JP2995421B2 - 冷房サイクルの凝縮能力制御装置 - Google Patents

冷房サイクルの凝縮能力制御装置

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JP2995421B2
JP2995421B2 JP2249830A JP24983090A JP2995421B2 JP 2995421 B2 JP2995421 B2 JP 2995421B2 JP 2249830 A JP2249830 A JP 2249830A JP 24983090 A JP24983090 A JP 24983090A JP 2995421 B2 JP2995421 B2 JP 2995421B2
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一夫 阿部
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株式会社ゼクセル
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車用冷房装置等に用いられる冷房サ
イクルにおいて、冷房を凝縮する能力を制御する装置に
関する。
(従来の技術) 冷房サイクルは、その基本的構成要素として、コンプ
レッサ、コンデンサ、膨張弁及びエバポレータを有し、
これらを順次配管結合して閉回路を構成し、コンプレッ
サで圧縮された冷媒をコンデンサによって凝縮し、膨張
弁によって低温低圧にした後にエバポレータでこれを通
過する空気と熱交換させ、再びコンプレッサに戻される
ようになっている。従来においては、このような冷房サ
イクルにおいて、熱負荷に応じた冷却能力を得るため
に、コンプレッサを容量可変型にしたものが多い。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、可変容量コンプレッサを用いた上述の
冷房サイクルにおいては、コンデンサがコンプレッサの
吐出容量を大きくした状態において充分機能するように
設計されているので、コンプレッサの吐出容量が小さく
なると高圧圧力が低くなりすぎてコンデンサによる冷媒
の凝縮能力が過剰になり、これにより膨張弁が制御不能
に陥る等の虞れがあった。
そこで、この発明においては、凝縮能力をコンプレッ
サの吐出容量に合わせて調整することができる冷房サイ
クルの凝縮能力制御装置を提供することを課題としてい
る。
(課題を解決するための手段) しかして、この発明の要旨とするところは、外部から
供給される制御電流量が小さくなるにつれて吐出容量が
大きくなる容量可変型のコンプレッサと、コンデンサ、
膨張弁、エバポレータとを少なくとも順次結合して冷房
サイクルを構成すると共に、この冷房サイクルの前記コ
ンデンサを直列に接続された複数の凝縮器要素をもって
構成し、このコンデンサに少なくとも1つの凝縮器要素
を残して他の凝縮器要素をバイパスするバイパス通路
と、前記バイパス通路を開閉する開閉機構とを設け、前
記容量可変型のコンプレッサの吐出容量を決定する制御
電流量を演算する制御電流量演算手段と、この制御電流
量演算手段で演算された制御電流量が所定値より小さい
場合に前記開閉機構を閉状態とし、大きい場合に開状態
とする制御手段とを具備することにある。
(作用) したがって、コンプレッサの吐出容量を決定する制御
電流量が所定値より小さい場合であれば、冷媒は直列に
接続された複数の凝縮器要素を順に通り、放熱量が増加
するようになるし、制御電流量が所定値より大きい場合
であれば、冷媒はバイパス通路を通って送出されるの
で、実質的にコンデンサの容量が小さくなって放熱量が
低下するようになり、そのため、上記課題を達成するこ
とができるものである。
(実施例) 以下、この発明の実施例を図面により説明する。
第1図において、自動車用空調装置の冷房サイクルの
構成例が示され、冷房サイクルは、コンプレッサ1、コ
ンデンサ2、リキッドタンク3、膨張弁4及びエバポレ
ータ5がそれぞれ順に接続されたサイクルとして構成さ
れている。
コンプレッサ1は、外部からの制御信号にて吐出容量
を可変できる形式のもので、電磁クラッチ6と伝達機構
を介して自動車のエンジン7に連結されており、この電
磁クラッチ6を断続することにより駆動または停止の制
御がなされるようになっている。
コンプレッサ1の具体的構成例としては、第2図に示
