JP2996361B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2996361B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現像装置本体内の二成
分系の現像剤に対してトナーの補給を行うトナー補給装
置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリなどの
画像形成装置において、潜像担持体に静電潜像を形成す
る所謂、電子写真式ないしは静電記録式のものでは、乾
式型の現像装置が広く用いられている。このような現像
装置のうち、キャリアとトナーを有する二成分系の現像
剤を用いるものでは、画像形成を継続するうちに、現像
剤のトナー濃度が低下するために、現像装置本体内にト
ナーを補給するようにしている。
【0003】このような現像装置で、トナー濃度検出手
段によって現像剤のトナー濃度を検出し、この濃度が低
下したとき、トナー補給部材を作動させ、補給用トナー
を収容したトナーケース内のトナーを、トナーケースと
現像装置本体との間のトナー補給口から、現像装置本体
の方へ補給するようにしたものが知られている。
【0004】ところで、現像剤のトナー濃度は、現像時
のトナー消費により、漸次、低下するものであるが、原
稿中の画像が占める面積の多少によって、トナー濃度の
低下度合が急激であったり、緩慢であったりする。
【0005】従来においては、トナーの補給量が常に一
定となっているため、そのような点に対応できず、トナ
ーの補給量が不足したり、過多になったりすることがあ
った。トナーの補給不足の場合は画像濃度の低下につな
がり、トナーの補給過多の場合は補給されるトナーと現
像剤との相互の混合撹拌が充分に行われなくなり、帯電
不足のトナーが生じるようになり、画像上の地肌汚れを
生じ、画質を悪化させる原因になっていた。
【0006】そこで、トナー濃度の変化に応じて、トナ
ーの補給時間を長くしたり、短くしたりして、その補給
量を増減するようにした対策例も、従来より採られてい
るが、これによるものでは、特にトナーの補給時間を長
くすることに大きな制約を受ける場合がある。
【0007】例えば、感光体上の静電潜像を現像してい
るときにトナーの補給を行ってしまうと、トナーが二成
分系の現像剤中に充分に分散撹拌されないままに、現像
に供されてしまうため、画像濃度むらや地肌汚れなどを
生じ易くなる。従って、非現像時(現像装置自体は稼動
状況にあるが、実際のコピーを行っていないとき)に、
トナーの補給を行うことが望ましい。このような観点か
ら、トナー補給時間をむやみに長くすることができない
のである。
【0008】また、トナーケース内のトナーが漸次、減
ってゆくのに伴って、トナー補給口から出るトナーの量
も減り、トナーの補給量が減ることになる。この場合、
トナーの補給時間を長くすれば良いのであるが、このよ
うにすると、前述したような問題を生じる。そこで、ト
ナーの補給時間を一定にするものとすれば、トナーケー
ス内のトナー量が減少した場合、トナーの補給量が減る
ことを回避することができず、画像濃度の低下に結びつ
いてしまう。又、トナーケース内のトナー残量が少なく
なると、トナー補給口からのトナーの流出飛翔に勢いが
なくなり、トナー補給口直下に、トナーが先細り状態で
流下するようになって、その現像剤に対する分散性が悪
くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、トナーの補給時間を増減させずとも、トナー濃度に
応じてトナーの補給量を変えられるトナー補給装置を備
えた画像形成装置を提供することにある。
【0010】本発明の第2の目的は、トナーの補給時間
を増減させずとも、トナーケース内のトナー残量が少な
くなったとき、トナー補給量の減少を阻止することので
きるトナー補給装置を備えた画像形成装置を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第1の目
的を達成するため、補給用のトナーを収容したトナーケ
ースと、現像装置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃
