JP2996659B1 - 汚染土処理方法および汚染土を用いて得られたブロック材 - Google Patents

汚染土処理方法および汚染土を用いて得られたブロック材

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Abstract

【要約】 【課題】 ダイオキシン等の有機塩素化合物によって汚
染された汚染土を、経済的に、効率よく浄化処理できる
技術を提供することである。 【解決手段】 有機塩素化合物によって汚染された汚染
土を浄化処理するための方法であって、汚染土に粉末状
のアルミニウムを加え混合する混合工程と、この混合工
程によって得られた混合物を、アルミニウムと汚染土の
成分とがテルミット反応を起こす温度まで加熱する加熱
工程と、この加熱工程によって起きるテルミット反応に
よって、混合物中の有機塩素化合物を熱分解すると共
に、混合物を焼結させる焼結工程とを具備する汚染土処
理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機塩素化合物、
特にダイオキシンによって汚染された汚染土(汚染土
壌)の浄化処理技術に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】近年、ゴミ焼却場の近
隣地域では、ダイオキシン等の有機塩素化合物による土
壌汚染が深刻な問題となっている。しかし、現状では、
この問題を解決するための有効な対策は未だ見出されて
いない。すなわち、汚染土を浄化処理する場合、それを
炉に投入して極めて高い温度で長時間加熱し、汚染土に
含まれる有機塩素化合物を熱分解する方法が採られる。
ところがこの手法では、処理できる汚染土の量に比し
て、必要となるエネルギー量が莫大なものとなるため、
非常に経済性が悪く、到底、大量大規模処理には利用で
きない。
【0003】したがって、本発明が解決しようとする課
題は、有機塩素化合物によって汚染された汚染土を、経
済的に効率よく浄化処理できる技術を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところで、上記有機塩素
化合物の主な発生源である燃えるゴミと共に、日常的に
排出されるゴミの大半を占めるものと言えば、燃やせな
いゴミである。現在、この燃やせないゴミとして回収さ
れているもののうち、飲料用の空き缶など金属系廃棄物
は、周知のとおり積極的に再利用が図られている。中で
もアルミニウム缶については、現在、飲料用容器のほと
んどがアルミニウム製であることからも判るように、大
規模な再利用システムが構築されている。そして、この
システムにより、市中に出回ったものの大半が精練さ
れ、再利用されている。ここで、アルミニウム缶の再利
用方法について簡単に説明する。
【0005】アルミニウム缶の再利用に際しては、ま
ず、回収されてきたアルミニウム缶を炉内に投入し加熱
する。炉内温度がアルミニウムの融点に到達するとアル
ミニウム缶は融解するが、ここで加熱を中止せず、更に
炉内温度を上昇させる。やがて同温度が1200〜13
00℃に達したならば加熱を中止する。この状態では、
概して言うと、融解したアルミニウムは、再利用される
下層と、不純物の含有率が高く再利用できない上層とに
分離する。このうち下層側は、融解状態で炉の底部から
取り出され、再利用される。これに対して上層側は、一
般にアルミニウムドロスと呼ばれており、アルミニウム
が単体で数十重量%程度含まれるものの、現状では産業
廃棄物として処分されている。なお、アルミニウム缶の
精練工場では、炉が設置されたスペース内の空気を外部
に排出する際、いったんフィルターを通過させるように
なっている。このため、炉から飛散したアルミニウム微
粒子は、このフィルターによって捕捉・回収される。こ
うしたアルミニウム微粒子についても、現状では再利用
されずに、上記アルミニウムドロスと共に廃棄されてい
る(以下、アルミニウムドロスと言った場合、それは、
このアルミニウム微粒子を含めたものを指す)。こうし
て、極めて多大な量のアルミニウム系廃棄物が日々排出
されており、その処理に困窮しているのが現状である。
【0006】さて、有機塩素化合物によって汚染された
