JP2989076B2 - 端末網制御装置 - Google Patents

端末網制御装置

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JP2989076B2
JP2989076B2 JP4212871A JP21287192A JP2989076B2 JP 2989076 B2 JP2989076 B2 JP 2989076B2 JP 4212871 A JP4212871 A JP 4212871A JP 21287192 A JP21287192 A JP 21287192A JP 2989076 B2 JP2989076 B2 JP 2989076B2
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実 齋藤
孝之 辻井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、端末網制御装置に
し、特に、内蔵される塩化チオニール系リチウム電池な
どの一次電池の電圧低下についての判断機能の改良およ
びリフレッシュ機能の改良が図られる端末網制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より家庭用LPG、都市ガスなどの
供給管理、ガスの使用料管理あるいはガス漏れなどの安
全管理の自動化のために、一般加入電話回線を利用した
遠隔自動検針システムが広く導入されつつある。この検
針システムでは、各家庭に端末網制御装置が設けられ
る。端末網制御装置は一般加入の電話回線を介してガス
会社などが供給するセンター装置(ホストコンピュー
タ)に通信接続されるとともに、各家庭に設けられるガ
スメータ、ガス漏れ警報器あるいは電話機などをデータ
端末装置として接続する。遠隔自動検針する際には、セ
ンター装置からノーリンギング呼出しにより、この端末
網制御装置を介して接続されるデータ端末装置が呼出さ
れて通信回線が確立された後、検出データが送信され
て、センター装置側でデータ収集が行なわれる。また、
定期的に端末発呼してデータ端末装置側のデータをセン
ター装置側に送信するようにもしている。また、端末網
制御装置は一般加入電話回線を介して着信する呼を受信
し、応じて接続される電話機と電話回線とを通信接続す
るように動作している。
【0003】上述した従来の端末網制御装置には商用電
源、あるいはアダプタによる電源供給がなされていた
が、近年の技術革新によるIC(集積回路の略)の低消
費電力および一次電池の高性能化、長寿命化により端末
網制御装置の主電源として一次電池が使用されるように
なった。
【0004】特に、端末網制御装置は、長期にわたる安
定動作を維持するために、一般に塩化チオニール系リチ
ウム電池が搭載される。この塩化チオニール系リチウム
電池は、電池自体の長寿命化を達成するために、放電電
流が数μA程度の場合には、電池の陽極部に塩化リチウ
ム膜(以下、塩化膜と呼ぶ)を成長させて、自己放電を
低減させるようにしている。しかしながら、この塩化膜
の成長は、電池自身の内部抵抗を引上げる原因ともなっ
ていた。
【0005】従来、塩化チオニール系リチウム電池は、
一般に機器のメモリバックアップを目的として使用され
ていた。メモリバックアップのためにこの塩化チオニー
ル系リチウム電池が用いられる場合、その放電電流はメ
モリ容量に依存して数μA程度であるために、陽極部に
塩化膜が大きく成長して内部抵抗が数百Ωまで増加す
る。しかしながら、メモリバックアップのために必要と
される放電電流は前述したように数μA程度であるた
め、電池の内部抵抗が上昇したとしても電池端子電圧へ
の悪影響は非常に少ないので、メモリバックアップのた
めにこの塩化チオニール系リチウム電池を用いることは
問題とならなかった。なお、この塩化チオニール系リチ
ウム電池は、低レベルの放電時に塩化膜が成長するが、
高レベルの電流(数十mA)の放電時には電池電圧が低
下していく。そして一度低レベルの放電に移り、再度高
レベルの放電に移った場合には、塩化膜の発生がなかっ
たごとく内部抵抗値が低下する。これは、大電流放電時
には、塩化膜の一部が破損し、数十秒程度の高レベル放
電動作により塩化膜が除去されたふるまいをするためで
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さて、端末網制御装置
にこの塩化チオニール系リチウム電池を主電源として使
用する場合、前述した電池の陽極部において成長する塩
化膜が原因となり装置に供給される電圧が低下するとい
う問題があった。詳細には、端末網制御装置の動作モー
ドとしては通信モードおよび待機動作モード(スタンバ
イ)がある。通信動作モードにおいては、塩化チオニー
ル系リチウム電池の放電電流は20mA程度であり、そ
れに対して待機動作モードにおいては放電電流は数μA
程度である。したがって、待機動作モードから通信動作
モードに移った場合には、放電電流はおよそ1×103
倍に変化する。また、端末網制御装置の動作モードの大
半はスタンバイであるために、前述したようにその期
間、塩化膜が成長し続ける。これが原因となり塩化チオ
ニール系リチウム電池の内部抵抗が増加する。そしてこ
の装置がたとえば月1回程度の通信動作モードに移行し
たとき、直前までのスタンバイ期間にて上昇した内部抵
抗が原因で、塩化チオニール系リチウム電池の電池容量
が十分であっても電池端子電圧が低下して放電電流が十
分に得られないという問題があった。
【0007】この電圧低下を未然に防止するためには、
所定期間ごとに一定時間高レベルの放電動作(リフレッ