度を検出するトナー濃度検出手段と、トナーケース内に
配置され、現像装置本体内の二成分系の現像剤へトナー
ケース内のトナーを補給するとき回転又は揺動し、トナ
ーケース内のトナーをトナー補給口を通して現像装置本
体内に補給するアジテータとして構成されたトナー補給
部材と、トナー濃度検出手段によって前記現像剤のトナ
ー濃度の低下が検出され、該現像剤中にトナーを補給す
べきとき、前記アジテータを駆動制御する制御手段とを
備え、前記トナー補給口を、アジテータの軸方向に配設
した小孔列とし、かつ該小孔列を、上下複数段設け、通
常のトナー補給時には最下段の小孔列を開放させ、トナ
ー濃度検出手段によってトナー濃度の急激な低下が検出
されたとき、前記最下段の小孔列よりも上方に位置し、
かつ最下段の小孔列の孔数よりも多数の孔数の上段の小
孔列を開放させるシャッタ部材を設けたトナー補給装置
を具備して成る画像形成装置を提案する。
【0012】また、本発明は上記第2の目的を達成する
ため、補給用のトナーを収容したトナーケースと、現像
装置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃度を検出する
トナー濃度検出手段と、トナーケース内に配置され、現
像装置本体内の二成分系の現像剤へトナーケース内のト
ナーを補給するとき回転又は揺動し、トナーケース内の
トナーをトナー補給口を通して現像装置本体内に補給す
るアジテータとして構成されたトナー補給部材と、トナ
ー濃度検出手段によって前記現像剤のトナー濃度の低下
が検出され、該現像剤中にトナーを補給すべきとき、前
記アジテータを駆動制御する制御手段と、トナーケース
内のトナー残量を検出するトナー残量検出手段とを備
え、前記トナー補給口を、アジテータの軸方向に配設し
た小孔列とし、かつ該小孔列を、上下複数段設け、通常
のトナー補給時には最下段の小孔列を開放させ、トナー
残量検出手段によってトナー残量の少なくなったことが
検出されたとき、前記最下段の小孔列よりも上方に位置
し、かつ最下段の小孔列の孔数よりも多数の孔数の上段
の小孔列を開放させるシャッタ部材を設けたトナー補給
装置を具備して成る画像形成装置を提案する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に
説明する。先ず、本発明を適用できる画像形成装置の基
本構成から明らかにする。
【0014】図1は、画像形成装置の現像装置を示す断
面図であり、その現像装置本体1内にはトナーとキャリ
アを有する二成分系の現像剤(不図示)が収容されてい
て、この現像剤はパドルホイール3によって撹拌されつ
つ反時計方向に回転駆動される現像スリーブ4上に供給
される。現像スリーブ4上に供給された現像剤は現像ス
リーブ周面上に担持されつつ搬送され、ドクタブレード
5によって余分なものが掻き取られ、その現像剤量が規
制されたあと、潜像担持体の一構成例であるドラム状の
感光体6に形成されている静電潜像の可視像化に供され
る。ドクタブレード5によって掻き取られた現像剤はセ
パレータ7の部位を通って再び撹拌されて現像に供され
る。
【0015】現像装置本体1には、内部に補給用のトナ
ー(不図示)を収容したトナーケース2が付設されてい
て、この内部には、両端に薄い可撓性部材15の基端を
固定したアジテータ11が設けられている。このアジテ
ータ11の軸11Aはトナーケース2外のモータ10に
駆動連結されていて、このモータ10の回転により、ア
ジテータ11は図示矢印方向に回転駆動される。
【0016】トナーケース2の斜め下部の、現像装置本
体1の方に連接される部分には、該ケース2の長手方向
に延びる開口が形成され、ここに例えばマイラー(商品
名)から成るシート13が貼り付けられている。このシ
ート13には小径の多数のトナー補給口14が設けら
れ、これらのトナー補給口14は、アジテータ11の軸
方向に、所定のピッチで列設されている。すなわち、ト
ナー補給口14は現像装置本体1とトナーケース2との
境界部に設けられているのである。
【0017】現像装置本体1内には、トナー濃度検出手
段の一例であって、透磁式センサなどを用いたトナー濃
