガス全量を処理可
能な大きな設備が必要となる。
【0005】粒塊状の原料の焼成においては燃料の燃焼
のために、20%以上の過剰空気を使用することが多
く、焼成製品単位質量あたりに発生する燃焼ガス量は必
要量以上に多いのが一般である。上述の単段あるいは多
段の竪型焼成炉において、上述のごとく20%以上の過
剰空気を用いて焼成する場合には、原料を常温から焼成
温度まで昇温する場合に必要とする熱エネルギー量にく
らべて、燃焼ガスの保有する熱エネルギー量が大きくな
る。その結果、粒塊堆積層を流出する燃焼ガスの温度は
高い値となり、燃焼ガスの排出顕熱損失が大きく、した
がって焼成のための熱エネルギー原単位が大きくなる。
【0006】上記の竪型焼成炉においては、燃焼ガスの
全量が原料の堆積層中を貫流し、下方に移動する原料と
熱エネルギーを交換して原料を高温化せしめるために、
堆積層内の高さ方向の温度分布は、堆積層が上表面近く
までほぼ同一の高温状態にあり、該上表面での比較的薄
い層の中で急激に降温するので、堆積層の深さ方向での
温度分布がなだらかな温度上昇特性とならなくなる。そ
の結果、原料は急激に昇温するので、割れて粉粒化して
しまうことも多く、ペレット等においては好ましくな
い。また粉粒化することにより後の燃焼ガスの貫流がし
にくくなって焼成効果を十分に得られず、ひいては製品
の品質を低下させる。
【0007】本発明はかかる従来の単段あるいは多段の
回転炉床を用いる焼成炉のかかえる、上記のような問題
点を解決し、焼成温度に達するまでに蒸発・気化する無
機あるいは有機物質を混在する粒塊状原料に対しても能
率良く焼成でき、かつ製品の粉粒化が防止できて、床面
積の小さく小型で建設費が小さく、大気汚染を起こすこ
となく高温度の焼成を行うことのできる原料の加熱炉装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記目
的は第一の発明にもとづき、単数又は棚状に段をなす複
数の環板状の炉床を有し、少なくとも一箇の炉床が鉛直
中心軸線のまわりに回転し、最上段の炉床と、該炉床の
上方位置に不動に設けられ高温ガス送入装置をもつ炉蓋
の周囲部に連なる筒状の内周壁と、該内周壁と間隔をも
って設けられた外周壁と、上記内周壁及び外周壁の互い
の上部を連絡する上壁とによって包囲され上記炉床の内
周縁側に開放される環状空間を形成し、加熱処理を受け
るべき原料を上記環状空間内に堆積層を形成するように
上記炉床上に供給する原料供給管を上記内周壁、外周壁
そして上壁のいずれかに接続し、加熱後の原料を上記炉
床の内周縁から逐次落下可能とした加熱炉装置におい
て、上記環状空間内の堆積層に上部自由表面と下部自由
表面とを形成する離隔部が設けられ、上記上部自由表面
上の空間と下部自由表面上の空間とにそれぞれ連通する
上部排気管と下部排気管とを設けたことにより達成され
る。
【0009】上記目的は、第二の発明にもとづき上記第
一の発明の加熱炉装置に設けられた最下段の炉床の内周
縁空間に、原料等の流れに対して向流するように加熱ガ
スが供給される二次加熱炉装置の原料供給口側が接続さ
れていることによっても達成される。
【0010】また、第三の発明にもとづき、上記第一の
発明の加熱炉装置の高温ガス送入装置をバーナーとし、
上記排気管がガス清浄装置を経てバーナーの近傍に接続
され、下部排気管が熱交換装置に接続され、該熱交換装
置に取り入れられて上記下部排気管からの排ガスとの熱
交換により昇温した空気を導く空気供給管が上記バーナ
の近傍に接続されていることによっても達成される。
さらには、第四の発明にもとづき第一の発明の加熱炉装
置の高温ガス送入装置をバーナーとし、上記排気管がガ
ス清浄装置を経てバーナーの近傍に接続されていること
によって、あるいは第五の発明にもとづき第一の発明の
加熱炉装置の高温ガス送入装置をバーナーとし、下部排
気管が熱交換装置に接続され、該熱交換装置に取り入れ
られて上記下部排気管からの排ガスとの熱交換により昇
温した空気を導く空気供給管が上記バーナーの近傍に接
