JP2992446B2 - 画像認識方法およびその装置 - Google Patents

画像認識方法およびその装置

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JP2992446B2
JP2992446B2 JP6262953A JP26295394A JP2992446B2 JP 2992446 B2 JP2992446 B2 JP 2992446B2 JP 6262953 A JP6262953 A JP 6262953A JP 26295394 A JP26295394 A JP 26295394A JP 2992446 B2 JP2992446 B2 JP 2992446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物と基準物との一
致度を一般化ハフ変換を用いて評価することにより、基
準物に対する対象物の位置および角度を求める画像認識
方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、生産ライン上などにおいて部
品のような対象物の基準物に対する位置(対象物の位置
は基準物に対して平行移動した変位量を意味する)およ
び基準物に対する角度(対象物の角度は基準物に対して
回転移動した回転角を意味する)を求めるために、対象
物をTVカメラのような画像入力装置で撮像して得た画
像と、あらかじめ基準物に基づいて作成されているテン
プレートテーブルとを比較し、基準物に対する対象物の
位置と角度とを求めることが考えられている。
【0003】テンプレートテーブルは以下のようにして
作成される。まず、対象物とほぼ同形状を有し位置およ
び角度の基準となる基準物を画像入力装置で撮像して得
た濃淡画像から、基準物の輪郭線のような特徴となる基
準画素群を抽出し、基準画素群の各画素について画像内
の基準点(つまりテンプレートテーブルに対する座標原
点)に対する極座標と、各画素の近傍での濃度勾配を画
像内の基準方向に対する角度で表した方向値とを求め
る。基準画素群は、たとえば輪郭線上の画素群であると
すれば、画素の濃度を2値化することによって対象物と
背景とを区別したり、各画素の近傍の画素の濃度を用い
て求めた微分値によって輪郭線と他の部分とを区別した
りし、さらに細線化処理などを施して1画素幅の輪郭線
として抽出することができる。また、方向値は、各画素
の近傍(たとえば、8近傍)の画素について画像の基準
方向である水平方向と垂直方向との濃度差をそれぞれ求
め、垂直方向の濃度差を水平方向の濃度差で除して求め
た濃度勾配の逆正接により基準方向に対する角度として
求めることができる。このような方向値の求めかたは周
知である。
【0004】以下では、基準画素群が輪郭線上の画素で
あるものとして説明する。上述のようにして、図16に
示すような基準物Sについて輪郭線Lb上の各画素の極
座標(ri ,αi )および方向値φi が求まると、同じ
方向値φk を持つ極座標(r i ,αi )をまとめること
ができる。つまり、方向値φi が取り得る値は有限個に
制限されており(たとえば、360度を16分割するこ
とで16種類の値のみ取り得るように量子化される)、
輪郭線Lb上の各画素の各極座標(ri ,αi)の画素
はいずれかの方向値φi を持つから、図17に示すよう
に、各方向値φ i ごとにその方向値φi を持つ極座標
(ri ,αi )を分類したテーブルを作成し、このテー
ブルを記憶装置に格納してテンプレートテーブルとして
用いるのである。
【0005】次に、テンプレートテーブルと対象物とを
比較して対象物の基準物Sに対する位置および角度を求
める方法について説明する。対象物は基準物Sと同様に
画像入力装置で撮像され、撮像によって得られた濃淡画
像から輪郭線Lbのような特徴となる対象画素群が抽出
される。ここで、テンプレートテーブルの作成に際して
輪郭線Lbを用いているから、図18に示すように、対
象物Tについても対象画素群として輪郭線Lcを用い
る。まず、輪郭線Lcの上の各画素について画像の水平
方向および垂直方向の座標軸を持つ直交座標系で座標
(xj ,yj )を求めるとともに各画素の方向値φj
求める。上記直交座標系は右手系であるものとする。
【0006】いま、対象物Tが基準物Sに対して、上記
直交座標系での位置が(x,y)であり角度がθである
ものとする。この場合、図19に示すように、上記直交
座標系で座標(xj ,yj )である画素が方向値φj
持っていたとすると、基準物Sの上でこの画素と等価な
画素の方向値φi は(φj −θ)になる。また、対象物
Tでは基準点OT が基準物Sの基準点OS に対して
(x,y)だけ位置しているから、基準物Sの基準点O
S の座標を(0,0)とすれば、対象物Tの基準点OT
は(x,y)であって、この基準点OT を原点とし基準
物Sの基準方向に対して角度θだけ回転した極座標系で
は、上記直交座標系での座標(xj ,yj )の画素の極
座標(rj ,αj )を、次式に示す一般化ハフ変換式で
表すことができる。 x=xj −rj ・cos(αj +θ) y=yj −rj ・sin(αj +θ) しかして、対象物Tの輪郭線Lcの上の画素が基準物S
の輪郭線Lbの上の画素と等価であれば、rj =ri
つαj =αi であるから、角度θを所定角度ずつ変化さ
せながら対象物Tの輪郭線Lcの上の画素の方向値φi
に対して(φi−θ)を求め、この値をテンプレートテ
ーブルのφi と照合することによって抽出した極座標
(ri ,αi )を上式に適用したときに、輪郭線Lcの
上の多数の画素について(x,y)がほぼ一致していれ
ば、そのときの角度θを対象物Tの角度とし、求めた
(x,y)を対象物Tの位置と考えることができる。
【0007】上述した原理に基づいて、テンプレートテ
