JP2988517B2 - 海底観測システム用電源装置 - Google Patents

海底観測システム用電源装置

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JP2988517B2
JP2988517B2 JP9060154A JP6015497A JP2988517B2 JP 2988517 B2 JP2988517 B2 JP 2988517B2 JP 9060154 A JP9060154 A JP 9060154A JP 6015497 A JP6015497 A JP 6015497A JP 2988517 B2 JP2988517 B2 JP 2988517B2
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孝雄 江口
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KAGAKU GIJUTSUCHO BOSAI KAGAKU GIJUTSU KENKYUSHOCHO
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/52PV systems with concentrators

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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海底に設置する観
測装置に用いる海底観測システム用電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】図7は
地震観測用のケーブル式海底観測システムの概要を説明
するための図、図8は従来の海底地震観測装置の構成例
を示す図である。首都圏、及び周辺域における大地震の
発生に大きく関与するフィリピン海プレートは、相模ト
ラフから首都圏の下へ斜めにもぐり込んでいる。ケーブ
ル式の海底地震観測システムは、例えば、このような大
地震の発生様式を調査研究するため、図7に示すように
相模トラフに設置されるもので、センターのテレメータ
受信装置72から電話回線73によって海岸中継局に接
続され、伝送ケーブル75により、この中継局のデータ
受信装置・テレメータ送信装置74から海底に設置した
複数台の観測センサ・ユニット76に直列に接続され
る。
【0003】観測センサ・ユニット76は地震観測装置
を備えているが、この地震観測装置は、図8に示すよう
に耐圧容器81の中に地震計82や信号の伝送部83、
電源などを収納している。このような地震観測装置で
は、耐圧容器81がどのような状態で海底に着底して
も、地震計82における3成分の検出器が正規の姿勢で
正常に動作できるように姿勢制御する姿勢制御装置を有
し、輸送時や海洋工事中には検出器を容器に固定し、保
護している。
【0004】上記したように、海底において伝送ケーブ
ル75により直列に接続される観測センサ・ユニット7
6では、地震観測装置に電源が必要であるため、その電
源を伝送ケーブル75を使って供給している。しかし、
図7に示したシステムの概要から明らかなように、複数
台の観測センサ・ユニット76は相模トラフの各観測ポ
イントに設置されるので、これらを直列に接続する伝送
ケーブル75は非常に長くなる。そのため、陸上局に高
圧給電装置を設ける必要があり、システムとしてのコス
トも高いものとなってしまう。
【0005】本発明は、上記課題を解決するものであっ
て、伝送ケーブルによる地上局からの電力給電を無くす
と共に、陸上局の高圧給電装置を無くすものである。
【0006】また、本発明は、海面採光部で光電変換し
た電力を、電力ケーブルを介して海底の観測装置に供給
する装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、海
底に設置する各種の観測装置に用いる海底観測システム
用電源装置であって、太陽光を採光する採光手段、及び
採光手段から採光した太陽光を集光する集光手段を海面
上に浮遊するように保持する浮き具の多数と、集光手段
から太陽光を電気に変換する太陽光発電手段まで太陽光
を導く光ケーブル、及び太陽光発電手段の発電出力を蓄
電する蓄電手段を備え、太陽光発電手段、及び蓄電手段