続されていることによっても達成される。
【0011】
【作用】本発明によれば、炉床の内周縁に開放された空
間から堆積層中に流入した高温ガスは、その保有する熱
エネルギーを粒塊堆積層に与え、自らは焼成温度に近い
温度まで降温する。したがって、降温前に下部自由表面
を経て下部排気管から排出された分流燃焼ガスは、堆積
層の上部自由表面に達する燃焼ガスよりも高い温度にな
っている。一方、上部自由表面に向け流れる燃焼ガスは
上記の粒塊状原料の堆積層の上部(上部自由表面近傍)
において、原料と実質的に向流の熱エネルギー交換を行
うが、燃焼ガスの熱容量を原料の熱容量に近い値に調節
できるので、上部堆積層(以上堆積層のうち下部自由表
面よりも上方部分を「上部堆積層」、下方部分を「下部
堆積層」という。)における深さ方向の温度分布は、下
部堆積層におけるよりも投入された原料の温度からなだ
らかに上昇して焼成温度に至るようになる。
【0012】上部堆積層における粒塊の深さ方向の温度
分布はなだらかであるので、粒塊状原料の中に、例えば
300°Cで熱分解を生起して有害ガスを発生するよう
な物質、あるいは600°Cで熱分解して可燃ガスを発
生するような物質が混在している場合でも、それらの反
応に必要な滞留時間を粒塊状原料に対して充分与えるこ
とができる。したがって下部堆積層へ移動してゆく粒塊
の中には、上記の有害成分または可燃ガス成分は殆ど含
有されないことになる。また、上記上部堆積層での原料
粒塊は昇温がなだらかなので、急激な昇温による亀裂に
もとづく粉粒化という現象も生じない。
【0013】上記有害成分及び可燃ガス成分を含有する
状態で上部排気管から排気された燃焼ガスは、公知のガ
ス精製(清浄)装置に送り込むことによって該有害成分
を分離し、可燃ガス成分を含む燃焼ガスの一部または全
部が炉蓋に設置されたバーナーの周辺から炉蓋下部の燃
焼空間に送入されて実質的には完全に燃焼され、焼成に
必要な熱エネルギーの一部または全部を供給する。
【0014】下部排気管から排出された分流燃焼ガスは
粒塊の焼成温度に近い温度にあり、熱交換装置に導かれ
て、炉蓋に設置したバーナー周囲に送入され燃焼用空気
を高温度に予熱することにより、熱エネルギーが回収さ
れる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面にもとづき本発明の実施例を
説明する。
【0016】<第一実施例>図1は、本発明の第一実施
例装置の縦断面図であり、単段の回転炉床を有している
場合の例を示す。同図において、符号1は鉛直軸線であ
り、中央部に開口2Aを有する環板状の炉床2が鉛直軸
線1のまわりに回転するように設けられている。該炉床
2の上方位置には炉蓋3が不動に設けられ、該炉蓋3は
下向きに高温ガス送入装置としてのバーナー4が設置さ
れている。該炉蓋3には、バーナー4から炉蓋下方の燃
焼空間5に送入される燃料を燃焼するために、常温また
は加熱された空気を燃焼空間5に送入するための気送管
6も設けられている。上記炉蓋3はその外周において筒
状の周壁7に接続されている。該周壁7の外側には筒状
の炉の外周壁8が設けられ、上記周壁7と上壁9とによ
り連なっている。上記外周壁8の下部には、回転せる炉
床2との間に相対回転を許容するシール装置10Aが設
けられている。かくして、周壁(内周壁)7、外周壁
8、上壁9そして炉床2に包囲されて、半径内方(炉床
2の内周縁側)に開口せる環状室空間11が形成され
る。なお、上記炉床2の内周縁の下方には、加熱処理さ
れた原料が落下されこれを所定位置に案内するための落
下筒28が設けられていて、上記シール装置10Aと同
様のシール装置10Bが炉床2と落下筒28との間の相
対回転を許容するようにして設けられている。
【0017】ここで、上記シール装置10A,10B
は、図1に示される場合、一方の部材に設けられた環状
溝内に収められた水等の液体内に他方の部材の張出部が
入り込んでいる、いわゆる水シールとして示されたが、
これに限定されることなく、公知のシール装置でも良
