JP2992919B2 - 電子写真用キャリア - Google Patents

電子写真用キャリア

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JP2992919B2
JP2992919B2 JP4248923A JP24892392A JP2992919B2 JP 2992919 B2 JP2992919 B2 JP 2992919B2 JP 4248923 A JP4248923 A JP 4248923A JP 24892392 A JP24892392 A JP 24892392A JP 2992919 B2 JP2992919 B2 JP 2992919B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーとともに静電荷
像現像剤を構成する電子写真用キャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法として米国特許第2,2
97,691号明細書、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記
載されているが、これらの方法は、いずれも光導電層に
原稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成
し、次いで該静電潜像上にこれとは反対の極性を有する
トナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を
現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写
した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着し複写
物を得るものである。
【0003】該静電潜像を現像する工程は、潜像とは反
対の極性に帯電せしめたトナー粒子を静電引力により吸
引せしめて静電潜像上に付着させるものであるが、一般
にかかる静電潜像をトナーを用いて現像する方法として
は大別してトナーをキャリアと呼ばれる媒体に少量分散
させたいわゆる二成分系現像剤を用いる方法と、キャリ
アを用いることなくトナー単独使用のいわゆる一成分系
現像剤を用いる方法とがある。
【0004】一般にかかる二成分系現像剤を構成するキ
ャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別され
る。
【0005】導電性キャリアとしては通常酸化または未
酸化の鉄粉が用いられているが、この鉄粉キャリアを成
分とする現像剤においてはトナーに対する摩擦帯電性が
不安定であり、また現像剤により形成される可視像にカ
ブリが発生する欠点がある。すなわち現像剤の使用に伴
い、鉄粉キャリア粒子の表面にトナー粒子が付着するた
めキャリア粒子の電気抵抗が増大してバイアス電流が低
下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、この結果形成
される可視像の画像濃度が低下しカブリが増大する。
【0006】また、絶縁性キャリアを用いた従来の現像
剤においても、粒子間の衝突、又粒子と現像機械との衝
突等の機械的衝突又はこれらによる発熱によって、トナ
ー粒子の一部はキャリア粒子の表面に物理的に付着して
膜を形成する、すなわちスペント化する性質がある。こ
のような事態となると、キャリア粒子表面上にトナー材
の膜が徐々に蓄積され、キャリア粒子とトナー粒子との
間の摩擦帯電がトナー同士の摩擦帯電に置換されてしま
い、現像剤全体の摩擦帯電特性が劣化し、ひいてはコピ
ー画像の地肌部にトナーが多数付着するという所謂地汚
れの現象が生じ、コピー品質が低下することとなる。ま
た、キャリア表面に対するトナー膜の形成がひどくなる
と現像剤全体を交換しなければならなくなり、コスト増
につながる欠点となっている。
【0007】このようなスペント化を防止するため、従
来よりキャリア表面に種々の樹脂をコートする方法が提
案されているが、十分満足のいくものは得られていな
い。
【0008】例えば、四フッ化エチレン共重合体等のフ
ッ素系樹脂をコートしたキャリアは臨界表面張力が低い
ためトナーのスペント化は起こりにくいが、成膜性が悪
くキャリア芯材を充分均一に覆うことができず安定した
帯電特性が得られない。また、芯材との接着性も弱く、
耐摩耗性に不満足である。さらに、その帯電系列との関
係から、フッ素系樹脂コートキャリアは、負帯電性トナ
ーにおいては充分な帯電能力を持ち得ない。
【0009】一方、スチレン・メタクリレート共重合体
等のアクリル系樹脂でコートされたキャリアは、成膜性
が良好でキャリア芯材との接着性も強く、耐摩耗性に優
れており、前述のフッ素系樹脂と混合して使用されたり
単独で使用される。しかしながら、このアクリル系樹脂
は臨界表面張力が比較的高いため、繰返しの使用に際し
てはやはりトナーのスペントが起こり易く、現像剤の寿
命に若干問題がある。また、その成膜性の良さのために
キャリアが高抵抗化し易く、そのため、トナーのチャー
ジアップによりキャリアからのトナー離れが悪くなり易
い。
【0010】さらに、この様にトナーがキャリアから離
れづらくなった状態で現像を長時間続けていると、上述
のトナーによるキャリアのスペント化が一層促進される
こととなり好ましくない。
【0011】また、キャリアがあまりに高抵抗すぎる場
合、画像濃度の低下、ベタ部中間調の再現性の劣化、或
は、感光体上へキャリアが現像されてしまい感光体をキ
ズつけたり、画像上にキャリアが付着してしまうことが
ある。
【0012】この様な問題を解決するために、従来か
ら、導電性微粒子をキャリアコート樹脂中に分散させ、
抵抗をコントロールする試みがなされている。例えば、
特公昭53−6535号公報では、0.1μm以下の導
電性微粒子を添加することが示されているし、他にも特
開昭54−7343号公報、特開昭60−159753
号公報等多数検討されている。
【0013】しかしながら、これらの提案の方法におい
て、未だ改良の余地のある点は、低抵抗化のために必要
十分な量の導電性微粉を添加すると、コア材と樹脂の
密着性が低下する、樹脂中の導電性微粉が被覆樹脂か
ら離脱してしまう、トナーへの均一帯電付与が難し
い、摩擦帯電能が低下する(特に高湿下で)、という
問題である。
【0014】一方、トナーとキャリアを有する現像剤
は、磁石を内包する現像スリーブ上に現像剤層厚規制部
材により所定の層厚にコートされ、磁気力を利用するこ
とによって、感光体と該現像スリーブとの間に形成され
る現像領域に搬送される。この感光体と現像スリーブと
の間にはある所定の現像バイアス電圧が印加されてお
り、上記トナーでは、該現像領域において、上記感光体
上に現像される。
【0015】ここで、キャリアの真比重が大きすぎる
と、現像剤を上記現像剤層厚規制部材でスリーブ上に所
定の膜厚にする際、現像剤にかかる負荷が大きくなる為
に、現像剤の長期使用において、 (a)上記トナーフィルミング (b)キャリア破壊 (c)トナーの劣化 が、生じ易くなり、その結果、現像剤の劣化と、それに
伴う現像画像の画質劣化が生じ易くなる。また、キャリ
アの粒径が大きくなると、上記と同様に現像剤にかかる
負荷が大きくなる為に、上記(a)〜(c)が生じ易く
なり、その結果、現像剤の劣化が生じ易くなる。また、
キャリア粒径が大きいと、 (d)現像画像の細線再現性が悪い、すなわち、現像性
に劣る ということも、良く知られている。
【0016】従って、上記(a)から(c)が生じ易い
キャリアにおいては、定期的に現像剤を交換する手数を
要し、かつ、不経済である為に、現像剤にかかる負荷を
減少させる、或いは、キャリアの耐衝撃性、耐スペント