により海底に設置する観測装置の電源部を構成するとと
もに、集光手段と集光手段からの光ケーブルとのそれぞ
れの接続部に、集光手段を取り外し交換可能とする第1
のジョイントをそれぞれ設けてなる海底観測システム用
電源装置において光ケーブルは多芯光ケーブルであ
り、海面側先端のそれぞれに集光手段を配設するととも
に、集光手段からのそれぞれの多芯光ファイバーをまと
めて形成してなる1本の光ケーブルを太陽光発電手段に
対設することを特徴とする。
【0008】
【0009】
【0010】請求項記載の発明は、1本の光ケーブル
に、集光手段側の光ケーブルのよじれに起因する回転
と、太陽光発電手段側の光ケーブルのよじれに起因する
回転とを相互に独立して可能にする第2のジョイントを
介挿することを特徴とする。
【0011】請求項記載の発明は、浮き具のそれぞれ
を、浮き具同士に間隙を保持させて離隔する間隔保持部
材に固定接続し、浮き具同士の接触を防止することを特
徴とする。
【0012】請求項記載の発明は、海底に設置する各
種の観測装置に用いる海底観測システム用電源装置であ
って、太陽光を採光する採光手段、及び採光手段から採
光した太陽光を集光する集光手段と、集光手段から太陽
光を電気に変換する太陽光発電手段まで太陽光を導く光
ケーブルと、太陽光発電手段の発電出力を蓄電する蓄電
手段と、採光手段、集光手段、太陽光発電手段、光ケー
ブル、及び蓄電手段とを海面上に浮遊するように保持す
る浮き具とを備え、蓄電手段から、電力ケーブルを介し
て海底に設置する観測装置に電力供給するとともに
光手段と集光手段からの電力ケーブルとのそれぞれの接
続部に、集光手段を取り外し交換可能とする第1のジョ
イントをそれぞれ設けてなる海底観測システム用電源装
置において集光手段からのそれぞれの電力ケーブルを
まとめて形成してなる1本の電力ケーブルを海底に設置
した観測装置に接続するとともに、1本の電力ケーブル
に、集光手段側の電力ケーブルのよじれに起因する回転
と、観測装置側の電力ケーブルのよじれに起因する回転
とを相互に独立して可能にする第2のジョイントを介挿
することを特徴とする。
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る各種の海底
観測システム用電源装置の実施の形態を示す図、図2は
電源装置の回路構成例を示す図、図3は第1のジョイン
ト40とケーシング2Aとの接続状態を、一部破断して
示す断面図である。図中、符号1は採光部、2は集光
部、2Aはそのケーシング、3は浮き具、4A、4Bは
多芯光ケーブル、40は集光部2と光ケーブル4Bとの
間に接続されている第1のジョイント、4Cは各光ケー
ブル4Bを1本にまとめて収納された上部多芯光ケーブ
ル集合体、4Dは下部の多芯光ケーブル、40Aは上部
多芯光ケーブル集合体4C及び下部多芯光ケーブル4D
の間に介挿、配設された第2のジョイント、8は電源
部、10は光電変換部、11は充電回路、12は蓄電
器、13は観測センサ・ユニットの負荷回路、7はアン
カー、9は浮き具3同士に一定間隔を保持させるための
間隔保持部材を示す。
【0016】先ず、図1に基づいて電源装置の全体構成
を説明すると、透明体よりなる採光部1は、太陽光を取
り込むもので、平面状であっても、球面形状をなしてい
てもよい。漏斗形状を有する金属製ケーシング2Aの内
部に設けられた集光部2は、図示しないレンズやフィル
タを有し、採光部1から取り込んだ太陽光を集光する。
浮き具3は、採光部1、及び集光部2を海面上に浮遊さ
せて保持するものであり、そして、海面上に浮かべられ
たN個の浮き具3同士の間隔を一定に保持させて波浪等
による浮き具3同士の衝突を防止するため、軽金属材や
木材等により形成した一連の冊型、あるいは、梯子型、
方形状等に形成した間隔保持部材9が、浮き具3同士
の、海面下に位置する第1のジョイント40と光ケーブ
ル4Bとの間にそれぞれ接続される。
【0017】ところで、円筒形状を有する上述した第1
のジョイント40とケーシング2Aとの接続構成を示す
図3を参照すると、ジョイント40は、漏斗形状を有す
る金属性ケーシング2A下端部の円筒体内周面、及びジ
ョイント40のケーシング上端面中央部に立設した円筒
体402の上端部外周面を、例えば、螺合接続させるこ
とで、金属性ケーシング2Aとジョイント40との着脱