ーブルを用いて対象物Tの基準物Sに対する位置および
角度を一般化ハフ変換を適用して求める方法として次の
ものが考えられている。すなわち、上述したように、対
象物Tの輪郭線Lcの上の画素について求めた方向値φ
j から適当に決めた角度θを減算した値をテンプレート
テーブルと照合して得た極座標(rj ,αj )および角
度θを一般化ハフ変換式に代入して得た座標(x,y)
の一致度を求めればよいから、一般化ハフ変換式の適用
によって得られた座標(x,y)の発生度数を求め、度
数が極大となれば一致度が高いと評価することができ
る。そこで、図20に示すように、対象物Tを含む画像
と同じサイズを有するアドレス空間(アキュムレータ配
列Aと称する)を各角度θごとに設け、各角度θごとに
一般化ハフ変換によって上述のようにして座標(x,
y)を求めたときに、その座標(x,y)に対応したア
ドレスのアキュムレータ配列Aの格納値を1だけインク
リメントする。このような処理によって、アキュムレー
タ配列Aの各アドレスには、一般化ハフ変換によってそ
のアドレスに対応する座標(x,y)が得られた度数が
格納される。
【0008】アキュムレータ配列Aに度数を格納する処
理を、各角度θごとに設けたすべてのアキュムレータ配
列Aに対して行なえば、角度θが対象物Tの角度θに一
致するアキュムレータ配列Aでは、特定の座標(x,
y)に対応したアドレスに格納された度数が他のすべて
のアキュムレータ配列Aの各アドレスに格納された度数
よりも高くなると考えられるから、このアキュムレータ
配列Aに対応した角度θが対象物Tの角度θであり、度
数のもっとも多いアドレスに対応した座標(x,y)が
対象物Tの位置(x,y)になる。
【0009】以上説明したように、一般化ハフ変換を適
用して対象物Tの基準物Sに対する位置および角度を求
めようとすると、角度を変化させる個数分のアキュムレ
ータ配列A(すなわち、記憶空間)が必要になる。たと
えば、角度θを1度ずつ変化させるとすれば、360個
のアキュムレータ配列Aが必要になり、大きな記憶空間
が必要になる。また、一般化ハフ変換の演算には三角関
数を含むから、このような演算を多数回に亙って行なう
と処理時間が非常に長くなるという問題が生じる。
【0010】この種の問題を解決する目的で、特開平2
−158888号公報では、対象物の濃淡画像から得た
情報を位置および角度が保存されるような圧縮方法で圧
縮した後に、上述のような一般化ハフ変換によって対象
物Tの位置および角度を求める方法が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記公報で提案されて
いる方法では、画像の圧縮によって記憶空間が削減され
かつ処理の高速化が図られているが、圧縮された画像の
みを用いて角度を認識するものであるから、角度分解能
が低いという問題がある。本発明は上記問題点の解決を
目的とするものであり、記憶空間を小さくしかつ高速な
処理を可能としながらも、位置および角度を高精度に検
出できる画像認識方法およびその装置を提供しようとす
るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、認識
すべき対象物の基準物に対する相対的な位置および角度
を求めるに際して、基準物の濃淡画像から抽出した特徴
部分の画素群の各画素の極座標と各画素の近傍の濃度勾
配を画像の基準方向に対する角度で表した方向値とを対
応付けたテンプレートテーブルを設けておき、対象物の
濃淡画像から抽出した特徴部分の画素群の各画素の座標
および方向値を求めた後、対象物に対する基準方向を所
定角度ずつ変化させて得た方向値をテンプレートテーブ
ルに照合することにより対象物から抽出した各画素の極
座標の候補を求め、次に設定した角度と極座標の候補と
に一般化ハフ変換を適用して得られる座標の発生度数を
各基準方向ごとに求め、度数が極大になる座標および基
準方向の角度をそれぞれ対象物の位置および角度とする
画像認識方法において、基準物に対する対象物の位置お
よび角度をあらかじめ低精度で抽出する前処理の後、求
めた位置および対象物の大きさに基づく制限された位置
範囲内、かつ求めた角度を含む制限された角度範囲内で
上記基準方向を変化させて対象物の位置および角度を求
めるようにし、前処理は、対象物を含むサイズの比較領
域を濃淡画像内で順次移動させるとともに、比較領域の
画素群の方向値のヒストグラムの最大度数とあらかじめ
基準物の特徴部分について求めた方向値のヒストグラム
の最大度数との差が許容範囲内であるときの比較領域の
位置を対象物の位置とし、かつそのときの両ヒストグラ
ムで最大度数となる方向値の差を対象物の角度とする
とを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】請求項2の発明では、一般化ハフ変換を適
用して得られる座標の発生頻度を格納するアキュムレー
タ配列は、対象物を含む濃淡画像と同じ座標空間を有す
る領域を中心として、水平方向と垂直方向とに対象物を
含む濃淡画像の3倍ずつの座標空間を有することを特徴
とする。
【0016】請求項の発明では、一般化ハフ変換を適
用して得られる座標の発生頻度を格納するアキュムレー
タ配列の座標空間の一部のサイズを有する位置検出マス
クをアキュムレータ配列内で順次移動させるとともに、
位置検出マスク内で所定のしきい値以上の度数を有する
領域の重心の位置を対象物の位置とすることを特徴とす
る。
【0017】
【0018】請求項の発明は、認識すべき対象物の基
準物に対する相対的な位置および角度を求める装置であ
って、対象物の濃淡画像から抽出した特徴部分の画素群
の各画素の座標および各画素の近傍の濃度勾配を画像の
基準方向に対する角度で表した方向値を求める第1の微
分処理回路と、基準物の濃淡画像から抽出した特徴部分
の画素群の各画素の極座標と方向値とを対応付けたテン