性を改良することにより、上記(a)から(c)を防止
し現像剤寿命を延ばすことが必要である。
【0017】また、上記(d)の現像性の問題に対して
は、キャリアの粒径を小粒径化する等により、対処する
必要がある。
【0018】上記(a)〜(d)の問題に対して、結着
樹脂中に磁性粒子を分散せしめた小粒径キャリア、例え
ば特開昭54−66134号公報に開示された、粉砕法
による磁性体分散型小粒径キャリアにより対処すること
も可能である。
【0019】また、特開昭61−9659号公報におい
て開示された、重合法による磁性体分散型小粒径キャリ
アにより対処することも可能である。
【0020】しかしながら、上記磁性体分散型小粒径キ
ャリアは、キャリア粒子中に磁性体を均一に分散させる
ことが必要であり、磁性体の分散が不均一である場合、
該キャリアの耐衝撃性及び摩擦帯電性に影響し、結果と
して現像剤の耐久性、画像濃度の安定性等の種々の特性
の変動を引き起こしやすい傾向にある。
【0021】より詳細に言えば、上記磁性体分散型キャ
リアを用いた現像において、キャリア中の磁性体の偏在
によりキャリア表面の帯電付与特性が不均一になり、ト
ナーに対し正常な帯電を付与できず、低温低湿下におい
てカブリが発生し、画像上の大きな問題点になり易い。
【0022】また、上記キャリアを構成している結着樹
脂と磁性体との密着性が弱い場合や、磁性体がキャリア
中に不均一に存在した場合には、繰り返しの現像工程に
より、キャリア表面から磁性体が取れて、画像汚れ等の
悪影響を与える傾向がある。
【0023】従って、キャリアに対する上記要求特性を
考慮すると、従来使用されてきたキャリアは依然として
改善すべき問題を残しており、更なる改良を加えたキャ
リアが待望されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】以上のような現状の問
題点に鑑み、本発明の目的とするところは、以下の点を
解決することにある。
【0025】本発明の目的はチャージアップしにくい樹
脂被覆キャリアを提供することにある。
【0026】本発明の目的はトナースペント化がなく、
かつ、耐摩耗性及び、耐衝撃性において優れた樹脂被覆
キャリアを提供することにある。
【0027】本発明の目的は、繰り返しの使用に際して
も安定した帯電特性を有する樹脂被覆キャリアを提供す
ることにある。
【0028】本発明の目的は帯電の立上がりが速く、か
つ、環境変動に依存しない摩擦帯電能を有する樹脂被覆
キャリアを提供することにある。
【0029】更に、本発明の目的は、前述の如き磁性体
分散型キャリアの有していた問題点を解消し、その結
果、ランニング時にキャリアの補給が不必要で、かつ、
ランニング時、湿度変動時におけるトナーの帯電性を安
定化させることにより、現像性、現像剤寿命により優れ
た磁性体分散型キャリアを提供することにある。
【0030】詳しくは、前述の如き磁性体と結着樹脂を
含む磁性体分散型キャリアにおいて、該キャリアの耐衝
撃性、流動性、トナーへの帯電付与安定性を、分散させ
る磁性体の特性により改良し、現像性、現像剤寿命に優
れた磁性体分散型キャリアを提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、樹脂
中に磁性酸化鉄を含有した樹脂により被覆された電子写
真用キャリアにおいて、該磁性酸化鉄は、該磁性酸化鉄
のケイ素元素の含有率が、鉄元素を基準として0.5〜
4重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重
量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと、該磁性酸
化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×10
0が44〜84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在す
るケイ素元素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)
×100が10〜55%であることを特徴とする電子写
真用キャリアに係るものである。
【0032】また、本発明は、結着樹脂中に磁性酸化鉄
を分散させてなる磁性体分散型の電子写真用キャリアに
おいて、上記磁性酸化鉄を用いた電子写真用キャリアに
係るものである。
【0033】更に、本発明は、結着樹脂中に磁性酸化鉄
を分散させてなるコア材を有し、該コア材表面を樹脂に
より被覆してなる磁性体分散型の電子写真用キャリアに
おいて、上記磁性酸化鉄を用いた電子写真用キャリアに
係るものである。
【0034】以下、本発明の電子写真用キャリア(樹脂
被覆キャリア及び磁性体分散型キャリア)を詳細に説明
する。
【0035】まず、本発明においては、磁性酸化鉄はケ
イ素の含有率が鉄元素を基準にして0.5〜4.0重量
%(より好ましくは0.8〜3.0重量%)であること
が必須である。これにより、樹脂と磁性酸化鉄との濡れ
性が良好となり、従って樹脂中への磁性酸化鉄の分散が
均一なものとなり得る。また、ケイ素の含有率を上記の
値とすることで磁性酸化鉄の表面エネルギーが小さくな
りキャリアの流動性が向上する。以上のことから樹脂か
ら磁性酸化鉄の脱離がなく、耐衝撃性に優れつつ耐トナ
ースペント性、耐摩耗性に優れたキャリアとなるものと
考えられる。更にまた、流動性が向上することから、ト
ナーへの帯電付与という点において、摩擦の接触機会を
増大せしめ、迅速なる帯電の立上がりを可能ならしめる
と考えられる。また、磁性酸化鉄の分散が均一であるこ
とから、トナーへの均一にして安定なる帯電付与も可能
となるものと考えられる。
【0036】尚、本発明において用いられる磁性酸化鉄
においてケイ素元素の含有率が0.5重量%より少ない
場合には、キャリアの流動性改善の効果が小さく、また
ケイ素の含有率が4.0重量%より多い場合にはケイ酸
成分が磁性酸化鉄表面に必要以上に残留したり、帯電特
性に悪影響を与えやすく、好ましくない。
【0037】また、磁性酸化鉄に存在するケイ素元素の
全含有量Aと、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が約20%
までに存在するケイ素元素の含有量Bとの比B/A×1
00(%)が44〜84%(好ましくは60〜80%)
であり、該磁性酸化鉄の粒子表面に存在するケイ素元素
の含有量Cと含有量Aとの比C/A×100(%)が1
0〜55%(好ましくは25〜40%)であることが必
須である。
【0038】ケイ素元素の含有量について上記の比B/
A×100(%)が44%より小さい場合には、必要以
上のケイ素元素が磁性酸化鉄の中心部分に多量に存在
し、製造効率が悪化しやすいことに加え、帯電特性が不
安定な磁性酸化鉄となる場合がある。
【0039】また、B/A×100(%)が84%を超
える場合には、磁性酸化鉄の表層部分にケイ素元素が多
く存在し過ぎて、ケイ素元素が磁性酸化鉄表面に層状に
多量に存在し磁性酸化鉄表面が機械的衝撃に対してもろ
くなり、樹脂に分散させた場合多くの弊害が発生しやす
い。
【0040】一方、C/A×100(%)が10%より
小さい場合には、磁性酸化鉄表面のケイ素元素が少な
く、磁性酸化鉄及びキャリアに良好な流動性が得られに
くいことに加え、磁性酸化鉄の帯電量及び体積固有抵抗
値が低下し、キャリアの帯電安定性及び環境安定性を損
ないやすい。
【0041】また、C/A×100(%)が55%より
多くなると磁性酸化鉄表面の凸凹が目立ち、樹脂中に分
散する磁性酸化鉄表面の凸凹部分が欠片となって画像汚
れ、カブリなど、現像性に悪影響を与えやすい。
【0042】つまり、良好なキャリアの特性を得るに