汚染土を、経済的に効率よく浄化処理できる技術を開発
するべく、鋭意研究を推し進めてきた本発明者は、汚染
土に含まれる有機塩素化合物の分解に、テルミット反応
を利用できないかと考えた。このテルミット反応は一般
によく知られたもので、金属部品同士の溶接等に広く利
用されている。更に詳しく言うと、テルミット反応と
は、例えば金属系酸化物がアルミニウムによって脱酸さ
れる化学反応の総称であって、この反応によって得られ
る温度は、理論的には3000℃程度になる。但し、同
反応を起こさせるには、アルミニウムを含む混合物の少
なくとも一部をある程度の温度(1000〜1200
℃)まで加熱し、いわば点火してやる必要がある。
【0007】本発明者は、このテルミット反応を、土壌
を構成する主要な成分である二酸化ケイ素(SiO2
と、人為的に添加したアルミニウムとの間で起こさせ、
これによって生じる高温で有機塩素化合物を熱分解させ
るようにすれば、上記の課題を解決できるであろうと考
えた。すなわち、こうした手法を用いれば、炉内に汚染
土を投入し、それを、無駄なエネルギーを用いて極めて
高い温度まで加熱してやる必要がない。つまり、浄化処
理に必要なエネルギーは、従来方法に比べて格段に僅か
な量となるから、有機塩素化合物によって汚染された汚
染土を、経済的に効率よく浄化処理することが可能とな
る。しかも、テルミット反応によって生じる莫大な熱エ
ネルギーは、有機塩素化合物を熱分解するだけでなく、
汚染土を主体とする混合物を所望の形状に焼結させるの
にも十分なものである。したがって、同混合物を例えば
直方体状に成形(特にプレス成形)した後、テルミット
反応を起こさせれば、人畜無害で、かつ、路面その他の
構築に有効利用可能なブロック材を得ることができる。
【0008】しかし、上記技術を実用化するに当たって
は、極めて重大な障害が残されていた。すなわち、汚染
土を大量大規模処理するようになれば、当然のことなが
ら、大量のアルミニウムが必要となる。ところが、この
アルミニウムをボーキサイトを精練して得たもので賄お
うとすれば、それは結果的には、またしても資源やエネ
ルギーを浪費することになるので、上記処理技術の有す
る利沢が著しく減殺される。
【0009】本発明者は、こうした問題を解決するべく
更に研究を推し進めた結果、土壌成分の二酸化ケイ素と
反応させるアルミニウムとして、上述したアルミニウム
ドロスの利用を思いついた。要するに、このアルミニウ
ムドロスを適当な手段で粉末化し、それを汚染土に添加
して、土壌成分とテルミット反応を起こさせるようにす
れば、全ての問題が一挙に解決される。つまり、有機塩
素化合物によって汚染された汚染土を、経済的に効率よ
く浄化処理(無害なブロック材化)することが可能とな
る。その上、日々、大量に排出され、処理に困窮してい
るアルミニウムドロスについても、有効に再利用するこ
とができる。
【0010】本発明は、こうした知見に基づいてなされ
たものであり、上記課題は、有機塩素化合物によって汚
染された汚染土を浄化処理するための方法であって、前
記汚染土に粉末状のアルミニウムを加え混合する混合工
程と、この混合工程によって得られた混合物を、前記ア
ルミニウムと前記汚染土の成分とがテルミット反応を起
こす温度まで加熱する加熱工程と、この加熱工程によっ
て起きるテルミット反応によって、前記混合物中の有機
塩素化合物を熱分解すると共に、前記混合物を焼結させ
る焼結工程とを具備することを特徴とする汚染土処理方
法によって解決される。
【0011】特に本発明では、混合工程において汚染土
に混合させるアルミニウムとしてアルミニウム系廃材の
精練時に排出されるアルミニウムドロスを粉砕してなる
ものを使用できる。また、本発明の汚染土処理方法は、
混合工程によって得られた混合物を所定の形状に成形す
る成形工程を更に具備し、加熱工程では、前記成形工程
によって所定の形状に成形された混合物を加熱すること
が好ましい。そして、これによって路面その他の構築に
有効利用できる無害なブロック材が得られる。
【0012】なお、混合工程で汚染土に加えられるアル
ミニウムの量は、重量比で前記汚染土の10〜60%、
特に20〜50%であることが好ましい。すなわちアル
ミニウムの量が、この範囲内であれば、テルミット反応