が自在に行えるよう構成されている。なお、図中符号4
01は多芯光ケーブル4Aを円筒体402に固定保持さ
せる固定部材である。そして、集光部2で集光した光
は、多芯光ケーブル4Aと、ジョイント40とを経由
し、さらに、10トン以上の引張強度を有する金属線に
より編組され、断面円形状の外装ケーブル内に収納され
ている低損失の多芯光ケーブル4Bを介して送光され
る。
【0018】このように、N個の集光部2で集光され、
多芯光ケーブル4A、ジョイント40、光ケーブル4B
を介して送光される光は、図3に示すように、各光ケー
ブル4Bを、断面円形状を有するとともに、同様に10
トン以上の引張強度を有する金属線等により編組された
1本の外装ケーブル内にまとめて収納してなる上部多芯
光ケーブル集合体4Cと、第2のジョイント40Aとを
経由し、さらにアンカー7に係留、保持され、上述した
上部多芯光ケーブル集合体4Cと同様に構成されている
下部多芯光ケーブル4Dを介し、海底に設置した観測セ
ンサ・ユニットに収容される電源部8に送光される。
【0019】上述した本発明に係る海底観測システム用
電源装置では、採光部1、及び集光部2を有するN個の
浮き具3が海面に浮遊している場合、他の浮遊物と接触
したりして損傷を受けたり、太陽光に曝されて経年変化
や劣化が進み易い。そこで、図3で説明したように、集
光部2と光ケーブル4Bとの間に、ケーシング2Aの取
り外し、交換を可能とするよう構成した第1のジョイン
ト40を接続してあるので、損傷や劣化の激しい採光部
1、集光部2、浮き具3を交換し、これにより全体とし
ての寿命を長く保つことが可能となり、さらには、メン
テナンスの負担を軽減することができる。
【0020】次に、図2を参照して上述した電源部8の
構成を説明すると、電源部8は、光電変換部10、充電
回路11、蓄電器12を有し、下部多芯光ケーブル4D
を介して送光された光を電気量に変換し、観測センサ・
ユニットの負荷回路13に給電するものである。この光
電変換部10は、下部多芯光ケーブル4Dの先端に対設
され、光を電気に変換して太陽光発電する所謂太陽電池
からなり、その発電出力により充電されて蓄電するのが
蓄電器12であり、充電を制御する回路が充電回路11
である。光電変換部10は、太陽光の強さにより発電出
力が変動するので、充電回路11は、この発電出力が変
動しても蓄電器12の充電を効率よく行えるように充電
電流・電圧の制御回路を備えている。例えば、コンバー
タや定電流制御回路、定電圧制御回路である。また、蓄
電器は、蓄電容量の大きなコンデンサ、例えば電気二重
層コンデンサやバッテリからなる。負荷部13に対する
給電は、蓄電器12から行われ、安定した電圧、電流を
供給するために、例えば、電源安定化回路が設けられ
る。
【0021】上述したように、本発明は光ケーブルによ
り、海面採光部1から海底の電源部8までの送光を行う
構成であるため、電力線ケーブルを用いて陸地から送電
する方式に比し、その重量が遙に軽量となり、このた
め、浮き具3の能力は小さなものですみ、設備費用が軽
減される。
【0022】次に、上述した第2のジョイント40Aの
構成を、図4(A)に示すケーシング43の一部を切り
欠いてその内部を示す斜め外観図と、図4(B)に示
す、ケーシング43を切断して内部の状態を模式的に示
す断面図とを参照して説明する。断面円形状の上部多芯
光ケーブル集合体4Cの下方外周面と、円筒形状を有す
る金属製ケーシング43の上方端面中心部に設けた孔の
内周面の接合部分41とは、例えば、カシメ、圧入等の
固着手段により液密状態に固着されている。上部多芯光
ケーブル集合体41の下端面は、ギャップ44を介在さ
せて下部多芯光ケーブル4Dの上端面と対向配置されて
いる。
【0023】また、下部多芯光ケーブル4Dの上部外周
面と、有底円筒形状を有するボールベアリング保持部材
45の底面中央に設けた孔部内周面との接合部分42に
おいては、下部多芯光ケーブル4Dの上部外周面と保持
部材45の孔部内周面とが、例えば、カシメ、圧入等の
固着手段により固着されている。そして、ケーシング4
3の下方端面中央部に立設した断面円環状の立壁部分の
内周面には、ボールベアリング46の内輪46Aが嵌入
されて不動状態に固着され、ボールベアリング46の外
輪46Bは保持部材45の下方端部に固着されている。
【0024】そして、ケーシング43の下方端面の立壁
