JP2996369B2 - セラミック成形体の脱脂法 - Google Patents

セラミック成形体の脱脂法

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知義 黒石
博一 福田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック成形体の脱脂
方法に関し、さらに詳しくは、セラミック成形体に亀裂
等の破損を生じさせることなく、短時間で確実に脱脂す
ることができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、各種セラミック部材はセラミック粉末から作製した
成形体を焼結することにより製造されるが、成形体の作
製方法としては、主として(a) 鋳込み成形法、(b) 金型
成形法やラバープレス法等の圧縮成形法、(c) 押し出し
成形法や射出成形法等の可塑成形法が挙げられる。
【0003】その中で、可塑成形法の一つである射出成
形法は、複雑形状で比較的小さな成形体の製造に適して
おり、また大量生産にも向いている。この射出成形法で
は、プラスチックの射出成形法で用いる金型や装置と同
様のものを用い、加熱軟化させたセラミック粉末と有機
バインダーとの混合物を金型内のキャビティに射出して
冷却固化し、成形体を得る。
【0004】したがって、射出成形法による成形体中に
は有機バインダー成分が含まれることになるので、成形
後にこれを取り除かなくてはならない。通常、有機バイ
ンダー成分を成形体から除去する方法(脱脂法)として
は、成形体を加熱して有機バインダーを融解(及び/又
は熱分解して気化)し、成形体からしみださせる(気化
成分は外部に散逸させる)方法が採られるが、成形体を
急激に加熱すると、気化したバインダー成分が短時間で
大きく膨張するために成形体にクラック等が発生してし
まう。したがって、クラックの発生を防止するために脱
脂速度を遅くする(脱脂工程に長時間をかける)のが一
般的である。特に肉厚の成形体や、有機バインダー成分
が比較的多く含まれる成形体の場合には、脱脂に非常に
長い時間をかけなければならなくなり、生産性が低下す
る。
【0005】そこで、クラック等の欠陥を生じさせず、
かつ比較的短時間で脱脂を完了する方法が模索されてい
る。たとえば、バインダー成分の急激な気化膨張による
クラックの発生を防止するため、加圧雰囲気下で脱脂を
行う方法があるが、従来の脱脂炉をそのまま使用するこ
とができず、加圧可能な脱脂炉を新しく設けなくてはな
らない。また圧力制御や安全面で改良の余地がある。
【0006】さらに、成形体をハニカム上に設置し、成
形体の表面部の風当たりを改善して脱脂時間を短くする
方法もあるが、この方法では、成形体を等方的に脱脂す
ることが難しく(ハニカム状の穴が形成された面に当接
する成形体の表面部と、そうでない表面部とで脱脂速度
に差が生じやすく)、成形体にクラックが発生する場合
がある。またこの方法では、必ずしも脱脂時間が短縮さ
れない。
【0007】したがって、本発明の目的は、セラミック
成形体に亀裂等の破損を生じさせることなく、短時間で
確実に脱脂することができる方法を提供することであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、Si3 4 粉末とアクリル樹脂系有
機バインダーとから作製したセラミック成形体を、多孔
性セラミック粒中に埋設して加熱すれば、クラックを生
じさせることなく良好な脱脂を行うことができることを
発見し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、Si3 4 粉末とアクリル樹脂系
有機バインダーとから作製したセラミック成形体を脱脂
する本発明の方法は、前記セラミック成形体を平均粒径
が50μm〜8mmで、平均細孔径が0.3〜100nmで、比表面
積が100〜800m2/gのゼオライトからなる多孔性セラミッ
ク粒中に埋設し、1〜10kg/cm2の窒素ガス雰囲気中
で、3〜10℃/時の昇温速度で300〜500℃まで加熱する
ことを特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法では、Si3 4 粉末とアクリル樹脂系有機バインダ
ーとからなるセラミック成形体を多孔性セラミック粒中
に埋設して加熱することにより成形体の脱脂を行うが、
本発明の方法を適用できるセラミック成形体は、射出成
形法又は押し出し成形により製造されたものであっても
よいし、さらには、スリップキャスト法によるものであ
ってもよく、成形体の作製法(成形法)に左右されな
い。有機バインダーには通常ワックス系及び熱可塑性樹
脂系があるが、本発明ではアクリル樹脂系の有機バイン
ダーを使用する。
【0011】セラミック成形体を埋設するのに用いる多
孔性のセラミック粒子は、細粒状又はビーズ状のゼオラ
イト(モレキュラーシーブを含む)である。その平均粒
径は50μm〜8mmである。
【0012】多孔性のセラミック粒の平均粒径が50μm
未満であると、脱脂工程初期においては比較的良好な脱
脂が行えるが、しみだした有機バインダー成分に濡れた
細かい多孔性セラミック粒子が成形体に密に接触し、そ
のため成形体の表面部は、しだいにしみだしたバインダ
ー成分にコートされた状態になる。このような状態で
は、成形体内部に残るバインダー成分の外部への散逸は
阻害され、結局は脱脂率が低くなる。一方、多孔性セラ
ミック粒の平均粒径が8mmを超える大粒のものである
と、多孔性セラミック粒中に埋設しない状態と実質的に
同一となり、成形体の内圧が上昇し、成形体が破壊して
しまう。より好ましい多孔性セラミック粒の平均粒径は
100μm〜6mmである。
【0013】多孔性セラミック粒における多孔度につい
ては、多孔性セラミック粒に形成された細孔の径、比表
面積、ポロシメータにより測定したポロシティ等により
評価できるが、本発明における多孔性セラミック粒で
は、平均細孔径は0.3〜100nmであるのが好ましい。平均
細孔径が0.3nm未満であると、多孔性セラミック粒が成