シュ動作)を繰り返し実行することが考えられる。
【0008】しかし上記一定時間の放電動作をさせる場
合において、内部抵抗が上昇した場合には、実際には電
池容量が低下していないにもかかわらず、電池電圧検知
回路が電池低下と判定しセンターに電池低下情報を送信
する場合があった。
【0009】また、通信動作モード時には、放電電流は
20mA程度であるが、電池の寿命を考慮して、受信動
作時には受信回路のみに電流を供給し、送信回路への電
流供給を停止するなどして、不要な電流消費を避けてい
る。したがって、放電電流は20mA程度から数μAま
での間で変動する。それに伴い電池の端子電圧が図14
に示すように変動する。
【0010】図14は通信動作モードにおける負荷の切
換によって変動する電池電流と電池電圧を示す図であ
る。図14において、VTHは電池電圧を検知するため
のスレッショルド電圧である。この図から明らかなよう
に、通信動作モードでは、電池電圧は負荷の切換によっ
て変化し塩化チオニール系リチウム電池は活性化されな
い場合がある。したがって、一定のスレッショルド電圧
VTHによって一律に電池電圧の低下を判断したので
は、電池容量が十分であるにもかかわらず、電池電圧低
下情報を出す可能性がある。
【0011】また、塩化膜による電池電圧の低下を防止
するには、放電電流のレベルを高くしたり、前記リフレ
ッシュ動作の回数を増加させることが考えられるが、こ
のようにすると、塩化チオニール系リチウム電池の使用
寿命を短くし、維持費のコストアップとなる。
【0012】
【0013】この発明の目的は、塩化チオニール系リチ
ウム電池などの一次電池を電源とする端末網制御装置に
おいて、正確な電池電圧低下情報を出力することであ
る。
【0014】この発明のさらにもう1つの目的は、塩化
チオニール系リチウム電池を搭載する端末網制御装置に
おいて、電池の寿命を長くし、かつ塩化膜による電池電
圧の低下を付勢することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明に係る端末網制
御装置には通信回線が接続される。そしてこの端末網制
御装置は通信回線を介してセンターと情報を送受信する
情報通信手段と、塩化チオニール系リチウム電池を含む
一次電池を少なくとも有する電源手段と、一次電池の電
圧低下を監視する電池電圧監視手段とを備える。電池電
圧監視手段は、一次電池の電圧を検出する電圧検出手段
と、電源手段と複数の負荷のそれぞれとの接続を予め定
められた順番で行なうとともに、接続された負荷に、対
応の出力電流を電源手段を制御して供給する接続制御手
段と、複数の負荷のそれぞれに対応して設定される複数
のしきい値電圧を記憶した記憶手段と、接続制御手段に
よる複数の負荷の接続順番に従って、電圧検出手段によ
り順次検出される電圧と、記憶手段中の複数のしきい値
電圧のうち対応するしきい値電圧との差に基づいて、一
次電池の電圧低下を判定する判定手段とを有する。端末
網制御装置はさらに、接続順番に従って順次接続される
負荷ごとに、判定手段により一次電池の電圧低下が1回
以上判定されたときは、情報通信手段を介してセンター
に電池電圧低下情報を送出する制御手段を備える。
【0016】前述の端末網制御装置において、しきい値
電圧は周囲温度に応じて補正される。
【0017】この発明の他の局面に係る端末網制御装置
は通信回線に接続され、センターと情報を送受信する情
報通信回路と、低レベルの放電に伴って内部に塩化膜が
成長し、高レベルの放電により塩化膜が除去される塩化
チオニール系リチウム電池を含む電源回路とを備える装
置であり、さらに温度検知手段および制御手段を含む。
温度検知手段は、塩化チオニール系リチウム電池の周囲
温度を検知する。制御手段は、温度検知手段により検知
された周囲温度に応じて前述の高レベルの放電動作を行
なわせる周期を変化させる。
【0018】
【0019】
【0020】
【作用】この発明に係る端末網制御装置では、接続手段
により複数の負荷のそれぞれと電源手段とを予め定めら
れた順番に従って接続し、各負荷に対応の電流を供給し
ている。そして、各負荷に与えた消費電流(供給電流)
に対する電池電圧と記憶手段に記憶された対応するしき
い値電圧との差に基づいて、該負荷が電源手段に接続さ
れた場合の一次電池に関する電池電圧低下が判定され
る。そして、複数の負荷の少なくとも1つに対する電池
電圧低下(電圧不足)があれば、制御手段により電池電
圧低下情報が送信される。
【0021】さらに、しきい値電圧を周囲温度に応じて
設定する場合には、周囲温度の変動に伴って変動する一
次電池の電圧の変動分を補正することができるので、一
次電池の電圧低下を正確に判定できる。
【0022】この発明の他の局面に係る端末網制御装置
では、温度検知手段により、塩化チオニール系リチウム
電池の周囲温度が検知されて、制御手段は、検知された
周囲温度に応じて高レベルの放電動作を行なわせる周期
を変化させている。したがって塩化膜による電池電圧の
低下を効率的に抑制することができる。なお、塩化膜
は、周囲温度の上昇に応じて成長速度が速くなることが
知られているからこの発明に係る端末の制御装置では、
周囲温度の変化に伴って塩化膜が成長することに着目
し、リフレッシュ動作を行なわせる周期を可変設定する
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して詳細に説明する。
【0024】以下に説明する端末網制御装置は、一般加
入電話回線を利用し、接続するデータ端末装置からの検
針データをセンター装置に通信する、あるいはセンター