されるようなもので、コンプレッサ1は、駆動軸8がコ
ンプレッサ本体9に挿入され、この駆動軸8にワブルプ
レート10がヒンジボール11を介して結合されている。こ
のワブルプレート10は、コンプレッサ本体9内に形成さ
れたクランク室12にヒンジボール11を支点として駆動軸
8に対して揺動自在に支持されており、該ワブルプレー
ト10に連結されたピストン13を揺動角に応じてシリンダ
ボア14内で往復動させるようにしてある。また、コンプ
レッサ1には圧力制御弁15がクランク室12に臨むように
設けられ、この圧力制御弁15は、クランク室12と吸入側
へ通じる吸入室16との連通状態を調節する弁体17と、吸
入室16内の圧力に応じて前記弁体17を動かす圧力応動部
材18及び前記弁体17を電磁コイル19への通電量ISOLに応
じて動かすソレノイドとを有し、電磁コイル19への通電
量ISOLを外部からコントロールすることによりピストン
13とシリンダボア14との間からクランク室12内に漏れる
ブローバイガスが吸入側へ戻る量を調節するようになっ
ている。
しかして、圧力制御弁15等から可変容量コンプレッサ
1の容量を変える容量可変装置20が構成され、電磁コイ
ル19に流れる電流量ISOLが上昇しソレノイドの磁力が徐
々に上昇すると、弁体17にクランク室12と吸入室16との
連通を絞る方向の力が働き、クランク室12から吸入室16
へ漏れるブローバイガスの量が少なくなる。このため、
クランク室12内の圧力が増大してピストン13の背面に作
用する力が大きくなるのでワブルプレート10がヒンジボ
ール11を支点として揺動角度が小さくなる方向に回転
し、ピストン13のストローク即ちコンプレッサの吐出容
量が第3図に示されるように徐々に小さくなるものであ
る。
コンデンサ2は、第5図及び第6図に示されるよう
に、互いに向かい合う2つのヘッダタンク25,26を有
し、その間にフィン24と交互に組付けた複数のチューブ
27が設けられて一方のヘッダタンク25と他方のヘッダタ
ンク26とが連通している。一方のヘッダタンク25内は、
例えばその中央より下方に隔壁28を設けて上段及び下段
の冷媒流路室29,30が形成され、他方のヘッダタンク26
内は、例えばその中央より上方に隔壁31を設けて二分さ
れ、上段及び下段の冷媒流路室32,33が形成されてお
り、コンデンサ3を上、中、下段の3つの凝縮器要素2
a,2b,2cから構成している。そして、一方ヘッダタンク2
5に形成された下段の冷媒流路室30には、冷媒を流出す
る冷媒硫出口34が形成され、他方のヘッダタンク26に形
成された上段の冷媒流路室32には冷媒を流入する冷媒流
入口35が形成されている。
また、一方のヘッダタンク25には、上段の冷媒流路室
29と下段の冷媒流路室30を直接連通するバイパス通路36
が形成され、このバイパス通路36の途中にこの通路を開
閉制御する電磁弁37が設けられている。
電磁弁37は、それ自体周知のもので、バイパス通路36
の通路面積を変更する弁体を有し、この弁体と連動する
プランジャをその周囲に設けられた電磁コイルへの通電
量を変えることによって動かすもので、この実施例にお
いては、バイパス通路36を開放する状態と閉鎖する状態
の2状態のみとり得ることができるようになっている。
しかして、電磁弁37を閉じてバイパス通路を閉鎖状態
にするときには、冷媒流入口35から流入された冷媒は、
他方のヘッダタンク26に形成された上段の冷媒流路室32
からチューブ27を介して一方のヘッダタンク25に形成さ
れた上段の冷媒流路室29へ流れ、この冷媒流路室29を下
方へ移動して再びチューブ27を介して他方のヘッダタン
ク26に形成された下段の冷媒流路室33へ送られる。そし
て、この冷媒流路室33を下方へ移動した後にチューブ27
を再び通って最終段の一方のヘッダタンク25に形成され
た下段の冷媒流路室30へ導かれ、ここから冷媒流出口34
を介してレシーバタンク3へ送出される。
これに対して、電磁弁37を開いてバイパス通路36を開
放状態にするときには、冷媒流入口35から流入された冷
媒は、他方のヘッダタンク26の上段の冷媒流路室32から
チューブ27を介して一方のヘッダタンク25の上段の冷媒
流路室29へ導かれた後、その多くはバイパス通路36を通
って一方のヘッダタンク25の下段の冷媒流路室30へ移動
し、そのまま冷媒流出口34からレシーバタンク3へ送出
される。