は、上記したように磁性酸化鉄中に存在するケイ素元素
の分布が内部から表面に向って連続的または段階的に増
加して行くことが好ましい。
【0043】さらに本発明では、磁性酸化鉄の帯電量が
−25〜−70μc/g(好ましくは−40〜−60μ
c/g)であり、且つ磁性酸化鉄の体積固有抵抗値が1
×104 〜1×108 Ω・cm(好ましくは5×104
〜5×107 Ω・cm)であることが好ましい。
【0044】磁性酸化鉄の帯電量が−25μc/g未満
の場合、正帯電性トナーと組合わせてキャリアを繰り返
し長期間使用すると、キャリアが必要とする帯電量を持
てなくなりやすく、画像濃度の低下、画像カブリ等の問
題が発生する。一方、磁性酸化鉄の帯電量が−70μc
/gを超える場合には、キャリアの帯電量が高くなり過
ぎて、低温、低湿環境において画像濃度の低下が見られ
やすい。
【0045】また、磁性酸化鉄の体積固有抵抗値が5×
103 Ω・cmより小さい場合には、キャリアが必要と
する帯電量を保持することが、困難となりやすく、画像
濃度の低下が起こりやすい。一方、磁性酸化鉄の体積固
有抵抗値が1×108 Ω.cmを超える場合には、低
温、低湿環境での繰り返し使用に際して、帯電量が必要
以上に高くなりやすく、画像濃度の低下が見られやす
い。
【0046】さらに本発明では、磁性酸化鉄の凝集度が
3〜40%(好ましくは5〜30%)であることが好ま
しい。
【0047】磁性酸化鉄の凝集度が3%よりも小さい場
合には、樹脂の粘度が上昇し、キャリアの製造(樹脂被
覆キャリアではコーティング処理)をおこなうことが困
難である。
【0048】一方、凝集度が40%を超える場合には、
樹脂中への磁性酸化鉄の分散を十分に行うことが困難で
あり、キャリアの耐久性、帯電性に悪影響を及ぼす。ま
た、本発明においては、磁性酸化鉄の流動性がキャリア
の流動性に反映されており、凝集度が40%を超える磁
性酸化鉄を使用した場合には、キャリアの流動性が十分
には得られにくく、キャリアの帯電性に悪影響を与え、
濃度変動、カブリ等の発生が見られる傾向にある。
【0049】さらに、本発明では、磁性酸化鉄の平滑度
Dが0.2〜0.6(好ましくは、0.3〜0.5)で
あることが好ましい。
【0050】平滑度Dが0.2より小さいと、磁性酸化
鉄表面の凸凹が目立ち、現像器内でトナー、キャリア間
の衝撃で凸凹部分が欠片となって、画像汚れなどの悪影
響を与えやすい。
【0051】一方、平滑度Dが0.6よりも大きい場合
には、結着樹脂と磁性酸化鉄との十分な密着性が得られ
にくく、繰り返し使用において徐々にキャリア表面の磁
性酸化鉄が取れてしまい、キャリアの抵抗が高くなり、
チャージアップによる画像濃度低下等の悪影響を与えや
すい。
【0052】さらに、本発明では磁性酸化鉄の球形度ψ
が0.8以上であることが好ましい。球形度ψが0.8
より小さい場合には、磁性酸化鉄の個々の粒子が、面と
面で接触する形となり、粒径0.1〜1.0μm付近の
小さな磁性酸化鉄粒子では、容易に磁性酸化鉄粒子同志
を引き離すことができず、そのため、樹脂中への磁性酸
化鉄の分散が十分に行えない場合がある。
【0053】さらに、本発明に使用される磁性酸化鉄
は、平均粒径が0.1〜0.4μm、好ましくは0.1
〜0.3μmを有していることが好ましい。
【0054】本発明における各種物性データの測定法を
以下に詳述する。
【0055】本発明において、磁性酸化鉄表面のケイ素
元素の含有量Cは、次のような方法によって求めること
ができる。例えば、5リットルのビーカーに約3リット
ルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウォー
ターバスで加温する。約400mlの脱イオン水でスラ
リーとした磁性酸化鉄約25gを約300mlの脱イオ
ン水で水洗しながら、該脱イオン水とともに5リットル
ビーカー中に加える。
【0056】次いで、温度を約60℃、撹拌スピードを
約200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを
加え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化
鉄粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始す
る。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、
0.1μメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取す
る。ろ液をプラズマ発光分析(ICP)によってケイ素
元素の定量を行う。
【0057】ケイ素元素の含有量Cは、水酸化ナトリウ
ム水溶液単位体積中の磁性酸化鉄に含有されるケイ素元
素濃度(mg/l)に相当する。
【0058】本発明において、磁性酸化鉄のケイ素元素
の含有率(鉄元素を基準とする)および鉄元素の溶解率
及びケイ素元素の含有量A及びBは、次のような方法に
よって求めることができる。例えば、5リットルのビー
カーに約3リットルの脱イオン水を入れ45〜50℃に
なるようにウォーターバスで加温する。約400mlの
脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約3
00mlの脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と
ともに5リットルビーカー中に加える。
【0059】次いで、温度を約50℃、撹拌スピードを
約200rpmに保ちながら、特級塩酸を加え、溶解を
開始する。このとき、磁性酸化鉄濃度は約5g/l、塩
酸水溶液は約3規定となっている。溶解開始から、すべ
て溶解して透明になるまでの間に数回約20mlサンプ
リングし、0.1μメンブランフィルターでろ過し、ろ
液を採取する。ろ液をプラズマ発光分析(ICP)によ
って、鉄元素及びケイ素元素の定量を行う。
【0060】次式によって、各サンプルごとの鉄元素溶
解率が計算される。
【0061】
【数1】 各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び含有量は、次
式によって計算される。
【0062】
【数2】 磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aは、水酸化ナトリ
ウム単位体積中に全て溶解した後の磁性酸化鉄に含有さ
れるケイ素元素濃度(mg/l)に相当する。
【0063】磁性酸化鉄のケイ素元素の含有量Bは、水
酸化ナトリウム単位体積中において磁性酸化鉄の溶解率
が20%の場合に、検出される磁性酸化鉄に含有される
ケイ素元素濃度(mg/l)に相当する。
【0064】含有率A,B及びCを測定する方法として
は、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分けて、ケイ素元
素の含有率A及びBを測定する一方で、含有量Cを別途
測定する方法と、(2)磁性酸化鉄の試料の含有量Cを
測定し、測定後の試料を使用して次いで含有量B’(含
有量Bから含有量Cを引いた量)及び含有量A’(含有
量Aから含有量Cを引いた量)を測定し、最終的に含有
量A及びBを算出する方法等が挙げられる。
【0065】本発明において磁性酸化鉄の帯電量(μc
/g)は次のように測定する。
【0066】磁性酸化鉄約2gとキャリア鉄粉(TEF
V200〜300mesh)(日本鉄粉(株))約19
8gを500mlポリビンに秤取し、手で10秒間振と
うした後V型ブレンダーで20分間振とうし、ブローオ
フ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株))を用いて