装置からのノーリンギング呼出しに応じて、接続するデ
ータ端末装置を呼出し検針データを収集するような遠隔
自動検針システムに採用される端末網制御装置を挙げて
いるが、このような遠隔自動検針システムに採用される
ものに特定されない。
【0025】図1は、この発明の一実施例による端末網
制御装置30の概略ブロック図である。
【0026】図1において端末網制御装置30は、主電
源として塩化チオニール系リチウム電池(以下、バッテ
リと呼ぶ)1、定電圧回路2、マイコン(マイクロコン
ピュータの略)3A、極性反転検出部4、メーターイン
タフェース(メーターI/F)5および6、トランジス
タ7および8、トランジスタ7および8に関連して設け
られる抵抗16ないし19、電池電圧検知回路9を含
む。さらに、端末網制御装置30は、トーンデコーダ部
11、モデム部12、トーンダイヤラ部13、回線制御
および結合部14ならびに端子部15を含む。
【0027】定電圧回路2は、バッテリ1から供給され
る電圧を、所定電圧レベルに変換してマイコン3A、メ
ーターI/F5および6ならびにトランジスタ7のエミ
ッタ側に供給する。電池電圧検出回路9はバッテリ1の
端子電圧を受けるように接続され、バッテリ1の端子電
圧と予め定められた一つのしきい値電圧VTHとを比較
する。マイコン3Aの内部構成については後述するが、
マイコン3Aはこの装置30の動作を集中的に管理およ
び制御するために設けられる。また、マイコン3Aは定
電圧回路2から供給される電圧を極性反転検出部4に供
給するとともに、トランジスタ7および8のベース側に
供給してこれらトランジスタのON/OFF駆動を制御
する。トランジスタ7はマイコン3AによりONされる
と、バッテリ1からの供給電圧をトーンデコーダ部11
に与えるよう動作する。トランジスタ8はトランジスタ
7に引続きマイコン3AによりONされると、バッテリ
1からの供給電圧をモデム部12およびトーンダイヤラ
部13に供給するよう動作する。
【0028】端子部15は、一般加入の電話回線を接続
するとともに宅内に設置される電話機を接続する。極性
反転検出部4は端子部15および電話回線を経由した呼
の着信により極性が反転されると、応じて極性反転割込
信号INT1をマイコン3Aに与える。
【0029】上述した端末網制御装置30の動作状態は
通信動作モードと待機動作モード(スタンバイモード)
からなる。
【0030】端末網制御装置30のスタンバイモードに
おいては、バッテリ1の供給電圧は定電圧回路2を介し
て定電圧化されてマイコン3A、極性反転検出部4およ
びメーターI/F5および6に供給される。このとき、
バッテリ1の放電電流は通常10〜30μA程度であ
る。
【0031】通信動作モード、特にノーリンギング通信
の場合、まず電話回線および端子部15を介して極性反
検出部4に呼が着信し、応じて極性反転されて極性反
転割込信号INT1がマイコン3Aに与えられる。マイ
コン3Aは割込信号INT1の入力に応じてスタンバイ
モードから通信動作モードに移行する。このとき、次に
着信するであろうノーリンギング信号(NRS信号)を
検出して解読するために、マイコン3Aはトランジスタ
7のベース側に抵抗17を介して所定電圧を印加し、ト
ランジスタ7をオンし、応じてバッテリ1からトーンデ
コーダ部11への電源供給経路が確立される。これによ
り、この端末網制御装置30は、NRS信号受信可能状
態に移行する。その後、NRS信号を受信すると、トー
ンデコーダ部11はこれを解読し、マイコン3AにNR
S信号着信を報知する。マイコン3Aは、NRS信号着
信に応じてトランジスタ8のベース側に抵抗18を介し
て所定電圧を印加し、応じてトランジスタ8はオンされ
る。これにより、トランジスタ8を介してバッテリ1と
モデム部12、およびバッテリ1とトーンダイヤラ部1
3との電源供給経路が確立される。このように、トラン
ジスタ7および8がON状態となり各回路に電源が供給
されてこの装置30は通信動作モードに移行するので、
バッテリ1の放電電流は約20mAとなる。以上のよう
に、端末網制御装置30はスタンバイモードにおいては
マイコン3Aとその周辺回路にバッテリ1からの電源供
給がわずかに行なわれるが、一旦、通信動作モードに移
行するとトランジスタ7および8がON制御されて、ト
ーンデコーダ部11、モデム部12およびトーンダイヤ
ラ部13にも電源供給が行なわれ、バッテリ1の放電電
流は20mAにまで達する。
【0032】図2は、図1に示されたマイコン3Aの概
略ブロック図である。図2において、マイコン3AはC
PU(中央処理装置の略)20、CPU20に接続され
るROM(リードオンリーメモリ)21、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)22、I/O(入出力)インタフ
ェース23、および発振回路25を接続したカウンタ回
路24を含む。
【0033】ROM21は所定のプログラムおよびデー
タをストアするための記憶領域である。RAM22は、
記憶領域22a、22b、22c、22dおよび22e
を含む。記憶領域22aには、この端末制御装置30が
ノーリンギング通信に移行した場合にセットされる通信
フラグTFGがストアされる領域である。記憶領域22
b、22cおよび22dは、電池フラグ1、電池フラグ
2、電池フラグ3がそれぞれストアされるための領域で
ある。電池フラグ1ないし3は、電池電圧低下検知フラ
グでありその詳細は後述する。記憶領域22eは、タイ
マTRがストアされる記憶領域である。これらの記憶領
域にストアされる各データは、CPU20がROM21
に予めストアされるプログラムを実行する際に適宜アク