い。
【0018】上記上壁9からは縦方向の中間位置まで離
隔部としての仕切壁14から垂下するようにして設けら
れていて、上記環状空間11を下部で連通する内環状空
間11Aと外環状空間11Bに区分している。上記上壁
9には、内環状空間11Aに連通して該内環状空間11
Aに原料を落下供給する原料供給管12と該内環状空間
11Aのガスを上方から外部に引き出すための上部排気
管13とがそれぞれ周方向の複数位置に設けられてい
る。さらに、外環状空間11B側には該外環状空間11
B内のガスを上方から引き出すための下部排気管15が
周方向の複数位置にて上記上壁9に接続されている。
【0019】さらに、上記外周壁8の下部には、周方向
の複数位置にプッシャー16が設けられている。該プッ
シャー16はロッド状をなしその先端が炉床2の半径内
方に向くように案内されていて、その長手方向に進退自
在となっている。この進退動は、適宜時期に間欠的に行
われる。
【0020】かかる本実施例装置において、原料の焼成
等の加熱処理は次のごとくなされる。
【0021】粒塊状の原料は、本実施例装置の上方に設
置された原料貯槽(図示せず)から複数の原料供給管1
2を通じて、内環状空間11Aに供給される。該内環状
空間11Aは外環状空間11Bと互いに下部にて連通し
ており、上記内環状空間11Aに供給された原料は一部
が外環状空間11Bにも流入する。原料は環状空間11
で安息角をもって堆積層を形成する。すなわち、半径内
方に向けて内側自由表面17、内環状空間11Aに上部
自由表面18、そして外環状空間11B内に上記上部自
由表面18よりも低い下部自由表面19が形成される。
【0022】バーナー4により燃焼空間5の中で発生し
た高温の燃焼ガスは、必要によっては二次加熱炉等に接
続される焼成物落下筒28の中を下方から追加的に流入
してくる高温ガスと燃焼空間5の中で混合され、放射伝
熱によって原料堆積層の内側自由表面17の表層の粒塊
を加熱した後、該内側自由表面17から粒塊堆積層の下
部20の中に貫流し、主として対流伝熱によって堆積層
中の粒塊を加熱し、自らは実質的に粒塊の焼成温度に近
い温度にまで降温する。該燃焼ガスの一部はその温度の
まま下部堆積層の下部自由表面19から該下部自由表面
19上の空間へ流出し、下部排気管15を経て炉外に排
出される。かかる燃焼ガスは高温なので、熱交換装置に
て取入空気を昇温せしめ、この高温空気を燃焼用空気と
しても利用可能である。
【0023】一方、残りの燃焼ガスは、内環状空間11
A内の上部堆積層21に入り、原料供給管12から供給
される粒塊状原料を対流伝熱によって加熱しながら該上
部堆積層21中を上方に貫流して上昇し、自らは低い温
度になって上部堆積層21の上部自由表面18から該上
部自由表面18上の空間へ流出し、上部排気管13を経
て炉外に排出される。その際、焼成温度に近い高温の燃
焼ガスの一部がすでに下部排気管15から排気されてお
り、上記内環状空間11A内の上部堆積層21を上昇す
る燃焼ガスの熱容量は低下しており、上部堆積層21中
の深さ方向の燃焼ガスの温度分布はなだらかなものとな
り、粒塊状原料は上部自由表面18における投入温度か
ら堆積層を降下するに伴いゆっくりと昇温し、焼成温度
に近い温度になって下部堆積層20へ移動する。したが
って、原料に焼成温度以下で反応して有害ガスあるいは
可燃ガスを発生する成分が含まれている場合には、原料
がゆっくり昇温する間に充分に反応して上記有害ガスや
可燃ガスがここで発生する。上記上部排気管13から
は、かかる有害ガスや可燃ガスを含んだ状態の焼成ガス
が排気される。かくして、この排気された燃焼ガスは清
浄装置により有害ガスを除いた後、再び可燃ガスを燃料
の一部として利用可能である。したがって、上記下部堆
積層の粉塊原料からはもはや上記有害ガスや可燃ガスが
発生されず、上記下部排気管15から排気される燃焼ガ
スにもこれらの有害ガスや可燃ガスは含有されなくな
る。
【0024】図1におけるプッシャーの数および位置は