度検出センサ16が設けられ、このトナー濃度検出セン
サ16は現像装置本体1内にある二成分系の現像剤のト
ナー濃度を検出する。
【0018】トナー濃度検出センサ16によって現像装
置本体1内に収容された現像剤のトナー濃度の低下が検
出されると、先にも述べたように、モータ10の駆動に
よりアジテータ11が時計方向に回転する。この回転時
に、可撓性部材15は湾曲しつつトナーケース2の内壁
部に対して摺擦しつつ移動し、シート13のところに来
て、自己弾性による湾曲した状態から直線状に復元す
る。このとき、アジテータ11によって掬い上げられる
補給用のトナーが、トナー補給口14を通して、トナー
ケース2から現像装置本体1内に向けて流出飛翔して該
本体1内に補給される。このようにアジテータ11は、
現像装置本体1内の現像剤へ、トナーケース2内のトナ
ーを補給するとき回転するが、このような回転の代り
に、所定の角度範囲を揺動するように構成してもよい。
かかるアジテータ11がトナー補給部材を構成してい
る。
【0019】上述のようにしてトナーが補給されるので
あるが、この補給されたトナーは、軸8a上に多数の楕
円板8bを斜め態位に固定的に列設した撹拌部材8によ
って現像装置本体1内の現像剤と混合撹拌される。そし
て、この混合撹拌された現像剤はパドルホイール3の方
に送られる。
【0020】このようなトナー補給装置によれば、例え
ばローラ軸方向に延ばした溝を円周方向に複数本所定の
ピッチで刻設し、又は他の形態の溝を表面に形成したト
ナー補給ローラより成るトナー補給部材を、トナーケー
スの補給口に設け、これを回転させてトナーを補給する
形式のトナー補給装置と比べて、部品点数の削減化や、
省スペース化や、コストダウン化などを図ることができ
る。
【0021】ここで、現像が継続して行われていくうち
に、現像装置本体1内の現像剤のトナー濃度が低下す
る。図2はトナー濃度検出センサ16の特性曲線を示
し、トナー濃度が低下するのに伴って、トナー濃度検出
センサ出力は漸次低下する。今、トナー濃度がDに低
下し、そのトナー濃度検出センサ出力がVになるもの
として、このとき、トナー補給信号が出力され、モータ
10が回転を始める。すると、アジテータ11も回転を
始め、これにより、上述したトナー補給が行われる。ア
ジテータ11が揺動する形式のものであるときは、トナ
ー補給信号の出力によって、これが揺動を始める。
【0022】すなわち、図3に示すようにトナー濃度検
出センサからは、トナー濃度検出信号が制御回路に対し
て出力され、トナー濃度がDに低下していると判断さ
れたとき、制御回路から駆動信号が出力され、アジテー
タ回転用モータが駆動される。このモータ(図1に示す
モータ10)は、例えばACモータより成っていて、通
常は、トナー濃度がD程度まで低下し、これに応じて
上述のようにトナーを補給することにより、トナー濃度
がDよりも上昇し、これに応じてトナー補給動作が停
止する。
【0023】以上が本発明を適用できる画像形成装置の
基本構成であるが、かかる画像形成装置において、図2
に示すように、トナー濃度がDからさらに例えばD
にまで低下することがある。このような場合、トナー補
給量をトナー濃度がDの場合と同一にしたとすると、
トナー補給量が不足する。以下に説明する第1の実施例
の画像形成装置は、このような不具合を阻止できるよう
に構成されている。
【0024】図5は、本例のトナーケースを示す斜視図
であり、このトナーケース12には、図1の場合と同様
にシート23が貼り付けられ、このシート23は図6に
示すように、ケース開口12Aを塞いでいる。シート2
3には、図8に示すように、アジテータ11の軸方向に
所定のピッチで並べた小孔23a,23b,23cが穿
たれている。トナー補給口が、アジテータの軸方向に配
列された小孔列より成り、その小孔列が上下複数段設け
られているのである。
【0025】小孔23aは、一番上段に配列され、小孔
23bは次の段に、小孔23cは一番下側の段にそれぞ
れ配列されている。以後、必要に応じて、小孔23aの
列を「上段小孔列」と称し、符号23Aを付する。ま
た、小孔23bの列を「中段小孔列」と称し、符号23