セスして読書きされるデータである。
【0034】I/Oインタフェース23は、図1に示さ
れるマイコン3Aと各種回路とを接続するために設けら
れる回路である。
【0035】カウンタ回路24は、安定して発振する発
振回路25からの発振信号を入力し、応じてカウンタ動
作し、たとえば0.5秒ごとに時計用タイマ割込信号I
NT2をCPU20に与えるよう動作する。
【0036】図3は、この発明の一実施例による極性反
転割込信号により起動される端末網制御装置30の動作
を示す概略処理フロー図である。
【0037】図4は、この発明の一実施例による時計用
タイマ割込信号により起動される端末網制御装置30の
動作を示す概略フロー図である。
【0038】図3および図4に示される処理フローのそ
れぞれは、予めプログラムとしてROM21にストアさ
れ、CPU20の制御の下に実行される。
【0039】次に、図3および図4の処理フローを参照
して、図1に示された端末網制御装置30の動作につい
て説明する。この動作を要約すると、端末網制御装置3
0は、バッテリ1の陽極部に生成された塩化膜が原因と
なってバッテリ1の端子電圧が低下するのを防止するた
めに、一定周期(たとえば、1日)ごとに、端末網制御
装置30が一定時間TR(たとえば10秒)動作するこ
とにより、バッテリ1の放電動作を強制的に促してい
る。この動作状態において、電池電圧検知回路9の出力
が、電池電圧低下検知信号を出力した場合には、一定時
間TR動作した後、スタンバイモードに移り、次の周期
(たとえば10分)に端末網制御装置30が再度一定時
間TR動作し、前回のバッテリ1の放電動作を再確認す
るものである。たとえば1回目の放電動作において、バ
ッテリ1の内部に生成された塩化膜が除去できなかった
場合には、2回目の放電動作により、電池電圧検知回路
9の出力が正常出力となり、次の所定周期(0時00
分)まで外部割込入力がない限りスタンバイモードとな
る。しかし、2回目の放電動作にて電池電圧検知回路9
の出力が電池電圧低下出力となった場合には、バッテリ
1の塩化膜の成長による内部抵抗の増大ではなく、バッ
テリ1の容量低下であるために、端末網制御装置30
は、センターへの電池電圧低下情報を送出する処理に移
行する。
【0040】前述したように、端末網制御装置30は、
大半スタンバイモードにある。マイコン3AのCPU2
0は通常はスタンバイモードにあり、バッテリ1を介し
て供給される微少電流により駆動される。マイコン3A
はスタンバイモードにあるとき、極性反転検出部4が極
性反転されたことにより、極性反転割込信号INT1が
入力されると、応じて図3に示される処理フローを実行
する。
【0041】CPU20は、図3のステップST1(図
中、ST1と略す)において、極性反転検出部4により
検出される極性反転させた着信信号はノーリンギング通
信のための着信であるか否かを、トーンデコーダ部11
からI/Oインタフェース23を介して与えられる検知
信号に基づいて判別する。このとき、NRS信号の着信
であることを検知すると、応じてステップST2の処理
に移行し、RAM22にストアされる通信フラグTFG
(初期状態においては、リセットされている)をセット
した後、所定のノーリンギング通信処理へ移行する。
【0042】前記ステップST1の処理に戻り、CPU
20がI/Oインタフェース23を介してトーンデコー
ダ部11から与えられる検知信号がNRS信号ではない
ことを検知すると、応じてスタンバイモードに戻る。
【0043】前述したように、マイコン3Aは極性反転
検出部4の極性反転により与えられる極性反転割込信号
INT1の入力に応じてトランジスタ7をONする。し
たがって、極性反転割込信号INT1の入力に伴う極性
反転がノーリンギング通信によるものであれば、ノーリ
ンギング通信処理が行なわれ、逆にノーリンギング通信
によるものでなければ、トランジスタ7のOFFが行な
われる。したがって、ノーリンギング通信処理が行なわ
れることにより、バッテリ1の陽極部において成長した
塩化膜は効果的に除去される。
【0044】次にマイコン3Aにおける時計用タイマ割
込信号INT2の入力に応じて行なわれる動作について
図4を参照して説明する。
【0045】端末網制御装置30は、前述したように大
半スタンバイモードにある。内部のカウンタ回路24に
より、0.5秒ごとに時計用タイマ割込信号INT2が
供給されると、CPU20はスタンバイモードから図4
に示されるステップST10以降の処理を実行開始す
る。
【0046】CPU20は、ステップST10の処理に
おいて、時計用タイマ割込信号INT2の入力に従い、
図示されない内部カウンタを用いて時刻計算処理を実行
する。次のステップST11の処理において、計算され
た時刻が0時00分かどうかを判別し、0時00分でな
いと判別した場合にはステップST12において現在時
刻が0時10分かどうかを判別する。逆にステップST
11において、0時00分でないと判別した場合には、
ステップST13において電池フラグ2がセットされて
いるかどうかを判別する。
【0047】ステップST12において、現在時刻が0
時10分でないと判別された場合には、スタンバイモー
ドに戻り、0時10分であると判別した場合には、ステ
ップST13に移る。すなわちステップST10ないし
ステップST12は、1回目の放電動作を行なうか2回
目の放電動作を行なうかを区別するための処理である。
【0048】ステップST13において、電池フラグ2
がセットされていると判別した場合には、ステップST
14において通信フラグTFGをセットし、逆に電池フ