磁性酸化鉄の帯電量を測定する。この時測定用ファラデ
ーゲージには400meshのステンレス製網をセット
し、測定試量約0.4gを秤取し、30秒間ブローオフ
を行った時の値から算出する。
【0067】本発明において磁性酸化鉄の体積固有抵抗
値は次のように測定する。
【0068】磁性酸化鉄10gを測定セルに入れ油圧シ
リンダーにより成型(圧600Kg/cm2 )する。圧
力を解放した後、抵抗計(横河電気製YEW MODE
L2506A DIGITAL MALTIMETO
R)をセットし、再度油圧シリンダーにより150Kg
/cm2 の圧力を加える。測定を開始し、3分後の測定
値を読み取る。さらに試量の厚さを測定し下式より体積
固有抵抗値を測定する。
【0069】
【数3】 本発明において磁性酸化鉄の凝集度は次のように測定す
る。
【0070】磁性酸化鉄10gをミキサーで粉砕し、2
00meshのフルイをパスさせたものを2g秤取す
る。パウダーテスター(細川ミクロン(株))に上から
60mesh,100mesh,200meshの順で
フルイを3段重ねてセットし、秤取した試料2gをしず
かにフルイ上に乗せ、振幅1mmの振動を65秒間与え
各フルイ上に残った磁性酸化鉄の重さを測定し、下式に
従って凝集度を算出する。
【0071】
【数4】 本発明において磁性酸化鉄の平滑度Dは次のように求め
る。
【0072】
【数5】 磁性酸化鉄のBETの実測は次のようにして行う。
【0073】BET比表面積は、湯浅アイオニクス
(株)製、全自動ガス吸着量測定装置:オートソープ1
を使用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法により
求める。なお、サンプルの前処理としては、50℃で1
時間の脱気を行う。
【0074】また、平均粒径の測定及び磁性酸化鉄の表
面積の算出は次のように行う。
【0075】電子顕微鏡(日立製作所H−700H)で
コロジオン膜銅メッシュに処理した磁性酸化鉄の試料を
用いて、加電圧100KVにて、10,000倍で撮影
し、焼きつけ倍率3倍として、最終倍率30,000倍
とする。これによって、形状の観察を行い、各粒子の最
大長(μm)を計測しランダムに100個を選び出しそ
の平均をもって平均粒径とする。
【0076】表面積の算出には磁性酸化鉄を平均粒径を
直径とした球形と仮定し、通常の方法で磁性酸化鉄の密
度を測定し表面積の値を求める。
【0077】本発明における磁性酸化鉄の球形度ψの算
出は次のように行う。
【0078】
【数6】 球形度ψは写真からランダムに100個の磁性酸化鉄粒
子検体を選び出し、最大長及び最小長を測定し、次いで
計算値を平均したものとする。
【0079】酸化磁性体の最大長、最小長は、平均粒径
を求める方法に従う。
【0080】立方晶の通常の磁性酸化鉄の球形度ψが約
0.6〜0.7の0.8未満であるのに対し、本発明に
好ましく使用される球形度ψが0.8以上(好ましくは
0.85以上、より好ましくは0.9以上)の磁性酸化
鉄は、角ばった端部のない球形状に近似の形状を有して
いる。
【0081】球形度ψが0.8未満の場合には、ケイ素
元素が磁性酸化鉄粒子表面に偏在していたとしても結着
樹脂への分散性が0.8以上の場合よりも劣るため、得
られるキャリアの現像特性が低下しやすく、ドット再現
性の劣ったキャリアになりやすい傾向がある。
【0082】本発明の樹脂被覆キャリアに用いる磁性酸
化鉄は、キャリア被覆樹脂に対して、0.1重量%〜3
0重量%を用いることが好ましい。さらに好ましくは
0.5〜20重量%を用いることが良い。0.1重量%
未満では本発明の効果が顕著でなく、30重量%を超え
る場合では、本発明の特徴のひとつであるコート膜の耐
久性、耐摩耗性が十分でなくなる。
【0083】磁性体分散型キャリアでは、本発明に係る
磁性体のキャリア総量に対する含有量は30重量%以
上、好ましくは50重量%以上であることが好ましい。
30重量%未満であると、感光体への付着が起こり易
い。
【0084】樹脂被覆キャリアにおいて、磁性酸化鉄を
添加する被覆樹脂としては、一般にキャリアのコート樹
脂として用いられているものが使用できる。例えば天然
樹脂、ポリオレフィン樹脂・ポリビニル、ポリビニリデ
ン樹脂、フルオロカーボン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ア
ミノ樹脂、エポキシ樹脂等及びこれらの混合物等であ
る。
【0085】本発明の樹脂被覆キャリアの樹脂被覆量は
キャリア芯材に対して樹脂固型分が0.1〜20重量
%、好ましくは0.5〜10重量%である。0.1重量
%未満では樹脂被覆による効果の発現が不十分であり、
30重量%を超える場合は本発明の磁性酸化鉄添加の効
果が不十分となる。
【0086】樹脂被覆キャリアの芯材としては、鉄粉、
フェライト等の一般のものが使用され、その粒径は、1
0〜1000μm、好ましくは20〜200μmが適当
である。
【0087】上記キャリア芯材の表面を前述の磁性酸化
鉄分散樹脂で被覆する方法としては、該樹脂を溶剤中に
溶解、もしくは懸濁せしめ、さらに、磁性酸化鉄を添加
し、分散機にて充分分散させ、スプレー等の一般的方法
で塗布させることができる。
【0088】一方、本発明の磁性体分散型のキャリアを
構成する結着樹脂に用いられる樹脂としては、ビニル系
モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられる。
ここで言うビニル系モノマーとしては例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチ
レン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシ
ルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニ
ルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシ
ルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、
o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン
誘導体と、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチ
レンなどのエチレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタ
ジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレフィン類;塩化
ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等
のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリ
ル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニルなどの
α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリ
ル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステア
リル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニ
ル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸、マレイン酸
ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテ
ル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メ
チルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビ
ニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイ
ンドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合
物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメ
タクリル酸誘導体;アクロレイン類などが挙げられ、こ
れらの中から1種または2種以上使用して重合させたも
のが用いられる。
【0089】また、ビニル系モノマーから重合して得ら
れる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド
樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂などの非ビニ
ル縮合系樹脂あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混
合物を用いることができる。
【0090】更にまた、本発明の磁性体分散型キャリア
において、キャリア表面を樹脂にて被覆し、所望の帯電
特性を持たせることも可能である。キャリアコア材の被
覆樹脂としては上述したようなキャリアコート用に用い
られる一般の絶縁性樹脂を用いることが可能である。
【0091】なお、本発明において、キャリアコア材の
被覆樹脂に用いることのできる該被覆樹脂の分子量及び
分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィー)により単分散の標準ポリスチレンを使用し
て得られた検量線に照らして求めた値をいう。以下に測
定条件を示す。
【0092】 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:ショーデックスKF 7連(昭和電工社) 温度 :40℃ 溶媒 :THF(テトラヒドロフラン) 流速 :1.0ml/min 試料 :0.15%の試料を0.4ml注入 本発明のキャリア粒子の平均粒径は10〜60μmの範
囲で用いることが好ましい。キャリア粒径が10μm未
満であると感光体へのキャリア付着が生じ易い傾向にあ
り、また60μmを超えると、現像器内において現像剤
にかかるシェアが大きくなり、現像剤の劣化、特にトナ
ー粒子の外添剤の剥離、形状変化を引き起こし易い傾向
にある。更にまた、粒径が大きいと比表面積的に小さく
なるため、現像剤として構成する上で保持できるトナー
量が少なくなり、精細性を欠いた画像となってしまう。
本発明に用いたキャリアの粒径は、水平方向最大弦長で
示し、測定法は顕微鏡法により、キャリア500個以上
をランダムに選び、その径を実測することによって本発
明のキャリア粒径とした。
【0093】本発明の磁性体分散型キャリアの作製方法
としては、前記結着樹脂と磁性体微粒子とを所望の量比
で混合し、例えば、3本ロールまたは押出機などの加熱
溶融混合装置を用いて適当な温度で混練し、冷却後、粉
砕分級することにより製造する方法、あるいは結着樹脂
を可溶性の溶剤に溶解せしめ、これに磁性体微粒子を混
合してスラリー状とした後、スプレードライヤーを用い
て造粒、乾燥する方法、或いは、コア材用結着樹脂のモ
ノマー溶液中に磁性体微粒子、重合開始剤、懸濁安定剤
などを添加し、分散せしめた後、造粒重合する懸濁重合
法等がある。
【0094】また、上記キャリアをコア材として樹脂を
コーティングする場合、樹脂被覆する方法としては、コ
ア材が樹脂より構成されていることを考慮すると、コア
材同士が接着しないように被覆樹脂が迅速に被覆される
処理法が望ましく、被覆樹脂を溶解する溶剤の選択及び
処理温度、時間等の条件を十分に制御し且つ、コア材を
常に流動せしめる様な方法でコーティングと乾燥を同時
に進行させる処理方法が好ましく用いられる。なお、被
覆樹脂量はコア材の真比重によって異なり、キャリアの
真比重をXとおくと被覆樹脂量の最適値は以下の関係式
を満足する必要がある。
【0095】 1/2X≦被覆樹脂量≦50/X(重量%) より好ましくは、 1/X≦被覆樹脂量≦25/X(重量%) である。
【0096】すなわち、被覆樹脂量が1/2X重量%未
満では、被覆樹脂量が少ない為に、被覆樹脂による帯電
コントロール等の種々の効果が十分現われない。また、
50/X重量%を超えると、被覆樹脂量が多すぎる為
に、磁性体が完全に被覆樹脂で覆われてしまい、本発明
のキャリアの特徴である流動性向上、均一帯電性の効果
が低減してしまう傾向にある。
【0097】本発明に係るケイ素元素を有する磁性酸化
鉄は、例えば下記方法で製造される。
【0098】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物を
添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水
酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を
含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7
以上(好ましくはpH8〜10)に維持しながら空気を
吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第
一鉄の酸化反応をおこない、磁性酸化鉄粒子の芯となる
種晶をまず生成する。
【0099】次に、種晶を含むスラリー状の液に前に加
えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一
鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持し
ながら空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ
種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反応
がすすむにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、
液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終
期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒子の
表層および表面にケイ酸化合物を所定量偏在させること
が好ましい。
【0100】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。尚、本発明に悪影響を与
えない限り硫酸アルミ、アルミナ等のその他添加剤を加
えても良い。
【0101】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、更に塩化鉄等可能であ
る。
【0102】水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は一
般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶
解度から鉄濃度0.5〜2mol/lが用いられる。硫
酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾
向を有する。又、反応に際しては、空気量が多い程、そ
して反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0103】上述の製造方法により、透過電顕写真によ