任意であり、かつその角度は水平であっても任意の傾斜
角度を有していても差し支えなく、要は下部堆積層の内
側自由表面17の表層付近の粒塊が開口部2Aに向かっ
て落下せしめる機能を有していれば任意である。
【0025】図1のプッシャーの代わりに図1の回転炉
床2を上方から見た平面図である図2に示されるよう
に、筒状の炉の外周壁8の内面に単数あるいは複数の抵
抗部材22を設置し、回転炉床2の回転に伴って該抵抗
部材22が粒塊の堆積層を中心軸方向に押し出す構造の
ものとしてもよい。また、図1のプッシャーと図2の抵
抗部材を併用することもできる。その際、抵抗部材22
の半径内方への突出量の調節はロッド23によって行う
ことができる。なお該抵抗部材の形状・材質は任意であ
る。
【0026】<第二実施例>図3は本発明の第二実施例
装置の縦断面図であり、棚状に段をなして複数の環板状
の炉床を有し、そのうち少なくとも一つの炉床は鉛直中
心軸線1のまわりに回転する。図3は三個の環板状の炉
床を有する場合の例であるが二個あるいは三個以上の環
板状の炉床を有するようにすることもできる。なお、本
実施例において、図1の第一実施例と共通箇所には同一
符号を付してその説明を省略する。後続の実施例におい
ても同様である。
【0027】第3図において鉛直中心軸線1のまわりに
回転する最上段の環板状の炉床2には周方向の単数また
は複数の位置に開口24が設けられており、原料供給管
12から供給された粒塊状原料は上部自由表面18をも
つ堆積層20を形成し、炉床2の回転に伴い堆積層20
中の高温粒塊は下部のものから順に、炉床2の下方に中
段をなすように設置された第二の環板状炉床2’の上に
上記開口24を経て落下移動し、ここで堆積層20’を
形成する。該堆積層20’は外周壁側に第一下部自由表
面25を形成する。燃焼空間5内で発生した高温燃焼ガ
スの一部および必要によっては底部に設置された二次加
熱炉等に接続される焼成物落下筒28の下部から上方に
追加的に流入する高温ガスは堆積層20’の内側自由表
面17’から堆積層20’の内部に貫流し、これを加熱
して第一下部排気管15を経て装置外に排出される。そ
の際、炉床2に設けられた開口24の形、大きさ、位
置、数および第一下部排気管15の形、大きさ、位置、
数は任意である。
【0028】炉床2’の上の堆積層20’の中で加熱・
焼成された粒塊は、筒状の炉の外周壁8の周囲に単数あ
るいは複数個配置されたプッシャー16’により、半径
内方に押し出され、中央の開口2A’を経て焼成物落下
筒28の方向に落下する。その際の上記プッシャーの角
度は任意である。
【0029】炉床2’の堆積層20’中の高温粒塊は、
該炉床2’に設けられた単数または複数の開口24’を
経て下部に落下移動し、炉床2’の下方に下段をなすよ
うに設けられた第三環状板炉床2”の上に堆積層20”
を形成する。該堆積層20”も、堆積層20’の場合と
同様に、外周壁8側に第二下部自由表面26を形成す
る。上記開口24’の形、大きさ、位置、数は任意であ
る。
【0030】かかる本実施例では、燃焼空間5内で発生
した高温燃焼ガスの一部および必要によっては底部に設
置された焼成物落下筒28の下部から上方に流入する高
温ガスは、堆積層20”の自由表面17”から堆積層2
0”の内部へ貫流し、これを加熱して第二下部排気管1
5’を経て装置外に排出される。その際第二下部排気管
15’の形、大きさ、位置、数は任意である。
【0031】炉床2”の上の堆積層20”に加熱・焼成
を受けた粒塊原料はプッシャー16”によって半径内方
に押し出され、中央の開口2A”を経て焼成物落下筒2
8の方向に落下する。
【0032】かくして、本実施例においては、有害ガス
や可燃ガスを含む燃焼ガスは上部排気管12から排気さ
れ、有害ガスが除去された後可燃ガスを燃料として再利
用される。また、有害ガスや可燃ガスを含まない高温の
燃焼ガスは第一及び第二下部排気管15,15’から排
気され熱交換装置において燃焼用空気を昇温させる等に
利用される。