プレートテーブルと、対象物に対する基準方向を所定角
度ずつ変化させて得た方向値をテンプレートテーブルに
照合することにより対象物から抽出した各画素の極座標
の候補を求め、設定した角度と極座標の候補とに一般化
ハフ変換を適用して得られる座標の発生度数を各基準方
向ごとに求めるハフ変換回路と、度数が極大になる座標
および基準方向の角度をそれぞれ対象物の位置および角
度とする第1の位置角度検出回路とを備える画像認識装
置において、対象物を含むサイズの比較領域を濃淡画像
内で順次移動させるとともに、比較領域の画素群の方向
値のヒストグラムの最大度数があらかじめ基準物の特徴
部分について求めた方向値のヒストグラムの最大度数と
の差を求めるヒストグラム比較回路と、ヒストグラムの
最大度数の差が許容範囲内であるときの比較領域の位置
を対象物の位置とし、かつそのときの両ヒストグラムで
最大度数となる方向値の差を対象物の角度とする第2の
位置角度算出回路と、第2の位置角度算出回路で求めた
対象物の位置および対象物の大きさに基づく制限された
位置範囲、かつ求めた角度を含む制限された角度範囲内
とする2次処理範囲設定回路とを付加して成ることを特
徴とする。
【0019】
【作用】本実施例の基本的な処理手順を図14に示す。
各請求項の発明では、前処理(1次処理)で対象物の角
度を低精度で求めた後に、求めた角度を含む制限された
角度範囲でのみ従来の技術として説明した一般化ハフ変
換を適用した方法で対象物の位置および角度を求める処
理(2次処理)を行なう方法を採用している。このこと
によって、大きな記憶空間を必要とし処理量の多い一般
化ハフ変換によるマッチング処理のうち無駄な処理を低
減し、記憶空間および処理量の低減を図っているのであ
る。
【0020】ここでは、テンプレートテーブルはあらか
じめ作成されているものとする。対象物について画像入
力装置によって撮像して濃淡画像を得た後(101)、
濃淡画像の各画素に対して空間微分を行なって画像の水
平方向(x方向)および垂直方向(y方向)の微分値d
x、dyを求める(102)。次に、各画素の微分値d
x、dyが所定のしきい値以上か否かを判断する(10
3)。対象物と背景との境界で明るさが十分に変化する
ような照明を行なっていれば、この処理によって、対象
物の輪郭線を抽出することができる。ステップ103で
対象物の輪郭線上の画素が抽出されると、その画素につ
いて濃度勾配dy/dxの逆正接を求めてこの角度を方
向値とする(104)。ここに、方向値は有限な個数と
なるように量子化される。以上のような微分により輪郭
線を抽出し方向値を求める処理を全画素について行なっ
た後(105)、対象物の輪郭線上の画素について、画
像内に設定した直交座標系での座標(xj ,yj )およ
び方向値とφj を対応付けて図15に示すような方向値
データテーブルを作成し、記憶装置に格納する(10
6)。
【0021】次に1次処理によって対象物の位置および
角度を低精度で検出し(107)、また、既知である対
象物の寸法と1次処理で求めた位置とに基づいて画像内
で後述する2次処理を行なう空間領域を制限する(10
8)。また、1次処理によって求めた角度を含むような
角度範囲で2次処理を行なう角度範囲を制限する(10
9)。対象物を含む画像空間のうちステップ108で制
限した空間領域を対象物とのマッチング処理を行なう領
域とし(110)、かつステップ109で求めた角度範
囲の下限値を角度の初期値として設定する(111)。
【0022】以後の処理は従来の技術として説明したと
おりであって、空間領域および角度範囲を制限した状態
で、ステップ106で作成した方向値データテーブルか
ら対象物の輪郭線上の画素の方向値φおよび座標
(x,y)を順次読み出して一般化ハフ変換を
適用する(112)。一般化ハフ変換で用いる角度をス
テップ111で求めた初期値から所定角度(たとえば1
度)ずつ変化させ、各角度での一般化ハフ変換により座
標が求められると、各角度ごとに設けたアキュムレータ
配列において上記座標に対応するアドレスの格納値をイ
ンクリメントする(113)。ステップ109で制限し
た角度範囲の上限値に達するまでこのような処理を繰り
返す(114、115)。ステップ109で制限した角
度範囲での一般化ハフ変換による処理が終了した後、ア
キュムレータ配列中で格納値が最大になっているものを
検出し(116)、格納値が最大であるアキュムレータ
配列に対応した角度および格納値が最大であるアドレス
に対応した位置を求める(117)。その後、2次処理
を行なう空間領域が他に残っていれば(118)、その
空間領域に移動し(119)、ステップ110からの処
理を繰り返す。また、他の空間領域が残っていなければ
処理を終了する。
【0023】以上説明したように、1次処理によって対
象物の位置および角度を低精度で検出し、その位置と角
度とに基づいて2次処理を行なう空間領域および角度範
囲を制限し、制限された範囲で一般化ハフ変換を適用し
て高精度に位置および角度を求めるから、画像内のすべ
ての空間領域についてすべての角度で一般化ハフ変換を
適用する場合に比較して、記憶および処理すべきデータ
量が大幅に低減し、記憶空間および処理量の大幅が低減
を図ることができる。
【0024】
【実施例】以下の実施例では、対象物が部品であるもの
として説明する。 (基本例まず、基本例として1次処理において濃淡画像を圧縮し
た圧縮画像に対して一般化ハフ変換を適用することで、
部品の位置および角度を低精度で求める場合を例として
処理手順を説明する。 図1に示すように、基本的には作
用で説明した処理手順と同様であるが、部品の撮像後に
濃淡画像を一旦記憶し(201)、この濃淡画像に1次
処理を施した後に(202〜214)、先に記憶した濃
淡画像を読み出し微分処理を施して方向値データテーブ
ルを作成し(215〜219:図14の102〜106
に相当)、2次処理の空間領域および角度範囲を制限し