Bを付する。同様に、小孔23cの列を「最下段の小孔
列」と称し、符号23Cを付する。上段小孔列23Aと
中段小孔列23Bを総称するときは、これを「上段の小
孔列」と称することにする。
【0026】図5に示すようにシート23の前面側には
シャッタ部材24が設置され、このシャッタ部材24は
シート23の長手方向に摺動自在となっている。シャッ
タ部材24には図8に示すように斜めに形成した長穴2
4aがシャッタ部材24の長手方向に列設されている。
図5に示すように、シャッタ部材24にはシャッタ部材
24駆動用ソレノイド25が連結され、このソレノイド
25が励磁されないときは、シャッタ部材24はばね2
6に引かれてストッパピン27に止められる位置に保持
されている。この位置で、図8に示すように上段小孔列
23Aと中段小孔列23Bとはシャッタ部材24で塞が
れ、一方、下段小孔列23Cの方は長穴24aに位置し
て開放された状態となっている。
【0027】この状態で、現像装置本体1内の現像剤の
トナー濃度低下が、トナー濃度検出手段たるトナー濃度
検出センサ16(図1参照)によって検出され、図3に
示した制御回路より成る制御手段の制御により、図6及
び図7に示すアジテータ11が回転(又は揺動)する
と、最下段の小孔列23Cからトナーが破線方向に流出
し、現像装置本体1内へトナーが補給される。シャッタ
部材24は、通常のトナー補給時に、最下段の小孔列2
3Cを開放させるのである。一方、トナーの消費量が急
増し、現像剤中のトナー濃度が大きく低下して、例えば
図2に示すようにトナー濃度がDになったとき、図5
のソレノイド25が励磁される。すなわち、トナー濃度
検出センサ16によって、トナー濃度の急激な低下が検
出されたとき、図3に示すように、制御回路からは駆動
信号が出力され、シャッタ部材駆動用ソレノイドが励磁
されるのである。
【0028】ソレノイド25が励磁されると、シャッタ
部材24はソレノイド25に接近する方向に移動させら
れる。すなわち、シャッタ部材24は図8で示す位置か
ら矢印D方向に移動し、図9に示す位置に止められる。
すると、今度は最下段の小孔列23Cがシャッタ部材2
4によって塞がれ、上段小孔列23Aと中段小孔列23
B、すなわち最下段の小孔列23Cよりも上方に位置す
る上段の小孔列が長穴24aに位置して開放される。か
かる上段の小孔列の孔数は、最下段の小孔列23の孔数
よりも多い。
【0029】かかる開放状態で、アジテータ11が回転
すると、上段の小孔列、すなわち2段の小孔列23A,
23Bから、図7において実線で示すようにトナーが流
出飛翔して現像装置本体1内へ補給される。このとき勿
論、その補給量は、最下段の小孔列23Cのところでの
補給の場合、すなわち通常のトナー補給時よりも増加す
る。このように単位時間当たりのトナー補給量が増加す
るので、トナー補給時間を長くしなくとも、多量のトナ
ーを補給することができる。トナー濃度がD(図2)
からDに上昇すると、ソレノイド25の励磁は解か
れ、シャッタ部材24はばね26に引かれて、図8の位
置に戻る。
【0030】図7に示すように、ソレノイド励磁によ
り、小孔列は最下段の小孔列23Cから、上の2段の小
孔列23A,23Bに切り換わるようになっているので
あるが、このとき、トナーの流出飛翔位置は、小孔列2
3Cから流出する場合よりも高くなる。すなわち、補給
位置が高くなるのである。
【0031】最下段の小孔列23Cからトナーが補給さ
れる場合は、その補給位置が低くなり、この位置で、仮
にトナー補給量を増加させたとしても、その量的な増加
は見込めるが、補給されるトナーと現像剤との混合撹拌
性については余り良好にならず、トナーを現像剤中に一
様に分散させることが難しくなる。これに対し、上の2
段の小孔列でトナーを補給する場合には、補給位置が高
くなるため、その混合撹拌性が良好になり、トナーを現
像剤中に一様に分散させ易くなる。
【0032】また本例の場合は、図8に示すように、上
段小孔列23Aと、中段小孔列23Bとの各小孔が横方
向にずれているので、撹拌部材8の軸方向に対するトナ
ーの補給量を平均化することができる。今、小孔23a
と小孔23bとが、その軸方向と直交する方向に揃えら