面の外周面と下部多芯光ケーブル42の外周面との間
に、円筒形状を有するシール部材50や、あるいはオー
リング等の部材を挿設し、ケーシング43内への海水の
侵入を防止するとともに、下部多芯光ケーブル4Dの回
転を可能にする。また、ケーシング43内に充填された
透光性を有する、例えば、シリコンオイル48は、ギャ
ップ44における光47の送光に支障を与えずにボール
ベアリング46の回転を滑らかにする。さらに、ケーシ
ング43の内周壁面の底面周縁部にリング形状を有する
溝51を刻設し、ケーシング43の内周壁面に、半径方
向に着磁した円筒形状を有する永久磁石52を配設す
る。このように構成することで、ケーシング43内の回
転機構部で発生する金属屑を永久磁石52に吸着保持さ
せたり、また、溝51に沈澱させて保持し、これによ
り、オイル48の汚れを防止することが出来る。
【0025】ジョイント40Aは上記のように構成され
ているため、下部多芯光ケーブル4Dが静止状態にある
ときに、上部多芯光ケーブル集合体4Cが矢印49A方
向に回転される場合を説明すると、上部多芯光ケーブル
集合体4Cとケーシング43とが共に矢印49A方向に
向けて回転するとともに、内輪46Aが外輪46Bに対
して回転するため、下部多芯光ケーブル4Dによじれを
与える事がない。また、下部多芯光ケーブル4Dが矢印
49B方向に回動すると、このケーブル4Dとボールベ
アリング保持部材45とは、ボールベアリングの外輪4
6Bを内輪46Aに対して回転させながら、ケーシング
43と上部多芯光ケーブル集合体4Cを回転停止した状
態で、即ち、上部多芯光ケーブル集合体4Cによじれを
発生させずに、共に矢印49B方向に回転する。このよ
うに、ジョイント40Aを接続することにより、光ケー
ブル4C、4Dの回転、よじれを逃すことができ、さら
に、引張に対する光ケーブルの保護をはかることができ
る。
【0026】このため、間隔保持部材9を設けたN個の
浮き具3全体が潮流等により一体となって回動すると、
N本の光ケーブル4Bも共に回動するが、これに伴って
上部多芯光ケーブル集合体4Cは下部多芯光ケーブル4
Dに対して独立して回転するため、上部多芯光ケーブル
集合体4C、下部多芯光ケーブル4Dによじれを与える
ことがなく、その損傷をなくすことができる。
【0027】さらに、上部、及び下部多芯光ケーブル4
C、4Dは、共に同じ直径を持つ円形断面を有し、その
中心軸が対向するよう配置してあるため、上記光ケーブ
ル4C、4Dが如何ように回転しても、上部多芯光ケー
ブル集合体4Bから送光された光は、ギャップ44を介
して矢印47に示すように、光透過性を有するシリコン
オイル48を透過し、下部多芯光ケーブル4Dに確実に
伝送することができる。
【0028】なお、本発明は、上記実施の形態に限定さ
れるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、
上記実施の形態では、上部多芯光ケーブル集合体4C、
下部多芯光ケーブル4Dにより、複数の採光部1及び集
光部2からの各光ケーブル4Bを1本にまとめて電源部
8まで接続したが、各採光部1、集光部2からの光をそ
れぞれ光ファイバー4Bにより電源部8まで導き、電源
部8でこれらをまとめるようにしてもよい。
【0029】また、上述した間隔保持部材9を配設せず
に、各集光部2を浮き具3と共に独立して浮遊させても
よい。この場合には、上述のジョイント40の内部構成
に第2のジョイント40Aの内部構成を適用すること
で、光ケーブル4Bに対する浮き具3の独立的回転を許
容し、また、ケーシング2Aに対する光ケーブル4Bの
独立的回転を許容することができ、このため、波浪等に
よるケーシング2Aの回転による光ケーブル4Bのねじ
れの発生を未然に防止することができる。
【0030】また、観測データ等は、海面の集光部2か
ら電波を用いて陸上へ伝送してもよいし、超音波伝送を
用いてよい。また、集光部2でフィルタを使って取り込
む光の波長を選択するようにしたが、フィルタを使うこ
となく集光部2からの光をすべて電源部5まで導くよう
にしてもよい。
【0031】次に、図5(A)、(B)を参照し、光発
電を海面採光部1において行う本発明の別の実施の形態
を説明する。この場合には、採光部1で光発電した電力
を、電力ケーブル5A、電力ケーブル用の第1のジョイ