ラグ2がセットされていないと判別した場合には、ステ
プST15において通信フラグTFGがセットされて
いるかどうかを判別する。ここで電池フラグ2は1回目
の塩化膜除去動作において電圧低下の検出信号があった
ことを示すフラグである。
【0049】ステップST15において、通信フラグT
FGがセットされていると判別した場合には、スタンバ
イモードに戻る。これは通信フラグTFGがセットされ
ている場合には、1日の間に既に放電動作を行なってお
り、この動作を繰り返すことを防止するためである。上
記ステップST15において通信フラグTFGがセット
されていない場合には、ステップST16からST22
までのリフレッシュ動作を行なう。
【0050】まずステップST16の処理において、時
間TR(10秒)を記憶領域22dに書込んで、リフレ
ッシュ時間TRをタイマTMに設定する。
【0051】ステップST17の処理においてリフレッ
シュ動作を開始するために、CPU20はI/Oインタ
フェース23を介してトランジスタ27のベース側に所
定電圧を印加する。これに応じてトランジスタ7がON
動作し、バッテリ1はトランジスタ7を介してトーンデ
コーダ部11に電源を供給する。
【0052】ステップST18において、CPU20
は、電池電圧検知回路9からの検知信号によりバッテリ
の電圧が低下しているか否かを判別し、バッテリ1の電
圧が低下していないと判別した場合には、ステップST
19において電池フラグ1がセットされているかどうか
を判別し、電池フラグ1がセットされていない場合には
ST20において電池フラグ1をセットする。逆にステ
ップST19において電池フラグ1がセットされている
場合にはステップST21において電池フラグ3がセッ
トされているかどうかを判別する。
【0053】前記ステップST18において、バッテリ
の電圧が低下していないと判別した場合には、ステップ
ST22においてタイマTMにセットされた時間TRが
経過したかどうかを判別し、経過した場合にはステップ
ST23においてリフレッシュ動作を終了する。
【0054】次に、ステップST24において電池フラ
グ1がセットされたかどうかを判別し、電池フラグ1が
セットされていない場合にはバッテリ1の電圧は正常で
あると判別されるので、スタンバイモードに戻る。逆
に、ステップST24において電池フラグ1がセットさ
れていると判別した場合には電池電圧が低下していると
判断し電池フラグ3をセットしスタンバイモードに戻
る。以上により第1回目のリフレッシュ動作を終了す
る。
【0055】第2回目のリフレッシュ動作は次のように
して行なわれる。すなわちステップST10からステッ
プST12の処理により現在時刻が0時10分であるこ
とを検出する。現在時刻が0時10分である場合には、
ステップST13からステップST15において送信フ
ラグTFGのセットおよび通信フラグTFGのセットが
されているか否かの判別を行なう。これらは第1回目の
リフレッシュ動作と同様である。
【0056】次に、ステップST15において通信フラ
グTFGがセットされている場合には前述したステップ
ST16からST23までの処理を行なう。
【0057】これらの処理ST16ないしST23のう
ち、ステップST21におてい電池フラグ3がセットさ
れていると判別した場合には、ステップST26におい
て電池低下情報をセンターに送出し、ステップST27
において、電池電圧が低下していることを示す電池フラ
グ2をセットし、その後スタンバイモードに戻る。
【0058】以上説明したように、第1回目のリフレッ
シュ動作において電池電圧検知回路9から電圧低下検知
信号が出力されても、直ちに電池電圧低下情報をセンタ
ーに送出せず、一定時間後(10分)の第2回目のリフ
レッシュ動作において電池電圧検知回路9から電圧低下
検知信号を出力された場合に初めて電池電圧低下情報を
センターに送出するようにしているので、バッテリ1の
容量が十分あるにもかかわらず電池電圧の低下情報を送
出するのを防止することができる。したがって1回目の
塩化膜除去動作によって出力された電圧低下検知信号が
塩化膜の除去の不十分であることに起因するのか、電池
電圧の低下に起因するのかを確認できるから、電池電圧
低下についての正確な情報をセンター側に送出すること
ができる。
【0059】図5は、この発明のもう1つの実施例を示
すブロック図である。図5に示す端末網制御装置31
は、マイコン3Bと、スタンバイ用電圧および複数の負
荷を駆動するため主電圧を発生する定電圧回路2′と、
前記主電圧の電位を検出してマイコン3Bに与える電圧
検出回路40と、バッテリ1の周囲温度を検出するため
の温度検出回路41とを含む。その他の回路について
は、図1と同様であり、同様の回路については同一符号
を付し適宜その説明は省略する。
【0060】マイコン3Bは、内蔵メモリに電圧低下監
視プログラム(後述する図8)と、電池電圧の低下を判
定するための複数のしきい値電圧VTHM、VTH1、
VTH2、VTH1,2を記憶している。ここで、VT
HMはマイコン3B自身のしきい値電圧、VTH1はト
ランジスタ7に接続されるトーンデコーダ部11(以下
第1の負荷Aと称する)のしきい値電圧、VTH2はト
ランジスタ8に接続されるモデム部12、トーンデコー
ダ部13(以下、第2の負荷Bと称する)のしきい値電
圧、VTH1,2は、第1の負荷Aおよび第2の負荷B
の両方を動作させた場合のしきい値電圧である。
【0061】また、マイコン3Bは、温度検出回路41
からの温度検出信号A2に応答して、前記複数のしきい
値電圧を補正する機能を有している。すなわち、バッテ