による発熱量が十分なものとなり、かつ、アルミニウム
の無駄が生じることもなく、一層経済的に汚染土の処理
が行える。
【0013】更に土壌の成分次第では、つまり土壌組成
が比較的テルミット反応を起こしにくいものである場合
には、同反応を促進するために、混合工程にて、酸化鉄
を重量比で汚染土の3〜30%、特に5〜15%加える
こともできる。また、本発明が解決しようとする課題
は、上記汚染土処理方法と共に、この汚染土処理方法を
用いて製造されたブロック材であって、有機塩素化合物
によって汚染された汚染土と、アルミニウム系廃材の精
練時に排出されるアルミニウムドロスを粉砕してなる粉
末状のアルミニウムとを含む混合物を原料とし、前記混
合物をブロック状に成形した後、前記アルミニウムと前
記汚染土の成分とのテルミット反応により、前記混合物
を焼結させてなることを特徴とする、汚染土を用いて得
られたブロック材によっても解決される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下で本発明の一実施形態として
説明する汚染土処理方法は、有機塩素化合物中でもダイ
オキシンによって汚染された汚染土を浄化処理するため
のものであって、汚染土に粉末状のアルミニウムを加え
混合する混合工程と、この混合工程によって得られた混
合物を、アルミニウムと汚染土の成分(土壌成分)とが
テルミット反応を起こす温度まで加熱する加熱工程と、
この加熱工程によって起きるテルミット反応によって、
混合物中のダイオキシンを熱分解すると共に、同混合物
を焼結させる焼結工程と、を具備する。特に本実施形態
では、混合工程において汚染土に混合するアルミニウム
として、アルミニウム系廃材の精練時に排出されるアル
ミニウムドロスを粉砕してなるものが用いられる。ま
た、本実施形態の汚染土処理方法は、混合工程によって
得られた混合物を直方体状に成形する成形工程を更に具
備し、加熱工程では、この成形工程によって直方体状に
成形された混合物が加熱されることになる。なお、上記
混合工程にて汚染土に加えられるアルミニウムの量は、
重量比で汚染土の10〜60%、特に20〜50%であ
る。また本実施形態では、混合工程にて、汚染土に更に
酸化鉄が加えられる。但し、その量は、重量比で汚染土
の3〜30%、特に5〜15%である。
【0015】また、同じく以下で本発明の一実施形態と
して説明するブロック材は、上記汚染土処理方法を用い
て製造されたものであって、ダイオキシンにより汚染さ
れた汚染土と、アルミニウム系廃材の精練時に排出され
るアルミニウムドロスを粉砕してなる粉末状のアルミニ
ウムと、を含む混合物を原料とし、この混合物をブロッ
ク状すなわち直方体状に成形した後、アルミニウムと汚
染土の成分(主として二酸化ケイ素)とのテルミット反
応により、焼結させて得たことを特徴とする。
【0016】次に、汚染土の浄化処理手順(ブロック材
化の手順)の概略を示す図1を用いて、本発明の実施形
態を更に詳しく説明する。本発明の実施形態に係る汚染
土処理方法(以下、本処理方法と言う)は、上述したよ
うにダイオキシンにより汚染された汚染土(土壌)を浄
化処理するのに、更に言えば、汚染土を無害で、かつ、
有益なブロック材に加工するのに用いられるものであ
る。
【0017】本処理方法は、概して言うと、混合工程、
成形工程、加熱工程、そして焼結工程(ダイオキシンの
熱分解工程)からなる。このうち混合工程は、図1に示
すごとく、汚染土1に、粉末状のアルミニウム2、及び
同じく粉末状の酸化鉄3を加え、均一に混合するもので
ある。更に具体的に言えば、上記原料は、混練機4に所
定分量ずつ投入された後、この混練機4によって混合さ
せられることになる。
【0018】なお、上記原料のうち汚染土1は、ゴミ焼
却場の近隣地域の土壌表層を掘削回収して得たものであ
る。また、アルミニウム2としては、主にアルミニウム
製空き缶(アルミニウム系廃材)の精練時に排出される
アルミニウムドロスを粉砕してなるものを用いている。
そして、本実施形態では、混合工程にて汚染土1に加え
られるアルミニウム2の分量を、重量比で汚染土1の1
0〜60%、特に20〜50%、更に具体的には35%
としている。一方、アルミニウム2と共に汚染土1に加