る観察で、ケイ酸成分を有する磁性酸化鉄粒子が、主に
板状面を有さない曲面で形成された球形状粒子から構成
され、八面体粒子を殆ど含まない磁性酸化鉄を生成し、
その磁性酸化鉄をトナーに使用することが好ましい。
【0104】
【実施例】以下、本発明を製造例及び実施例により具体
的に説明する。実施例に記載されている部数または%
は、重量部または重量%を示す。
【0105】(製造例1)硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元
素に対しケイ素元素の含有率が1.8%となるようにケ
イ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに対してl.0〜
1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を
含む水溶液を調製した。
【0106】水溶液のpHをpH7〜10(例えばpH
9)に維持しながら、空気を吹き込み、80〜90℃で
酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製し
た。
【0107】次いで、このスラリー液に当初のアルカリ
量(ケイ酸ソーダのナトリウム成分及び苛性ソーダのナ
トリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫
酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液のpH6〜10
(例えばpH8)に維持して、空気を吹込みながら酸化
反応をすすめ、酸化反応の終期にpHを調整し、磁性酸
化鉄粒子表面にケイ酸成分を偏在させた。生成した磁性
酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝
集している粒子を解砕処理し、表2に示すような特性を
有する磁性酸化鉄を得た。
【0108】10分毎に鉄元素及びケイ素元素の溶解量
を測定したデータを表1に示し、図1に磁性酸化鉄の鉄
元素とケイ素元素の溶解率の関係を示す。
【0109】製造例1で得られた磁性酸化鉄では、図2
に示す磁性酸化鉄粒子表面Cに存在するアルカリで溶出
されるケイ酸の如きケイ素化合物由来のケイ素元素の含
有量Cは17.9mg/lであり、図2に示す磁性酸化
鉄粒子表層部Bに存在するケイ素化合物由来のケイ素元
素の含有量Bは38.8mg/lであり、含有量Aは5
9.7mg/lであった。
【0110】
【表1】 (製造例2)製造例1で鉄元素に対するケイ素元素の含
有率を2.9%となるようにケイ酸ソーダを添加した以
外は、製造例1と同様にして表2に示すような特性を有
する磁性酸化鉄を得た。
【0111】(製造例3)製造例1で鉄元素に対するケ
イ素元素の含有率を0.9%となるようにケイ酸ソーダ
を添加した以外は、製造例1と同様にして表2に示すよ
うな特性を有する磁性酸化鉄を得た。
【0112】(製造例4)製造例1で鉄元素に対するケ
イ素元素の含有率を1.7%となるようにケイ酸ソーダ
を添加した以外は、製造例1と同様にして表2に示すよ
うな特性を有する磁性酸化鉄を得た。
【0113】(比較製造例1)製造例1でケイ酸ソーダ
を添加しない以外は、製造例1と同様にして表2に示す
ような特性を有する磁性酸化鉄を得た。
【0114】(比較製造例2)比較製造例1により得ら
れた磁性酸化鉄100部に対して、1.5部のケイ酸微
粉体をヘンシェルミキサーで混合し表2に示すような特
性を有する磁性酸化鉄を得た。
【0115】
【表2】 実施例1 以下に示すような処方の被覆樹脂溶液を作製し、キャリ
ア芯材に被覆し、樹脂被覆キャリアを得た。 (被覆樹脂溶液) Aバインダー樹脂(モノマー比):スチレン−メタクリ
ル酸メチル−アクリル酸2エチルヘキシル共重合体(4
5:35:20) 20%キシレン溶液 B磁性酸化鉄 :製造例1の磁性酸化鉄 B/Aの固型分:5/95重量比 (キャリア芯材) キャリア芯材質 :球型フェライト キャリア芯材粒径:45μm 樹脂被覆量(被覆樹脂固型分/芯材):2/100重量
比 なお、上記被覆樹脂溶液は、A、Bを所定の比率で混合
し、ボールミルポットで24時間分散して作製した。ま
た、キャリア芯材への被覆は、流動床を用いたスプレー
法により行なった。
【0116】一方、 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100部 縮合して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
った後、3本ロールミルで3回溶融混練し、冷却後ハン
マーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。
次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し
た。更に、得られた微粉砕物を分級して重量平均径が
8.7μmである負帯電性のシアン色の粉体(トナー)
を得た。
【0117】上記シアントナー100部と、ヘキサメチ
ルジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.5部と
をヘンシェルミキサーにより混合して、トナー粒子表面
にシリカ微粉体を有するシアントナーを調製した。
【0118】このシアントナーと上記キャリアとを温度
/湿度がN/N(23℃/60%),H/H(32.5
℃/85%),L/L(15℃/10%)の各環境下に
おいてトナー濃度5%で混合し現像剤を作製した。この
現像剤の帯電量は、表3に示す通りであった。この現像
剤を用い、CLC−500機においてN/N,H/H,
L/Lの各環境で実機画像出しを行なったところ、環境
の変動に依存せず、安定していて、かつ、十分な濃度
の、高精細な画像が得られた。
【0119】さらに、上記現像剤をCLC−500用現
像器に投入し、画像出しを行なわないで、スリーブのみ
を回転させる外部空回転器により、L/L環境下で4時
間空回転耐久を行ない、L/Lにおけるチャージアッ
プ、およびキャリア劣化の耐久シミュレーションとし
た。この空回転耐久後の現像剤の入った現像器でCLC
−500で画像を出したところ、初期とほとんど変わら
ない濃度1.5以上の高濃度の高精細画像が得られ、L
/Lにおけるチャージアップが防止できていることが分
った。
【0120】また、空回転耐久後の現像剤を回収して、
走査型電子顕微鏡を用いて、キャリアの表面観察を行っ
たところ、被覆樹脂からの磁性酸化鉄の離脱、キャリア
の破壊、あるいはトナースペント等のキャリア劣化がな
いことがわかった。
【0121】また、このL/L空回転耐久後の現像剤か
ら、キャリアのみを分離し、再び新規なトナーと混合し
て帯電量を測定したところ、表3に示される様に、耐久
前とほとんど変わらぬ値を示した。このことからも、キ
ャリアのトナースペント等による耐久劣化がないことが
わかった。
【0122】実施例2 実施例1において被覆樹脂溶液が スチレン−メタクリル酸2−ヒドロキシエチル−メタク
リル酸メチル共重合体(モノマー組成重量比=35:1
0:55,ヒドロキシル価(KOHmg/g)=30) をアセトンとメチルエチルケトンの混合溶媒(混合重量
比=1:1)に溶解して20%濃度の溶液としたものを
用いる以外は実施例1と同様のテストを行った。結果は
表3に示されるようにいずれのテストにおいても良好で
あった。
【0123】比較例1 実施例1における被覆樹脂溶液の処方において、Bの磁
性酸化鉄を除き、Aのみにした以外は、実施例1と同様
にして樹脂被覆キャリアを得た。
【0124】実施例1と同様の方法で評価したところ、