リ1が図6に示すような温度特性を持っている場合に
は、バッテリ1の周囲温度のうちの25℃を基準に前記
スレッショルド電圧を記憶しておき、温度が上昇すると
しきい値電圧を増加させて温度が下降するとしきい値電
圧を減少させる。これにより、バッテリ1の温度特性に
起因する電池電圧の変化を補償することができる。
【0062】図7は図5に示した定電圧回路2′、電圧
検出回路40、温度検出回路41の詳細と負荷との接続
を示す回路図である。
【0063】図7において、電源回路2′は第1の負荷
Aおよび第2の負荷Bに電流を供給するための主電源4
2と、マイコン3Bの内蔵メモリをバックアップするた
めのスタンバイ電源43と、バッテリ1と主電源42と
の間に接続され、マイコン3′からの制御信号D1によ
り出力電流が制御されるトランジスタ44と、トランジ
スタ44との関係で設けられる抵抗45および46と、
スタンバイ電源から主電源に電流が流れるのを防止する
ダイオード47と、主電源からスタンバイ電源に電流が
流れるのを防止するダイオード48とを含む。
【0064】電圧検出回路40は、抵抗40aおよび4
0bを含む。抵抗40aと40bとは、トランジスタ4
4のコレクタ電圧を分圧してマイコン3Bのアナログ入
力端子A1に与える。
【0065】温度検出回路41はバッテリ1の周囲温度
に応じて抵抗値が変化するサーミスタ41aと、抵抗4
1bとからなる。抵抗41bは、その一端がダイオード
48に接続されその他端がサーミスタ41aの一端に接
続される。サーミスタ41aはその他端が接地電位に結
合される。サーミスタ41aの両端の電圧は温度検知信
号A2としてマイコン3Bのアナログ入力端子に与えら
れる。
【0066】マイコン3Bは、主電源42から与えられ
る電源電圧VDDを駆動電圧とする。そして、所定時間
ごと(1日ごと)にトランジスタ44を制御するための
信号D1、トランジスタ7を制御するための信号D2お
よびトランジスタ8を制御するための信号D3を出力す
る。
【0067】図8は、電池電圧低下検出プログラムを示
すフローチャートである。図9は、図8のプログラムを
実行した際における電池電圧、電池電流およびしきい値
電圧の変化を示す図である。
【0068】図9において、マイコン3Bは、スタンバ
イ時にはバックアップに必要な電流ISを受ける。マイ
コン3Bのみが動作する場合には、電池電流はImとな
り電池電圧はVmとなる。第1の負荷Aのみが動作した
場合には電池電流がI1となり電池電圧はV1となる。
第2の負荷Bのみが動作した場合には電池電流はI2と
なり電池電圧はV2となる。第1および第2の負荷が動
作した場合には、電池電流はI1,2となり、電池電圧
はV1,2となる。
【0069】次に、図1ないし図9に示した端末の制御
装置の動作を説明する。マイコン3Bは、所定周期ごと
に電池電圧の低下をチェックするためのルーチンをスタ
ートさせ、ステップST30においてスタンバイモード
を解除する。ステップST31においてマイコン3B
は、温度検出回路41からの温度検出信号A2に基づい
てバッテリ1の周囲温度を確認する。
【0070】ステップST32においてマイコン3B自
身のしきい値電圧VTHMを補正する。
【0071】ステップST33において、トランジスタ
44を制御し主電源42からマイコン3Bに動作電流I
mを与え、そのときの電池電圧検出信号A1としきい値
電圧VTHMとの比較を行なう。電圧Vmがしきい値電
圧よりも低い場合には、バッテリ1の容量が低下したと
判定する。
【0072】ステップST34において、マイコン3B
は温度検出信号A2に基づいて第1の負荷Aに対応する
しきい値電圧VTH1を補正する。
【0073】ステップST35において、マイコン3B
は制御信号D2をトランジスタ7のベースに与え、主電
源42と第1の負荷Aとを接続し、第1の負荷Aに電流
I1を与える。そのときの電池電圧V1としきい値電圧
VTH1とを比較し、電池電圧V1がしきい値電圧VT
H1よりも低い場合にはバッテリ1の容量が低下したと
判定する。
【0074】ステップST36において、マイコン3B
は温度検出信号A2に基づいて第2の負荷Bに対応する
しきい値電圧VTH2を補正する。
【0075】ステップST37において、制御信号D3
をトランジスタ8のベースに与え主電源42と第2の負
荷Bとを接続し、電流I2を与える。そのときの電池電
圧V2としきい値電圧VTH2とを比較し、電池電圧V
2がしきい値電圧VTH2よりも低い場合には、バッテ
リ1の容量が低下していると判定する。
【0076】次にステップST38において、マイコン
3Bは温度検出回路41からの温度検出信号A2に基づ
いてしきい値電圧VTH1,2の補正を行なう。
【0077】ステップST39において、マイコン3B
は制御信号D2をトランジスタ7のベースに与え、制御
信号D3をトランジスタ8のベースに与える。それによ
り。主電源42と第1および第2の負荷とが接続され
る。このときの電池電圧V1,2としきい値電圧VTH
1,2とが比較され、電池電圧V1,2がしきい値電圧
VTH1,2よりも低い場合には、バッテリ1の容量が
低下していると判定する。ステップST39の処理が終
了するとこの電池電圧低下監視プログラムを終了する。
なお、上記各ステップにおいて1回でも電池電圧低下と
判定した場合には、電話回線を通してセンターに電池電
圧低下情報を送出する。
【0078】以上の図5ないし図9に示した端末網制御
装置は、複数の負荷のそれぞれに対応してしきい値電圧
を設け、かつ周囲温度の変化に応じて各しきい値電圧を
補正しているので、電池電圧の低下が負荷の切換および