ント40B、電力ケーブル5B、図示しない多数の電力
ケーブル5Bを1本にまとめて収納した上部電力ケーブ
ル集合体5C、電力ケーブル用の第2のジョイント40
BB、及び下部電力ケーブル5Dを含む片側電力線を用
いて海底の電源部8に供給するものである。
【0032】以下に、説明の簡単化のため、単一の海面
採光部1により光電変換された電力を海底電源部8に送
電する例について説明する。図5(A)は漏斗状の金属
性ケーシング2Aを、海面採光部にて光発電して電力ケ
ーブルにて送電するときに使用する第1のジョイント4
0Bに接続し、その一部を切り欠いて内部を示した図、
図5(B)は海面にて採光した光を光電変換部10に投
光し、光電変換された電力を海底の観測装置に送電する
電源回路を示す。
【0033】図5(A)、(B)において、海面採光部
1、集光部2、及び浮き具3を備える金属性ケーシング
2Aの下方の円筒部内周面と、ジョイント40Bの、電
気的絶縁性を有するケーシング43の上端面から突出す
る円筒状部材432の上部外周面とは、例えば、螺合等
の手段により着脱可能に接続されている。そして、集光
部2により集光された太陽光を多芯光ケーブル4Aによ
り光電変換部10に投光し、光電変換された電力を充電
回路11を介して蓄電器12に充電し、電力ケーブル5
Aに送出し、さらに、このケーブル5Aが貫通するジョ
イント40Bを経由し、次いで、電力ケーブル5Bを
経、さらに、海中及びシーアース60Aを経由し、ケー
シング2A内の蓄電器12に還流する。なお、図中符号
431は電力ケーブル5Aを円筒体432に固定する保
持部材である。
【0034】図6(A)にその内部断面を示すもので、
上記したように、海面採光部にて光発電した電力を電力
ケーブルを介して海底の電源部に送電する場合に使用す
る第2のジョイント40BBは、既に述べた第2のジョ
イント40Aとほぼ同様な構成を有し、以下に記載する
点で相違するのみである。そこで、以下に、相違する構
成について説明し、同様な構成の重複説明は省略する。
即ち、ケーシング43内には電気絶縁油48Aが充填さ
れており、海面採光部1で光発電された電流は、蓄電器
12(図5B、参照)、電力ケーブル5A、第1のジョ
イント40B、電力ケーブル5Bに流入する。そして、
この電力ケーブル5Bの端面近傍の絶縁材を除去して露
出された円周面に取り付けた断面半円形状のリング状導
体53を経由し、さらに、この導体53に相対回転可能
に接触する円筒状の導電性ブラシ54に流れ、次いで、
ブラシ54の基端部を立設した有底円筒状の導電性保持
部材45を経由し、さらに、保持部材45の中心部に設
けられ、その絶縁部分を剥離し、その露出部に接続され
た導電性ケーブル5Cに流入するよう構成されている。
【0035】また、円筒状導電性ブラシ54を内包する
ように円筒形状に形成された金属性仕切り壁55の上端
部を、ケーシング43Aの上端面の内側面に固着する。
そして、仕切り壁55の下端には、ボールベアリング保
持部材45の底部上面に固着したリング形状を有すると
ともに、電気的絶縁性を有するパッキング部材57を介
在させ、これに摺接しながら相対回転を可能にするよう
構成することで、導電性ブラシ54をボールベアリング
側から空間的に隔絶する。さらに、リング形状を有する
金属性仕切り壁56の外周面を、円筒状永久磁石52の
内周面に固着し、仕切り壁56の内周面を、ボールベア
リング保持部材45の外周面に固着したリング形状を有
する、電気的絶縁性のパッキング部材58を介在させ、
これに摺接しながら相対回転を可能にすることで、導電
ブラシ54をボールベアリング側から空間的に二重に隔
絶し、これにより、仕切り壁55、56の、ボールベア
リング等の回転機構部からの金属屑等に対する仕切り作
用により、ブラシ54付近の電気的絶縁性を保持させ
る。
【0036】電力供給システムの全体構成を示す図6
(B)において、海面採光部1から第1のジョイント4
0B、電力ケーブル5B、これらのケーブル5Bをまと
めて収納した上部多芯電力線ケーブル集合体5C、上記
第2のジョイント40BB、下部多芯電力線ケーブル5
Dよりなる片側電力線を介して、電源部8に流入する。
そして、電源部8のシーアース60Bを介して点線で示
す海中路を経由し、さらに、シーアース60Aを経てケ
ーシング2A内の蓄電器12に還流するよう構成されて
いる。