形体からしみだした液状のバインダー成分を良好に取り
込まず、脱脂率が低下する。一方、100nmを超える平均
細孔径であると毛管力が弱まり、脱脂能力が低下する。
多孔性セラミック粒の好ましい平均細孔径は0.3〜50nm
である。
【0014】また多孔性セラミック粒の比表面積は100
〜800 m2/gである。さらにポロシメータにより測定
したポロシティは40〜50%であるのが好ましい。
【0015】セラミック成形体を上述の多孔性セラミッ
ク粒に埋設したら、最高温度300 〜500 ℃まで加熱して
脱脂を行うが、加熱時の昇温速度は3〜10℃/時とす
る。なお上記の温度条件は、用いた有機バインダーの種
類に適するように適宜調節するのが好ましい。脱脂工程
は窒素ガス雰囲気中で行い、その雰囲気圧は1〜10kg/
cm2 とする。
【0016】
【作用】本発明の方法において、加熱により成形体から
しみだしてきた液状の有機バインダー成分は、成形体の
周囲に存在する多孔性セラミック粒内に容易に取り込ま
れる。液状の有機バインダー成分は、毛細管現象により
多孔性セラミック粒の細孔内及び多孔性セラミック粒間
に入り込む。一旦多孔性セラミック粒の細孔内に入った
有機バインダー成分は再び多孔性セラミック粒から外部
へ流れだすことはなく、成形体の表面は常に有機バイン
ダー成分が除去されたクリーンな状態を保つことにな
る。したがって、成形体の内部からの液状の有機バイン
ダー成分のしみだしは助長される。また気化したバイン
ダー成分の放出も容易となる。
【0017】多孔性セラミック粒の平均粒径、及び多孔
性セラミック粒中に形成された細孔径が適切な範囲にあ
れば、成形体からしみだしたバインダー成分の吸着を良
好にすることができる。また多孔性セラミック粒間に生
じる空間(隙間)が脱脂雰囲気の流れを良くするので、
埋設された成形体の隅々まで確実にかつ同様の度合いで
脱脂することができる。
【0018】
【実施例】以下の具体的実施例により、本発明をさらに
詳細に説明する。参考例1 Si3 4 粉末とワックス系バインダーとの混合物(ワッ
クス系バインダーの配合割合:17.0重量%)を用いて、
射出成形法により直径10mmの形状のセラミック成形体を
製造した。
【0019】モレキュラーシーブ(平均粒径が1.4 〜2.
4 mmで、粒子中の平均の細孔径10nm、比表面積500 〜
700 m2/g、和光純薬(株)製)中に、上記成形体を
埋設し、真空中で5℃/時の昇温速度で300 ℃まで加熱
し、脱脂を行った。脱脂後の成形体にはクラック等の欠
陥は全くみられなかった。またこの脱脂の昇温過程にお
いて、成形体の重量変化から各温度における脱脂率を求
めた。結果を図1に示す。
【0020】比較例1 成形体を埋設するものとして、モレキュラーシーブを用
いる代わりに、Si3 4 粉末(平均粒径0.2μm、比表
面積10m2/g)を用いた以外は参考例1と同様にして
複数の成形体の脱脂を行った。脱脂した60本の成形体の
うち、10本の成形体にクラックがみられた。また参考例
1と同様にして、脱脂工程中の成形体の脱脂率を求め
た。結果を図1に示す。
【0021】比較例2 成形体の周囲に何も配置せず、他は参考例1と同様の方
法で脱脂を行ったところ、ほとんどの成形体にクラック
がみられた。また参考例1と同様にして、脱脂工程中の
成形体の脱脂率を求めた。結果を図1に示す。
【0022】実施例1 ワックス系バインダーの代わりにアクリル樹脂系有機バ
インダーを用い、その含有量を22重量%とした以外は参
考例1と同様にして、成形体を製造した。
【0023】この成形体を、参考例1で用いたのと同じ
モレキュラーシーブ中に埋設し、窒素ガス雰囲気中(ガ
ス圧1.0kg/cm2 )で、5℃/時又は10℃/時の昇温速
度で300℃まで加熱し、脱脂を行った。いずれの昇温速
度であっても、成形体にはクラックはみられなかった。
【0024】比較例3 成形体をモレキュラーシーブ中に埋設しない以外は、実
施例1と同様にして脱脂を行った。5℃/時の昇温速度
のときには、25本中5本の成形体にクラックの発生がみ
られた。また10℃/時の昇温速度の場合には、ほとんど
の成形体にクラックがみられた。
【0025】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明の方法に
よれば、クラックを発生させることなくセラミック成形
体を良好に脱脂することができる。また本発明の方法に
よれば、比較的肉厚のセラミック成形体であっても確実
に脱脂を行うことができ、さらに、射出成形法によるセ
ラミック成形体のように、アクリル樹脂系有機バインダ
ーを比較的多く含む成形体の脱脂も確実に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1及び比較例1、2における脱脂工程中
の温度と脱脂率との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 一幸 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 北村 泰三 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−141462(JP,A) 特開 昭62−191474(JP,A) 特開 平2−172853(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si 3 4 粉末とアクリル樹脂系有機バイ
    ンダーとから作製したセラミック成形体を脱脂する方法
    において、前記セラミック成形体を平均粒径が50μm〜
    8mmで、平均細孔径が0.3〜100nmで、比表面積が100 〜
    800m2/gのゼオライトからなる多孔性セラミック粒中
    に埋設し、1〜10kg/cm 2 の窒素ガス雰囲気中で、3〜
    10℃/時の昇温速度で300〜500℃まで加熱することを特
    徴とするセラミック成形体の脱脂法。
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