周囲温度に起因するのか、電池容量の低下に起因するの
かを判別することができる。
【0079】図10は、この発明に係る端末網制御装置
のもう1つの実施例を示すブロック図である。図10に
示す端末網制御装置33が図1に示した端末網制御装置
と異なるところは、温度検出回路50が追加され、温度
変化に応答してリフレッシュ周期を変化させるマイコン
3Cが設けられていることである。他の回路については
図1の各回路と同様であり同一符号を付してその説明は
適宜省略する。
【0080】なお、温度検出回路50は、図5および図
7に示した温度検出回路41と同様な構成を有し、同様
な動作を行なう。
【0081】図11、図12および図13は、図10に
示した端末網制御装置33において、リフレッシュ周期
を設定するためのフローチャートである。図11ないし
図13に示す処理フローは、予めプログラムとしてマイ
コン3C内のROMに記憶され、CPUの制御の下に実
行される。図11ないし図13において、白抜きの丸印
で囲まれたA〜Eはフローチャートをつなぐための結合
子である。また、Kはリフレッシュとその実施回数、N
は温度測定を行なった回数、Yは検出回路50により検
出された温度値、Yは測定温度の平均値を示す。
【0082】次に、図11ないし図13の処理フローを
参照して、図10に示した端末網制御装置32の動作に
ついて説明する。
【0083】ステップST1において、カウンタに温度
測定回数Nおよびリフレッシュ回数Kが設定される。
【0084】ステップST3およびステップST4の処
理により前回の温度測定を終了してから1時間が経過し
たか否かを判別する。この処理フローの例では、午前0
時0分をスタート時としているので、マイコン3Cの内
部タイマに、現在時刻が毎時0分であることを検出する
ようになっている。ステップST5において、0時0分
に達したと判別した場合には、ステップST6におい
て、リフレッシュ動作を実施し、塩化チオニール系リチ
ウム電池1を活性化する。このリフレッシュ動作は、ト
ランジスタ7を動作させることにより回路消費電流を増
加させることにより行なわれる。次に、ステップST7
において、温度測定回数Nを0に設定する。
【0085】次に、図12のステップ8において、カウ
ンタに設定されているリフレッシュ実施回数Kが0,
1,2,3のいずれであるかを判別し、K=0の場合に
は、ステップST9において、その日の最初の温度を測
定する。この温度測定は、温度検出回路50により検出
された温度値が用いられる。
【0086】ステップST10において、温度測定回数
Nは1回であるか否かを判別し、N=1の場合は、温度
検出回路50により検出された温度値Yを平均値Xとし
てストアし、ステップST12において温度測定回数N
に1を加えてステップST2のスタンバイ状態に戻る。
【0087】前記ステップST10において、温度測定
回数Nが1でない場合には、ステップST13において
次の計算を行なう。X=X+(Y−X)/(N+1) 上記計算により温度測定回数が1回目以降の平均値を算
出することができる。ステップST14において、ステ
ップST12と同様にカウント値Nを+1にする。
【0088】ステップST15において、温度測定回数
Nは24回に達したか否かを判別し、24回に達してい
ない場合はステップST2からステップST14までの
動作を繰返す。逆に温度測定回数が24回にたっしてい
れば、その日の平均温度Xによって翌日のリフレッシュ
実施回数を設定する。
【0089】たとえば、1日の平均温度Xが30℃以上
の場合には、ステップST17においてリフレッシュ実
施回数Kを3に設定し、平均温度Xが20℃以上の場合
(ステップST18)、リフレッシュ実施回数Kを2に
設定し、平均温度Xが10℃以上の場合(ステップST
20)、リフレッシュ実施回数Kを1に設定し、それ以
下の場合には、ステップST22において0時0分にリ
フレッシュ動作を実施する。リフレッシュ動作を終了し
た後、ステップST1に戻る。
【0090】設定されたリフレッシュ実施回数はステッ
プST8においてチェックされ、Kが1,2,3の場合
には、図13の処理フローに移る。リフレッシュ実施回
数Kが3回であれば、ステップST23において現在時
刻が6時/12時/18時であるか否かが判別され、6
時/12時/18時であればステップST26において
リフレッシュ動作が実施される。すなわち、K=3であ
れば、6時間周期でリフレッシュ動作が実施されること
になる。
【0091】リフレッシュ実施回数Kが2に設定されて
いる場合には、ステップST24において、現在時刻は
8時または16時であるか否かが判別され、8時または
16時であれば、ステップST26において、リフレッ
シュ動作が実施される。
【0092】また、リフレッシュ実施回数Kが1に設定
されていると、ステップST25において、現在時刻は
12時であるか否かが判別され、現在時刻は12時であ
れば、ステップST26において、リフレッシュ動作が
実施される。
【0093】逆に、ステップST23〜ST25におい
て、現在時刻設定された時刻に達していないと判別され
た場合には、ステップST9の温度測定動作に戻る。
【0094】
【発明の効果】この発明に係る端末網制御装置によれ
ば、複数の負荷に対応させて複数のしきい値電圧を設
け、複数の負荷の切換に起因して変化する電池電圧と対
応のしきい値電圧とを比較することにより、各負荷につ
いての電池電圧の低下(電圧不足)が判定される。そし
て、複数負荷の少なくとも1つに対する電池電圧不足が
あれば、電池電圧低下の情報がセンター側に送信され
る。それゆえに、負荷の切換に起因して生じる電池電圧