21aはエバポレータの実際の吹出温度TEを検出するモ
ードセンサ、21bは車室内の空気温度を検出する車室内
温度センサ、21cは外気温を検出する外気温センサ、21d
は日射量を検出する日射センサ、21eは車室内の温度を
設定する温度設定器であり、これらの信号はマイクロコ
ンピュータ等により構成されたコントロールユニット22
に入力され、ここで演算処理されてコンプレッサ1の容
量可変装置20と後述するコンデンサ2の電磁弁37を駆動
回路41,42を介して駆動制御するために供される。
即ち、吐出容量を制御するISOLは、モードセンサ21に
より検出されたエバポレータ5の実際の吹出空気温度TE
と、このエバポレータ5の目標吹出空気温度TE′との差
が所定範囲内になるよう例えばPI制御にて演算される。
ここでTE′は、車室内空気温度TR、外気温TA、日射量TS
及び車室内の設定温度TDに基づいて(1)式により算出
された熱負荷を表わす総合信号Tを基に、例えば第4図
の特性が得られるように決定される。
T=A・TR+B・TA+C・TS−D・TD+E ・・・
(1)式 (但しA〜Eは演算定数を表わす。) また、電磁弁37は第7図に示すように、前記圧力制御
弁の制御量ISOLが最大値ImaxとImax/2との間であれば開
状態となり、ISOLがImax/2と0との間であれば閉状態と
なる。
上記構成において、コンプレッサ1の吐出容量が大き
い場合、即ちISOLが小さい場合には、電磁弁37が閉じて
コンプレッサ1が圧縮された冷媒が第1乃至第3の凝縮
器要素2a〜2cをパスして冷媒がフィン24を介して充分に
放熱され、凝縮能力の高い状態となる。また、コンプレ
ッサの吐出容量が小さい場合、即ちISOLが大きい場合に
は、第1の凝縮器要素2aのみを通り、第2及び第3の凝
縮器要素2b,2cはバイパスするので、コンデンサ2の実
質容量が前記電磁弁37を閉じたときを100〔%〕とした
場合に対して半分以下に減少し、凝縮能力を低い状態に
して放熱が過剰に行なわれるのを防ぐ。
(発明の効果) 以上述べたように、この発明によれば、コンプレッサ
の吐出容量を決定する制御電流量が小さい場合には、コ
ンデンサの実質容量が大きくなって放熱量が大きくな
り、制御電流量が大きい場合には、コンデンサの実質容
量が小さくなって放熱量が小さくなるので、コンプレッ
サの吐出容量の低下で冷媒の凝縮が過剰に行われてしま
うことがなくなり、コンプレッサの吐出容量に合わせた
凝縮能力の調整が行えるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係る冷房サイクルを示す概略構成
図、第2図は同上において用いられる容量可変型のコン
プレッサを示す断面図、第3図はコンプレッサの吐出容
量と制御信号ISOLとの関係を示す特性線図、第4図はエ
バポレータの目標吹出温度TE′の特性を示す線図、第5
図及び第6図はコンデンサを示す概略構成図で、第5図
は電磁弁を閉じた状態を、第6図は電磁弁を開いた場合
をそれぞれ示す。また、第7図はコンデンサの実質的容
量の特性を示す線図である。 1……コンプレッサ、2……コンデンサ、2a〜2c……凝
縮器要素、4……膨張弁、5……エバポレータ、36……
バイパス通路、37……電磁弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外部から供給される制御電流量が小さくな
    るにつれて吐出容量が大きくなる容量可変型のコンプレ
    ッサと、コンデンサ、膨張弁、エバポレータとを少なく
    とも順次結合して冷房サイクルを構成すると共に、この
    冷房サイクルの前記コンデンサを直列に接続された複数
    の凝縮器要素をもって構成し、このコンデンサに少なく
    とも1つの凝縮器要素を残して他の凝縮器要素をバイパ
    スするバイパス通路と、前記バイパス通路を開閉する開
    閉機構とを設け、前記容量可変型のコンプレッサの吐出
    容量を決定する制御電流量を演算する制御電流量演算手
    段と、この制御電流量演算手段で演算された制御電流量
    が所定値より小さい場合に前記開閉機構を閉状態とし、
    大きい場合に開状態とする制御手段とを具備することを
    特徴とする冷房サイクルの凝縮能力制御装置。
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