れるものとすると、どうしても、その揃えられた部分に
つき、トナーの補給量が集中してしまう。本例では、こ
のようなことが回避されるのである。
【0033】本例の場合、2段階でトナーの補給量が変
えられるようになっているのであるが、これに限らず3
段階以上でトナーの補給量を変えるようにすることもで
きる。また、現像装置本体1内の現像剤に対するトナー
の濃度を検出する手段としては、感光体表面に作像した
パターン像(べた画像)の濃度を検出して、現像剤中の
トナー濃度検出に代行させるようなものであっても構わ
ない。
【0034】以上のように、第1の実施例の画像形成装
置は、補給用のトナーを収容したトナーケースと、現像
装置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃度を検出する
トナー濃度検出手段と、トナーケース内に配置され、現
像装置本体内の二成分系の現像剤へトナーケース内のト
ナーを補給するとき回転又は揺動し、トナーケース内の
トナーをトナー補給口を通して現像装置本体内に補給す
るアジテータとして構成されたトナー補給部材と、トナ
ー濃度検出手段によって前記現像剤のトナー濃度の低下
が検出され、該現像剤中にトナーを補給すべきとき、前
記アジテータを駆動制御する制御手段とを備え、前記ト
ナー補給口を、アジテータの軸方向に配設した小孔列と
し、かつ該小孔列を、上下複数段設け、通常のトナー補
給時には最下段の小孔列を開放させ、トナー濃度検出手
段によってトナー濃度の急激な低下が検出されたとき、
前記最下段の小孔列よりも上方に位置し、かつ最下段の
小孔列の孔数よりも多数の孔数の上段の小孔列を開放さ
せるシャッタ部材を設けたトナー補給装置を具備してい
る。
【0035】次に、前述の第2の目的を達成できる第2
の実施例について説明するが、以下の説明では、主とし
て、前述の実施例と異なる点だけを明らかにする。
【0036】先にも述べたように、図1のトナーケース
2内のトナー残量が少なくなると、トナー補給時にシー
ト13に加わる圧力が弱まるため、トナー補給量が減少
し、画像濃度が低下する原因となる。しかもトナー補給
口14からのトナーの流出飛翔に勢いがなくなり、トナ
ー補給口直下にトナーが集中的に落下する傾向となり、
補給されるトナーと現像剤との混合撹拌性が悪くなる。
かかる混合撹拌性が悪くなると、画像濃度むらを生じた
りする。また帯電不足のトナーが生じたりして、地肌汚
れなどを生じたりする。第2の実施例は、トナー補給時
間を増加させずにそのような問題を解消できるように構
成されている。
【0037】図6に示すように、トナーケース12内に
は、トナー残量検出手段の一例であって、圧電センサな
どより成るトナー残量検出センサ17が設けられてい
る。トナーケース12内のトナーが減り、所定の設定値
量に減ったことが、かかるトナー残量検出センサ17に
よって検出されたとき、図3に示すトナー残量検出セン
サからは制御回路に対してトナー残量検出信号が出力す
る。このとき、トナー濃度検出センサ16(図1)によ
って、現像装置本体1内の現像剤のトナー濃度の低下が
検出されると、制御回路からは駆動信号が発せられ、ア
ジテータ回転用モータが回転してアジテータ11が回転
(又は揺動)すると共に、図5に示すシャッタ部材駆動
用ソレノイド25が励磁される。
【0038】この励磁に伴い、シャッタ部材24が図8
から図9の位置に変位し、上段の小孔列、すなわち上2
段の小孔列23A,23Bが解放される。これによっ
て、回転又は揺動するアジテータ11により補給される
トナーの量が増加するように制御され(図4参照)、ト
ナー補給量の減少が防止され、しかもトナーの補給位置
が高くなる。このようになれば、前述の撹拌混合性を良
好にすることができる。この第2の実施例の場合も、ト
ナー補給時間を長くしなくとも、トナー補給量の減少を
防止することができる。他の構成は、前述の第1の実施
例と同じくすることができる。
【0039】このように、第2の実施例の画像形成装置
は、補給用のトナーを収容したトナーケースと、現像装
置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃度を検出するト