(220:図14の108〜109に相当)、2次処理
を行なう(221:図14の110〜119に相当)の
であり、1次処理を行なう順序が相違している
【0025】さらに具体的に説明すると、図2に示すよ
うに、画像入力装置としてのTVカメラ1により撮像し
て得た部品を含む濃淡画像を濃淡画像記憶部2に記憶
し、この濃淡画像に対して画像圧縮回路3で圧縮を施す
ようになっている。圧縮方法としては、図4(a)に示
すように画像の水平方向および垂直方向について一定個
数の画素毎(1つのます目が1画素を表す)に画素を取
り出し(取り出す画素に斜線を付してある)、取り出し
た画素を隣合わせに並べて図4(b)のような圧縮画像
を得る方法がある。すなわち、一定個数ずつ画素を間引
くのである。このような圧縮方法では、図3(a)に示
す元の画像に対して図3(b)に示すように部品の位置
や角度は保存される。また、元の濃淡画像から4画素毎
に画素を取り出すものとすれば、データ量は16分の1
に圧縮されることになる。つまり、濃淡画像における対
象物Tは圧縮画像では16分の1の大きさの対象物T′
として表され、角度は保存されるが位置は4分の1にな
る。
【0026】画像圧縮回路3で上述のようにして得た圧
縮画像に対して微分処理回路4では各画素の近傍(8近
傍)の画素の濃度を用いて水平方向(x方向)と垂直方
向(y方向)との濃淡の変化率(微分値dx、dy)を
求め、方向値記憶部5では、微分処理回路4で求めた微
分値dx、dyが所定のしきい値以上であるときにのみ
(すなわち、圧縮画像内で主として部品の輪郭線上と考
えられる画素について)微分値dx、dyを方向値ルッ
クアップテーブル6と照合して方向値φを求め、求めた
方向値φを圧縮画像内での画素の座標に対応付けて方向
値データテーブルとして記憶する。いま、圧縮画像内で
の画素の座標が(xp ,yp )であり、方向値がφp
あるとすれば、方向値記憶部5には、(xp ,yp ,φ
p )の3つ組が記憶される。方向値ルックアップテーブ
ル6は、微分値dx、dyと方向値φ(φ=Arctan(d
y/dx)であるから、量子化した微分値dx、dyを
与えることで、量子化された方向値φを得ることができ
る)とを対応付けてあらかじめ登録したテーブルであっ
て、微分処理回路4で求めた微分値dx、dyを入力す
れば、その微分値dx、dyに対応する方向値φを出力
する。
【0027】圧縮画像内で主として部品の輪郭線上の画
素についての方向値を求めた後、ハフ変換回路7では従
来の技術で説明した一般化ハフ変換の技術を適用して、
圧縮画像テンプレートテーブル8を参照することによ
り、圧縮画像内での部品についてのアキュムレータ配列
を作成する。圧縮画像テンプレートテーブル8は、圧縮
画像についてのテンプレートテーブルであり、基準とな
る部品について圧縮画像から求めた輪郭線上の各画素の
極座標を方向値ごとにまとめて格納したものである。ハ
フ変換回路7で作成されたアキュムレータ配列は位置角
度検出回路9に入力され、アキュムレータ配列の度数分
布に基づいて圧縮画像内での部品の位置および角度が求
められる。求めた位置は圧縮画像の作成時の画素の間引
き率に応じて補正され、また求めた角度はそのままで2
次処理範囲設定回路12に与えられる。
【0028】2次処理範囲設定回路12は、圧縮画像に
ついて求められた補正後の位置と既知である部品の大き
さとに基づいて元の濃淡画像内で部品が存在する位置範
囲を推定し、2次処理を行なう位置範囲を制限する。ま
た、2次処理範囲設定回路12は、圧縮画像について求
められた角度を含む比較的狭い範囲で2次処理を行なう
ように、2次処理を行なう角度範囲を制限する。このよ
うにして決定された2次処理の位置範囲および角度範囲
は2次処理サイズ記憶部13に格納される。
【0029】ここに、位置範囲は、圧縮画像について求
めた部品の1つの長辺に両端4画素ずつ加算した直線を
直径とする円に外接し一辺が画像の水平方向に平行な正
方形内とする。4画素ずつ加算しているのは元の濃淡画
像から4画素ずつ間引きして圧縮画像を作成したことに
より元の濃淡画像と圧縮画像とでは最大で4画素分のず
れが生じるからである。また、角度範囲は、後述する2
次処理で用いるテンプレートテーブル13に格納した極
座標の距離値のうちの最大値L(つまり、基準点からも
っとも遠い画素までの距離)に対して、(8/L)の逆
正接の角度(Arctan(8/L))を求め、圧縮画像から
求めた角度をψとするとき、ψ±Arctan(8/L)とし
て設定する。これは、基準点からの距離が最大となる2
画素間について圧縮画像と元の濃淡画像とではそれぞれ
最大で4画素分の誤差を有するからである。
【0030】2次処理を行なう位置範囲および角度範囲
が決まれば、処理範囲を制限する以外は圧縮画像と同様
の手順の処理を行なうことにより、部品の位置および角
度を求めることができる。すなわち、濃淡画像記憶部2
に格納されている元の濃淡画像の全画素について微分処
理回路10での微分処理を行なって各画素の微分値d
x、dyを求め、方向値記憶回路11では微分値dx、
dyが所定のしきい値以上である画素(主として部品の
輪郭線上の画素)についてのみ微分値dx、dyを方向
値ルックアップテーブル6と照合し方向値φを求め、画
素の座標と方向値との3つ組として記憶する。ここで、
方向値ルックアップテーブル6は、圧縮画像と共通に用
いることができる。
【0031】次に、方向値記憶回路11に記憶された3
つ組のうち、座標が2次処理範囲設定回路内である画素
についてのみハフ変換回路7でテンプレートテーブル1
4を参照して一般化ハフ変換を適用しアキュムレータ配
列を作成する。したがって、画像内で背景から抽出され
て方向値記憶回路11に記憶されている画素を除去する
ことができ、処理量が低減することになる。ここで、一
般化ハフ変換を適用する際に変更される角度は、2次処