えられる酸化鉄3の分量については、同じく重量比で汚
染土1の3〜30%、特に5〜15%、更に具体的には
10%としている。但し、酸化鉄3は絶対不可欠な原料
ではなく、汚染土1の成分次第では添加しなくともよい
場合もある。また、混合物に適度の粘り気を持たせるた
め、油剤などが適宜添加されることもある。
【0019】次に、上記混合工程に続いて実施される成
形工程についてであるが、本工程は混合工程によって得
られた混合物を所定形状、特に直方体状(以下、ブロッ
ク状とも言う)に成形するためのものである。すなわ
ち、この成形工程において、混合物5は型6内に充填さ
れ、プレス装置7によって押圧される。これによって、
混合物5はブロック状のものとなる。ちなみに、このブ
ロック状の混合物5の寸法は、縦200mm、横100
mm、高さ75mm程度である。
【0020】上記混合工程、成形工程に続いて実施され
る加熱工程は、成形工程を経て得られたブロック状の混
合物5を、後述の規定温度まで加熱するためのものであ
る。実際には、ブロック状の混合物5は、加熱炉8内に
適当な間隔で複数個配列される。そして、混合物5に含
まれるアルミニウムと、同じく混合物5に含まれる土壌
成分(二酸化ケイ素)及び酸化鉄とが、それぞれテルミ
ット反応を起こす規定温度(1000〜1200℃)ま
で加熱される。
【0021】本処理方法の最後に実施される焼結工程
は、汚染土に含まれるダイオキシンの熱分解工程でもあ
る。そして、この焼結工程(ダイオキシンの熱分解工
程)は、上記加熱工程によって起きるテルミット反応に
より、加熱炉8内で自然発生的になされる。上記ブロッ
ク状の混合物5は、この焼結工程を経て焼結し、その結
果ブロック材9となる。また、これと同時に混合物5に
含まれていたダイオキシンは熱分解し、完全に無害化さ
れる。ちなみに、ブロック材9の焼結(ダイオキシンの
熱分解)に関与する代表的なテルミット反応は、次の式
(1)及び式(2)に示すとおりである。
【0022】 4Al+3SiO2 →2Al2 3 +3Si (1) 2Al+Fe2 3 →Al2 3 +2Fe (2) 以上をまとめると、本処理方法では、まず、汚染土1
に、アルミニウムドロス由来の粉末状アルミニウム2、
及び同じく粉末状の酸化鉄3を加え混合する(混合工
程)。次に、この混合工程によって得た混合物をブロッ
ク状に成形する(成形工程)。こうしてブロック状の混
合物5を得たならば、続いて、この混合物5に含まれる
成分同士がテルミット反応を起こす温度まで、それを加
熱する(加熱工程)。そして、この加熱工程により起き
るテルミット反応によって、混合物5中のダイオキシン
を熱分解し、同時に、このブロック状の混合物5を焼結
させる(焼結工程)。この結果、汚染土1を主原料とし
た、本発明の実施形態に係るブロック材9が得られる。
【0023】換言すれば、本実施形態に係るブロック材
9は、ダイオキシンによって汚染された汚染土1、粉末
状のアルミニウム2、粉末状の酸化鉄3を含む混合物5
を原料とし、この混合物5をブロック状に成形した後、
上記アルミニウム2と、汚染土1の成分(二酸化ケイ
素)及び酸化鉄3とのテルミット反応により、混合物5
を焼結させて得たものである。
【0024】このように本実施形態では、汚染土の浄化
処理すなわちダイオキシンの熱分解にテルミット反応を
利用している。このため、浄化処理に投入されるエネル
ギーは、従来方法に比べて格段に僅かな量となる。ゆえ
に、ダイオキシンによって汚染された汚染土を、経済的
に効率よく浄化処理することが可能である。しかも、テ
ルミット反応によって生じる熱エネルギーが、汚染土を
主体とする混合物を焼結させる役割をも果たすので、こ
れによって、人畜無害で、かつ、路面その他の構築に有
効利用可能なブロック材を得ることができる。その上、
汚染土に添加するアルミニウムとして、アルミニウムド
ロスを用いたので、、日々、大量に排出され、処理に困
窮しているこのアルミニウムドロスを、有効に再利用で
きる。
【0025】なお、上記ブロック材の最も好ましい活用
方法の一つは、その原料となった汚染土を掘削回収した
場所に敷設する(埋め戻す)ことである。そして、この
場合には、ダイオキシンが微量に残留している可能性の