ナー濃度検出手段と、トナーケース内に配置され、現像
装置本体内の二成分系の現像剤へトナーケース内のトナ
ーを補給するとき回転又は揺動し、トナーケース内のト
ナーをトナー補給口を通して現像装置本体内に補給する
アジテータとして構成されたトナー補給部材と、トナー
濃度検出手段によって前記現像剤のトナー濃度の低下が
検出され、該現像剤中にトナーを補給すべきとき、前記
アジテータを駆動制御する制御手段と、トナーケース内
のトナー残量を検出するトナー残量検出手段とを備え、
前記トナー補給口を、アジテータの軸方向に配設した小
孔列とし、かつ該小孔列を、上下複数段設け、通常のト
ナー補給時には最下段の小孔列を開放させ、トナー残量
検出手段によってトナー残量の少なくなったことが検出
されたとき、前記最下段の小孔列よりも上方に位置し、
かつ最下段の小孔列の孔数よりも多数の孔数の上段の小
孔列を開放させるシャッタ部材を設けたトナー補給装置
を具備している。
【0040】なお、トナー残量検出手段としては、アジ
テータ11の回転トルクを検出するような手段に代替す
ることも可能である。トナーケース内のトナーの量が少
なくなると、かかる回転トルクは小さくなるが、このよ
うなトルクを計測することで、トナー残量を検出するこ
とができるのである。また、アジテータの回転数の積算
値とトナー補給量(すなわちトナーケース内のトナー残
量)の関係より、アジテータの回転数積算値をもって、
トナー残量検出手段に代えることもできる。
【0041】また、トナー濃度の急激な低下や、トナー
ケース内のトナー残量の減少によって、トナー補給時間
を長くする、従来の構成を、支障を来たさぬ範囲で上述
の各実施例に併用することも可能である。
【0042】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、現像剤の
トナー濃度が大きく変化しても、トナーを過不足なく安
定して補給することができ、常に、画像濃度を所定の範
囲に保つことができる。また画像濃度むらや、地肌汚れ
なども発生しにくくなる。そして、剤撹拌を充分に行え
るような非現像時間内で、トナーを補給することも可能
になるので、現像時にそのようなトナー補給を行う場合
に生じる画像濃度むらや、地肌汚れなどの発生を抑える
ことができる。また、トナー補給部材などの機械的部品
に過大な負荷をかけることなく、トナー補給量を増大さ
せることができる。
【0043】請求項2に係る発明によれば、トナーケー
ス内のトナー残量が少なくなった場合、トナーを増量し
て勢い良く補給することができるので、このような場合
でも、画像濃度が低下することを防止でき、該画像濃度
を一定に保つことができ、又、画像濃度むらや、地肌汚
れなども発生しにくくなる。そして、剤撹拌を充分に行
えるような非現像時間内で、トナーを補給することも可
能になるので、現像時にそのようなトナー補給を行う場
合に生じる画像濃度むらや、地肌汚れなどの発生を抑え
ることができる。また、トナー補給部材などの機械的部
品に過大な負荷をかけることなく、トナー補給量を制御
することができる。
【0044】さらに、請求項1及び2に係る発明による
と、トナー補給量が増大するようにシャッタ部材を制御
したとき、通常のトナー補給時よりも高い位置の小孔列
からトナーが供給されるので、トナーの現像剤に対する
分散撹拌性を良好にすることができ、地肌汚れなどの異
常画像の発生防止効果を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】現像装置の断面図である。
【図2】現像装置本体内に設けられるトナー濃度検出セ
ンサの検出特性を示す図である。
【図3】制御ブロックの一例を示す図である。
【図4】トナーケースのトナー残量の変化に伴って、ト
ナー補給量がいかように変化するかを説明する図であ
る。
【図5】トナーケースの斜視図である。
【図6】上記トナーケースの内部構成を示す図である。
【図7】上記トナーケースから現像装置本体へ向けてト
ナーが補給されている状況を示す図である。
【図8】シャッタ部材の斜視図である。
【図9】上記シャッタ部材がトナー補給増を促す位置に