理範囲設定回路12で決められた角度範囲に制限され
る。たとえば、2次処理範囲設定回路12において1次
処理で求めた角度に対して仮に±5度の範囲でアキュム
レータ配列を作成する角度範囲を制限しているとして
も、仮に0.5度刻みでアキュムレータ配列を作成する
としても20個のアキュムレータ配列を作成すればよい
から、360度について1度刻みで360個のアキュム
レータ配列を作成する場合よりも精度を高くしながら
も、処理量を大幅に低減できるのである。したがって、
この例で考えると、従来の技術に比較して1次処理での
処理量として16分の1を要し、2次処理での処理量と
して18分の1を要するのであり、両者を合わせても8
分の1を越えることはない。実際には、角度範囲は±5
度よりも小さい範囲に制限されるから、処理量はさらに
低減し、加えて、2次処理を行なう画素の位置範囲を制
限しているから、角度を求める精度を高くしても、全体
としての処理量が大幅に低減することがわかる。
【0032】ハフ変換回路7で作成されたアキュムレー
タ配列は位置角度検出回路9に入力されて、上述した処
理により部品の位置および角度が求められるのである。
以上の処理手順をまとめると図1のようになる。ここ
に、圧縮画像テンプレートテーブル8、テンプレートテ
ーブル14はあらかじめ作成されているものとする。上
述したように、図1は作用で説明した処理手順のうち、
ステップ202〜214が主な相違点であり、以後の処
理は作用で説明した処理手順に準じている。すなわち、
ステップ202〜214に示す1次処理では、部品につ
いて画像入力装置によって撮像して得た濃淡画像の各画
素に対して圧縮(ここでは16分の1)を施した後(2
02)、空間微分を行なって画像の水平方向(x方向)
および垂直方向(y方向)の微分値dx、dyを求める
(203)。次に、各画素の微分値dx、dyが所定の
しきい値以上か否かを判断し(204)、しいき値以上
の画素について濃度勾配dy/dxの逆正接を求めてこ
の角度を方向値とする(205)。微分処理により特徴
となる画素群を抽出し方向値を求める処理を全画素につ
いて行なった後(206)、抽出した画素群の画素につ
いて、画像内に設定した直交座標系での座標と方向値と
を対応付けて方向値データテーブルを作成し、記憶装置
に格納する(207)。
【0033】次に、角度を0度に設定して(208)、
方向値データテーブルの画素に一般化ハフ変換を施し
(209)、アキュムレータ配列を作成する(21
0)。この処理を角度が359度になるまで行ない(2
11、212)、すべての角度についてアキュムレータ
配列を作成した後に、アキュムレータ配列内の度数分布
を調べて極大値を求める(213)。度数が極大となっ
ている画素の座標が部品の位置を示し、そのアキュムレ
ータ配列に対応した角度が部品の角度として出力される
のである(214)。
【0034】(実施例) 本実施例は基本例とは1次処理が相違する。図5におけ
るステップ301〜306は、図14に示したステップ
101〜106と同じ処理であって、方向値データテー
ブルが作成される。また、図5におけるステップ31
3,314は図1に示したステップ220,221に相
当する。本実施例では、部品の輪郭線等の画素群の各画
素の方向値の度数分布に基づいて部品のおおよその角度
を検出して2次処理を行なう角度範囲を決定する。した
がって、以下では、図5におけるステップ307〜31
2についてのみ説明する。
【0035】いま、図7に示すように部品Tの輪郭線を
一方向(たとえば左回り)に追跡したときに4方向のみ
の成分しかなければ、理想的には方向値も4種類しかな
いことになる。そこで、図7のような形状の部品Tであ
れば、方向値のヒストグラムは図8に示すように4つの
ピークを持つことになる。このように、部品Tの形状に
よって方向値の度数分布のパターンに特徴が生じる。
【0036】上述したような方向値のヒストグラムを作
成するために、対象物についてはヒストグラムを作成す
る対象となる画素を抽出する領域を制限する(30
7)。すなわち、方向値データテーブルに格納されたの
画素のうち、図9のように部品Tの最長の特徴量(たと
えば、最長の対角線の長さなど)Mを直径とする円に外
接する大きさで一辺が画像の水平方向に平行な正方形を
比較領域を設定し、この比較領域内の画素について方向
値のヒストグラムを作成するのである。このようにして
得た比較領域を対象物を含む画像内で順次移動(ラスタ
走査など)させ、各位置での方向値の最大度数を求め
る。実際には方向値データテーブル内で上記正方形内の
座標を有する画素について方向値の最大度数と、その方
向値とを求める(308)。
【0037】次に、あらかじめ基準物Sの特徴部分につ
いて求めた最大度数と部品Tについて上述のようにして
求めた最大度数とを比較し、基準物の最大度数に対して
部品Tの最大度数が既定の許容範囲(たとえば、±10
%)以内であれば(309)、上述のようにして部品T
に対して設定した比較領域を2次処理の位置範囲として
用いる。
【0038】また、基準物Sと部品Tとについて、とも
に最大度数となる方向値の差を求める(310)。図1
0(a)に示す基準物Sについてのヒストグラムが図1
0(b)のようであるときに、部品Tが図11(a)に
示すように基準物Sに対して角度θだけ傾いていたとす
れば、図11(b)に示すような方向値のヒストグラム
についても角度θだけ度数分布が偏移するから、基準物
Sと部品Tとの最大度数となる方向値φ02,φ
差φ−φ02が角度θに相当する。このようにして
求めた角度θは方向値の度数分布から求めたものであ
り、比較的精度が低いから、この角度θに対して所定の
角度範囲を設定して2次処理を行なうのである。ステッ
プ309において基準物Sと部品Tとの最大度数の差が
許容範囲を越えている場合は、方向値データテーブルで