【0037】上記した第2のジョイント40BBの構成
を第1のジョイント40Bの内部構成に適用すること
で、図1で説明したように、間隔保持体9をケーシング
2A同士の間に設けない場合に、ケーシング2Aに対し
てケーブル5Bが回転したり、ケーブル5Bに対してケ
ーシング2Aが回転しても、相互に独立して相対回転で
きるため、ケーブル5Bによじれを与えることがない。
【0038】上述したように、観測装置として、地震観
測装置を例に挙げたが、地磁気や重力等地球物理学、測
地学のみならず、海底で観測するためのケーブル式観測
システムなら、本発明はどのシステムにも適用可能であ
る。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、太陽光を採光する採光手段と、採光手段から採
光した太陽光を集光する集光手段を海面上に浮遊するよ
うに保持する浮き具の多数と、集光手段から太陽光発電
手段まで太陽光を導く光ケーブル及び太陽光発電手段の
発電出力を蓄電する蓄電手段とを備え、太陽光発電手
段、及び蓄電手段により海底に設置する観測装置の電源
部を構成するものにおいて、集光手段と、集光手段から
の光ケーブルとのそれぞれの接続部に第1のジョイント
をそれぞれ設けてあるため、浮き具同士の衝突により採
光部等に損傷があっても、新品や、修理のために簡単に
交換することが可能となるそして、上記した光ケーブ
ルは多芯光ケーブルであり、その海面側先端に集光手段
を配設するとともに、集光手段からの多芯光ファイバー
をまとめて形成した1本の光ケーブルを太陽光発電手段
に対設してあるため、多数の浮き具でそれぞれ集光した
太陽光を各多芯光ケーブルを経由し、さらに、多芯光ケ
ーブルをまとめた1本の光ケーブルを介して海底の電源
装置の太陽光発電手段まで導光することが可能となる
【0040】また、上記した1本の光ケーブルに、集光
手段側の光ケーブルのよじれに起因する回転と、太陽光
発電手段側の光ケーブルのよじれに起因する回転とを相
互に独立して可能にする第2のジョイントを介挿てあ
るため、この光ケーブルの集光手段側及び太陽光発電手
段側の光ケーブルのよじれの発生を防止することが出来
る。また、浮き具同士を間隙を介在させて保持する間隔
保持部材を備えているため、浮き具同士の衝突を未然に
防止することができる。
【0041】さらに、本発明は、海面採光部にて光電変
換した電力を電力ケーブルを介して海底の観測センサ・
ユニットに給電するよう構成してあるため、陸地から直
接給電する場合に比し、電力ケーブルの重量を大幅に軽
減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る海底観測システム用電源装置の
実施の形態例を示す図である。
【図2】 電源装置の回路構成例を示す図である。
【図3】 金属ケーシング2Aと多芯光ケーブル4Bと
を接続する第1のジョイントの一部を破断して示す断面
図である。
【図4】 光ケーブル4C、4Dの回転ねじれを防止す
る第2のジョイント40Aを示すもので、(A)はこの
ジョイント40Aのケーシングの一部を破断して示す斜
め外観図、(B)はそのジョイント40Aのケーシング
を切断して内部を示す断面図である。
【図5】 光発電を海面にて行う場合の採光部1と第1
のジョイント40Bとの接続関係、及びその採光部内に
設けた電源装置を示すもので、(A)は着脱可能に接続
されたジョイント40Bと金属性ケーシング2Aとの状
態を一部破断して示す断面図、(B)は蓄電器12から
送出した電流を導体5Aから送出し、シーアース60A
から還流させる電源回路図を示す。
【図6】 第2のジョイント40BBの内部断面と、そ
の送電システムの全体を示すもので、(A)はジョイン
ト40BBのケーシングを切断し、その内部を示す断面
図、(B)は海面採光部1で光電変換された電力を片側
電力線を介して電源部8に送電するシステムの全体構成
図である。
【図7】 従来のケーブル式海底地震観測システム例の
概要を説明するための図である。
【図8】 従来の海底地震観測装置の構成例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…採光部、2…集光部、3…浮き具、4A…集光部2
に集光した光を送光する光ケーブル、4B…多芯光ケー
ブル、8…電源部、10…光電変換部、11…充電回