ある土壌(掘削によって現れた新たな土壌表面)に、い
わば蓋をする格好となるので、その場所からは、以後ダ
イオキシンが大気中に飛散することはなく、一石二鳥の
効果が得られる。
【0026】ちなみに、先にアルミニウムドロスについ
て述べた際には、特に詳しく説明しなかったが、このア
ルミニウムドロスは、浄化処理に際して汚染土に添加さ
れることになる単体のアルミニウムを数十重量%、通常
は30〜40重量%含むものである。したがってアルミ
ニウムドロスは、この単体のアルミニウム以外にも、酸
化アルミニウム(Al2 3 )や単体のマグネシウム、
酸化マグネシウム(MgO)、酸化鉄(Fe2 3 )、
更に各種アルカリ金属の酸化物を含有する。それゆえ、
実際には、こうした他の成分の一部が、テルミット反応
に関与することもある。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、有機塩素化合物、特に
ダイオキシンによって汚染された汚染土を、経済的に効
率よく浄化処理できる。また、無害で、路面その他の構
築に利用可能なブロック材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚染土の浄化処理手順(ブロック材化の手順)
を示す概略工程図
【符号の説明】
1 汚染土 2 粉末状のアルミニウム 3 粉末状の酸化鉄 4 混練機 5 混合物 6 型 7 プレス装置 8 加熱炉 9 ブロック材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00,5/00 A62D 3/00 C04B 35/00 C02F 11/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機塩素化合物によって汚染された汚染
    土を浄化処理するための方法であって、 前記汚染土に粉末状のアルミニウムを加え混合する混合
    工程と、 この混合工程によって得られた混合物を、前記アルミニ
    ウムと前記汚染土の成分とがテルミット反応を起こす温
    度まで加熱する加熱工程と、 この加熱工程によって起きるテルミット反応によって、
    前記混合物中の有機塩素化合物を熱分解すると共に、前
    記混合物を焼結させる焼結工程とを具備することを特徴
    とする汚染土処理方法。
  2. 【請求項2】 混合工程において汚染土に混合させるア
    ルミニウムは、アルミニウム系廃材の精練時に排出され
    るアルミニウムドロスを粉砕してなるものであることを
    特徴とする請求項1に記載の汚染土処理方法。
  3. 【請求項3】 混合工程によって得られた混合物を所定
    の形状に成形する成形工程を更に具備し、加熱工程で
    は、前記成形工程によって所定の形状に成形された混合
    物を加熱することを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の汚染土処理方法。
  4. 【請求項4】 混合工程で汚染土に加えられるアルミニ
    ウムの量は、重量比で前記汚染土の10〜60%である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    の汚染土処理方法。
  5. 【請求項5】 混合工程では、酸化鉄を重量比で汚染土
    の3〜30%更に加えることを特徴とする請求項1〜請
    求項4のいずれかに記載の汚染土処理方法。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の汚染土処理方法を用いて製造されたブロック材であ
    って、 有機塩素化合物によって汚染された汚染土と、 アルミニウム系廃材の精練時に排出されるアルミニウム
    ドロスを粉砕してなる粉末状のアルミニウムとを含む混
    合物を原料とし、 前記混合物をブロック状に成形した後、前記アルミニウ
    ムと前記汚染土の成分とのテルミット反応により、前記
    混合物を焼結させてなることを特徴とする汚染土を用い
    て得られたブロック材。
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