ヒストグラムを作成する領域を変更し、比較領域を次の
位置に移動させる(311)。
【0039】以上のような1次処理を行なうことによっ
て、1次処理の終了時点(312)では部品Tについて
2次処理を行なう位置範囲および部品Tのおおよその位
置がわかっているから、2次処理を行なう位置範囲およ
び角度範囲を決定することができ(313)、2次処理
(314)の処理量を大幅に低減できるのである。本実
施例を実現する装置は、図6に示すようなものであっ
て、TVカメラ1により撮像した濃淡画像を濃淡画像記
憶部2に格納し、この濃淡画像について微分処理回路4
で各画素の近傍の画素の濃度を用いて水平方向(x方
向)と垂直方向(y方向)との濃淡の変化率(微分値d
x、dy)を求め、方向値記憶部5では、微分処理回路
4で求めた微分値dx、dyが所定のしきい値以上であ
るときにのみ微分値dx、dyを方向値ルックアップテ
ーブル6と照合して方向値φを求め、求めた方向値φを
圧縮画像内での画素の座標に対応付けて方向値データテ
ーブルとして記憶する。微分処理回路4での微分処理に
はソーベルオペレータを用いる。
【0040】方向値のヒストグラムはヒストグラム算出
回路15で制限された領域内で求められ、基準物につい
てあらかじめ求めてあるヒストグラムを登録したヒスト
グラム分布データ記憶部16に登録されているヒストグ
ラムとヒストグラム比較回路17で最大度数が比較され
る。ヒストグラム比較回路17では、比較した最大度数
の差が所定の許容範囲内であれば、位置角度算出回路1
8では両方の方向値の差を求める。最大度数の差が許容
範囲を越えているときには、方向値データテーブルから
ヒストグラムを求める領域を広げ、最大度数の差が許容
範囲内になるまでこの処理を繰り返す。部品Tのサイズ
は既知であって、部品Tのサイズから2次処理を行なう
位置範囲のサイズもわかるから、2次処理を行なう位置
範囲のサイズを2次処理サイズ記憶部19にあらかじめ
格納しておき、位置角度算出回路18で求めた角度とそ
の角度を求めた領域と2次処理サイズ記憶部19に格納
されているサイズとに基づいて、2次処理範囲設定回路
12において2次処理を行なうための位置範囲および角
度範囲を設定する。位置範囲および角度範囲の決定方法
基本例と同様である。
【0041】2次処理のための位置範囲および角度範囲
が決まれば、方向値記憶部5に格納されている画素の座
標と方向値との3つ組のうち、座標が位置範囲内である
ものを抽出し、ハフ変換回路7でテンプレートテーブル
14を参照して一般化ハフ変換を適用しアキュムレータ
配列を作成する。この段階で、画像内で背景から抽出さ
れて方向値記憶回路5に記憶されている画素を除去する
ことができ、処理量が低減する。また、一般化ハフ変換
を適用する際に変更される角度は、2次処理範囲設定回
路12で決められた角度範囲に制限されるから、角度を
求める精度を高くしても、全体としての処理量が大幅に
低減する。ハフ変換回路7で作成されたアキュムレータ
配列は位置角度検出回路9に入力されて、従来の技術で
も説明した処理により部品の位置および角度が求められ
る。他の処理手順および構成については基本例と同様で
ある。
【0042】実施例1では、アキュムレータ配列を作成
する際に従来の技術とし説明したテンプレートテーブ
ルを使用していたが、部品Tの位置および角度を求める
演算を行なう際の演算量を低減させるようにテンプレー
トテーブルを作成することもできる。
【0043】すなわち、実施例1で用いたテンプレート
テーブルは、図17に示したように、基準物Sについて
の方向値φに、基準物Sの特徴となる画素群(たと
えば、輪郭線上の画素群)の各画素の極座標を対応付け
たものである。一方、アキュムレータ配列を作成する際
には、部品Tについて求めた方向値φから各アキュ
レータ配列ごとに設定する角度θを減算した値φ
θをテンプレートテーブルの方向値φと照合し、
(φ−θ)の方向値に対応した極座標(r,α
)を抽出して、この極座標(r,α)に一
般化ハフ変換式を適用している。ここで、一般化ハフ変
換式におけるr・cos(α+θ)およびr
sin(α+θ)の項は、角度θと方向値φとが決
まればテンプレートテーブルを用いることで決定するこ
とができる値であるから、あらかじめ演算して求めてお
くことができる。つまり、 Cxj=r・cos(α+θ) Cyj=r・sin(α+θ) とおけば、 x=x+Cxj y=y+Cyj であるから、φ−θ=φ′とし、角度φ
に(Cxj,Cyj)の組を対応付けてテンプレートテ
ーブルとして格納しておけば、部品Tについて求めた方
向値φから各アキュレータ配列ごとに設定する角度
θを減算した値φ−θと、新たに設けたテンプレー
トテーブルの角度φ′とを照合して、この角度φ
′に対応する(Cxj,Cyj)の組を抽出して一
般化ハフ変換に用いるようにすれば、部品Tの位置およ
び角度を求める処理を行なう間には三角関数の演算が不
要になり、実際の計測時における処理の高速化を図るこ
とができる。
【0044】他の構成および動作は実施例1と同様であ
る。 (実施例) 本実施例は、アキュムレータ配列の記憶空間を上記実施
例よりも広くすることによって、アキュムレータ配列の
作成に要する時間を短縮したものである。通常、アキュ
ムレータ配列は、部品Tを含む画像と同じアドレス空間
を持っていれば部品の位置および角度を認識するには十
分であるが、部品Tがアドレス空間の中央付近に位置し
ていなかったり、部品Tがアドレス空間よりも大きかっ
たりすると、一般化ハフ変換の演算結果の一部しかアキ
ュムレータ配列に格納できなくなる。したがって、一般
には演算結果がアキュムレータ配列のアドレス空間内で
あることを確認する処理が必要になっている。本実施例
は、このような確認処理を不要にするために、アキュム
レータ配列のアドレス空間を十分に大きくしたものであ
る。
【0045】具体的には、図12に示すように、通常の