環境による帯電量の変化が大きく、またL/L空回転耐
久後のCLC−500での画像は、濃度が1.21と低
くなっており、帯電量を測定したところ、−45.3μ
c/gとチャージアップしていた。また、分離後キャリ
アによる帯電量は−30.8μc/gと初期に比べて低
下しており、トナースペントによるキャリア劣化が生じ
ていることがわかった。
【0125】実施例3 以下に示す処方により、実施例1と同様の方法で樹脂被
覆キャリアを得た。 (被覆樹脂溶液) Aバインダー樹脂(モノマー比):スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体(50:50)/フッ化ビニリデン
−テトラフルオロエチレン共重合体(75:25)=4
0/60 トルエン−メチルエチルケトン(1:1)20%溶液 B磁性酸化鉄 :製造例2の磁性酸化鉄 B/Aの固型分 :5/100重量比 (キャリア芯材) キャリア芯材質 :球型フェライト キャリア芯材粒径:60μm 被覆樹脂量(被覆樹脂固型分/芯材):3/100重量
比 一方、トナーとして、 スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル− 100部 メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体 (モノマー組成重量比=80:15:5) 銅フタロシアニン 4部 低分子量ポリプロピレン 5部 上記材料を実施例1と同様にして重量平均径12.4μ
mのシアン粒子を得た。該シアン粒子100部に対して
アミノ変性シリコーンオイルで処理された正帯電性コロ
イダルシリカ0.8部をヘンシェルミキサーにより混合
して、正帯電性シアントナーを得た。
【0126】上記シアントナーとキャリアを、トナー濃
度8%となるように混合して現像剤を作製し、キヤノン
製複写機NP4835を用いて実施例1と同様に試験を
行ったところ、画像出し試験において、正帯電性にも優
れ、良好な画像が得られた。
【0127】比較例2 比較製造例1の磁性酸化鉄を使用することを除いて、実
施例1と同様にして樹脂被覆キャリアを作製し、作製し
たキャリアを用いて実施例1と同様のテストを行った。
結果は表3に示すように環境変動による帯電量の変動が
大きく、また、L/L環境下での現像器空回転ではトナ
ーのチャージアップによる画像濃度低下が認められた。
さらに、空回転耐久後に回収したキャリアの表面観察を
行ったところ、磁性酸化鉄が脱離しており、また、一
部、キャリアの被覆樹脂が剥離していることが判明し
た。
【0128】
【表3】 実施例4 スチレン−メタクリル酸2− 25% エチルヘキシル共重合体(80:20) 製造例1の磁性酸化鉄 75% 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
った後、3本ロールミルで少くとも2回以上溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約2mm程度に粗
粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で
粒径約50μmに微粉砕した。更に、得られた微粉砕品
を分級して粒径48μmの磁性体分散型樹脂キャリアを
得た。
【0129】一方、 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100部 縮合して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 5部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4部 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
った後、3本ロールミルで3回溶融混練し、冷却後ハン
マーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。
次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し
た。更に、得られた微粉砕物を分級して重量平均径が
8.0μmである負帯電性のシアン色の粉体(トナー)
を得た。
【0130】上記シアントナー100部と、ヘキサメチ
ルジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.5部と
をヘンシェルミキサーにより混合して、トナー粒子表面
にシリカ微粉体を有するシアントナーを調製した。
【0131】このシアントナーと上記キャリアを温度/
湿度がN/N(23℃/60%RH)環境下でトナー濃
度5%となる様に混合し現像剤を得た。得られた現像剤
100gを250ccポリ瓶に入れ、ターブラミキサー
による振とうを1時間行った。その後で現像剤を取り出
し、電子顕微鏡で現像剤の観察を行った。この結果、キ
ャリアからの磁性体の脱離、トナーによるフィルミング
等認められなかった。また、トナーの外添剤の脱離、埋
没等も認められなかった。
【0132】また、シアントナーと上記樹脂キャリアを
温度/湿度がN/N(23℃/60%RH)、L/L
(15℃/10%RH)及びH/H(32.5℃/85
%RH)環境下でトナー濃度5%となる様にそれぞれ混
合し現像剤を得た。これを同環境下でキヤノン製フルカ
ラーレーザー複写機CLC−500用現像器の中に入
れ、外部モーター駆動(周速300rpm)により空回
転を30分行った。この後、CLC−500を用い、現
像コントラスト300Vとして画像出しを行った。この
結果、ベタ画像の濃度も十分であり、また、ハーフトー
ン部の再現性、ライン画像の再現性も良好であった。
【0133】さらに、5000枚の耐久画像出し試験を
行ったところ、ベタ画像濃度、ハーフトーン部及びライ
ン画像の再現性ともに良好であった。
【0134】上記試験におけるベタ画像濃度等の結果を
表4に示す。
【0135】実施例5 スチレン−アクリル酸2− 30% エチルヘキシル共重合体(85:15) 製造例2の磁性酸化鉄 70% 上記材料を実施例4と同様の製法で造粒し、磁性体分散
樹脂粒子を得た。得られた磁性体分散樹脂粒子の表面に
以下の樹脂被覆層を被覆した。
【0136】スチレン−メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル共重合体(50:50) Mw/Mn=3.0 Mw=43000 上記スチレン系共重合体を被覆樹脂量が前出の計算式か
ら0.8%になるようトルエン中に10%溶解し、キャ
リア被覆溶液を作製した。このキャリア被覆溶液を塗布
機(岡田精工社製:スピラコーター)により、塗布しな
がら乾燥させつつ上記コア材に塗布した。得られた塗布
後の磁性体分散樹脂キャリアを温度40℃で1時間乾燥
して溶剤を除去後、温度110℃で2時間加熱してコア
材表面を樹脂被覆層で被覆した樹脂被覆磁性体分散型樹
脂キャリアを得た。
【0137】得られたキャリアの粒径は50μmであっ
た。
【0138】上記キャリアと、実施例4と同様のシアン
トナーを温度/湿度がN/N(23℃/60%RH)、
L/L(15℃/10%RH)、H/H(32.5℃/
85%RH)環境下でトナー濃度5%となる様にそれぞ
れ混合し、実施例4と同様の試験を行ったところ、実施
例4と同様に振とう試験、初期及び耐久画像出し試験に
おいて良好であった。
【0139】実施例6 スチレン−メタクリル酸イソブチル共重合体(80:20) 25% 製造例3の磁性酸化鉄 75% 上記材料を実施例4と同様に造粒し、磁性体分散型樹脂
キャリアを得た。得られたキャリアの粒径は49μmで
あった。上記キャリアと実施例1と同様のシアントナー