【0033】本実施例において、環板状の炉床2,
2’,2”のうち少なくとも一個は鉛直中心軸のまわり
に回転する。図3の例は炉床2および2”が回転する場
合であり、10A,10A’10A”および10Bは炉
床2,2”の自由な回転を保証するためのシールであ
る。
【0034】<第三実施例>図3に示された前実施例は
鉛直中心軸線1のまわりに回転する炉床2および2”の
直径と、不動に設置される炉床2’の直径がほぼ同一で
ある場合の例であるが、必ずしもこれに限定されるもの
ではない。図4に示される第三実施例では直径の異なる
二個の環板状炉床を有する場合であり、中央に開口24
を有する上方の炉床2は不動に設置され、内径及び外径
が該炉床2よりも大きい下方の炉床2’が鉛直中心軸線
1のまわりに回転している。炉床2の上に形成された堆
積層20内の粒塊は一部がプッシャー16の作用で半径
内方に押し出され、残りは上記開口24を経て回転する
炉床2’の上に落下移動して堆積層20’を形成する。
該堆積層20’は外周壁8側に接続された下部排気管1
5に面するように下部自由表面19を形成し、有害ガス
や可燃ガスを含まない高温の燃焼ガスは、該下部排気管
15から取り出され、その保有せる熱の再利用に供す
る。
【0035】なお、図1,図2における炉蓋は内面に凹
型をなしていたが、炉蓋の形状は必ずしもこれに限定さ
れるものではなく、例えば図4の本実施例のごとく平面
状のものであっても差し支えなく、その形状は任意であ
る。
【0036】<第四実施例>図1の例においては仕切壁
14を用いて上部堆積層21を形成し、下部堆積層20
から排出される高温燃焼ガスを下部排気管15を導いて
いた。下部堆積層20から排出される高温燃焼ガスの取
り出し方法は必ずしも図1,図2,図3において示され
るものに限定されるものではなく、例えば、図5に示さ
れる第四実施例において、図の右半部に示されるごとく
堆積層の内部に半径方向に延びる離隔部としての取り出
しビーム29を周方向の適宜箇所に設置してその下に下
部自由表面26をもつ空間27を形成し、有害ガスや可
燃ガスを含まない高温燃焼ガスを下部排気管15に向か
って流出させる構造のものであってもよく、また、図5
の左半部に示されるごとく、下部堆積層20の下部自由
表面19から直ちに下部排気管15Aに接続してもよ
い。
【0037】<第五実施例>図6に示される第五実施例
は図1の装置を用い、焼成温度までに加熱される間に有
害または可燃ガスを発生する成分を含有する粒塊状原料
を、環境を汚染すること無くしかも可燃ガスを効率よく
焼成に利用する系を含む装置を示すものである。この場
合、図1の装置は一つの例であり、その代わりに図3,
図4,図5に示される装置のいずれを用いてもよい。
【0038】本実施例装置において、上部排気管13は
導管31により液状物質分離装置32,有害物質除去装
置33、ガス清浄装置34そしてブロワー35と順に接
続された後、導管36によりバーナー4に臨む副燃料供
給管37に接続されている。
【0039】また、導管31及び36には、必要に応じ
図示せぬバルブの切り替えにより燃焼ガスを大気に放出
するか、他の目的に利用するための排気管38,39が
分岐して設けられている。
【0040】一方、下部排気管15は導管40により熱
交換装置41に接続され、該熱交換装置41から大気に
放出されるようになっている。該熱交換装置41には大
気の空気を取り入れる導管42が設けられ、該導管42
は該空気が熱交換により昇温した後に気送管6に送られ
るように接続されている。こうして、上記導管42と気
送管6は空気供給管を形成する。
【0041】かかる本実施例装置において、焼成温度ま
でに加熱される間に、有害ガスまたは可燃ガスを発生す
る成分を含有する粒塊状原料は、原料供給管12から落
下供給されて上部堆積層21を形成する。一方燃焼空間
5内で発生した高温燃焼ガスは下部堆積層20の内側自
由表面17から該下部堆積層20の内部に貫流し、該下
部堆積層20内の粒塊を加熱・焼成し、燃焼ガスの温度