アキュムレータ配列Aを中心として同じサイズのア
ドレス空間を持つ8個のアキュムレータ配列A〜A
を追加しているのであって、上記実施例で用いたアキ
ュムレータ空間の9倍のアドレス空間を有している。こ
のようにアキュムレータ配列A〜Aのアドレス
空間を非常に大きくとったことによって、一般化ハフ変
換による演算結果について確認処理を行なうことなくア
キュムレータ配列A〜Aに格納することができ
る。他の構成および動作は実施例1と同様である。
【0046】上述のように、アキュムレータ配列A
〜Aに要する記憶空間が大きくなっているが、実施
1で説明したように、圧縮画像に対してアキュムレー
タ配列を作成したり2次処理を行なう角度範囲を制限し
てアキュムレータ配列を作成するから、記憶空間の総量
は極端に大きくなることがなく、従来構成よりも小さい
記憶空間での実現が可能である。
【0047】(実施例) 上記実施例においては、アキュムレータ配列において度
数が最大になる画素が1個であると仮定しているが、実
際には最大度数となる画素が複数個存在することが多
い。本実施例ではアキュムレータ配列における最大度数
の画素を精度よく求める方法を示す。
【0048】処理手順は図13に示す通りであって、実
施例1のような処理手順でアキュムレータ配列を作成し
た後(401)、所定サイズを有する正方形の位置検出
マスクを発生させる(402)。また、2次処理を行な
う位置範囲および角度範囲の初期値を設定し(40
3)、位置範囲の初期値の位置に位置検出マスクの左上
隅を一致させる(404)。次に、位置検出マスク内の
度数を所定のしきい値で2値化し(405)、位置検出
マスク内でしきい値以上の度数を有する部位のの幾何学
的な重心位置を求める(406)。ここで、2値化のし
きい値は、テンプレートテーブルに登録される画素数に
基づいて、その画素数よりもやや小さい値に設定され
る。また、重心位置は度数を2値化したことにより度数
分布に関係なく幾何学的に決まることになる。このよう
にして求めた重心位置の座標および度数と、そのアキュ
ムレータ配列に対応する角度θとを記憶する(40
7)。
【0049】以後、位置検出マスクの座標を変更し、ま
た角度θを変更しながら上述の処理を繰り返し(40
8、409)、2次処理を行なう位置範囲および角度範
囲のすべてのアキュムレータ配列について上記処理結果
が得られると、記憶した度数について所定のしきい値以
上の度数が得られていれば(410)、その角度θを対
象物Tの角度とし、その重心位置を対象物Tの位置とし
て出力する(411、412)。他の構成および処理手
順は実施例1と同様である。
【0050】
【発明の効果】請求項1の発明は、認識すべき対象物の
基準物に対する相対的な位置および角度を一般化ハフ変
換を用いて求めるに際して、対象物の位置および角度を
低精度で求める前処理の後に、前処理で求めた位置およ
び対象物の大きさに基づく制限された位置範囲、かつ前
処理で求めた角度を含む制限された角度範囲で、一般化
ハフ変換を適用して対象物の位置および角度を高精度に
求めるから、比較的処理量の少ない前処理で対象物のお
およその位置および角度を把握した後に、制限された範
囲内でのみ高精度の処理を行なうことになり、全体を高
精度に処理する場合に比較して処理量が大幅に低減し、
処理に用いる記憶空間の低減および処理速度の向上につ
ながるという利点がある。しかも、前処理では、対象物
を含むサイズの比較領域の画素群の方向値のヒストグラ
ムの最大度数を基準物の特徴部分の方向値のヒストグラ
ムと比較し、この差が所定範囲内であるときの比較領域
の位置を対象物の位置とし、かつその差を対象物の角度
とするのであって、元の濃淡画像から位置および角度を
求める場合よりも前処理での処理量は非常に少ないもの
になる。
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】請求項の発明のように、一般化ハフ変換
を適用して得られる座標の発生頻度を格納するアキュム
レータ配列を、対象物を含む濃淡画像の9倍の大きさに
設定すれば、一般化ハフ変換を適用して座標がアキュム
レータ配列内に入るか否かの判定を行なう必要がなく、
判定処理が削除できる分だけ処理量が低減する。請求項
の発明のように、一般化ハフ変換を適用して得られる
座標の発生頻度を格納するアキュムレータ配列の座標空
間の一部のサイズを有する位置検出マスク内で所定のし
きい値以上の度数を有する領域の重心の位置を対象物の
位置とすれば、度数が最大になる座標が複数個存在して
いる場合でも、もっともらしい1つの座標に決定するこ
とができる。
【0055】請求項4の発明は、請求項1の発明を実現
する装置であって、請求項1の発明と同様の効果を奏す
【図面の簡単な説明】
【図1】基本例の処理手順を示す流れ図である。
【図2】基本例のブロック図である。
【図3】基本例における圧縮画像の概念説明図である。
【図4】基本例における圧縮画像の作成例を説明する図
である。
【図5】実施例の処理手順を示す流れ図である。
【図6】実施例のブロック図である。
【図7】実施例の原理説明図である。
【図8】実施例の原理説明図である。
【図9】実施例における比較領域の設定例を示す図で
ある。
【図10】実施例での基準物に対する方向値のヒスト
グラムの例を示す図である。
【図11】実施例での対象物に対する方向値のヒスト
グラムの例を示す図である。
【図12】実施例におけるアキュムレータ配列の設定
例を示す概念説明図である。
【図13】実施例の処理手順を示す流れ図である。
【図14】本発明の基本の処理手順を示す流れ図であ
る。
【図15】本発明に用いる方向値テーブルの例を示す図
である。
【図16】基準物における極座標と方向値との概念説明
図である。
【図17】テンプレートテーブルの例を示す図である。
【図18】対象物の座標と方向値との概念説明図であ