作動変位した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 現像装置本体 2 トナーケース 11 アジテータ 12 トナーケース 23A 小孔列 23B 小孔列 23C 小孔列 24 シャッタ部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水石 治司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 唐沢 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 徳橋 正樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 行方 伸一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 林 浩司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平1−217482(JP,A) 特開 平1−161385(JP,A) 特開 昭58−178381(JP,A) 特開 昭60−115969(JP,A) 特開 昭63−195676(JP,A) 特開 平2−165174(JP,A) 特開 平1−288876(JP,A) 特開 平3−29982(JP,A) 実開 昭64−49865(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補給用のトナーを収容したトナーケース
    と、現像装置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃度を
    検出するトナー濃度検出手段と、トナーケース内に配置
    され、現像装置本体内の二成分系の現像剤へトナーケー
    ス内のトナーを補給するとき回転又は揺動し、トナーケ
    ース内のトナーをトナー補給口を通して現像装置本体内
    に補給するアジテータとして構成されたトナー補給部材
    と、トナー濃度検出手段によって前記現像剤のトナー濃
    度の低下が検出され、該現像剤中にトナーを補給すべき
    とき、前記アジテータを駆動制御する制御手段とを
    え、前記トナー補給口を、アジテータの軸方向に配設し
    た小孔列とし、かつ該小孔列を、上下複数段設け、通常
    のトナー補給時には最下段の小孔列を開放させ、トナー
    濃度検出手段によってトナー濃度の急激な低下が検出さ
    れたとき、前記最下段の小孔列よりも上方に位置し、か
    つ最下段の小孔列の孔数よりも多数の孔数の上段の小孔
    列を開放させるシャッタ部材を設けたトナー補給装置を
    具備して成る画像形成装置。
  2. 【請求項2】 補給用のトナーを収容したトナーケース
    と、現像装置本体内の二成分系の現像剤のトナー濃度を
    検出するトナー濃度検出手段と、トナーケース内に配置
    され、現像装置本体内の二成分系の現像剤へトナーケー
    ス内のトナーを補給するとき回転又は揺動し、トナーケ
    ース内のトナーをトナー補給口を通して現像装置本体内
    に補給するアジテータとして構成されたトナー補給部材
    と、トナー濃度検出手段によって前記現像剤のトナー濃
    度の低下が検出され、該現像剤中にトナーを補給すべき
    とき、前記アジテータを駆動制御する制御手段と、トナ
    ーケース内のトナー残量を検出するトナー残量検出手段
    を備え、前記トナー補給口を、アジテータの軸方向に
    配設した小孔列とし、かつ該小孔列を、上下複数段設
    け、通常のトナー補給時には最下段の小孔列を開放さ
    せ、トナー残量検出手段によってトナー残量の少なくな
    ったことが検出されたとき、前記最下段の小孔列よりも
    上方に位置し、かつ最下段の小孔列の孔数よりも多数の
    孔数の上段の小孔列を開放させるシャッタ部材を設けた
    トナー補給装置を具備して成る画像形成装置。
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