は焼成温度に近づく。未だ有害ガスや可燃ガスを発生し
ていない焼成温度に近い高い温度の燃焼ガスの一部は、
下部堆積層20から下部排気管15に至る。また残りの
燃焼ガスは上部堆積層21に流入し、原料の粒塊と反対
方向に流れてこれを加熱し、燃焼ガス自体の温度は上部
堆積層21の高さ方向になだらかな温度分布をもつよう
にして低下し、低温になって上部排気管13に至る。こ
こまでは図1の第一実施例の場合と同様である。
【0042】上部堆積層21における原料との熱交換に
よって該上部堆積層21における深さ方向の温度分布は
なだらかなものとなり、粒塊はゆっくりと加熱されなが
ら層中を降下する。粒塊中に含有される有害または可燃
ガスを発生する成分は、粒塊原料がゆっくりと昇温する
間に熱分解を受けて着目の有害ガス又は可燃ガス成分を
発生し、上述のごとく、上部堆積層21中を上方に貫流
する燃焼ガスに含有されて上部排気管13に至るように
なる。
【0043】かかる有害ガス又は可燃ガスを含有する燃
焼ガスは上部排気管13から導管31により液状物質分
離装置32、有害物質除去装置33、ガス清浄装置34
に流通され、有害物質が除去されるとともに可燃ガスを
精製することができる。ここに上記装置32,33,3
4は必ずしも全部が必要ではなく、必要が無ければその
いずれをも除去しても差し支えない。また、有害物質除
去に複数の除去装置が必要であればこれを追加すること
ができる。
【0044】燃焼ガス中に有害および可燃成分が含有さ
れていない場合には、バルブの切り替えによりこの燃焼
ガスを排気管39から外部に排出することができる。
【0045】燃焼ガス中に可燃ガスを含有する場合に
は、導管31によってブロワー35に導き、導管36を
通して副燃料供給管37に可燃ガスを含有する燃焼ガス
として送入し、バーナー4の周辺から燃焼空間5の中に
送入して燃焼させることができる。有害成分を除去した
燃焼ガス中に可燃成分が無い場合には、バルブの切り替
えによりこの燃焼ガスを排気管39から外部に排出する
ことができる。また可燃ガス含有の燃焼ガスを他の目的
に利用するために、その一部あるいは全部を排気管39
から送り出すことができる。
【0046】下部排気管15から排出された有害ガスや
可燃ガスを含まない高温の燃焼ガスは導管40によって
熱交換装置41に導かれ、導管42から熱交換装置に送
入される低温の燃焼用空気と熱エネルギーを交換し、低
い温度になった燃焼ガスは導管40を経て排出される。
一方高温度に加熱された燃焼用空気は導管42を経て空
気の気送管6に導かれ、バーナー4の周辺から燃焼空間
に送入され、バーナーから送入される燃料および副燃料
供給管37から送入されるガス中の可燃成分を燃焼す
る。
【0047】なお、本実施例では、有害ガスを処理する
系、そして熱交換を行う系の両方を備えているが、必要
に応じ、一方の系のみを備えるようにすることもでき
る。
【0048】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、加熱によ
って有害成分または可燃成分を発生する物質を含有する
粒塊状の原料を焼成する場合、発生する有害成分を除去
するとともに可燃成分を燃焼させてその熱エネルギーを
効率良く利用することができ、さらに有害成分及び可燃
成分を発生する前に分流されて排出される高温の燃焼ガ
スの保有する熱エネルギーを効率よく燃焼用空気の加熱
のために利用することができるので、粒塊の加熱焼成の
ための熱エネルギー原単位の小さい、環境汚染を起こす
ことの無い焼成技術を提供することができる。さらに
は、焼成は堆積層中でその深さ方向の温度分布がなだら
かなものとなり、原料が急激に加熱されることがなくな
り、粒塊原料が亀裂を発生して粉粒化してしまい焼成特
性を低下するということもなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例装置の縦断面図である。
【図2】図1装置の変形を示す平面図である。
【図3】第二実施例装置の縦断面図である。