低下を正確に検出してセンター側にその旨の電池電圧低
下についての情報を送出することができる。
【0095】また、上述のしきい値電圧は、周囲温度に
応じて設定されるから周囲温度の変動に伴って変動する
一次電池の電圧の変動分を補正することができて、負荷
の接続切換に起因して生じる一次電池の電圧低下をより
正確に判定できるとともに、より正確な電池電圧低下情
報をセンター側に送信できる。
【0096】この発明の他の局面に係る端末網制御装置
によれば、塩化チオニール系リチウム電池の塩化膜の成
長速度が周囲温度に応じて変化することを利用して、リ
フレッシュ動作を行なわせる周期が可変設定されるから
電池の寿命を長くすることができ、かつ塩化膜による電
池電圧低下を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る端末網制御装置の一実施例を示
すブロック図である。
【図2】図1に示したマイコン3Aの概略ブロック図で
ある。
【図3】この発明の一実施例による極性反転割込信号に
より起動される端末制御装置の動作を示す概略処理フロ
ー図である。
【図4】この発明の一実施例による時計用タイマ割込信
号により起動される端末網制御装置の動作を示す概略処
理フロー図である。
【図5】この発明の端末網制御装置のもう1つの実施例
を示すブロック図である。
【図6】バッテリ1の温度特性を示す図である。
【図7】図5に示した定電圧回路2′、電圧検出回路4
0、温度検出回路41の詳細を示す回路図である。
【図8】この発明の一実施例による電池電圧低下検出プ
ログラムを示すフローチャートである。
【図9】図8に示したプログラムを実行した際における
電池電圧、電池電流およびしきい値電圧の変化を示す図
である。
【図10】この発明に係る端末網制御装置のもう1つの
実施例を示すブロック図である。
【図11】この発明の一実施例によるリフレッシュ周期
を決定するためのフローチャートの一部である。
【図12】図12に結合され、この発明の一実施例であ
るリフレッシュ周期を決定するためのフローチャートの
一部である。
【図13】図12に示すフローチャートに結合され、こ
の発明の一実施例であるリフレッシュ周期を決定するた
めのフローチャートの一部である。
【図14】通信動作モード時における電池電圧および電
池電流の変化を示す図である。
【符号の説明】1 バッテリ、2,2′ 定電圧回路、3A,3B,3
C マイコン、4 極性反転検出部、7,8 トランジ
スタ、9 電池電圧検知回路、11 トーンデコーダ
部、12 モデム部、13 トーンダイヤラ部、40
電圧検出回路、41 温度検出回路、VTHM,VTH
1,VTH2 しきい値電圧。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−85055(JP,A) 特開 平3−203523(JP,A) 特開 昭60−218077(JP,A) 特開 平4−346072(JP,A) 特開 平3−195168(JP,A) 実開 昭63−115763(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 6/50 G01R 31/36 H02J 7/02 H04M 11/00 302 - 303 H04Q 9/00 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通信回線に接続され、前記通信回線を介
    してセンターと情報を送受信する情報通信手段と、塩化
    チオニール系リチウム電池を含む一次電池を少なくとも
    有する電源手段と、前記一次電池の電圧低下を監視する
    電池電圧監視手段とを備える端末網制御装置であって、 前記電池電圧監視手段は、 前記一次電池の電圧を検出する電圧検出手段と、 前記電源手段と複数の負荷のそれぞれとの接続を予め定
    められた順番で行なうとともに、接続された負荷に、対
    応の出力電流を前記電源手段を制御して供給する接続制
    御手段と、 前記複数の負荷のそれぞれに対応して設定された複数の
    しきい値電圧を記憶した記憶手段と、 前記接続制御手段により複数の負荷の接続順番に従っ
    て、前記電圧検出手段により順次検出される前記電圧
    と、前記記憶手段中の複数のしきい値電圧のうち対応す
    るしきい値電圧との差に基づいて、前記一次電池の電圧
    低下を判定する判定手段とを有し、 前記端末網制御装置は、 前記接続順番に従って順次接続される負荷ごとに、前記
    判定手段により前記一次電池の電圧低下が1回以上判定
    されたときは、前記情報通信手段を介して前記センター
    に電池電圧低下情報を送出する制御手段をさらに備え
    る、端末網制御装置。
  2. 【請求項2】 前記しきい値電圧は周囲温度に応じて補
    正される、請求項1に記載の端末網制御装置。
  3. 【請求項3】 通信回線に接続され、センターと情報を
    送受信する情報通信回路と、低レベルの放電に伴って内
    部に塩化膜が成長し高レベルの放電により前記塩化膜が
    除去される塩化チオニール系リチウム電池を含む電源回
    路とを備えた端末網制御装置であって、 前記塩化チオニール系リチウム電池の周囲温度を検知す
    る温度検知手段と、 前記温度検知手段により検知された周囲温度に応じて前
    記高レベルの放電動作 を行なわせる周期を変化させる制
    御手段とをさらに備える、端末網制御装置。
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