路、12…蓄電器、13…負荷回路、7…アンカー、9
…間隔保持部材、40…金属性ケーシング2Aと光ケー
ブル4Bとを接続する第1のジョイント、40A…上部
多芯光ケーブル集合体4Cと下部多芯光ケーブル4Dと
を接続する第2のジョイント、40B…海面採光部1で
光発電した電力を海底の観測装置に送電する場合に、ケ
ーシング2と電力ケーブル5Bとを着脱自在に接続する
第1のジョイント、40BB…上部多芯電力線ケーブル
集合体5Cと下部多芯電力線ケーブル5Dとを接続する
第2のジョイント。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02J 7/35 H01L 31/04 Q (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01V 1/16 B63C 11/34 B63C 11/48 G01W 1/08 H01L 31/04 H02J 7/35

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海底に設置する各種の観測装置に用いる
    海底観測システム用電源装置であって、 太陽光を採光する採光手段、及び前記採光手段から採光
    した太陽光を集光する集光手段を海面上に浮遊するよう
    に保持する浮き具の多数と、 前記集光手段から太陽光を電気に変換する太陽光発電手
    段まで太陽光を導く光ケーブル、及び前記太陽光発電手
    段の発電出力を蓄電する蓄電手段とを備え、 前記太陽光発電手段、及び前記蓄電手段により海底に設
    置する観測装置の電源部を構成するとともに、前記集光
    手段と該集光手段からの前記光ケーブルとのそれぞれの
    接続部に、前記集光手段を取り外し交換可能とする第1
    のジョイントをそれぞれ設けてなる海底観測システム用
    電源装置において、 前記光ケーブルは多芯光ケーブルであり、海面側先端の
    それぞれに前記集光手段を配設するとともに、前記集光
    手段からのそれぞれの多芯光ファイバーをまとめて形成
    してなる1本の光ケーブルを前記太陽光発電手段に対設
    する ことを特徴とする海底観測システム用電源装置。
  2. 【請求項2】 前記1本の光ケーブルに、前記集光手段
    側の光ケーブルのよじれに起因する回転と、前記太陽光
    発電手段側の光ケーブルのよじれに起因する回転とを相
    互に独立して可能にする第2のジョイントを介挿するこ
    とを特徴とする請求項記載の海底観測システム用電源
    装置。
  3. 【請求項3】 前記浮き具のそれぞれを、該浮き具同士
    に間隙を保持させて離隔する間隔保持部材に固定接続
    し、前記浮き具同士の接触を防止することを特徴とする
    請求項1記載の海底観測システム用電源装置。
  4. 【請求項4】 海底に設置する各種の観測装置に用いる
    海底観測システム用電源装置であって、 太陽光を採光する採光手段、及び前記採光手段から採光
    した太陽光を集光する集光手段と、 前記集光手段から太陽光を電気に変換する太陽光発電手
    段まで太陽光を導く光ケーブルと、 前記太陽光発電手段の発電出力を蓄電する蓄電手段と、 前記採光手段、集光手段、太陽光発電手段、光ケーブ
    ル、及び蓄電手段とを海面上に浮遊するように保持する
    浮き具とを備え、 前記蓄電手段から、電力ケーブルを介して海底に設置す
    る観測装置に電力供給するとともに、 前記集光手段と該集光手段からの電力ケーブルとのそれ
    ぞれの接続部に、前記集光手段を取り外し交換可能とす
    る第1のジョイントをそれぞれ設けてなる海底観測シス
    テム用電源装置において、 前記集光手段からのそれぞれの電力ケーブルをまとめて
    形成してなる1本の電力ケーブルを前記海底に設置した
    観測装置に接続するとともに、前記1本の電力ケーブル
    に、前記集光手段側の電力ケーブルのよじれに起因する
    回転と、前記観測装置側の電力ケーブルのよじれに起因
    する回転とを相互に独立して可能にする第2のジョイン
    トを介挿する ことを特徴とする海底観測システム用電源
    装置。
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