る。
【図19】一般化ハフ変換の概念説明図である。
【図20】アキュムレータ配列の概念説明図である。
【符号の説明】
1 TVカメラ 2 濃淡画像記憶部 3 画像圧縮回路 4 微分処理回路 5 方向値記憶部 6 方向値ルックアップテーブル 7 ハフ変換回路 8 圧縮画像テンプレートテーブル 9 位置角度検出回路 10 微分処理回路 11 方向値記憶回路 12 2次処理範囲設定回路 13 2次処理サイズ記憶部 14 テンプレートテーブル 15 ヒストグラム算出回路 16 ヒストグラム分布データ記憶部 17 ヒストグラム比較回路 18 位置角度算出回路 19 2次処理サイズ記憶回路 S 基準物 T 対象物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐久間 ▲祐▼治 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−182881(JP,A) 特開 昭62−77689(JP,A) 特開 平4−24773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06T 7/00 G06T 7/60

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 認識すべき対象物の基準物に対する相対
    的な位置および角度を求めるに際して、基準物の濃淡画
    像から抽出した特徴部分の画素群の各画素の極座標と各
    画素の近傍の濃度勾配を画像の基準方向に対する角度で
    表した方向値とを対応付けたテンプレートテーブルを設
    けておき、対象物の濃淡画像から抽出した特徴部分の画
    素群の各画素の座標および方向値を求めた後、対象物に
    対する基準方向を所定角度ずつ変化させて得た方向値を
    テンプレートテーブルに照合することにより対象物から
    抽出した各画素の極座標の候補を求め、次に設定した角
    度と極座標の候補とに一般化ハフ変換を適用して得られ
    る座標の発生度数を各基準方向ごとに求め、度数が極大
    になる座標および基準方向の角度をそれぞれ対象物の位
    置および角度とする画像認識方法において、基準物に対
    する対象物の位置および角度をあらかじめ低精度で抽出
    する前処理の後、求めた位置および対象物の大きさに基
    づく制限された位置範囲内、かつ求めた角度を含む制限
    された角度範囲内で上記基準方向を変化させて対象物の
    位置および角度を求めるようにし、前処理は、対象物を
    含むサイズの比較領域を濃淡画像内で順次移動させると
    ともに、比較領域の画素群の方向値のヒストグラムの最
    大度数とあらかじめ基準物の特徴部分について求めた方
    向値のヒストグラムの最大度数との差が許容範囲内であ
    るときの比較領域の位置を対象物の位置とし、かつその
    ときの両ヒストグラムで最大度数となる方向値の差を対
    象物の角度とすることを特徴とする画像認識方法。
  2. 【請求項2】 一般化ハフ変換を適用して得られる座標
    の発生頻度を格納するアキュムレータ配列は、対象物を
    含む濃淡画像と同じ座標空間を有する領域を中心とし
    て、水平方向と垂直方向とに対象物を含む濃淡画像の3
    倍ずつの座標空間を有することを特徴とする請求項1記
    載の画像認識方法。
  3. 【請求項3】 一般化ハフ変換を適用して得られる座標
    の発生頻度を格納するアキュムレータ配列の座標空間の
    一部のサイズを有する位置検出マスクをアキュムレータ
    配列内で順次移動させるとともに、位置検出マスク内で
    所定のしきい値以上の度数を有する領域の重心の位置を
    対象物の位置とすることを特徴とする請求項1記載の画
    像認識方法。
  4. 【請求項4】 認識すべき対象物の基準物に対する相対
    的な位置および角度を求める装置であって、対象物の濃
    淡画像から抽出した特徴部分の画素群の各画素の座標お
    よび各画素の近傍の濃度勾配を画像の基準方向に対する
    角度で表した方向値を求める第1の微分処理回路と、基
    準物の濃淡画像から抽出した特徴部分の画素群の各画素
    の極座標と方向値とを対応付けたテンプレートテーブル
    と、対象物に対する基準方向を所定角度ずつ変化させて
    得た方向値をテンプレートテーブルに照合することによ
    り対象物から抽出した各画素の極座標の候補を求め、設
    定した角度と極座標の候補とに一般化ハフ変換を適用し
    て得られる座標の発生度数を各基準方向ごとに求めるハ
    フ変換回路と、度数が極大になる座標および基準方向の
    角度をそれぞれ対象物の位置および角度とする第1の位
    置角度検出回路とを備える画像認識装置において、対象
    物を含むサイズの比較領域を濃淡画像内で順次移動させ
    るとともに、比較領域の画素群の方向値のヒストグラム
    の最大度数があらかじめ基準物の特徴部分について求め
    た方向値のヒストグラムの最大度数との差を求めるヒス
    トグラム比較回路と、ヒストグラムの最大度数の差が許
    容範囲内であるときの比較領域の位置を対象物の位置と
    し、かつそのときの両ヒストグラムで最大度数となる方
    向値の差を対象物の角度とする第2の位置角度算出回路
    と、第2の位置角度算出回路で求めた対象物の位置およ
    び対象物の大きさに基づく制限された位置範囲、かつ求
    めた角度を含む制限された角度範囲内とする2次処理範
    囲設定回路とを付加して成ることを特徴とする画像認識
    装置。
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