を温度/湿度がN/N、L/L、H/H環境下でトナー
濃度5%となる様にそれぞれ混合し、現像剤を得た。こ
の現像剤を用いて実施例4と同様の試験を行ったとこ
ろ、実施例4と同様に良好な結果を得た。
【0140】実施例7 スチレン−メタクリル酸プロピル共重合体(75:25) 20% 製造例1の磁性酸化鉄 80% 上記材料を実施例4と同様に造粒し、磁性体分散型樹脂
キャリアを得た。得られたキャリアの粒径は51μmで
あった。
【0141】また、トナーとして、 スチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル− 100部 メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体 (モノマー組成重量比=80:15:5) 銅フタロシアニン 4部 低分子量ポリプロピレン 5部 上記材料を実施例4と同様にして重量平均径8.2μm
の青色粒子を得た。この粒子100部に対してアミノ変
性シリコーンオイルで処理された正帯電性コロイダルシ
リカ0.8部をヘンシェルミキサーにより混合して、正
帯電性青色トナーを得た。上記キャリアと上記トナーと
をN/N、L/L、H/H環境下でトナー濃度5%とな
る様にそれぞれ混合し、キヤノン製複写機NP4835
改造機を用いて実施例4と同様の試験を行ったところ、
実施例4と同様に良好な結果を得た。
【0142】比較例3 スチレン−メタクリル酸2− 20% エチルヘキシル共重合体(80:20) 比較製造例1の磁性酸化鉄 80% 上記材料を実施例4と同様に造粒し、磁性体分散樹脂キ
ャリアを得た。得られたキャリアの粒径は47μmであ
った。上記キャリアと、実施例1と同様のシアントナー
を温度/湿度がN/N、L/L、H/H環境下でトナー
濃度5%となる様にそれぞれ混合し、現像剤を得た。こ
の現像剤を用いて実施例1と同様の試験を行ったとこ
ろ、ハーフトーン画像においてややガサツキが生じ、カ
ブリ、耐久時濃度ダウンが生じた。
【0143】比較例4 スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(80:20) 25% 比較製造例2の磁性酸化鉄 75% 上記材料を実施例4と同様に造粒し、磁性体分散樹脂キ
ャリアを得た。得られたキャリアの粒径は46μmであ
った。
【0144】上記キャリアと、実施例4と同様のシアン
トナーを温度/湿度がN/N(23℃/60%RH)、
L/L(15℃/10%RH)、H/H(32.5℃/
85%RH)環境下でトナー濃度5%となる様にそれぞ
れ混合し、実施例4と同様の試験を行ったところ、ポリ
ビン振とう試験において磁性体の脱離が見られた。ま
た、耐久画出し時にカブリ、画像汚れが生じた。
【0145】
【表4】 カブリは、下記式により算出した。白色度の測定には、
REFLECTMETER(東京電気(株))を用い
た。
【0146】
【数7】 カブリは、1.5%以下であれば、良好な画像である。
【0147】
【発明の効果】上述した様に、本発明に用いた磁性酸化
鉄を含有する被覆樹脂により被覆された樹脂被覆キャリ
アを用いれば、 (1)キャリアのチャージアップ防止 (2)耐トナースペント性 (3)耐衝撃性(キャリア破壊の防止) (4)キャリアの抵抗の制御 (5)トナーの帯電性の安定化 を満足でき、高品質の画像を長期に渡って、安定して提
供することができる。
【0148】また、本発明に用いた磁性酸化鉄を分散さ
せた磁性体分散型樹脂キャリアを用いれば、 (1)キャリアの流動性 (2)耐衝撃性(キャリア破壊の防止) (3)トナー劣化防止 (4)現像性 (5)トナーの帯電性の安定化 を十分満足出来、高品質の画像を長期に渡って、安定し
て提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁性酸化鉄の溶解曲線を示す図である。
【図2】ケイ素化合物の分布を説明するための、磁性酸
化鉄粒子の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−184764(JP,A) 特開 昭61−155223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/107 G03G 9/113

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂中に磁性酸化鉄を含有した樹脂によ
    り被覆された電子写真用キャリアにおいて、 該磁性酸化鉄は、該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率
    が、鉄元素を基準として0.5〜4重量%であり、該磁
    性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケ
    イ素元素の含有量Bと、該磁性酸化鉄のケイ素元素の全
    含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であ
    り、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素元素の含有量
    Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55
    %であることを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 結着樹脂中に磁性酸化鉄を分散させてな
    る磁性体分散型の電子写真用キャリアにおいて、 該磁性酸化鉄は、該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率
    が、鉄元素を基準として0.5〜4重量%であり、該磁
    性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケ
    イ素元素の含有量Bと、該磁性酸化鉄のケイ素元素の全
    含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であ
    り、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素元素の含有量
    Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55
    %であることを特徴とする電子写真用キャリア。
  3. 【請求項3】 結着樹脂中に磁性酸化鉄を分散させてな
    るコア材を有し、該コア材表面を樹脂により被覆してな
    る磁性体分散型の電子写真用キャリアにおいて、 該磁性酸化鉄は、該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率
    が、鉄元素を基準として0.5〜4重量%であり、該磁
    性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケ
    イ素元素の含有量Bと、該磁性酸化鉄のケイ素元素の全
    含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であ
    り、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素元素の含有量
    Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55
    %であることを特徴とする電子写真用キャリア。
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