【図4】第三実施例装置の縦断面図である。
【図5】第四実施例装置の縦断面図である。
【図6】第五実施例装置の縦断面図である。
【符号の説明】
1 鉛直中心軸線 2,2’,2'' 炉床 3 炉蓋 4 高温ガス送入装置(バーナー) 5 燃焼空間 気送管 7 内周壁 8 外周壁 9 上壁 12 原料供給管 13 上部排気管 14 離隔部(仕切壁) 15 下部排気管 18 上部自由表面 19 下部自由表面 22 抵抗部材 29 抵抗部材(取り出しビーム) 34 ガス清浄装置 41 熱交換装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F27B 1/00 - 1/28 F27B 9/00 - 9/40 C04B 2/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単数又は棚状に段をなす複数の環板状の炉
    床を有し、少なくとも一箇の炉床が鉛直中心軸線のまわ
    りに回転し、最上段の炉床と、該炉床の上方位置に不動
    に設けられ高温ガス送入装置をもつ炉蓋の周囲部に連な
    る筒状の内周壁と、該内周壁と間隔をもって設けられた
    外周壁と、上記内周壁及び外周壁の互いの上部を連絡す
    る上壁とによって包囲され上記炉床の内周縁側に開放さ
    れる環状空間を形成し、加熱処理を受けるべき原料を上
    記環状空間内に堆積層を形成するように上記炉床上に供
    給する原料供給管を上記内周壁、外周壁そして上壁のい
    ずれかに接続し、加熱後の原料を上記炉床の内周縁から
    逐次落下可能とした加熱炉装置において、上記環状空間
    内の堆積層に上部自由表面と下部自由表面とを形成する
    離隔部が設けられ、上記上部自由表面上の空間と下部自
    由表面上の空間とにそれぞれ連通する上部排気管と下部
    排気管とを設けたことを特徴とする原料の加熱炉装置。
  2. 【請求項2】請求項1の加熱炉装置に設けられた最下段
    の炉床の内周縁空間に、原料等の流れに対して向流する
    ように加熱ガスが供給される二次加熱炉装置の原料供給
    口側が接続されていることとする原料の加熱炉装置。
  3. 【請求項3】離隔部は、上壁から垂下し環状空間の縦方
    向中間部まで延びる仕切壁であることとする請求項1に
    記載の原料の加熱炉装置。
  4. 【請求項4】回転せる炉床の少なくとも一箇の炉床上の
    空間を包囲する外周壁の内側に、半径内方に向延びる
    単数もしくは複数の抵抗部材を設けたこととする請求項
    1に記載の原料の加熱炉装置。
  5. 【請求項5】抵抗部材は、半径内方への突出量が調整自
    在となっていることとする請求項4に記載の原料の加熱
    炉装置。
  6. 【請求項6】請求項1の加熱炉装置の高温ガス送入装置
    をバーナーとし、上部排気管がガス清浄装置を経てバー
    ナーの近傍に接続され、下部排気管が熱交換装置に接続
    され、該熱交換装置に取り入れられて上記下部排気管か
    らの排ガスとの熱交換により昇温した空気を導く空気供
    給管が上記バーナーの近傍に接続されていることとする
    原料の加熱炉装置。
  7. 【請求項7】請求項1の加熱炉装置の高温ガス送入装置
    をバーナーとし、上部排気管がガス清浄装置を経てバー
    ナーの近傍に接続されていることとする原料の加熱炉装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1の加熱炉装置の高温ガス送入装置
    をバーナーとし、下部排気管が熱交換装置に接続され、
    該熱交換装置に取り入れられて上記下部排気管からの排
    ガスとの熱交換により昇温した空気を導く空気供給管が
    上記バーナーの近傍に接続されていることとする原料の
    加熱炉装置。
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